JP4708689B2 - 遊技媒体貸出システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣の受け入れにより、遊技機に対して遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出システムに関し、特に、任意に区分されたグループ単位毎の玉貸出処理機に備えたBVユニット部に対する解錠を一斉におこなうことができる遊技媒体貸出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機を設置した遊技店で遊技をおこなう場合には、カード発行機などから、一旦プリペイドカードなどの磁気カード(記録媒体)を購入し、このプリペイドカードに関連付けられた有価価値に応じてパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を借り受ける遊技媒体貸出システム(カードシステム)が一般的に採用されている。
【0003】
この従来の遊技媒体貸出システムでは、遊技機に隣接した位置にプリペイドカードを挿入するカード処理ユニットが並設され、このカード処理ユニットおよびカード発行機はターミナルコントローラ(TC)などの管理装置に接続されている。そして、カード発行機によるカードの売上情報とカード処理ユニットによるカードの利用情報を収集することにより遊技店の総売上金額を管理するシステムが構築されている。
【0004】
また、従来より、プリペイドカードなどのカード媒体を使用する遊技媒体貸出システムの他、紙幣の投入によって遊技機に対して遊技媒体を貸出す遊技媒体貸出システムも知られている。ここで、例えば、パチンコ機などの玉貸出処理機には、遊技客により投入された紙幣を収納する紙幣収納ユニットが備えられており、通常、この紙幣収納ユニットは、鍵を使用したロック機構により施錠されている。このため、遊技店の閉店時などには、店員による解錠により紙幣収納ユニット内に収納されている紙幣の回収をおこなうものとなる。ところが、従来の鍵による施錠方式の場合には、紙幣の回収時に各玉貸出処理機の鍵をその都度、解錠する必要があるため、紙幣の回収作業に手間(時間)がかかり作業効率の面で問題があった。
【0005】
上述した問題を解決すべく、従来技術として、複数のパチンコ機が配設された島の端部に玉貸出処理機の解錠をおこなう解錠操作装置を設け、この解錠操作装置により、複数の玉貸出処理機に対する解錠を一斉におこなう技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−336418号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の玉貸出処理機における解錠方法の場合には、以下のような問題点がある。すなわち、従来公報に記載された技術によると、解錠操作装置による操作により、複数台の玉貸出処理機に対する解錠を一斉におこなうことができるため、従来のように、鍵による施錠は必要としないが、その反面、多過ぎる玉貸出処理機の紙幣収納ユニットが解錠されてしまうと、操作者の目の隅々まで行き届かずに、第三者に紙幣を抜き取られる恐れが生じるという問題がある。
【0008】
また、上記パチンコ遊技による従来技術の他、パチスロ機においては、メダル貸出機内の紙幣収納ユニットに紙幣が収納されていることを表示部に表示し、この表示に基づいて紙幣の回収をおこなう技術も知られている。ところが、この場合には、紙幣の収納有り表示をその都度確認しながら、鍵を使用し、個別に解錠作業をおこなう必要があるため、回収作業に手間がかかるうえ、やはり作業効率が悪いという問題がある。
【0009】
この発明は、上記従来技術による課題を解決するためになされたものであり、予め設定した任意のグループに対して解錠許可を通知するとともに、リモコンなどによる簡易な操作によって紙幣回収作業効率を向上でき、且つ第三者による紙幣の抜き取りの発生を低減できる遊技媒体貸出システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機を含む遊技媒体貸出システムにおいて、前記貸出処理機は、前記紙幣を収納するとともに、収納紙幣を外部に取り出し可能な開放状態に変更自在に構成される紙幣収納ユニットと、前記紙幣収納ユニットを、収納紙幣を外部へ取り出し不可能な閉止状態にロックするロック機構部と、外部より入力される解錠指示信号に対応して、前記ロック機構部の解錠をおこなう解錠制御手段とを備えるとともに、前記複数の貸出処理機を任意のグループに区分するグループ区分設定手段と、いずれかの貸出処理機に解錠指示信号が入力されると、当該貸出処理機と同一のグループに設定される全ての貸出処理機の解錠制御手段に対して解錠指令を与えるグループ解錠制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、当該貸出処理機と通信可能に接続される管理装置とを備えた遊技媒体貸出システムにおいて、前記管理装置は、前記複数の貸出処理機を任意のグループに区分するグループ区分設定手段と、前記グループ区分設定手段によるグループ区分に基づいて、前記貸出処理機に対する解錠許可を設定する解錠許可設定手段とを備え、前記貸出処理機は、前記紙幣を収納するとともに、収納紙幣を外部へ取り出し可能な開放状態に変更自在に構成される紙幣収納ユニットと、前記紙幣収納ユニットを、収納紙幣を外部へ取り出し不可能な閉止状態にロックするロック機構部と、前記管理装置によって解錠許可設定を受けていることを条件に、外部より入力される解錠指示信号に対応して、前記ロック機構部の解錠をおこなう解錠制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記複数の貸出処理機のうち、いずれかの貸出処理機に解錠指示信号が入力されると、当該貸出処理機と同一のグループに設定される全ての貸出処理機の解錠制御手段に対して、解錠指令を与えるグループ解錠制御手段を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記貸出処理機に対して、前記解錠指示信号を出力する無線式の遠隔操作装置を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記紙幣収納ユニットは、内部に収納される紙幣の有無を検知する紙幣有無検知手段を備え、前記グループ解錠制御手段は、前記複数の貸出処理機のうち、いずれかの貸出処理機に解錠指示信号が入力されると、当該貸出処理機と同一のグループに設定される貸出処理機の中で、前記紙幣有無検知手段により、紙幣収納ユニット内に紙幣が有ると判定される貸出処理機の解錠制御手段に対して、解錠指令を与えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記管理装置は、前記解錠許可設定手段により、前