JP4428956B2 - 遊技媒体貸出システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣を受け入れて遊技媒体を貸し出す処理をおこなう貸出処理機と、紙幣による入金情報を売上情報として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムに関し、特に、紙幣収納ユニット内に収納された紙幣の有無および紙幣収納ユニットの着脱を判定することにより、紙幣の未回収および紙幣収納ユニットの装着不良を確実に防止することができる遊技媒体貸出システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
現在、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機を設置した遊技店で遊技をおこなう場合には、カード発行機などから、一旦プリペイドカードなどの磁気カード（記録媒体）を購入し、このプリペイドカードに関連付けられた有価価値に応じてパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を借り受ける遊技媒体貸出システム（カードシステム）が一般的に採用されている。
【０００３】
この従来の遊技媒体貸出システムでは、遊技機に隣接した位置にプリペイドカードを挿入するカード処理ユニットが並設され、このカード処理ユニットおよびカード発行機はターミナルコントローラ（ＴＣ）などの管理装置に接続されている。そして、カード発行機によるカードの売上情報とカード処理ユニットによるカードの利用情報を収集することにより遊技店の総売上金額を管理するシステムが構築されている。
【０００４】
また、従来より、プリペイドカードなどのカード媒体を使用する遊技媒体貸出システムの他、紙幣の投入によって遊技機に対して遊技媒体を貸出す遊技媒体貸出システムが知られている。ここで、例えば、玉貸出機やメダル貸出機には、遊技客により投入された紙幣を収納する紙幣収納ユニットが備えられており、通常、この紙幣収納ユニットは、鍵を使用したロック機構により施錠されている。このため、遊技店の閉店時などに紙幣の回収をおこなう場合は、店員により紙幣収納ユニットの解錠をおこなった後、紙幣収納ユニットを開けて収納されている紙幣の回収をおこなうようにしている。（例えば、特許文献１参照）。
【０００５】
【特許文献１】
特開２００１−１２０８３２号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来技術の場合には、以下のような問題点がある。すなわち、上述した従来技術の場合、遊技店の閉店時など紙幣の回収作業時に、紙幣収納ユニットを取り出して開けることにより紙幣の回収をおこなうようにしているが、紙幣収納ユニット内に収納されている紙幣の有無を確認する手段がないため、紙幣の回収忘れ（未回収）が発生する恐れがある。
【０００７】
そして、このような、紙幣の未回収を防止するためには、その都度、紙幣収納ユニットを開けて紙幣の有無を確認する作業が必要なことから、作業効率が悪いという問題がある。
【０００８】
また、紙幣回収作業の途中や終了時に、貸出処理機から取り出した紙幣収納ユニットの装着を忘れる、或は装着が不十分となる恐れもあり、このような紙幣収納ユニットの未装着は、セキュリティの観点から問題となる。
【０００９】
そこで、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、紙幣収納ユニット内に収納された紙幣の有無および紙幣収納ユニットの着脱を判定することにより、紙幣の未回収および紙幣収納ユニットの装着不良を確実に防止することができる遊技媒体貸出システムを提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上金額として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、前記紙幣を内部に収納するとともに、当該収納紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能な紙幣収納ユニットと、前記貸出処理機内に装着された紙幣収納ユニットを取り出し阻止状態に施錠するロック機構部と、前記ロック機構部により施錠された前記紙幣収納ユニットの解錠を許容する解錠制御手段と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態であるか、取り出し阻止状態にあるかを検知する許容／阻止状態検知手段と、前記紙幣収納ユニットに収納される紙幣の有無を検知する紙幣検知手段と、前記許容／阻止状態検知手段および前記紙幣検知手段による検知結果に基づいて、前記紙幣収納ユニット内の紙幣回収状態を判定する紙幣回収判定手段と、を備えることを特徴とする。
【００１１】
また、本発明は、前記紙幣回収判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第２の検知出力から前記第１の検知出力へ切り換わったときに、前記紙幣検知手段から検知出力を取得し、紙幣有りを検知している場合に、紙幣の未回収があると判定することを特徴とする。
【００１２】
また、本発明は、前記紙幣回収判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第１の検知出力から前記第２の検知出力への切り換わり後、さらに所定時間経過後に、前記紙幣検知手段から検知出力を取得し、紙幣有りを検知している場合に、紙幣の未回収があると判定することを特徴とする。
【００１３】
また、本発明は、前記貸出処理機は、前記紙幣回収判定手段により紙幣が未回収であると判定された旨を、外部に対して報知する外部報知手段をさらに備えることを特徴とする。
【００１４】
また、本発明は、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上金額として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、前記紙幣を内部に収納するとともに、当該収納紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能な紙幣収納ユニットと、前記貸出処理機内に装着された紙幣収納ユニットを取り出し阻止状態に施錠するロック機構部と、前記ロック機構部により施錠された前記紙幣収納ユニットの解錠を許容する解錠制御手段と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるか、取り出し阻止状態にあるかを検知する許容／阻止状態検知手段と、前記許容／阻止状態検知手段による検知結果に基づいて、前記紙幣収納ユニットの状態不良を判定する状態不良判定手段と、を備えることを特徴とする。
【００１５】
また、本発明は、前記状態不良判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第１の検知出力から前記第２の検知出力への切り換わり後、さらに所定時間経過しても、前記第２の検知出力から前記第１の検知出力への切り換わりがないときに、紙幣収納ユニットの取り出し阻止状態への復帰不良があると判定することを特徴とする。
【００１６】
また、本発明は、前記貸出処理機は、前記状態不良判定手段により紙幣収納ユニットの取り出し阻止状態への復帰不良があると判定された旨を、外部に対して報知する外部報知手段をさらに備えることを特徴とする。
【００１７】
また、本発明は、前記外部報知手段による報知は、前記管理サーバに対しておこなうことを特徴とする。
【００１８】
また、本発明は、前記外部報知手段による報知は、前記貸出処理機に対応して設けられる表示手段による点灯或は点滅による報知であることを特徴とする。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、パチンコ遊技に対して本発明に係る遊技媒体貸出システムを適用する場合の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概要および特徴を説明した後に、この遊技媒体貸出システムの構成を説明し、その後、各種処理の手順を説明し、最後に、他の実施の形態として種々の変形例を説明することとする。
【００２１】
（遊技媒体貸出システムの概要および特徴）
まず最初に、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概要および特徴を説明する。図１は、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概要を示す説明図である。図２は、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概略構成を示す機能ブロック図である。図３は、管理サーバ２００の構成を示す機能ブロック図を、図４は、中央管理装置１００の構成を示す機能ブロック図をそれぞれ示している。
【００２２】
この遊技媒体貸出システムでは、図１、２に示すように、それぞれ「島」と呼ばれるグループごとに複数の遊技機（以下、『パチンコ機』と称する）が併設されるとともに、これらパチンコ機１０にはそれぞれ１台ずつペアとなるように遊技媒体貸出処理機（以下、『玉貸出処理機』と称する）がパチンコ機１０の相互間に挟まれるように据置されており、遊技客により各玉貸出処理機２０に挿入された紙幣（現金）による入金情報は売上情報として、中継器３００を介して接続された管理サーバ２００に対して送信され、この管理サーバ２００により各玉貸出処理機２０の売上情報（金額）が個別に管理されている。
【００２３】
さらに、この管理サーバ２００は、第三者機関によって運営管理される中央管理装置１００に接続され、管理サーバ２００により集計された各玉貸出処理機２０の売上情報は、中央管理装置１００に対して送信される。以上のように、中央管理装置１００により複数の遊技店（遊技店Ａ、Ｂ、Ｃ・・・）の総売上金額を統括的に管理する遊技媒体貸出システムが構築されている。
【００２４】
ここで、かかる遊技媒体貸出システムにおいて、ＢＶユニット部５０の装着／突出状態を装着／突出検知センサ８１（許容／阻止状態検知手段）により検知するとともに、紙幣収納部５１内の紙幣の有無を紙幣検知センサ５４（紙幣検知手段）により検知し、これら装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４による検知結果に基づいて、玉貸出処理機２０の本体２１に対するＢＶユニット部５０の閉め忘れ（装着不良）および紙幣の回収忘れ（未回収）を判定することに主たる特徴があり、かかる一連の手順によってリモコン９０の解錠指示通知によりＢＶユニット部５０を本体２１内から突出させた後の未装着および紙幣の回収作業時に発生する紙幣の未回収を確実に防止できるようにしている。
【００２５】
この主たる特徴を具体的に説明すると、紙幣の回収時には、リモコン９０により解錠対象とする玉貸出処理機２０に対して解錠指示通知をおこない、この解錠指示通知によりＢＶユニット部５０の突出移動がおこなわれたことを、装着／突出検知センサ８１の検知出力が切り換わることで判定する（ＯＮ→ＯＦＦ）。
【００２６】
すなわち、装着／突出検知センサ８１による検知出力は、ＢＶユニット部５０が玉貸出処理機２０の本体２１内に装着されている時には、装着／突出検知センサ８１は、遮蔽板６６により遮蔽されているためＯＮとなっており、一方、ＢＶユニット部５０が本体２１から突出した時には、装着／突出検知センサ８１の検知部に対する遮蔽がなくなるため、検知出力はＯＦＦとなる。
【００２７】
そして、この時、ほぼ同時に紙幣収納部５１内の紙幣の有無を紙幣検知センサ５４により取得するとともに、この紙幣検知センサ５４の検知出力が切り換わった場合には（ＯＮ→ＯＦＦ）、紙幣の回収が実行されたと判定する。なお、紙幣検知センサ５４の検知出力は、紙幣収納部５１内に紙幣が収納されている場合、ＯＮとなる。
【００２８】
この一方、紙幣検知センサ５４の検知出力がＯＮのままである場合に、紙幣の回収忘れ（未回収）があると判定する。さらに、装着／突出検知センサ８１によりＢＶユニット部５０の突出を検知した後、所定時間経過しても、この装着／突出検知センサ８１による検知出力が切り換わらない場合には、ＢＶユニット部５０の閉め忘れ（未装着）が発生したと判定する。
【００２９】
また、本実施の形態では、紙幣の回収忘れ（未回収）が発生した時やＢＶユニット部５０の未装着時には、管理サーバ２００に対して異常（紙幣の未回収／ＢＶユニット部５０の未装着）が発生した旨を通信により報知するようにしている。また、紙幣の未回収およびＢＶユニット部５０の装着不良を貸出処理機２０の表示ランプ２２の点灯（点滅）などにより警告するようにしている。すなわち、これによって紙幣の未回収およびＢＶユニット部５０の未装着をランプの表示により容易且つ確実に報知できるようにしている。
【００３０】
以上のように、本実施の形態では、ＢＶユニット部５０の着脱および紙幣収納部５１内に収納される紙幣の有無を装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４により取得できるため、ＢＶユニット部５０の未装着および紙幣の未回収を的確に判断することができる。
【００３１】
（遊技媒体貸出システムの構成）
次に、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの構成を説明する。この遊技媒体貸出システムにおける玉貸出処理機２０は、概略的に、遊技客により投入された紙幣（例えば、１０００円札の現金）を受け入れて、遊技媒体である所定数の遊技玉（パチンコ玉）を投出するようにパチンコ機１０に対して指示する機能とともに、この紙幣投入時の入金情報をメモリ２７内（図８参照）に一時記憶し、この入金情報を売上情報としてリアルタイムで管理サーバ２００に通知する機能を備えている。このため、各玉貸出処理機２０と管理サーバ２００とは中継器３００を介して通信自在に構成されている。
【００３２】
また、後述するように、玉貸出処理機２０は、店内に取り付け固定された枠体３０（図６および７参照）に対して着脱自在に構成されており、この枠体３０にはジョイント基板３１が設けられている。そして、通常（オンライン時）では、玉貸出処理機２０による売上情報は、メモリ２７内に格納され、玉貸出処理機２０の交換時或いは、玉貸出処理機２０と管理サーバ２００間での通信断線時（オフライン時）には、玉貸出処理機２０のメモリ２７内に記憶された売上情報は枠体３０側のメモリ３２内（ジョイント基板３１）に蓄積されることとなる。
【００３３】
中継器３００（ＨＵＢ）は、各「島」内に１基ずつ据置されており、各「島」内のネットワークケーブルを束ねる集線装置（コンセントレータ）としての機能を備えている。本実施の形態では、それぞれの中継器３００は、シリアル接続（ディジーチェーン）により構成されている。
【００３４】
管理サーバ２００は、概略的に、遊技媒体貸出システムを構成する各機器の制御をおこなうものであり、各玉貸出処理機２０に投入された紙幣による入金情報を個別の売上情報として取得する機能を備えている。具体的には、各玉貸出処理機２０の識別ＩＤに基づいて、個々の玉貸出処理機２０ごとに投入された紙幣による入金情報を売上情報として集計し、管理する機能を備えている。なお、この管理サーバ２００は、遊技店内に配置されているが中央管理装置１００を管理する第三者機関により設置される。
【００３５】
図３に示すように、管理サーバ２００は、管理サーバデータベース２１０と、玉貸出処理機２０および中央管理装置１００と通信をおこなうための通信Ｉ／Ｆ２２０と、メニュー画面や売上情報を表示する表示部２１６と、各種指示入力を受け付ける入力部２１７と、管理サーバ２００の全体制御用の制御部２１５とを備えている。
【００３６】
管理サーバデータベース２１０は、玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤに関連付けた入金情報を玉貸出処理機の設置場所（号機）ごとに記憶する処理部である。具体的には、図１６（ｂ）に示すように、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、取引日時、玉貸出処理機２０を特定する本体識別ＩＤ、枠体を特定する枠体識別ＩＤ、遊技台の番号、売上金額、玉貸出処理機本体の識別ＩＤおよび枠体の識別ＩＤの組み合わせによって取引を一意に特定するための取引ＩＤという７項目のフィールドが設けられている。
【００３７】
