JPH0449489B2 - - Google Patents

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JPH0449489B2
JPH0449489B2 JP61095687A JP9568786A JPH0449489B2 JP H0449489 B2 JPH0449489 B2 JP H0449489B2 JP 61095687 A JP61095687 A JP 61095687A JP 9568786 A JP9568786 A JP 9568786A JP H0449489 B2 JPH0449489 B2 JP H0449489B2
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lithium
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は高純度炭酸リチウムの製造法に関し、
特に高純度で一次粒子径の大きな凝集していない
炭酸リチウムの製造法に関するものである。 [従来の技術] 近年、高純度の炭酸リチウムは、電子材料や光
工業材料としての需要が増大している。これらの
分野において使用される炭酸リチウムは高純度で
あることは勿論であるが、相手物質との反応性等
の面から、その形状も大きな要素となつている。
この意味では、単結晶として、一次粒子の大きい
形状の整つた炭酸リチウムが要求されている。 従来、高純度の炭酸リチウムの製造方法は、一
般的には、水酸化リチウム水溶液又は、中性リチ
ウム塩のアルカリ性水溶液に、炭酸ガスを吹込む
方法あるいは上記水溶液をNa2CO3などの水溶性
炭酸塩と反応させる方法等が知られている。 しかしながら、これらの方法は一般的に反応が
局部的に急速に進行する要素が強いために、生成
する炭酸リチウムは微粒子となりやすく、さらに
はそれらが2次凝集する傾向が強く、そのため、
その内部に反応系内の不純物を包含するため、純
度の低下をきたす欠点がある。 一方、これらの方法に対して、最近は一次粒子
径の大きい高純度の炭酸リチウムを製造する方法
も検討されている。このような方法になかには、
結晶析出の際急速な局部反応が起こらないよう
な、いわゆる均質沈澱法を利用した反応がある。 例えば、尿素は、一般的に均質沈澱法における
沈澱剤としてよく使用されるが、炭酸リチウムを
生成する際に尿素を利用する方法が提案されてい
る。(特開昭59−83930号公報) 即ち、水酸化リチウムに尿素を添加し、その加
水分解による炭酸イオンにより一次粒子径の大き
い炭酸リチウムを生成する方法である。しかしな
がら、この反応は、アンモニア系であるためにア
ルカリ性下での生成反応であり、炭酸リチウムの
用途によつては、不純物の点で不都合な場合もあ
ると考えられる。また、反応後の母液の処理にお
いてもアンモニア系である為、問題を残すことが
ある。さらに、この方法では、炭酸リチウムの析
出収率が30%程度と大変低いという欠点がある。 さらに別な方法としては、炭酸リチウム水溶液
を蒸発濃縮し、再結晶することによつて、一次粒
子径の大きい炭酸リチウム沈澱を得る方法があ
る。しかしこの方法は、炭酸リチウムの水に対す
る溶解度が小さい為、大型設備の割に製品収量が
少なく、濃縮費用も膨大となるので実用的ではな
い。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明者等はこの様な従来の技術に鑑みて研究
を行つた結果、工業用の炭酸リチウム又は水酸化
リチウム等を溶解、分散した粗製炭酸リチウム水
性スラリーに、炭酸ガスを導入して生成した炭酸
水素リチウムを徐々に加熱分解することにより、
一次粒子が大きく、2次凝集していない新規な高
純度の炭酸リチウムを提供することができること
を知見し本発明の完成に至つたものである。 [問題点を解決するための手段] 即ち、本発明は、粗製炭酸リチウム水性スラリ
ーに炭酸ガスを導入して炭酸水素リチウム水溶液
を生成させる液化工程、該生成液を精密過する
精製液調製工程、該精製液を加熱分解して炭酸リ
チウムの沈澱を生成させる沈澱工程、次いで該沈
澱と母液とを分離する分離回収工程からなること
