以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1実施形態(すべてのアスペクト比の撮影領域から画欠けを防止する例)
1−1.第1実施形態に係る撮像装置100の概要
1−1.撮像装置100の機能構成
1−2.撮像装置100のズーム処理に関する処理フロー
2.第2実施形態(優先的なアスペクト比の撮影領域のみから画欠けを防止する例)
2−1.第2実施形態に係る撮像装置200の概要
2−2.撮像装置200のズーム処理に関する処理フロー
3.第3実施形態(撮影データを複数のアスペクト比の表示器に表示させる場合の例)
3−1.第3実施形態に係る撮像装置300の概要
3−2.撮像装置300の機能構成
4.第4実施形態(主たる撮影領域を表示器に最大限に表示させる場合の例)
4−1.第4実施形態に係る撮像装置400の概要
4−2.フレームモードの設定
4−3.撮像装置400のズーム処理に関する処理フロー
5.第5実施形態(ズーム処理に応じて表示領域を切り替える例)
6.各実施形態に係る撮像装置のハードウェア構成
7.まとめ
<1.第1実施形態>
[1−1.第1実施形態に係る撮像装置100の概要]
まず、従来技術の問題点を明確にしたうえで、本発明の第1実施形態に係る撮像装置100の概要について説明する。
上述したように、従来のデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの撮像装置には、例えば、例えば、4:3や16:9といった複数のアスペクト比の画像を同時に撮影する機能を備えていることがある。このように、複数のアスペクト比の画像を同時に撮影可能な機能を備える場合には、ディスプレイなどを介して複数のアスペクト比に対応する適切な撮影領域をユーザに示す必要がある。
図30は、従来の撮像装置において、複数のアスペクト比の画像に対応する撮影領域をユーザに示す表示例を示す説明図である。図30は、アスペクト比が4:3の表示器10に、16:9のアスペクト比の撮影領域12と、4:3のアスペクト比の撮影領域14とが同時に表示されている例である。図30に示す例では、4:3のアスペクト比の撮影領域14が4:3のアスペクト比の表示器10に最大限に表示され、16:9のアスペクト比の撮影領域12に対応するフレームが表示されている。この結果、ユーザは、表示器10に表示されるフレームを見ることにより、4:3のアスペクト比の撮影領域14および16:9のアスペクト比の撮影領域12を確認しながら、ズーミング、フォーカシング、撮影開始などの所定の処理を行うことができる。
ここで、ユーザは、例えば、所定の被写体を撮影するために、撮影領域内に当該被写体が収まるようにズーム処理を行うことが想定される。以下の説明においては、富士山を注目する被写体としてズーム処理を行う例について説明する。図31は、図30に示した表示器10の表示状態においてズーム処理により、注目する被写体である富士山を拡大した場合の概念を示す説明図である。
図31を参照すると、富士山は、4:3のアスペクト比の撮影領域14に収まっているが、16:9のアスペクト比の撮影領域12から富士山の一部がはみ出している。すなわち、ユーザが、表示器10に富士山が収まるようにズーム処理を行ったとしても、16:9のアスペクト比に対応する画像データからは富士山の一部が画欠けしてしまう。
このような問題は、表示器10のアスペクト比に関わらず発生する。図32は、従来の撮像装置において、アスペクト比が16:9の表示器10に、16:9のアスペクト比の撮影領域12と、4:3のアスペクト比の撮影領域14とが同時に表示されている例である。図32に示す例では、16:9のアスペクト比の撮影領域12が16:9のアスペクト比の表示器10に最大限に表示され、4:3のアスペクト比の撮影領域14に対応するフレームが表示されている。図33は、図32に示した表示器10の表示状態においてズーム処理により、注目する被写体である富士山を拡大した場合の概念を示す説明図である。図33を参照すると、富士山は、16:9のアスペクト比の撮影領域12に収まっているが、4:3のアスペクト比の撮影領域14から富士山の一部がはみ出していることがわかる。すなわち、ユーザが、表示器10に富士山が収まるようにズーム処理を行ったとしても、4:3のアスペクト比に対応する画像データからは富士山の一部が画欠けしてしまう。
このように、複数のアスペクト比の画像を同時に撮影する場合、ユーザが所定の被写体を撮像装置の表示器10に収まるようにズーム処理を行っても、一方のアスペクト比の画像データから当該被写体が画欠けしてしまうことがあるという問題があった。すなわち、従来の撮像装置は、複数のアスペクト比の画像を同時に撮影する場合、表示器10の表示画面を基準としてズーム処理を行うと、一方のアスペクト比の撮影領域から所定の注目する被写体が画欠けしてしまうという問題があった。
本発明の第1実施形態に係る撮像装置100は、以上のような従来の撮像装置の問題点を解決するものである。
具体的には、撮像装置100は、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する際に、小さい撮影領域のアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を設定し、設定されたアスペクト比の画像から所定の被写体が画欠けしないように所定の処理を実行する。撮像装置100は、例えば、ズーム制約が設定されたアスペクト比の画像の撮影領域から所定の被写体が画欠けする前に、表示画面に警告表示を表示したり、ズーム機能を無効にしたりすることができる。この結果、ユーザは、いずれのアスペクト比の画像データからも所定の被写体が画欠けしないようにズーム処理を行って、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影することができる。
このように、第1実施形態に係る撮像装置100は、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する際に、すべてのアスペクト比の画像データの撮影領域から所定の被写体が画欠けしないように、表示機能やズーム機能を制御することができる。
以下、このような特徴を有する第1実施形態に係る撮像装置100の詳細について説明する。なお、以下の説明においては、撮像装置100によりユーザが所定の被写体を記録することを説明の便宜上「撮影」と表現するが、被写体の映像をそのまま記録する「撮像」の意味も含むものである。
[1−1.撮像装置100の機能構成]
まず、第1実施形態に係る撮像装置100の機能構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る撮像装置100のズーム処理に関する機能構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、撮像装置100は主に、撮像データ入力部102と、画像表示範囲抽出部104と、通知画像生成部106と、画像合成部108と、表示制御部110と、表示部112と、画像記録範囲抽出部114と、データ記憶部116と、操作入力部120と、ズーム制約設定部122と、ズーム制御部124と、を含んで構成される。また、撮像装置100を構成するこれらの各機能構成部は、制御部126によって制御されることにより各種機能を実行する。以下、第1実施形態に係る撮像装置100を構成するこれらの機能構成部の詳細について説明する。
(撮像データ入力部102)
撮像データ入力部102には、撮影レンズや撮像素子などを介して被写体の画像データが連続的に入力される。撮影レンズは、被写体を結像するためのものであり、ズーム機能を実現するためのズームレンズや、被写体に合焦させるためのフォーカスレンズなどから構成される。撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS (Complementary Metal Oxide Semiconductor)などから構成される。撮像素子は、撮影レンズにより結像された被写体像を電気信号に変換して、アナログの画像データを生成する。その後、撮像素子から出力された画像データは、ゲイン調整やA/D(Analogue/Digital)変換される。
このようにして撮像データ入力部102に入力される画像データは、後述する画像表示範囲抽出部104などへ転送されて所定の処理が施された後、表示部112に表示される。また、ユーザが画像データの記録を指示した場合には、撮像データ入力部102に入力された画像データは、後述する画像記録範囲抽出部114へ転送された後に、所定のモード(画質、アスペクト比等)によりデータ記憶部116に記録される。
(画像表示範囲抽出部104)
画像表示範囲抽出部104は撮像データ入力部102から転送された画像データから、表示部112に表示させる領域の画像のみを抽出する。画像表示範囲抽出部104は、表示部112の表示性能、ユーザによって設定されたアスペクト比、画像サイズ、撮影モードなどに基づく制御部126からの指示に応じて画像領域を抽出することができる。画像表示範囲抽出部104により抽出された画像は、後述する画像合成部108へ転送されて通知画像と合成された後、表示部112に表示される。
(通知画像生成部106)
通知画像生成部106は、表示部112に表示させる種々の通知画像を生成する。通知画像生成部106が生成する通知画像としては、例えば、撮影可能な領域を表すガイドフレーム132や、所定の被写体の画欠けを警告したりズーム機能が制限されたりしていることをユーザに通知するズーム状態通知アイコン134などがある。
ユーザが撮影を希望する画像サイズやアスペクト比によっては、必ずしも表示部112に表示される画像と、撮影可能な領域が一致するとは限らない。したがって、撮像装置100は、ユーザが撮影領域を確認するために見る表示部112の画像に、撮影可能な領域を示す必要がある。通知画像生成部106は、表示部112に表示される画像のうち、撮影により記録可能な領域をユーザに示すために、撮影領域を表すガイドフレーム132を生成する。通知画像生成部106は、例えば、ユーザによって設定されたアスペクト比、画像サイズ、撮影モードなどに基づく制御部126からの指示に応じてガイドフレーム132を含む通知画像を生成することができる。
さらに、通知画像生成部106は、ズーム処理に応じて所定の被写体が撮影領域の境界に近づいた場合、ズーム状態通知アイコン134として、画欠けの危険性をユーザに通知するズーム警告アイコン136を生成することができる。また、通知画像生成部106は、ズーム処理に応じて所定の被写体が撮影領域の境界に到達した場合、ズーム状態通知アイコン134として、これ以上拡大方向にズーム処理を行えないことをユーザに通知するズーム制限アイコン138を生成することもできる。このように、通知画像生成部106は、ズーム処理に応じてズーム状態通知アイコン134を適宜変更して通知画像を生成することができる。
また、通知画像生成部106によって生成された通知画像は、後述する画像合成部108へ転送される。なお、ズーム状態通知アイコン134(ズーム警告アイコン136やズーム制限アイコン138)の表示例については、後述する処理フローにおいて例示する。
(画像合成部108)
画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像データに、通知画像生成部106によって生成された通知画像を合成し、表示部112に表示させる画像データを生成する。画像合成部108によって生成された画像データは、後述する表示制御部110へ転送された後、表示部112に表示される。
(表示制御部110)
表示制御部110は、表示部112の表示を制御する。表示制御部110は、例えば、メニュー画面表示、詳細設定画面表示、画像編集画面表示、撮影画面表示、メッセージ表示など、表示部112への種々の表示を制御する。例えば、ユーザが操作入力部120を介してメニュー画面の表示を指示した場合、表示制御部110は、所定のメニュー画面を表示部112に表示させる。この結果、ユーザは、表示部112に表示されたメニュー画面を見ながら、初期設定、撮影モードの選択、画質設定、画像サイズ設定、アスペクト比設定、表示設定、画像編集などの種々の設定に関する操作を行うことができる。このようなユーザの操作に応じて、表示制御部110は、表示部112に表示されるメニュー画面を適宜変更することができる。
また、例えば、ユーザが操作入力部120を介して画像の撮影モードへの切り替えを指示した場合、表示制御部110は、画像合成部108によって生成された画像データを表示部112に表示させる。この結果、ユーザは、表示部112に表示されたガイドフレーム132やズーム状態通知アイコン134などを見て、撮影可能な領域を確認しながらズーム処理を行って撮影を実行することができる。
表示制御部110は、操作入力部120から入力されたユーザの指示や、ROM(Read Only Memoly)などに格納されている設定情報などに基づく制御部126からの指示に応じて表示部112への表示を制御することができる。なお、画像撮影モードにおける、表示制御部110による表示部112の表示制御の例については、後述する処理フローにおいて説明する。
また、表示制御部110は、上述した以外にも表示部112の表示制御に関する各種機能を追加的に備えることもできる。例えば、表示制御部110は、画像合成部108によって生成された画像データを、表示部112の表示性能に適合するような画像ファイルに圧縮したり、表示部112の表示形式に適合するような画像フォーマットに変換したりすることなども当然に可能である。
(表示部112)
表示部112は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)や有機EL(ElectroLuminescence display)ディスプレイなどからなり、撮像装置100上に備えられる。表示部112には、上述した画像合成部108により生成された画像、すなわち、画像表示範囲抽出部104により抽出された画像に、通知画像生成部106により生成された通知画像が合成された画像が表示されることとなる。また、表示部112は、データ記憶部116に記録されている画像データや、ユーザに対する通知メッセージ(例えば、撮影モード、空き容量通知、エラー通知)、詳細設定画面などを表示することもできる。表示部112を構成するディスプレイは、例えば、16:9、4:3などのアスペクト比の表示可能領域を有するものであるが、特定のアスペクト比に限定されるものではない。
なお、表示部112は、必ずしも撮像装置100上に備えられる必要はない。例えば、撮像装置100と接続される(無線・有線問わず)外部装置に外部ディスプレイが備えられている場合、画像合成部108により生成された画像は、表示制御部110により外部装置128に転送される。この結果、ユーザは、外部ディスプレイに表示される画像を見ながら撮像装置100の各種機能を実行することもできる。
(画像記録範囲抽出部114)
画像記録範囲抽出部114は、撮像データ入力部102に入力された画像データのうち、録画可能な領域の画像のみを抽出する。例えば、ユーザが操作ボタンを操作して動画の撮影開始を指示した場合、画像記録範囲抽出部114は、撮像データ入力部102に入力された画像データから撮影領域の画像データを連続的に抽出し、所定形式の動画ストリームとしてデータ記憶部116に記録する。このとき、画像記録範囲抽出部114は、ユーザにより指定された画像サイズやアスペクト比、または撮影モードに応じて自動的に決定される画像サイズやアスペクト比などに基づいて、画像データを抽出することができる。
また、ユーザが静止画の撮影を指示した場合、画像記録範囲抽出部114は、撮像データ入力部102に入力された1フレーム分の画像データから撮影領域の画像データのみを抽出し、静止画ファイルとしてデータ記憶部116に記録する。このとき、画像記録範囲抽出部114は、ユーザにより指定された画像サイズやアスペクト比、または撮影モードに応じて自動的に決定される画像サイズやアスペクト比などに基づいて、画像データを抽出することができる。