記貸出機に対して解錠許可信号を通知した任意のグループから通知される解錠時の解錠完了信号を取得することにより、該当する解錠の完了を判定する解錠完了判定手段をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記グループ区分設定手段によるグループ区分は、遊技店内で互いに近接する遊技機を対象としておこなわれるとともに、当該遊技機の台番号に基づいておこなわれることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記グループ区分設定手段によるグループ区分は、遊技機の機種に基づいて設定されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記グループ区分設定手段によるグループ区分は、貸出処理機の売上情報に基づいて設定されることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る遊技媒体貸出システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態では、本発明に係る遊技媒体貸出システムをパチンコ遊技に適用した場合を示すこととする。ここで、本実施の形態の特徴は、管理サーバ200(請求項の管理装置に対応)により、予め一斉に解錠をおこなう複数の玉貸出処理機20(請求項の貸出処理機に対応)を任意の1グループとして設定するとともに、リモコンによる操作(解錠指示)により、管理サーバ200により紙幣の回収が設定(解錠許可)された各玉貸出処理機20に対する解錠をおこなうことにある。
【0020】
以下、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概要を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概要を示す説明図である。図2は、本発明の実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概略構成を示す機能ブロック図である。図3は、管理サーバ200の構成を示す機能ブロック図を、図4は、中央管理装置100の構成を示す機能ブロック図をそれぞれ示している。
【0021】
すなわち、図1、2に示すように、この遊技媒体貸出システムでは、それぞれ「島」と呼ばれるグループごとに複数の遊技機(以下、『パチンコ機』と称する)が並設されるとともに、これらパチンコ機10にはそれぞれ1台ずつペアとなるように遊技媒体貸出処理機(以下、『玉貸出処理機』と称する)がパチンコ機10の相互間に挟まれるように据置されており、遊技客により各玉貸出処理機20に投入された紙幣(現金)による入金情報は売上情報として、中継器300を介して接続された管理サーバ200に対して送信され、この管理サーバ200により各玉貸出処理機20の売上情報(金額)が個別に管理されている。ここで、本例による入金情報は1000円単位の現金情報としている。
【0022】
さらに、この管理サーバ200は、第三者機関によって管理される中央管理装置100に接続され、管理サーバ200により集計された各玉貸出処理機20の売上情報は、中央管理装置100に対して送信される。以上のように、中央管理装置100により複数の遊技店(遊技店A、B、C・・)の総売上金額を統括的に管理する遊技媒体貸出システムが構築されている。
【0023】
このため、玉貸出処理機20および枠体30のそれぞれには、予め個別の識別ID(玉貸出処理機20の識別ID、枠体30の枠体識別ID)が付与されており、これら2つの識別IDは、遊技店の開店時(玉貸出処理機20の電源ON時)、この玉貸出処理機20から管理サーバ200に対して通信により通知され、管理サーバ200内に設けられた管理サーバデータベース210内に自動的に登録され、以降、各玉貸出処理機20は、遊技客により投入された紙幣による入金毎に管理サーバ200に対して入金額(売上金額)をリアルタイムに通知するものとなる。
【0024】
一方、管理サーバ200では、玉貸出処理機20からの通信情報(売上金額)を受信し、玉貸出処理機20の識別IDに関連付けて、更新および集計をおこなう。なお、遊技店内には遊技機10および玉貸出処理機20に接続されたホールコンピュータ(図示せず)が備えられており、このホールコンピュータにより賞球、出球率など遊技情報に基づいて遊技店内の総売上を管理するものとしている。
【0025】
以下、本実施の形態における構成要素の詳細を説明する。すなわち、本実施の形態における玉貸出処理機20は、遊技客により投入された紙幣(1000円札の現金)により所定数の遊技玉を貸し出すように遊技機10へ指示を与える機能とともに、この紙幣投入時の入金情報をメモリ27内(図8)に一時記憶し、この入金情報を売上情報としてリアルタイムで管理サーバ200に通知する機能を備えている。
【0026】
このため、各玉貸出処理機20と管理サーバ200とは中継器300を介して通信自在に構成されている。前述したように、本例では玉貸出処理機20に投入する紙幣としては、1000円紙幣を対象としている。
【0027】
中継器300(HUB)は、各「島」内に1基づつ据置されており、各「島」内のネットワークケーブルを束ねる集線装置(コンセントレータ)としての機能を備えている。本システムでは、それぞれの中継器300は、シリアル接続(ディジーチェーン)により構成されている。
【0028】
図3に示すように、管理サーバ200は、管理サーバデータベース210、制御部215、表示部216、通信I/F220とを備えている。この管理サーバ200は、各貸出機20に投入された紙幣による入金情報を個別の売上情報として取得する機能を備えている。
【0029】
具体的には、各玉貸出処理機20の識別IDに基づいて、個々の玉貸出処理機20毎に投入された紙幣による入金情報を売上情報として集計し管理する機能を備えている。玉貸出処理機20による売上情報は、リアルタイムで管理サーバ200に送信され、管理サーバ200内に備えた管理サーバデータベース210に格納されるものとなる。
【0030】
入力部217は、管理サーバ200により制御(指示)される各種の設定を入力する入力手段であり、キーボード(テンキー)、マウス、トラックボールなどにより構成される。この管理サーバ200による入力部217の操作は、遊技店を管理する管理責任者(店長、経営者など)によりおこなわれる。
【0031】
表示部216は、管理サーバ200の操作をおこなう管理責任者に対して、メニュー画面400(図16)を表示として出力する出力手段であり、モニタなどにより構成される。本例において、この表示部216は、紙幣回収指示設定をおこなう設定画面として機能する。グループ区分設定部230は、複数のパチンコ機10(玉貸出処理機20)を任意のグループ毎に区分する機能を備えている。解錠許可設定部231は、グループ区分設定部230によりグループ分けされたグループのいずれかに対して解錠許可をおこなう機能を備えている。解錠完了判定部232は、解錠がなされたグループから通知される解錠完了信号を受信することにより解錠の完了を判定する機能を備えている。
