以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器の構成を示している。この電子機器10は、例えば、携帯機器(例えば、携帯電話機、PDA、オーディオプレーヤ等)、パーソナルコンピュータ、またはコンシューマ機器(例えば、TV、ビデオレコーダ等)として実現される。この電子機器10は、システム制御部11、メモリ12、ストレージデバイス13、入力部14、液晶表示装置(LCD)15、サウンドコントローラ16、スピーカ17、インジケータ18、電源制御部19、および近接無線通信デバイス20を備える。
システム制御部11は、電子機器10内の各部の動作を制御する。システム制御部11は、メモリ12、ストレージデバイス13、入力部14、LCD15、サウンドコントローラ16、インジケータ18、電源制御部19、および近接無線通信デバイス20に接続されている。システム制御部11は、CPU101aを備えている。
CPU101aは、ストレージデバイス13からメモリ12にロードされる、オペレーティングシステムおよび各種アプリケーションプログラム/ユーティリティプログラムを実行するプロセッサである。アプリケーションプログラム/ユーティリティプログラムの中には、近接無線通信デバイス20の通信動作を制御する通信制御プログラム12a等が含まれている。通信制御プログラム12aは、近接無線通信デバイス20によって実行される近接無線通信の状態(データ伝送の開始、データ伝送の終了、伝送レート、等)を音又は光によってユーザに提示する通信状態提示機能を有している。
ストレージデバイス13は、例えば、ハードディテスクドライブや不揮発性半導体メモリから構成されている。入力部14は、CPU101aに与えるべきデータ及び指示を入力するための入力デバイスである。この入力部14は、例えば、キーボード、複数のボタンスイッチ、またはポインティングデバイス等によって実現される。
LCD15は、電子機器10のディスプレイモニタとして使用される表示装置である。サウンドコントローラ16はCPU101aから送信されるオーディオデータに対応する音を出力するための音源回路である。サウンドコントローラ16はCPU101aから送信されるオーディオデータをデジタルオーディオ信号からアナログオーディオ信号に変換し、そのアナログオーディオ信号をスピーカ17に出力する。スピーカ17はアナログオーディオ信号に対応する音を出力する。
インジケータ18は近接無線通信デバイス20によって実行される近接無線通信の状態を提示する。このインジケータ18は、LEDのような発光部を備えている。
電源制御部19は、ACアダプタ30を介して外部から供給される電力、または電子機器10内に設けられたバッテリ19bから供給される電力を用いて、電子機器10内の各部に電力を供給する。換言すれば、電子機器10は、AC商用電源のような外部電源、またはバッテリ19bによって駆動される。ACアダプタ30は、電子機器10内に設けることも出来る。電源制御部19は、ユーザによる電源スイッチ(P−SW)19aの操作に応じて、電子機器10をパワーオンまたはパワーオフする。
近接無線通信デバイス20は、近接無線通信を実行する通信モジュールである。近接無線通信デバイス20は、近接無線通信デバイス20から所定の距離内に存在する、近接無線通信機能を有する別のデバイス(外部デバイス)との無線接続を確立し、そしてファイルのようなデータの伝送を開始する。近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の近接無線通信は、ピアツーピア形式で実行される。通信可能距離は例えば3cmである。近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続は、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の距離が通信可能距離(例えば3cm)以内に接近した場合にのみ可能となる。近接無線通信デバイス20と外部デバイスとが通信可能距離以内に接近した時、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続が確立される。そして、ユーザによって明示的に指定されたデータファイル、または予め決められた同期対象データファイル等のデータの伝送が近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間で実行される。
近接無線通信においては、誘導電界が用いられる。近接無線通信方式としては、例えばTransfer JETを使用し得る。Transfer JETは、UWBを利用した近接無線通信方式であり、高速データ転送を実現することができる。
近接無線通信デバイス20はPHY/MAC部20aとアンテナ20bとを備える。PHY/MAC部20aは、CPU101aにより実行された通信制御プログラム12aの制御を受けて、動作する。PHY/MAC部20aは、アンテナ20bを介して、外部デバイスとの通信を行う。アンテナ20bはカプラと称される電極であり、誘導電界を用いた無線信号により、外部デバイスに対するデータの送受信を行う。外部デバイスがアンテナ20bから通信可能距離(例えば3cm)以内の範囲内に接近した場合、近接無線通信デバイス20および外部デバイスそれぞれのアンテナ(カプラ)間が誘導電界によって結合され、これによって近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線通信が実行可能となる。なお、近接無線通信デバイス20およびアンテナ20bは、一つのモジュールとして実現し得る。
