以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ遊技機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行う呼出しランプ装置などであってもよい。
P台2は、内部に遊技媒体の一例の遊技球(パチンコ球)を封入しており(以下、封入球ともいう)、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、左上側に設けた発射装置である発射機構30の発射ソレノイドを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射ソレノイドが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて封入球が遊技領域27内に発射される。
発射ソレノイドを駆動させて封入球を1発ずつ遊技領域27に打込むと、それに伴い減算機構32で、P台2において遊技可能な遊技球数から1球ずつ減算する。遊技球の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域を遊技球が通過するように発射強度Tを調整することができる。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれた封入球が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞球の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態(大当り遊技状態ともいう)となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777などの確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれた封入球はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞した封入球およびアウト口154に回収された封入球は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置の封入球が遊技領域27内に打込まれる。
また、P台2の打球操作ハンドル25の上方位置に遊技球数を表示するための遊技球数表示器が設けられている。遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、枠制御部171(図4参照)によって制御される。この遊技球数表示器29により、遊技球数や発生したエラーのエラー番号などが表示される。なお、遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2における遊技球数表示器29の左方位置には、遊技球から持ち球への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される(たとえば0.3秒押下状態が継続する度に250球の計数処理が実行される)。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば250球)だけ遊技球から持ち球への計数が行われるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技球のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行う場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合と比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けられている。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の遊技機枠(前枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、遊技機枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記憶情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばプリペイド残額、持ち球数、あるいは貯玉数など)を“遊技球のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技球のデータによって特定される球数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技球のデータ”とは、発射可能な球の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技球のデータ”を貯玉や持ち球と同様に、単に“遊技球”と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記憶されている情報が読取られる。
CU3の前面側には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記憶された会員カードID(単に、カードID、C−IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319とが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記憶媒体(カード)に記憶されているプリペイド残額を表示するものであるが、遊技球数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持ち球数が記憶されているときにはその持ち球数の一部を引落として遊技球に変換し、変換した遊技球に基づいてP台2による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持ち球数が記憶されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータなどに記憶されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技球に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持ち球との双方が記憶されている場合には、持ち球が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持ち球を引落とすための専用の持ち球払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した球でホールに預けている球であり、貯玉払出により遊技球となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持ち球」とは、当日獲得した球であり、持ち球払出により遊技球となる。また、持ち球数は、遊技者がP台2により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技球数をカードに記憶したものであって、未だに遊技場に預入れられていない球数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した球数を「持ち球」と言い、前日以前に遊技者が獲得した球数であって遊技場に預入れられた球数を「貯玉」と言う。
「遊技球」とは、P台2で発射可能な球である。遊技球数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持ち球、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持ち球数を遊技場に設定された持ち球数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持ち球」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預入れられた球数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の球数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記憶させずホール用管理コンピュータなどの遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持ち球は、カードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持ち球は、ビジターカードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、持ち球をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持ち球を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持ち球が一旦貯玉としてホールサーバに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持ち球のみが再びそのCU3に記憶され、その持ち球の範囲で遊技球を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、球貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。球貸ボタン321は、挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技球への変換操作)を行うボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した持ち球数(カード挿入時の持ち球数−遊技球への変換数+計数操作によって計数された持ち球数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
次に、図2を参照して、P台2は、額縁状の外枠4に対して、遊技機枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
遊技機枠5における揺動中心とは反対側の端縁付近(遊端側)には、上下1対の係合突起6a、6bが設けられている。この係合突起6a、6bは、図示しないバネによって下方向に押圧されている。一方、係合突起6a、6bに対向する外枠4の位置に、係合受け片7a、7bが設けられている。開放状態の遊技機枠5を外枠4に押付けることにより係合突起6a、6bが係合受け片7a、7bを乗越え、乗越えた状態でバネの付勢力により係合突起6a、6bが下方に移動し、ロック状態となる。
そして、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して上下1対の係合突起6a、6bが上方に押上げられ、その結果係合受け片7a、7bに対する係合突起6a、6bの係合が解除されてロック解除状態となり、遊技機枠5が開放される。
さらに、遊技機枠5にはガラス扉6用の係合突起8も設けられており、その係合突起8に対向するガラス扉6部分には、係合穴9が設けられている。係合突起8は、図示しないバネによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉6を遊技機枠5に押付けることにより係合穴9の下縁部分によって係合突起8が押上げられて乗越えることにより、バネの付勢力により係合突起8が押下げられ、係合突起8と係合穴9とが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して係合突起8が引上げられ、係合突起8と係合穴9との係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉6が開放される。
遊技機枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に裏機構部開放スイッチ13が設けられており、遊技機枠5が開放されたことが検出される。また、遊技機枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分に前飾り開放スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこの前飾り開放スイッチ12により検出される。
前飾り開放スイッチ12および裏機構部開放スイッチ13の開放回数は、図示しない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などが搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間などの電源OFF時でもガラス扉6や遊技機枠5の開放検出回数を計数してその計数値を枠制御部171(図4参照)へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず遊技機枠5を開放して遊技機枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行うためには、遊技機枠5を開放する必要があるため裏機構部開放スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