【0032】
通信I/F220は、玉貸出処理機20の通信I/F26(図8)および中継器300を介して各玉貸出処理機20による売上情報を通信により受信する機能および中央管理装置100の通信I/F130(図4)を介して管理サーバ200により集計された各玉貸出処理機20の売上情報を送信する機能を備えている。なお。この管理サーバ200は、遊技店内に配置されているが中央管理装置100を管理する第三者機関により設置される。
【0033】
図4に示すように、中央管理装置100は、中央管理制御部110、表示部115、通信I/F130、遊技店管理データベース120とを備えている。この中央管理装置100は、各遊技店(遊技店A、B、C・・)に配置された管理サーバ200との間で相互に通信をおこなうことにより、主として、管理サーバ200が取得した玉貸出処理機20の売上情報に基づいて、各遊技店毎の総売上集計、各玉貸出処理機20の管理などをおこなう機能を備えている。具体的には、管理サーバ200から送信される各玉貸出処理機20による売上情報が遊技店の総売上情報として、遊技店管理データベース120内に格納することができる。
【0034】
次に、図5〜8を参照して玉貸出処理機20およびパチンコ機10における構成の詳細について説明する。図5は、図2に示した遊技媒体貸出システムで適用する玉貸出処理機20およびパチンコ機10の外観正面図、図6は、玉貸出処理機20を示す側面図(枠体30との連結状態)、図7は、枠体30と玉貸出処理機20との分離状態を示す図をそれぞれ示している。図8は、玉貸出処理機20の概要構成を示す機能ブロック図である。
【0035】
すなわち、図5に示すように、玉貸出処理機20は、外見上縦長に構成したもので、貸出機本体部21と、この本体部21よりも前方(図6の右側)に向けて僅かに突出するように形成されたBVユニット部50とを備えている。
【0036】
後述するように、このBVユニット部50は、リモコンによる解錠操作により本体部21から自動的に取り出し可能に構成されている。また、玉貸出処理機20の本体部21の前面パネルには、表示ランプ部22、表示部23、リモコン用受光部24とを備えている。
【0037】
ここで、図6、7に示すように、この玉貸出処理機20は遊技店内に取り付け固定された枠体30に対して着脱自在となっており、具体的には、玉貸出処理機20を枠体30に対して連結させ玉貸出処理機20および枠体30の上下に位置するコネクタを相互に嵌め込むことにより、この玉貸出処理機20をパチンコ機10に隣接した位置に据置することができる。
【0038】
表示ランプ部22は、玉貸出処理機20の稼働状態を3色(緑色、赤色、黄色)のランプにより報知する機能を備えている。具体的に説明すると、緑色ランプの点灯は、正常動作を、赤色ランプの点灯は、玉貸出処理機20に何らかの異常が発生したとき、黄色ランプの点灯は、通信経路の断線で状態をあらわすオフライン状態をそれぞれ示している。
【0039】
表示部23は、玉貸出処理機20のエラー状態をエラーコードなどで表示する機能を備えている。リモコン用受光部24は、リモコンから送信された送信信号に基づいて、玉貸出処理機20のエラー状態をリセットするエラーリセット信号、解錠指示信号を受信する機能を備えている。後述するように、リモコンによる解錠許可信号を受信した際には、BVユニット部50におけるBVロック機構部53によるロック(施錠)が解錠されるものとなる。
【0040】
制御部25は、玉貸出処理機20における各処理を一括してコントロールする制御機能を備えており、制御部25内の処理を実現するにあたって必要なプログラムおよびデータは、記憶部(図示せず)内に格納されており、制御部25は、必要に応じてこれらを読み出すことにより各処理を実行する。玉貸制御部70は、パチンコ機10に対して貸し玉の投出を指示する機能とを備えている。
【0041】
通信I/F26(インターフェース)は、中継器300を介して管理サーバ200に対して各玉貸出処理機20による売上情報をリアルタイム通信により送信する機能を備えている。メモリ27は、売上情報を記憶する機能を備えており、このメモリ27の内部には、パチンコ機10の遊技台番号に対応するとともに、玉貸出処理機20の識別IDおよび枠体30の識別IDに関連付けた入金情報を格納する売上情報記憶テーブル28が設けられている。80は、玉貸出処理機20に対して、AC電源(100V)による電圧を供給するための電源部である。
【0042】
BVユニット部50は、紙幣投入口15、紙幣収納部51、紙幣識別部52、を備えている。紙幣投入口15は、紙幣(本例では、1000円札)を受け入れて、この紙幣を紙幣収納部51に取り込むための開口である。紙幣収納部51は、遊技客により紙幣投入口15から投入された紙幣を収納する機能を備えている。つまり、本例では、店員により紙幣収納部51内に収納された紙幣を回収するようにしている。このため、本例では、投入された紙幣を島端へ搬送する紙幣搬送路および島端で紙幣を回収する紙幣回収ボックスが不要となる。
【0043】
紙幣識別部52は、遊技客により紙幣投入口15から投入された紙幣に対する真偽や金額情報の判定(識別)および金額情報を記憶する紙幣処理機能を備えており、遊技客により投入された紙幣を受け入れて識別し、正常と判定される紙幣については、その識別結果および金額情報は制御部25に通知される。一方、投入された紙幣が識別不能な紙幣については、紙幣投入口15を通じて返却するものとなる。
【0044】
BVロック機構部53は、BVユニット部50の施錠をおこなう機構を備えており、このBVロック機構部53によるロック(施錠)の解錠は、遊技店の店員や管理者が所持するリモコンによる解錠指示操作によりおこなわれる。このBVロック機構部53の概略については、後述する。
【0045】
一方、枠体30の上部位置には、ジョイント制御基板31が設けられており、このジョイント基板31は、玉貸出処理機20を入れ替えた際および通信状態の断線時(オフライン時)の売上情報(データ)の保存用として機能するメモリ33を備えている。このメモリ33の内部には、パチンコ機10の遊技台番号に対応するとともに、玉貸出処理機20の識別IDおよび枠体30の識別IDに関連付けた入金情報を格納する売上情報記憶テーブル33が設けられている。
【0046】
また、遊技機であるパチンコ機10は遊技領域11および下方に設けた上皿12とにより構成され、その内部には玉投出機構部13が設けてある。この玉投出機構部13は、制御部25から貸玉投出要求が与えられた場合、並びにパチンコ機10による賞玉投出要求が与えられた場合に、それぞれパチンコ機10の上皿12に所定数のパチンコ玉を投出する部分である。