を特徴とする高純度炭酸リチウムの製造法であ
る。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の製造方法によつて得られる高純度炭酸
リチウムは、従来市販されている炭酸リチウムと
異なる幾つかの特徴的物性を有する。 即ち、まず第1に本発明にかかる高純度炭酸リ
チウムの結晶粒子は110面の方向に非常によく発
達し、それ故に電子顕微鏡観察によれば柱状形状
をしているものであるが、X線回折図における回
折線強度比[(110)/(002)]が1.0乃至3.0、
特に1.5〜2.0の範囲にあることで特徴ずけること
ができる。 次に、第2図a乃至第2図dに示すような電子
顕微鏡写真からも明らかなように、従来品が一次
粒子が凝集した、いわば多結晶粒子であるのに対
し、本発明にかかわるものは非凝集性の一次粒子
である。また、この様な一次粒子の大きさも製造
過程において高剪断力を作用させることによつ
て、第4図に示す様に比較的に微細な粒子にする
こともできる。 以上の物理的特性に対し、化学的特性としては
不純物含有量が著しく少なく、特にSO4,Si,
Na及びCaが合計量で150ppm以下、特に120ppm
以下にあることを特徴とする。 また、高純度炭酸リチウムの粒子径は電子顕微
鏡観察又は篩による粒度分布で平均粒子径が10乃
至100μm、好ましくは30乃至80μmが望ましく、
10μm未満では不純物の含有量が多くなると共に
凝集性の粒子になりやすく、100μmをこえると均
一な柱状形状の粒子ができにくい。 かかる物理化学的特徴を有する炭酸リチウム
は、従来では全く存在していない新規なものであ
り、その特徴のゆえに電子材料その他の用途に適
用できる。 次に、本発明にかかる高純度炭酸リチウムの製
造法について説明する。 第1図は本発明の高純度炭酸リチウムの製造法
の1例を示す工程図である。同第1図において、
本発明の高純度炭酸リチウムの製造法は工業用炭
酸リチウム又は及び工業用水酸化リチウムから得
られた粗製の炭酸リチウムを水に対する溶解度以
上に水に分散させ、粗製炭酸リチウム水性スラリ
ーとした後、これに炭酸ガスを吹込み炭酸リチウ
ムを溶解させ、炭酸水素リチウム水溶液とする。
次いで、該炭酸水素リチウム水溶液を精密過
し、不溶物を除去した後、液を加熱して、徐々
に起こる炭酸水素リチウムの分解反応により、炭
酸リチウムを析出させる。これを常法により固液
分離した後、固形分を乾燥させ、一次粒子径の大
きい形状の整つた高純度炭酸リチウムを得ること
ができる。 固液分離により分離された母液を粗製炭酸リチ
ウム水性スラリーの調製にくり回して使用するこ
とにより、収率を上げることができる。 本発明において、粗製炭酸リチウム水性スラリ
ーの調製に使用される出発原料としては極力不純
分の少ないリチウム塩が望ましいが、通常の工業
用炭酸リチウム又は工業用水酸化リチウムを炭酸
ガス等により炭酸化して生成させた粗製炭酸リチ
ウムを単独或いは混合物として用いることができ
る。 本発明における炭酸水素リチウム水溶液を生成
させる液化工程では、前記の出発原料である工業
用炭酸リチウムないしは、工業用水酸化リチウム
から生成させた粗製炭酸リチウムを炭酸リチウム
の溶解度以上に水、イオン交換水又は蒸留水等に
分散させ粗製炭酸リチウム水性スラリーを調製し
た後、そのスラリーに炭酸ガスを吹込み導入し、
分散している炭酸リチウムを溶解させて炭酸水素
リチウム水溶液を得る。生成した炭酸水素リチウ
ムは、不安定であるが、水溶液としては存在しう
る。 炭酸ガスの導入による反応は次の反応式() Li2CO3+CO2+H2O→2LiHCO3 ……() により行われが、この反応を行う際は、なるべく
高速攪拌等、効率的な気液接触設備にて炭酸ガス
を分散接触させる方が、炭酸リチウムの溶解速度
は速く、炭酸ガスの収率も向上する。また、より
低温、高圧な程、炭酸リチウムの溶解度は大き
く、従つて溶解速度の速くなる。具体的には温度
は40℃以下、好ましくは30℃以下で、圧力は大気
圧以上で行うのがよい。 もつとも、加圧下で行う場合、装置的に工夫を
要し、設備的な負荷を考慮すると、大気圧下で行
うことが実用的である。 生成する炭酸水素リチウムの水に対する溶解度