また、上述したように、撮像装置100は、複数のアスペクト比の画像を同時に記録することもできる。したがって、ユーザが複数のアスペクト比の画像の撮影開始を指示した場合、画像記録範囲抽出部114は、撮像データ入力部102に入力された画像データから、それぞれのアスペクト比に対応する撮影領域の画像データを抽出することもできる。例えば、ユーザが16:9のアスペクト比に対応する動画の撮影中に、4:3のアスペクト比に対応する静止画の撮影を指示した場合を仮定する。この場合、画像記録範囲抽出部114は、撮像データ入力部102によって生成された画像データから16:9の撮影領域の画像データを連続的に抽出し、所定の形式の動画ストリームとしてデータ記憶部116に継続的に記録する。さらに、画像記録範囲抽出部114は、上記動画ストリームの記録と並行して、撮像データ入力部102によって生成された1フレーム分の画像データから4:3の撮影領域の画像データを抽出し、所定の形式の静止画ファイルとしてデータ記憶部116に記録する。この結果、撮像装置100は、撮像データ入力部102に入力された画像データに対して、16:9のアスペクト比に対応する動画データを記録しながら、4:3のアスペクト比に対応する静止画データを記録することができる。
このように、画像記録範囲抽出部114は、ユーザが撮影開始を指示した場合に、撮像データ入力部102に入力された画像データから、撮影領域の画像データのみを抽出してデータ記憶部116に記録する。画像記録範囲抽出部114は、例えば、ユーザによって設定されたアスペクト比、画像サイズ、撮影モードなどに基づく制御部126からの指示に応じて画像データを抽出することができる。なお、画像記録範囲抽出部114が抽出可能な画像は特定の画像サイズやアスペクト比に限定されるものではない。
(データ記憶部116)
データ記憶部116は、画像記録範囲抽出部114によって記録された画像データを記憶する不揮発性の記憶領域として機能する。データ記憶部116は、例えば、HDD等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成され、複数の画像データを保存可能な不揮発性の記憶装置であれば特定の構成に限定されるものではない。また、データ記憶部116は、必ずしも撮像装置100に内蔵されている必要はない。データ記憶部116は、例えば、撮像装置100に備えられる記録媒体挿入部(図示せず)などに挿入された、メモリスティック(登録商標)やSDメモリーカードなどの記録媒体に備えられてもよい。
(操作入力部120)
操作入力部120は、例えば、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー、ダイヤルなどの操作部を含んで構成される。ユーザは、これらの操作部を操作することにより、撮像装置100に対して処理動作(ズーム制約設定、モード変更、アスペクト比設定、画質調整、撮影動作、ズーム・フォーカス・絞り・シャッタースピード変更、再生動作など)を指示することができる。操作入力部120は、操作部を介してユーザから受け付けた指示情報を制御部126へ伝送する。これを受けて、制御部126は、操作入力部120から伝送された指示情報に基づいて、撮像装置100が備える各機能構成部を制御し、ユーザが所望する各種機能を実行する。
(ズーム制約設定部122)
ズーム制約設定部122は、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影する場合に、いずれか一方またはすべてのアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を設定する。ここで、ズーム制約とは、ユーザによってまたは自動で設定された所定の被写体が撮影領域から画欠けしないように、撮像装置100の表示機能およびズーム機能を制御することを意味する。すなわち、撮像装置100は、ズーム制約が設定されたアスペクト比の撮影領域から所定の被写体が画欠けしないように、ズーム状態通知アイコン134を表示部112などに表示させたり、ズーム機能を制限したりする。このように、第1実施形態に係る撮像装置100は、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影する際に、設定されたアスペクト比の撮影領域から所定の被写体が画欠けしないように、表示機能やズーム機能を制御することを特徴の1つとしている。
ズーム制約設定部122は、操作入力部120から入力されたユーザの指示や、ROMなどに格納されている設定情報などに基づく制御部126からの指示に応じて、どのアスペクト比に対してズーム制約を設定するかを決定する。例えば、ユーザが、操作ボタンなどを介して所定のアスペクト比に対してズーム制約を指示した場合、ズーム制約設定部122は、制御部126からの指示に応じて、ユーザから指示を受けたアスペクト比に対してズーム制約を設定する。
上述したように、第1実施形態に係る撮像装置100は、小さい撮影領域のアスペクト比に対してズーム制約を設定することにより、ユーザが表示部112に表示された画像に基づいてズーム処理を行えるようにすることを特徴の1つとしている。例として、16:9の画像データおよび4:3の画像データを同時に撮影する際に、4:3の表示部112に4:3の撮影領域が最大限に表示され、16:9のアスペクト比の撮影領域が表示部112の表示領域より小さい範囲で表示されている場合を仮定する。この場合、ユーザは、操作ボタンなどを介して16:9のアスペクト比に対するズーム制約を指示することができる。これを受けて、ズーム制約設定部122は、16:9のアスペクト比に対してズーム制約を設定し、当該設定情報を後述するズーム制御部124などに転送する。これにより、ズーム制御部124は、転送されたズーム制約の設定情報に基づいて、所定の被写体が16:9の撮影領域から画欠けしないように、ズーム機能を制御したり、ズーム状態通知アイコン134の生成を通知画像生成部106に指示したりすることができる。もちろん、ズーム制約設定部122は、ユーザからの指示がなくても、複数のアスペクト比の撮影領域のうち、小さいほうの撮影領域のアスペクト比に対して自動でズーム制約を設定してもよい。
(ズーム制御部124)
ズーム制御部124は、操作入力部120から入力されたユーザの指示や、ROMなどに格納されている設定情報などに基づく制御部126からの指示に応じてズーミング制御を行う。例えば、ユーザが操作ボタンなどを介していわゆる光学ズームを指示した場合、ズーム制御部124は、撮像データ入力部102に対してズーム処理の実行を指示する。これを受けて撮像データ入力部102は、ズームレンズを駆動することなどにより撮像する画像領域を変更することができる。また、ズーム制御部124は、制御部126からの指示に応じて撮影領域に含まれる所定の被写体を検出し、当該被写体が撮影領域に収まるように自動でズーミング制御を行ってもよい。
また、例えば、ユーザが操作ボタンなどを介していわゆるデジタルズームを指示した場合、ズーム制御部124は、画像表示範囲抽出部104に対してズーム処理の実行を指示する。これを受けて画像表示範囲抽出部104は、撮像データ入力部102から転送された画像データから抽出する領域を変更することができる。
また、上述したように、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影する場合、ズーム制約設定部122によって、いずれかのアスペクト比の画像データに対してズーム制約が設定されることがある。この場合、ズーム制御部124は、ズーム制約設定部122から転送される情報に基づいて、ズーム制約が設定されているアスペクト比の画像データの撮影領域から所定の被写体が画欠けしないようにズーミング制御を行う。例えば、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されたアスペクト比の撮影領域から所定の被写体が画欠けする前にズーム機能を制限して、当該被写体が設定されたアスペクト比の撮影領域に収まるようにする。また、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されたアスペクト比の撮影領域の境界に所定の被写体が到達する前に、ズーム警告アイコン136の生成を通知画像生成部106に指示することなどもできる。
このように、ズーム制御部124は、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影する場合において、ズーム制約が設定されたアスペクト比の撮影領域から所定の被写体が画欠けしないように所定の処理を実行することができる。この結果、ユーザは、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影する場合においても、各アスペクト比の画像データから所定の被写体が画欠けしないように画像データを撮影できる。
なお、ズーム制約が設定されているアスペクト比の撮影領域から画欠けを防止する所定の被写体は、種々の方法により決定することができる。例えば、ユーザが操作ボタンなどを操作して所定の被写体を指定した場合には、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されているアスペクト比の撮影領域からユーザによって指定された被写体が画欠けしないように各種機能を制御することができる。また、例えば、顔検出機能などのように、所定の被写体を自動検出する機能を備えている場合には、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されているアスペクト比の撮影領域から自動検出された所定の被写体が画欠けしないように各種機能を制御することもできる。このように、画欠けを防止する被写体の種類や決定方法は特定のものに限定されるものではない。
(制御部126)
制御部126は、撮像装置100全体を制御する演算処理装置および制御装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)などである。制御部126は、操作入力部120からの指示に応じて、撮像装置100の上述した各機能構成部に対して所定の処理の実行を指示する。なお、制御部126によって上述した各機能構成部が実行する処理の流れについては後述する。
以上、第1実施形態に係る撮像装置100の機能構成の一例について説明した。なお、図1に示した機能構成は、第1実施形態の特徴の1つであるズーム機能および表示機能の制御を実現するための機能を中心に示したものであり、これらに限定されるものではない。例えば、撮像装置100は、図1に示した機能構成部の他に、記録機能、音声入出力機能、通信機能、画像編集機能などのように、通常の撮像装置に備えられる各種機能を追加的に備えてもよい。
[1−2.撮像装置100のズーム処理に関する処理フロー]
次に、上述した機能構成の撮像装置100によるズーム処理の流れについてフロー図を参照に説明する。図2は、第1実施形態に係る撮像装置100において、ユーザからズーム指示があった場合の処理の流れの一例を示すフロー図である。なお、図2に示す処理フローは、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影する場合において、より小さい撮影領域のアスペクト比にズーム制約が設定されている場合に行われる処理の流れの一例を示している。例えば、図3は、ユーザからズーム指示を受ける前の表示部112の表示例を示す説明図である。図3に示す例では、4:3のアスペクト比の表示可能領域を有する表示部112に4:3のアスペクト比の撮影領域150が最大限に表示され、表示部112の表示可能領域の一部に16:9のアスペクト比の撮影領域152が表示されている。以下、より小さい16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約が設定され、所定の注目する被写体として「富士山」が設定されている場合を例に、図2の処理フローについて説明する。
まず、ステップ200において、撮像装置100は、ユーザによるズーム指示が、ズーム制約が設定されている方向、すなわち被写体を拡大する方向へのズーム指示であるか否かを判断する。制御部126は、操作入力部120から伝送されたユーザ操作に関する情報に基づいて、被写体を拡大する方向へのズーム指示であるか否かを判断し、判断結果をズーム制御部124へ転送する。
ステップ200により、ユーザによるズーム指示が被写体を縮小する方向へのズーム指示であると判断された場合、ズーム制御部124は、ステップ202において、ズームレンズの駆動制御などを行う。これにより、表示部112には、図3に示した例よりも小さい富士山の画像が表示されることとなる。
一方、ステップ200により、ユーザによるズーム指示が被写体を拡大する方向へのズーム指示であると判断された場合、撮像装置100は、ステップ204の判断処理を行う。すなわち、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されている16:9のアスペクト比の撮影領域152の警告境界に、注目する被写体である富士山が到達しているか否かを判断する。ここで、「警告境界154」とは、注目する被写体がこれ以上継続的に拡大された場合に画欠けが発生することをユーザに通知するための境界を意味し、ズーム制約が設定されているアスペクト比の撮影領域内の所定位置に設定される。撮像装置100は、例えば、ズーム制約が設定されているアスペクト比の撮影領域の80%の大きさの領域の境界を警告境界154として設定することができる。もちろん警告境界154の位置は任意に設定・変更することができるものであり、特定の位置に限定されるものではない。また、警告境界154の位置は、ユーザによって適宜変更されたり、撮影モードなどに応じて自動で変更されたりすることも当然に可能である。
ステップ204により、富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152の警告境界154に到達していないと判断された場合、被写体を拡大する方向へズーム処理を行っても16:9のアスペクト比の撮影領域152から富士山が画欠けする危険性はない。したがって、ズーム制御部124は、ステップ202において、ズームレンズの駆動制御などを行う。これにより、表示部112に表示される画像の富士山は、16:9のアスペクト比の撮影領域152内に含まれ、かつ図3に示した例よりも大きくなる。
一方、ステップ204により、富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152の警告境界154に到達していると判断された場合、これ以上ズーム処理を継続すると16:9の撮影データから富士山が画欠けしてしまうおそれがある。しかしながら、余裕を持って警告境界154を設定している場合などにおいては、まだ被写体を拡大する方向へズーム処理を行っても16:9のアスペクト比の撮影領域152から富士山が画欠けしないため、撮像装置100は、ステップ206の判断処理を行う。すなわち、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されている16:9のアスペクト比の撮影領域152の制限境界に、注目する被写体である富士山が到達しているか否かを判断する。ここで、「制限境界」とは、注目する被写体がこれ以上拡大されないように制限するための境界を意味し、ズーム制約が設定されているアスペクト比の撮影領域内に設定される。撮像装置100は、例えば、ズーム制約が設定されている撮影領域の境界を制限境界として設定することができる。また、撮像装置100は、ある程度のマージンを考慮して、例えば、ズーム制約が設定されている16:9のアスペクト比の撮影領域152の95%の大きさの領域の境界を制限境界として設定してもよい。もちろん制限境界の位置は任意に設定・変更することができるものであり、特定の位置に限定されるものではない。また、制限境界の位置は、ユーザによって適宜変更されたり、撮影モードなどに応じて自動で変更されたりすることも当然に可能である。