さらに、遊技機枠5の裏面に、枠制御基板17が設けられている。枠制御基板17も、まず遊技機枠5を開放してから、遊技機枠5の裏面より取外す必要がある。よって、遊技機枠5の裏面より枠制御基板17を不正に取外す、または枠制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
次に、遊技盤26を遊技機枠5に設置する構成について説明する。図3は、遊技盤26が遊技機枠5に取付けられる前と取付けられた後の様子を示す図である。図3に示すように遊技機枠5の裏面には、取付機構34a、34bがそれぞれヒンジ35a、35bを中心に開閉自在に設けられている。取付機構34a、34bは、コの時型をしており、遊技盤26に対応した幅の底を持つ。遊技盤26を遊技機枠5に対して図3(b)の矢印方向に押し込むことで、図3(a)に示すように遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定される。遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定されるときに、遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ33Aが遊技機枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33Bと結合する。ここで、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33Bは、位置ずれに対してフレキシブル性を有するフローティングコネクタである。
また、遊技盤26を遊技機枠5に設置する際に、凸型ドロアコネクタ33Aが凹型ドロアコネクタ33Bと結合することで、遊技盤26側の主制御基板16と、遊技機枠5側の枠制御基板17とが接続されることになる。さらに、遊技盤26は決まった位置に固定されるとともに、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33Bはある程度の位置ずれに対してフレキシブル性を有しているので、凸型ドロアコネクタ33Aと凹型ドロアコネクタ33Bとの位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。なお、取付機構34a、34bを設けず、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33Bのみで、遊技盤26を遊技機枠5に設置する構成であっても、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33B自体がフレキシブル性を有するフローティングコネクタであるため、遊技盤26と遊技機枠5との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。ここで、凸型ドロアコネクタ33Aは、遊技盤26の内部配線(図示せず)を介して主制御基板16に接続され、凹型ドロアコネクタ33Bは、信号ケーブル360を介して、図2に示す枠制御基板17に接続されている。
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図4は、CU3およびP台2に用いられる制御回路を示すブロック図である。図4を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータなどから構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行うホールサーバと通信を行うための外部出力端子340が設けられている。CU3は、外部出力端子340を介して、CU3の状態や、P台2から受信した遊技機状態情報(性能表示モニタ40で表示する情報を含む)をホール用管理コンピュータ(ホールコン)やセキュリティ上の管理を行うホールサーバなどの外部に送信する。CU制御部323は、通信制御IC325を介してP台2の枠制御基板17と通信を行っている。通信制御IC325と枠制御基板17とは、例えば、非同期シリアル通信ポートで接続されている。CU制御部323と枠制御基板17との通信は、貸出情報(挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作に関する情報)と貸出応答情報(貸出情報に対する応答情報)とを双方向で行い、それ以外の計数情報(遊技球から持ち球への計数処理に関する情報)、および遊技機情報を、枠制御基板17からCU制御部323への一方向の通信で行っている。そのため、CU3が計数情報および遊技機情報を受信したか否かをP台2側では認識していない。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタなどで構成されている。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記憶情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記憶情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持ち球を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは持ち球数などのデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3の前面に設けられる表示器312に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。表示器312には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が球貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、球貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行う主制御基板16と、遊技球を管理・記憶する枠制御基板17と、枠制御基板17の指令に基づいて発射ソレノイド31aを駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けられている。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163に接続されている。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に球が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行うとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
枠制御基板17は、遊技機枠5に設けられている。枠制御基板17には、枠制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。枠制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
また、枠制御基板17に対し、計数ボタン28、性能表示モニタ40、電波センサ173、減算ソレノイド32a、減算機構入口センサ32b、減算機構出口センサ32c、揚上機構出口センサ33、アウト球検出スイッチ701、前飾り開放スイッチ12、および裏機構部開放スイッチ13が電気的に接続された状態で設けられている。アウト球検出スイッチ701から枠制御基板17へアウト球検出信号が入力される。主制御基板16は、後述するようにアウト球検出信号に基づきベース値(単に、ベースともいう)などを算出する。電波センサ173は、電波を不正に発信して主に減算機構入口センサ32bを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が枠制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して枠制御部171へ入力される。減算機構入口センサ32bは、オフからオンに変化したことにより遊技球の発射を検出し、その検知に基づいて、枠制御部171が、遊技球数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの減算機構入口センサ32bが常時オフ状態になると、いくら球を発射しても遊技球数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
枠制御基板17には、性能表示モニタ40が設けられる。性能表示モニタ40は、7セグメント式のLEDディスプレイである。性能表示モニタ40は、枠制御部171によって算出された付与された遊技価値(例えば、賞球など)に関する性能情報、ベース、役物比率、連続役物比率などの所定情報を表示する。なお、性能表示モニタ40で表示する情報を、CU3を介してホールサーバなどに出力することができるが、P台2に外部出力端子を設け、直接ホールサーバなどに出力してもよい。
ここで、ベースは、P台2の遊技領域27に打ち込まれた遊技球の数に対する、遊技領域27に設けられた大入賞口271、普通入賞口272〜274、および、始動入賞口275〜277などの入賞口への遊技球の入賞に応じて付与された遊技価値に対応する遊技球の数の割合である。また、役物比率(役比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球のうち役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである電動チューリップで構成される始動入賞口276、および、役物の1つである可変入賞球装置で構成される大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。さらに、連続役物比率(連比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、連続役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである可変入賞球装置が設けられた大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。
主制御基板16から枠制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報の情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記憶されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技球が入ったときの払出球数)とを含む情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。
入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞した遊技球の検出信号である。この検出信号を受けた枠制御基板17は、その入賞球1個に対して付与すべき球数を、遊技球数と加算球数とに加算する制御を行う。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかに遊技球が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行っている最中にエラーが発生した場合にその旨を枠制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当りなどのように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
枠制御基板17から主制御基板16へ、遊技機設置情報受領結果、遊技機情報受領結果、および枠制御状態が送信される。遊技機設置情報受領結果および遊技機情報受領結果は、主制御基板16から遊技機設置情報および遊技機情報を受領したことを示すためのコマンドである。枠制御状態は、枠制御基板17の制御状態を通知するコマンドである。
CU3の通信制御IC325とP台2の枠制御基板17とが電気的に接続されており、通信制御IC325から枠制御基板17へ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、枠制御基板17から通信制御IC325へ、後述するように各種レスポンスが送信される。
遊技機枠5には、枠制御基板17の他、発射制御基板31、発射ソレノイド31a、遊技球数表示器29が設けられている。なお、遊技球数表示器29は遊技機枠5に直接取り付けてもよいが、球が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、遊技機枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。枠制御基板17の枠制御部171は遊技球数表示器29に遊技者が現在所有している遊技球数を表示する。
