JP4712972B2 - ワイアレスデータモデムにおける温度による送信制御 - Google Patents
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Description
背景
本願発明は、一般に通信システムの分野に係り、とりわけ可変レートで送信可能な無線通信システムの分野に関する。
【0002】
商業用の通信システム、とりわけ、セルラー無線電話システムは、過去10年に爆発的な成長を遂げた。この成長は、少なくとも、無線通信システムによって提供されるサービスの数が増大し、サービスの品質も改良されたことに起因するものである。例えば、早期のシステムでは、おもに音声通信をサポートするために設計されていた。しかし、現在のセルラー無線通信システムは、ページング、通信およびデータ通信(例えば、インターネット通信をサポートするもの)など、多くの付加的なサービスを提供している。これらの新しいサービスのうちのいくつかは、より高いスループット(すなわち、音声通信のために必要なスループットよりも遥かに高いスループット)が必須である。
【0003】
これらの様々な通信サービスを提供するために、サービスに対応した最低限のユーザービット速度が必要である。例えば、音声および/またはデータサービスおいては、ユーザービット速度は音声品質および/またはデータスループットに対応し、より高いユーザービット速度は、より高い音声品質および/またはより高いデータスループットをもたらす。トータルのユーザービット速度は、例えば、音声符号化、チャンネル符号化、変調方式、およびコネクションに割り当てられたエアインタフェースリソース(例えば、TDMAシステムの場合は、割り当て可能なタイムスロットの数、CDMAシステムの場合は、拡散コードの数)などの技術の組み合わせによって決定される。
【0004】
今日の携帯電話は約10kbit/sのネットデータ転送速度で送信する。将来のセルラーモデムは、1秒あたり数百キロビットを送受信することができるようになると予想される。一例として、一般パケット無線サービス(GPRS)と称されるGSMベースのパケットデータシステムがある。しかし、既存のセルサイズ(このサイズは、後者の標準においてネットワークオペレータにより強く要望されている。)を同時に維持しつつ、より高いスループットレートを提供するためには、送信電力を増大しなければならないはずである。このシナリオ下で、小型携帯電話に組み込まれるワイアレスモデム、PCもしくはラップトップに挿入されるワイアレスのモデムカードなどの、とりわけ小型のワイアレスモデムは、平均電力が増加するため、装置の冷却能力を上回る熱を発生させてしまう。
【0005】
例えば、電力増幅器は携帯電話や送信パスにおけるモデムにおいて使用されているが、それは完全なものではなく、すなわち、すべての電力が電気−機械の波に変換されるわけではないのである。変調方式と実装形式にも依存するが、大雑把には、発生された電力の半分は電力増幅器での放熱という形で失われる。この熱は、モデムを損傷させ、携帯機器のエンドユーザーを煩わせるかもしれない。従って、より高いビット速度に基づく複雑さというよりも、むしろこの放熱の不十分さにより、小型電話の送信可能な最大のビット速度が制限されてしまうのである。
【0006】
パケットデータ運用において、その動作はしばしばバースト的である。これにより平均的な電力消費量が減少する。パケットデータ通信のバーストさは、アプリケーション、すなわち、瞬時の使用により左右される。しかし、携帯電話の設計者は、一般に、最悪のシナリオケースを、すなわち、その最大のビット速度で、(放熱時間定数と関連する)延長期間にわたってアプリケーションが送信するようなケースを想定する。従って、移動局は、最悪のケースにおいてもデバイスの温度が安全なレベルを保つように、送信ビット速度を制限して設計されている。
【0007】
機器温度を監視し、これに基づいて機器の運用を調整することによって機器温度の上昇を食い止めようとする試みが、いくつかの文献で紹介されている。例えば、欧州特許出願公開公報 EP 800282 では、温度センサーを用いてシステム内の温度を監視する技術が説明されている。監視温度がしきい値温度を越えている時には、音声符号化に関する伝送速度を減少させる。同様に、日本国特許出願公開公報 JP 9/326749(特開平9-326749号)の要約によれば、電力モジュールの温度がしきい値未満である時は、連続的なタイムスロットを用いてデータパケットが送信されるが、電力モジュールが熱すぎるような時にはパケットデータ通信が間欠的に行われるシステムについて説明されている。
【0008】
これらの従来の解決策は、上述の温度/伝送速度の問題を部分的に解決するものであるが、それらは一方的な方法、すなわち、移動局が温度を決定し、それに応じて送信を一方的に調整するものである。本願の特許出願人は、温度/伝送速度問題に対処するために、システム、移動ユニット及びユーザー間に協力的な解決策を提供するものであり、全体のシステム運用とユーザーの知識の強化に資するものである。
【0009】
概要
本願発明の例示的な実施形態によると、移動局はその操作温度を測定し、その温度をしきい値と比較する。測定された温度がしきい値を越えている時には、移動局は、その伝送速度を下げて、その消費される送信電力を下げる。移動局は、第1に、伝送速度の低減をシステムに要求するか、または、自立的にその伝送速度を低減するかを決めることができる。どちらのケースであっても、移動局は、低減された伝送速度の指標をシステムに送信する。これにより、システムは、リソースを再配分することができ、例えば、開放された上り回線の送信タイムスロットを他の移動局に割り当てたり、開放された上り回線の拡散符号を他の移動局に割り当てたり、および/または、伝送速度を低減している移動局に下り回線のタイムスロットを追加して割り当てたりすることができる。