次に、図2を参照して、通信制御プログラム12aの構成について説明する。
通信制御プログラム12aは、制御部111、伝送レート測定部112、ID検出部113、最大伝送レート保存部114、伝送レート比較部115、および通信状態提示部116を備えている。
制御部111は近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の通信シーケンスを制御する。近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線通信(近接無線通信)は、(1)接続フェーズ、(2)ネゴシエーションフェーズ、(3)データ伝送フェーズという手順で実行される。
接続フェーズでは、接続要求信号およびこの接続要求信号に対する応答信号が近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間で送受信される。すなわち、近接無線通信では、2つのデバイスの一方は接続要求信号を送信する。他方のデバイスは接続要求信号を検出する処理を所定時間間隔毎に実行する。他方のデバイスが一方のデバイスからの接続要求信号を検出することにより、2つのデバイス間の無線接続を確立することが出来る。
ネゴシエーションフェーズでは、例えば伝送対象のコンテンツデータ(文書データファイル、画像データファイル、オーディオデータファイル等)に関する情報(伝送対象のファイルのデータサイズ、伝送対象のデータファイルの個数、伝送対象のファイルの種類)がデバイス間で交換される。
データ伝送フェーズでは、伝送対象のデータ(コンテンツデータ)が送信元デバイスから転送先デバイスに伝送される。
伝送レート測定部112は、通信対象の外部デバイスと近接無線通信デバイス20との間の近接無線通信によって伝送されるデータの伝送レートを測定する。具体的には、データ伝送フェーズの期間中におけるデータの伝送レートが測定対象となる。この場合、伝送レート測定部112は、データ伝送フェーズの期間中、近接無線通信デバイス20のPHY/MAC部20aと協同して、単位時間毎にデータの伝送量(送信データ量または受信データ量)を測定する。データ伝送フェーズの期間の開始および終了は、制御部111から伝送レート測定部112に通知される。伝送レート測定部112は、データ伝送フェーズの期間中におけるデータの伝送レートを測定し、そして、例えば、所定時間に一回の割合で、現在の伝送レートの値(Mbps)を最大伝送レート保存部114および伝送レート比較部115の各々に送出する。
ID検出部113は、通信対象の外部デバイスの識別子(ID)を検出する。識別子(ID)は、外部デバイスを識別するためのデバイス識別情報である。近接無線通信機能を有するデバイスそれぞれにはユニークなデバイスIDが割り当てられている。外部デバイスからの接続要求信号または外部デバイスからの応答信号は当該外部デバイスのデバイスIDを含み得る。この場合、ID検出部113は、接続フェーズの期間中に受信される接続要求信号または応答信号から、通信対象の外部デバイスのデバイスIDを取得することにより、通信対象の外部デバイスのデバイスIDを検出することができる。ID検出部113によって検出されたデバイスIDは、最大伝送レート保存部114および伝送レート比較部115の各々に送出される。
最大伝送レート保存部114は、通信対象の外部デバイスと近接無線通信デバイス20との間の近接無線通信によって伝送されるデータの伝送レートの最大値を示す最大伝送レートを、通信対象の外部デバイスの識別子(デバイスID)と関連付けてストレージバイス13内のデータベース201に保存する。
具体的には、最大伝送レート保存部114は、伝送レート測定部112によって測定される伝送レートの最大値を示す最大伝送レートをID検出部113によって検出されるデバイスIDと関連づけてデータベース201に保存する。
伝送レート比較部115は、近接無線通信が新たに実行される場合、近接無線通信の新たな通信相手となる外部デバイスのデバイスIDに関連づけられた最大伝送レートをデータベース201から取得する。取得される最大伝送レートは、新たな通信相手となる外部デバイスと近接無線通信デバイス20との間の過去の近接無線通信によって得られた最大伝送レートを示す。この最大伝送レートは、新たに実行される近接無線通信によって伝送されるデータの現在の伝送レートを評価するための基準値として使用される。伝送レート比較部115は、取得される最大伝送レートと、新たに実行される近接無線通信によって伝送されるデータの現在の伝送レートとを比較することによって、新たに実行される近接無線通信によって伝送されるデータの現在の伝送レートを、取得される最大伝送レートを基準に評価する。具体的には、伝送レート比較部115は、最大伝送レートと現在の伝送レートとの差を算出する処理、または最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合を算出する処理を実行して、最大伝送レートに対する現在の伝送レートの相対値、つまり現在の伝送レートの評価レベルを求める。
通信状態提示部116は、近接無線通信デバイス20によって実行中の近接無線通信の状態をユーザに通知するための処理を実行する。この通信状態提示部116は、電子機器10と外部デバイスとの間の位置関係を整合させるためのユーザ操作を支援するために、伝送レート提示部116aを備えている。この伝送レート提示部116aは、伝送レート比較部115と協同して、デバイス間の位置関係の整合性の度合いをユーザに提示する処理を実行する。すなわち、伝送レート提示部116aは、伝送レート比較部115によって算出された、外部デバイスと電子機器10との間の過去の通信で測定された最大伝送レートと外部デバイスと電子機器10との間で伝送されるデータの現在の伝送レートとの間の差、または最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合に基づいて、当該現在の伝送レートの評価レベルをインジケータ18を用いて提示する。これにより、過去の通信で測定された最大伝送レートを基準に、現在の伝送レートをユーザに提示することができる。
