JP6926010B2 - 水酸化リチウムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えばリチウム2次電池の正極用材料等として用いられる水酸化リチウムを製造する方法に関する。
近年リチウム2次電池等が広く使用されているが、このようなリチウム2次電池の正極用材料等として水酸化リチウムが多く使用されている(特許文献1参照)。
従来、水酸化リチウムの製造方法としては、炭酸リチウム(Li2CO3)と水酸化カルシウム(Ca(OH)2)とを反応させることによって水酸化リチウム(LiOH)を得る方法が知られている(非特許文献1参照)。
特開2018−6337号公報 Kwang-Joo Kim (2008) Recovery of Lithium Hydroxide from Spent Lithium Carbonate using Crystallizations, Separation Science and Technology, 43:2,420-430
しかしながら、上記従来の製造方法では、炭酸リチウム原料の溶解に要する時間が長いという問題、また炭酸リチウム原料の溶解に必要な液量(水の量)が多いという問題、さらには水酸化リチウム濃縮晶析の際に蒸発させなければならない水の量が多いという問題もあった。更に、水酸化カルシウムと反応させるには高い反応温度(90℃)を要するという難点もあった。このように上記従来の製造方法では、水酸化リチウムを効率よく製造することは困難であった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、高純度の水酸化リチウムを高収率で効率よく製造することができる水酸化リチウムの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]炭酸リチウムと、酢酸を含む酸とを反応させることによって酢酸リチウムを得る酢酸リチウム生成工程と、
前記得られた酢酸リチウムと、金属水酸化物とを水性液中で反応させることによって、水酸化リチウムを生成させる水酸化リチウム生成工程と、を含むことを特徴とする水酸化リチウムの製造方法。
[2]前記金属水酸化物として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化バリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の金属水酸化物を用いる前項1に記載の水酸化リチウムの製造方法。
[3]前記水酸化リチウム生成工程で得られた水酸化リチウム含有水性液から水酸化リチウムを晶析させる晶析工程を含む前項1または2に記載の水酸化リチウムの製造方法。
[4]前記水酸化リチウム生成工程で得られた水酸化リチウム含有水性液を、加熱濃縮することによって又はpH晶析を行うことによって水酸化リチウムを晶析させる前項3に記載の水酸化リチウムの製造方法。
[5]前記晶析工程を経て得られた水性液から晶析水酸化リチウムを分離回収した後の残りの水性液に二酸化炭素を添加した後、該二酸化炭素の添加によって沈殿生成する炭酸リチウムを、前記酢酸リチウム生成工程に供給する循環工程を備えることを特徴とする前項1〜4のいずれか1項に記載の水酸化リチウムの製造方法。
[1]の発明によれば、炭酸リチウムは酢酸に対する溶解性が極めて高いので炭酸リチウム原料の溶解に時間を殆ど要しないし、炭酸リチウムは酢酸に対して少ない液量で溶解する上に、炭酸リチウムと酢酸は室温でも十分に反応し、酢酸リチウムと金属水酸化物も室温でも十分に反応することから、炭酸リチウムから水酸化リチウムを効率よく生成させることができる。このように、本発明によれば、炭酸リチウムから水酸化リチウムを効率よく生成させることができて水酸化リチウムを高収率で製造できると共に、高純度の水酸化リチウムを得ることができる。
[2]の発明では、金属水酸化物として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化バリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の金属水酸化物を用いるので、より高い収率で水酸化リチウムを得ることができる。
[3]の発明では、晶析工程を経ることにより、高純度の水酸化リチウムを得ることができる。
[4]の発明では、加熱濃縮又はpH晶析することによって水酸化リチウムを晶析させるので、より一層高純度の水酸化リチウムを得ることができる。加熱濃縮を行う場合には、蒸発させる水の量が従来技術よりも少なくて済み、省エネルギー化できるし、装置規模も抑制できる利点がある。また、pH晶析を行う場合には、常温で(即ち蒸発のための加熱を行うことなく)水酸化リチウムを晶析させることができて、省エネルギー化できるし、装置材質の要件も緩和されて(安価で汎用の樹脂製反応容器の使用が可能である)経済的に製造できる。
[5]の発明では、晶析水酸化リチウムを分離回収した後の残りの水性液中に残存しているリチウム化合物を前記酢酸リチウム生成工程における原料としての「炭酸リチウム」の少なくとも一部として再利用できるので、リチウム損失の極めて少ない水酸化リチウム製造方法である。
本発明に係る水酸化リチウムの製造方法は、炭酸リチウムと、酢酸を含む酸とを反応させることによって酢酸リチウムを得る酢酸リチウム生成工程と、前記得られた酢酸リチウムと、金属水酸化物とを水性液中で反応させることによって、水酸化リチウムを生成させる水酸化リチウム生成工程と、を含むことを特徴とする製造方法である。本製造方法によれば、炭酸リチウムから水酸化リチウムを効率よく生成させることができて水酸化リチウムを高収率で製造できると共に、高純度の水酸化リチウムを得ることができる。