枠制御基板17から発射制御基板31へ、発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射機構30の発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力する。これにより、遊技球が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射ソレノイド励磁出力を発し、発射ソレノイド31aを駆動させる。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<遊技球の循環経路>
ここでは、図1および図4を参照して、P台2における遊技球の循環経路を概説する。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aが駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個の遊技球が打球ハンマーにより弾発されてその遊技球が遊技領域27に打込まれる。
発射ソレノイド31aが作動して遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号が減算機構32に出力される。減算機構32では、出力された減算基準信号を基準に、減算ソレノイド32aが通電して可動片を動かすことで遊技球を発射機構30へ送り出し、遊技球が減算機構入口センサ32bを通過することで遊技球数を減算する。
遊技領域27に打込まれた球のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト球は、アウト球流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト球検出スイッチ701によって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞球は、遊技機背面で集められて回収球通過経路に誘導される。同様に、アウト球およびファール球も回収球通過経路に誘導される。回収球通過経路には揚上機構出口センサ33が設けられている。このため、入賞球、アウト球、およびファール球のすべてが揚上機構出口センサ33によって検出される。つまり、揚上機構出口センサ33は、弾発された遊技球のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射ソレノイド31aにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、揚上機構出口センサ33の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた球の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘などの間に引っ掛かって落下していないような浮遊球が存在していないかどうかを判断できる。
<CUとP台との接続>
CU3とP台2とは、図4に示す通信制御IC325と枠制御基板17との間をPIF配線で接続している。PIF配線の構成について詳しく説明する。図5は、カードユニットとパチンコ遊技機とを接続するPIF配線の構成を説明するための概略図である。図5(a)には、CU3とP台2とを接続するPIF配線の配線番号と情報名称が図示され、図5(b)には、各情報名称に対する情報の向きおよび情報の説明がそれぞれ図示されている。
具体的に、配線番号1は、情報名称が「絶縁GND」で、アイソレーション用GNDが割り当てられる。配線番号2は、情報名称が「絶縁GND」で、配線番号6のシグナルGNDに使用される。配線番号3は、情報名称が「絶縁GND」で、配線番号7のシグナルGNDに使用される。配線番号4は、情報名称が「PSI」で、P台2からCU3へ接続確認情報を送信するために使用される。なお、P台2は、CU3との接続を検知中(VL=ON)に接続確認用の特殊信号としてPSI信号をCU3に出力し、CU3との接続を未検知中(VL=OFF)にPSI信号をCU3に出力しない。配線番号5は、情報名称が「絶縁GND」で、アイソレーション用GNDが割り当てられる。配線番号6は、情報名称が「貸出応答情報、計数情報、遊技機情報」で、P台2からCU3へそれぞれの情報を送信するために使用される。配線番号7は、情報名称が「貸出情報」で、CU3からP台2へ貸出情報を送信するために使用される。配線番号8,9は、情報名称が「絶縁5V(VL)」で、それぞれアイソレーション用5V(接続確認用の電源VL)の信号ラインとして割り当てられる。
<CU3とP台2との通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行わない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
<CUとP台との間で送受信する情報>
次に図6を参照して、CU3とP台2との間で送受信される情報(電文)の概略を説明する。P台2の枠制御基板17よりCU3に対して、(a)貸出情報、(b)貸出応答情報、(c)計数情報、および(d)遊技機情報をそれぞれ分けた電文で、共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。CU3とP台2との間で送受信される(a)〜(d)の4種類の情報(電文)では、それぞれ電文のヘッダーが異なっており、当該ヘッダーにより電文の種別を区別することが可能となっている。
なお、(a)貸出情報と(b)貸出応答情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(a)貸出情報と(c)計数情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(a)貸出情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。また、(b)貸出応答情報と(c)計数情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(b)貸出応答情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(c)計数情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。
図6(a)には、貸出情報が記載されている。貸出情報には、CU3がP台2に送信する貸出通知の電文に含まれる情報として貸出球数の情報と、通信管理をするための貸出通番の情報とがある。貸出球数の情報は、貸出に係る遊技球数の情報であり、1回の情報で送信される遊技球数の情報として例えば125球の情報が含まれる。なお、貸出情報は、貸出球数が0(ゼロ)球の場合に貸出球数の情報に0(ゼロ)の情報を含めて送信してもよい。
図6(b)には、貸出応答情報が記載されている。貸出応答情報には、P台2がCU3に送信する貸出受領結果応答の電文に含まれる情報として貸出球数受領結果の情報と、通信管理をするための貸出通番の情報とがある。貸出球数受領結果の情報は、CU3から送信された貸出球数の情報を受領した結果をCU3に知らせる情報である。
図6(c)には、計数情報が記載されている。計数情報では、P台2が計数球数と、計数累積球数と、通信管理をするための計数通番とを含む計数通知の電文としてCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための情報をCU3から受信しない。計数球数、計数累積球数および計数通番は、いずれも遊技球の計数を目的とする情報である。また、1回の情報で送信される計数球数は、例えば250球である。なお、計数情報は、計数球数が0(ゼロ)球の場合に計数球数の情報に0(ゼロ)の情報を入れて送信してもよい。
図6(d)には、遊技機情報が記載されている。遊技機情報では、P台2が遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン情報、不正監視情報をCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための情報をCU3から受信しない。遊技機設置情報は、機歴管理を目的とする情報で、電源投入後に遊技機設置情報通知の電文としてCU3へ送信される。遊技機設置情報には、主/枠制御CPUのメーカコード、型式コード、チップID番号などの情報を含む。
遊技機性能情報は、性能情報の集計を目的とする情報で、遊技機性能情報通知の電文としてCU3へ送信される。遊技機性能情報は、遊技に基づいて算出された結果を出力するもので、総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出球率、分間獲得遊技球数(低ベース)、分間獲得遊技球数(高ベース)、特別電動役物による総獲得遊技球数、普通電動役物による総獲得遊技球数、役物連続差動装置による総獲得遊技球、始動口の総獲得遊技球数、普通入賞口の総獲得遊技球数、特別電動役物の総作動回数、普通電動役物の総作動回数、特別図柄表示装置の総作動回数、普通図柄表示装置の総作動回数、役物比率、連続役物比率などの情報を含む。また、枠制御基板17が、遊技機性能情報をCU3に対して通知する条件として、例えば、(1)P台2の電源投入から3分経過後に通知、(2)遊技球を規定発射球数分(例えば、60000球)の発射もしくは規定時間(例えば、10時間)の周期毎に通知、(3)遊技機設置情報通知より優先して通知、(4)ホールコン・不正監視情報通知を通知した次の周期(300ms後)に通知などの条件がある。なお、これらの条件は例示であって他の条件を採用してもよく、また、上記条件のうち、いずれか1つの条件のみを採用したり、複数の条件を組み合わせて採用したりしてもよい。
ホールコン情報は、ホールコンの情報集計を目的とする情報で、ホールコン・不正監視情報通知の電文としてCU3へ送信される。ホールコン情報は、大当り、確率変動、時間短縮、各入賞口の入賞球数などを含む。不正監視情報は、CU3による不正監視を目的とする情報で、ホールコン・不正監視情報通知の電文としてCU3へ送信される。ホールコン情報は、遊技球数(現在の持ち球数)、遊技球数通番などの情報を含む。
図7は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の通信シーケンスを示す図である。図8は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報のタイミングを示す図である。図7に示すシーケンスでは、図6に示した(b)貸出応答情報のNo.3〜No.4の情報、(c)計数情報、および(d)遊技機情報が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されている。逆に、図6に示した(a)貸出情報のNo.1〜No.2の情報が共通の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信されている。
なお、図7に示すシーケンスは一例であり、図6に示した(c)計数情報、および(d)遊技機情報が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されるシーケンスでもよい。このシーケンスの場合、図6に示した(a)貸出情報のNo.1〜No.2の情報が別の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信され、(b)貸出情報のNo.3〜No.4の情報が別の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信される。さらに、図6に示した(a)貸出情報のNo.1〜No.2の情報が共通の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信され、図6に示した(b)貸出情報のNo.3〜No.4の情報、および(c)計数情報が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されるシーケンスでもよい。このシーケンスの場合、図6に示した(d)遊技機情報が別の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されるシーケンスでもよい。
P台2からCU3へ送信される情報のうち、(d)遊技機情報は、図8で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、P台2からCU3への情報の送信から次の情報の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.3秒)に制御されている。P台2は、CU3での遊技機情報の受信状況に関わらず、規定期間Aごとに遊技機情報をCU3に送信することができる。そのため、P台2において、遊技機情報の再送処理が不要となり、過去の遊技機情報を記憶する必要がなくなり、処理負担を軽減できる。
このように、P台2からCU3へ300msの間隔で情報が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発の遊技球が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、球を1発発射する間に複数の情報が送受信されることになる。