上述したように、通信中におけるデータの伝送レートは、デバイス間の位置関係のみならず、外部デバイスの能力にも依存する。
したがって、もし単純に現在の伝送レートの値そのもの提示するという方法を用いたならば、ユーザは、外部デバイスと電子機器10との間の現在の位置関係が、その外部デバイスにとって、適正であるかどうかを把握することが困難である。なぜなら、外部デバイスの能力が比較的低い場合には、たとえ外部デバイスと電子機器10との間の現在の位置関係が適正であっても比較的低い伝送レートが提示される可能性があるからである。この場合、ユーザは、外部デバイスと電子機器10との間の現在の位置関係が適正であるにもかかわらず、外部デバイスの位置を調整しようとする可能性がある。また、外部デバイスの能力が比較的高い場合には、たとえ外部デバイスと電子機器10と間の現在の位置関係にずれが生じていても、ある程度の伝送レートが提示されてしまう。この場合、外部デバイスと電子機器10と間の現在の位置関係を調整すればより高い伝送レートが得られる可能性があるにもかかわらず、ユーザはそのことに気づかない可能性がある。
本実施形態では、外部デバイスと電子機器10との間で伝送されるデータの現在の伝送レートを外部デバイスと電子機器10との間の過去の通信で測定された最大伝送レートを基準として評価することによって得られる現在の伝送レートの評価レベルが提示される。したがって、通信対象の外部デバイスの能力を考慮して、外部デバイスと電子機器10との間の位置関係の整合性の度合いをユーザに提示することができる。ユーザは、インジケータ18を見ながら、外部デバイスと電子機器10との間の位置関係をその外部デバイスにとって適正な位置関係に容易に調整することができる。
また、上述の最大伝送レート保存部114は、最大伝送レートを更新する機能も有している。すなわち、もし、新たな通信相手となる外部デバイスと電子機器10との間の現佐の近接無線通信期間中の最大伝送レートが、その外部デバイスのデバイスIDに関連付けてデータベース201に格納されている最大伝送レートを上回ったならば、最大伝送レート保存部114は、その外部デバイスのデバイスIDに関連付けてデータベース201に格納されている最大伝送レートを更新する。この場合、外部デバイスのデバイスIDに関連付けてデータベース201に格納されている最大伝送レートは、現在の近接無線通信期間中の最大伝送レートに更新される。
この更新処理により、データベース201に格納される最大伝送レートの値を最適値に維持することができる。
なお、図2では、通信状態提示部116と伝送レート比較部115は異なるモジュールとして示されているが、通信状態提示部116と伝送レート比較部115を一つのモジュールとして実現しても良い。
次に、図3を参照して、電子機器10がポータブルパーソナルコンピュータとして実現されている場合を想定して、電子機器10の外観の例を説明する。
図3は、電子機器10の外観を示す斜視図である。
電子機器10は、本体41と、ディスプレイユニット42とを備えている。ディスプレイユニット42は、本体41に対し、本体41の上面が露出される開放位置と本体41の上面がディスプレイユニット42によって覆われる閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。ディスプレイユニット42内には、上述のLCD15が設けられている。
本体41は薄い箱状の筐体を有している。本体41の筐体の上面には、キーボード14a、タッチパッド14b、スピーカ17a,17b、インジケータ18、電源スイッチ19a等が配置されている。
本体41の上面、具体的には、本体41の上面上のパームレスト領域の一部は、通信面として機能する。すなわち、近接無線通信デバイス20およびアンテナ(カプラ)20bは、本体41の上面に対向して本体41内に設けられている。アンテナ(カプラ)20bは、本体41の上面(具体的には、本体41の上面上のパームレスト領域の一部)を介して、無線信号(誘導電界)を外部に出力するように配置されている。アンテナ(カプラ)20bに対向する本体41の上面上の小領域、つまり本体41の上面上においてアンテナ(カプラ)20bの上方に位置する小領域は、通信位置として使用される。近接無線通信デバイス20は、本体41の上面上の通信位置から所定の無線通信可能距離(例えば3cm)内に存在する外部デバイスとの近接無線通信を本体41の上面を介して実行する。
ユーザは、例えば、近接無線通信機能を有する外部デバイスを本体41の上面上の通信位置上にかざすという操作(タッチ操作とも云う)を行うことにより、外部デバイスと電子機器10との間のデータ転送を開始させることができる。
図4は、携帯電話50と電子機器10との間で実行される近接無線通信の様子が示されている。携帯電話50の筐体内には、その筐体の背面に対向して近接無線通信用のアンテナ(カプラ)が設けられている。この場合、携帯電話50の筐体の背面を電子機器20の本体41の上面上の通信位置上にかざすことにより、携帯電話50と電子機器10との間のデータ転送を開始させることができる。