ステップ206により、富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152の制限境界に到達していないと判断された場合、被写体を拡大する方向へズーム処理を行っても16:9のアスペクト比の撮影領域152から富士山が画欠けする危険性はない。しかしながら、これ以上、被写体を拡大する方向へのズーム処理を続けると富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152から画欠けしてしまうおそれがあることをユーザに通知する必要がある。したがって、撮像装置100は、ステップ208において、表示部112にズーム警告アイコン136を表示させる。すなわち、通知画像生成部106は、富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152の警告境界154に到達していることを示すズーム警告アイコン136を含む通知画像を生成し、画像合成部108へ転送する。これを受けて画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像と、ズーム警告アイコン136を含む通知画像と、を合成して表示制御部110へ転送する。これにより、表示部112には、ズーム警告アイコン136がズーム状態通知アイコン134として表示されることとなる。
その後、ステップ202において、ズーム制御部124は、ズームレンズの駆動制御などを行い、表示部112に表示される画像の富士山が拡大される。
図4は、ステップ208によりズーム警告アイコン136が表示される表示部112の表示例を示す説明図である。図4に示すように、富士山は警告境界154を超える範囲に存在しているが、制限境界(16:9のアスペクト比の撮影領域152の境界に設定)には到達していない。したがって、表示部112には「WARN」という文字のズーム警告アイコン136が表示されている。これによりユーザは、これ以上拡大方向へズーム処理を行うと16:9の画像データから富士山が画欠けしてしまうおそれがあることを容易に認識することができる。
次に、ステップ206により、富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152の制限境界に到達していると判断された場合、これ以上被写体を拡大する方向にズーム処理を行うと16:9の画像データから富士山が画欠けしてしまうことを意味する。したがって、ズーム制御部124は、ズーム機能を無効として、ユーザからのズーム指示に対するズーム処理を行わない。さらに、撮像装置100は、ステップ210において、表示部112にズーム制限アイコン138を表示させる。すなわち、通知画像生成部106は、富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152の制限境界に到達していることを示すズーム制限アイコン138を含む通知画像を生成し、画像合成部108へ転送する。これを受けて画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像と、ズーム制限アイコン138を含む通知画像と、を合成して表示制御部110へ転送する。これにより、表示部112には、ユーザに対してこれ以上被写体を拡大するズーム処理を行えないことを通知するズーム制限アイコン138がズーム状態通知アイコン134として表示されることとなる。
図5は、ステップ210によりズーム制限アイコン138が表示される表示部112の表示例を示す説明図である。図5に示すように、富士山は制限境界(16:9のアスペクト比の撮影領域152の境界に設定)に到達している。したがって、表示部112には「STOP」という文字のズーム制限アイコン138が表示されている。これによりユーザは、これ以上拡大方向へズーム処理を行うことができないことを容易に認識できる。
以上のように、第1実施形態に係る撮像装置100は、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する場合において、所定の注目する被写体が各アスペクト比の画像データから画欠けしないように、表示機能やズーム機能を制御することができる。すなわち、撮像装置100は、複数のアスペクト比の撮影領域のうち、より小さい撮影領域のアスペクト比に対してズーム制約を設定する。これにより、撮像装置100は、ズーム制約が設定されたアスペクト比の撮影領域の境界に所定の注目する被写体が近づいた場合、警告表示(ズーム警告アイコン136)を表示部112に表示させることができる。また、撮像装置100は、ズーム制約が設定されたアスペクト比の撮影領域の境界に所定の注目する被写体が到達した場合、ズーム機能を無効とすることにより、注目する被写体が画像データから画欠けすることを防止することができる。さらに、撮像装置100は、ズーム機能が制限され、これ以上拡大方向にズーム処理を行うことができないことをユーザに通知する通知アイコン(ズーム制限アイコン138)を表示部112に表示させることができる。すなわち、第1実施形態に係る撮像装置100は、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影する際に、それぞれのアスペクト比の画像データの撮影領域から所定の被写体が画欠けしないように表示機能およびズーム機能を制御することが可能である。
なお、上記説明では、表示部112が4:3のアスペクト比の表示可能領域を有し、16:9のアスペクト比の画像データおよび4:3のアスペクト比の画像データを同時撮影する場合を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、表示部112が16:9のアスペクト比の表示可能領域を有している場合や、他のアスペクト比の画像データを同時撮影する場合であってもよい。
また、ズーム警告アイコン136やズーム制限アイコン138の文字、色、大きさ、表示位置などは図4および図5に示した例に限定されるものではない。すなわち、ズーム警告アイコン136やズーム制限アイコン138の文字、色、大きさ、表示位置などは、ユーザによって任意に設定・変更することができるものである。また、図4に示す表示例では、説明の便宜上、警告境界154を破線で示しているが、実際には警告境界154は表示部112に表示されなくてもよい。
<2.第2実施形態>
[2−1.第2実施形態に係る撮像装置200の概要]
次に、上述した第1実施形態に係る撮像装置100の機能を備えた上で、さらにズーム制約の設定の自由度を向上させる、第2実施形態に係る撮像装置200の概要について説明する。
上記第1実施形態に係る撮像装置100は、複数のアスペクト比の撮影領域のうち、より小さい撮影領域のアスペクト比に対してズーム制約を設定することにより、各アスペクト比の撮影データから所定の被写体が画欠けすることを防止することができた。しかしながら、ユーザや撮影状況などによっては、すべてのアスペクト比の撮影データから画欠けを防止する必要はなく、優先的に特定のアスペクト比の撮影データのみから画欠けを防止させたい場合も想定される。ここで、複数のアスペクト比の撮影領域のうち、より小さい撮影領域のアスペクト比の撮影データからの画欠けを優先的に防止する場合は、上述した第1実施形態に係る撮像装置100により実現することができる。これに対して、第2実施形態に係る撮像装置200は、複数のアスペクト比の撮影領域のうち、より大きい撮影領域のアスペクト比の撮影データからの画欠けを優先的に防止したい場合における表示機能およびズーム機能の制御を特徴の1つとしている。
例えば、図3を例に説明すると、ユーザは、4:3のアスペクト比のデータを主として撮影し、16:9のアスペクト比のデータを副次的に撮影する場合などには、4:3のアスペクト比の撮影データのみから画欠けを防止したい場合なども想定される。このような場合においても、第2実施形態に係る撮像装置200は、より大きな4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約を設定することにより、4:3のアスペクト比の撮影データから所定の注目する被写体が画欠けすることを防止することができる。すなわち、第2実施形態に係る撮像装置200は、ズーム処理に応じて副次的に撮影する16:9のアスペクト比の撮影領域152から所定の注目する被写体が画欠けしても、4:3のアスペクト比の撮影領域150の制限境界に当該被写体が到達するまではズーム機能を制限しない。さらに、第2実施形態に係る撮像装置200は、16:9の撮影データから画欠けが発生していることを注意的に警告するズーム状態通知アイコン134を表示することもできる。
なお、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する場合において、いずれのアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を設定するかは、ユーザが任意に設定したり、撮影モードなどに応じて自動で設定したりすることができる。すなわち、図3に示す例で、より小さい撮影領域の16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約が設定された場合、上述した実施形態1の撮像装置100によるズーミング制御が行われる。一方、より大きい撮影領域の4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約が設定された場合、以下に説明する実施形態2の撮像装置200によるズーミング制御が行われる。
[2−2.撮像装置200のズーム処理に関する処理フロー]
次に、第2実施形態に係る撮像装置200によるズーム処理の流れについてフロー図を参照に説明する。図6は、第2実施形態に係る撮像装置200において、ユーザからズーム指示があった場合の処理の流れの一例を示すフロー図である。なお、図6に示す処理フローは、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影する場合において、より大きい撮影領域のアスペクト比にズーム制約が設定されている場合に行われる処理の流れの一例を示している。以下、図3に示す例において、より大きい4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約が設定され、所定の注目する被写体として「富士山」が設定されている場合を例に、図6の処理フローについて説明する。
まず、ステップ300において、撮像装置100は、ユーザによるズーム指示が、ズーム制約が設定されている方向、すなわち被写体を拡大する方向へのズーム指示であるか否かを判断する。
ステップ300により、ユーザによるズーム指示が被写体を縮小する方向へのズーム指示であると判断された場合、ズーム制御部124は、ステップ302において、ズームレンズの駆動制御などを行う。これにより、表示部112には、図3に示した例よりも小さい富士山の画像が表示されることとなる。
一方、ステップ300により、ユーザによるズーム指示が被写体を拡大する方向へのズーム指示であると判断された場合、撮像装置100は、ステップ304の判断処理を行う。すなわち、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されていない16:9のアスペクト比の撮影領域152の警告境界154に、注目する被写体である富士山が到達しているか否かを判断する。第2実施形態に係る撮像装置200は、警告境界154をズーム制約が設定されている4:3のアスペクト比の撮影領域150のみでなく、ズーム制約が設定されていない16:9のアスペクト比の撮影領域152にも設定することができる。これにより、撮像装置200は、ズーム制約が設定されていない16:9の画像データから画欠けが発生する可能性があることを注意的にユーザに通知することができる。
ステップ304により、富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152の警告境界154に到達していないと判断された場合、ズーム制御部124は、ステップ302において、ズームレンズの駆動制御などを行う。
一方、ステップ304により、富士山が警告境界154に到達していると判断された場合においても、ズーム制約は4:3のアスペクト比の撮影領域150に設定されているため、撮像装置200は、ステップ306の判断処理を行う。すなわち、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されていない16:9のアスペクト比の撮影領域152を越えた領域に富士山が存在しているか否かを判断する。
ステップ306により、ズーム制約が設定されていない16:9のアスペクト比の撮影領域152を越えた領域に富士山が存在していないと判断された場合、撮像装置200は、ステップ308において、表示部112にズーム警告アイコン136を表示させる。したがって、図4に示した例と同じようなズーム警告アイコン136がズーム状態通知アイコン134として表示されることとなる。この結果、撮像装置200は、ズーム制約が設定されていないアスペクト比の撮影領域、すなわちユーザが副次的な撮影を希望している画像データについても、所定の注目する被写体が画欠けしてしまうおそれがあることを注意的に通知することができる。これによりユーザは、副次的な撮影データの重要性や撮影状況の変更などに応じて、被写体を拡大する方向へのズーム処理を容易に止めることができる。
その後、ステップ302において、ズーム制御部124は、ズームレンズの駆動制御などを行い、表示部112に表示される画像の富士山が拡大される。
ここで、ズーム制約は4:3のアスペクト比の撮影領域150に設定されている。したがって、ステップ306により、16:9のアスペクト比の撮影領域152を越えた領域に富士山が存在していると判断された場合においても、撮像装置200は、ステップ310の判断処理を行う。すなわち、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されている4:3のアスペクト比の撮影領域150の警告境界154に、注目する被写体である富士山が到達しているか否かを判断する。
ステップ310により、富士山が4:3のアスペクト比の撮影領域150の警告境界154に到達していないと判断された場合、被写体を拡大する方向へズーム処理を行っても4:3のアスペクト比の撮影領域150から富士山が画欠けする危険性はない。しかしながら、すでにズーム制約が設定されていない16:9のアスペクト比の撮影領域152からは富士山が画欠けしている。このような場合、第2実施形態に係る撮像装置200は、ズーム制約が設定されていない16:9の画像データから画欠けが発生していることを注意的にユーザに通知することができる。
すなわち、ステップ312において、撮像装置200は、ズーム制約が設定されていないアスペクト比の撮影領域から注目する被写体が画欠けしていることを注意的に通知するための画欠け通知アイコン140を表示部112に表示させる。すなわち、通知画像生成部106は、富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152から画欠けしていることを示す画欠け通知アイコン140を含む通知画像を生成し、画像合成部108へ転送する。これを受けて画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像と、画欠け通知アイコン140を含む通知画像と、を合成して表示制御部110へ転送する。これにより、表示部112には、画欠け通知アイコン140がズーム状態通知アイコン134として表示されることとなる。
その後、ステップ302において、ズーム制御部124は、ズームレンズの駆動制御などを行い、表示部112に表示される画像の富士山が拡大される。
図7は、ステップ312により画欠け通知アイコン140が表示される表示部112の表示例を示す説明図である。図7に示すように、富士山は16:9のアスペクト比の撮影領域152を超える領域に存在しているが、4:3のアスペクト比の撮影領域150の警告境界154には到達していない。したがって、表示部112には「OVER」という文字の画欠け通知アイコン140が表示されている。この結果、撮像装置200は、ズーム制約が設定されていないアスペクト比の撮影領域、すなわちユーザが副次的な撮影を希望している画像データについても、所定の注目する被写体が画欠けしてしまっていることを注意的に通知することができる。これによりユーザは、副次的な撮影データの重要性や撮影状況の変更などに応じて、被写体を縮小する方向にズーム処理を行い、副次的な撮影データからの画欠けを回避することもできる。