は炭酸リチウムの溶解度よりもはるかに高いこと
から、粗製炭酸リチウムの水性スラリー分散濃度
は、炭酸ガス吹込みにより生成する炭酸水素リチ
ウム溶解度相当又はそれ以上とすることが好まし
い。 なお、炭酸ガスの導入による炭酸リチウムの可
溶化、即ち、炭酸水素リチウムへの液化工程にお
いて反応系が平衡反応であるため、重炭酸化の終
点は多くの場合、炭酸ガスの利用効率の点から決
定することが望ましい。 反応系のPH又は電気電導度によつて決定するこ
とも可能であるが、上記のように平衡反応では炭
酸ガスの導入に対する変化が小さいので、予め設
定されたリチウム濃度に対して計算量の炭酸ガス
を流量でコントロールして決定するのも実際的で
ある。反応系のPHについては、約PH7.3〜8.5、好
ましくはPH7.5〜8.3に範囲がよい。約PH8.5より高
いと重炭酸化が不充分で原料リチウム塩の溶解が
不充分であり、一方約PH7.3より低いとCO2ガス
の使用効率が低く、実用的でない。 生成した炭酸水素リチウム水溶液は、高温では
不安定ではあるが、ほぼ40℃以下では急速に分解
することはない。工業用炭酸リチウムを原料とし
た場合、ほぼ完全に炭酸リチウムを溶解しても、
その溶液は不純物で若干濁つていることが多い。 すなわち、上記PHで液化すると、一方では原料
の粗製炭酸リチウム中に含有する微粒子や不純金
属化合物が微細な水酸化物等に転移して懸濁す
る。 従つて、本発明では、このような微細不溶物粒
子を除去するために、精密過を施し、精製液を
得ることが必要である。ここで精密過というの
は、前記懸濁不溶物を実質的に除去するに効果的
な過操作をいい、例えば目詰りの細かい膜(メ
ンバランス)や布を用いて行う。 また、過において作業性を良くすることや、
炭酸ガスの放出により炭酸リチウムの析出が生じ
ないように、送液ポンプにより若干の加圧過が
できる程度の方法をとることが好ましい。過方
法は特に限定することはないが、加圧過が好ま
しい。 次に、前工程で得られた精製炭酸水素リチウム
水溶液を加熱分解して炭酸リチウムの沈澱を生成
させる沈澱工程に移行する。 炭酸水素リチウム水溶液の加熱分解は、次の反
応式() 2LiHCO3→Li2CO3+CO2+H2O ……() により行われるが、この反応は撹拌下で行う。液
温は40℃以上、好ましくは50℃以上で、特に、好
ましくは70〜95℃であり、温度上昇に伴つて分解
が促進され、高温な程分解量が多く、即ち、収率
が良い。分解に要する時間は、特に限定する必要
はない。 即ち、昇温して最高温度に至るまでに母液より
脱炭酸されて晶析が実質的に行われるので、該温
度において暫時熟成保持すればよい。 この際、撹拌条件やその他分解条件を適宜変化
させることによつて生成する粒子径をコントロー
ルすることができる。 なお本発明において、より高純度を期待する場
合には、必要に応じて適宜所望のキレート剤を晶
析前、即ち炭酸水素リチウムの熱分解前に添加し
ておくことが望ましい。 例えば、EDTAを存在させることにより、回
収する炭酸リチウムへの不純物の混入を実質的に
避けることができる。 キレート剤の添加量は原料中に含有されている
除去すべき不純物の当量以上を目安とする。 炭酸水素リチウム水溶液の加熱分解において、
炭酸ガスが発生し炭酸リチウムが生成する。この
際熱分解反応は徐々に進行し、一次粒子径の大き
い角柱状の高純度炭酸リチウムが生成する。 発生する炭酸ガスは、回収して粗製炭酸リチウ
ム水性スラリーの液化工程に再利用でき、炭酸ガ
ス収率を上げることが可能である。 次に、生成した高純度炭酸リチウムは常法によ
り固液分離し、乾燥する。乾燥後は、外部からの
不純物による汚染を防止できるものであれば、特
に限定されるものではないが、例えば、真空乾燥
機等が好適である。 分離母液は、粗製炭酸リチウム水性スラリーの
調製に循環使用することができる。この分離母液
は、炭酸リチウム溶解度分のリチウムを含んでお
り、これを回収利用することにより原料収率をよ
り上げることができる。これは、本発明の反応が
原料からの不純物以外に、炭酸リチウムに対する
異種塩類を含まないために可能となる。なお、粗
製水酸化リチウムを常法により再結晶したものを