図5は、電子機器20と外部デバイスとの間の位置関係のずれと無線環境の変化との関係を示している。図5の中央部は、電子機器20の本体41の上面上の通信位置を示している。携帯電話50と電子機器10との間の無線環境(通信感度)は、携帯電話50の背面のカプラが本体41の上面上の通信位置上に位置する場合に最も良好となり、携帯電話50の背面のカプラが本体41の上面上の通信位置から離れるにしたがって、つまり、携帯電話50の背面のカプラと本体41内のカプラとの距離が長くなるにしたがって、無線環境(通信感度)は低下する。無線環境(通信感度)が低下した状態においては、データの再送等の処理が増加する可能性がある。したがって、データの伝送レートは、無線環境(通信感度)に応じて変化する。無線環境(通信感度)が良好なほど、データの伝送レートは高くなる。
次に、図6を参照して、電子機器10と外部デバイスとの間で実行される通信シーケンスを説明する。
ここでは、デバイス1とデバイス2との間で近接無線通信を実行する場合を想定する。デバイス1,2の内、通信を開始したい側のデバイス、例えばデバイス1は、接続要求信号(Connect)を送信する。この接続要求信号には、デバイス1のデバイスID(例えば、デバイス1内に設けられた近接無線通信デバイスのデバイスID)を含めることができる。デバイス2は接続要求信号を検出する処理を定期的に実行する。デバイス1とデバイス2とが近接している場合、デバイス2は、デバイス1から送信される接続要求信号を検出することができる。接続要求信号を検出した時、デバイス2は、接続要求信号に対する応答信号(Ack)をデバイス1に送信する。応答信号(Ack)には、デバイス2のデバイスID(例えば、デバイス2内に設けられた近接無線通信デバイスのデバイスID)を含めることができる。デバイス1はデバイス2から送信される応答信号(Ack)を検出することができる。このように、デバイス1とデバイス2との間で接続要求信号/応答信号を送受信することにより、デバイス1とデバイス2との間の無線接続が確立される。
次いで、デバイス1とデバイス2との間でネゴシエーション処理が実行される。このネゴシエーション処理では、伝送対象のコンテンツに関する情報がデバイス1とデバイス2との間で交換される。この後、デバイス1とデバイス2との間でデータの伝送が開始される。
電子機器10は、上述のデバイス1またはデバイス2のどちらとしても機能し得る。
次に、図7を参照して、インジケータ18を用いて実行される現在の伝送レートの提示例について説明する。
通信状態提示部116は、データベース201に格納されている過去の最大伝送レートを基準として、現在の伝送レートを評価する。過去の最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合に基づいて現在の伝送レートを評価する場合、過去の最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合が高くなるほど、現在の伝送レートの評価レベルは高くなる。
通信状態提示部116は、現在の伝送レートの評価レベルに応じて、例えば、過去の最大伝送レートに対応する現在の伝送レートの割合に応じて、インジケータ18内のLEDの点滅速度を変化させる。評価レベル(例えば、過去の最大伝送レートに対応する現在の伝送レートの割合)が高いほど、通信状態提示部116は、LEDの点滅速度を速くする。
なお、LEDの点滅速度ではなく、LEDの発光色を、現在の伝送レートの評価レベルに応じて変更してもよい。この場合、通信状態提示部116は、現在の伝送レートの評価レベルに応じて、例えば、過去の最大伝送レートに対応する現在の伝送レートの割合に応じて、インジケータ18の発光色を変化させる。例えば、評価レベルが高い場合にはインジケータ18は緑色で発光され、評価レベルが普通の場合にはインジケータ18は黄色で発光され、評価レベルが低い場合にはインジケータ18は赤色で発光される。
たとえば、現在の伝送レートの評価レベルは、次のように表すことができる。
(1)評価レベル1(十分に良好): 過去の最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合≧基準割合1
(2)評価レベル2(普通): 基準割合1>過去の最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合>基準割合2
(3)評価レベル3(低い): 基準割合2>過去の最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合
ここで、基準割合1は基準割合2よりも高い。基準割合1としては、例えば、90%以上の値、例えば100%を使用し得る。このように、評価レベルを3段階で表現して場合には、LEDの点滅速度(または発光色)は、3段階で変更すればよい。
なお、過去の最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合(%)そのものを、現在の伝送レートの評価レベルとして使用しても良い。
次に、図8を参照して、通信状態提示部116によって実行される通信状態提示動作の例を説明する。