(酢酸リチウム生成工程)
前記酢酸リチウム生成工程において、例えば、炭酸リチウムと酢酸とを反応させた場合には、
Li2CO3+CH3COOH → CH3COOLi+H2CO3 (1)
上記化学反応式(1)で示す反応により酢酸リチウムが得られる。この時の反応温度は、0℃〜120℃に設定するのが好ましく、5℃〜80℃に設定するのがより好ましい。この時、炭酸リチウムに対してモル比で1.0倍〜5.0倍の酢酸を使用して反応させるのが好ましく、この場合にはより高い収率で酢酸リチウムを得ることができる(これにより水酸化リチウムの収率も向上させることができる)。中でも、炭酸リチウムに対してモル比で1.0倍〜2.0倍の酢酸を使用して反応させるのが特に好ましい。
前記酢酸リチウム生成工程において、例えば、「炭酸リチウム」と、「酢酸及び硫酸を含む酸」とを反応させることによって酢酸リチウムを得るようにしてもよいし、或いは、「炭酸リチウム」と、「酢酸及び塩酸を含む酸」とを反応させることによって酢酸リチウムを得るようにしてもよい。
(水酸化リチウム生成工程)
前記水酸化リチウム生成工程では、前記酢酸リチウム生成工程で得られた酢酸リチウムと、金属水酸化物とを水性液中で反応させることによって、水酸化リチウムを生成させて水酸化リチウム含有水性液(水酸化リチウムスラリー液)を得る。この時の反応温度は、5℃〜80℃に設定するのが好ましい。前記金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化バリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の金属水酸化物を用いるのが好ましい。中でも、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種の金属水酸化物を用いるのが特に好ましい。例えば、前記金属水酸化物として水酸化カリウムを用いた場合には、
CH3COOLi + KOH + H2
→ CH3COOK + LiOH・H2O↓ (2)
上記化学反応式(2)で示す反応により水酸化リチウム・1水和物が得られる。なお、副生成物であるCH3COOKは、不凍液等として利用できるので、産業上の利用価値がある化合物である。
また、前記水酸化リチウム生成工程で、前記金属水酸化物として水酸化ナトリウムを用いた場合には、
CH3COOLi + NaOH + H2
→ CH3COONa + LiOH・H2O↓ (3)
上記化学反応式(3)で示す反応により水酸化リチウム・1水和物が得られる。
(精製工程(晶析工程))
次に、前記水酸化リチウム生成工程で得られた水酸化リチウム含有水性液(水酸化リチウムスラリー液)を精製する。例えば、前記水酸化リチウム含有水性液(水酸化リチウムスラリー液)に対して、例えば以下のような精製を行うことによって、高純度の水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を得ることができる。
a)濾紙を用いた濾過による水酸化リチウムの精製法の一例
前記水酸化リチウム生成工程で得られた水酸化リチウム含有水性液を濾紙を用いて濾過を行い、濾紙上に残った濾過固形物をエタノール等で洗浄することによって不純物を取り除き、次いで例えば常温で乾燥させることによって、精製した水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を得ることができる。
b)加熱濃縮による水酸化リチウムの精製法の一例
前記水酸化リチウム生成工程で得られた水酸化リチウム含有水性液を100℃〜150℃で加熱して蒸発させ、水酸化リチウムを液中で飽和させることで、液中に溶解できなくなった水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)が析出する。次に、水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の析出液を濾紙を用いて濾過を行い、濾紙上に残った濾過固形物をエタノール等で洗浄することによって不純物を取り除き、次いで例えば常温で乾燥させることによって、精製した水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を得ることができる。蒸発速度に応じて還流装置等を用いて蒸発速度を制御することにより、より高純度の水酸化リチウム・1水和物を得ることができる。
c)pH晶析を行うことによる水酸化リチウムの精製法の一例
酢酸リチウム水溶液と水酸化カリウム水溶液を用いて、リチウムに対してカリウムのモル比が0.5倍〜2.0倍になるように2液を混合して母液を作製する。母液と同じリチウムに対するカリウムのモル比となるように2液の滴下速度を決定し、滴下時間1時間〜6時間で前記水酸化リチウム含有水性液(前記水酸化リチウム生成工程で得られた水酸化リチウム含有水性液)に滴下して、水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を晶析(析出)させる。次いで、この水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の析出液を結晶の熟成のために2時間以下の時間で余分に撹拌を行った後、前記析出液を濾紙を用いて濾過を行い、濾紙上に残った濾過固形物をエタノール等で洗浄することによって不純物を取り除き、次いで例えば常温で乾燥させることによって、精製した水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を得る。或いは、前記母液を作製し、該母液に水酸化カリウム水溶液を滴下することにより、溶液中の水酸基濃度を変化させて、水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を精製する。