一方、ステップ310により、富士山が4:3のアスペクト比の撮影領域150の警告境界154に到達していると判断された場合、これ以上ズーム処理を継続すると4:3の撮影データから富士山が画欠けしてしまうおそれがある。しかしながら、余裕を持って警告境界154を設定している場合などにおいては、まだ被写体を拡大する方向へズーム処理を行っても4:3のアスペクト比の撮影領域150から富士山が画欠けしないため、撮像装置200は、ステップ314の判断処理を行う。すなわち、ズーム制御部124は、ズーム制約が設定されている4:3のアスペクト比の撮影領域150の制限境界に、注目する被写体である富士山が到達しているか否かを判断する。
ステップ314により、富士山が4:3のアスペクト比の撮影領域150の制限境界に到達していないと判断された場合、被写体を拡大する方向へズーム処理を行っても4:3のアスペクト比の撮影領域150から富士山が画欠けする危険性はない。しかしながら、これ以上、被写体を拡大する方向へのズーム処理を続けると富士山が4:3のアスペクト比の撮影領域150から画欠けしてしまうおそれがあることをユーザに通知する必要がある。したがって、撮像装置100は、ステップ316において、表示部112にズーム警告アイコン136をズーム状態通知アイコン134として表示させる。
その後、ステップ302において、ズーム制御部124は、ズームレンズの駆動制御などを行い、表示部112に表示される画像の富士山が拡大される。
図8は、ステップ316によりズーム警告アイコン136が表示される表示部112の表示例を示す説明図である。図8に示すように、富士山は4:3のアスペクト比の撮影領域150の警告境界154を超える範囲に存在しているが、制限境界(4:3のアスペクト比の撮影領域150の境界に設定)には到達していない。したがって、表示部112には「WARN」という文字のズーム警告アイコン136が表示されている。これによりユーザは、これ以上拡大方向へズーム処理を行うと4:3の画像データから富士山が画欠けしてしまうおそれがあることを容易に認識することができる。
次に、ステップ314により、富士山が4:3のアスペクト比の撮影領域150の制限境界に到達していると判断された場合、これ以上被写体を拡大する方向にズーム処理を行うと4:3の画像データから富士山が画欠けしてしまうことを意味する。したがって、ズーム制御部124は、ズーム機能を無効として、ユーザからのズーム指示に対するズーム処理を行わない。さらに、撮像装置200は、ステップ318において、表示部112にズーム制限アイコン138をズーム状態通知アイコン134として表示させる。
図9は、ステップ318によりズーム制限アイコン138が表示される表示部112の表示例を示す説明図である。図9に示すように、富士山は4:3のアスペクト比の制限境界(4:3のアスペクト比の撮影領域150の境界に設定)に到達している。したがって、表示部112には「STOP」という文字のズーム制限アイコン138が表示されている。これによりユーザは、これ以上拡大方向へズーム処理を行うことができないことを容易に認識することができる。
以上のように、第2実施形態に係る撮像装置200は、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する場合において、より大きいアスペクト比の撮影領域からのみ所定の注目する被写体が画欠けしないように、表示機能やズーム機能を制御することができる。すなわち、撮像装置200は、複数のアスペクト比の撮影領域のうち、より大きいアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を設定する。これにより、撮像装置200は、ズーム制約が設定されたアスペクト比の撮影領域の境界に所定の注目する被写体が到達するまでズーム機能を無効にすることなく、被写体を拡大させることができる。また、撮像装置200は、ズーム制約が設定されていないアスペクト比の画像データの画欠けに関する状態に関しても、ズーム処理の状況に応じてズーム状態通知アイコン134を適宜変更しながら表示部112に表示させることもできる。したがって、撮像装置200は、ズーム制約が設定されていないアスペクト比の画像データに関しても、ズーム処理に応じて画欠けの状態を注意的にユーザに通知することができる。これによりユーザは、副次的な撮影データの重要性や撮影状況の変更などに応じて、ズーム制約が設定されていないアスペクト比の画像データについても容易に画欠けを防止・回避することができる。以上のように、第2実施形態に係る撮像装置200は、複数のアスペクト比の画像データを同時に撮影する際に、より大きいアスペクト比の画像データの撮影範囲からのみ所定の被写体が画欠けしないように表示機能およびズーム機能を制御することが可能である。
なお、上記説明では、ズーム制約が設定されていない16:9の画像データからの画欠けに関しても、注意的にズーム状態通知アイコン134を表示部112に表示させる例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、ユーザがあくまで4:3のアスペクト比の画像データのみを主として撮影したい場合などには、ズーム制約が設定されていないアスペクト比の画像データについては、画欠けを警告等するズーム状態通知アイコン134を表示させなくてもよい。ズーム制約が設定されていないアスペクト比の画像データに関するズーム状態通知アイコン134の表示の有無については、製品仕様やユーザによる設定変更などにより任意に設定することができる。
<3.第3実施形態>
[3−1.第3実施形態に係る撮像装置300の概要]
上記第1および第2実施形態においては、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する場合の表示機能およびズーム機能の特徴を中心に説明した。次に、撮像データを、アスペクト比が異なる複数のディスプレイに同時再生させる場合の表示機能およびズーム機能の制御を特徴の1つとする、第3実施形態に係る撮像装置300の概要について以下説明する。
通常の撮像装置において、ユーザは、撮影された画像データを撮像装置に備えられるディスプレイに表示させて閲覧することができる。また、ユーザは、画像データを、撮像装置に備えられるディスプレイのみならず、撮像装置と外部接続される外部ディスプレイに表示させて閲覧することもできる。さらに、ユーザはいずれかのディスプレイに表示された画像データを閲覧しながら、所定の注目する被写体を拡大表示するように撮像装置に対してズーム指示を行うこともできる。しかしながら、例えば、撮像装置に備えられるディスプレイのアスペクト比と、外部接続されたディスプレイのアスペクト比と、が異なる場合、両ディスプレイに表示される画像データの範囲が異なることがある。このような場合において、ユーザが、一方のディスプレイに表示された画像に基づいて注目する被写体を拡大表示させた場合、他方のディスプレイにおいて注目する被写体が表示画面からはみ出してしまうという問題が発生する場合がある。
図10は、このような問題点を概念的に表した説明図である。図10に示す例では、撮像装置16と外部表示装置128とが接続され、撮像装置16に記憶されている所定の画像データが、撮像装置16に備えられる表示器10および外部表示装置128に同時再生されている。また、撮像装置16に備えられる表示器10のアスペクト比は4:3で、外部表示装置128のアスペクト比は16:9である。ここで、注目する被写体を富士山と仮定して、ユーザが撮像装置16の表示器10の画像を見ながら富士山を拡大する方向にズームさせた場合、図31で説明した例と同様の問題が発生する場合がある。すなわち、撮像装置16の表示器10には富士山が画欠けすることなく表示されているが、外部表示装置128では富士山が画欠けしてしまうという現象が発生する場合がある。
本発明の第3実施形態に係る撮像装置300は、このような問題点を解消することが可能である。具体的には、第3実施形態に係る撮像装置300は、1の画像データをアスペクト比の異なる複数のディスプレイに同時再生させる場合においても、上述した第1および第2実施形態の特徴を利用することができる。すなわち、第3実施形態に係る撮像装置300は、各ディスプレイの表示可能領域から注目する被写体が画欠けして表示されないように、上述した第1実施形態の特徴を利用して、表示機能やズーム機能を制御する。また、撮像装置300は、優先的にいずれか一方のアスペクト比のディスプレイの表示可能領域からのみ注目する被写体が画欠けして表示されないように、上述した第2実施形態の特徴を利用して、表示機能やズーム機能を制御してもよい。
[3−2.撮像装置300の機能構成]
図11は、第3実施形態に係る撮像装置300の機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、撮像装置300は、上述した図1に示す第1実施形態に係る撮像装置100の機能構成に加えて、再生画像入力部118をさらに備えている。また、表示制御部110は、画像合成部108によって合成された画像データを、撮像装置300に備えられる表示部112のみならず外部表示装置128にも転送する。
(再生画像入力部118)
再生画像入力部118は、データ記憶部116に記録されている画像データを再生画像として抽出し、画像表示範囲抽出部104へ転送する。再生画像入力部118は、操作入力部120から入力されたユーザの指示や、ROMなどに格納されている設定情報などに基づいて、データ記憶部116に記録されている画像データの中から再生する画像データを抽出することができる。例えば、ユーザが操作ボタンなどを介して所定の画像データの再生を指示した場合、再生画像入力部118は、制御部126からの指示に応じて当該画像データをデータ記憶部116から抽出して画像表示範囲抽出部104へ転送する。
これを受けて画像表示範囲抽出部104は、再生画像入力部118から転送された画像データから、表示部112や外部表示装置128に表示させる領域の画像のみを抽出する。画像表示範囲抽出部104は、表示部112や外部表示装置128の表示性能、ユーザによって設定されたアスペクト比、画像サイズ、撮影モードなどに基づく制御部126からの指示に応じて画像領域を抽出することができる。例えば、表示部112と外部表示装置128の両方に画像データを表示させる場合、画像表示範囲抽出部104は、表示部112のアスペクト比に対応した画像と、外部表示装置128のアスペクト比に対応した画像を抽出することができる。画像表示範囲抽出部104により抽出された画像は、画像合成部108へ転送されて通知画像と合成された後、表示部112や外部表示装置128において再生される。
また、例えば、画像データの再生モード時においてユーザが操作ボタンなどを介していわゆるデジタルズームを指示した場合、ズーム制御部124は、画像表示範囲抽出部104に対してズーム処理の実行を指示する。これを受けて画像表示範囲抽出部104は、再生画像入力部118から転送された画像データから抽出する領域を変更することもできる。
以上のような機能構成を備える撮像装置300により、図10に示した従来の問題点が解消される例について、図12を参照に説明する。図12は、第3実施形態に係る撮像装置300において、アスペクト比の異なる複数のディスプレイに画像データを同時再生させる場合のズーミング制御の概念を示す説明図である。
図12に示す例では、撮像装置300と外部接続された外部表示装置128の表示可能領域に対してズーム制約が設定されている。したがって、ユーザが、撮像装置300の表示部112に表示された画像を見ながら富士山を拡大する方向にズームさせた場合においても、外部表示装置128の再生表示領域の制限境界に富士山が到達した時点で、ズーム機能が制限される。このとき、表示部112には、これ以上拡大する方向にズームできないことを示すズーム制限アイコン138が表示される。これにより、ユーザは、撮像装置100の表示部112の表示画面のみを見ながらズーム処理をする場合においても、外部表示装置128の表示領域から富士山が画欠けすることを防止することができる。
なお、図12に示す例では、撮像装置300の表示部112のみにズーム状態通知アイコン134が表示されているが、表示部112のみならず外部表示装置128に表示することも当然に可能である。また、上記例では、ズーム制限アイコン138が表示される例のみを説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、撮像装置300は、上記第1および第2実施形態と同様に、ズーム制約が設定されたアスペクト比のディスプレイから画欠けが発生することを防止するために、ズーミング状態に応じて種々のズーム状態通知アイコン134を表示させることができる。
また、撮像装置300は、画像データを再生表示させる場合のみでなく、上記第1および第2実施形態と同様に、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時撮影する場合に使用してもよい。例えば、撮像装置300は、あるアスペクト比の撮影領域を撮像装置300の表示部112に表示させ、別のアスペクト比の撮影領域を外部表示装置128に表示させることができる。ここで、いずれか一方のアスペクト比の撮影領域にズーム制約を設定すれば、撮像装置300は、上記各実施形態で説明したような表示機能およびズーム機能を実行することができる。
このように、第3実施形態に係る撮像装置300は、1の動画データをアスペクト比の異なる複数のディスプレイに同時再生させる場合において、各ディスプレイの再生表示領域から注目する被写体が画欠けすることを防止することができる。また、撮像装置300は、1の動画データをアスペクト比の異なる複数のディスプレイに同時再生させる場合において、優先的にいずれかのディスプレイの再生表示領域のみから注目する被写体が画欠けすることを防止することもできる。さらに撮像装置300は、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時撮影する際に、各アスペクト比の撮影領域をそれぞれ異なる複数のディスプレイに表示させる場合においても同様に、各ディスプレイから注目する被写体が画欠けすることを防止できる。
<4.第4実施形態>
[4−1.第4実施形態に係る撮像装置400の概要]
次に、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する場合において、1のアスペクト比の撮影領域を表示部112の表示画面に最大限に表示させる機能を備えた上で、上記各実施形態の特徴を利用する第4実施形態に係る撮像装置400について以下説明する。
従来の撮像装置において、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する場合、各アスペクト比の撮影領域が表示部112の表示領域内に表示される。例えば、図13に示す例では、16:9のアスペクト比の表示器20に、4:3のアスペクト比の撮影領域24が最大限に表示されている。また、表示器20には、4:3のアスペクト比の撮影領域24よりも小さい16:9のアスペクト比の撮影領域22も表示されている。ここで、ユーザが4:3のアスペクト比の画像データを主として撮影し、16:9のアスペクト比の画像データを副次的に撮影する場合には、図13に示した表示で問題ない。しかしながら、ユーザが、16:9のアスペクト比の画像データを主として撮影し、4:3のアスペクト比の画像データを副次的に撮影する場合には、主として撮影する16:9のアスペクト比の撮影領域22を表示器20に最大限に表示させたほうが好ましい。
図14は、複数のアスペクト比の撮影領域のうち、より小さいアスペクト比の撮影領域、すなわち、16:9のアスペクト比の撮影領域22を表示器20に最大限に表示させた場合の概念を示す説明図である。図14に示すように、16:9のアスペクト比の撮影領域22は表示器20に最大限に表示されているが、副次的な撮影を希望する4:3のアスペクト比の撮影領域24は、表示器20の表示可能領域に収まっていない。したがって、ユーザは、表示器20に表示されているスルー画像を見ても、4:3のアスペクト比の撮影領域等を一切認識することができず、ユーザビリティに優れていないという問題がある。