本電子機器10の近接無線通信デバイス20が外部デバイスに無線接続されていない場合、インジケータ18のLEDは消灯されている。ユーザが本電子機器10または外部デバイスの一方の他方に近接させるというタッチ操作を行うと、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続が確立され、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間のデータ伝送が自動的に開始される。近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間のデータ伝送が開始された時点で、通信状態提示部116は、伝送開始を示す音(伝送開始メロディ)をスピーカ17から出力する。ファイルのようなデータの伝送が実行されている期間中、通信状態提示部116は、インジケータ18のLEDを、現在の伝送レートに応じた速度で点滅する。この場合、LEDの点滅速度は、現在の伝送レートそのものではなく、過去の最大伝送レートを基準に現在の伝送レートを評価することによって得られる現在の伝送レートの評価レベルに基づいて制御される。もし近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の位置関係が整合していなければ、現在の伝送レートは過去の最大伝送レートよりも低くなる可能性が高い。この場合、LEDの点滅速度は遅くなる。データ伝送が実行されている期間中、ユーザは、LEDの点滅速度を参考にしながら、外部デバイスの位置を微調整することができる。
近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の位置関係の整合の度合いが高くなると、LEDの点滅速度は速くなる。一方、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の位置関係の整合の度合いが低くなると、LEDの点滅速度は遅くなる。
なお、LEDの点滅速度を変更する処理の代わりに、インジケータ18の発光色を変更する処理を実行してもよい。
ファイルのような伝送転送対象データの伝送が完了した時点で、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続は切断される。この時、通信状態提示部116は、外部デバイスを電子機器10から遠ざけてもよいことをユーザに知らせるために、伝送完了を示す音(伝送終了メロディ)をスピーカ17から出力すると共に、インジケータ18のLEDを特定の色で所定期間だけ点灯した後に、LEDを消灯する。
次に、図9を参照して、通信状態提示部116によって実行される通信状態提示動作の他の例を説明する。
図9においては、外部デバイスが近接無線通信デバイス20に無線接続されている期間中に、ユーザ又はアプリケーションプログラムによってデータ伝送の実行が指示される度にデータ伝送を開始する場合が想定されている。データ伝送が完了しても、外部デバイスが近接無線通信デバイス20から遠ざけられない限り、外部デバイスと近接無線通信デバイス20との間の無線接続は維持される。
通信状態提示部116は、制御部111との通信によって、近接無線通信デバイス20の現在のステートが、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続が確立され且つデータの伝送が行われていない第1ステート、または近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続が確立され且つデータの伝送が行われている第2ステートのいずれであるかを判定する。そして、この判定結果に基づき、通信状態提示部116は、インジケータ18のLEDの発光状態を、第1ステートと第2ステートとの間で変更する。さらに、近接無線通信デバイス20が第2ステートである期間中は、通信状態提示部116は、現在の伝送レートの評価レベルに基づいてLEDの点滅速度またはLEDの発光色を変化させる。
以下、具体的な動作について説明する。
本電子機器10の近接無線通信デバイス20が外部デバイスに無線接続されていない場合、インジケータ18のLEDは消灯されている。ユーザが本電子機器10または外部デバイスの一方の他方に近接させるというタッチ操作を行うと、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続が確立される。電子機器10は外部デバイス内の記憶装置を電子機器10のオペレーティングシステムによって管理されているファイルシステムにマウントする。近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続が確立されたことに応答して、通信状態提示部116は、外部デバイスが電子機器10の近接無線通信デバイス20に接続されたことをユーザに知らせるために、所定の音をスピーカ17から出力すると共に、インジケータ18のLEDを例えば赤色で点灯する。
ユーザ又はアプリケーションプログラムによって電子機器10と外部デバイスとの間のファイルのようなデータの伝送の実行が指示された時、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間のデータ伝送が開始される。データ伝送の開始に応答して、通信状態提示部116は、インジケータ18のLEDの色を例えば緑色に変化させる。ファイルのようなデータの伝送が実行されている期間中、通信状態提示部116は、インジケータ18のLEDを、現在の伝送レートに応じた速度で点滅する。この場合、LEDの点滅速度は、現在の伝送レートの評価レベルに基づいて制御される。
ファイルのような伝送転送対象データの伝送が完了した時点で、通信状態提示部116は、インジケータ18のLEDを例えば赤色で点灯する。
ユーザによって外部デバイスが近接無線通信デバイス20から所定距離(3cm)よりも離されると、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの無線接続は切断される。無線接続の切断に応答して、通信状態提示部116は、インジケータ18のLEDを消灯する。