【0010】
本願発明の他の例示的な実施形態によれば、伝送速度の低減が、移動局の温度上昇に起因しているという指標を提供するだけでなく、移動局は伝送速度の低下をユーザーに知らせることができる。熱警告は、アイコン表示、警告音または音声警告を含む種々のフォームを取ることができる。これは、ユーザーがよりよい送信ポジションに移動することを促進し、その結果、システムは、移動局に対しその送信電力を減らすよう指示することになるため、移動局の温度を下げることが可能となる。
【0011】
本願発明の他の例示的な実施形態によると、伝送速度の低減は、測定された移動局の温度と送信ステータスに基づいて決定される。例えば、もし移動局が上位レイヤーのメッセージを通信中であるならば、第1の温度しきい値を越えても下位レイヤーのフレームを送信し続けることができる。ただし、送信の継続は、測定された温度が第2のしきい値より低いことを条件に許容されうる。移動局に上位レイヤーのメッセージの遂行を許容することによって、再送と処理遅延が最小化される。
【0012】
詳細な説明
本願発明の例示的な実施形態によると、移動局の温度が監視され、監視温度は、システムと移動局の運用を調整するためや、また、移動局の性能についてユーザーに情報を逐一知らせ、それに応じてユーザーが行動できるようにするためなど、種々の方法で使用される。上述したEP 800282およびJP 9/326749の要約により証明されるように、温度センサーのインプリメンテーションや、無線通信機器において測定された温度を読むための装置は、実質的に公知であるので、本願では詳細な説明を省略する。これらの文献の開示は参照技術としてここに明確に含まれる。本願発明によれば、操作上の変更をシステムに通知すること、システム内のリソースを再配分すること、および温度依存した運用上の変更をユーザーに通知することについて、より詳細に開示される。
【0013】
以下の説明はセルラー無線電話システムについて記載されているが、特許出願人の発明はこの環境に制限されるものではないことが理解できよう。より明確には、以下の説明は、TIA/EIA 136とGSM/GPRSに準拠したシステムに関連する用語を用いて記述されているが、他のアクセス方法、例えば、CDMAを使用するものだけでなく他の標準、例えば、IS-95やPDCに準拠して設計される通信システムにも本願発明を適用できることを、当業者であれば理解できよう。
【0014】
図1は、例示的な基地局110と移動局120を含む、本願発明を適用可能なセルラー移動無線電話システムのブロック図を表している。基地局は、移動サービス交換センター MSC140 に接続された制御処理ユニット130を備えており、MSC140は、GPRSをサポートしているノード SGSN (不図示)を介してパケット交換網に接続している。パケットデータ無線通信システムの一般的な側面は、公知技術であり、例えば、ビルストーム(Billstrom)氏他らに付与された米国特許559013や、ライス(Raith)氏他らに付与された米国特許5768267において説明されており、これらを参照文献としてこの出願に取り入れる。
【0015】
基地局110は、制御処理ユニット130により制御される音声チャンネルトランシーバ150を用いて、複数の音声チャンネルを処理する。また、個々の基地局は制御チャンネルトランシーバ160を含んでおり、これにより複数の制御チャンネルを処理することができる。制御チャンネルトランシーバ160は制御処理ユニット130によりコントロールされる。制御チャンネルトランシーバ160は、基地局またはセルの制御チャンネル上で制御情報を移動局に対して放送し、移動局はこの制御チャンネルを捕捉して同期する。トランシーバ150と160とは、移動局120の音声・制御トランシーバ170のように、単一の機器として実装してもよい。
【0016】
移動局120は、その音声・制御チャンネルトランシーバ170において、制御チャンネル上で放送された情報を受信する。そして、処理ユニット175は受信した制御チャンネル情報を評価し、この情報に含まれる、移動局が同期するための有力候補であるセルの特性に基づいて、移動局がどのセルと同期すべきかを決定する。本願発明において、報知制御チャンネルは、例えば、スループット(ビット速度)などに関連した基地局の所定の機能を示す情報を移動局に送信するためにも使用できる。従って、この基地局の機能情報には、基地局がマルチスロット運用、マルチコード運用および/または他の変調/符号化方式など、送信/受信スループットに影響を及ぼす特性についての情報を含んでいてもよい。いったん移動局がこの情報を受信すると、移動局の機能と基地局によりサポートされている機能とを比較することで、そのセルで達成可能な最大限のビット速度を決定できる。
【0017】
移動局120は、ユーザーが移動局と対話することを可能にする数値キーなどの入力デバイス185も備えている。LCDスクリーンなどのディスプレイ機器190は、以下に説明されるように、ユーザーにビジュアルに情報を表示し、例えば、最大限のスループットと予測されたスループットの双方又は一方についてのインジケータや温度警告を表示する。温度測定機器またはセンサー195は移動局の筐体内、例えば、電力増幅器(不図示)付近の熱を測定し、プロセッサ175に温度情報を供給する。移動局は、携帯電話として構成されるだけでなく、PCカードであってもよく、例えば、パーソナル・コンピュータやラップトップと接続されるPCMCIA標準に準拠して設計されたカードであってもよい。後者のケースでは、ディスプレイ機器はPCモニタとなる。
【0018】