通信Ｉ／Ｆ２２０は、玉貸出処理機２０の通信Ｉ／Ｆ２６（図８参照）および中継器３００を介して各玉貸出処理機２０による売上情報を通信により受信する機能および中央管理装置１００の通信Ｉ／Ｆ１３０（図４参照）を介して管理サーバ２００により集計された各玉貸出処理機２０の売上情報を送信する機能を備えている。
【００３８】
表示部２１６は、管理サーバ２００の操作をおこなう管理責任者に対して、管理サーバデータベース２１０の情報やメニュー画像（設定画面）を表示として出力する出力手段であり、モニタなどにより構成される。後述するように、この表示部２１６には、玉貸出処理機２０に対する異常状態（紙幣未回収／ＢＶユニット部５０の未装着）を表示することができる（図１９参照）。
【００３９】
入力部２１７は、各種の情報を入力するキーボード、マウスおよびトラックボールなどの指示入力手段であり、管理サーバ２００の管理責任者から管理サーバデータベース２１０の閲覧の受け付けまたは玉貸出処理機２０の設定の受け付けなどの遊技店の売上管理に係る指示の受け付けをおこなう。
【００４０】
図４に示すように、中央管理装置１００は、各遊技店（遊技店Ａ、Ｂ、Ｃ・・・）に配置された管理サーバ２００との間で相互に通信をおこなうことにより、管理サーバ２００が取得した玉貸出処理機２０の売上情報に基づいて、各遊技店ごとの総売上集計、各玉貸出処理機２０の管理などをおこなう機能を有し、図４に示すように、、中央管理制御部１１０と、表示部１１５と、遊技店管理データベース１２０と、通信Ｉ／Ｆ１３０とを備える。
【００４１】
ここで、本実施の形態における遊技媒体貸出システムは、プリペイドカードなどの媒体を使用することなく、玉貸出処理機２０に投入される紙幣（現金）による入金情報を売上情報として、管理サーバ２００に通知をおこなうとともに、管理サーバ２００により各玉貸出処理機２０の売上情報を集計管理し、これら各玉貸出処理機２０の集計データを中央管理装置１００に通知するシステムである。
【００４２】
このため、玉貸出処理機２０および枠体３０のそれぞれには、予め個別の識別ＩＤ（玉貸出処理機２０の識別ＩＤ、枠体３０の枠体識別ＩＤ）が付与されており、これら２つの識別ＩＤは、玉貸出処理機２０の電源ＯＮ時（遊技店の開店時、玉貸出処理機２０の交換時等）、この玉貸出処理機２０から管理サーバ２００に対して通信により通知され、管理サーバ２００内に設けられた管理サーバデータベース２１０内に自動的に登録され、以降、各玉貸出処理機２０は、遊技客により投入された紙幣による入金ごとに管理サーバ２００に対して入金額（売上金額）をリアルタイムに通知するものとなる。
【００４３】
一方、管理サーバ２００では、玉貸出処理機２０からの通信情報（売上金額）を受信し、玉貸出処理機２０および枠体３０の識別ＩＤに関連付けて、更新および集計をおこなう。なお、遊技店内には遊技機１０および玉貸出処理機２０に接続されたホールコンピュータ（図示せず）が備えられており、このホールコンピュータにより賞球、出球率などの遊技情報に基づいて遊技店内の総売上が管理されることとなっている。
【００４４】
次に、図５〜８を参照して玉貸出処理機２０およびパチンコ機１０における構成の詳細について説明する。図５は、図２に示した遊技媒体貸出システムで適用する玉貸出処理機２０およびパチンコ機１０の外観正面図、図６は、玉貸出処理機２０を示す側面図（枠体３０との連結状態）、図７は、枠体３０と玉貸出処理機２０との分離状態を示す図をそれぞれ示している。図８は、玉貸出処理機２０の概要構成を示す機能ブロック図である。また、図９は、ＢＶユニット制御部５６の概要構成を示す機能ブロック図である。
【００４５】
図５に示すように、玉貸出処理機２０は、外見上縦長に構成したもので、玉貸出処理機本体部２１と、この本体部２１よりも前方（図６の右側）に向けて僅かに突出するように形成されたＢＶユニット部５０とを備えている。
【００４６】
さらに、遊技機であるパチンコ機１０の上部には、呼出ランプ１０ａが配置される（図５参照）。この呼出ランプ１０ａは、複数のランプ類１０ｂや台番号表示部１０ｃを備えており、パチンコ機１０において大当たり状態が発生した場合や、遊技客によって所定操作がおこなわれた場合に、ランプ類１０ｂが点灯して周囲（他の遊技客や店員）に状態を知らせるものである。また、パチンコ機１０の台番号表示部１０ｃには台番号（例えば、『１１３番』）が表示される。
【００４７】
後述するように、このＢＶユニット部５０は、リモコンによる解錠操作により本体部２１から自動的に突出可能に構成されている。また、玉貸出処理機２０の本体部２１の前面パネルには、表示ランプ部２２、表示部２３、リモコン用受光部２４とを備えている。
【００４８】
ここで、図６、７に示すように、この玉貸出処理機２０は遊技店内に取り付け固定された枠体３０に対して着脱自在となっており、具体的には、玉貸出処理機２０を枠体３０に対して連結させ玉貸出処理機２０および枠体３０の上下に位置するコネクタを相互に嵌め込むことにより、この玉貸出処理機２０をパチンコ機１０に隣接した位置に据置することができる。
【００４９】
表示ランプ２２は、玉貸出処理機２０の稼働状態を３色（緑色、赤色、黄色）のランプにより報知する機能を備えている。具体的に説明すると、緑色ランプの点灯は、正常動作を、赤色ランプの点灯は、玉貸出処理機２０に何らかの異常が発生し使用不可能になっているときの表示であり、本例では、ＢＶユニット部５０が未装着となっている状態や紙幣の回収時に紙幣の未回収が発生したことを異常状態として報知できるようにしている。また、黄色ランプの点灯は、通信経路等に異常が生じているものの、玉貸出処理機２０の使用が可能な状態をそれぞれ示している。
【００５０】
表示部２３は、玉貸出処理機２０のエラー状態をエラーコードなどで表示する機能を備えている。リモコン用受光部２４は、リモコンにより送信された送信信号に基づいて、玉貸出処理機２０のエラー状態をリセットするエラーリセット信号および解錠許可信号を受信する機能を備えている。
【００５１】
制御部２５は、玉貸出処理機２０における各処理を一括してコントロールする制御機能を備えており、ＯＳ（Operating System）などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、機能概念的に、玉貸制御部７０と、異常通知判定部８３とを備える。このうち、玉貸制御部７０は、パチンコ機１０に対して玉の投出を指示する機能を備えている。また、異常通知判定部８３は、ＢＶニット部５０が未装着となっている状態や紙幣の回収時に紙幣の未回収が発生したことを判定する機能を備えている。
【００５２】
メモリ２７は、玉貸出処理機２０の記憶部としての機能を備えており、このメモリ２７内には、売上情報記憶テーブル２８を備えている。売上情報記憶テーブル２８は、紙幣による入金情報を売上情報として玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤの組み合わせごとに記憶するテーブルである。
【００５３】
具体的には、図１６（ａ）に示すように、玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤの組み合わせ（取引ＩＤ）ごとの複数の領域に、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、玉貸出処理機２０を特定する本体識別ＩＤ、枠体を特定する枠体識別ＩＤ、遊技台の番号および売上金額を記憶するものとしている。８０は、玉貸出処理機２０に対して、ＡＣ電源（１００Ｖ）による電圧を供給するための電源部である。
【００５４】
通信Ｉ／Ｆ２６（インターフェース）は、オンライン状態では、管理サーバ２００に対して各玉貸出処理機２０による売上情報をリアルタイム通信により送信する機能を備えている。
【００５５】
ＢＶユニット部５０は、紙幣投入口１５、紙幣収納部５１、紙幣識別部５２、紙幣検知センサ５４、紙幣有無判定部５５とを備えている。紙幣投入口１５は、紙幣（本例では、１０００円札）を受け入れて、この紙幣を紙幣収納部５１に取り込むための開口である。紙幣収納部５１は、遊技客により紙幣投入口１５から投入された紙幣を収納する機能を備えている。つまり、本例では、店員により紙幣収納部５１内に収納された紙幣を回収するようにしている。このため、紙幣を島端へ搬送する紙幣搬送路および島端において紙幣を回収する紙幣回収ボックスが不要となる。
【００５６】
紙幣識別部５２は、遊技客により紙幣投入口１５から投入された紙幣に対する金額情報の判定（識別）および金額情報を記憶する紙幣処理機能を備えており、遊技客により投入された紙幣を受け入れて識別し、正常と判定される紙幣については、その識別結果および金額情報は制御部２５に通知される。一方、投入された紙幣が識別不能な紙幣については、紙幣投入口１５を通じて返却するものとなる。
【００５７】
ＢＶロック機構部５３は、ＢＶユニット部５０の施錠をおこなう機構を備えており、このＢＶロック機構部５３によるロック（施錠）の解錠は、遊技店の店員や管理者が所持するリモコン９０による解錠操作によりおこなわれる。ここのＢＶロック機構部５３の概略については、後述する。
【００５８】
ＢＶユニット制御部５６は、紙幣検知センサ５４による検知および紙幣有無判定部５５による判定結果に基づいて、ＢＶロック機構部５３によるロック（施錠）を制御する機能を備えている。具体的に、本例では、紙幣検知センサ５４により、紙幣収納部５１内に紙幣が有る場合には、この玉貸出処理機２０は、解錠対象とする。具体的には、後述するように、ロック機構部を構成するソレノイド６０に通電をし、この通電によりロック機構の解錠をおこなう。
【００５９】
以下、図９を参照して、ＢＶユニット制御部５６の詳細について説明する。図９は、ＢＶユニット制御部５６の概要構成である機能ブロック図を示している。同図に示すように、ＢＶユニット制御部５６は、装着／突出判定部５８、紙幣回収判定部５９、紙幣回収判定テーブル５９ａとを備えている。
【００６０】
装着／突出判定部５８は、装着／突出検知センサ８１による検知結果に基づいて、ＢＶユニット部５０が玉貸出処理機２０の本体部２１から突出或は装着されたことを判定する機能を備えている。
【００６１】
紙幣回収判定部５９は、装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４による検知結果に基づいて、紙幣収納部５１内の紙幣が回収されたか否かを判定する機能を備えている。具体的には、装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４による検知結果を取得するとともに、ＢＶユニット部５０の離脱を装着／突出検知センサ８１の検知出力の変化により判定し、さらに、紙幣検知センサ５４による検知出力を再度、取得し、変化があった際には、紙幣の回収が完了したと判定する。
【００６２】
紙幣回収判定テーブル５９ａは、装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４による検知結果に基づいて、紙幣の未回収およびＢＶユニット部５０の装着不良を判定する条件が格納された判定テーブルとして機能する。
【００６３】
一方、枠体３０の上部位置には、ジョイント制御基板３１が設けられており、このジョイント基板３１は、玉貸出処理機２０を入れ替えた際および通信状態に異常が発生している間（オフライン時）の売上情報（データ）の保存用として機能するメモリ３３を備えている。このメモリ３３の内部には、パチンコ機１０の遊技台番号に対応するとともに、玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤに関連付けた入金情報を格納する売上情報記憶テーブル３３が設けられている。
【００６４】
また、遊技機であるパチンコ機１０はその前面が遊技領域１１および下方に設けた上皿１２とにより構成され、その内部には玉投出機構部１３が設けてある。この玉投出機構部１３は、玉貸出処理機２０の制御部２５から貸玉投出要求が与えられた場合、並びにパチンコ機１０による賞玉投出要求が与えられた場合に、それぞれパチンコ機１０の上皿１２に所定数のパチンコ玉を投出する部分である。
【００６５】
次に、図１０〜図１２を参照して、本実施の形態１に係るＢＶユニット部５０に対する解錠機構について説明する。図１０は、紙幣の回収時に、玉貸出処理機本体２１に対してＢＶユニット部５０を突出させた状態を示す斜視図である。
【００６６】
すなわち、図１０に示すように、ＢＶロック機構部５３は、遊技店の管理者などが所持するリモコン９０（図１３）による操作（解錠指示信号の送信）に基づいて、ロック機構部５３によるロックが解錠する機構となっている。具体的には、管理者が玉貸出処理機２０のリモコン用受信部２４に向けて、リモコンの個別解錠キー９１（図１３）をＯＮ操作するとＢＶユニット部５０が玉貸出処理機２０の前方（図１０の矢印Ａ方向）に突出するとともに、紙幣収納部５１が開口する機構となっている。これにより、紙幣収納部５１に収納された紙幣を回収するものとなる。ＢＶユニット部５０は、紙幣収納部５１内に紙幣を収納するとともに、この収納された紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能となるように構成されている。
【００６７】
一方、ＢＶユニット部５０の装着（施錠）は、前方に突出した状態のＢＶユニット部５０を手で本体２１側（図１０の矢印Ｂ方向）に向けて、押し込むことにより、ＢＶロック機構部５３を作動させることができる。後述するように、ロック機構部５３の作動は、ソレノイド６０に対する通電のＯＮ／ＯＦＦによりおこなう。以下、図１１（ａ）、（ｂ）を参照して、ＢＶロック機構部５３の詳細を説明する。
【００６８】
すなわち、図１１（ａ）に示すように、ＢＶロック機構部５３は、ソレノイド６０、ロックレバー６１、アンカー板７５、押圧板ばね７１とから構成されている。また、ＢＶユニット部５０の上下位置には、スライドレール７４が設けられているため、このＢＶユニット部５０はスライドレール７４に沿って、装着方向および取り出し方向に平行移動することができる。
【００６９】
アンカー板７５の上端部には押圧板ばね７１の基端部が取り付けられ、この押圧板ばね７１の先端部は、紙幣収納部５１を構成する筐体（ケース）の後端部に当接されている。
【００７０】
このため、常時、ＢＶユニット部５０は、押圧板ばね７１の弾力により、ＢＶユニット部５０が突出する方向（図１１のＡ方向）に向けて押圧されている。ロックレバー６１の先端部には、鉤部６２が形成されており、この鉤部６２は、アンカー板７１に形成された係合ピン７２と係合可能となっている。
【００７１】
また、引っ張りばね７３の一端（図１１の上側）は、アンカー板７１の上部に延出された取り付け部７１ａに、他端（図１１の下側）は、ロックレバー６１の基端部に取り付けられている。このため、ソレノイド６０のＯＦＦ時（非通電時）、ロックレバー６１は、引っ張りばね７３の弾力により支軸７８を支点として、時計方向に偏奇するため、この弾力によりロックレバー６１の鉤部６２とアンカー板７１の係合ピン６２とが係合し、これにより、ＢＶユニット部５０に対するロック（施錠）をおこなわれるものとなる。なお、ソレノイド６０に対する通電のＯＮ／ＯＦＦは、ＢＶユニット制御部５６による通電制御によりおこなわれる。
【００７２】
ここで、５４は、紙幣収納部５１内に収納された紙幣の有無を判定する紙幣検知センサを示しており、この紙幣検知センサ５４には、反射型の光センサが使用されているため、紙幣が紙幣収納部５１内に収納されている場合（未回収時）、この紙幣検知センサ５４による検知出力はＯＮとなる。また、８１はＢＶユニット部５０の装着／突出を検知するための装着／突出検知センサを示しており、本例の装着／突出検知センサ８１には、反射型のフォトインタラプタが使用されている。そして、玉貸出処理機本体２１内にＢＶユニット部５０が装着されている際、この装着／突出検知センサ８１の検知部は、遮蔽板６６（図１２）により遮蔽されているため、検知出力はＯＮとなる。
【００７３】
一方、図１１（ｂ）に示すように、ソレノイド６０のＯＮ時（通電時）には、このソレノイド６０の作動（ＯＮ）にともなって、引っ張りばね７３の弾力に抗して、ロックレバー６１の鉤部６２とアンカー板７１の係合ピン７２との係合が外れる。これにより、ＢＶユニット部５０は、押圧板ばね７１の押圧力により、スライドレール７４に沿って、図１１（ｂ）の矢印Ａ方向に向けて突出する。これにより、ＢＶユニット部５０に対する解錠をおこなうことができる。また、前述したように、ＢＶユニット部５０に対する施錠は、このＢＶユニット部５０を手により、図１１（ｂ）の矢印Ｂ方向に向けて、押し込むことによりおこなうことができる。