次に、図10のフローチャートを参照して、電子機器10によって実行される通信処理の手順の例を説明するフローチャート。
ここでは、図8で説明したように、無線接続が確立された時点でデータ伝送が開始される場合を想定する。
近接無線通信方式の接続モードには、InitiatorモードとResponderモードがある。Initiatorモードに設定されたデバイス、つまりInitiatorは、マスタデバイスとして機能して、別のデバイスに対して接続要求を送信する。Responderモードに設定されたデバイス、つまりResponderは、スレーブデバイスとして機能して、Initiatorから送信される接続要求を検出する。InitiatorとResponderとが近接されることによって、それらInitiatorとResponderとの間の接続が確立される。通信制御プログラム102aは、近接無線通信デバイス20を制御し、近接無線通信デバイス20の接続モードを、InitiatorモードまたはResponderモードに設定する。
近接無線通信デバイス20がInitiatorモードに設定された場合、近接無線通信デバイス20は、接続要求信号を外部デバイスに送信する(ステップS11)。接続要求信号には、近接無線通信デバイス20のデバイスIDが含まれている。そして、近接無線通信デバイス20は、外部デバイスからの応答信号を待つ。外部デバイスからの応答信号を受信すると(ステップS12)、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続が確立される。
一方、近接無線通信デバイス20がResponderモードに設定された場合、近接無線通信デバイス20は、外部デバイスからの接続要求信号を検出する処理を定期的に実行する(ステップS11)。接続要求信号には、外部デバイスのデバイスIDが含まれている。そして、近接無線通信デバイス20は、外部デバイスからの接続要求信号を受信すると、近接無線通信デバイス20のデバイスIDが付加された応答信号を外部デバイスに送信する(ステップS12)。
通信制御プログラム102aは、受信された接続要求信号または応答信号から外部デバイスのデバイスIDを取得することにより、通信相手となる外部デバイスのデバイスIDを検出する(ステップS13)。次いで、通信制御プログラム102aは、通信相手となる外部デバイスとのネゴシエーション処理を実行し、伝送すべきデータを決定する。
通信制御プログラム102aは、通信相手となる外部デバイスのデバイスIDをキーとして使用することによってデータベース201を検索して、通信相手となる外部デバイスに対応する最大伝送レートがデータベース201に格納されているか否かを判定する(ステップS14)。
通信相手となる外部デバイスに対応する最大伝送レートがデータベース201に格納されているならば(ステップS14のYES)、通信制御プログラム102aは、通信相手となる外部デバイスに対応する最大伝送レートをデータベース201から取得する(ステップS15)。この後、通信制御プログラム102aの制御の下、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間のデータの伝送が開始される。データの伝送が開始される時点で、通信制御プログラム102aは、伝送開始を示す音(伝送開始メロディ)をスピーカ17から出力すると共に(ステップS18)、インジケータ18のLEDをオンする(ステップS19)。
データの伝送が実行されている期間中、通信制御プログラム102aは、所定時間毎に現在の伝送レートを測定する(ステップS19)。そして、通信制御プログラム102aは、最大伝送レートと測定された現在の伝送レートとの比較によって、最大伝送レートを基準に、現在の伝送レートを評価する(ステップS21)。このステップS21では、通信制御プログラム102aは、例えば、最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合を、現在の伝送レートの評価レベルとして算出する。そして、通信制御プログラム102aは、現在の伝送レートの評価レベル(例えば、最大伝送レートに対する現在の伝送レートの割合)に応じて、インジケータ18のLEDの点滅速度またはインジケータ18のLEDの発光色を変更する(ステップS22)。
データの伝送が終了した時(ステップS23のYES)、通信制御プログラム102aは、近接無線通信デバイス20と外部デバイスとの間の無線接続を切断する。そして、これと同時に、通信制御プログラム102aは、伝送完了を示す音(伝送終了メロディ)をスピーカ17から出力する処理と、インジケータ18のLEDを特定の色で点灯する処理とを実行する(ステップS24,S25)。データの伝送の終了から所定時間経過した時点で、通信制御プログラム102aは、インジケータ18のLEDを消灯する(ステップS26)。この後、通信制御プログラム102aは、データベース201に格納されている外部デバイスに対応した最大伝送レートを更新する最大伝送レート更新処理を実行する(ステップS27)。この最大伝送レート更新処理の手順については図11を参照して後述する。
通信相手となる外部デバイスに対応する最大伝送レートがデータベース201に格納されていなかったならば(ステップS14のNO)、通信制御プログラム102aは、例えば、予め決められた基準レートを、通信相手となる外部デバイスに対応する最大伝送レートとして使用する(ステップS16)。この場合、ステップS21においては、通信制御プログラム102aは、例えば、予め決められた基準レートを基準として現在の伝送レートを評価することによって、現在の伝送レートの評価レベルを決定する。例えば、予め決められた基準レートに対する現在の伝送レートの割合が算出され、この算出された割合が、現在の伝送レートの評価レベルとして決定される。