移動局はメモリー180も含んでおり、メモリー180は、端末の機能についての予めプログラムされたアドレスおよび一以上の温度しきい値を記憶していてもよい。端末の機能はユーザーにより保持される申し込みのタイプにより制限されるが、そのような制限は、スループットを計算するために、端末および/またはシステムが把握していてもよい。この情報を提供するには様々な方法がある。例えば、情報は、端末に挿入されるユーザーの加入者インタフェースモジュール(SIM)カードに蓄えられてもよいし、登録情報は呼のセットアップ/ログインで端末に信号で伝えられるものであってもよい。
【0019】
呼設定(または処理開始時)において、システムは、コネクションが動作する際の初期の伝送速度を決定する。システムは移動局の機能を様々な方法で識別できる。例えば、システムは、移動局のMINおよび/またはIMSIを使用してホームロケーションレジスター(HLR)から取り寄せることができ、システムは、登録の際に機能リポートまたはクラスマークを経て移動局からこの情報を受け取ることができる。そして、システムは、その際に送信リソース、例えば、タイムスロットおよび/または符号などを移動局の能力に基づいて割り当てることができる。
【0020】
当業者であれば理解できるように、基地局110は、移動局120により送信されたビットを正しく検出し、ビットの受信電力は、特定のアクセス方式に依存するノイズや干渉レベルより大きいはずである。信号対雑音比(SNR)は、チャンネル復号と逆拡散処理がなされた後に測定されるであろう。一般に、パケットデータシステムは、回復不可能なブロックの再送技術(ARQ技術)を備えているので、SNRが低ければより大きな遅延が生じ、スループットの低下を招く。より明確には、チャンネルの状態が悪化すると、移動局は頻繁にブロックを再送する必要があるため、データの新しいブロックを送信することができなくなる。
【0021】
しかし、スループットと遅延で特徴付けられるようなサービスの要求品質について、送信されたビット速度がより高ければ、移動局は基地局のサービスの品質について要求されるSNRを維持しようとしてより多くトータル電力が必要となる。それぞれのビットは所定の送信電力を必要とする。送信機における電力の必要量は、その時、送信されるビットの数と比例している。これは、アクセス方法、例えば、FDMA、TDMA、CDMA、OFDM、またはこれらの基本的概念のどのような組み合わせにも依存しないものである。
【0022】
もちろん、仮に、移動局120が基地局110の近くを移動するならば、基地局110のSNRは増加する。従って、ビット速度を増大するためには電力の増大が必要であるという規則への代案は、ビットレートに基づいてセルのサイズを効果的に設定することである。しかし、ネットワークオペレータは、一般に、コスト、サイズおよび複雑さに基づく制限内で、ユーザーの位置とは無関係にデータサービスを提供し、現在のセルサイズを維持することを望む。
【0023】
移動局内のスループットと温度間の関係をよりわかりやすくした例を示す。GSMシステムには、TDMAフレームに8つのタイムスロットがある。回線交換のために、8人のユーザーが単一の搬送波に多重化されうる。各フルレートのトラフィックチャンネルごとに、ユーザーは1つのTDMAフレームにつき1つのタイムスロットを割り当てられる。典型的なGSMの移動局は1Wで通信することができる。1/8の時間だけ移動局はアクティブであるので、平均的な電力消費量は1/8Wとなる。TDMAフレームは非常に短い(数ミリ秒)ので、TDMAフレームの間、温度は激しく変化することはなく、温度は,平均電力、例えば、1/8Wにより決定される。
【0024】
GSMのビット速度を増大させる自然な方法は、「マルチスロット」運用と呼ばれる方法であり、1人のユーザーに1つのフレームあたり複数のタイムスロットを割り当てることである。8つのタイムスロットのうちN個を送信するときは、1フレームあたりの平均的な消費電力は N/8 Wとなる。従って、電力はビット速度に比例して増大し、送信(セルサイズ)の範囲は維持される。もし移動局が合計8つのタイムスロットを用いて送信する必要があれば、電力消費量は1Wとなる。
【0025】
前述したように、変調方式は、また、伝送速度を調整するために変更される。例えば、今日のGSMとGPRS標準において、「包絡線一定」タイプの変調方式であるGMSKが変調方式として選択されたとしよう。このタイプの変調は、相対的に効率の高い実装方式であり、電力のほとんどが電気信号に変換される。EDGEと呼ばれるGPRSの将来の拡張方式では、変調方式として8PSKが選択されるものと予想される。8PSKは包絡線が一定でない変調方式であるため、電力増幅器の効率が低下し、移動局により生成される熱量が増加することになる。
【0026】
より多くのタイムスロットをユーザーに割り当てることでビット速度を向上させる提案と、電力をより必要とする変調方式を用いて加入者収容効率を改善するといった技術の流れは、結果として、発生熱量を増大させてしまうという問題をもたらす。前述の例はTDMAシステムについての説明であったが、CDMAシステムであっても、より大きなスループットを提供するために追加の拡散符号を割り当て可能なものや、データ通信レートを調整するためにコードパンクチュアリングを用いて拡散係数を可変とするものは、同様の電力問題に直面する。実のところ、出願人は、熱を冷却することの困難性が、信号処理の制約よりも、製品の上り回線の送信能力を制限してしまう可能性があるのではと懸念している。
【0027】
前述したように、移動局の温度制御を実行するための基本的な技術は、移動局の温度を測定する温度測定機器を設け、温度がしきい値を越えている場合には伝送速度を減少させることである。本願発明の例示的な実施形態によれば、出願人は、この種の温度に基づいて送信調整を実施する際に、移動局とシステム間で追加的な協力を行うことを想定している。