本発明の第4実施形態に係る撮像装置400は、このような問題点を解消した上で、上述した各実施形態の特徴を利用することにより表示機能やズーム機能を制御することを可能とする。
具体的には、撮像装置400は、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時撮影する場合において、一方のアスペクト比の撮影領域を表示部112に最大限に表示させる。この場合において、他方のアスペクト比の撮影領域が表示部112の表示可能領域内に収まらない場合には、撮像装置400は、他方のアスペクト比の撮影領域が表示部112の表示可能領域外に存在することをユーザに通知する。
例として、図14に示した例と比較して説明する。図15は、撮像装置400において、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時撮影する場合に、一方のアスペクト比の撮影領域を表示部112に最大限に表示させた場合の表示例を示す説明図である。図15に示す例では、16:9のアスペクト比の表示部112に、ユーザが主として撮影を希望する画像(以下、メイン画像ともいう)のアスペクト比(16:9)の撮影領域152が最大限に表示されている。また、ユーザが副次的に撮影を希望する画像(以下、サブ画像ともいう)のアスペクト比(4:3)の撮影領域150は、メイン画像の撮影領域よりも大きいため、表示部112の表示可能領域外に存在している。このような場合、撮像装置400は、サブ画像の撮影領域150が表示部112の表示可能領域外に存在していることを示す領域通知アイコン130を表示部112に表示させる。
図15を参照すると、表示部112の四隅に、サブ画像の撮影領域150が表示部112の表示可能領域の上下にも存在していることを示す領域通知アイコン130が表示されていることがわかる。これにより、ユーザは、サブ画像の撮影領域150が表示部112の表示可能領域の上下に存在していることを認識でき、撮影開始ボタン等を押すことにより、表示部112のスルー画像よりも上下に広い範囲でサブ画像を撮影できることを容易に認識できる。
なお、領域通知アイコン130は、上述した通知画像生成部106によって生成される。すなわち、通知画像生成部106は、表示部112の表示可能領域よりも広い範囲にサブ画像の撮影領域150が存在する場合に、領域通知アイコン130を含む通知画像を生成する。通知画像生成部106は、例えば、ユーザによって設定されたアスペクト比、画像サイズ、撮影モードなどに基づく制御部126からの指示に応じて領域通知アイコン130を含む通知画像を生成することができる。領域通知アイコン130によって生成された領域通知アイコン130を含む通知画像は、その後、画像合成部108によって画像表示範囲抽出部104が抽出した画像と合成された後、表示部112に表示される。
図16は、撮像装置400において、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時撮影する場合に、一方のアスペクト比の撮影領域を表示部112に最大限に表示させた場合の別の表示例を示す説明図である。図16に示す例では、サブ画像の撮影領域150は、横方向の撮影領域の境界は表示部112の表示可能領域内に存在するが、縦方向の撮影領域の境界は表示部112の表示可能領域外に存在している。このような場合、撮像装置400は、上述した領域通知アイコン130と、表示部112の表示可能領域内におけるサブ画像の撮影領域150を示すガイドフレーム132と、を表示部112に表示させる。なお、ガイドフレーム132も、通知画像生成部106によって生成される。
このように、撮像装置400は、メイン画像やサブ画像のアスペクト比、画像サイズ、撮影モードなどに応じて、適宜表示させる領域通知アイコン130やガイドフレーム132を変更することができる。なお、図15や図16に示した領域通知アイコン130やガイドフレーム132は一例であり、形状、色、大きさ、位置などはこれらに限定されるものではない。
ユーザは、種々の撮影において、撮像装置400が備えるこのような特徴を利用することができる。ユーザによる利用例の1つを、図17を参照にして説明する。図17は、定点観測や実験撮影などに本実施形態に係る撮像装置400を利用する際の概念を示す説明図である。図17に示す例は、ユーザが、メイン画像として16:9の動画の撮影を行うと同時に、参考データとして4:3の動画(または静止画)のサブ画像を撮影する際の撮像装置400の利用例である。ユーザは、あくまで16:9の動画をメイン画像として撮影するため、上述したように、表示部112の表示可能領域には16:9のメイン画像撮影領域152が最大限に表示されることとなる。この結果、ユーザは、表示部112の表示可能領域に最大限に表示されたメイン画像の撮影領域152を見ながら、主として撮影を希望するメイン画像のフレーミングやフォーカシングなどといった撮影に必要な調整や操作を行うことができる。
さらに、4:3のサブ画像の撮影領域150の境界が、表示部112に画像表示領域から上下方向にはみ出して存在しているため、表示部112には領域通知アイコン130が表示されることとなる。したがって、ユーザは、表示部112の表示可能領域に表示されている画像の範囲外にサブ画像の撮影領域150が存在することを視覚的に認識することができる。
定点観測や実験撮影などを行う際には、観測位置や撮影時刻などを画像ファイルに同時に記録することが要求されることが多い。このような場合、ユーザは、図17に示すように、観測位置や撮影時刻などが記載された撮影データプレートを治具142などにより固定することにより、サブ画像のみにプレートに記載された情報を重ねて記録させることができる。ユーザは、表示部112の表示を一時的にサブ画像の撮影領域150が映るように切り替えて、撮影データプレートが4:3のサブ画像撮影領域に含まれていることを確認する。その後は、上述したように表示部112にメイン画像の撮影領域152を最大限に表示させて撮影を実行することができる。ユーザは、撮影中においても領域通知アイコン130が表示部112に表示されていることにより、4:3のサブ画像の撮影領域150が表示部112の表示可能領域外に存在し、撮影データプレートが同時に記録されていることを認識することができる。すなわち、ユーザは、副次的に撮影するサブ画像の撮影領域を常に確認する必要はなく、主として撮影を希望するメイン画像の撮影領域152を確認しながら適切なフレーミングやフォーカシングなどの調整・操作を行うことができる。
なお、図17に示した撮像装置400の利用例は、第4実施形態に係る撮像装置400の利用例の1つであり、第4実施形態に係る撮像装置400は、その他種々の撮影態様に利用することも当然に可能である。また、上述した図17の例では、撮影データプレートを治具に固定したが、撮像装置400自体が観測位置、撮影時刻、撮影者などに関する所定のプレート情報を管理し、自動的にサブ画像に重ねて記録することもできる。撮像装置400は、サブ画像に記録するプレート情報をROMなどの記憶部に記憶しておき、サブ画像の記録時に、表示部112の表示可能領域外に存在するサブ画像撮影領域にプレート情報を重ねて記録することもできる。これにより、ユーザは、例えば、操作入力部120を介して任意の文字や記号などをプレート情報として設定することにより、サブ画像に希望するプレート情報を重ねて記録することもできる。
[4−2.フレームモードの設定]
上述したように、第4実施形態に係る撮像装置400は、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する際、表示部112には、ガイドフレーム132や領域通知アイコン130などが表示される。したがって、同時撮影する画像のアスペクト比や画像サイズなどによって、表示部112に表示されるガイドフレーム132や領域通知アイコン130などは異なってくる。第4実施形態に係る撮像装置400は、同時撮影する画像のアスペクト比や画像サイズなどに応じた表示部112の表示モード(以下、フレームモードという)を、ROMなどの不揮発性の記憶領域にあらかじめ登録しておくことができる。ユーザは、表示部112に表示されるメニュー画面などを参照し、操作入力部120を介して、任意のフレームモードを選択することができる。
図18は、ユーザが任意に選択可能なフレームモードの種類の一例を示す説明図である。なお、図18に示した6つのフレームモードは、本実施形態を説明する上での一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。すなわち、図18に示した例とは異なるアスペクト比、表示部112の種類、フレームモード数であってもよい。以下、図18に示したフレームモードの例について説明する。
図18に示すように、フレームモードNo.1〜3は、16:9のアスペクト比の表示可能領域を有する表示部112に対応するフレームモードである。また、フレームモードNo.4〜6は、4:3のアスペクト比の表示可能領域を有する表示部112に対応するフレームモードである。このように、撮像装置400は、アスペクト比の異なる複数の表示部112に対応するフレームモードを有することもできる。これにより、表示部112のアスペクト比と異なるアスペクト比の外部表示装置128にスルー画像を表示させる場合においても、ユーザは、表示部112や外部表示装置128の表示可能領域のアスペクト比に応じて適切なフレームモードを選択することができる。
フレームモードNo.1〜3は、メイン画像として16:9のアスペクト比の画像を記録し、サブ画像として4:3のアスペクト比の画像を記録する場合のフレームモードである。図18に示すように、フレームモードNo.1〜3では、16:9のアスペクト比の表示部112に、16:9のアスペクト比のメイン画像の撮影領域が最大限に表示される。
一方、サブ画像の撮影領域については、4:3のアスペクト比の画像サイズによって異なる。例えば、フレームモードNo.1は、サブ画像とメイン画像の横方向の画像サイズを統一して記録する場合に対応している。すなわち、サブ画像の撮影領域の横方向の境界は、表示部112の表示可能領域内に最大限に表示され、サブ画像の撮影領域の縦方向の境界は、表示部112の表示可能領域外に存在している。また、フレームモードNo.2は、サブ画像とメイン画像の画像サイズが横方向および縦方向共に異なる場合に対応している。すなわち、サブ画像の撮影領域の縦方向の境界は、表示部112の表示可能領域外に存在し、サブ画像の撮影領域の横方向の境界は、表示部112の表示可能領域内に存在している。また、フレームモードNo.3は、サブ画像とメイン画像の縦方向の画像サイズを統一して記録する場合に対応している。すなわち、サブ画像の撮影領域の縦方向の境界は、表示部112の表示可能領域内に最大限に表示され、サブ画像の撮影領域の横方向の境界は、表示部112の表示可能領域内に存在している。
また、フレームモードNo.4〜5は、メイン画像として4:3のアスペクト比の画像を記録し、サブ画像として16:9のアスペクト比の画像を記録する場合のフレームモードである。図18に示すように、フレームモードNo.4〜5では、4:3のアスペクト比の表示部112には、4:3のアスペクト比のメイン画像の撮影領域が最大限に表示される。
一方、サブ画像の撮影領域については、16:9のアスペクト比の画像サイズによって異なる。例えば、フレームモードNo.4は、サブ画像とメイン画像の縦方向の画像サイズを統一して記録する場合に対応している。すなわち、サブ画像の撮影領域の縦方向の境界は、表示部112の表示可能領域内に最大限に表示され、サブ画像の撮影領域の横方向の境界は、表示部112の表示可能領域外に存在している。また、フレームモードNo.5は、サブ画像とメイン画像の画像サイズが横方向および縦方向共に異なる場合に対応している。すなわち、サブ画像の撮影領域の横方向の境界は、表示部112の表示可能領域外に存在し、サブ画像の撮影領域の縦方向の境界は、表示部112の表示可能領域内に存在している。
また、フレームモードNo.6は、メイン画像として16:9のアスペクト比の画像を記録し、サブ画像として4:3のアスペクト比の画像を記録する場合のフレームモードである。図18に示すように、フレームモードNo.6では、あくまでメイン画像は16:9のアスペクト比の画像であるため、4:3のアスペクト比の表示部112の表示可能領域に16:9のアスペクト比のメイン画像の撮影領域が最大限に表示される。
一方、サブ画像の撮影領域については、4:3のアスペクト比の画像サイズによって異なるが、図18に示す例では、サブ画像とメイン画像の横方向の画像サイズを統一して記録する場合に対応している。すなわち、サブ画像の撮影領域は表示部112の表示可能領域と一致するため、表示部112の表示可能領域に最大限に表示される。
ユーザは、複数のアスペクト比の画像を同時撮影する場合において、あらかじめ設定された複数のフレームモードの中から任意のフレームモードを、操作入力部120を介して選択することができる。制御部126は、ユーザにより選択されたフレームモードに基づいて、画像表示範囲抽出部104に対して適切な範囲の画像抽出を指示し、通知画像生成部106に対して適切なガイドフレーム132や領域通知アイコン130の生成を指示することができる。
ここで、上記フレームモードは、必ずしもユーザによる操作により選択されるものではない。例えば、撮像装置400は、撮影モードに連動して自動的にフレームモードを切り替えることもできる。例えば、ユーザは、動画または静止画を撮影する際に、撮像装置400が有するHDモード、SDモード、パノラマモード、シネマモードなどの種々の撮影モード機能を選択して撮影することができる。したがって、撮像装置400は、各撮影モードに対応するフレームモードをあらかじめ登録しておくことにより、ユーザが所定の撮影モードを選択した際に、選択された撮影モードに対応するフレームモードに自動で切り替えることができる。
図18に示したフレームモードを例に説明すると、例えば、16:9のHD動画を撮影しながら、参考データとして、16:9の撮影領域から外れた領域に文字列などを含めて4:3の静止画を同時に記録する場合などが想定される。したがって、16:9のHD動画を撮影中に4:3の静止画を同時撮影する撮影モードが選択された場合、撮像装置400は、フレームモードNo.1に自動で切り替えてもよい。
また、4:3のSD動画を撮影しながら、参考画像として16:9のパノラマ静止画を同時に撮影する場合なども想定される。したがって、4:3のSD動画を撮影中に16:9のパノラマ静止画を同時撮影する撮影モードが選択された場合、撮像装置400は、フレームモードをフレームモードNo.4に自動で切り替えてもよい。
このように、第4実施形態に係る撮像装置400は、撮影モードに連動してフレームモードを自動で変更することができる。制御部126は、このようにして自動で変更されたフレームモードに基づいて、画像表示範囲抽出部104により抽出される画像の範囲や、通知画像生成部106により生成される通知画像の変更を適宜指示することができる。この結果、ユーザが希望する撮影モードを選択すれば自動で適切なフレームモードが選択されるため、ユーザは、撮影モードの選択後にフレームモードを毎回指定するといった煩雑な操作が必要ない。
なお、上述した撮影モードや、当該撮影モードに対応するフレームモードの種類は本実施形態を説明する上での一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。すなわち、撮像装置400は、所定の撮影モードに応じた所定のフレームモードをあらかじめ登録しておくことができ、撮影モードの種類や、対応するフレームモードの種類、組み合わせなどは任意に変更することができるものである。
[4−3.撮像装置400のズーム処理に関する処理フロー]
次に、上記のような通知画像を表示可能な撮像装置400が、上述した各実施形態の表示機能やズーム機能を利用する場合の処理の流れの一例について説明する。
(同時撮影モード時における全体処理フロー)
図19は、第4実施形態に係る撮像装置400において、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時撮影する場合に、継続的に行われるズーム処理に関する一連の流れの一例を示すフロー図である。例えば、ユーザが、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時撮影するモードを選択した場合などに図19に示す処理が開始される。なお、フレームモード1〜6は、上述した図18に示したフレームモードの例に対応するものである。