【００７４】
以上のように、本例のロック機構部５３の場合には、リモコンによる操作で簡単に解錠をおこなうことができ、ロック（施錠）は手動により容易におこなうことができるため、従来のように店員が解錠用の鍵などを持ち歩く必要がなくなるうえ、紙幣収納部５１内の紙幣を島端へ搬送する紙幣搬送路および島端において紙幣を回収する紙幣回収ボックスが不要となる。
【００７５】
次に、図１２（ａ）、（ｂ）を参照して装着／突出検知センサ８１によるＢＶユニット部５０の着脱検知の詳細について説明する。ここで、前述したように、本例の装着／突出検知センサ８１は、反射型のフォトインタラプタが採用されており、玉貸出処理機本体２１内にＢＶユニット部５０が装着されている場合、装着／突出検知センサ８１は、遮蔽板６６（図１２）により遮蔽されているため、この装着／突出検知センサ８１による検知出力はＯＮとなる。
【００７６】
以下、具体的に説明する。図１２（ａ）、は、ＢＶロック機構部のロック状態を、（ｂ）は、ＢＶロック機構部のロック解錠状態をそれぞれ示す要部拡大図である。すなわち、図１２（ａ）に示すように、玉貸出処理機２０の本体２１内に、ＢＶユニット部５０が装着されている場合には、装着／突出検知センサ８１の検知部は、アンカー板７５の遮蔽板６６により遮蔽されているため、その検知出力は、ＯＮとなっている。
【００７７】
一方、前述したように、リモコン９０による解錠指示通知の受信時には、ソレノイド６０が作動（ＯＮ）するため、この作動にともなって、ＢＶユニット部５０は、押圧板ばね７１の押圧力により、スライドレール７４に沿って、図１２（ｂ）の矢印Ａ方向に向けて突出（移動）する。すなわち、ＢＶユニット部５０の前方への移動にともなって、アンカー板６１の遮蔽部６６も装着／突出検知センサ８１の検知部から離脱するものとなり、この着脱検知センサ５７による検知出力はＯＦＦとなる。以上のように、本例では、着脱検知センサ５７の検知出力（ＯＮ／ＯＦＦ）を取得することにより、ＢＶユニット部５０の取り出し（離脱）および装着を判定している。
【００７８】
次に、本発明の遊技媒体貸出システムにおいて適用されるリモコンの概要について説明する。図１３（ａ）は、遊技店の管理者などが所持する管理者用のリモコン、図１３（ｂ）は、一般の係員（店員）が所持するリモコンをそれぞれ示す外観図である。
【００７９】
このリモコンは、内部にＩＣ回路、近赤外線を送出する発光ダイオードなどを備えた無線式の遠隔操作装置であり、図１３（ａ）に示す管理者用のリモコンの筐体を構成する前面パネル部には、エラーの発生時に、リセット処理をおこなうリセットキー、個別の玉貸出機２０の解錠を対象とする個別解除キー９１、遊技店の島内に設けられた複数の玉貸出機２０の解錠を対象とする島解除キー９２、暗証番号を入力するためテンキー（０〜９）などが設けられている。リモコンの先端部には、リセット信号、解錠信号などを送出するためのレーザ発振部が設けられている。なお、図１３（ｂ）に示した店員用のリモコンは、主に玉貸出機２０に発生したエラー表示などのリセット処理をおこなう際に使用される。
【００８０】
（各種処理の手順）
次に、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムによる各種処理の手順を説明する。なお、ここでは、本発明に係る本発明に係る遊技媒体貸出システムの「基本制御手順」を説明した後に、遊技媒体の貸出をおこなう「オンライン制御工程」について説明し、次いで、本発明の特徴である紙幣回収工程の詳細について説明する。
【００８１】
＜基本制御手順＞
図１４は、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの基本制御手順を示すフローチャートである。すなわち、本発明の遊技媒体貸出システムは、大別して（１）開店時設定工程（ステップＳＡ１００）、（２）オンライン制御工程（ステップＳＡ２００）、（３）紙幣回収工程（ステップＳＡ３００）、（４）定期通信工程（ステップＳＡ４００）、（５）閉店時設定工程（ステップＳＡ５００）の５つの処理工程により構成されている。まず、これら（１）〜（５）の各制御工程について詳細に説明する。
【００８２】
（１）開店時設定工程
開店時設定工程は、管理サーバ２００により実行される開店通知による開店処理であり、この開店処理は、開店通知として、第三者機関である中央管理装置１００および遊技店内の各玉貸出処理機２０に対してその旨が通知されるものとなる。
【００８３】
すなわち、前述したように、玉貸出処理機２０および枠体３０のそれぞれには、予め個別の識別ＩＤ（玉貸出処理機本体の識別ＩＤ、枠体の枠体識別ＩＤ）が付与されており、これら２つの識別ＩＤは、玉貸出処理機２０の電源ＯＮ時、この玉貸出処理機２０から管理サーバ２００に対して通信により通知されるとともに、これら玉貸出処理機２０の識別ＩＤ、枠体の枠体識別ＩＤは、管理サーバ２００内に設けられた管理サーバデータベース２１０内に自動的に登録される。以降、管理サーバ２００は、各玉貸出処理機２０からリアルタイムで通知される売上情報を管理サーバデータベース２１０内に格納するとともに、紙幣の投出に伴って売上情報の更新をおこなうこととなる。
【００８４】
（２）オンライン制御工程（通常時）
オンライン制御工程は、遊技客によって玉貸出処理機２０に対して現金（紙幣）が投入された際、この玉貸出処理機２０からパチンコ機１０に対して、玉を貸し出す玉貸し出し命令を通知するとともに、投入された紙幣による売上情報を玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤに関連付けて管理サーバ２００に対して通知し、さらに管理サーバ２００が売上情報を中央管理装置１００に通知する処理工程である。
【００８５】
ここで、前述したように、玉貸出処理機本体２１および枠体３０は、当該貸出処理機本体３１および当該枠体３０それぞれを一意に特定するための識別子が付与されるものであって、玉貸出処理機２０は、玉貸出処理機本体２１の識別子および枠体２２１の識別子の組み合わせに対応付けて玉貸出処理機本体２１のメモリ２７および枠体３０のメモリ３２に売上情報を書き込むようにしている。例えば、玉貸出処理機本体２１のメモリ２７に不具合が生じた場合などでは、紙幣による入金情報を玉貸出処理機２０の識別子および枠体３０の識別子に関連付けて、玉貸出処理機２０のメモリ２７に書き込むとともに、枠体３０のメモリ３２に書き込む。その後、玉貸出処理機２０のメモリ２７および枠体３０のメモリ３２に書き込まれた売上情報を管理サーバ２００に通知するようにしている。
【００８６】
なお、管理サーバ２００から中央管理装置１００に対して送信される売上情報の通知は、通常はリアルタイム通信により、逐次おこなわれるが、一定時間ごとにおこなうようにしてもよい。
【００８７】
（３）紙幣回収工程
紙幣回収工程は、遊技店の店員或いは管理者が所持するリモコンの操作により玉貸出処理機２０に備えたＢＶユニット部５０の解錠をおこない、このＢＶユニット部５０の内部に収納されている紙幣を回収する処理工程であり、遊技店の営業時間内および閉店時に適宜おこなわれる。本紙幣回収工程の詳細については、後述する。
【００８８】
（４）定期通信工程
定期通信工程は、遊技店の営業時間内において、管理サーバ２００と中央管理装置１００との間で実施される相互間の接続状態やエラーログなどを定期的に確認する処理工程である。
【００８９】
（５）閉店時設定工程
閉店時設定工程は、各玉貸出処理機２０から１日の売上情報を管理サーバ２００により全て取得するとともに、中央管理装置１００に対して集計売上情報を送信する処理工程である。この際、管理サーバ２００から閉店通知信号が中央管理装置１００および玉貸出処理機２０に対して送信される。
【００９０】
以下、図１５のフローチャートを参照して、本実施の形態１におけるオンライン制御手順（通常動作時）を説明する。この図１５に示すフローチャートは、管理サーバ２００と玉貸出処理機２０との間でおこなわれる処理手順である。
【００９１】
すなわち、遊技客により玉貸出処理機２０の紙幣投入口１５に紙幣（１０００円札）が投入されると（ステップＳ１００）、ＢＶユニット５０は、投入された紙幣の真偽を紙幣識別部５２により正常な紙幣か否かを判定する（ステップＳ１１０）。そして、ステップＳ１１０による判定により紙幣が不良紙幣と判定された場合には（ステップＳ１１０否定）、紙幣投入口１５を通じて返却する（ステップＳ１１５）。
【００９２】
一方、投入された紙幣が正常な紙幣と判定された場合には（ステップＳ１１０肯定）、この紙幣を紙幣収納部５１内に収納するとともに、次の、ステップＳ１２０による玉貸出し処理に移行する（ステップＳ１２０）。具体的には、玉投出機構部１３によりパチンコ機１０に対して、１０００円分の玉の貸し出しをおこなう。
【００９３】
これにより、パチンコ機１０の上皿１２には、１０００円分の玉の投出がおこなわれ、遊技客による遊技が可能となる。以下、玉貸出処理機２０では、遊技客により投入された入金情報を売上情報として、この売上情報をメモリ２７内の売上情報記憶テーブル２８内に格納する（ステップＳ１３０）。
【００９４】
図１６（ａ）は、玉貸出処理機２０のメモリ２７内および枠体３０のメモリ３２内に備えられた売上情報記憶テーブル２８、３３の一例を示している。同図に示すように、売上情報記憶テーブル２８、３３は、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、玉貸出処理機本体を特定する本体識別ＩＤ、枠体を特定する枠体識別ＩＤ、遊技台の番号、売上金額、取引時に設定される取引識別ＩＤという６項目のフィールドが設けられている。
【００９５】
すなわち、図１６（ａ）は、台番号１００番のパチンコ機１０で遊技をおこなう遊技客が玉貸出処理機２０（本体識別ＩＤ：ＸＸＸＸ１、枠体識別ＩＤ：ＹＹＹＹ１）に１０００円投入したときの売上情報記憶テーブル２８および台番号１０１番のパチンコ機１０で遊技をおこなう遊技客が玉貸出処理機２０（本体識別ＩＤ：ＸＸＸＸ２、枠体識別ＩＤ：ＹＹＹＹ２）に１０００円投入したときの売上情報記憶テーブル２８を示している。そして、これら各フィールドには、遊技客が玉貸出処理機２０に紙幣を投入する都度、記憶データとして格納され、売上情報記憶テーブル２８内の売上情報は、リアルタイムで管理サーバ２００に通知される。
【００９６】
図１５のフローチャートに戻り、玉貸出処理機２０では、通信Ｉ／Ｆ２６および中継器３００を通じて管理サーバ２００に対して識別ＩＤに対応付けた売上情報の通知をおこなう（ステップＳ１４０）。一方、管理サーバ２００では、玉貸出処理機２０から売上情報の通知を受信し（ステップＳ１５０）、この売上情報を管理サーバデータベース２１０内に格納する（ステップＳ１６０）。次いで、同一の識別ＩＤがあるか否かの判定をおこない（ステップＳ１７０）、同一の識別ＩＤがある場合には（ステップＳ１７０肯定）、同一の識別ＩＤに関連付けて売上情報の更新をおこなう（ステップＳ１８０）。
【００９７】
一方、ステップＳ１７０の判定により、玉貸出処理機２０から通知された識別ＩＤが無い場合は（ステップＳ１７０否定）、当該玉貸出処理機２０に対して取引停止指令を送信するとともに、エラー処理に移行し（ステップＳ１７５）、操作者（管理者）に報知する。ここで、店内に設定される全ての玉貸出処理機２０は、電源ＯＮ時（開店時或は、玉貸出処理機２０の交換時）に識別ＩＤを管理サーバ２００に登録されているのであるから、ステップＳ１７０において否定されることは、通常起こることではない。
【００９８】
以下、ステップＳ１８０により更新および集計された売上情報は、管理サーバ２００から中継器３００を通じて中央管理装置１００に対して送信される（ステップＳ１９０）。中央管理装置１００では、管理サーバ２００から通知された各玉貸出処理機２０による売上情報に基づいて、遊技店の総売上情報の管理をおこなうものとなる。
【００９９】
図１６（ｂ）は、管理サーバ２００内に備えられた管理サーバデータベース２１０の一例を示している。同図に示すように、管理サーバデータベース２１０は、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、取引時（紙幣投入時）の日付を示す取引日付、玉貸出処理機本体を特定する本体識別ＩＤ、枠体を特定する枠体識別ＩＤ、遊技台の番号、売上金額、取引時に設定される取引識別ＩＤという７項目のフィールドが設けられている。
【０１００】
この管理サーバデータベース２１０の各フィールドのうち売上金額は、玉貸出処理機２０から通知される識別ＩＤに関連付けられた売上情報に基づいて、照合がおこなわれるとともに、更新処理により更新された売上情報（金額）がリアルタイム通信或は所定のタイミングにおける通信により中央管理装置１００に送信される。
【０１０１】
再度、図１５のフローチャートに戻り、処理手順を説明する。すなわち、ステップＳ２００において、管理サーバ２００により紙幣の回収指示設定が有るか否かの判定をおこない（ステップＳ２００）、この紙幣回収指示が設定される場合には（ステップＳ２００肯定）、紙幣回収処理に移行する（ステップＳ２１０）。一方、ステップＳ２００の判定により紙幣回収指示設定がない場合には（ステップＳ２００否定）、そのまま処理工程は終了する（エンド）。
【０１０２】
図１７は、図１４に示した紙幣回収処理工程の詳細を説明するフローチャートである。通常、この紙幣回収処理工程は、遊技店の閉店時などに玉貸出処理機２０に対して、管理サーバ２００からの閉店信号の受信などにより、紙幣の回収指示が有る場合を想定して説明する。また、リモコン９０については、図１１（ａ）を参照して説明する。
【０１０３】
すなわち、先ず、ＢＶユニット部５０の紙幣収納部５１内に備えた紙幣検知センサ５４の検知出力を取得し（ステップＳ６００）、次いで、装着／突出検知センサ８１による検知出力を取得する（ステップＳ６１０）。前述したように、本例の紙幣検知センサ５４には、反射型のフォトインタラプタが使用されているため、紙幣が紙幣収納部５１内に収納されている場合（未回収時）、この紙幣検知センサ５４による検知出力はＯＮとなる。
【０１０４】
また、玉貸出処理機２０の本体２１内にＢＶユニット部５０が装着されている場合、装着／突出検知センサ８１は、遮蔽板６６（図１２）により遮蔽されているため装着／突出検知センサ８１による検知出力はＯＮとなる。つまり、ステップＳ６００およびステップＳ６１０による処理手順により、貸出処理機２０の本体２１内にＢＶユニット部５０が装着されており、紙幣収納部５１内に紙幣が収納されている状態を各センサ５４、８１に基づいて、取得する。
【０１０５】
ここで、以下のステップＳ６３０からの処理は、管理サーバ２００から貸出処理機２０に対して、閉店指示通知（紙幣回収指示）が送信された場合、或は、リモコン９０による解錠指示通知を貸出処理機２０が受信した場合を想定する。
【０１０６】
すなわち、リモコン９０により、玉貸出処理機２０に対して解錠指示通知が送信された場合（ステップＳ６２０）、装着／突出検知センサ８１による検知出力の切り換わり（出力変化）が有るか否かを判定する（ステップＳ６３０）。このステップＳ６３０による判定は、前記ステップＳ６００で取得した装着／突出検知センサ８１による検知出力と、解錠指示通知の受信時における装着／突出検知センサ８１による検知出力とを比較することにより、ＢＶユニット収納部５０が本体２１内から突出したかを判定する処理である。
【０１０７】
そして、このステップＳ６３０による判定により、装着／突出検知センサ８１による検知出力の切り換わりが有ると判定された場合には（ステップＳ６３０肯定）、次いで、紙幣検知センサ５４によって紙幣が検出されるか否かの判定に移行する（ステップＳ６４０）。このステップＳ６４０による判定は、紙幣検知センサ５４が紙幣無し（ＯＦＦ）を検出することにより、紙幣の回収がなされたか否かを検出する処理である。尚、ステップＳ６４０による紙幣有無の確認は、ステップＳ６３０における出力検知後、所定時間が経過してからおこなうようにしてもよい。
【０１０８】
ここで、ステップＳ６３０の判定により、装着／突出検知センサ８１による出力変化がない（ＯＮのまま）と判定された場合には（ステップＳ６３０否定）、リモコン９０から解錠指示通知が送信されても、玉貸出処理機２０の本体２１内からＢＶユニット部５０が突出しない状態であるため、ＢＶロック機構部５３の故障などによる解錠不良が発生したものと考えられる（ステップＳ６５０）。
【０１０９】
そして、このステップＳ６４０の判定により、紙幣検知センサ５４が紙幣無しを検知したと判定された場合には（ステップＳ６４０肯定）、ＢＶユニット部５０の紙幣収納部５１内に紙幣が残ってないことから紙幣の回収が完了したことが判定される（ステップＳ６６０）。