【0028】
例えば、現在のGSMシステムにおいて、移動局は、(現在割り当てられたトラフィックチャンネルの搬送波を除いた)他の搬送波の信号強度をTDMAフレームごとに測定することが必要である。このプロセスは、移動局補助ハンドオフ(MAHO)測定と呼ばれる。GPRSには同様の測定要求があるが、本ケースではセルの再選択のために本測定は使用される。単一の周波数シンセサイザーでは、周波数が、所望のチャンネルへと時々変更され、測定を実行され、そしてチャンネルトラフィックの周波数に戻される。
【0029】
この制約のもとでは、GSMまたはGPRSシステムの移動局が1フレームで受信および/または送信できる最大のタイムスロット数は、各TDMAフレームで利用可能な合計の8ではなく5である。(なお、出願人は、将来のシステムの移動局がスループットを増大させるために、より多くのタイムスロットを使用して情報を送信および/または受信することが可能となると予想しており、Raith氏他、米国特許出願番号No.08/544,841、発明の名称「無線通信システムの移動局によって信号強度を識別し制御する方法」の開示をここに参考文献として取り込むので参照していただきたい。)。GPRSの仕様では、移動局がシステムに移動局の機能を通知するためのオーバヘッドシグナリングが許容されている。いくつかの機能クラスが定義されている。例えば、機能クラスは、送信スロットと受信スロットの合計の最大が例えば5であると表現されうる。例えば、移動局は、4つのスロットにおいて受信し、1つのスロットで送信する動作モードや、3つのスロットにおいて受信し、2つのスロットで送信する別の動作モードを実行することができる。
【0030】
本願発明の例示的な実施形態によると、移動局がその動作温度が高すぎると決定すると、移動局は、その送信電力を下げるためにリソースの使用方法を変更することができるが、この構成に代えて、移動局が、この変更を基地局に通知するメッセージを送信するようにしてもよい。メッセージは、本目的のために新規に定義されるか、既存のメッセージ、例えば、前述の機能リポートの新しい情報要素として実現するか、または既存の(例えばTX機能についての)情報要素に搭載することによって、新しく要求される値/クラスマーク、または変更後の値/クラスマークを伝送する。これとは別の情報要素を用いて、前述のメッセージが、伝送速度を変更する要求であるか、既に実行されたレート調整をシステムに通知してもよい。
【0031】
この情報は、リソース、例えば、エアインタフェースリソースを再配分するためにシステムにより用いられる。移動局と基地局の間における伝送速度変更のハンドシェークには種々の形式を採用することが可能であろう。例えば、移動局はレート変更を要求し、変更の実施に先立ってポジティブな確認を待ったり、移動局は、レート変更を要求し、予め定められた時間中にネガティブな確認を待った後で変更を取り消したり、または、単に、移動局が伝送速度の変更を実施し、それに応じてシステムに通知するようにしてもよい。
【0032】
例えば、違った形の信号で伝えられるまで、GPRSシステムが、上り送信回線の特定タイムスロットを予約できるモードを移動局に許容する方法について考察してみる。例えば、種々の移動局が、システムに、同一のリソースを用いて同時にデータを送信するような状況を避けるために予約メカニズムが採用されるとする。無線通信システムにおいて使用される予約メカニズムについて、より詳細な説明について興味のある読者には、1997年2月5日に出願された米国特許出願No.08/796,110、発明の名称「コンテンション及び予約アクセスのためのパケット制御チャンネルフィードバックサポート」を参照することをお勧めし、その開示をここに取り入れることにする。
【0033】
もし、熱問題のために、移動局が、上り回線における予約タイムスロットのいくつかでデータ送信に失敗すれば、これらのタイムスロットは無駄になるであろう。なぜなら、他のどのユーザーも、これらのスロットを使用して初期のアクセスまたはビット速度の拡張をすることができないからである。そこで、本願発明では、例えば、これらのタイムスロットを他の目的で利用可能にすべく、システムがリソースを再配分できるように、移動局はシステムに対し、その現在の伝送速度から元の伝送速度に下げる必要があると通知する。例えば、3倍のレート(例えば、TIA/EIA 136システムの無線周波数上の、チャンネルA、B、およびCと称される合計3つのチャンネル)で送信している移動局は、データバースト1、2、3、4、5、6および7を送信でき、次のような配置となる。
フレーム1:A1,B2,C3 フレーム2:A4,B5,C6 フレーム3:A7,…
しかし、移動局がレートを二倍に下げ戻すと仮定すると、その送信パターンは次のようになる。
フレーム1:A1,B2 フレーム2:A3,B4 フレーム3:A5,B6…
従って、チャンネルCは別の移動局によって利用可能となるので、他局により利用可能との情報がシステムに送信される。移動局が使用する送信リソースの低減について、移動局が明示的な指標を基地局に送信することによって、同一の移動局は下り回線の割り当て増加するといたった恩恵を受け、および/または、他のユーザーは、追加の送信リソースを獲得できるといった恩恵を受けることができよう。
【0034】