まず、ステップ300において、撮像装置400は、モードの初期設定を行う。ここで、モードの初期設定とは、上述したフレームモードやズーム制約を設定するアスペクト比などに関する設定である。ユーザは、例えば、操作ボタンなどを操作することにより、任意のフレームモードを選択したり、いずれかのまたはすべてのアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を設定したりすることができる。ズーム制約設定部122は、制御部126からの指示に応じて、ユーザから指示を受けたアスペクト比に対してズーム制約を設定する。また、通知画像生成部106は、制御部126からの指示に応じて、ユーザから指示を受けたフレームモードに対応するように、ガイドフレーム132や領域通知アイコン130を含む通知画像を生成する。
次に、ステップ302において、撮像装置400は、ユーザにより撮影モードの変更指示があったか否かを判断する。上述したように、撮像装置400は、変更された撮影モードに対応するフレームモードが登録されている場合には、撮影モードの変更に連動してフレームモードを自動で切り替えることができる場合もある。したがって、制御部126は、撮影モードの変更指示の有無を判断する。
ステップ302により撮影モードの変更指示がないと判断された場合、ステップ304において、制御部126は、ユーザによりフレームモードの変更指示があったか否かを判断する。上述したように、ユーザは、あらかじめ撮像装置400に登録されている複数のフレームモードから任意のフレームモードを選択することができる。したがって、制御部126は、フレームモードの変更指示の有無を判断し、フレームモードの変更指示があった場合には、選択されたフレームモードに対応した表示をするように各機能構成部に指示する。
ステップ304によりフレームモードの変更指示があったと判断された場合、撮像装置400は、各フレームモードに対応するガイドフレーム132等を表示部112に表示させ、いずれかのまたはすべてのアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を設定する。まず、ステップ306において、制御部126は、変更されたフレームモードがフレームモードNo.1であるか否かを判断する。
ステップ306によりフレームモードNo.1に変更されたと判断された場合、画像表示範囲抽出部104は、撮像データ入力部102に入力された画像から、16:9の表示部112に対応した画像を、メイン画像の撮像領域が最大限に表示される範囲で抽出する。また、図18に示したように、フレームモードNo.1に対応するサブ画像の撮影領域の縦方向の境界は、表示部112の表示可能領域外に存在している。したがって、通知画像生成部106は、制御部126からの指示に応じて、4:3のサブ画像の撮影領域150が表示部112の表示可能領域外に存在していることをユーザに通知するための領域通知アイコン130を含む通知画像を生成する。さらに、画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像と、通知画像生成部106によって生成された領域通知アイコン130を含む通知画像と、を合成した画像を生成する。その後、表示制御部110は、制御部126からの指示に応じて、画像合成部108によって生成された画像を表示部112に表示させる。
また、撮像装置400は、ステップ308において、フレームモードNo.1におけるズーム制約モードの設定処理を実行する。撮像装置400は、ユーザまたは自動で設定された画欠けを防止するアスペクト比の画像データの撮影領域に対してズーム制約を設定する。これにより、撮像装置400は、上記各実施形態で説明したように、ズーム制約が設定されたアスペクト比の画像データから所定の注目する被写体が画欠けしないように、表示機能やズーム機能を制御することができる。なお、ステップ308による、フレームモード1におけるズーム制約の設定処理の詳細については、図22を参照に後述する。
一方、ステップ306によりフレームモードNo.1に変更されていないと判断された場合、ステップ310において、制御部126は、変更されたフレームモードがフレームモードNo.2であるか否かを判断する。
ステップ310によりフレームモードNo.2に変更されたと判断された場合、画像表示範囲抽出部104は、撮像データ入力部102に入力された画像から、16:9の表示部112に対応した画像を、メイン画像の撮像領域が最大限に表示される範囲で抽出する。図18に示したように、フレームモードNo.2に対応するサブ画像の撮影領域の縦方向の境界は、表示部112の表示可能領域外に存在し、サブ画像の撮影領域の横方向の境界は表示部112の表示可能領域内に存在している。したがって、通知画像生成部106は、4:3のサブ画像の撮影領域150が表示部112の表示可能領域の上下方向にはみ出して存在していることを通知する領域通知アイコン130を生成する。さらに、通知画像生成部106は、表示部112の表示可能領域におけるサブ画像の撮影領域150の横方向の境界を通知するガイドフレーム132を生成する。また、画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像と、通知画像生成部106によって生成された領域通知アイコン130およびガイドフレーム132を含む通知画像と、を合成した画像を生成する。その後、表示制御部110は、制御部126からの指示に応じて、画像合成部108によって生成された画像を表示部112に表示させる。
また、撮像装置400は、ステップ312において、フレームモードNo.2におけるズーム制約モードの設定処理を実行する。なお、ステップ312による、フレームモード2におけるズーム制約の設定処理の詳細については、図23を参照に後述する。
一方、ステップ310によりフレームモードNo.2に変更されていないと判断された場合、ステップ314において、制御部126は、変更されたフレームモードがフレームモードNo.3であるか否かを判断する。
ステップ314によりフレームモードNo.3に変更されたと判断された場合、画像表示範囲抽出部104は、撮像データ入力部102に入力された画像から、16:9の表示部112に対応した画像を、メイン画像の撮像領域が最大限に表示される範囲で抽出する。図18に示したように、フレームモードNo.3に対応するサブ画像の撮影領域の横方向の境界は、表示部112の表示可能領域内に存在している。したがって、通知画像生成部106は、表示部112の表示可能領域におけるサブ画像の撮影領域150の横方向の境界を通知するガイドフレーム132を含む通知画像を生成する。また、画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像と、通知画像生成部106によって生成されたガイドフレーム132を含む通知画像と、を合成した画像を生成する。その後、表示制御部110は、制御部126からの指示に応じて、画像合成部108によって生成された画像を表示部112に表示させる。
また、撮像装置400は、ステップ316において、フレームモードNo.3におけるズーム制約モードの設定処理を実行する。なお、ステップ316による、フレームモード3におけるズーム制約の設定処理の詳細については、図24を参照に後述する。
一方、ステップ314によりフレームモードNo.3に変更されていないと判断された場合、ステップ318において、制御部126は、変更されたフレームモードがフレームモードNo.4であるか否かを判断する。
ステップ318によりフレームモードNo.4に変更されたと判断された場合、画像表示範囲抽出部104は、撮像データ入力部102に入力された画像から、4:3の表示部112に対応した画像を、メイン画像の撮影領域が最大限に表示される範囲で抽出する。図18に示したように、フレームモードNo.4に対応するサブ画像の撮影領域の横方向の境界は、表示部112の表示可能領域外に存在している。したがって、通知画像生成部106は、16:9のサブ画像の撮影領域が表示部112の表示可能領域外に存在していることを通知する領域通知アイコン130を含む通知画像を生成する。また、画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像と、通知画像生成部106によって生成された領域通知アイコン130を含む通知画像と、を合成した画像を生成する。その後、表示制御部110は、制御部126からの指示に応じて、画像合成部108によって生成された画像を表示部112に表示させる。
また、撮像装置400は、ステップ320において、フレームモードNo.4におけるズーム制約モードの設定処理を実行する。なお、ステップ320による、フレームモード4におけるズーム制約の設定処理の詳細については、図25を参照に後述する。
一方、ステップ318によりフレームモードNo.4に変更されていないと判断された場合、ステップ322において、制御部126は、変更されたフレームモードがフレームモードNo.5であるか否かを判断する。
ステップ322によりフレームモードNo.5に変更されたと判断された場合、画像表示範囲抽出部104は、撮像データ入力部102に入力された画像から、4:3の表示部112に対応した画像を、メイン画像の撮像領域が最大限に表示される範囲で抽出する。図18に示したように、フレームモードNo.5に対応するサブ画像の撮影領域の横方向の境界は、表示部112の表示可能領域外に存在し、サブ画像の撮影領域の縦方向の境界は表示部112の表示可能領域内に存在している。したがって、通知画像生成部106は、16:9のサブ画像の撮影領域152が表示部112の表示可能領域の左右方向にはみ出して存在していることを通知する領域通知アイコン130を生成する。さらに、通知画像生成部106は、表示部112の表示可能領域における16:9のサブ画像の撮影領域152の縦方向の境界を通知するガイドフレーム132を生成する。また、画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像と、通知画像生成部106によって生成された領域通知アイコン130およびガイドフレーム132を含む通知画像と、を合成した画像を生成する。その後、表示制御部110は、制御部126からの指示に応じて、画像合成部108によって生成された画像を表示部112に表示させる。
また、撮像装置400は、ステップ324において、フレームモードNo.5におけるズーム制約モードの設定処理を実行する。なお、ステップ324による、フレームモード5におけるズーム制約の設定処理の詳細については、図26を参照に後述する。
一方、ステップ322によりフレームモードNo.5に変更されていないと判断された場合、制御部126は、フレームモードがフレームモードNo.6に変更されたと判断する。したがって、制御部126は、各機能構成部に対して、フレームモードNo.6に対応した撮影領域の表示処理の実行を指示する。具体的には、画像表示範囲抽出部104は、撮像データ入力部102に入力された画像から、4:3の表示部112に対応した画像を、メイン画像の撮影領域が最大限に表示される範囲で抽出する。図18に示したように、フレームモードNo.6に対応するサブ画像の撮影領域は、表示部112の表示可能領域と一致している。したがって、サブ画像の撮影領域に関しては領域通知アイコン130やガイドフレーム132を生成する必要はない。一方、メイン画像の撮影領域については、4:3の表示部112に16:9の画像を最大限に表示した場合、メイン画像の撮影領域の上下方向の境界が、表示部112の表示可能領域内に存在することとなる。したがって、通知画像生成部106は、表示部112の表示可能領域におけるメイン画像の撮影領域152の縦方向の境界を通知するガイドフレーム132を生成する。また、画像合成部108は、画像表示範囲抽出部104によって抽出された画像と、通知画像生成部106によって生成されたガイドフレーム132を含む領域通知画像と、を合成した画像を生成する。その後、表示制御部110は、制御部126からの指示に応じて、画像合成部108によって生成された画像を表示部112に表示させる。
また、撮像装置400は、ステップ326において、フレームモードNo.6におけるズーム制約モードの設定処理を実行する。なお、ステップ326による、フレームモード6におけるズーム制約の設定処理の詳細については、図27を参照に後述する。
以上の各ステップにより、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時に撮影する際に、メイン画像の撮影領域を表示部112に最大限に表示し、サブ画像の撮影領域を設定されたフレームモードに応じて表示部112に表示させることができる。
ここで、ステップ302により撮影モードが変更されたと判断された場合、制御部126は、ステップ328において、変更された撮影モードに対応するフレームモードが登録されているか否かを判断する。ステップ328により対応するフレームモードが登録されていないと判断された場合、制御部126は、上述した各ステップにより、現在設定されているフレームモードに対応する表示処理の実行を各機能構成部に指示する。
一方、ステップ328により対応するフレームモードが登録されていると判断された場合、制御部126は、ステップ330において、現在のフレームモードから、変更された撮影モードに対して登録されているフレームモードに変更する。また、撮像装置400は、ステップ332において、変更されたフレームモードに対応する領域通知アイコン130やガイドフレーム132などを表示部112に表示させる。さらに、撮像装置400は、ステップ334において、変更されたフレームモードにおけるズーム制約の設定処理を行う(ステップ308、312、316、320、324または326と同様の処理)。このように、撮影モードに連動してフレームモードが登録されている場合、ユーザは、撮影モードを切り替える際に、フレームモードの設定変更という煩雑な操作を行う必要がない。
以上のような処理フローにより、撮像装置400は、ユーザによって選択されたフレームモードや、撮影モードに連動して自動で設定されたフレームモードなどに応じた表示処理やズーム制約設定処理を行うことができる。
また、フレームモードやズーム制約が設定された後、ステップ304によりフレームモードの変更指示がないと判断された場合、撮像装置400は、ステップ336において、ユーザからズーム指示があったか否かを判断する。
ステップ336によりユーザからズーム指示があったと判断された場合、撮像装置400は、ステップ338において、ズーム処理を実行する。すなわち、撮像装置400は、ズーム制約の設定状況に応じて、上述した図2または図6に示した処理を行う。これにより、撮像装置400は、現在設定されているフレームモードに応じて設定されたズーム制約に基づいて、ズーム制約が設定されたアスペクト比の画像データから注目する被写体が画欠けしないように、表示機能やズーム機能を制御することができる。
例として、上記フレームモードNo.1において、4:3のアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約が設定されている場合の表示部112の表示例を説明する。図20および図21は、フレームモードNo.1における表示部112の表示例を示す説明図である。図20および図21に示す例では、16:9のアスペクト比の表示部112に16:9のアスペクト比の撮影領域152が最大限に表示され、表示部112の表示可能領域外に4:3のアスペクト比の撮影領域150が存在している。したがって、表示部112には、4:3のアスペクト比の撮影領域150が表示部112の表示可能領域外に存在していることを通知する領域通知アイコン130が表示されている。また、図20に示す例では、4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約が設定されている。