遊技機情報は、計数情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、計数情報を送信しようとした場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。そこで、P台2では、遊技機情報をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、情報伝送の最適化を図るため、遊技機情報を送信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、100ms)に対応するタイミングで、計数情報についてCU3との間で通信を行っている。
図8では、遊技機情報としてホールコン情報および不正監視情報をCU3に送信した後、次に遊技機情報を送信するタイミング(規定期間A経過後)の前に、直前に遊技機情報を送信してから規定期間B以内のタイミングで(c)計数情報として計数球数および計数通番をCU3に送信している。なお、遊技者による計数ボタン28の操作は、遊技機情報を送信する前に行われているときには、計数情報の送信は、操作後の遊技機情報を送信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間B以内に行われる。
計数情報の送信は、遊技機情報を送信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、遊技機情報との輻輳が生じないタイミングであればよく、規定期間B経過後から次の遊技機情報が送信されるタイミングまでの間でもよい。
(a)貸出情報は、遊技者が球貸ボタン321又は再プレイボタン319を操作することで、CU3からP台2に対して貸出球数および貸出通番の情報が送信される。当該貸出情報は、遊技機情報と別の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。一方、貸出情報に対する(b)貸出応答情報は、遊技機情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、貸出応答情報を送信しようとした場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。
そこで、CU3は、P台2が遊技機情報をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、計数情報を受信していないことを条件に、遊技機情報を送信してから規定期間Aおよび規定期間Bと異なる規定期間C(例えば、270ms)に対応するタイミングで、貸出情報をP台2に送信している。つまり、P台2では、遊技機情報を送信してから規定期間C経過後のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信して、当該情報の応答として貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報をCU3に送信している。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が、遊技機情報を送信する前に行われているときには、貸出球数および貸出通番の情報の送信は、操作後、P台2からの遊技機情報を受信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間C経過後に行われる。
貸出情報の送信は、遊技機情報を送信するタイミングから規定期間C経過後に行われる場合に限られず、遊技機情報との輻輳が生じないタイミングであればよく、遊技機情報を受信してから規定期間B経過後で規定期間C以内のタイミングまでの間でもよい。なお、規定期間A〜Cについては、各種情報の通信タイミングがずれるように異なる値を適宜設定することができる。
<カードユニット側とパチンコ遊技機側との送受信態様>
次に、図9は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図9を参照して、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技球数の変動を算出して現在の最新の遊技球数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行っているが、その遊技球数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持ち球(カード持ち球数)や貯玉数、プリペイド残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図9では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の枠制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2とCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の枠制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、枠制御基板17自体が記憶している枠チップID(枠制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと枠チップIDとを記憶する。この状態で、メインチップID、枠チップIDの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら2つの情報、すなわち、メインチップIDと枠チップIDとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。一方、P台2では、電源投入後に設置情報であるメインチップID、枠チップIDの情報などの情報をCU3に送信し、その後、CU3を含む外部へ所定期間ごとに遊技機情報を送信することが可能となる。P台2では、認証処理を経ることなく遊技機情報を出力可能となるため、処理負担を軽減できる。
CU3およびP台2の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CU3およびP台2の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「遊技球数通番」、「計数通番」および「貸出通番」の3種類がある。「通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通番」は、送信側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通番」をカウントアップしない。受信側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「遊技球数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球数を通知する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球の計数を要求する際に用いられる通番である。「貸出通番」はCU3がP台2に対して遊技球の貸出を要求する際に用いられる通番である。
P台2側からCU3側へは、最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報が送信される。この最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報は、P台2側の枠制御部171(図4参照)のRAMに記憶されている。具体的には、計数球数カウンタの情報が含まれる。なお、遊技球数は、不正監視情報として遊技球数カウンタのカウント値をP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技球数カウンタに加えて、遊技球数も最新の遊技機性能情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめて遊技機情報としてCU3側へ送信される。CU3では、P台2から送信されてくる最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握している。CU3では、例えば、ホールコン情報に含まれる「賞球球数×入賞個数」に基づき遊技球数を加算し、「発射球数」に基づき遊技球数を減算する。さらに、計数球数カウンタは、計数球数をカウントするカウンタである。計数球数は、「計数操作によって遊技球から持ち球に変換された球数」である。計数累積球数カウンタは、計数累積球数をカウントするカウンタである。計数累積球数は、「計数操作によって遊技球から持ち球に変換された球の累積球数」であり、RAMクリア(初期化操作)から計数された累積球数、またはその日に計数された累積球数である。なお、遊技者が交代しても累積球数は変化しないものとする。また、計数累積球数カウンタには、2バイトのデータ領域が割り当てられており、0球〜65,535球の情報を格納可能である。そのため、計数累積球数カウンタは、計数累積球数を「0xFFFF(65,535球)」までカウントすると、次の値を「0x0000(0球)」に更新する。なお、遊技球の発射中に計数操作を受付けた場合、計数処理の対象となる遊技点の更新処理を優先的に行い、遊技球の発射を停止して発射に対応する遊技点の更新処理については実行を停止する。これにより、計数処理の対象となる遊技点の減算と、発射に対応する遊技点の減算とのタイミングが重なることを回避することができ、遊技点の更新処理をより正確に実現でき、誤った更新処理の発生を防止することができる。また、計数処理の対象となる遊技点の減算と、発射に対応する遊技点の減算とを同時に行ってもよい。これにより、遊技球の発射を停止することがないので、円滑な遊技を実現することができる。ここで、「賞球球」は、入賞口へ球が入賞することにより払出される球であり、セーフ球である。「発射球」は、遊技機が発射した球であり、バック球がある場合はバック球を減算した球数が発射球数となる。
枠制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技球数を計数球数としてカウントし、その計数球数カウンタの値(計数球数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、枠制御部171は、計数球数カウンタの値(計数球数)がカウントされる毎に計数累積球数カウンタの値が更新され、その計数累積球数カウンタの値(計数累積球数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、計数球数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、当該カウント値を前回遊技機情報記憶領域(枠制御部171のRAMなど)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、計数球数カウンタの値を0クリアする(遊技球数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技機情報(直前に送信した遊技機情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した計数球数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ計数球数のデータが送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技機情報に、直前に送信した遊技球数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、枠制御基板17は、入賞の発生、球の発射、および計数球の発生(遊技球から持ち球への変換)に応じて、遊技球数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技球数カウンタの値を遊技球数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技球数、カード持ち球数(単に、持ち球数とも言う)、貯玉数、残額、およびカード挿入時持ち球数を記憶している。なお、カード持ち球数は、カード挿入時持ち球数から貸出球数(カード持ち球数から遊技球数に変換した球数)を減算し、計数球数を加算した球数である。つまり、カード持ち球数は、現時点で遊技者が所有している持ち球数である。