【0047】
次に、図9、図10を参照して、本実施の形態1におけるBVユニット部50に対する解錠機構について説明する。図9は、リモコン操作によるBVユニット部の着脱状態を示す説明図を、図10は、紙幣の回収時におこなわれるロック(施錠)の解錠動作を説明する玉貸出処理機20の斜視図を示している。
【0048】
すなわち、図9、10に示すように、BVロック機構部53は、遊技店の管理者などが所持するリモコンによる操作(解錠指示信号の送信)に基づいて、ロック機構部53によるロックが解錠する機構となっている。
【0049】
具体的には、管理者が玉貸出処理機20のリモコン用受信部24に向けて、リモコンの解除キー(個別解錠キー、島解錠キー)を押下(ON)するとBVユニット部50が玉貸出処理機20の前方(図10の矢印A方向)に突出するとともに、紙幣収納部51(図10)が開口する機構となっている。これにより、紙幣収納部51に収納された紙幣を回収するものとなる。
【0050】
一方、BVユニット部50の装着(施錠)は、前方に突出した状態のBVユニット部50を手で本体21側(図10の矢印B方向)に向けて、押し込むことにより、BVロック機構部53によるロック機構部53を作動させることができる。後述するように、ロック機構部53の作動は、ソレノイド60に対する通電のON/OFFによりおこなう。以下、図11(a)(b)を参照して、BVロック機構部53の詳細を説明する。
【0051】
すなわち、図11(a)に示すように、BVロック機構部53は、ソレノイド60、ロックレバー61、アンカー板75、押圧板ばね71とから構成されている。また、BVユニット部50の上下位置には、スライドレール74が設けられているため、このBVユニット部50はスライドレール74に沿って、装着方向および取り出し方向に平行移動することができる。
【0052】
アンカー板75の上端部には押圧板ばね71の基端部が取り付けられ、この押圧板ばね71の先端部は、紙幣収納部51を構成する筐体(ケース)の後端部に当接されている。
【0053】
このため、BVユニット部50は、押圧板ばね71の弾力により、常時、BVユニット部50の取り出し方向(図11のA方向)に向けて押圧されている。ロックレバー61の先端部には、鉤部62が形成されており、この鉤部62は、アンカー板71に形成された係合ピン72と係合可能となっている。
【0054】
また、引っ張りばね73の一端(図11の上側)は、アンカー板71の上部に延出された取り付け部71aに、他端(図11の下側)は、ロックレバー61の基端部に取り付けられている。このため、ソレノイド60のOFF時(非作動時)、ロックレバー61は、引っ張りばね73の弾力により支軸78を支点として、時計方向に偏奇するため、この弾力によりロックレバー61の鉤部62とアンカー板71の係合ピン62とが係合し、これにより、BVユニット部50に対する施錠をおこなうことができる。なお、ソレノイド60に対する通電のON/OFFは、BVユニット制御部56による通電制御によりおこなわれる。
【0055】
一方、図11(b)に示すように、ソレノイド60のON時(通電時)には、このソレノイド60の作動(ON)にともなって、引っ張りばね73の弾力に抗して、ロックレバー61の鉤部62とアンカー板71の係合ピン72との係合が外れる。これにより、BVユニット部50は、押圧板ばね71の押圧力により、スライドレール74に沿って、図11(b)の矢印A方向に向けて、突出する。これにより、BVユニット部50に対する解錠をおこなうことができる。
【0056】
前述したように、BVユニット部50に対する施錠は、このBVユニット部50を手により、図11(b)の矢印B方向に向けて、押し込むことにより容易におこなうことができる。
【0057】
以上のように、本例のロック機構部53の場合には、リモコンによる操作で簡単に解錠をおこなうことができ、ロック(施錠)は手動により容易におこなうことができるため、従来のように店員が解錠用の鍵などを持ち歩く必要がなくなるうえ、紙幣収納部51内の紙幣を島端へ搬送する紙幣搬送機構や島端で紙幣を回収する紙幣収納金庫などが不要となり、コスト削減およびセキュリティの面で有効である。
【0058】
次に、本発明の遊技媒体貸出システムにおいて適用されるリモコンの概要について説明する。図12(a)は、遊技店の管理者などが所持する管理者用のリモコン、図12(b)は、一般の係員(店員)が所持するリモコンをそれぞれ示す外観図である。
【0059】
このリモコンは、内部にIC回路、近赤外線を送出する発光ダイオードなどを備えた無線式の遠隔操作装置であり、図12(a)に示す管理者用のリモコンの筐体を構成する前面パネル部には、エラーの発生時に、リセット処理をおこなうリセットキー、個別の玉貸出処理機20の解錠を対象とする個別解除キー、遊技店の同一の島内に設けられた複数の玉貸出処理機20の解錠を対象とする島解除キー、暗証番号などを入力するためテンキー(0〜9)などが設けられている。リモコンの先端部には、リセット信号、解錠指示信号などを送出するための発振部が設けられている。なお、図12(b)に示した店員用のリモコンは、主に玉貸出処理機20に発生したエラー表示などのリセット処理をおこなう際に使用される。
【0060】
ここで、本実施の形態では、管理サーバ200により解錠許可が設定された状態にあるときにのみ、このリモコンによるBVユニット部50の解錠操作が有効となる。具体的には、管理サーバ200により設定された任意のグループに対して解錠許可が設定された状態であれば、このグループ内の玉貸出処理機20のいずれかに向けて、リモコン操作をおこなうことにより、1グループ全ての玉貸出処理機20に対するBVユニット部50の解錠をおこなうことができる。
【0061】
図13は、本発明の遊技媒体貸出システムの基本制御手順を説明するフローチャートである。すなわち、本発明の遊技媒体貸出システムは、大別して(1)開店時設定工程(ステップSA100)、(2)オンライン制御工程(ステップSA200)、(3)紙幣回収工程(ステップSA300)、(4)定期通信工程(ステップSA400)(5)閉店時設定工程(ステップSA500)の5つの処理工程により構成されている。先ず、これら(1)〜(5)の各制御工程についての概略を説明する。
【0062】
(1)開店時設定工程
開店時設定工程は、管理サーバ200により実行される遊技店における開店処理であり、第三者機関によって管理される中央管理装置100および遊技店内の各玉貸出処理機20に対して、開店通知を送信する処理工程である。
【0063】
すなわち、前述したように玉貸出処理機20および枠体30には、予め個別の識別ID(玉貸出処理機の識別ID、枠体の枠体識別ID)が付与されており、これら2つの識別IDは、玉貸出処理機20の電源ON時、玉貸出処理機20から管理サーバ200に対して通知されるとともに、各玉貸出処理機20の本体識別ID、枠体の枠体識別IDは、管理サーバ200内に設けられた管理サーバデーターベース210に自動的に登録される。以降、管理サーバ200は、各玉貸出処理機20から通知される売上情報を管理サーバデータベース210内に格納するとともに、紙幣の投入にともなっい売上情報の更新をおこなうものとなる。