この例示的な実施形態に対応する例示的な方法の説明は、図2に示されている。図2のステップ200において、移動局の温度T1は、機器またはセンサー195を使用して測定される。予め蓄積されているしきい値温度Tthとの比較は、決定ブロック202で実行される。もし、T1 < Tthであるが如く、移動局が過熱していないならば、処理はブロック204に移行し、移動局は、現在割り当てられたレートで、現在割り当てられたリソースを使用して送信する。一方で、もし移動局が熱すぎるならば、処理フローはブロック206に進み、低減されたレートが決定される。もし、移動局が、4つのタイムスロットを使用して送信しており、T1よりTthがずっと高いならば、移動局は、1つのタイムスロットを使用すべく伝送速度を低減してもよい。従って、伝送速度の低減量は測定された温度に対応するようにしてもよい。
【0035】
とにかく、いったん新しい伝送速度が決定されると、移動局はステップ208で移動局の新しい伝送速度についての指標をシステムに送信する。これは、過去にステップ210で移動局に割り当てられたリソースの再配分をシステムに許可するものである。システムのタイプに依存することであるが、この再配分プロセスには、例えば、開放された上り回線の送信タイムスロットを他の移動局へ割り当てること、開放された上り回線の送信拡散符号を他の移動局に割り当てること、および/または、伝送速度を減らした移動局に下り回線の追加タイムスロットを割り当てることが含まれる。TDMA環境下での可変レート送信システムに興味がある読者は、Raith氏他らにより1996年10月15日に出願された米国特許出願 No.08/725,643、「マルチレート無線通信システム及びその端末」をご覧頂きたい。また、CDMA環境下における可変レート送信の例としては、1997年7月11日にオヴェージョ(Ovesjo)氏らにより出願された米国特許出願 08/890,793 「無線通信システムのためのチャネル化符号の割り当て」をご覧頂きたい。これら2件の特許出願の開示は、ここに参照文献として明確に取り入れる。
【0036】
これらに代わる構成として、移動局が最初の温度レベル(警告レベル)を越えていると決定するとすぐに、移動局はその伝送速度又は送信電力の低減を要求する。そして、移動局は、システムから要求された低減処理を実行してもよいとの指示を待つか、それに代えて、システムからのネガティブな応答が届かないことを待つことができる。その後、もし、移動局が第2のレベル(危険レベル)を越える温度を測定したとすれば、自ら、伝送速度又は送信電力を下げることができる。
【0037】
本願発明の他の例示的な実施形態によると、伝送速度の変更をシステムに知らせるだけでなく(または、この構成の代わりとして)、移動局120は(1)伝送速度に影響を及ぼすほどに移動局が熱しているとの警告、および/または、(2)実際の伝送速度の変更をユーザーに通知してもよい。例えば、Tthに近い温度を測定するとすぐに、移動局12は、ユーザーに対し、例えば、アイコン表示による警告、音または音声による警告を発する。この過熱状態をユーザーに知らせることにより、ユーザーは、送信電力や移動局の温度を下げるように移動局の使用を調整してもよい。ユーザーは、移動局から送信されるデータが、システムにより上手く受信されるように、例えば、遮断の少ないサイトへと移動することにより減衰量を減らし、(以下に説明される)システムの電力制御機構を利用するこができ、また、レーリーフェージングを減らすべく、ほんの少しの距離だけ移動したり(またはアンテナを単に調整したり)することができる。
【0038】
いくつかの情報をユーザーにフィードバックすべく、他のインジケータを移動局120に表示し、温度冷却に関する移動局の現在の動作パラメータをユーザーに知らせるようにしてもよい。例えば、移動局は、現在の送信電力の指標を提供してもよいし、上り回線における送信電力と、下り回線における受信信号の強度の組み合わせをバー・インジケーターにより提供してもよい。これは、測定された温度のインジケータよりも急速なフィードバックをユーザーに提供するものであり、送信電力が下げらされた後に測定温度はゆっくりと下がってゆく。
【0039】
もし伝送速度の変更を避ける際のユーザー介在が成功し、すなわち、測定された温度がTthと交差していないならば、他のアクションは必要とされない。一方で、もし送信変更が必要ならば、移動局はディスプレイ190を介してユーザーにも新しい伝送速度を知らせるようにしてもよい。ユーザーに、動作温度が高かったので伝送速度を下げたと通知するための前述の熱指標を第3のインジケータは表示できる。さらに、伝送速度のインジケータは、最大の伝送速度(例えば、移動局の最大伝送速度、または、移動局と基地局の機能によって与えられるコネクション上の可能な伝送速度)対するパーセンテージとしてディスプレイに表示され、例えば、バーにより最高点の75%を示すといった具合である。これ対して、伝送速度インジケータは最大の伝送速度から何パーセント下げたかを表示できる。このインジケータは、現在のアプリケーションのバースト性やチャネル上のユーザーの多重化方式とは無関係のはずであり、つまり、バーストデータの瞬時伝送速度というよりは、移動局の熱に対する現在の耐性をユーザーに知らせるものである。これに代えて又はこれと供に、瞬時の送信および/または受信データを表示するインジケータを設けてもよい。また、移動局は、伝送速度についての変更を示すべく、例えば、トーン、音響効果、音声警告などの用いて、警報/警告を生成することもできる。
【0040】
前述したように、多くの無線通信システムは、閉ループ型の電力制御を用いることで、過度の干渉を与えることなく、通信品質を高く保証するのに最適なレベルでもって、移動局の送信電力を維持しいる。一般に、閉ループ型の電力制御は、移動局により送信された信号の品質および/または受信強度を監視し、それに対応する電力制御コマンドを送信するシステムの機能である。例えば、もし基地局110が、移動局120から予め定められた数以上のビットエラーを有するパケットを受信すれば、基地局は、移動局の送信電力を増大させるべきことを示す送信電力制御コマンドを下り回線の次のパケットに搭載して移動局に返信することになる。逆に言えば、もし情報を正確に復号するのに必要な受信強度よりも高い信号強度で基地局がパケットを受信する場合には、移動局に、送信電力を下げるよう指示する電力制御コマンドを返信することになる。