P台2から送信されてきた計数球数カウンタの値に基づいてカード持ち球数を加算し、遊技球数から減算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新の遊技機情報によって遊技球数、カード持ち球数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技球数を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技球数カウンタのカウント値(遊技球数または遊技球トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技球数を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台2側から送信されてきた最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握するとともに、計数球数カウンタの値および貸出球数の値に基づいて、記憶している遊技球数を更新するとともに、P台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値と、更新後の遊技球数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行う。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行われ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバによるエラー報知が行われるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行われる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技球数をP台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技球数と、P台2側で記憶している遊技球数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技球数を記憶させているが、その遊技球数がP台2側で管理記憶している遊技球数と整合するか否かの判定を行えるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技球数がCU3側で記憶している遊技球数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバまたはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で記憶している遊技球数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行うものとしてもよい。
また、CU3は、計数情報を受信できなかった場合、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で管理記憶している遊技球数とが一致しなくなるので、特別処理を実行する。当該特別処理として、遊技機情報に基づく遊技球数の補填を行うため遊技機情報の履歴情報を表示させる処理を行ったり、当該履歴情報に基づき遊技球数の補填を行ったり、エラー報知を行ったりする。
さらに、図9に示すように、CU3は、カード持ち球数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのプリペイド残額を記憶する記憶領域と、およびカード挿入時持ち球を記憶する記憶領域とをさらに有する。CU制御部323(図4参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持ち球無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図4参照)は、持ち球の使用を要求する入力(たとえば、持ち球有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力)に応じて持ち球を記憶する記憶領域から所定数の持ち球を減算する。さらに、CU制御部323(図4参照)は、プリペイド残額の使用を要求する入力(たとえば、球貸ボタン321の押圧入力)に応じてプリペイド残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の所有価値(たとえば持ち球数、貯玉数、あるいはプリペイド残額)から所定の大きさの価値を貸出して遊技に使用する操作を遊技者が行った場合に、その引落とし分の球数を遊技球数カウンタに加算するための貸出球数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技球数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の所有価値を引落としてドリンクなどに交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダなどを受付けることが可能である。ただし、遊技球でワゴンサービスを受けることが制限されており、持ち球でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式パチンコ遊技機において、皿に残っている計数前の球を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行う操作が実行されたときに、持ち球数がワゴンサービスの希望メニューに対応する球数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数球数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技球数を減算し、カード持ち球数を加算して更新する。
<CUとP台との通信の変形例1>
図7および図8では、CU3とP台2との通信が、遊技機情報を送信するタイミングを基準に、計数情報および貸出情報を送受信するタイミングが決定される例を説明した。変形例1として、遊技機情報を送信するタイミングを基準に、計数情報を送信するタイミングを決定するが、貸出情報を受信するタイミングは計数情報を送信するタイミングを基準に決定されるCU3とP台2との通信の例を説明する。
図10は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報のタイミングを示す図である。P台2からCU3へ送信される情報のうち、(d)遊技機情報は、図10で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、P台2からCU3への情報の送信から次の情報の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.3秒)に制御されている。P台2は、CU3での遊技機情報の受信状況に関わらず、規定期間Aごとに遊技機情報をCU3に送信することができる。そのため、P台2において、遊技機情報の再送処理が不要となり、過去の遊技機情報を記憶する必要がなくなり、処理負担を軽減できる。
遊技機情報は、計数情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、計数情報を送信しようとした場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。そこで、P台2では、遊技機情報をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、情報伝送の最適化を図るため、遊技機情報を送信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、100ms)に対応するタイミングで、(c)計数情報をCU3に送信する。計数情報は、CU3での受信状況に関わらず、規定期間BごとCU3に送信される。なお、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、計数球数に例えば250球の情報が含まれ、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、計数球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
計数情報の送信は、遊技機情報を送信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、遊技機情報との輻輳が生じないタイミングであればよく、規定期間B経過後から次の遊技機情報が送信されるタイミングまでの間でもよい。
図8では、計数情報をCU3に送信した後、受信有効時間(例えば、170ms)の間にCU3から貸出情報を受信する。CU3からP台2に対して送信される貸出情報には、貸出球数および貸出通番の情報が含まれる。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、貸出球数に例えば125球の情報が含まれ、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、貸出球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
貸出応答情報は、遊技機情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、CU3から貸出応答情報が送信されて来る場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。
そこで、CU3は、計数情報を受信してから受信有効時間の間に貸出情報をP台2に送信している。つまり、P台2では、計数情報を送信してから受信有効時間内のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信し、その応答時間内に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報をCU3に送信する。
CU3は、計数情報を受信してから受信有効時間内に貸出情報を送信するタイミングについてさらに詳しく説明する。図11は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報の変形例1のタイミングチャートである。
まず、図11に示す(i)において、枠制御基板17は、遊技が可能になると、300ms周期で遊技機情報をCU3に送信する。(ii)において、枠制御基板17は、遊技者による計数ボタン28の操作の有無に関わらず、遊技機情報の送信から100ms経過後に計数情報を送信する。また、300ms周期内に計数ボタン28が押下された場合には、計数球数を250として計数情報を送信する。なお、計数ボタン28の操作がない場合、計数球数に0(ゼロ)の情報を入れて計数情報が送信される。
(iii)において、CU3は、計数情報の受信完了から170ms以内(受信有効時間)に貸出情報を送信する。また、300ms周期内に球貸ボタン321又は再プレイボタン319が押下された場合には、貸出球数を125として貸出情報を送信する。なお、球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作がない場合、貸出球数に0(ゼロ)の情報を入れて貸出情報が送信される。なお、CU3から、計数情報の受信完了から170ms以内に貸出情報が送信されるが、CU3から計数情報に対応した応答情報の送信が行われない。そのため、P台2側で、CU3が計数情報を受信したか否かを認識しない。
(iv)において、枠制御基板17は、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信すると、当該情報の受信から10ms以内(応答時間)に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報をCU3に送信する。(v)以後、300msの周期で同じ動作を繰り返す。
図11に示すタイミングでは、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作がなくても、CU3とP台2との間で貸出情報および貸出応答情報が送受信されている。しかし、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作がなければ、CU3とP台2との間で貸出情報および貸出応答情報が送受信されることはないとしてもよい。図12は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される貸出情報および貸出応答情報のタイミングの変形例を示す図である。
まず、図12に示す(i)において、枠制御基板17は、遊技が可能になると、300ms周期で遊技機情報をCU3に送信する。(ii)において、枠制御基板17は、遊技者による計数ボタン28の操作の有無に関わらず、遊技機情報の送信から100ms経過後に計数情報を送信する。また、300ms周期内に計数ボタン28が押下された場合には、計数球数を250として計数情報を送信する。なお、計数ボタン28の操作がない場合、計数球数に0(ゼロ)の情報を入れて計数情報が送信される。(iii)以後、300msの周期で同じ動作を繰り返す。
(iv)において、CU3は、球貸ボタン321又は再プレイボタン319が押下された場合、計数情報の受信完了から170ms以内(受信有効時間)に貸出球数を125として貸出情報を送信する。つまり、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作は、計数情報を送信する前に行われており、当該操作後、P台2からの計数情報を受信するタイミングを待って、170ms以内(受信有効時間)に貸出情報を送信する。一方、CU3は、球貸ボタン321又は再プレイボタン319が押下されていない場合、計数情報の受信を完了しても貸出情報を送信しない。(v)において、枠制御基板17は、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信すると、当該情報の受信から10ms以内(応答時間)に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報をCU3に送信する。