ここで、図20に示すように、注目する被写体である富士山が16:9のアスペクト比の撮影領域152の境界を超えるまで拡大された場合、撮像装置400は、上記第2実施形態で説明した例と同様に、注意的に画欠け通知アイコン140を表示させる。また、撮像装置400は、図20に示すように、画欠け通知アイコン140の表示にあわせて、領域通知アイコン130の色や形状などを変更してもよい。これにより、ユーザは、注目する被写体である富士山が、ズーム制約が設定されている4:3のアスペクト比の撮影領域150内には存在しているが、ズーム制約が設定されていない16:9のアスペクト比の撮影領域152からは画欠けしていることを認識できる。
その後ズーム制約が設定されている4:3のアスペクト比の撮影領域150の限界境界まで富士山が到達した場合、撮像装置400は、図21に示すように、上記第2実施形態で説明した例と同様に、ズーム制限アイコン138を表示させてズーム機能を無効とする。また、撮像装置400は、図21に示すように、ズーム制限アイコン138の表示にあわせて、領域通知アイコン130の色や形状などを変更してもよい。これにより、ユーザは、注目する被写体である富士山が、表示部112の表示可能領域外に存在する4:3のアスペクト比の撮影領域150の制限境界に到達して、これ以上拡大方向にズームできないことを認識することができる。
このような例は、例えば、ユーザが、16:9のアスペクト比のHD動画を主として撮影しながら、定期的に4:3のアスペクト比の静止画を副次的に撮影する場合などに利用することができる。例えば、16:9のHD動画では常に富士山全体が撮影領域に収まっている必要がないが、副次的に撮影する静止画データから富士山が画欠けすることを防止したい場合などに特に有効である。
次に、図19で示した処理フローの各フレームモードにおけるズーム制約の設定処理の詳細の流れについて以下説明する。
(フレームモードNo.1におけるズーム制約モードの設定処理)
図22は、フレームモードNo.1におけるズーム制約モードの設定処理の流れの一例を示すフロー図である。図22に示すように、撮像装置400の制御部126は、アスペクト比の異なる複数の画像データのうち、いずれのアスペクト比の画像データから所定の注目する被写体が画欠けしないように設定されているかを判断する。ユーザは、例えば、操作ボタンなどを操作することにより、設定モードなどにおいて、注目する被写体の画欠けを防止したい画像データを任意に選択することができる。また、撮像装置400は、例えば、撮影モードなどに応じて、注目する被写体の画欠けを防止する画像データを自動で設定してもよい。例えば、撮像装置400は、上述したフレームモードに応じて、いずれのアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を設定するかを自動で決定してもよい。すなわち、撮像装置400は、メイン画像のアスペクト比の撮影領域と、サブ画像のアスペクト比の撮影領域と、の組み合わせに基づいて、いずれか一方または両方のアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を自動で設定してもよい。
撮像装置400は、まず、ステップ400において、すべてのアスペクト比の画像データ、すなわち、16:9のアスペクト比の画像データおよび4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ400により、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ402の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、より小さいアスペクト比の撮影領域である16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約を設定する(上記第1実施形態に対応)。
一方、ステップ400によりすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、撮像装置400は、ステップ404において、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ404により4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ406の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、より大きいアスペクト比の撮影領域である4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約を設定する(上記第2実施形態に対応)。
一方、ステップ404により、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、もう一方の16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていることを意味する。ここで、フレームモードNo.1は、16:9のアスペクト比の撮影領域152が4:3のアスペクト比の撮影領域150内に含まれている。したがって、16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されている場合、必然的にすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されている場合と同じ処理が行われる。したがって、ズーム制約設定部122は、ステップ402において、より小さいアスペクト比の撮影領域である16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約を設定する(上記第1実施形態に対応)。
以上の処理により設定されたフレームモードNo.1におけるズーム制約に基づいて、撮像装置400は、ユーザからのズーム指示に応じて表示機能やズーム機能を制御することができる。
(フレームモードNo.2におけるズーム制約モードの設定処理)
図23は、フレームモードNo.2におけるズーム制約モードの設定処理の流れの一例を示すフロー図である。図23に示すように、撮像装置400は、まず、ステップ500において、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。ここで、フレームモードNo.2では、図18に示すように、4:3のアスペクト比の撮影領域150の縦方向の境界は16:9のアスペクト比の表示部112の表示可能領域外に存在するが、横方向の境界は表示可能領域内に存在している。したがって、いずれかのアスペクト比の撮影領域にズーム制約を設定した場合、他方のアスペクト比の撮影領域から注目する被写体が画欠けしてしまうおそれがある。
そこで、ステップ500により、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ502の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、4:3のアスペクト比の撮影領域150と、16:9のアスペクト比の撮影領域152と、の共通領域に対してズーム制約を設定する。これにより、撮像装置400は、いずれのアスペクト比の撮影領域からも注目する被写体が画欠けしないように表示機能やズーム機能を制御することができる。
一方、ステップ500によりすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、撮像装置400は、ステップ504において、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ504により4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、ズーム制約設定部122は、ステップ506において、4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約を設定する。
一方、ステップ504により、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、もう一方の16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていることを意味する。したがって、ズーム制約設定部122は、16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約を設定する。
以上の処理により設定されたフレームモードNo.2におけるズーム制約に基づいて、撮像装置400は、ユーザからのズーム指示に応じて表示機能やズーム機能を制御することができる。
(フレームモードNo.3におけるズーム制約モードの設定処理)
図24は、フレームモードNo.3におけるズーム制約モードの設定処理の流れの一例を示すフロー図である。図24に示すように、撮像装置400は、まず、ステップ600において、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ600により、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ602の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、より小さいアスペクト比の撮影領域である4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約を設定する(上記第1実施形態に対応)。
一方ステップ600によりすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、撮像装置400は、ステップ604において、16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ604により16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ606の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、より大きいアスペクト比の撮影領域である16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約を設定する(上記第2実施形態に対応)。
一方、ステップ604により、16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、もう一方の4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていることを意味する。ここで、フレームモードNo.3は、4:3のアスペクト比の撮影領域150が16:9のアスペクト比の撮影領域152内に含まれている。したがって、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されている場合、必然的にすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されている場合と同じ処理が行われる。したがって、ズーム制約設定部122は、ステップ602において、より小さいアスペクト比の撮影領域である4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約を設定する(上記第1実施形態に対応)。
以上の処理により設定されたフレームモードNo.3におけるズーム制約に基づいて、撮像装置400は、ユーザからのズーム指示に応じて表示機能やズーム機能を制御することができる。
(フレームモードNo.4におけるズーム制約モードの設定処理)
図25は、フレームモードNo.4におけるズーム制約モードの設定処理の流れの一例を示すフロー図である。図25に示すように、撮像装置400は、まず、ステップ700において、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ700により、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ702の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、より小さいアスペクト比の撮影領域である4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約を設定する(上記第1実施形態に対応)。
一方ステップ700によりすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、撮像装置400は、ステップ704において、16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ704により16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ706の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、より大きいアスペクト比の撮影領域である16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約を設定する(上記第2実施形態に対応)。
一方、ステップ704により、16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、もう一方の4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていることを意味する。ここで、フレームモードNo.4は、4:3のアスペクト比の撮影領域150が16:9のアスペクト比の撮影領域152内に含まれている。したがって、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されている場合、必然的にすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されている場合と同じ処理が行われる。したがって、ズーム制約設定部122は、ステップ702において、より小さいアスペクト比の撮影領域である4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約を設定する(上記第1実施形態に対応)。
以上の処理により設定されたフレームモードNo.4におけるズーム制約に基づいて、撮像装置400は、ユーザからのズーム指示に応じて表示機能やズーム機能を制御することができる。
(フレームモードNo.5におけるズーム制約モードの設定処理)
図26は、フレームモードNo.5におけるズーム制約モードの設定処理の流れの一例を示すフロー図である。図26に示すように、撮像装置400は、まず、ステップ800において、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。ここで、フレームモードNo.5では、図18に示すように、16:9のアスペクト比の撮影領域152の横方向の境界は4:3のアスペクト比の表示部112の表示可能領域外に存在するが、縦方向の境界は表示可能領域内に存在している。したがって、いずれかのアスペクト比の撮影領域にズーム制約を設定した場合、他方のアスペクト比の撮影領域から注目する被写体が画欠けしてしまうおそれがある。
そこで、ステップ800により、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ802の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、4:3のアスペクト比の撮影領域150と、16:9のアスペクト比の撮影領域152と、の共通領域に対してズーム制約を設定する。これにより、撮像装置400は、いずれのアスペクト比の撮影領域からも注目する被写体が画欠けしないように表示機能やズーム機能を制御することができる。
一方、ステップ800によりすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、撮像装置400は、ステップ804において、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ804により4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、ズーム制約設定部122は、ステップ806において、4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約を設定する。