【０１１０】
一方、ステップＳ６４０の判定により紙幣検知センサ５４が紙幣無しを検知しないと判定された場合には（ステップＳ６４０否定）、ＢＶユニット部５０が取り出されて紙幣収納部５１が開放された状態でも、紙幣が残っていることから紙幣回収忘れ（未回収）と判定される（ステップＳ６７０）。以下、この紙幣の未回収を異常検知として（ステップＳ６９１）、ランプ表示２２の点灯／点滅などにより異常報知をおこなうともに（ステップＳ６９２）、貸出処理機２０から管理サーバ２００に対して、発生した異常内容（紙幣未回収）の報知をおこなう（ステップＳ６９３）、全ての処理が終了する（エンド）。
【０１１１】
さらに、ステップＳ６８０により、再度、装着／突出検知センサ８１による検知出力に変化があるかの判定をおこなう（ステップＳ６８０）。そして、このステップＳ６８０による判定により、装着／突出検知センサ８１による検知出力に変化がないと判定された場合には（ステップＳ６８０否定）、ＢＶユニット部５０の閉め忘れの発生があると判定することができる（ステップＳ６９０）。
【０１１２】
以下、紙幣の未回収と同様に、ＢＶユニット部５０の未装着をランプ表示２２の点灯／点滅などにより異常を報知するとともに（ステップＳ６９２）、この貸出処理機２０から管理サーバ２００に対して、異常が発生した旨の報知をおこない（ステップＳ６９３）、全ての処理が終了する（エンド）。ここで、管理サーバ２００では、玉貸出処理機２０から報知された紙幣の未回収およＢＶユニット部５０の未装着を表示部２１６（モニタ）による表示（異常報知画面）により確認することができる。
【０１１３】
ここで、図１８（ａ）〜（ｃ）は、紙幣検知センサ５４および装着／突出検知センサ８１による各検知出力と判定結果が格納された紙幣回収判定テーブル５９ａを示している。すなわち、図１８（ａ）に示す紙幣回収判定テーブル５９ａでは、装着／突出検知センサ８１の検知出力が「ＯＮからＯＦＦ」に変化した後、再度、その検知出力が「ＯＮ」になった状態を示しており、この時、紙幣検知センサ５４の検知出力も同様に「ＯＮからＯＦＦ」に変化した例を示している。この場合、装着／突出検知センサ８１による検知結果に基づいて、ＢＶユニット部５０が貸出処理機２０の本体２１内から突出した後、再度、本体内２１に装着されたことが判定されるとともに、紙幣検知センサ５４による検知結果に基づいて、紙幣収納部５１内に収納されていた紙幣が無い状態であると判定されるため、この判定回収判定テーブル５９ａによる判定結果は、紙幣の回収完了となる。
【０１１４】
次いで、図１８（ｂ）に示す紙幣回収判定テーブル５９ａでは、装着／突出検知センサ８１の検知出力が「ＯＮからＯＦＦからＯＮ」に変化し、この時、紙幣検知センサ５４の検知出力が変化せず「ＯＮのまま」である例を示している。この場合、装着／突出検知センサ８１による検知結果に基づいて、ＢＶユニット部５０が貸出処理機２０の本体２１内から突出したことが判定されるが、紙幣検知センサ５４による検知結果によると、紙幣収納部５１内に収納されていた紙幣は、そのまま残存していると判定されるため（紙幣検知センサ５４ＯＮのまま）、この判定回収判定テーブル５９ａによる判定結果は、紙幣の回収忘れ（未回収）となる。
【０１１５】
次いで、図１８（ｃ）に示す紙幣回収判定テーブル５９ａでは、装着／突出検知センサ８１の検知出力が「ＯＮからＯＦＦ」に変化したまま、以降、その検知出力に変化がない状態を示しており、この場合、ＢＶユニット部５０の閉め忘れ（未装着）が発生していていると判定される。さらに。この場合、紙幣検知センサ５４の検知出力がＯＮのままである場合には、ＢＶユニット部５０の未装着だけでなく、紙幣の未回収があると判定されることとなる。
【０１１６】
次いで、図１９は、管理サーバ２００の表示部２１６（モニタ）に表示される異常表示の一例を示している。これは、図１７のステップＳ６９３において、管理サーバ２００に報知された異常内容に基づいて表示されるものである。同図に示すように、本例では、３台の玉貸出処理機２０（台番号１１３、１２６、１３０）に紙幣の回収忘れ（未回収）が発生したことが表示として示されている。また、この図１９に示す例では、ＢＶユニット部５０の装着不良の発生は無いことが表示されている。
【０１１７】
以上のように、管理サーバ２００では、玉貸出処理機２０から送信された紙幣の回収忘れ（未回収）およびＢＶユニット部５０の装着不良を表示部２１６により容易に確認することができる。異常が発生している玉貸出処理機２０を、識別ＩＤでなく、並列される遊技機の台番号によって表示することにより、復旧作業（回収忘れ紙幣の回収）をおこなうために設置場所へ駆け付けた係員は、作業の対象となる玉貸出処理機２０を特定しやすいという効果が見込まれる。
【０１１８】
（他の実施の形態）
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてもよいものである。
【０１１９】
例えば、上述した実施の形態では、本発明に係る遊技媒体貸出システムをパチンコ遊技に適用した場合を示しているが、本発明は、パチンコ遊技に限定することなくパチスロ機による遊技システムにも好適に適用することができる。具体的には、パチスロ機によるメダル貸出機に備えられる紙幣収納部の回収扉に対する開閉制御システムとして、本発明を適用することができる。
【０１２０】
また、本実施の形態では、パチンコ機の内部から玉が投出される（所謂、ＣＲ機方式）について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、玉貸出処理機からノズルを介して玉が投出される方式においても同様に適用することができる。
【０１２１】
また、本実施の形態においては、カード媒体が全く介在しないタイプの玉貸出システムに適用したが、カード媒体が介在するタイプであっても、貸出処理機が現金（紙幣）を受け入れて遊技媒体の貸出処理をおこなうタイプのシステムであれば、同様に本発明を適用することができる。
【０１２２】
また、本実施の形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【０１２３】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、ＣＰＵおよび当該ＣＰＵにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【０１２４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上金額として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、前記紙幣を内部に収納するとともに、当該収納紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能な紙幣収納ユニットと、前記貸出処理機内に装着された紙幣収納ユニットを取り出し阻止状態に施錠するロック機構部と、前記ロック機構部により施錠された前記紙幣収納ユニットの解錠を許容する解錠制御手段と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態であるか、取り出し阻止状態にあるかを検知する許容／阻止状態検知手段と、前記紙幣収納ユニットに収納される紙幣の有無を検知する紙幣検知手段と、前記許容／阻止状態検知手段および前記紙幣検知手段による検知結果に基づいて、前記紙幣収納ユニット内の紙幣回収状態を判定する紙幣回収判定手段とを備えるので、紙幣収納ユニット内に収納される紙幣の有無および紙幣の回収忘れ（未回収）を確認する作業を必要としないうえ、紙幣の未回収を有効に防止することができるという効果を奏する。
【０１２５】
また、本発明によれば、前記紙幣回収判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第２の検知出力から前記第１の検知出力へ切り換わったときに、前記紙幣検知手段から検知出力を取得し、紙幣有りを検知している場合に、紙幣の未回収があると判定するので、紙幣収納ユニット内に収納される紙幣の有無および紙幣の回収忘れ（未回収）を確認する作業を必要としないうえ、紙幣の未回収を有効に防止することができるという効果を奏する。
【０１２６】
また、本発明によれば、前記紙幣回収判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第１の検知出力から前記第２の検知出力への切り換わり後、さらに所定時間経過後に、前記紙幣検知手段から検知出力を取得し、紙幣有りを検知している場合に、紙幣の未回収があると判定するので、紙幣収納ユニット内に収納される紙幣の有無および紙幣の回収忘れ（未回収）を確認する作業を必要としないうえ、紙幣の未回収を有効に防止することができるという効果を奏する。
【０１２７】
また、本発明によれば、前記貸出処理機は、前記紙幣回収判定手段により紙幣が未回収であると判定された旨を、外部に対して報知する外部報知手段をさらに備えるので、紙幣収納ユニットの未装着を報知することによりセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１２８】
また、本発明によれば、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上金額として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、前記紙幣を内部に収納するとともに、当該収納紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能な紙幣収納ユニットと、前記貸出処理機内に装着された紙幣収納ユニットを取り出し阻止状態に施錠するロック機構部と、前記ロック機構部により施錠された前記紙幣収納ユニットの解錠を許容する解錠制御手段と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるか、取り出し阻止状態にあるかを検知する許容／阻止状態検知手段と、前記許容／阻止状態検知手段による検知結果に基づいて、前記紙幣収納ユニットの状態不良を判定する状態不良判定手段とを備えるので、紙幣収納ユニットの未装着を確実に防止できることからセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１２９】
また、本発明によれば、前記状態不良判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第１の検知出力から前記第２の検知出力への切り換わり後、さらに所定時間経過しても、前記第２の検知出力から前記第１の検知出力への切り換わりがないときに、紙幣収納ユニットの取り出し阻止状態への復帰不良があると判定するので、紙幣収納ユニットの未装着を確実に防止できることからセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。また、紙幣収納ユニットの突出時、所定の時間は、紙幣の有無検知をしないことから、紙幣の回収作業時間などを考慮した遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１３０】
また、本発明によれば、前記貸出処理機は、前記状態不良判定手段により紙幣収納ユニットの取り出し阻止状態への復帰不良があると判定された旨を、外部に対して報知する外部報知手段をさらに備えるので、紙幣収納ユニットの未装着を確実に報知できることからセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１３１】
また、本発明によれば、前記外部報知手段による報知は、前記管理サーバに対しておこなうので、紙幣収納ユニットの未装着を確実に防止できることからセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１３２】
また、本発明によれば、前記外部報知手段による報知は、前記貸出処理機に対応して設けられる表示手段による点灯或は点滅による報知であるので、未装着の確認を容易且つ確実におこなえるうえ、セキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１に係る遊技媒体貸出システムの概要を示す説明図である。
【図２】本発明の実施の形態１に係る遊技媒体貸出システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図３】図２に示した管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図４】図２に示した中央管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図５】図２に示した遊技媒体貸出システムで適用する玉貸出処理機およびパチンコ機の外観正面図である。
【図６】図５に示した玉貸出処理機を示す側面図である。
【図７】図５に示した玉貸出処理機と枠体との分離状態を示す図である。
【図８】実施の形態１に係る玉貸出処理機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図９】ＢＶユニット制御部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図１０】玉貸出処理機本体に対してＢＶユニット部を突出させた状態を示す斜視図である。
【図１１】（ａ）は、ＢＶロック機構部のロック状態を、（ｂ）は、ロック解錠状態をそれぞれ示す概略説明図である。
【図１２】（ａ）は、ＢＶロック機構部のロック状態を、（ｂ）は、ロック解錠状態をそれぞれ示す要部拡大図である。
【図１３】（ａ）は、管理者用のリモコン、（ｂ）は、一般の店員用のリモコンをそれぞれ示す外観図である。
【図１４】実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの基本処理手順を示すフローチャートである。
【図１５】実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの全体処理手順を示すフローチャートである。
【図１６】（ａ）は、売上情報記憶テーブルの構成を、（ｂ）は、管理サーバデータベースの構成をそれぞれ示す図である。
【図１７】図１３に示した紙幣回収処理手順を示すフローチャートである。
【図１８】（ａ）〜（ｃ）は、紙幣回収判定テーブルの例をそれぞれ示す図表である。
【図１９】管理サーバの表示部に表示される異常状態表示画面（紙幣未回収／ＢＶユニット未装着）の一例を示す図である。
【符号の説明】
１０ パチンコ機
１５ 紙幣挿入口
２０ 玉貸出処理機
２２ 表示ランプ部
２３ 表示部
２４ リモコン用受光部
２５、２１５ 制御部
２６、１３０、２２０ 通信Ｉ／Ｆ
２７、３２ メモリ
３０ 枠体
３１ ジョイント基板
２８、３３ 売上情報記憶テーブル
５０ ＢＶユニット部
５１ 紙幣収納部
５２ 紙幣識別部
５３ ＢＶロック機構部
５４ 紙幣検知センサ
５５ 紙幣有無判定部
５６ ＢＶユニット制御部
５８ 装着／突出判定部
５９ 紙幣回収判定部
５９ａ 紙幣回収判定テーブル
７０ 玉貸制御部
８０ 電源部
８１ 装着／突出検知センサ
８３ 異常検知判定部
９０、９０ａ リモコン
９１ 個別解錠キー
９２ 島解錠キー
１００ 中央管理装置
１１０ 中央管理制御部
１１５、２１６ 表示部
１２０ 遊技店管理データベース
２００ 管理サーバ
２１０ 管理サーバデータベース
３００ 中継器
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣を受け入れて遊技媒体を貸し出す処理をおこなう貸出処理機と、紙幣による入金情報を売上情報として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムに関し、特に、紙幣収納ユニット内に収納された紙幣の有無および紙幣収納ユニットの着脱を判定することにより、紙幣の未回収および紙幣収納ユニットの装着不良を確実に防止することができる遊技媒体貸出システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
現在、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機を設置した遊技店で遊技をおこなう場合には、カード発行機などから、一旦プリペイドカードなどの磁気カード（記録媒体）を購入し、このプリペイドカードに関連付けられた有価価値に応じてパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を借り受ける遊技媒体貸出システム（カードシステム）が一般的に採用されている。