次に、図11に示すタイミングで、カードユニットとパチンコ遊技機との間で情報が送受信される場合に、カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続が発生したときの処理について説明する。図13は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続発生となった場合の情報のタイミングを示す図である。図13に示す(i)〜(v)のタイミングにおける処理については、図11に示すタイミングにおける処理と同じであるため、(vi)以降のタイミングでの処理について説明する。
(vi)において、CU3とP台2との間でPIF配線が抜ける等で未接続が発生した場合、配線番号8,9に供給されている接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0(ゼロ)Vに変化(VL=ONからOFFへの変化)する。配線番号8,9に供給されている接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことに基づいて、枠制御基板17では発射制御基板31に対して遊技球の発射を停止する信号を出力する。このように、P台2では、図13に示すような処理を行うことで、CU3と認証を行うことなく簡素な構成および処理にて遊技球の発射を停止することができる。また、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことに基づいて、図23に示す計数スイッチ基板37において計数ボタン28の操作が無効になる。P台2が一次局の場合、PIF配線が抜ける等で未接続が発生したときに、遊技者が計数ボタン28を操作してCU3に対して計数情報を出力してしまうと、CU3からP台2に対して計数情報の受信確認を行っていないためCU3で遊技機情報を用いたリカバリ処理が困難になることがある。このような事象によって遊技者に不利益を生じさせないために、CU3とP台2との間で未接続が発生した場合、計数ボタン28の操作そのものを無効、または計数情報の出力を無効にしている。
CU3とP台2との間で未接続が発生した後も、(vii)において、枠制御基板17は、遊技が可能になると、300ms周期で遊技機情報をCU3に送信する。(viii)において、枠制御基板17は、遊技者による計数ボタン28の操作の有無に関わらず、遊技機情報の送信から100ms経過後に計数情報を送信する。
<CUとP台との通信の変形例2>
図7および図8では、共通の非同期シリアル通信ポートで、貸出情報、計数情報、および遊技機情報の通信を行う場合に、遊技機情報を送信する周期を基準に他の情報の周期を決める例を説明した。変形例2では、P台2が周期的に貸出情報をCU3から受信する場合において、当該貸出情報に対する貸出応答情報の送信間隔が、遊技機情報の送信間隔よりも短い例について説明する。そのため、変形例2のタイミングにおいてもP台2とCU3との通信は、遊技機情報を基準に情報を送受信しているものとする。図14は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報の変形例2のタイミングを示す図である。ここで、図7および図8では、P台2を1次局、CU3を2次局として説明したが、図14では、CU3を1次局、P台2を2次局として説明する。また、図10および図11で説明したCU3とP台2との間で未接続が発生したときの処理については、図14に示す変形例2の通信にも適用することができる。
CU3からP台2へ送信される(a)貸出情報(貸出球数および貸出通番の情報)は、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作に関わらず、図14で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、CU3からP台2への貸出情報の送信から次の情報の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.2秒)に制御されている。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が貸出情報を送信する前に行われている場合、貸出球数に例えば125球の情報が含まれ、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が貸出情報を送信する前に行われていない場合、貸出球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
P台2は、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信すると、応答時間内に貸出球数受領結果および貸出通番の情報を含む貸出応答情報をCU3に送信する。
P台2では、貸出情報をCU3から規定期間Aごとに受信している場合に、貸出応答情報、計数情報および遊技機情報が共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、計数情報は、貸出情報を受信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、100ms)に対応するタイミングで、CU3へ送信される。
図14では、貸出情報として貸出球数および貸出通番の情報をCU3から受信した後、次に貸出情報を受信するタイミング(規定期間A経過後)の前に、情報を受信してから規定期間B以内のタイミングで計数情報として計数球数および計数通番をCU3に送信している。なお、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、計数球数に例えば250球の情報が含まれ、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、計数球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
計数情報の送信は、貸出情報を受信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、規定期間B経過後から次の貸出情報を受信するタイミングまでの間でもよい。
遊技機情報として、P台2からCU3に対してホールコン情報および不正監視情報が送信される。計数情報を送信するタイミングに、遊技機情報を行う場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。
そこで、P台2は、遊技機情報をCU3へ送信する場合、貸出情報を受信してから規定期間Aおよび規定期間Bと異なる規定期間C(例えば、200ms)に対応するタイミングで行っている。つまり、P台2では、貸出情報を受信してから規定期間C経過後のタイミングで、CU3へホールコン情報および不正監視情報を送信している。
遊技機情報は、貸出情報を受信するタイミングから規定期間C経過後に行われる場合に限られず、計数情報との輻輳が生じないタイミングであればよく、貸出情報を受信してから規定期間B経過後で規定期間C以内のタイミングまでの間でもよい。なお、規定期間A〜Cについては、各種情報の通信タイミングがずれるように異なる値を適宜設定することができる。
次に、図14に示すタイミングで、カードユニットとパチンコ遊技機との間で情報が送受信される場合に、カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続が発生したときの処理について説明する。図15は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続発生となった場合の情報のタイミングを示す図である。図15に示す(i)〜(v)のタイミングにおける処理については、図14に示すタイミングにおける処理と同じであるため、(vi)以降のタイミングでの処理について説明する。
(vi)において、CU3とP台2との間でPIF配線が抜ける等で未接続が発生した場合、配線番号8,9に供給されている接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0(ゼロ)Vに変化する。図5に示す配線番号8,9に供給されている接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことに基づいて、枠制御基板17では発射制御基板31に対して遊技球の発射を停止する情報を出力する。このように、P台2では、図15に示すような処理を行うことで、CU3と認証を行うことなく簡素な構成および処理にて遊技球の発射を停止することができる。CU3では、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことに基づいて、遊技球の貸出を禁止する等の処理を行ってもよい。
発射装置を作動又は停止させるための制御として、図15では、CU3がP台2に接続されていない時、枠制御基板17が、CU3から供給される接続確認用の電源VLを監視し、接続確認用の電源VLが供給されていない場合に、未接続と判断して発射停止制御を行う構成について説明した。しかし、未接続と判断して発射停止制御を行う構成は、当該構成に限定されず、他の構成であってもよい。
例えば、図16は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続発生となった場合の情報のタイミングの別の例1を示す図である。図16に示す(i)〜(v)のタイミングにおける処理については、図14に示すタイミングにおける処理と同じであるため、(vi)以降のタイミングでの処理について説明する。
(vi)において、CU3からP台2への受信用の配線(図5に示す配線番号7)で故障断線等が発生し、P台2がCU3から送信される貸出情報が受信できなくなる。なお、接続確認用の電源VLの配線は断線していないため、接続確認用の電源VLの電圧は5Vのまま変化しない。貸出情報は、300ms周期でCU3からP台2に送信されている。そのため、前回受信した貸出情報から300ms後に、新たに貸出情報がP台2から送信されてくる予定である。しかし、CU3からP台2への受信用の配線で故障断線等が発生した場合、貸出情報がP台2から送信されてこない。
(vii)において、前回受信した貸出情報から、1200ms経過後も次の貸出情報を受信できない場合に、受信用の配線で故障断線等が発生し、受信信号が通信無応答状態になったと判断して、枠制御基板17では発射制御基板31に対して遊技球の発射を停止する信号を出力する。また、枠制御基板17では、貸出応答情報、計数情報および遊技機情報についても、P台2からCU3への送信を停止する。さらに、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことに基づいて、図23に示す計数スイッチ基板37において計数ボタン28の操作が無効になる。
つまり、図16では、CU3とP台2との間での通信において、受信信号が無応答状態となった時、枠制御基板17が、CU3から送信される電文(貸出情報)の周期を監視し、一定時間以上受信できない場合、受信信号が通信無応答状態になったと判断して発射停止制御を行う構成である。このように、P台2では、図16に示すような処理を行うことで、CU3と認証を行うことなく簡素な構成および処理にて遊技球の発射を停止することができる。CU3では、P台2に送信した貸出情報に対する応答(例えば、貸出球数受領結果を含む情報)が一定時間経過後も受信できないことに基づいて、遊技球の貸出を禁止する等の処理を行ってもよい。
次に、図17は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続発生となった場合の情報のタイミングの別の例2を示す図である。図17に示す(i)〜(v)のタイミングにおける処理については、図14に示すタイミングにおける処理と同じであるため、(vi)以降のタイミングでの処理について説明する。
(vi)において、P台2からCU3への送信用の配線(図5に示す配線番号6)で故障断線等が発生し、P台2からCU3へ情報が送信できなくなる。なお、接続確認用の電源VLの配線は断線していないため、接続確認用の電源VLの電圧は5Vのまま変化しない。貸出情報は、300ms周期でCU3からP台2に送信され、それの応答として応答時間内に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報がP台2からCU3に送信される。しかし、P台2からCU3への送信用の配線で故障断線等が発生した場合、貸出応答情報がP台2から送信されてこない。