【0041】
従って、ユーザーは、例えば、屋外、車外または窓の近くなど、開けた場所の方に移動することになろう。このように、システムは、送信電力を減らすよう移動局に指示すると決定でき、電力増幅器により放射される熱を次々に下げ、移動局が元の伝送速度に戻ることを可能ならしめる。
【0042】
本願発明のさらに別の例示的な実施形態によると、移動局からの送信を、いつどのように調整するかを決定する際に、移動局の測定温度および現在の送信ステータスを考慮することができる。例えば、本願発明の例示的な実施形態は、熱のために速度を落とすか又は送信を停止させるかを決定するのに先立って、例えば、上位レイヤーメッセージのどの部分までを送信完了したかの如く、移動局における上位レイヤーメッセージ内の送信位置を決定する方法を提供する。これは、熱に基づく送信調整の欠点を低減するものであり、なぜなら、もし完全な上位レイヤーメッセージが送信されるならば、送信された情報の回復がより容易になるからである。
【0043】
より上位/下位レイヤー送信の分岐をより良く理解するために、TIA/EIA 136におけるデジタル制御チャンネルについての例示的なマッピングを図3に示して説明する。このデジタル制御チャンネルのマッピングの使用は純粋に説明に役立てるためであり、本願発明は、パケットデータチャネル上でのデータパケットの送信など特定の技術に応用できるものであり、例えば、他の文献では、レイヤーの間の関係を表現するために異なる専門用語(例えば、LLCフレームやMACレイヤーフレーム)等が用いられることがある。図3のラベルを貼られた各分野について、完全に理解するために必要なページを追加することはしないので、興味がある読者は、1998年2月6日付の標準仕様TIA/EIA 136(パート010-720)を参照していただくことにし、ここに参照文献として取り入れる。レイヤー3メッセージを3つのレイヤー2メッセージ(これは、レイヤー3メッセージにヘッダーと巡回冗長検査(CRC)とテールビットを含んでいる。)にマッピングし、それをレイヤー1(物理層)メッセージへマッピングすることがここでの議論の的である。各上位レイヤーメッセージは複数の下位レイヤーメッセージに搭載されて送信され、最終的には複数のTDMAバーストとして送信される。本願発明のこの例示的な実施形態によると、送信を切断または伝送速度を下げることに先がけて、上位レイヤーメッセージの送信を完遂することがより望ましい。これは、データブロックの再送を避け、レイヤー3メッセージの復号を完成するために生ずる遅延を低減することができる。従って、例えば、移動局が、特定のレイヤー3メッセージ(または、上位レイヤーメッセージを完成するための一以上のレイヤー3メッセージ)を完成させるために、さらに一以上のTDMAバーストを送信する必要があると仮定すると、本願発明は、移動局の送信モードを決定するために、測定された温度だけでなくこれを考慮することになるだろう。
【0044】
この例示的な実施形態に対応した例示的な方法は、図4において説明されている。図のブロック400において移動局の現在の動作温度が測定される。ステップ402で、もし測定された温度Tmが第1のしきい値 Tth1 以下であるならば、ステップ404で現在の伝送速度のまま送信を継続することができるであろう。さもなければ、移動局120は、現在の上位レイヤーフレームが完成したかどうか、例えば、いずれかのTDMAバースト、または、現在のレイヤー3メッセージの残りを含むいずれかのレイヤー2フレームが存在するかどうかを、ステップ406で決定する。もし残りがなければ、ステップ408で、移動局はその伝送速度を下げるか、または、熱が原因で送信を完全に中止する。
【0045】
もし移動局が熱すぎるにかかわらず、上位レイヤーフレームを完成するための下位レイヤーフレームが残っているならば、移動局はデータパケットを送信し続けるであろう。ステップ410で、移動局は、測定された温度Tmと第2のしきい値Tth2とを比較する。もしこの第2のしきい値より温度が高ければ、移動局は、上位レイヤーメッセージを完成できず、ステップ408へと戻り、送信電力を下げるために適切なアクションをとることになる。高くなければ、移動局は、ステップ410で一以上の下位レイヤーフレーム(例えば、レイヤー2フレーム、またはTDMAバースト)を送信し、上位レイヤーフレームが完成されるかどうかを決定するために処理フローは一巡する。
【0046】
いったん移動局がその上位レイヤーフレームを完成するか、または第2の温度しきい値を越えたら、移動局は伝送速度を下げる(または運用を中止する)。しかしながら、冷却期間の後に、移動局にその伝送速度を増大させる機会(またはアクティブな送信を再開する機会)を与えることが望ましいかもしれない。従って、ある前もって決定された期間twの経過後に、再び移動局の温度をチェックするために処理フローはブロック400に戻るようにしてもよい。もちろん、当業者は、図4に示された例示的な実施形態が、前述の例示的な実施形態のうちのどれとも組み合わせることが可能であり、例えば、冷却期間後の伝送速度の増加、レイヤー3の頓挫だけでなく、伝送速度の低減についてシステムに通知することを含んでもよく、これらの決定のすべて又は何れかをユーザーに通知することを含んでもよいことを理解できよう。
【0047】