【０００３】
この従来の遊技媒体貸出システムでは、遊技機に隣接した位置にプリペイドカードを挿入するカード処理ユニットが並設され、このカード処理ユニットおよびカード発行機はターミナルコントローラ（ＴＣ）などの管理装置に接続されている。そして、カード発行機によるカードの売上情報とカード処理ユニットによるカードの利用情報を収集することにより遊技店の総売上金額を管理するシステムが構築されている。
【０００４】
また、従来より、プリペイドカードなどのカード媒体を使用する遊技媒体貸出システムの他、紙幣の投入によって遊技機に対して遊技媒体を貸出す遊技媒体貸出システムが知られている。ここで、例えば、玉貸出機やメダル貸出機には、遊技客により投入された紙幣を収納する紙幣収納ユニットが備えられており、通常、この紙幣収納ユニットは、鍵を使用したロック機構により施錠されている。このため、遊技店の閉店時などに紙幣の回収をおこなう場合は、店員により紙幣収納ユニットの解錠をおこなった後、紙幣収納ユニットを開けて収納されている紙幣の回収をおこなうようにしている。（例えば、特許文献１参照）。
【０００５】
【特許文献１】
特開２００１−１２０８３２号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来技術の場合には、以下のような問題点がある。すなわち、上述した従来技術の場合、遊技店の閉店時など紙幣の回収作業時に、紙幣収納ユニットを取り出して開けることにより紙幣の回収をおこなうようにしているが、紙幣収納ユニット内に収納されている紙幣の有無を確認する手段がないため、紙幣の回収忘れ（未回収）が発生する恐れがある。
【０００７】
そして、このような、紙幣の未回収を防止するためには、その都度、紙幣収納ユニットを開けて紙幣の有無を確認する作業が必要なことから、作業効率が悪いという問題がある。
【０００８】
また、紙幣回収作業の途中や終了時に、貸出処理機から取り出した紙幣収納ユニットの装着を忘れる、或は装着が不十分となる恐れもあり、このような紙幣収納ユニットの未装着は、セキュリティの観点から問題となる。
【０００９】
そこで、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、紙幣収納ユニット内に収納された紙幣の有無および紙幣収納ユニットの着脱を判定することにより、紙幣の未回収および紙幣収納ユニットの装着不良を確実に防止することができる遊技媒体貸出システムを提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上金額として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、前記紙幣を内部に収納するとともに、当該収納紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能な紙幣収納ユニットと、前記貸出処理機内に装着された紙幣収納ユニットを取り出し阻止状態に施錠するロック機構部と、前記ロック機構部により施錠された前記紙幣収納ユニットの解錠を許容する解錠制御手段と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態であるか、取り出し阻止状態にあるかを検知する許容／阻止状態検知手段と、前記紙幣収納ユニットに収納される紙幣の有無を検知する紙幣検知手段と、前記許容／阻止状態検知手段および前記紙幣検知手段による検知結果に基づいて、前記紙幣収納ユニット内の紙幣回収状態を判定する紙幣回収判定手段と、を備えることを特徴とする。
【００１１】
また、本発明は、前記紙幣回収判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第２の検知出力から前記第１の検知出力へ切り換わったときに、前記紙幣検知手段から検知出力を取得し、紙幣有りを検知している場合に、紙幣の未回収があると判定することを特徴とする。
【００１２】
また、本発明は、前記紙幣回収判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第１の検知出力から前記第２の検知出力への切り換わり後、さらに所定時間経過後に、前記紙幣検知手段から検知出力を取得し、紙幣有りを検知している場合に、紙幣の未回収があると判定することを特徴とする。
【００１３】
また、本発明は、前記貸出処理機は、前記紙幣回収判定手段により紙幣が未回収であると判定された旨を、外部に対して報知する外部報知手段をさらに備えることを特徴とする。
【００１４】
また、本発明は、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上金額として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、前記紙幣を内部に収納するとともに、当該収納紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能な紙幣収納ユニットと、前記貸出処理機内に装着された紙幣収納ユニットを取り出し阻止状態に施錠するロック機構部と、前記ロック機構部により施錠された前記紙幣収納ユニットの解錠を許容する解錠制御手段と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるか、取り出し阻止状態にあるかを検知する許容／阻止状態検知手段と、前記許容／阻止状態検知手段による検知結果に基づいて、前記紙幣収納ユニットの状態不良を判定する状態不良判定手段と、を備えることを特徴とする。
【００１５】
また、本発明は、前記状態不良判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第１の検知出力から前記第２の検知出力への切り換わり後、さらに所定時間経過しても、前記第２の検知出力から前記第１の検知出力への切り換わりがないときに、紙幣収納ユニットの取り出し阻止状態への復帰不良があると判定することを特徴とする。
【００１６】
また、本発明は、前記貸出処理機は、前記状態不良判定手段により紙幣収納ユニットの取り出し阻止状態への復帰不良があると判定された旨を、外部に対して報知する外部報知手段をさらに備えることを特徴とする。
【００１７】
また、本発明は、前記外部報知手段による報知は、前記管理サーバに対しておこなうことを特徴とする。
【００１８】
また、本発明は、前記外部報知手段による報知は、前記貸出処理機に対応して設けられる表示手段による点灯或は点滅による報知であることを特徴とする。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、パチンコ遊技に対して本発明に係る遊技媒体貸出システムを適用する場合の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概要および特徴を説明した後に、この遊技媒体貸出システムの構成を説明し、その後、各種処理の手順を説明し、最後に、他の実施の形態として種々の変形例を説明することとする。
【００２１】
（遊技媒体貸出システムの概要および特徴）
まず最初に、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概要および特徴を説明する。図１は、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概要を示す説明図である。図２は、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの概略構成を示す機能ブロック図である。図３は、管理サーバ２００の構成を示す機能ブロック図を、図４は、中央管理装置１００の構成を示す機能ブロック図をそれぞれ示している。
【００２２】
この遊技媒体貸出システムでは、図１、２に示すように、それぞれ「島」と呼ばれるグループごとに複数の遊技機（以下、『パチンコ機』と称する）が併設されるとともに、これらパチンコ機１０にはそれぞれ１台ずつペアとなるように遊技媒体貸出処理機（以下、『玉貸出処理機』と称する）がパチンコ機１０の相互間に挟まれるように据置されており、遊技客により各玉貸出処理機２０に挿入された紙幣（現金）による入金情報は売上情報として、中継器３００を介して接続された管理サーバ２００に対して送信され、この管理サーバ２００により各玉貸出処理機２０の売上情報（金額）が個別に管理されている。
【００２３】
さらに、この管理サーバ２００は、第三者機関によって運営管理される中央管理装置１００に接続され、管理サーバ２００により集計された各玉貸出処理機２０の売上情報は、中央管理装置１００に対して送信される。以上のように、中央管理装置１００により複数の遊技店（遊技店Ａ、Ｂ、Ｃ・・・）の総売上金額を統括的に管理する遊技媒体貸出システムが構築されている。
【００２４】
ここで、かかる遊技媒体貸出システムにおいて、ＢＶユニット部５０の装着／突出状態を装着／突出検知センサ８１（許容／阻止状態検知手段）により検知するとともに、紙幣収納部５１内の紙幣の有無を紙幣検知センサ５４（紙幣検知手段）により検知し、これら装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４による検知結果に基づいて、玉貸出処理機２０の本体２１に対するＢＶユニット部５０の閉め忘れ（装着不良）および紙幣の回収忘れ（未回収）を判定することに主たる特徴があり、かかる一連の手順によってリモコン９０の解錠指示通知によりＢＶユニット部５０を本体２１内から突出させた後の未装着および紙幣の回収作業時に発生する紙幣の未回収を確実に防止できるようにしている。
【００２５】
この主たる特徴を具体的に説明すると、紙幣の回収時には、リモコン９０により解錠対象とする玉貸出処理機２０に対して解錠指示通知をおこない、この解錠指示通知によりＢＶユニット部５０の突出移動がおこなわれたことを、装着／突出検知センサ８１の検知出力が切り換わることで判定する（ＯＮ→ＯＦＦ）。
【００２６】
すなわち、装着／突出検知センサ８１による検知出力は、ＢＶユニット部５０が玉貸出処理機２０の本体２１内に装着されている時には、装着／突出検知センサ８１は、遮蔽板６６により遮蔽されているためＯＮとなっており、一方、ＢＶユニット部５０が本体２１から突出した時には、装着／突出検知センサ８１の検知部に対する遮蔽がなくなるため、検知出力はＯＦＦとなる。
【００２７】
そして、この時、ほぼ同時に紙幣収納部５１内の紙幣の有無を紙幣検知センサ５４により取得するとともに、この紙幣検知センサ５４の検知出力が切り換わった場合には（ＯＮ→ＯＦＦ）、紙幣の回収が実行されたと判定する。なお、紙幣検知センサ５４の検知出力は、紙幣収納部５１内に紙幣が収納されている場合、ＯＮとなる。
【００２８】
この一方、紙幣検知センサ５４の検知出力がＯＮのままである場合に、紙幣の回収忘れ（未回収）があると判定する。さらに、装着／突出検知センサ８１によりＢＶユニット部５０の突出を検知した後、所定時間経過しても、この装着／突出検知センサ８１による検知出力が切り換わらない場合には、ＢＶユニット部５０の閉め忘れ（未装着）が発生したと判定する。
【００２９】
また、本実施の形態では、紙幣の回収忘れ（未回収）が発生した時やＢＶユニット部５０の未装着時には、管理サーバ２００に対して異常（紙幣の未回収／ＢＶユニット部５０の未装着）が発生した旨を通信により報知するようにしている。また、紙幣の未回収およびＢＶユニット部５０の装着不良を貸出処理機２０の表示ランプ２２の点灯（点滅）などにより警告するようにしている。すなわち、これによって紙幣の未回収およびＢＶユニット部５０の未装着をランプの表示により容易且つ確実に報知できるようにしている。
【００３０】
以上のように、本実施の形態では、ＢＶユニット部５０の着脱および紙幣収納部５１内に収納される紙幣の有無を装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４により取得できるため、ＢＶユニット部５０の未装着および紙幣の未回収を的確に判断することができる。
【００３１】
（遊技媒体貸出システムの構成）
次に、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの構成を説明する。この遊技媒体貸出システムにおける玉貸出処理機２０は、概略的に、遊技客により投入された紙幣（例えば、１０００円札の現金）を受け入れて、遊技媒体である所定数の遊技玉（パチンコ玉）を投出するようにパチンコ機１０に対して指示する機能とともに、この紙幣投入時の入金情報をメモリ２７内（図８参照）に一時記憶し、この入金情報を売上情報としてリアルタイムで管理サーバ２００に通知する機能を備えている。このため、各玉貸出処理機２０と管理サーバ２００とは中継器３００を介して通信自在に構成されている。
【００３２】
また、後述するように、玉貸出処理機２０は、店内に取り付け固定された枠体３０（図６および７参照）に対して着脱自在に構成されており、この枠体３０にはジョイント基板３１が設けられている。そして、通常（オンライン時）では、玉貸出処理機２０による売上情報は、メモリ２７内に格納され、玉貸出処理機２０の交換時或いは、玉貸出処理機２０と管理サーバ２００間での通信断線時（オフライン時）には、玉貸出処理機２０のメモリ２７内に記憶された売上情報は枠体３０側のメモリ３２内（ジョイント基板３１）に蓄積されることとなる。
【００３３】
中継器３００（ＨＵＢ）は、各「島」内に１基ずつ据置されており、各「島」内のネットワークケーブルを束ねる集線装置（コンセントレータ）としての機能を備えている。本実施の形態では、それぞれの中継器３００は、シリアル接続（ディジーチェーン）により構成されている。
【００３４】
管理サーバ２００は、概略的に、遊技媒体貸出システムを構成する各機器の制御をおこなうものであり、各玉貸出処理機２０に投入された紙幣による入金情報を個別の売上情報として取得する機能を備えている。具体的には、各玉貸出処理機２０の識別ＩＤに基づいて、個々の玉貸出処理機２０ごとに投入された紙幣による入金情報を売上情報として集計し、管理する機能を備えている。なお、この管理サーバ２００は、遊技店内に配置されているが中央管理装置１００を管理する第三者機関により設置される。
【００３５】
図３に示すように、管理サーバ２００は、管理サーバデータベース２１０と、玉貸出処理機２０および中央管理装置１００と通信をおこなうための通信Ｉ／Ｆ２２０と、メニュー画面や売上情報を表示する表示部２１６と、各種指示入力を受け付ける入力部２１７と、管理サーバ２００の全体制御用の制御部２１５とを備えている。
【００３６】
管理サーバデータベース２１０は、玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤに関連付けた入金情報を玉貸出処理機の設置場所（号機）ごとに記憶する処理部である。具体的には、図１６（ｂ）に示すように、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、取引日時、玉貸出処理機２０を特定する本体識別ＩＤ、枠体を特定する枠体識別ＩＤ、遊技台の番号、売上金額、玉貸出処理機本体の識別ＩＤおよび枠体の識別ＩＤの組み合わせによって取引を一意に特定するための取引ＩＤという７項目のフィールドが設けられている。
【００３７】
通信Ｉ／Ｆ２２０は、玉貸出処理機２０の通信Ｉ／Ｆ２６（図８参照）および中継器３００を介して各玉貸出処理機２０による売上情報を通信により受信する機能および中央管理装置１００の通信Ｉ／Ｆ１３０（図４参照）を介して管理サーバ２００により集計された各玉貸出処理機２０の売上情報を送信する機能を備えている。
【００３８】
表示部２１６は、管理サーバ２００の操作をおこなう管理責任者に対して、管理サーバデータベース２１０の情報やメニュー画像（設定画面）を表示として出力する出力手段であり、モニタなどにより構成される。後述するように、この表示部２１６には、玉貸出処理機２０に対する異常状態（紙幣未回収／ＢＶユニット部５０の未装着）を表示することができる（図１９参照）。
【００３９】
入力部２１７は、各種の情報を入力するキーボード、マウスおよびトラックボールなどの指示入力手段であり、管理サーバ２００の管理責任者から管理サーバデータベース２１０の閲覧の受け付けまたは玉貸出処理機２０の設定の受け付けなどの遊技店の売上管理に係る指示の受け付けをおこなう。
【００４０】