(vii)において、枠制御基板17から送信される貸出球数受領結果の情報が届かないため、CU3は前回と同じ内容の貸出情報を再送信する。具体的に、CU3は、枠制御基板17から送信される貸出球数受領結果応答の情報が未到達の場合、貸出通番を更新(+1)せず、300ms経過後に貸出情報を再送信する。
(viii)において、枠制御基板17は、再送信された貸出情報を受信すると、CU3から再送信された貸出情報の貸出通番が、前回受信した貸出通番と同じなので、前回と同じ内容の貸出球数受領結果応答の情報を再送信する。なお、送信用の配線で発生した故障断線等が復旧していた場合、再送信した貸出球数受領結果応答の情報はCU3に到達するが、復旧していない場合、再送信した貸出球数受領結果応答の情報はCU3に到達しない。
(ix)において、枠制御基板17は、前回受信した貸出情報から1200ms経過後も貸出通番が前回と同じ貸出情報を受信した場合、送信信号が通信無応答状態になったと判断して、発射制御基板31に対して遊技球の発射を停止する信号を出力する。また、枠制御基板17では、貸出応答情報、計数情報および遊技機情報についても、P台2からCU3への送信を停止する。
つまり、図17では、CU3とP台2との間での通信において、送信信号が無応答状態となった時、枠制御基板17が、CU3から送信される電文(貸出情報)の通番を監視し、一定時間以上通番が更新できない場合、送信信号が通信無応答状態になったと判断して発射停止制御を行う構成である。このように、P台2では、図17に示すような処理を行うことで、CU3と認証を行うことなく簡素な構成および処理にて遊技球の発射を停止することができる。CU3では、P台2に送信した貸出応答情報(例えば、貸出球数受領結果の情報)が一定時間経過後も受信できないことに基づいて、遊技球の貸出を禁止する等の処理を行ってもよい。
次に、図18は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続発生となった場合の情報のタイミングの別の例3を示す図である。図18に示す(i)〜(v)のタイミングにおける処理については、図14に示すタイミングにおける処理と同じであるため、(vi)以降のタイミングでの処理について説明する。
(vi)において、P台2からCU3への送信用の配線(図5に示す配線番号6)またはCU3からP台2への受信用の配線(図5に示す配線番号7)で故障断線等が発生し、P台2とCU3との間で情報が送受信できなくなる。そのため、貸出情報は、300ms周期でCU3からP台2に送信され、それの応答情報として応答時間内に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報がP台2からCU3に送信されているが、いずれの情報も送受信されない。
(vii)において、CU3は、前回送信した貸出情報から1200ms経過後も何ら情報を送受信できていない場合に、接続確認用の電源VLの電圧を5Vから0V(オフ状態:VL=OFF)に変化させる。枠制御基板17は、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化することにより、発射制御基板31に対して遊技球の発射を停止する信号を出力する。また、枠制御基板17では、貸出応答情報、計数情報および遊技機情報についても、P台2からCU3への送信を停止する。さらに、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことに基づいて、図23に示す計数スイッチ基板37において計数ボタン28の操作が無効になる。
つまり、図18では、CU3とP台2との間での通信において、受信信号または送信信号が無応答状態となった時、CU3が接続確認用の電源VLの電圧を変化させ、枠制御基板17は、接続確認用の電源VLの電圧を監視することで、受信信号または送信信号が通信無応答状態になったと判断して発射停止制御を行う構成である。このように、P台2では、図18に示すような処理を行うことで、CU3と認証を行うことなく簡素な構成および処理にて遊技球の発射を停止することができる。CU3では、P台2から送信される貸出応答情報が一定時間経過後も受信できないことに基づいて、遊技球の貸出を禁止する等の処理を行ってもよい。
以上において説明したように、CU3とP台2との間で未接続が発生した場合、様々な構成に基づいて未接続と判断して発射停止制御を行っているが、それらの構成を組み合わせて発射停止制御を行ってもよい。もちろん、図15〜図18で示したCU3とP台2との間で未接続の判断に係る処理については、図13で示した遊技機情報を基準にCU3とP台2との間で情報を送信する構成などにも同様に適用することができる。また、遊技機がパチンコ遊技機(P台2)ではなくスロットマシンの場合、図15〜図18で示したようにカードユニットとの間で接続異常が発生し未接続と判断されると、スタートレバーやベットボタンを無効化することなどで変動を開始させないものとする。
<計数通知シーケンス>
次に、遊技球の一部を計数して減算する計数通知シーケンスについて説明する。図19および図20は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の計数通知シーケンスを示す図である。図19および図20では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。
また、図19では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持ち球数が「100」球であり、当初の遊技球数が「1000」球の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、250球単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。しかし、計数ボタンを長押し操作した時間に応じて計数する遊技球数が多くなるようにしても、また、計数ボタンを一定期間長押し操作した場合、保有している遊技球数をすべて計数してもよい。
まず、P台は、ホールコン・不正監視情報通知、または遊技機設置情報通知、または遊技機性能情報通知の電文を含む遊技機情報をCU3へ送信する。なお、電文がホールコン・不正監視情報通知であれば、通番=n、遊技球数=1000の情報を含み、電文が遊技機設置情報通知であれば、通番=nの情報を含み、電文が遊技機性能情報通知であれば、通番=nの情報を含む。P台は、遊技機情報をCU3に送信してから100ms以内(図10に示す規定期間B以内)に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していた場合、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=250、計数累積球数=250の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=1000の情報から計数した250球を減算して遊技球数=750の情報に更新する。一方、P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していない場合、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数なしを通知する。
例えば、遊技者が計数ボタンを未操作の場合、CU3に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数は0(ゼロ)球の計数データとなる。また、遊技者の計数ボタンの操作に応じて、例えば0.5秒未満の連続操作を検知の場合、CU3に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数は1球の計数データとなる。これは、持ち球の端数調整用に用いる操作である。また、0.5秒以上0.8秒未満の連続操作を検知の場合、CU3に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数は250球の計数データとなる。0.8秒以上の連続操作を検知の場合、CU3に最初に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数が250球の計数データとなり、以後0.3秒ごとにCU3に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数が250球の計数データとなる。つまり、遊技者が計数ボタンを連続操作した場合、0.3秒毎に250球分の計数データをCU3に送信することになる。
CU3は、P台2からの計数情報を受信して、保有している持ち球数に計数球数を加算し、持ち球数=100+250=350に更新する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間(図10参照)内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、貸出通番=k、貸出球数=0の情報を含む。
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間(図10参照)内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、貸出通番=k、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
P台2は、前回遊技機情報をCU3へ送信してから、規定期間A(図10参照)の経過後に遊技機情報をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報には、ホールコン・不正監視情報通知、または遊技機設置情報通知、または遊技機性能情報通知の電文を含む。なお、電文がホールコン・不正監視情報通知であれば、更新された通番=n+1、減算した遊技球数=750の情報を含み、電文が遊技機設置情報通知であれば、更新された通番=n+1の情報を含み、電文が遊技機性能情報通知であれば、更新された通番=n+1の情報を含む。
P台2は、CU3に新たな遊技機情報を送信する際に、遊技者による計数ボタン28の押下が継続していた場合、計数通知の電文に更新した計数通番=m+1、計数球数=250、計数累積球数=500の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=750の情報から計数した250球を減算して遊技球数=500の情報に更新する。また、P台2は、前回の計数累積球数=250の情報に、今回の数球数=250の情報を加算して、計数累積球数=500の情報に更新している。
CU3は、P台2からの計数情報を受信して、保有している持ち球数に計数球数を加算し、持ち球数=350+250=600に更新する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数=0の情報を含む。
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
図20示すシーケンスにおいて、P台2は、CU3に新たな遊技機情報を送信する前に遊技者が計数ボタン28の押下を止めた場合、CU3に次回の遊技機情報を送信するタイミング以降、計数を行わない。具体的に、P台2は、CU3に新たな遊技機情報を送信する際に、遊技者が計数ボタン28の押下を止めているので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+2、計数球数=0、計数累積球数=500の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。
つまり、P台は、計数を行わず計数球数=0の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信し、保有している遊技球数=500の情報のままにして遊技球数の情報を更新しない。また、P台2は、計数累積球数の情報を、前回の計数累積球数=500の情報のままにして情報を更新しない。
CU3は、P台2からの計数情報を受信しても、計数球数=0の情報なので保有している持ち球数=600を更新しない。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、更新した貸出通番=k+2、貸出球数=0の情報を含む。
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、更新した貸出通番=k+2、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。P台2は、前回遊技機情報をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報をCU3に送信する。
<PIF断線時の復旧シーケンス>
次に、PIF断線時の復旧シーケンスについて説明する。図21および図22は、カードユニットとパチンコ遊技機との間のPIF断線時の復旧シーケンスを示す図である。図21および図22では、図13で説明した接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0V(オフ状態:VL=OFF)に、または接続確認信号PSIの出力がオフ状態(PSI=OFF)に変化することで、PIF断線を検知する場合を例に説明する。なお、図15〜図19に示したように他の方法でPIF断線を検知してもよい。