前述の文脈においてパケットデータについて説明してきたが、当業者であれば、本願発明を回線交換運用に応用できることを理解できよう。回線交換運用には、同期型と非同期型の2タイプがある。同期動作は、固定のビット速度を本来必要とするため、伝送速度の低減は現時点で想像しにくい。しかし、以下に説明する例示的な実施形態では、送信電力が直接低減されるものであり、すぐにでも同期動作に適用可能である。
【0048】
TIA/EIA-130やGSMベースの非同期のデータサービスに準拠して運用されているシステムなどで散見される非同期動作について本願発明はすぐにでも適用可能である。しかし、基地局の実現方法にも依るが、システムは、信号の存在が予期される際に、受信電力、同期ワード、コードなどが全く無いならば、混同してしまうかもしれない。これらのタイプのシステムにおけるデータプロトコルは、番号を付けされたフレームからなるため、例えば、移動局が、2つのタイムスロットから1つのタイムスロットへと自ら送信リソースを調整するような状態を、上位レイヤープロトコルは常に上手く取り扱うことができよう。しかし、基地局の管理機能は、送信における主要なエラーの発生と、このような自立的な変更とを同視してしまう可能性があり、従って、ことによると呼の接続を切断してしまうかもしれない。そこで、この回線交換における非同期モードにおいては、移動局による明確なシグナリングにより、よい低い伝送速度(より少ないタイムスロットの使用)への後退を通知(可能なら要求)することが有効である。
【0049】
本願発明のさらに他の例示的な実施形態によれば、伝送速度を変えることによる間接的な送信電力の調整ではなく、移動局は、直接的にその送信電力を調整できる。この例示的な実施形態に対応する方法は、図5に描かれている。図中の、ステップ500で、温度Tm が測定される。もし測定された温度がしきい値温度以下であるならば(ステップ502)、移動局は現在の電力レベルで送信し続ける。さもなければ、例えば移動局は過熱しはじめ、移動局は、ステップ506で0.5dBだけ送信電力を下げる。例えば、移動局の送信電力の低減などに起因して、上り回線で受信された信号の品質が低すぎるとシステムが決定すると、移動局に送信電力を増加させるように命じるための送信電力制御コマンドを移動局に送信する。もしこれが起こるならば、移動局はその送信電力を増加させて、前述の実施形態の何れかに従って、伝送速度を減らすことができ、システムに対して伝送速度の低減を要求(または通知)するためのメッセージを送信する。
【0050】
さらに他の代替構成によれば、温度しきい値を越えている時には、移動局は、その動作温度を下げるために、送信電力の低減と伝送速度の低減を実行できる。例えば、トータルの送信電力を減らすべく、より少ないタイムスロットとより低い電力を用いて移動局は送信することができる。図6を参照すると、ビット速度、ビットあたり送信電力及びトータルの送信電力間の例示的な関係が示されている。その中で、合計送信電力を9つのユニットから4つのユニットへと減っていることがわかり、TX Power = 9 の曲線からTX Power = 4 の曲線に移動させるために様々なアプローチを採用できることが示されている。移動局は、ビット速度を減らすか、ビットあたり送信電力を減らすか、またはビット速度とビットあたりの電力についてのいくつかの組み合わせを減らすことができる。
【0051】
本願発明について具体的な実施形態を例示的して説明してきたが、本願発明は、説明に役立てるための実施形態に限定されることを意図してはいない。当業者であれば、発明の思想を逸脱することなく、部分修正や設計変更が可能であることを理解できよう。
【図面の簡単な説明】
本願発明の上記の特徴と有利な効果は、好ましい実施形態についての説明と、本願発明の原理を例示的に示された添付図面とを参照することでより明らかになるであろう。
【図1】 セルラー移動無線電話システムの例示的なブロック図である。
【図2】 本願発明の例示的な実施形態についてのフローチャートである。
【図3】 TIA/EIA 136に準拠した無線通信システムのレイヤー間の例示的なマッピングを示す図である。
【図4】 本願発明の例示的な実施形態についていの他のフローチャートである。
【図5】 本願発明の例示的な実施形態についていのさらに他のフローチャートである。
【図6】 ビットあたりの送信電力、ビット速度及びトータル送信電力間の例示的な関係を示すグラフである
Claims (22)
- 無線通信システムと移動局間で情報を伝送する方法であって、
移動局において温度レベルを測定するステップと、
前記測定された温度レベルをしきい値温度レベルと比較する比較ステップと、
移動局において、前記比較ステップにおける比較結果に基づいて、前記情報を前記無線通信システムへと伝送する際の伝送速度を選択的に低減するステップと、
前記低減された伝送速度に関する指標を前記移動局から前記無線通信システムに送信するステップと、
前記低減された伝送速度に関する指標に応じて前記無線通信システム内のリソースを再配分するステップと、
温度に依存して伝送速度が低減されている旨をユーザーに対して通知する通知ステップと
を備え
前記伝送速度を選択的に低減するステップは、さらに、
M 個の拡散符号ではなく、N (M>N)個の拡散符号を用いて送信するステップを含むことを特徴とする方法。 - 前記移動局の伝送速度を選択的に低減するステップは、さらに、
前記拡散符号をパンクチュアリングするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記通知ステップは、
オーバーヒートを示すアイコンとともに前記低減された伝送速度を表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記通知ステップは、
オーバーヒートを示す音響効果を発生するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記低減された伝送速度に関する前記指標に応じて前記無線通信システム内のリソースを再配分するステップは、さらに、