【0064】
(2)オンライン制御工程(通常時)
オンライン制御工程は、遊技客によって玉貸出処理機20に対して現金(紙幣)が投入された際、この玉貸出処理機20からパチンコ機10に対して、玉を貸し出す玉貸し出し命令を通知するとともに、投入された紙幣による売上情報を玉貸出処理機20の本体識別IDに関連付けて管理サーバ200に対して通知する処理工程である。ここで、管理サーバ200から中央管理装置100に対して送信される売上情報の通知は、通常はリアルタイム通信により、逐次おこなわれるが、一定時間毎におこなうようにしてもよい。
【0065】
(3)紙幣回収工程
紙幣回収工程は、遊技店の管理者が所持するリモコンの操作により玉貸出処理機20に備えたBVユニット部50の解錠をおこない、このBVユニット部50の紙幣収納部51内に収納されている紙幣を回収する処理工程であり、遊技店の営業時間内および閉店時に適宜おこなうことができる。
【0066】
(4)定期通信工程
定期通信工程は、遊技店の営業時間内において、管理サーバ200と中央管理装置100との間で実施される相互間の接続状態やエラーログなどを定期的に確認する処理工程である。
【0067】
(5)閉店時設定工程
閉店時設定工程は、各玉貸出処理機20から送信された売上情報を管理サーバ200により集計し、集計データとして中央管理装置100に対して送信する処理工程である。この際、管理サーバから閉店通知信号が中央管理装置100および玉貸出処理機20に対して送信される。
【0068】
以下、図14のフローチャートを参照して、本実施の形態1における全体制御処理手順を説明する。この図14に示すフローチャートは、管理サーバ200と玉貸出処理機20との間でおこなわれる処理手順である。
【0069】
すなわち、遊技客により玉貸出処理機20の紙幣投入口15に紙幣(1000円札)が投入されると(ステップS100)、BVユニット部50は、投入された紙幣の真偽を紙幣識別部52により正常な紙幣か否かを判定する(ステップS110)。そして、ステップS110による判定により紙幣が不良紙幣と判定された場合には(ステップS110否定)、紙幣投入口15を通じて不良紙幣の返却をおこなう(ステップS115)。
【0070】
一方、投入された紙幣が正常な紙幣と判定された場合には(ステップS110肯定)、この紙幣を紙幣収納部51内に収納するとともに、次の、ステップS120による玉貸出し処理に移行する(ステップS120)。具体的には、パチンコ機10の玉投出機構部13に対して、1000円分の玉の貸し出しをおこなうように指示し、この玉投出機構部13から貸玉が投出される。
【0071】
これにより、パチンコ機10の上皿12には、1000円分の玉の投出がおこなわれ、遊技客による遊技が可能となる。以下、玉貸出処理機20では、遊技客により投入された入金情報を売上情報として、この売上情報をメモリ27内の売上情報記憶テーブル28内に格納する(ステップS130)。
【0072】
図15(a)は、玉貸出処理機20のメモリ27内および枠体30のメモリ32内に備えられた売上情報記憶テーブル28(33)の一例を示している。同図に示すように、売上情報記憶テーブル28(33)は、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、玉貸出処理機本体を特定する本体識別ID、枠体を特定する枠体識別ID、遊技台の番号、売上金額、取引時に設定される取引識別IDという6項目のフィールドが設けられている。
【0073】
すなわち、図15(a)は、台番号100番のパチンコ機10で遊技をおこなう遊技客が玉貸出処理機20(本体識別ID:XXXX1、枠体識別ID:YYYY1)に1000円投入したときの売上情報記憶テーブル28および台番号101番のパチンコ機10で遊技をおこなう遊技客が玉貸出処理機20(本体識別ID:XXXX2、枠体識別ID:YYYY2)に1000円投入したときの売上情報記憶テーブル28を示している。そして、これら各フィールドには、遊技客が玉貸出処理機20に紙幣を投入する都度、記憶データとして格納され、この売上情報記憶テーブル28内の売上情報は識別IDとともに、リアルタイムで管理サーバ200に通知される。
【0074】
図14のフローチャートに戻り、玉貸出処理機20では、通信I/F26を通じて管理サーバ200に対して識別IDに対応付けた売上情報の通知をおこなう(ステップS140)。一方、管理サーバ200では、玉貸出処理機20による売上情報の通知を受信し(ステップS150)、この売上情報を管理サーバデータベース210内に格納する(ステップS160)。
【0075】
次いで、同一の識別IDがあるか否かの判定をおこない(ステップS170)、同一の識別IDがある場合には(ステップS170肯定)、同一の識別IDに関連付けて売上情報の更新をおこなう(ステップS180)。また、ステップS170の判定により、同一の識別IDでない場合には、そのままステップS190の処理に移行する。
【0076】
以下、ステップS180により更新および集計された売上情報は、管理サーバ200から中継器300を通じて中央管理装置100に対して送信される(ステップS190)。中央管理装置100では、管理サーバ200から通知された各玉貸出処理機20による売上情報に基づいて、遊技店の総売上情報の管理をおこなうものとなる。
【0077】
図15(b)は、管理サーバ200内に備えられた管理サーバデータベース210の一例を示している。同図に示すように、管理サーバデータベース210は、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、取引時(紙幣投入時)の日付を示す取引日付、玉貸出処理機本体を特定する本体識別ID、枠体を特定する枠体識別ID、遊技台の番号、売上金額、取引時に設定される取引識別IDという7項目のフィールドが設けられている。
【0078】
この管理サーバデータベース210の各フィールドのうち売上金額は、玉貸出処理機20から通知される識別IDに関連付けられた売上情報に基づいて、照合がおこなわれるとともに、更新処理により更新された売上情報(金額)は、リアルタイム通信により中央管理装置100に送信される。
【0079】
次いで、管理サーバ200により紙幣の回収指示があるか否かの判定をおこない(ステップS200)、紙幣の回収指示がある場合には(ステップS200肯定)、グループ別の区分設定(ステップS210)、解錠許可設定(ステップS220)を順次実行する。ここで、ステップS200〜ステップS220による処理手順が紙幣回収指示工程となる。以下、この紙幣回収処理工程の詳細を図16〜18を参照して説明する。