図４に示すように、中央管理装置１００は、各遊技店（遊技店Ａ、Ｂ、Ｃ・・・）に配置された管理サーバ２００との間で相互に通信をおこなうことにより、管理サーバ２００が取得した玉貸出処理機２０の売上情報に基づいて、各遊技店ごとの総売上集計、各玉貸出処理機２０の管理などをおこなう機能を有し、図４に示すように、、中央管理制御部１１０と、表示部１１５と、遊技店管理データベース１２０と、通信Ｉ／Ｆ１３０とを備える。
【００４１】
ここで、本実施の形態における遊技媒体貸出システムは、プリペイドカードなどの媒体を使用することなく、玉貸出処理機２０に投入される紙幣（現金）による入金情報を売上情報として、管理サーバ２００に通知をおこなうとともに、管理サーバ２００により各玉貸出処理機２０の売上情報を集計管理し、これら各玉貸出処理機２０の集計データを中央管理装置１００に通知するシステムである。
【００４２】
このため、玉貸出処理機２０および枠体３０のそれぞれには、予め個別の識別ＩＤ（玉貸出処理機２０の識別ＩＤ、枠体３０の枠体識別ＩＤ）が付与されており、これら２つの識別ＩＤは、玉貸出処理機２０の電源ＯＮ時（遊技店の開店時、玉貸出処理機２０の交換時等）、この玉貸出処理機２０から管理サーバ２００に対して通信により通知され、管理サーバ２００内に設けられた管理サーバデータベース２１０内に自動的に登録され、以降、各玉貸出処理機２０は、遊技客により投入された紙幣による入金ごとに管理サーバ２００に対して入金額（売上金額）をリアルタイムに通知するものとなる。
【００４３】
一方、管理サーバ２００では、玉貸出処理機２０からの通信情報（売上金額）を受信し、玉貸出処理機２０および枠体３０の識別ＩＤに関連付けて、更新および集計をおこなう。なお、遊技店内には遊技機１０および玉貸出処理機２０に接続されたホールコンピュータ（図示せず）が備えられており、このホールコンピュータにより賞球、出球率などの遊技情報に基づいて遊技店内の総売上が管理されることとなっている。
【００４４】
次に、図５〜８を参照して玉貸出処理機２０およびパチンコ機１０における構成の詳細について説明する。図５は、図２に示した遊技媒体貸出システムで適用する玉貸出処理機２０およびパチンコ機１０の外観正面図、図６は、玉貸出処理機２０を示す側面図（枠体３０との連結状態）、図７は、枠体３０と玉貸出処理機２０との分離状態を示す図をそれぞれ示している。図８は、玉貸出処理機２０の概要構成を示す機能ブロック図である。また、図９は、ＢＶユニット制御部５６の概要構成を示す機能ブロック図である。
【００４５】
図５に示すように、玉貸出処理機２０は、外見上縦長に構成したもので、玉貸出処理機本体部２１と、この本体部２１よりも前方（図６の右側）に向けて僅かに突出するように形成されたＢＶユニット部５０とを備えている。
【００４６】
さらに、遊技機であるパチンコ機１０の上部には、呼出ランプ１０ａが配置される（図５参照）。この呼出ランプ１０ａは、複数のランプ類１０ｂや台番号表示部１０ｃを備えており、パチンコ機１０において大当たり状態が発生した場合や、遊技客によって所定操作がおこなわれた場合に、ランプ類１０ｂが点灯して周囲（他の遊技客や店員）に状態を知らせるものである。また、パチンコ機１０の台番号表示部１０ｃには台番号（例えば、『１１３番』）が表示される。
【００４７】
後述するように、このＢＶユニット部５０は、リモコンによる解錠操作により本体部２１から自動的に突出可能に構成されている。また、玉貸出処理機２０の本体部２１の前面パネルには、表示ランプ部２２、表示部２３、リモコン用受光部２４とを備えている。
【００４８】
ここで、図６、７に示すように、この玉貸出処理機２０は遊技店内に取り付け固定された枠体３０に対して着脱自在となっており、具体的には、玉貸出処理機２０を枠体３０に対して連結させ玉貸出処理機２０および枠体３０の上下に位置するコネクタを相互に嵌め込むことにより、この玉貸出処理機２０をパチンコ機１０に隣接した位置に据置することができる。
【００４９】
表示ランプ２２は、玉貸出処理機２０の稼働状態を３色（緑色、赤色、黄色）のランプにより報知する機能を備えている。具体的に説明すると、緑色ランプの点灯は、正常動作を、赤色ランプの点灯は、玉貸出処理機２０に何らかの異常が発生し使用不可能になっているときの表示であり、本例では、ＢＶユニット部５０が未装着となっている状態や紙幣の回収時に紙幣の未回収が発生したことを異常状態として報知できるようにしている。また、黄色ランプの点灯は、通信経路等に異常が生じているものの、玉貸出処理機２０の使用が可能な状態をそれぞれ示している。
【００５０】
表示部２３は、玉貸出処理機２０のエラー状態をエラーコードなどで表示する機能を備えている。リモコン用受光部２４は、リモコンにより送信された送信信号に基づいて、玉貸出処理機２０のエラー状態をリセットするエラーリセット信号および解錠許可信号を受信する機能を備えている。
【００５１】
制御部２５は、玉貸出処理機２０における各処理を一括してコントロールする制御機能を備えており、ＯＳ（Operating System）などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、機能概念的に、玉貸制御部７０と、異常通知判定部８３とを備える。このうち、玉貸制御部７０は、パチンコ機１０に対して玉の投出を指示する機能を備えている。また、異常通知判定部８３は、ＢＶニット部５０が未装着となっている状態や紙幣の回収時に紙幣の未回収が発生したことを判定する機能を備えている。
【００５２】
メモリ２７は、玉貸出処理機２０の記憶部としての機能を備えており、このメモリ２７内には、売上情報記憶テーブル２８を備えている。売上情報記憶テーブル２８は、紙幣による入金情報を売上情報として玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤの組み合わせごとに記憶するテーブルである。
【００５３】
具体的には、図１６（ａ）に示すように、玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤの組み合わせ（取引ＩＤ）ごとの複数の領域に、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、玉貸出処理機２０を特定する本体識別ＩＤ、枠体を特定する枠体識別ＩＤ、遊技台の番号および売上金額を記憶するものとしている。８０は、玉貸出処理機２０に対して、ＡＣ電源（１００Ｖ）による電圧を供給するための電源部である。
【００５４】
通信Ｉ／Ｆ２６（インターフェース）は、オンライン状態では、管理サーバ２００に対して各玉貸出処理機２０による売上情報をリアルタイム通信により送信する機能を備えている。
【００５５】
ＢＶユニット部５０は、紙幣投入口１５、紙幣収納部５１、紙幣識別部５２、紙幣検知センサ５４、紙幣有無判定部５５とを備えている。紙幣投入口１５は、紙幣（本例では、１０００円札）を受け入れて、この紙幣を紙幣収納部５１に取り込むための開口である。紙幣収納部５１は、遊技客により紙幣投入口１５から投入された紙幣を収納する機能を備えている。つまり、本例では、店員により紙幣収納部５１内に収納された紙幣を回収するようにしている。このため、紙幣を島端へ搬送する紙幣搬送路および島端において紙幣を回収する紙幣回収ボックスが不要となる。
【００５６】
紙幣識別部５２は、遊技客により紙幣投入口１５から投入された紙幣に対する金額情報の判定（識別）および金額情報を記憶する紙幣処理機能を備えており、遊技客により投入された紙幣を受け入れて識別し、正常と判定される紙幣については、その識別結果および金額情報は制御部２５に通知される。一方、投入された紙幣が識別不能な紙幣については、紙幣投入口１５を通じて返却するものとなる。
【００５７】
ＢＶロック機構部５３は、ＢＶユニット部５０の施錠をおこなう機構を備えており、このＢＶロック機構部５３によるロック（施錠）の解錠は、遊技店の店員や管理者が所持するリモコン９０による解錠操作によりおこなわれる。ここのＢＶロック機構部５３の概略については、後述する。
【００５８】
ＢＶユニット制御部５６は、紙幣検知センサ５４による検知および紙幣有無判定部５５による判定結果に基づいて、ＢＶロック機構部５３によるロック（施錠）を制御する機能を備えている。具体的に、本例では、紙幣検知センサ５４により、紙幣収納部５１内に紙幣が有る場合には、この玉貸出処理機２０は、解錠対象とする。具体的には、後述するように、ロック機構部を構成するソレノイド６０に通電をし、この通電によりロック機構の解錠をおこなう。
【００５９】
以下、図９を参照して、ＢＶユニット制御部５６の詳細について説明する。図９は、ＢＶユニット制御部５６の概要構成である機能ブロック図を示している。同図に示すように、ＢＶユニット制御部５６は、装着／突出判定部５８、紙幣回収判定部５９、紙幣回収判定テーブル５９ａとを備えている。
【００６０】
装着／突出判定部５８は、装着／突出検知センサ８１による検知結果に基づいて、ＢＶユニット部５０が玉貸出処理機２０の本体部２１から突出或は装着されたことを判定する機能を備えている。
【００６１】
紙幣回収判定部５９は、装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４による検知結果に基づいて、紙幣収納部５１内の紙幣が回収されたか否かを判定する機能を備えている。具体的には、装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４による検知結果を取得するとともに、ＢＶユニット部５０の離脱を装着／突出検知センサ８１の検知出力の変化により判定し、さらに、紙幣検知センサ５４による検知出力を再度、取得し、変化があった際には、紙幣の回収が完了したと判定する。
【００６２】
紙幣回収判定テーブル５９ａは、装着／突出検知センサ８１および紙幣検知センサ５４による検知結果に基づいて、紙幣の未回収およびＢＶユニット部５０の装着不良を判定する条件が格納された判定テーブルとして機能する。
【００６３】
一方、枠体３０の上部位置には、ジョイント制御基板３１が設けられており、このジョイント基板３１は、玉貸出処理機２０を入れ替えた際および通信状態に異常が発生している間（オフライン時）の売上情報（データ）の保存用として機能するメモリ３３を備えている。このメモリ３３の内部には、パチンコ機１０の遊技台番号に対応するとともに、玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤに関連付けた入金情報を格納する売上情報記憶テーブル３３が設けられている。
【００６４】
また、遊技機であるパチンコ機１０はその前面が遊技領域１１および下方に設けた上皿１２とにより構成され、その内部には玉投出機構部１３が設けてある。この玉投出機構部１３は、玉貸出処理機２０の制御部２５から貸玉投出要求が与えられた場合、並びにパチンコ機１０による賞玉投出要求が与えられた場合に、それぞれパチンコ機１０の上皿１２に所定数のパチンコ玉を投出する部分である。
【００６５】
次に、図１０〜図１２を参照して、本実施の形態１に係るＢＶユニット部５０に対する解錠機構について説明する。図１０は、紙幣の回収時に、玉貸出処理機本体２１に対してＢＶユニット部５０を突出させた状態を示す斜視図である。
【００６６】
すなわち、図１０に示すように、ＢＶロック機構部５３は、遊技店の管理者などが所持するリモコン９０（図１３）による操作（解錠指示信号の送信）に基づいて、ロック機構部５３によるロックが解錠する機構となっている。具体的には、管理者が玉貸出処理機２０のリモコン用受信部２４に向けて、リモコンの個別解錠キー９１（図１３）をＯＮ操作するとＢＶユニット部５０が玉貸出処理機２０の前方（図１０の矢印Ａ方向）に突出するとともに、紙幣収納部５１が開口する機構となっている。これにより、紙幣収納部５１に収納された紙幣を回収するものとなる。ＢＶユニット部５０は、紙幣収納部５１内に紙幣を収納するとともに、この収納された紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能となるように構成されている。
【００６７】
一方、ＢＶユニット部５０の装着（施錠）は、前方に突出した状態のＢＶユニット部５０を手で本体２１側（図１０の矢印Ｂ方向）に向けて、押し込むことにより、ＢＶロック機構部５３を作動させることができる。後述するように、ロック機構部５３の作動は、ソレノイド６０に対する通電のＯＮ／ＯＦＦによりおこなう。以下、図１１（ａ）、（ｂ）を参照して、ＢＶロック機構部５３の詳細を説明する。
【００６８】
すなわち、図１１（ａ）に示すように、ＢＶロック機構部５３は、ソレノイド６０、ロックレバー６１、アンカー板７５、押圧板ばね７１とから構成されている。また、ＢＶユニット部５０の上下位置には、スライドレール７４が設けられているため、このＢＶユニット部５０はスライドレール７４に沿って、装着方向および取り出し方向に平行移動することができる。
【００６９】
アンカー板７５の上端部には押圧板ばね７１の基端部が取り付けられ、この押圧板ばね７１の先端部は、紙幣収納部５１を構成する筐体（ケース）の後端部に当接されている。
【００７０】
このため、常時、ＢＶユニット部５０は、押圧板ばね７１の弾力により、ＢＶユニット部５０が突出する方向（図１１のＡ方向）に向けて押圧されている。ロックレバー６１の先端部には、鉤部６２が形成されており、この鉤部６２は、アンカー板７１に形成された係合ピン７２と係合可能となっている。
【００７１】
また、引っ張りばね７３の一端（図１１の上側）は、アンカー板７１の上部に延出された取り付け部７１ａに、他端（図１１の下側）は、ロックレバー６１の基端部に取り付けられている。このため、ソレノイド６０のＯＦＦ時（非通電時）、ロックレバー６１は、引っ張りばね７３の弾力により支軸７８を支点として、時計方向に偏奇するため、この弾力によりロックレバー６１の鉤部６２とアンカー板７１の係合ピン６２とが係合し、これにより、ＢＶユニット部５０に対するロック（施錠）をおこなわれるものとなる。なお、ソレノイド６０に対する通電のＯＮ／ＯＦＦは、ＢＶユニット制御部５６による通電制御によりおこなわれる。
【００７２】
ここで、５４は、紙幣収納部５１内に収納された紙幣の有無を判定する紙幣検知センサを示しており、この紙幣検知センサ５４には、反射型の光センサが使用されているため、紙幣が紙幣収納部５１内に収納されている場合（未回収時）、この紙幣検知センサ５４による検知出力はＯＮとなる。また、８１はＢＶユニット部５０の装着／突出を検知するための装着／突出検知センサを示しており、本例の装着／突出検知センサ８１には、反射型のフォトインタラプタが使用されている。そして、玉貸出処理機本体２１内にＢＶユニット部５０が装着されている際、この装着／突出検知センサ８１の検知部は、遮蔽板６６（図１２）により遮蔽されているため、検知出力はＯＮとなる。
【００７３】
一方、図１１（ｂ）に示すように、ソレノイド６０のＯＮ時（通電時）には、このソレノイド６０の作動（ＯＮ）にともなって、引っ張りばね７３の弾力に抗して、ロックレバー６１の鉤部６２とアンカー板７１の係合ピン７２との係合が外れる。これにより、ＢＶユニット部５０は、押圧板ばね７１の押圧力により、スライドレール７４に沿って、図１１（ｂ）の矢印Ａ方向に向けて突出する。これにより、ＢＶユニット部５０に対する解錠をおこなうことができる。また、前述したように、ＢＶユニット部５０に対する施錠は、このＢＶユニット部５０を手により、図１１（ｂ）の矢印Ｂ方向に向けて、押し込むことによりおこなうことができる。
【００７４】
以上のように、本例のロック機構部５３の場合には、リモコンによる操作で簡単に解錠をおこなうことができ、ロック（施錠）は手動により容易におこなうことができるため、従来のように店員が解錠用の鍵などを持ち歩く必要がなくなるうえ、紙幣収納部５１内の紙幣を島端へ搬送する紙幣搬送路および島端において紙幣を回収する紙幣回収ボックスが不要となる。
【００７５】
次に、図１２（ａ）、（ｂ）を参照して装着／突出検知センサ８１によるＢＶユニット部５０の着脱検知の詳細について説明する。ここで、前述したように、本例の装着／突出検知センサ８１は、反射型のフォトインタラプタが採用されており、玉貸出処理機本体２１内にＢＶユニット部５０が装着されている場合、装着／突出検知センサ８１は、遮蔽板６６（図１２）により遮蔽されているため、この装着／突出検知センサ８１による検知出力はＯＮとなる。
【００７６】
以下、具体的に説明する。図１２（ａ）、は、ＢＶロック機構部のロック状態を、（ｂ）は、ＢＶロック機構部のロック解錠状態をそれぞれ示す要部拡大図である。すなわち、図１２（ａ）に示すように、玉貸出処理機２０の本体２１内に、ＢＶユニット部５０が装着されている場合には、装着／突出検知センサ８１の検知部は、アンカー板７５の遮蔽板６６により遮蔽されているため、その検知出力は、ＯＮとなっている。