(循環工程)
本発明の製造方法では、更に次のような工程を設けるのが好ましい。即ち、前記精製工程(晶析工程)を経て得られた水性液(水酸化リチウムスラリー液から水酸化リチウムを分離回収した後の残りの水性液)に、二酸化炭素を添加した後、該二酸化炭素の添加によって沈殿生成する炭酸リチウムを、前記酢酸リチウム生成工程に供給する循環工程を設ける。このような循環工程を設けることで、水酸化リチウムを分離回収した後の残りの水性液中に残存しているLiOH(分離回収できなかった残存LiOH)を前記酢酸リチウム生成工程における原料としての「炭酸リチウム」の少なくとも一部として再利用できるので、リチウム損失の極めて少ない水酸化リチウム製造方法とすることができる。前記金属水酸化物として水酸化カリウムを用いた場合には、
CH3COOK + 2LiOH + H2CO3
→ Li2CO3↓ + CH3COOK + H2O (4)
上記化学反応式(4)で示す反応により炭酸リチウムが生成される。また、前記水酸化リチウム生成工程で前記金属水酸化物として水酸化ナトリウムを用いていた場合には、
CH3COONa + 2LiOH + H2CO3
→ Li2CO3↓ + CH3COONa + H2O (5)
上記化学反応式(5)で示す反応により炭酸リチウムが生成される。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
炭酸リチウム100質量部および純水440質量部を混合して炭酸リチウムスラリー液を得た。前記得られた炭酸リチウムスラリー液540質量部に酢酸(純度99.7質量%)180.6質量部を添加して25℃で24時間撹拌を行うことによって酢酸リチウムを生成せしめて酢酸リチウム含有水性液(酢酸リチウム水溶液)を得た(酢酸リチウム生成工程)。前記酢酸リチウム生成工程では、炭酸リチウムに対してモル比で1.1倍の酢酸を添加している。
前記24時間撹拌後に得られた酢酸リチウム含有水性液に水酸化カリウム粉末216.6質量部を添加して25℃で48時間撹拌を行うことによって水酸化リチウムを生成させて水酸化リチウム含有水性液(水酸化リチウムスラリー液)を得た(水酸化リチウム生成工程)。
前記48時間撹拌後に得られた水酸化リチウム含有水性液を濾紙を用いて濾過して得られた濾過固形物を常温で乾燥させることによって15.2質量部の水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を得た(精製工程)。なお、乾燥させて得られた固形物について、XRD分析、ICP分析およびイオンクロマトグラフ分析を行うことにより該固形物が水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)であることを確認した。また、得られた乾燥固形物における水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の純度は、98質量%であった。また、実施例1の製造方法における水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の収率は、13.4質量%であった。
次に、前記濾過の際に濾紙を通過した濾液の全量に対し二酸化炭素を2時間バブリングすることにより(吹き込むことにより)炭酸リチウムを沈殿生成せしめた。この炭酸リチウムを回収し、この回収した炭酸リチウムを、次のバッチの酢酸リチウム生成工程に供給して原料の炭酸リチウムの一部として再使用(循環使用)して前記同様に酢酸リチウム生成工程、水酸化リチウム生成工程、精製工程を実施したところ、前記同様に水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を得ることができた。
<実施例2>
炭酸リチウム100質量部および純水442.3質量部を混合して炭酸リチウムスラリー液を得た。前記得られた炭酸リチウムスラリー液542.3質量部に酢酸(純度99.7質量%)197.0質量部を添加して25℃で24時間撹拌を行うことによって酢酸リチウムを生成せしめて酢酸リチウム含有水性液(酢酸リチウム水溶液)を得た(酢酸リチウム生成工程)。前記酢酸リチウム生成工程では、炭酸リチウムに対してモル比で1.2倍の酢酸を添加している。
前記24時間撹拌後に得られた酢酸リチウム含有水性液に水酸化ナトリウム粉末119.3質量部を添加して25℃で48時間撹拌を行うことによって水酸化リチウムを生成させて水酸化リチウム含有水性液(水酸化リチウムスラリー液)を得た(水酸化リチウム生成工程)。
前記48時間撹拌後に得られた水酸化リチウム含有水性液を濾紙を用いて濾過して得られた濾過固形物を常温で乾燥させることによって40質量部の水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)を得た(精製工程)。なお、乾燥させて得られた固形物について、XRD分析、ICP分析およびイオンクロマトグラフ分析を行うことにより該固形物が水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)であることを確認した。また、得られた乾燥固形物における水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の純度は、65質量%であった。また、実施例2の製造方法における水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の収率は、7.5質量%であった。