なお、予め決められた基準レートを通信相手となる外部デバイスに対応する最大伝送レートとして使用するのではなく、通信相手となる外部デバイスと近接無線通信デバイス20との間の近接無線通信の最初の所定期間に伝送されるデータの伝送レートを、通信相手となる外部デバイスに対応する最大伝送レートとして使用してもよい。この場合、通信制御プログラム102aは、ステップS20において、まず、外部デバイスと近接無線通信デバイス20との間のデータ伝送が開始されてから最初の所定期間内のデータの伝送レートを測定する。そして、通信制御プログラム102aは、後続するデータの伝送レートの測定を継続する。ステップS21においては、通信制御プログラム102aは、最初の所定期間内の伝送レートを基準として、現在のデータの伝送レートを評価することによって、現在の伝送レートの評価レベルを決定する。例えば、最初の所定期間内の伝送レートに対する現在の伝送レートの割合が算出され、この算出された割合が、現在の伝送レートの評価レベルとして決定される。
このように、最初の所定期間内の伝送レートを基準として評価することによって得られる現在の伝送レートの評価レベルを提示することにより、伝送レートが開始された時点の伝送レートに対する現在の伝送レートの相対的な値をユーザに知らせることが出来る。こけにより、ユーザは、インジケータ18を見ながら、データの伝送が開始された時よりも、外部デバイスと近接無線通信デバイス20との間の位置関係がより整合するように、外部デバイスの位置を微調整することが出来る。
次に、図11のフローチャートを参照して、最大伝送レート更新処理の手順を説明する。
通信制御プログラム102aは、外部デバイスのデバイスIDに関連付けられた最大伝送レートがデータベース201に格納されているか否かを判定する(ステップS31)。外部デバイスが過去に電子機器10との無線通信を行ったことがないデバイスであるならば、この外部デバイスのデバイスIDに関連付けられた最大伝送レートはデータベース201に格納されていない。この場合、通信制御プログラム102aは、この外部デバイスと近接無線通信デバイス20との間の近接無線通信期間中に測定された伝送レートの最大値を、この外部デバイスのデバイスIDに関連付けてデータベース201に格納する(ステップS32)。
一方、外部デバイスのデバイスIDに関連付けられた最大伝送レートがデータベース201に格納されているならば(ステップS31のYES)、通信制御プログラム102aは、この外部デバイスと近接無線通信デバイス20との間の近接無線通信期間中に測定された伝送レートの最大値が、外部デバイスのデバイスIDに関連付けられた最大伝送レートを上回った否かを判定する(ステップS33)。測定された伝送レートの最大値がデバイスIDに関連付けられた最大伝送レートを上回ったならば、通信制御プログラム102aは、データベース201に格納されている外部デバイスのデバイスIDに関連付けられた最大伝送レートを、測定された伝送レートの最大値に更新する(ステップS34)。
以上のように、本実施形態によれば、通信相手の外部デバイスと電子機器10内の近接無線通信デバイス20との間の位置関係の整合性の度合いをユーザに提示することができる。特に、通信相手の外部デバイスとの過去の近接無線通信における最大伝送レートを基準に、現在の伝送レートを評価することによって得られる現在の伝送レートの評価レベルをユーザに提示することにより、通信相手となるデバイスの能力を考慮した状態で、位置関係の整合性の度合いをユーザに通知することができる。よって、ユーザは、インジケータ18の表示状態を見ながら、最大伝送レートが得られる最適位置に外部デバイスまたは電子機器10を容易に移動させることができる。
さらに、本実施形態では、データベース201内の最大伝送レートの値を更新することができるので、常に最適な最大伝送レートを基準に、現在の伝送レートの度合いをユーザに提示することができる。
なお、本実施形態では、電子機器10がステーションとして機能するパーソナルコンピュータから実現されている場合を例示して説明したが、電子機器10は、携帯電話、PDといった携帯型装置としても実現し得る。
また、本実施形態では、LED等の発光部を含むインジケータ20を使用して通信状態を提示する場合を説明したが、LCD15の表示画面を、通信状態を提示するためのインジケータ20として使用してもよい。この場合、LCD15の表示画面上に現在の伝送レートが表示される。
また、本実施形態においてソフトウェアモジュールとして記載した図2の各部はハードウェアモジュールとして実現することも可能である。
また本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下に、本願原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]近接無線通信を実行する通信モジュールと、
外部デバイスと前記通信モジュールとの間の近接無線通信によって伝送されるデータの伝送レートの最大値を示す最大伝送レートを、前記外部デバイスの識別子と関連付けて記憶装置に保存する最大伝送レート保存手段と、
近接無線通信が新たに実行される場合、前記近接無線通信の新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連づけられた最大伝送レートを前記記憶装置から取得し、前記新たに実行される近接無線通信によって伝送されるデータの現在の伝送レートを前記取得される最大伝送レートを基準に評価することによって得られる前記現在の伝送レートの評価レベルを提示する通信状態提示手段とを具備することを特徴とする電子機器。