【００７７】
一方、前述したように、リモコン９０による解錠指示通知の受信時には、ソレノイド６０が作動（ＯＮ）するため、この作動にともなって、ＢＶユニット部５０は、押圧板ばね７１の押圧力により、スライドレール７４に沿って、図１２（ｂ）の矢印Ａ方向に向けて突出（移動）する。すなわち、ＢＶユニット部５０の前方への移動にともなって、アンカー板６１の遮蔽部６６も装着／突出検知センサ８１の検知部から離脱するものとなり、この着脱検知センサ５７による検知出力はＯＦＦとなる。以上のように、本例では、着脱検知センサ５７の検知出力（ＯＮ／ＯＦＦ）を取得することにより、ＢＶユニット部５０の取り出し（離脱）および装着を判定している。
【００７８】
次に、本発明の遊技媒体貸出システムにおいて適用されるリモコンの概要について説明する。図１３（ａ）は、遊技店の管理者などが所持する管理者用のリモコン、図１３（ｂ）は、一般の係員（店員）が所持するリモコンをそれぞれ示す外観図である。
【００７９】
このリモコンは、内部にＩＣ回路、近赤外線を送出する発光ダイオードなどを備えた無線式の遠隔操作装置であり、図１３（ａ）に示す管理者用のリモコンの筐体を構成する前面パネル部には、エラーの発生時に、リセット処理をおこなうリセットキー、個別の玉貸出機２０の解錠を対象とする個別解除キー９１、遊技店の島内に設けられた複数の玉貸出機２０の解錠を対象とする島解除キー９２、暗証番号を入力するためテンキー（０〜９）などが設けられている。リモコンの先端部には、リセット信号、解錠信号などを送出するためのレーザ発振部が設けられている。なお、図１３（ｂ）に示した店員用のリモコンは、主に玉貸出機２０に発生したエラー表示などのリセット処理をおこなう際に使用される。
【００８０】
（各種処理の手順）
次に、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムによる各種処理の手順を説明する。なお、ここでは、本発明に係る本発明に係る遊技媒体貸出システムの「基本制御手順」を説明した後に、遊技媒体の貸出をおこなう「オンライン制御工程」について説明し、次いで、本発明の特徴である紙幣回収工程の詳細について説明する。
【００８１】
＜基本制御手順＞
図１４は、本実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの基本制御手順を示すフローチャートである。すなわち、本発明の遊技媒体貸出システムは、大別して（１）開店時設定工程（ステップＳＡ１００）、（２）オンライン制御工程（ステップＳＡ２００）、（３）紙幣回収工程（ステップＳＡ３００）、（４）定期通信工程（ステップＳＡ４００）、（５）閉店時設定工程（ステップＳＡ５００）の５つの処理工程により構成されている。まず、これら（１）〜（５）の各制御工程について詳細に説明する。
【００８２】
（１）開店時設定工程
開店時設定工程は、管理サーバ２００により実行される開店通知による開店処理であり、この開店処理は、開店通知として、第三者機関である中央管理装置１００および遊技店内の各玉貸出処理機２０に対してその旨が通知されるものとなる。
【００８３】
すなわち、前述したように、玉貸出処理機２０および枠体３０のそれぞれには、予め個別の識別ＩＤ（玉貸出処理機本体の識別ＩＤ、枠体の枠体識別ＩＤ）が付与されており、これら２つの識別ＩＤは、玉貸出処理機２０の電源ＯＮ時、この玉貸出処理機２０から管理サーバ２００に対して通信により通知されるとともに、これら玉貸出処理機２０の識別ＩＤ、枠体の枠体識別ＩＤは、管理サーバ２００内に設けられた管理サーバデータベース２１０内に自動的に登録される。以降、管理サーバ２００は、各玉貸出処理機２０からリアルタイムで通知される売上情報を管理サーバデータベース２１０内に格納するとともに、紙幣の投出に伴って売上情報の更新をおこなうこととなる。
【００８４】
（２）オンライン制御工程（通常時）
オンライン制御工程は、遊技客によって玉貸出処理機２０に対して現金（紙幣）が投入された際、この玉貸出処理機２０からパチンコ機１０に対して、玉を貸し出す玉貸し出し命令を通知するとともに、投入された紙幣による売上情報を玉貸出処理機２０の識別ＩＤおよび枠体３０の識別ＩＤに関連付けて管理サーバ２００に対して通知し、さらに管理サーバ２００が売上情報を中央管理装置１００に通知する処理工程である。
【００８５】
ここで、前述したように、玉貸出処理機本体２１および枠体３０は、当該貸出処理機本体３１および当該枠体３０それぞれを一意に特定するための識別子が付与されるものであって、玉貸出処理機２０は、玉貸出処理機本体２１の識別子および枠体２２１の識別子の組み合わせに対応付けて玉貸出処理機本体２１のメモリ２７および枠体３０のメモリ３２に売上情報を書き込むようにしている。例えば、玉貸出処理機本体２１のメモリ２７に不具合が生じた場合などでは、紙幣による入金情報を玉貸出処理機２０の識別子および枠体３０の識別子に関連付けて、玉貸出処理機２０のメモリ２７に書き込むとともに、枠体３０のメモリ３２に書き込む。その後、玉貸出処理機２０のメモリ２７および枠体３０のメモリ３２に書き込まれた売上情報を管理サーバ２００に通知するようにしている。
【００８６】
なお、管理サーバ２００から中央管理装置１００に対して送信される売上情報の通知は、通常はリアルタイム通信により、逐次おこなわれるが、一定時間ごとにおこなうようにしてもよい。
【００８７】
（３）紙幣回収工程
紙幣回収工程は、遊技店の店員或いは管理者が所持するリモコンの操作により玉貸出処理機２０に備えたＢＶユニット部５０の解錠をおこない、このＢＶユニット部５０の内部に収納されている紙幣を回収する処理工程であり、遊技店の営業時間内および閉店時に適宜おこなわれる。本紙幣回収工程の詳細については、後述する。
【００８８】
（４）定期通信工程
定期通信工程は、遊技店の営業時間内において、管理サーバ２００と中央管理装置１００との間で実施される相互間の接続状態やエラーログなどを定期的に確認する処理工程である。
【００８９】
（５）閉店時設定工程
閉店時設定工程は、各玉貸出処理機２０から１日の売上情報を管理サーバ２００により全て取得するとともに、中央管理装置１００に対して集計売上情報を送信する処理工程である。この際、管理サーバ２００から閉店通知信号が中央管理装置１００および玉貸出処理機２０に対して送信される。
【００９０】
以下、図１５のフローチャートを参照して、本実施の形態１におけるオンライン制御手順（通常動作時）を説明する。この図１５に示すフローチャートは、管理サーバ２００と玉貸出処理機２０との間でおこなわれる処理手順である。
【００９１】
すなわち、遊技客により玉貸出処理機２０の紙幣投入口１５に紙幣（１０００円札）が投入されると（ステップＳ１００）、ＢＶユニット５０は、投入された紙幣の真偽を紙幣識別部５２により正常な紙幣か否かを判定する（ステップＳ１１０）。そして、ステップＳ１１０による判定により紙幣が不良紙幣と判定された場合には（ステップＳ１１０否定）、紙幣投入口１５を通じて返却する（ステップＳ１１５）。
【００９２】
一方、投入された紙幣が正常な紙幣と判定された場合には（ステップＳ１１０肯定）、この紙幣を紙幣収納部５１内に収納するとともに、次の、ステップＳ１２０による玉貸出し処理に移行する（ステップＳ１２０）。具体的には、玉投出機構部１３によりパチンコ機１０に対して、１０００円分の玉の貸し出しをおこなう。
【００９３】
これにより、パチンコ機１０の上皿１２には、１０００円分の玉の投出がおこなわれ、遊技客による遊技が可能となる。以下、玉貸出処理機２０では、遊技客により投入された入金情報を売上情報として、この売上情報をメモリ２７内の売上情報記憶テーブル２８内に格納する（ステップＳ１３０）。
【００９４】
図１６（ａ）は、玉貸出処理機２０のメモリ２７内および枠体３０のメモリ３２内に備えられた売上情報記憶テーブル２８、３３の一例を示している。同図に示すように、売上情報記憶テーブル２８、３３は、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、玉貸出処理機本体を特定する本体識別ＩＤ、枠体を特定する枠体識別ＩＤ、遊技台の番号、売上金額、取引時に設定される取引識別ＩＤという６項目のフィールドが設けられている。
【００９５】
すなわち、図１６（ａ）は、台番号１００番のパチンコ機１０で遊技をおこなう遊技客が玉貸出処理機２０（本体識別ＩＤ：ＸＸＸＸ１、枠体識別ＩＤ：ＹＹＹＹ１）に１０００円投入したときの売上情報記憶テーブル２８および台番号１０１番のパチンコ機１０で遊技をおこなう遊技客が玉貸出処理機２０（本体識別ＩＤ：ＸＸＸＸ２、枠体識別ＩＤ：ＹＹＹＹ２）に１０００円投入したときの売上情報記憶テーブル２８を示している。そして、これら各フィールドには、遊技客が玉貸出処理機２０に紙幣を投入する都度、記憶データとして格納され、売上情報記憶テーブル２８内の売上情報は、リアルタイムで管理サーバ２００に通知される。
【００９６】
図１５のフローチャートに戻り、玉貸出処理機２０では、通信Ｉ／Ｆ２６および中継器３００を通じて管理サーバ２００に対して識別ＩＤに対応付けた売上情報の通知をおこなう（ステップＳ１４０）。一方、管理サーバ２００では、玉貸出処理機２０から売上情報の通知を受信し（ステップＳ１５０）、この売上情報を管理サーバデータベース２１０内に格納する（ステップＳ１６０）。次いで、同一の識別ＩＤがあるか否かの判定をおこない（ステップＳ１７０）、同一の識別ＩＤがある場合には（ステップＳ１７０肯定）、同一の識別ＩＤに関連付けて売上情報の更新をおこなう（ステップＳ１８０）。
【００９７】
一方、ステップＳ１７０の判定により、玉貸出処理機２０から通知された識別ＩＤが無い場合は（ステップＳ１７０否定）、当該玉貸出処理機２０に対して取引停止指令を送信するとともに、エラー処理に移行し（ステップＳ１７５）、操作者（管理者）に報知する。ここで、店内に設定される全ての玉貸出処理機２０は、電源ＯＮ時（開店時或は、玉貸出処理機２０の交換時）に識別ＩＤを管理サーバ２００に登録されているのであるから、ステップＳ１７０において否定されることは、通常起こることではない。
【００９８】
以下、ステップＳ１８０により更新および集計された売上情報は、管理サーバ２００から中継器３００を通じて中央管理装置１００に対して送信される（ステップＳ１９０）。中央管理装置１００では、管理サーバ２００から通知された各玉貸出処理機２０による売上情報に基づいて、遊技店の総売上情報の管理をおこなうものとなる。
【００９９】
図１６（ｂ）は、管理サーバ２００内に備えられた管理サーバデータベース２１０の一例を示している。同図に示すように、管理サーバデータベース２１０は、各遊技店を個別に識別する遊技店コード、取引時（紙幣投入時）の日付を示す取引日付、玉貸出処理機本体を特定する本体識別ＩＤ、枠体を特定する枠体識別ＩＤ、遊技台の番号、売上金額、取引時に設定される取引識別ＩＤという７項目のフィールドが設けられている。
【０１００】
この管理サーバデータベース２１０の各フィールドのうち売上金額は、玉貸出処理機２０から通知される識別ＩＤに関連付けられた売上情報に基づいて、照合がおこなわれるとともに、更新処理により更新された売上情報（金額）がリアルタイム通信或は所定のタイミングにおける通信により中央管理装置１００に送信される。
【０１０１】
再度、図１５のフローチャートに戻り、処理手順を説明する。すなわち、ステップＳ２００において、管理サーバ２００により紙幣の回収指示設定が有るか否かの判定をおこない（ステップＳ２００）、この紙幣回収指示が設定される場合には（ステップＳ２００肯定）、紙幣回収処理に移行する（ステップＳ２１０）。一方、ステップＳ２００の判定により紙幣回収指示設定がない場合には（ステップＳ２００否定）、そのまま処理工程は終了する（エンド）。
【０１０２】
図１７は、図１４に示した紙幣回収処理工程の詳細を説明するフローチャートである。通常、この紙幣回収処理工程は、遊技店の閉店時などに玉貸出処理機２０に対して、管理サーバ２００からの閉店信号の受信などにより、紙幣の回収指示が有る場合を想定して説明する。また、リモコン９０については、図１１（ａ）を参照して説明する。
【０１０３】
すなわち、先ず、ＢＶユニット部５０の紙幣収納部５１内に備えた紙幣検知センサ５４の検知出力を取得し（ステップＳ６００）、次いで、装着／突出検知センサ８１による検知出力を取得する（ステップＳ６１０）。前述したように、本例の紙幣検知センサ５４には、反射型のフォトインタラプタが使用されているため、紙幣が紙幣収納部５１内に収納されている場合（未回収時）、この紙幣検知センサ５４による検知出力はＯＮとなる。
【０１０４】
また、玉貸出処理機２０の本体２１内にＢＶユニット部５０が装着されている場合、装着／突出検知センサ８１は、遮蔽板６６（図１２）により遮蔽されているため装着／突出検知センサ８１による検知出力はＯＮとなる。つまり、ステップＳ６００およびステップＳ６１０による処理手順により、貸出処理機２０の本体２１内にＢＶユニット部５０が装着されており、紙幣収納部５１内に紙幣が収納されている状態を各センサ５４、８１に基づいて、取得する。
【０１０５】
ここで、以下のステップＳ６３０からの処理は、管理サーバ２００から貸出処理機２０に対して、閉店指示通知（紙幣回収指示）が送信された場合、或は、リモコン９０による解錠指示通知を貸出処理機２０が受信した場合を想定する。
【０１０６】
すなわち、リモコン９０により、玉貸出処理機２０に対して解錠指示通知が送信された場合（ステップＳ６２０）、装着／突出検知センサ８１による検知出力の切り換わり（出力変化）が有るか否かを判定する（ステップＳ６３０）。このステップＳ６３０による判定は、前記ステップＳ６００で取得した装着／突出検知センサ８１による検知出力と、解錠指示通知の受信時における装着／突出検知センサ８１による検知出力とを比較することにより、ＢＶユニット収納部５０が本体２１内から突出したかを判定する処理である。
【０１０７】
そして、このステップＳ６３０による判定により、装着／突出検知センサ８１による検知出力の切り換わりが有ると判定された場合には（ステップＳ６３０肯定）、次いで、紙幣検知センサ５４によって紙幣が検出されるか否かの判定に移行する（ステップＳ６４０）。このステップＳ６４０による判定は、紙幣検知センサ５４が紙幣無し（ＯＦＦ）を検出することにより、紙幣の回収がなされたか否かを検出する処理である。尚、ステップＳ６４０による紙幣有無の確認は、ステップＳ６３０における出力検知後、所定時間が経過してからおこなうようにしてもよい。
【０１０８】
ここで、ステップＳ６３０の判定により、装着／突出検知センサ８１による出力変化がない（ＯＮのまま）と判定された場合には（ステップＳ６３０否定）、リモコン９０から解錠指示通知が送信されても、玉貸出処理機２０の本体２１内からＢＶユニット部５０が突出しない状態であるため、ＢＶロック機構部５３の故障などによる解錠不良が発生したものと考えられる（ステップＳ６５０）。
【０１０９】
そして、このステップＳ６４０の判定により、紙幣検知センサ５４が紙幣無しを検知したと判定された場合には（ステップＳ６４０肯定）、ＢＶユニット部５０の紙幣収納部５１内に紙幣が残ってないことから紙幣の回収が完了したことが判定される（ステップＳ６６０）。
【０１１０】
一方、ステップＳ６４０の判定により紙幣検知センサ５４が紙幣無しを検知しないと判定された場合には（ステップＳ６４０否定）、ＢＶユニット部５０が取り出されて紙幣収納部５１が開放された状態でも、紙幣が残っていることから紙幣回収忘れ（未回収）と判定される（ステップＳ６７０）。以下、この紙幣の未回収を異常検知として（ステップＳ６９１）、ランプ表示２２の点灯／点滅などにより異常報知をおこなうともに（ステップＳ６９２）、貸出処理機２０から管理サーバ２００に対して、発生した異常内容（紙幣未回収）の報知をおこなう（ステップＳ６９３）、全ての処理が終了する（エンド）。
【０１１１】
さらに、ステップＳ６８０により、再度、装着／突出検知センサ８１による検知出力に変化があるかの判定をおこなう（ステップＳ６８０）。そして、このステップＳ６８０による判定により、装着／突出検知センサ８１による検知出力に変化がないと判定された場合には（ステップＳ６８０否定）、ＢＶユニット部５０の閉め忘れの発生があると判定することができる（ステップＳ６９０）。
【０１１２】