【0080】
ここで、以下の例では、管理サーバ200による画面設定(ソフト設定)により、任意のパチンコ機10の台番号に基づいて、グループ設定をおこなう例で説明する。すなわち、本発明の特徴は、管理サーバ200により、予め一斉に解錠をおこなう複数の玉貸出処理機20を任意の1グループとして設定するとともに、リモコンによる操作(解錠指示)により、管理サーバ200により紙幣の回収が設定(解錠許可)された各玉貸出処理機20に対する解錠(BVユニット部50を突出させる)をおこなうことに特徴がある。
【0081】
このため、管理サーバ200は、複数のパチンコ機10(玉貸出処理機20)を任意のグループ毎に区分するグループ区分設定機能(グループ区分設定部230)およびグループ区分設定機能によりグループ分けされたグループのいずれかに対して解錠許可をおこなうグループ別解錠許可設定機能(解錠許可設定部231)とを備えている(図3参照)。以下、図16および図17(a)、(b)を参照してグループ区分設定処理およびグループ別の解錠許可設定処理の詳細を具体的に説明する。
【0082】
すなわち、図16に示すように管理サーバ200による任意のグループに区分するグループ区分設定処理およびグループ別の解錠許可設定処理は、管理サーバ200の表示部216(モニタ)に表示されるメニュー画面400(管理サーバ/メインメニュー)による設定でおこなうことができる。そして、このメニュー画面400(管理サーバ/メインメニュー)に表示される「紙幣回収グループ設定」を選択し(マウスによるクリック)、Enterキー500を押下(ON)することにより、管理サーバ200の表示部216(モニタ)に、図17(a)、(b)に示す紙幣回収グループ設定画面410を表示することができる。
【0083】
すなわち、図17(a)に示すように、紙幣回収グループ設定画面410は、遊技店内に設置された複数のパチンコ機10の台番号が表示される台番号表示欄420および任意にグループを設定するグループ別設定欄430とを備えている。ここで、グループ別設定欄430には、任意のグループ番号(1〜9)を入力することができ、具体的には、このグループ別設定欄430に対して入力部217(図3)のキーボードによるテンキー操作により、所望の数値を入力するものとなる。
【0084】
ここで、図17(b)の例では、パチンコ機10の台番号、1001番〜1007番、1010番が、「1」グループ、1011番〜1017、1020番が、「2」グループ、1021番〜1027番、1030番が、「3」グループ、1031番〜1036番までが、「4」グループとしてそれぞれ設定されたことを示している。尚、一つのグループに設定される具体的な例としては、操作者が一連の動作で紙幣を回収できるとともに、操作者の目が届くように列設される数台程度のパチンコ機10若しくは、玉貸出処理機20をグループ設定することなどが挙げられる。
【0085】
上述のように、グループ別設定欄430に対するグループ番号の入力後、次いで、Enterキー500を押下(ON)することにより、図18に示す、解錠許可グループ入力画面440に移行する。この解錠許可グループ入力画面440は、グループ番号設定欄445を備えており、以下、管理サーバ200の管理者は、このグループ番号設定欄445に対して、解錠許可を指示するグループ番号を入力するものとなる。
【0086】
本例では、図18に示すグループ番号設定欄445にグループ番号「2」が入力された例を示しており、この入力によりグループ番号「2」に該当するパチンコ機10(1011番〜1017番、1020番)に対応する玉貸出処理機20(8台)を対象とする解錠許可の設定がおこなわれるものとなる。具体的には、グループ番号の入力後、Enterキー500を押下(ON)することにより、管理サーバ200から中継器300を介して、該当する各玉貸出処理機20に対して解錠許可信号が送信されるものとなる。
【0087】
ここで、上述した実施の形態1では、グループの区分をパチンコ機10の台番号に基づいて選定しているが、このグループ区分設定は、パチンコ機10の機種(機種A、機種B・・・)に基づいて設定することもできる。また、グループ区分設定は、取得された各玉貸出処理機20の売上情報(金額)に基づいて、設定することもできる。この場合、例えば、売上金額が上位の玉貸出処理機20から順にグループ番号(1〜9)を付与することにより、紙幣収納部51内により多くの紙幣がある玉貸出処理機20を選択することができるため、紙幣の回収を効率良くおこなうことが可能となる。
【0088】
ここで、本例では、同一の番号に設定されたグループに対する解錠許可をおこなうことができる。具体的に説明すると、例えば、台番号が1011番に並設された玉貸出処理機20にリモコンを向けて、解錠ボタンを押下(ON)すると、この台番号1011番に対応する玉貸出処理機10だけてなく、台番号が1010番〜1020番に対応する玉貸出処理機20の解錠を実行することができる。
【0089】
図14のフローチャートに戻り、前述したステップS210〜ステップS220の処理により、管理サーバ200による解錠許可設定をおこない、次のステップS230により玉貸出処理機20に対して解錠許可信号の送信をおこなう(ステップS230)。
【0090】
一方、管理サーバ200から解錠許可通知を受信した玉貸出処理機20は、リモコン操作による解錠指示があるまで待機する。具体的にはリモコンによる解錠指示通知が有るか否かを判定し(ステップS250)、このステップS250の判定により、リモコンによる解錠指示通知がある場合(ステップS250肯定)、前記ステップS220により設定された玉貸出処理機20(グループ番号:2)に対する解錠がおこなわれる(ステップS260)。具体的には、該当するグループ(複数の玉貸出処理機20)に対して、リモコンが向けられて、解錠キーの押下(ON)がある場合に、解錠が実行される。本例では、パチンコ機10(1011番〜1017、1020番)に対応する玉貸出処理機20に対する解錠がおこなわれるものとなる。
【0091】
この場合、パチンコ機10(1011番〜1017、1020番)の玉貸出処理機20に向けて、リモコン操作する必要はなく、例えば、パチンコ機10(1011番〜1017、1020番)のうち、1011番に並設された玉貸出処理機20の全てに向けて、個別解錠キーのON操作をするだけで、1011番以外の1012番〜1017番、1020番に並設された玉貸出処理機20に対する解錠を実行することができる。
【0092】
以下、次のステップS270により、正常に該当する玉貸出処理機20の解錠が完了したか否かの判定をおこない(ステップS270)、正常に解錠が完了した場合には(ステップS270肯定)、該当する玉貸出処理機20から管理サーバ200に対して解錠完了通知が送信された後、全ての処理が終了となる(エンド)。
【0093】