原料とすれば、さらに高純度で一次粒子径の大き
い炭酸リチウムを得ることができる。 乾燥した高純度炭酸リチウムは必要に応じて分
級することにより、一次粒子径が大きく、凝集し
ていない高純度の形の整つた製品を得ることがで
きる。 [作用] 本発明の高純度炭酸リチウムの製造方法は、粗
製炭酸リチウム水性スラリーに炭酸ガスを導入し
て生成した炭酸水素リチウム水溶液を精密過し
ているので不純物は除去され、また炭酸水素リチ
ウムが加熱により徐々に分解されるために一次粒
子径の大きい高純度の炭酸リチウムが得られるも
のと推定される。 [実施例] 以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説
明する。 実施例 1 市販工業用炭酸リチウム50Kgをイオン交換水
950に溶解、分散した水性スラリーに、常圧、
20℃において高速撹拌下にて炭酸ガスを約70/
minの流量で5時間吹込んで炭酸リチウムをほぼ
完全に溶解後、PH8.2において暫時撹拌を続け、
次いで溶解液を1Kg/cm2ゲージ圧となるようにポ
ンプ送液して精密過を施し、精製炭酸水素リチ
ウム水溶液を得た。 次いで、該炭酸水素リチウム水溶液を下記の第
1表に示す条件下で撹拌しながら加熱分解し、高
純度炭酸リチウムの結晶沈澱を得た。次いで、こ
れを遠心分離して該結晶を回収した。このとき母
液中のLiHCO3濃度から分解率を算出した。その
結果を第1表に併記する。
【表】 得られた試料No.2およびNo.4の炭酸リチウム
について、化学分析、粒度測定、X線回析および
電子顕微鏡等によりその物性を調べたところ、第
2表に示す結果が得られた。なお高純度炭酸リチ
ウムの結晶構造に示す電子顕微鏡写真を第2図a
〜第2図dに示す。また、第3図に試料No.4の
90℃、1hr加熱分解して得た高純度炭酸リチウム
の粒度分布のグラフを示す。 上記の電子顕微鏡写真による観察から明らかな
様に、各分解温度における粒子形はあまり変らな
いことが認められる。
【表】 実施例 2 市販の工業用炭酸リチウム及び工業用水酸化リ
チウムをそれぞれ原料として、次の条件で高純度
炭酸リチウムを製造した。 工業用炭酸リチウム10Kgをイオン交換水200
に溶解、分散した水性スラリーに、常圧、20℃に
おいて炭酸ガスを約50/minの流量で、1.5時
間吹込んで炭酸リチウムをほぼ完全に溶解後、PH
8.2において暫時撹拌を続け、次いで溶解液を1
Kg/cm2ゲージ圧となるようにポンプ送液して精密
過を施し、精製炭酸水素リチウム水溶液を得
た。 次いで、該母液の炭酸水素リチウム水溶液を90
℃にて1時間加熱分解した後、固液分離、乾燥し
て約7Kgの高純度炭酸リチウムを得た。 一方、工業用水酸化リチウムを原料とした場合
は、炭酸リチウム換算約5%の水酸化リチウム溶
液から、炭酸ガスにより炭酸リチウムを生成さ
せ、引き続いて上記と同様の方法で高純度炭酸リ
チウムを生成した。 他方、上記の方法で得た各炭酸水素リチウム水
溶液の一部を分散して、それぞれに原料リチウム
化合物に含有するCa量の1.2倍量に相当する
EDTAを添加した後、上記と同様に加熱分解さ
せてそれぞれ炭酸リチウムを得た。 その結果を第3表に示す。
【表】 第3表の結果から原料炭酸リチウムに比べ、高
純度の炭酸リチウムが得られ、またEDTAを併
用した場合さらに高純度の炭酸リチウムが得られ
ることが認められる。 実施例 3 工業用炭酸リチウムを使用して、高純度炭酸リ
チウムを製造する場合に、加熱分離後の母液を次
の工業用炭酸リチウムの溶解に繰り返し使用する
場合の影響を検討した。 実施例2と同様の方法により、加熱分解原液の
炭酸水素リチウム水溶液を得た。 次いで、該炭酸水素リチウム水溶液を95℃にて
2時間加熱分解した後、固液分離した。分離母液
は原料の粗製炭酸リチウム水性スラリーの調整に
循環使用した。分離母液は全量を循環使用した。 固形分からは乾燥、分級して約6Kgの高純度炭
酸リチウムを得た。 上記の工程における分離母液の循環使用による
影響を測定した結果を第4表に示す。
【表】 第4表の結果より、2回までの母液繰り返しを
しても品質が急激に低下することはないことが認
められる。 また、原料炭酸リチウムの収率は、繰り返しな