一方、ステップ804により、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、もう一方の16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていることを意味する。したがって、ズーム制約設定部122は、ステップ806において、16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約を設定する。
以上の処理により設定されたフレームモードNo.5におけるズーム制約に基づいて、撮像装置400は、ユーザからのズーム指示に応じて表示機能やズーム機能を制御することができる。
(フレームモードNo.6におけるズーム制約モードの設定処理)
図27は、フレームモードNo.6におけるズーム制約モードの設定処理の流れの一例を示すフロー図である。図27に示すように、撮像装置400は、まず、ステップ900において、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ900により、すべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ902の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、より小さいアスペクト比の撮影領域である16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約を設定する(上記第1実施形態に対応)。
一方、ステップ900によりすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、撮像装置400は、ステップ904において、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されているか否かを判断する。
ステップ904により4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていると判断された場合、撮像装置400は、ステップ906の処理を行う。すなわち、ズーム制約設定部122は、より大きいアスペクト比の撮影領域である4:3のアスペクト比の撮影領域150に対してズーム制約を設定する(上記第2実施形態に対応)。
一方、ステップ904により、4:3のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていないと判断された場合、もう一方の16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されていることを意味する。ここで、フレームモードNo.1は、16:9のアスペクト比の撮影領域152が4:3のアスペクト比の撮影領域150内に含まれている。したがって、16:9のアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されている場合、必然的にすべてのアスペクト比の画像データに対して画欠け防止が設定されている場合と同じ処理が行われる。したがって、ズーム制約設定部122は、ステップ902において、より小さいアスペクト比の撮影領域である16:9のアスペクト比の撮影領域152に対してズーム制約を設定する(上記第1実施形態に対応)。
以上の処理により設定されたフレームモードNo.6におけるズーム制約に基づいて、撮像装置400は、ユーザからのズーム指示に応じて表示機能やズーム機能を制御することができる。
以上のように、第4実施形態に係る撮像装置400は、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時撮影する場合において、主として撮影するメイン画像のアスペクト比の撮影領域を表示部112に最大限に表示させることができる。また、撮像装置400は、副次的に撮影するサブ画像のアスペクト比の撮影領域が表示部112の表示可能領域外に存在する場合には、サブ画像の撮影領域が表示可能領域外に存在していることを通知する領域通知アイコン130等を表示させることができる。また、撮像装置400は、上述した第1実施形態および第2実施形態と同様に、いずれかのまたはすべてのアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を設定することができる。これにより、撮像装置400は、表示部112の表示可能領域外に存在する撮影領域からも注目する被写体が画欠けしないように、表示機能やズーム機能を制御することができる。すなわち、撮像装置400は、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時に撮影する際に、画像データから所定の被写体が画欠けしないようにズーム機能および表示機能を制御するとともに、ユーザビリティに優れた撮影領域の表示を実現することが可能である。
なお、上記説明において例示したフレームモードの種類や組み合わせは、第4実施形態に係る撮像装置400の特徴の1つを説明する上での一例であり、本発明はこれらに限定されない。例えば、撮像装置400は、上述した例以外のアスペクト比の画像も撮影することができ、上述した例以外のアスペクト比の表示部112を備えることも当然に可能である。また、撮像装置400に登録されるフレームモードの数も上記例に限定されるものではなく、撮像装置400は、撮影モードの種類、数、性能などに応じて、任意の数のフレームモードを管理することができる。
また、図15、16、21、22に示した領域通知アイコン130やガイドフレーム132は、第4実施形態に係る撮像装置400の特徴の1つを説明する上での一例であり、本発明はこれらに限定されない。領域通知アイコン130やガイドフレーム132は、図15、16、21、22に示した例と異なる形状、色、大きさ、位置であってもよい。
<5.第5実施形態>
次に、上記第4実施形態の特徴を備えた撮像装置であって、ズーム制約の設定状況および注目する被写体のズーム状況に応じて、撮影領域の表示方法を切り替えることを特徴の1つとする第5実施形態に係る撮像装置500の概要について説明する。
上記第4実施形態の撮像装置400は、複数のアスペクト比の画像データを同時撮影する場合に、一方のアスペクト比の撮影領域を表示部112に最大限に表示させるため、他方のアスペクト比の撮影領域が表示部112の表示可能領域外に存在することがあった。このような場合、撮像装置400は、図15に示した例のように、領域通知アイコン130を表示させることにより、表示部112の表示可能領域外にも撮影領域が存在していることをユーザに対して通知することができた。また、表示可能領域外の撮影領域に対してズーム制約が設定されている場合においても、撮像装置400は、図21に示した例のように、ズーム処理の状況に応じてズーム制限アイコン138等を表示させてズーム機能の無効をユーザに対して通知することができた。
しかしながら、このような場合、ユーザにとっては、表示部112に最大限に表示されている撮影領域よりも、ズーム制約が設定されている表示部112の表示可能領域外に存在する撮影領域の方が重要であるとも考えられる。例えば、図20に示す例では、16:9のアスペクト比のHD動画をメイン画像として撮影中に、副次的なサブ画像として4:3のアスペクト比の静止画データの撮影をする場合に、注目する被写体である富士山を一時的に拡大させる場合が想定される。このような場合、静止画データの撮影時には、被写体のズーム状況によっては、4:3のアスペクト比の撮影領域を、一時的にすべて表示部112に表示させたほうがよい場合もある。そこで、第5実施形態に係る撮像装置500は、表示部112の表示可能領域外に存在するサブ画像に対してズーム制約が設定されている場合において、注目する被写体が表示可能領域を超えて拡大されて場合に、各アスペクト比の撮影領域の表示方法を変更する。
具体的には、撮像装置500は、一時的にサブ画像の撮影領域を表示部112に最大限に表示させることにより、注目する被写体をすべて表示部112に表示させることができる。図28は、第4実施形態に係る撮像装置400における図20の表示例に対応する、第5実施形態に係る撮像装置500における表示部112の表示例を示す説明図である。図28を参照すると、注目する被写体である富士山が表示部112を超えて拡大された場合には、4:3のアスペクト比の撮影領域150が表示部112に最大限に表示されるように表示画面が切り替わっていることがわかる。これにより、ユーザは、注目する被写体である富士山全体を表示部112に表示させて副次的な静止画撮影を行うこともできる。
また、撮像装置500は、注目する被写体が再度縮小方向にズームされてメイン画像である16:9のアスペクト比の撮影領域152内に収まった場合には、再度16:9のアスペクト比の撮影領域152を表示部112に最大限に表示させてもよい。
以上のように、第5実施形態に係る撮像装置500は、注目する被写体のズーム状況に応じて、表示部112に最大限に表示させる撮影領域を自動で変更することができる。すなわち、撮像装置500は、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時に撮影する際に、画像データから所定の被写体が画欠けしないようにズーム機能および表示機能を制御するとともに、ユーザビリティに優れた撮影領域の表示を実現することが可能である。
<6.各実施形態に係る撮像装置のハードウェア構成>
次に、上述した各実施形態に係る撮像装置のハードウェア構成の一例について、図29を参照しながら説明する。図29は、本発明の各実施形態の1つに係る撮像装置100、200、300、400、500のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、以下の説明においては、第1実施形態に係る撮像装置100を例に説明するが、他の実施形態に係る撮像装置も同様のハードウェア構成を備えるものである。
撮像装置100は主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、ブリッジ909と、インターフェイス913と、撮像手段914と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、を含んで構成される。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、撮像装置100内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
撮像手段914は、光学系、撮像素子、A/D(Analog to Digital)変換器、信号処理部などを含んで構成され、被写体を撮像して画像データを生成する。
入力装置915は、例えば、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよい。
出力装置917は、例えば、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置などの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置など、各種情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。なお、出力装置917は、上述した表示部112を構成するディスプレイとして機能する。
ストレージ装置919は、撮像装置100の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、例えば、HDD等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、動画データおよび静止画データなどを格納する。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、撮像装置100に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。
接続ポート923は、例えば、USBポート、光オーディオ端子、HDMIポート等の、外部表示装置128に直接接続するためのポートである。この接続ポート923に、上述した外部表示装置128を接続することで、撮像装置100は、外部表示装置128において動画データや静止画データを再生表示させることができる。
以上、本発明の各実施形態に係る撮像装置100、200、300、400、500の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。なお、上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
<7.まとめ>
以上説明したように、本発明の各実施形態に係る撮像装置は、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時撮影する際に、注目する被写体のズーム状況に応じて表示機能およびズーム機能を制御することができる。すなわち、画像処理装置は、いずれかのまたはすべてのアスペクト比の撮影領域に対してズーム制約を設定し、ズーム制約が設定されたアスペクト比の画像データから注目する被写体が画欠けしないように、表示機能およびズーム機能を制御することができる。画像処理装置は、ズーム状態通知アイコン134を表示させることにより、ズーム制約が設定されたアスペクト比の撮影領域と、注目する被写体との関係をユーザに対して通知することができる。また、画像処理装置は、ズーム制約が設定されたアスペクト比の撮影領域の境界まで注目する被写体が到達した場合には、自動でズーム機能を無効にすることもできる。
また、画像処理装置は、撮影した画像データをアスペクト比の異なる複数のディスプレイにおいて同時再生する場合においても、注目する被写体のズーム状況に応じて表示機能およびズーム機能を制御することができる。また、画像処理装置は、いずれかのアスペクト比の撮影領域を表示部112に最大限に表示させて同時撮影時におけるユーザビリティを向上させた上で、注目する被写体のズーム状況に応じて表示機能およびズーム機能を制御することもできる。
以上、本発明の各実施形態に係る画像処理装置は、アスペクト比の異なる複数の画像データを同時に撮影する際に、設定されたアスペクト比の撮影範囲から所定の被写体が画欠けしないように表示機能およびズーム機能を制御することが可能である。また、画像処理装置は、同一の画像データをアスペクト比の異なる複数のディスプレイに同時再生する際に、設定されたアスペクト比の再生表示領域から所定の被写体が画欠けしないように表示機能およびズーム機能を制御することも可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態で説明した撮像装置としては、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カムコーダ(登録商標)、携帯電話、PDA、携帯型ゲームききなどが想定されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、例えば、上述した第3実施形態において説明したように、撮影された画像データを複数のディスプレイで同時再生させる場合などには、必ずしも撮像機能を備えなくてもよい。すなわち、本発明は、必ずしも撮像機能を備えた装置にのみ適用されるものではなく、第3実施形態において説明したように、画像データを再生する画像再生装置であってもよい。本発明の画像装置としては、例えば、HDDレコーダ、DVDレコーダ、Blueray Disc(登録商標)レコーダなどの再生装置、ゲーム機器、パーソナルコンピュータなどが想定されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本明細書において、フロー図またはシーケンス図に記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。