上述してきたように、本実施の形態1によれば、管理サーバ200により、予め一斉に解錠をおこなう複数の玉貸出処理機20を任意のグループとして設定するとともに、リモコンによる操作(解錠指示通知)により、管理サーバ200により紙幣の回収が設定(解錠許可)された各玉貸出処理機20に対する解錠をおこなうので、一斉解錠の対象となる複数の玉貸出処理機20を任意のグループに分けて設定できることから、このグループ分けされた玉貸出処理機に対する一斉解錠を確実且つ容易におこなうことができる。また、リモコンによる玉貸出処理機20の解錠は、管理サーバ200による解錠許可通知の設定時のみ有効となるため、セキュリティの観点で効果が期待できる。
【0094】
なお、上述した実施の形態では、本発明に係る遊技媒体貸出システムをパチンコ遊技に適用した場合を示しているが、本発明は、パチンコ遊技に限定することなくパチスロ機による遊技システムにも好適に適用することができる。
【0095】
さらに、上述した実施の形態では、パチンコ機の内部から玉が投出される(所謂、CR機方式)について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、玉貸出処理機からノズルを介して玉が投出される方式にも本発明は好適に適用することができる。また、上述した実施の形態に示されるような紙幣のみ受け付ける玉貸出処理機だけではなく、カード(プリペイドカード、会員カードなど)と紙幣の両方を受け付けることができ、少なくとも紙幣が機内に収納されるタイプのカード処理機にも適用することができる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機を含む遊技媒体貸出システムにおいて、前記貸出処理機は、前記紙幣を収納するとともに、収納紙幣を外部に取り出し可能な開放状態に変更自在に構成される紙幣収納ユニットと、前記紙幣収納ユニットを、収納紙幣を外部へ取り出し不可能な閉止状態にロックするロック機構部と、外部より入力される解錠指示信号に対応して、前記ロック機構部の解錠をおこなう解錠制御手段とを備えるとともに、前記複数の貸出処理機を任意のグループに区分するグループ区分設定手段と、いずれかの貸出処理機に解錠指示信号が入力されると、当該貸出処理機と同一のグループに設定される全ての貸出処理機の解錠制御手段に対して解錠指令を与えるグループ解錠制御手段と、を備えるので、島全体ではなく、所定の貸出処理機のみを設定して解錠をおこなえることからセキュリティ(安全性)の向上を図れるという効果を奏する。
【0097】
また、本発明によれば、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、当該貸出処理機と通信可能に接続される管理装置とを備えた遊技媒体貸出システムにおいて、前記管理装置は、前記複数の貸出処理機を任意のグループに区分するグループ区分設定手段と、前記グループ区分設定手段によるグループ区分に基づいて、前記貸出処理機に対する解錠許可を設定する解錠許可設定手段とを備え、前記貸出処理機は、前記紙幣を収納するとともに、収納紙幣を外部へ取り出し可能な開放状態に変更自在に構成される紙幣収納ユニットと、前記紙幣収納ユニットを、収納紙幣を外部へ取り出し不可能な閉止状態にロックするロック機構部と、前記管理装置によって解錠許可設定を受けていることを条件に、外部より入力される解錠指示信号に対応して、前記ロック機構部の解錠をおこなう解錠制御手段と、を備えるので、島全体ではなく、所定の貸出処理機のみを設定して解錠をおこなえることからセキュリティ(安全性)の向上を図れるうえ、管理装置による解錠許可設定を条件に解錠が可能となるため、解錠の管理を厳正におこなえるという効果を奏する。
【0098】
また、本発明によれば、前記複数の貸出処理機のうち、いずれかの貸出処理機に解錠指示信号が入力されると、当該貸出処理機と同一のグループに設定される全ての貸出処理機の解錠制御手段に対して、解錠指令を与えるグループ解錠制御手段を備えるので、島全体ではなく、所定の貸出処理機のみを設定して解錠をおこなえることからセキュリティ(安全性)の向上を図れるうえ、管理装置による解錠許可設定を条件に解錠が可能となるため、解錠の管理を厳正におこなえるという効果を奏する。また、1台の解錠指示信号を入力するだけで、グループ内の他の貸出処理機に対する解錠も同時におこなえることから操作性の向上を図れるという効果を奏する。
【0099】
また、本発明によれば、前記貸出処理機に対して、前記解錠指示信号を出力する無線式の遠隔操作装置を備えるので、島全体ではなく、所定の貸出処理機のみを設定して解錠をおこなえることからセキュリティ(安全性)の向上を図れるうえ、管理装置による解錠許可設定を条件に解錠が可能となるため、解錠の管理を厳正におこなえるという効果を奏する。また、1台の解錠指示信号を入力するだけで、グループ内の他の貸出処理機に対する解錠も同時におこなえることから操作性の向上を図れるという効果を奏する。さらに、解錠の対象となる貸出処理機の前に立って、解錠操作をおこなえるため、確実に対象となる貸出処理機に対する解錠ができるうえ、セキュリティ(安全性)の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0100】
また、本発明によれば、前記紙幣収納ユニットは、内部に収納される紙幣の有無を検知する紙幣有無検知手段を備え、前記グループ解錠制御手段は、前記複数の貸出処理機のうち、いずれかの貸出処理機に解錠指示信号が入力されると、当該貸出処理機と同一のグループに設定される貸出処理機の中で、前記紙幣有無検知手段により、紙幣収納ユニット内に紙幣が有ると判定される貸出の解錠制御手段に対して、解錠指令を与えるので、紙幣収納ユニット内に紙幣の有る貸出処理機を限定した解錠をおこなえるため、紙幣の回収効率の向上を図ることができるという効果を奏する。また、島全体ではなく、所定の貸出処理機のみを設定して解錠をおこなえることからセキュリティ(安全性)の向上を図れるうえ、管理装置による解錠許可設定を条件に解錠が可能となるため、解錠の管理を厳正におこなえるという効果を奏する。また、1台の解錠指示信号を入力するだけで、グループ内の他の貸出処理機に対する解錠も同時におこなえることから操作性の向上を図れるという効果を奏する。
【0101】
また、本発明によれば、前記管理装置は、前記解錠許可設定手段により、前記貸出機に対して解錠許可信号を通知した任意のグループから通知される解錠時の解錠完了信号を取得することにより、該当する解錠の完了を判定する解錠完了判定手段をさらに備えるので、さらに、セキュリティの観点から有効であるという効果を奏する。
【0102】
また、本発明によれば、前記グループ区分設定手段によるグループ区分は、遊技店内で互いに近接する遊技機を対象としておこなわれるとともに、当該遊技機の台番号に基づいておこなわれるので、さらに、一斉解錠の対象となる任意のグループ(複数の玉貸出処理機)をパチンコ機の台番号に基づいて設定できることから、この台番号別にグループ分けされた玉貸出処理機に対する解錠を確実且つ容易におこなうことができるという効果を奏する。