次に、前記濾過の際に濾紙を通過した濾液の全量に対し二酸化炭素を1.5時間バブリングすることにより(吹き込むことにより)炭酸リチウムを沈殿生成せしめた。この炭酸リチウムを回収し、この回収した炭酸リチウムを、次のバッチの酢酸リチウム生成工程に供給して原料の炭酸リチウムの一部として再使用(循環使用)して前記同様に酢酸リチウム生成工程、水酸化リチウム生成工程、精製工程を実施したところ、前記同様に水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を得ることができた。
<実施例3>
実施例1と同様に酢酸リチウム生成工程、水酸化リチウム生成工程を実施することにより、水酸化リチウム含有水性液(水酸化リチウムスラリー液)を得た。この水酸化リチウム含有水性液を120℃で加熱して蒸発させて、水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を析出させた。次に、水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の析出液を濾紙を用いて濾過を行い、濾紙上に残った濾過固形物をエタノールで洗浄した後、常温で乾燥させることによって、水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を得た(精製工程)。なお、乾燥させて得られた固形物について、XRD分析、ICP分析およびイオンクロマトグラフ分析を行うことにより該固形物が水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)であることを確認した。この実施例3では、得られた乾燥固形物における水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の純度は、99.5質量%であった。また、実施例3の製造方法における水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の収率は、98.8質量%であった。
<実施例4>
実施例1と同様に酢酸リチウム生成工程、水酸化リチウム生成工程を実施することにより、水酸化リチウム含有水性液(水酸化リチウムスラリー液)を得た。この水酸化リチウム含有水性液に、酢酸リチウム水溶液と水酸化カリウム水溶液をそれぞれ滴下した後、滴下により得られた水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の析出液を濾紙を用いて濾過を行い、濾紙上に残った濾過固形物をエタノールで洗浄した後、常温で乾燥させることによって、水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を得た(精製工程)。なお、乾燥させて得られた固形物について、XRD分析、ICP分析およびイオンクロマトグラフ分析を行うことにより該固形物が水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)であることを確認した。
この実施例4では、得られた乾燥固形物における水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の純度は、99.9質量%であった。また、実施例4の製造方法における水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)の収率は、65質量%であった。
本発明に係る製造方法で得られる水酸化リチウムは、例えば、リチウム2次電池の正極用材料等として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。

Claims (5)

  1. 炭酸リチウムと、酢酸を含む酸とを反応させることによって酢酸リチウムを得る酢酸リチウム生成工程と、
    前記得られた酢酸リチウムと、金属水酸化物とを水性液中で反応させることによって、水酸化リチウムを生成させる水酸化リチウム生成工程と、を含むことを特徴とする水酸化リチウムの製造方法。
  2. 前記金属水酸化物として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化バリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の金属水酸化物を用いる請求項1に記載の水酸化リチウムの製造方法。
  3. 前記水酸化リチウム生成工程で得られた水酸化リチウム含有水性液から水酸化リチウムを晶析させる晶析工程を含む請求項1または2に記載の水酸化リチウムの製造方法。
  4. 前記水酸化リチウム生成工程で得られた水酸化リチウム含有水性液を、加熱濃縮することによって又はpH晶析を行うことによって水酸化リチウムを晶析させる請求項3に記載の水酸化リチウムの製造方法。
  5. 前記晶析工程を経て得られた水性液から晶析水酸化リチウムを分離回収した後の残りの水性液に二酸化炭素を添加した後、該二酸化炭素の添加によって沈殿生成する炭酸リチウムを、前記酢酸リチウム生成工程に供給する循環工程を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の水酸化リチウムの製造方法。
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