[2]前記最大伝送レート保存手段は、前記新たに実行される近接無線通信の期間中の最大伝送レートが前記新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連付けて前記記憶装置に格納されている最大伝送レートを上回った場合、前記新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連付けて前記記憶装置に格納されている最大伝送レートを、前記新たに実行される近接無線通信の期間中の最大伝送レートに更新することを特徴とする[1]記載の電子機器。
[3]前記新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連づけられた最大伝送レートが前記記憶装置に格納されていない場合、前記通信状態提示手段は、前記新たに実行される近接無線通信の最初の所定期間中に伝送されるデータの伝送レートを測定し、この測定された伝送レートを、前記新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連づけられた最大伝送レートとして使用することを特徴とする[1]記載の電子機器。
[4]発光部をさらに具備し、
前記通信状態提示手段は、前記現在の伝送レートの評価レベルに基づいて、前記発光部の点滅速度または前記発光部の発光色を変化させることを特徴とする[1]記載の電子機器。
[5]前記通信状態提示手段は、前記発光部の発光状態を、前記通信モジュールと外部デバイスとの間の無線接続が確立され且つデータの伝送が行われていない第1ステートと前記通信モジュールと外部デバイスとの間の無線接続が確立され且つデータの伝送が行われている第2ステートとの間で変更すると共に、前記第2ステートの期間中は、前記現在の伝送レートの評価レベルに基づいて、前記発光部の点滅速度または前記発光部の発光色を変化させることを特徴とする[4]記載の電子機器。
[6]第1の面を有する筐体と、
前記第1の面上の通信位置に対向して前記筐体内に設けられ、前記第1の面上の通信位置から所定の無線通信可能距離内に存在する外部デバイスとの近接無線通信を実行する通信モジュールと、
前記外部デバイスと前記通信モジュールとの間の近接無線通信によって伝送されるデータの伝送レートを測定する伝送レート測定手段と、
前記伝送レート測定手段によって測定される伝送レートの最大値を示す最大伝送レートを、前記外部デバイスの識別子と関連付けて記憶装置に保存する最大伝送レート保存手段と、
近接無線通信が新たに実行される場合、前記近接無線通信の新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連づけられた最大伝送レートを前記記憶装置から取得し、前記伝送レート測定手段によって測定される前記新たに実行される近接無線通信によって伝送されるデータの現在の伝送レートを前記取得される最大伝送レートを基準に評価することによって得られる前記現在の伝送レートの評価レベルを提示する通信状態提示手段とを具備することを特徴とする電子機器。
[7]電子機器に設けられた通信モジュールと外部デバイスとの間で実行される近接無線通信の通信状態を提示するための通信状態提示方法であって、
前記外部デバイスと前記通信モジュールとの間の近接無線通信によって伝送されるデータの伝送レートの最大値を示す最大伝送レートを、前記外部デバイスの識別子と関連付けて記憶装置に保存する最大伝送レート保存ステップと、
近接無線通信が新たに実行される場合、前記近接無線通信の新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連づけられた最大伝送レートを前記記憶装置から取得し、前記新たに実行される近接無線通信によって伝送されるデータの現在の伝送レートを前記取得される最大伝送レートを基準に評価することによって得られる前記現在の伝送レートの評価レベルを提示する通信状態提示ステップとを具備することを特徴とする通信状態提示方法。
[8]前記新たに実行される近接無線通信の期間中の最大伝送レートが前記新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連付けて前記記憶装置に格納されている最大伝送レートを上回った場合、前記新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連付けて前記記憶装置に格納されている最大伝送レートを、前記新たに実行される近接無線通信の期間中の最大伝送レートに更新するステップをさらに具備することを特徴とする[7]記載の通信状態提示方法。
[9]前記通信状態提示ステップは、前記新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連づけられた最大伝送レートが前記記憶装置に格納されていない場合、前記新たに実行される近接無線通信の最初の所定期間中に伝送されるデータの伝送レートを測定し、この測定された伝送レートを、前記新たな通信相手となる外部デバイスの識別子に関連づけられた最大伝送レートとして使用することを特徴とする[7]記載の通信状態提示方法。
[10]前記通信状態提示ステップは、前記現在の伝送レートの評価レベルを提示するために、前記現在の伝送レートの評価レベルに基づいて、前記電子機器に設けられた発光部の点滅速度または前記発光部の発光色を変化させることを特徴とする[7]記載の通信状態提示方法。