【0103】
また、本発明によれば、前記グループ区分設定手段によるグループ区分は、遊技機の機種に基づいて設定されるので、さらに、一斉解錠の対象となる任意のグループ(複数の玉貸出処理機)をパチンコ機の機種に基づいて設定できることから、この機種別にグループ分けされた玉貸出処理機に対する解錠を確実且つ容易におこなうことができるという効果を奏する。
【0104】
また、本発明によれば、前記グループ区分設定手段によるグループ区分は、貸出処理機の売上情報に基づいて設定されるので、さらに、一斉解錠の対象となる任意のグループ(複数の玉貸出処理機)を、これら各玉貸出処理機の売上情報(売上順位)に基づいて設定できることから、紙幣収納部に収納された紙幣がより多く収納されている玉貸出処理機を優先して解錠することができ、これにより、回収作業効率の向上を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る遊技媒体貸出システムの概要を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る遊技媒体貸出システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示した管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図2に示した中央管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図2に示した遊技媒体貸出システムで適用する玉貸出処理機およびパチンコ機の外観正面図である。
【図6】図5に示した玉貸出処理機を示す側面図である。
【図7】図5に示した玉貸出処理機と枠体との分離状態を示す図である。
【図8】本実施の形態に係る玉貸出処理機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図9】玉貸出処理機におけるBVユニット部の解錠動作を示す概略説明図である。
【図10】玉貸出処理機におけるBVユニット部の解錠動作を示す斜視図である。
【図11】(a)は、BVロック機構部のロック状態を、(b)は、ロック解錠状態をそれぞれ示す説明概略図である。
【図12】(a)は、管理者用のリモコン、(b)は、一般係員用のリモコンの外観構成をそれぞれ示す外観図である。
【図13】実施の形態における遊技媒体貸出システムの基本処理手順を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態における遊技媒体貸出システムの全体処理手順を示すフローチャートである。
【図15】(a)は、売上情報記憶テーブルの構成を、(b)は、管理サーバデータベースの構成をそれぞれ示す図である。
【図16】管理サーバのモニタによるメニュー画面を示す図である。
【図17】(a)は、紙幣回収グループ設定画面の初期画面を、(b)は、紙幣回収グループ設定画面による設定状態をそれぞれ示す図である。
【図18】解錠許可グループ設定画面による設定例を示す図である。
【符号の説明】
10 パチンコ機
15 紙幣挿入口
20 玉貸出処理機
22 表示ランプ
23 表示部
24 リモコン用受光部
25、215 制御部
26、130、220 通信I/F
27、32 メモリ
30 枠体
31 ジョイント基板
28、33 売上情報記憶テーブル
50 BVユニット部
51 紙幣収納部
52 紙幣識別部
53 BVロック機構部
60 ソレノイド
61 ロックレバー
62 鉤部
70 玉貸制御部
71 押圧板ばね
72 係合ピン72
74 スライドレール
75 アンカー板
80 電源部
100 中央管理装置
110 中央管理制御部
115、216 表示部
120 遊技店管理データベース
200 管理サーバ
210 管理サーバデータベース
217 入力部
230 グループ区分設定部
231 解錠許可設定部
232 解錠完了判定部
215 制御部
300 中継器
400 メニュー画面
410 紙幣回収グループ設定画面
420 台番号表示欄
430 グループ別設定欄
440 解錠許可グループ入力画面
500 Enterキー
Claims (3)
- 複数の遊技機にそれぞれ並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、当該貸出処理機と通信可能に接続される管理装置とを備えた遊技媒体貸出システムにおいて、
前記貸出処理機は、
前記紙幣を収納するとともに、収納紙幣を外部へ取り出し可能な開放状態に変更自在に構成される紙幣収納ユニットと、
前記紙幣収納ユニットを、収納紙幣を外部へ取り出し不可能な閉止状態にロックするロック機構部と、
前記管理装置によって解錠許可設定を受けている状態で、操作者が保持する無線式の遠隔操作装置から解錠指示信号が入力された場合に、前記ロック機構部の解錠を行う解錠制御手段と
を備え、
前記管理装置は、
前記複数の貸出処理機を操作者の目が届く範囲に設置された貸出処理機からなるグループに区分するグループ区分設定手段と、
前記グループ区分設定手段によるグループ区分に基づいて、前記貸出処理機に対する前記解錠許可設定を行う解錠許可設定手段と、
前記複数の貸出処理機のうち、いずれかの貸出処理機に前記解錠指示信号が入力されると、当該貸出処理機と同一のグループに設定される全ての貸出処理機の前記解錠制御手段に対して、解錠指令を与えるグループ解錠制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技媒体貸出システム。 - 前記紙幣収納ユニットは、
内部に収納される紙幣の有無を検知する紙幣有無検知手段
をさらに備え、
前記グループ解錠制御手段は、
前記複数の貸出処理機のうち、いずれかの貸出処理機に前記解錠指示信号が入力されると、当該貸出処理機と同一のグループに設定される全ての貸出処理機に代えて、当該貸出処理機と同一のグループに設定される貸出処理機の中で、前記紙幣有無検知手段により、紙幣収納ユニット内に紙幣が有ると判定される貸出処理機の解錠制御手段に対して、解錠指令を与えることを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出システム。 - 前記管理装置は、
前記解錠許可設定手段により、前記貸出機に対して解錠許可信号を通知した任意のグループから通知される解錠時の解錠完了信号を取得することにより、該当する解錠の完了を判定する解錠完了判定手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技媒体貸出システム。
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