以下、紙幣の未回収と同様に、ＢＶユニット部５０の未装着をランプ表示２２の点灯／点滅などにより異常を報知するとともに（ステップＳ６９２）、この貸出処理機２０から管理サーバ２００に対して、異常が発生した旨の報知をおこない（ステップＳ６９３）、全ての処理が終了する（エンド）。ここで、管理サーバ２００では、玉貸出処理機２０から報知された紙幣の未回収およＢＶユニット部５０の未装着を表示部２１６（モニタ）による表示（異常報知画面）により確認することができる。
【０１１３】
ここで、図１８（ａ）〜（ｃ）は、紙幣検知センサ５４および装着／突出検知センサ８１による各検知出力と判定結果が格納された紙幣回収判定テーブル５９ａを示している。すなわち、図１８（ａ）に示す紙幣回収判定テーブル５９ａでは、装着／突出検知センサ８１の検知出力が「ＯＮからＯＦＦ」に変化した後、再度、その検知出力が「ＯＮ」になった状態を示しており、この時、紙幣検知センサ５４の検知出力も同様に「ＯＮからＯＦＦ」に変化した例を示している。この場合、装着／突出検知センサ８１による検知結果に基づいて、ＢＶユニット部５０が貸出処理機２０の本体２１内から突出した後、再度、本体内２１に装着されたことが判定されるとともに、紙幣検知センサ５４による検知結果に基づいて、紙幣収納部５１内に収納されていた紙幣が無い状態であると判定されるため、この判定回収判定テーブル５９ａによる判定結果は、紙幣の回収完了となる。
【０１１４】
次いで、図１８（ｂ）に示す紙幣回収判定テーブル５９ａでは、装着／突出検知センサ８１の検知出力が「ＯＮからＯＦＦからＯＮ」に変化し、この時、紙幣検知センサ５４の検知出力が変化せず「ＯＮのまま」である例を示している。この場合、装着／突出検知センサ８１による検知結果に基づいて、ＢＶユニット部５０が貸出処理機２０の本体２１内から突出したことが判定されるが、紙幣検知センサ５４による検知結果によると、紙幣収納部５１内に収納されていた紙幣は、そのまま残存していると判定されるため（紙幣検知センサ５４ＯＮのまま）、この判定回収判定テーブル５９ａによる判定結果は、紙幣の回収忘れ（未回収）となる。
【０１１５】
次いで、図１８（ｃ）に示す紙幣回収判定テーブル５９ａでは、装着／突出検知センサ８１の検知出力が「ＯＮからＯＦＦ」に変化したまま、以降、その検知出力に変化がない状態を示しており、この場合、ＢＶユニット部５０の閉め忘れ（未装着）が発生していていると判定される。さらに。この場合、紙幣検知センサ５４の検知出力がＯＮのままである場合には、ＢＶユニット部５０の未装着だけでなく、紙幣の未回収があると判定されることとなる。
【０１１６】
次いで、図１９は、管理サーバ２００の表示部２１６（モニタ）に表示される異常表示の一例を示している。これは、図１７のステップＳ６９３において、管理サーバ２００に報知された異常内容に基づいて表示されるものである。同図に示すように、本例では、３台の玉貸出処理機２０（台番号１１３、１２６、１３０）に紙幣の回収忘れ（未回収）が発生したことが表示として示されている。また、この図１９に示す例では、ＢＶユニット部５０の装着不良の発生は無いことが表示されている。
【０１１７】
以上のように、管理サーバ２００では、玉貸出処理機２０から送信された紙幣の回収忘れ（未回収）およびＢＶユニット部５０の装着不良を表示部２１６により容易に確認することができる。異常が発生している玉貸出処理機２０を、識別ＩＤでなく、並列される遊技機の台番号によって表示することにより、復旧作業（回収忘れ紙幣の回収）をおこなうために設置場所へ駆け付けた係員は、作業の対象となる玉貸出処理機２０を特定しやすいという効果が見込まれる。
【０１１８】
（他の実施の形態）
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてもよいものである。
【０１１９】
例えば、上述した実施の形態では、本発明に係る遊技媒体貸出システムをパチンコ遊技に適用した場合を示しているが、本発明は、パチンコ遊技に限定することなくパチスロ機による遊技システムにも好適に適用することができる。具体的には、パチスロ機によるメダル貸出機に備えられる紙幣収納部の回収扉に対する開閉制御システムとして、本発明を適用することができる。
【０１２０】
また、本実施の形態では、パチンコ機の内部から玉が投出される（所謂、ＣＲ機方式）について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、玉貸出処理機からノズルを介して玉が投出される方式においても同様に適用することができる。
【０１２１】
また、本実施の形態においては、カード媒体が全く介在しないタイプの玉貸出システムに適用したが、カード媒体が介在するタイプであっても、貸出処理機が現金（紙幣）を受け入れて遊技媒体の貸出処理をおこなうタイプのシステムであれば、同様に本発明を適用することができる。
【０１２２】
また、本実施の形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【０１２３】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、ＣＰＵおよび当該ＣＰＵにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【０１２４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上金額として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、前記紙幣を内部に収納するとともに、当該収納紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能な紙幣収納ユニットと、前記貸出処理機内に装着された紙幣収納ユニットを取り出し阻止状態に施錠するロック機構部と、前記ロック機構部により施錠された前記紙幣収納ユニットの解錠を許容する解錠制御手段と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態であるか、取り出し阻止状態にあるかを検知する許容／阻止状態検知手段と、前記紙幣収納ユニットに収納される紙幣の有無を検知する紙幣検知手段と、前記許容／阻止状態検知手段および前記紙幣検知手段による検知結果に基づいて、前記紙幣収納ユニット内の紙幣回収状態を判定する紙幣回収判定手段とを備えるので、紙幣収納ユニット内に収納される紙幣の有無および紙幣の回収忘れ（未回収）を確認する作業を必要としないうえ、紙幣の未回収を有効に防止することができるという効果を奏する。
【０１２５】
また、本発明によれば、前記紙幣回収判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第２の検知出力から前記第１の検知出力へ切り換わったときに、前記紙幣検知手段から検知出力を取得し、紙幣有りを検知している場合に、紙幣の未回収があると判定するので、紙幣収納ユニット内に収納される紙幣の有無および紙幣の回収忘れ（未回収）を確認する作業を必要としないうえ、紙幣の未回収を有効に防止することができるという効果を奏する。
【０１２６】
また、本発明によれば、前記紙幣回収判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第１の検知出力から前記第２の検知出力への切り換わり後、さらに所定時間経過後に、前記紙幣検知手段から検知出力を取得し、紙幣有りを検知している場合に、紙幣の未回収があると判定するので、紙幣収納ユニット内に収納される紙幣の有無および紙幣の回収忘れ（未回収）を確認する作業を必要としないうえ、紙幣の未回収を有効に防止することができるという効果を奏する。
【０１２７】
また、本発明によれば、前記貸出処理機は、前記紙幣回収判定手段により紙幣が未回収であると判定された旨を、外部に対して報知する外部報知手段をさらに備えるので、紙幣収納ユニットの未装着を報知することによりセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１２８】
また、本発明によれば、複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上金額として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、前記紙幣を内部に収納するとともに、当該収納紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能な紙幣収納ユニットと、前記貸出処理機内に装着された紙幣収納ユニットを取り出し阻止状態に施錠するロック機構部と、前記ロック機構部により施錠された前記紙幣収納ユニットの解錠を許容する解錠制御手段と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるか、取り出し阻止状態にあるかを検知する許容／阻止状態検知手段と、前記許容／阻止状態検知手段による検知結果に基づいて、前記紙幣収納ユニットの状態不良を判定する状態不良判定手段とを備えるので、紙幣収納ユニットの未装着を確実に防止できることからセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１２９】
また、本発明によれば、前記状態不良判定手段は、前記紙幣収納ユニットが取り出し阻止状態にあるときの許容／阻止状態検知手段による第１の検知出力と、前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態にあるときの第２の検知出力とを取得するとともに、前記第１の検知出力から前記第２の検知出力への切り換わり後、さらに所定時間経過しても、前記第２の検知出力から前記第１の検知出力への切り換わりがないときに、紙幣収納ユニットの取り出し阻止状態への復帰不良があると判定するので、紙幣収納ユニットの未装着を確実に防止できることからセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。また、紙幣収納ユニットの突出時、所定の時間は、紙幣の有無検知をしないことから、紙幣の回収作業時間などを考慮した遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１３０】
また、本発明によれば、前記貸出処理機は、前記状態不良判定手段により紙幣収納ユニットの取り出し阻止状態への復帰不良があると判定された旨を、外部に対して報知する外部報知手段をさらに備えるので、紙幣収納ユニットの未装着を確実に報知できることからセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１３１】
また、本発明によれば、前記外部報知手段による報知は、前記管理サーバに対しておこなうので、紙幣収納ユニットの未装着を確実に防止できることからセキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【０１３２】
また、本発明によれば、前記外部報知手段による報知は、前記貸出処理機に対応して設けられる表示手段による点灯或は点滅による報知であるので、未装着の確認を容易且つ確実におこなえるうえ、セキュリティの面で有効な遊技媒体貸出システムを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１に係る遊技媒体貸出システムの概要を示す説明図である。
【図２】本発明の実施の形態１に係る遊技媒体貸出システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図３】図２に示した管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図４】図２に示した中央管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図５】図２に示した遊技媒体貸出システムで適用する玉貸出処理機およびパチンコ機の外観正面図である。
【図６】図５に示した玉貸出処理機を示す側面図である。
【図７】図５に示した玉貸出処理機と枠体との分離状態を示す図である。
【図８】実施の形態１に係る玉貸出処理機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図９】ＢＶユニット制御部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図１０】玉貸出処理機本体に対してＢＶユニット部を突出させた状態を示す斜視図である。
【図１１】（ａ）は、ＢＶロック機構部のロック状態を、（ｂ）は、ロック解錠状態をそれぞれ示す概略説明図である。
【図１２】（ａ）は、ＢＶロック機構部のロック状態を、（ｂ）は、ロック解錠状態をそれぞれ示す要部拡大図である。
【図１３】（ａ）は、管理者用のリモコン、（ｂ）は、一般の店員用のリモコンをそれぞれ示す外観図である。
【図１４】実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの基本処理手順を示すフローチャートである。
【図１５】実施の形態に係る遊技媒体貸出システムの全体処理手順を示すフローチャートである。
【図１６】（ａ）は、売上情報記憶テーブルの構成を、（ｂ）は、管理サーバデータベースの構成をそれぞれ示す図である。
【図１７】図１３に示した紙幣回収処理手順を示すフローチャートである。
【図１８】（ａ）〜（ｃ）は、紙幣回収判定テーブルの例をそれぞれ示す図表である。
【図１９】管理サーバの表示部に表示される異常状態表示画面（紙幣未回収／ＢＶユニット未装着）の一例を示す図である。
【符号の説明】
１０ パチンコ機
１５ 紙幣挿入口
２０ 玉貸出処理機
２２ 表示ランプ部
２３ 表示部
２４ リモコン用受光部
２５、２１５ 制御部
２６、１３０、２２０ 通信Ｉ／Ｆ
２７、３２ メモリ
３０ 枠体
３１ ジョイント基板
２８、３３ 売上情報記憶テーブル
５０ ＢＶユニット部
５１ 紙幣収納部
５２ 紙幣識別部
５３ ＢＶロック機構部
５４ 紙幣検知センサ
５５ 紙幣有無判定部
５６ ＢＶユニット制御部
５８ 装着／突出判定部
５９ 紙幣回収判定部
５９ａ 紙幣回収判定テーブル
７０ 玉貸制御部
８０ 電源部
８１ 装着／突出検知センサ
８３ 異常検知判定部
９０、９０ａ リモコン
９１ 個別解錠キー
９２ 島解錠キー
１００ 中央管理装置
１１０ 中央管理制御部
１１５、２１６ 表示部
１２０ 遊技店管理データベース
２００ 管理サーバ
２１０ 管理サーバデータベース
３００ 中継器
Claims (3)
- 複数の遊技機に並設されるとともに、紙幣の受け入れにより、当該遊技機に対する遊技媒体の貸し出し処理をおこなう貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上金額として取得する管理サーバとを備えた遊技媒体貸出システムであって、
前記貸出処理機は、
前記紙幣を内部に収納するとともに、当該収納紙幣の取り出しを許容する取り出し許容状態と、取り出しを阻止する取り出し阻止状態の間を切換可能な紙幣収納ユニットと、
前記貸出処理機内に装着された紙幣収納ユニットを取り出し阻止状態に施錠するロック機構部と、
前記ロック機構部により施錠された前記紙幣収納ユニットの解錠を許容する解錠制御手段と、
前記紙幣収納ユニットが取り出し許容状態であるか、取り出し阻止状態にあるかを検知する許容／阻止状態検知手段と、
前記紙幣収納ユニットに収納される紙幣の有無を検知する紙幣検知手段と、
前記許容／阻止状態検知手段によって前記取り出し阻止状態から前記取り出し許容状態への切替が検知されてから所定時間経過した場合、または、前記切替の検知後に前記取り出し阻止状態への再切替が検知された場合に、前記紙幣検知手段による紙幣有無の検知を実行させることで、前記紙幣収納ユニットの閉め忘れおよび紙幣の回収忘れを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする遊技媒体貸出システム。 - 前記管理サーバは、
前記貸出処理機の判定手段によって前記閉め忘れおよび／または前記回収忘れであると判定された前記貸出処理機の一覧を表示させる表示制御手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項１に記載の遊技媒体貸出システム。 - 前記貸出処理機および／または前記管理サーバは、
前記貸出処理機の判定手段によって前記閉め忘れおよび／または前記回収忘れであると判定された旨を報知する報知手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項１または２に記載の遊技媒体貸出システム。
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