しの場合の収率は約65%であつたが、1回繰り返
し時約79%、2回繰り返し時約85%と上昇した。 炭酸ガスについても同様の収率が上昇した。 実施例 4 工業用炭酸リチウム200gをイオン交換水3
に溶解、分散した水性スラリーに、常圧、20℃に
おいて炭酸ガスを約1/minの流量で4時間吹
込んで炭酸リチウムをほぼ完全に溶解後、PH8.2
において暫時撹拌を続け、次いで溶解液を1Kg/
cm2ゲージ圧となるようにポンプ送液して精密過
を施し、精製炭酸水素リチウム水溶液を得た。 次いで、該母液の炭酸リチウム水溶液を高速剪
断力を有する撹拌機(島津製作所製、ミクロアジ
ター)を使用して撹拌しながら、90℃にて2時間
加熱分解した後、固液分離、乾燥して高純度炭酸
リチウム130gを得た。 得られた高純度炭酸リチウムの結晶の構造を示
す電子顕微鏡写真を第4図に示す。 第4図から、加熱分解で炭酸リチウム結晶を析
出させる際、通常の撹拌の代りに、高速剪断力を
もつた攪拌機を使用すれば、その程度により生成
粒子を微細化することができることが認められ
る。 比較例 1 10重量%工業用水酸化リチウムの水溶液に常
圧、50℃で炭酸ガスを1/minの流量で吹込ん
で炭酸リチウムを生成した。得られた炭酸リチウ
ムの結晶の粒子構造を示す電子顕微鏡写真を第5
図aに示す。 また、水酸化リチウムの濃度を5重量%に希釈
し、吹き込む炭酸ガスを窒素ガスで1/10に希釈し
て炭酸リチウムを生成した。得られた炭酸リチウ
ムの粒子構造を示す電子顕微鏡写真を第5図bに
示す。 第5図aおよび第5図bから、いずれも粒子形
状は微細な一次粒子が2次凝集した凝集体を形成
していることが認められる。またこのもののX線
回析による回析線強度比[(110)/(002)]
はいずれも0.88前後であつた。 [発明の効果] 本発明の高純度炭酸リチウムの製造法は一次粒
子が大きく、2次凝集していない高純度の炭酸リ
チウムを容易に得ることができ、極めて工業的価
値の高いものである。 また、一次粒子径の大きい炭酸リチウムを製造
する方法として、尿素を使用する均質沈澱法が公
知であるが、これに比べ、本発明の製造法は、原
料、工程、収率等の点で多大な利点がある。 原料として、安価な工業用炭酸リチウムを使用
できること、また、炭酸源として炭酸ガスを使用
するため、反応母液の回収使用、分解炭酸ガスの
回収使用が可能であり、原料収率が大変良い。 製造工程は、比較的単純であり、各工程のコン
トロールが容易にできる利点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の高純度炭酸リチウムの製造法
の1例を示す工程図、第2図a〜第2図dは各々
本発明により得られた高純度炭酸リチウムの結晶
の構造を示す電子顕微鏡写真、第3図は粒度分布
を示すグラフ、第4図は本発明の他の高純度炭酸
リチウムの結晶の構造を示す電子顕微鏡写真、第
5図aおよび第5図bは従来の方法により製造し
た炭酸リチウムの粒子構造を示す電子顕微鏡写真
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 粗製炭酸リチウム水性スラリーに炭酸ガスを
    導入して炭酸水素リチウム水溶液を生成させる液
    化工程、該生成液を精密過する精製液調製工
    程、該精製液を加熱分解して炭酸リチウムの沈澱
    を生成させる沈澱工程、次いで該沈澱と母液とを
    分離する分離回収工程からなることを特徴とする
    高純度炭酸リチウムの製造法。 2 沈澱工程において、キレート剤の存在下で加
    熱分解して炭酸リチウムの沈澱を生成させる特許
    請求の範囲第1項記載の高純度炭酸リチウムの製
    造法。 3 分離回収工程から回収される分離母液を液化
    工程の粗製炭酸リチウム水性スラリーの調製用溶
    液として循環使用する特許請求の範囲第1項記載
    の高純度炭酸リチウムの製造法。
JP9568786A 1986-04-23 1986-04-23 高純度炭酸リチウムの製造法 Granted JPS62252315A (ja)

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