前記移動局により使用されていた拡散符号を他の移動局に割り当てるステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記低減された伝送速度に関する前記指標を前記移動局から前記無線通信システムに送信するステップは、さらに、
前記低減された伝送速度の要求を送信するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - トランシーバであって、
エアインタフェースを介して情報を送信するための送信機と、
前記トランシーバの温度を測定するための温度測定機器と、
前記測定された温度をしきい値温度と比較し、前記比較の結果に基づいて前記送信機の伝送速度を選択的に低減するプロセッサと、
前記トランシーバのユーザーに対して前記低減された伝送速度を通知する出力デバイスと、
送信電力制御コマンドを受信する受信機と
を含み、
前記プロセッサは、
M 個の拡散符号ではなく、N (M>N)個の拡散符号を用いて送信することで、前記伝送速度を低減し、
前記プロセッサは、さらに、前記測定された温度をしきい値温度と比較し、前記比較の結果に基づき、無線通信システムへの情報を送信する際の前記送信機の送信電力を選択的に低減し、前記低減された送信電力に応じて前記無線通信システムにおいてリソースを再配分し、
前記プロセッサは、さらに、前記トランシーバの送信電力を増大せよとの送信電力制御コマンドを受信すると、前記送信電力を増大するとともに伝送速度の低減を実施する
ことを特徴とするトランシーバ。 - 前記出力デバイスがディスプレイであることを特徴とする請求項7に記載のトランシーバ。
- 前記出力デバイスがスピーカーであることを特徴とする請求項7に記載のトランシーバ。
- 無線通信システムと移動局間で情報を伝送する方法であって、
移動局において温度レベルを測定するステップと、
前記測定された温度レベルをしきい値温度レベルと比較する比較ステップと、
移動局において、前記比較ステップにおける比較結果に基づいて、前記情報を前記無線通信システムへと伝送する際の伝送速度を選択的に低減するステップと、
前記低減された伝送速度に関する指標を前記移動局から前記無線通信システムに送信するステップと、
前記低減された伝送速度に関する指標に応じて前記無線通信システム内のリソースを再配分するステップと、
温度に依存して伝送速度が低減されている旨をユーザーに対して通知する通知ステップと、
上位レイヤーメッセージ内の送信中のポジションを決定するステップと、
前記温度レベルと前記ポジションとに基づいて前記移動局の送信を選択的に遅延させるステップと、
を含み、
前記伝送速度を選択的に低減するステップは、さらに、
M 個の拡散符号ではなく、N (M>N)個の拡散符号を用いて送信するステップを含むことを特徴とする方法。 - 前記上位レイヤーメッセージは、レイヤー3メッセージであって、
前記決定するステップは、前記レイヤー3メッセージの送信を完了したかを識別するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 - 前記移動局の送信を選択的に遅延させるステップは、さらに、
前記測定された温度レベルを第1のしきい値温度レベルと比較するステップと、
前記測定された温度レベルが前記第1のしきい値を超え、かつ、現在のレイヤー3メッセージの送信を完了している場合に、前記送信を選択的に遅延させるステップと、
を含む請求項11に記載の方法。 - 前記移動局の送信を選択的に遅延させるステップは、さらに、
現在のレイヤー3メッセージの送信が完了していない場合には、前記送信を継続するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。 - 前記移動局の送信を選択的に遅延させるステップは、さらに、
現在のレイヤー3メッセージの送信が完了していない場合に、前記測定された温度レベルを第2のしきい値温度レベルと比較するステップと、
前記測定された温度レベルが前記第2のしきい値を超えていなければ、現在のレイヤー3メッセージの送信を継続するステップと、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。 - 前記送信の遅延を示す指標を送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記移動局のユーザーに対して、温度が原因で送信が遅延すること通知するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記選択的に送信を遅延させるステップは、
前記送信に使用されている拡散符号をパンクチュアリングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 - 前記トランシーバのユーザーに送信電力の低減を通知するための出力デバイスを含むことを特徴とする請求項7に記載のトランシーバ。
- 前記低減された伝送速度を最大伝送速度に対するパーセンテージで表示することを特徴とする請求項8に記載のトランシーバ。
- 前記低減された伝送速度を最大伝送速度からの低減パーセンテージで表示することを特徴とする請求項8に記載のトランシーバ。
- 前記低減された送信電力を最大送信電力に対するパーセンテージで表示することを特徴とする請求項18に記載のトランシーバ。
- 前記低減された送信電力を最大送信電力からの低減パーセンテージで表示することを特徴とする請求項18に記載のトランシーバ。
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