まず、P台は、ホールコン・不正監視情報通知の電文を含む遊技機情報をCU3へ送信する。なお、ホールコン・不正監視情報通知の電文には、通番=n、遊技球数=1000の情報を含む。P台は、遊技機情報をCU3に送信してから100ms以内(図10に示す規定期間B以内)に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していないので、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。
CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間(図10参照)内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、貸出通番=k、貸出球数=0の情報を含む。
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間(図10参照)内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、貸出通番=k、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
P台2は、前回遊技機情報をCU3へ送信してから、規定期間A(図10参照)の経過後に遊技機情報をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報のホールコン・不正監視情報通知の電文には、更新された通番=n+1、遊技球数=1000の情報を含む。
その後、PIF断線が発生した場合、P台2は、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0V(オフ状態:VL=OFF)に、または接続確認信号PSIの出力がオフ状態(PSI=OFF)に変化したことに基づいてPIF断線を検知して、遊技球の発射を停止する。CU3は、PIF断線を検知した場合、エラー表示を行った後に、図5に示す配線番号8,9に供給している接続確認用の電源VLをオフ状態(VL=OFF)とする。
ここで、CU3とP台2との接続構成を説明する。図23は、カードユニットとパチンコ遊技機との接続構成を説明するためのブロック図である。CU3とP台2との接続は、図5に示したようにPIF配線により接続されている。そのうち、図23では、CU3とP台2とを接続する配線として、接続確認用の電源VLの配線(図5に示す配線番号8,9)、絶縁GNDの配線(図5に示す配線番号1)、貸出情報の配線(図5に示す配線番号7)、および貸出受領結果、計数情報、遊技機情報の配線(図5に示す配線番号6)が図示されている。
図23に示すように、CU3とP台2とが接続確認用の電源VLの配線で接続され、CU3のオンボード電源3aから5Vの電圧が供給されている。P台2では、接続確認用の電源VLの配線が遊技球等貸出装置接続端子板36に設けたフォトカプラ36a,36bに接続されている。遊技球等貸出装置接続端子板36では、接続確認用の電源VLの配線以外に、貸出情報を通信する配線がフォトカプラ36cに、貸出応答情報、計数情報、遊技機情報を通信する配線がフォトカプラ36dにそれぞれ接続されている。CU3とP台2とは、フォトカプラを用いてPIF配線で接続されているので、情報を通信することはできるが、電気的には絶縁されている。CU3では、貸出情報を通信する配線がフォトカプラ3cに、貸出応答情報、計数情報、遊技機情報を通信する配線がフォトカプラ3dにそれぞれ接続されている。
フォトカプラ36bは、枠制御基板17に設けたNOR回路17aと接続されている。接続確認用の電源VLの配線に5Vの電圧が供給されてフォトカプラ36bがON状態のときは、枠制御基板17において遊技機の5Vの電圧がフォトカプラ36bを介して遊技機のGNDに流れるため、NOR回路17aの入力(遊技球等貸出装置接続端子板36からの信号)がLowレベルとなる。一方、主制御基板から発射停止信号がNOR回路17aに供給されるが、発射許可時にはLowレベルであるので、NOR回路17aから発射制御基板31に出力される発射許可信号はHighレベルとなって、遊技球の発射が可能となる。
接続確認用の電源VLの配線が切断されて供給される電圧が0Vになるとフォトカプラ36bがOFF状態となり、枠制御基板17において遊技機の5Vの電圧がフォトカプラ36b側に流れず、NOR回路17aの入力(遊技球等貸出装置接続端子板36からの信号)がHightレベルとなる。そのため、NOR回路17aから発射制御基板31に出力される発射許可信号はLowレベルとなって、遊技球の発射が停止される。なお、主制御基板からNOR回路17aに供給される発射停止信号がHighレベルとなっても、NOR回路17aから発射制御基板31に出力される発射許可信号はLowレベルとなって、遊技球の発射が停止される。
なお、接続確認用の電源VLの配線に5Vの電圧が供給されてフォトカプラ36aがON状態のときは、遊技機の5Vの電圧がフォトカプラ36aを介して計数スイッチの5Vの電圧として計数スイッチ基板37のフォトカプラ37aに供給される。そのため、接続確認用の電源VLの配線に5Vの電圧が供給されている間は、フォトカプラ37aから枠制御基板17に対して計数スイッチ信号を供給することが可能となる。なお、遊技者が計数ボタン28を操作した場合、枠制御基板17に対して供給される計数スイッチ信号に計数球数の情報を含ませて供給することになる。
一方、接続確認用の電源VLの配線が切断されて供給される電圧が0Vになるとフォトカプラ36aがOFF状態になり、遊技機の5Vの電圧がフォトカプラ36aを介して計数スイッチの5Vの電圧として計数スイッチ基板37のフォトカプラ37aに供給されなくなる。そのため、接続確認用の電源VLの配線が切断され通信異常となると、フォトカプラ37aから枠制御基板17に対して計数スイッチ信号が供給されなくなる。つまり、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、遊技者の計数ボタン28に対する操作が無効となる。
図21に示すPIF断線時の復旧シーケンスに戻って、PIF断線が発生した場合でも、P台は、遊技機情報をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。しかし、PIF断線が発生している場合、図23で説明したように、遊技者が計数ボタン28を押下しても計数ボタンが無効となるため、計数球数0球の情報をCU3に通知する。つまり、P台は、計数通知の電文に更新した計数通番=m+1、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。しかし、PIF断線が発生しているのでP台から送信した計数情報はCU3に届かない。そのため、CU3は、P台2からの計数情報を受信していないので貸出情報をP台2に送信しない。
P台2は、貸出情報がCU3から送信されなくても、前回遊技機情報をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報のホールコン・不正監視情報通知の電文には、更新された通番=n+2、遊技球数=1000の情報を含む。しかし、PIF断線が発生しているのでP台から送信した遊技機情報はCU3に届かない。
さらに、P台は、遊技機情報をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。P台は、計数通知の電文に更新した計数通番=m+2、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。しかし、PIF断線が発生しているのでP台から送信した計数情報はCU3に届かない。
その後、図22に示すようにPIF配線の接続が復旧する。PIF配線の接続が復旧した場合、PIF断線の間にCU3で正常に受信できなかった計数情報については、復旧後または後続の計数累積球数の情報と遊技球数の情報とを用いてCU3側でリカバリ処理を行うことが可能である。また、CU3は、CU3とP台2とが正常に接続された場合、管理装置に対してPIF配線の接続が復旧した旨を通知し、遊技店の店員によって遊技球数を確認し、正常に受信できなかった計数情報による遊技球数の補償を行ってエラーを復旧させる。なお、CU3は、管理装置に対して通信異常を特定することができる情報を出力可能である。
CU3は、エラー復旧してから接続確認用の電源VLがON状態(VL=ON)となり、接続確認用の電源VLの電圧が5Vになるので、P台2では遊技球の発射が可能となる。なお、PIF配線の接続が復旧した場合、CU3側への接続確認信号PSIの出力もオン状態(PSI=ON)に変化する。
PIF配線の接続が復旧した後に、P台は、ホールコン・不正監視情報通知の電文を含む遊技機情報をCU3へ送信する。なお、ホールコン・不正監視情報通知の電文には、更新した通番=n+3、遊技球数=1000の情報を含む。P台は、遊技機情報をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していないので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+3、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。
CU3は、PIF配線の接続が復旧しているので、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数=0の情報を含む。
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
<計数中の通信異常シーケンス>
次に、計数中の通信異常シーケンスについて説明する。図24および図25は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の計数中の通信異常シーケンスを示す図である。通信異常は、PIF断線だけに限定されるものではなく、何らかの理由でCU3とP台2との通信が正常に行えない場合を含む。図24および図25では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。
また、図24では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持ち球数が「100」球であり、当初の遊技球数が「1000」球の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、250球単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。しかし、計数ボタンを長押し操作した時間に応じて計数する遊技球数が多くなるようにしても、また、計数ボタンを一定期間長押し操作した場合、保有している遊技球数をすべて計数してもよい。
まず、P台は、ホールコン・不正監視情報通知、または遊技機設置情報通知、または遊技機性能情報通知の電文を含む遊技機情報をCU3へ送信する。なお、電文がホールコン・不正監視情報通知であれば、通番=n、遊技球数=1000の情報を含み、電文が遊技機設置情報通知であれば、通番=nの情報を含み、電文が遊技機性能情報通知であれば、通番=nの情報を含む。P台は、遊技機情報をCU3に送信してから100ms以内(図10に示す規定期間B以内)に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
P台2は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下しているので、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=250、計数累積球数=250の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台2は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=1000の情報から計数した250球を減算して遊技球数=750の情報に更新する。
CU3は、P台2からの計数情報を受信して、保有している持ち球数に計数球数を加算し、持ち球数=100+250=350に更新する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、貸出通番=k、貸出球数=0の情報を含む。
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、貸出通番=k、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
P台2は、前回遊技機情報をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報には、ホールコン・不正監視情報通知、または遊技機設置情報通知、または遊技機性能情報通知の電文を含む。なお、電文がホールコン・不正監視情報通知であれば、更新された通番=n+1、減算した遊技球数=750の情報を含み、電文が遊技機設置情報通知であれば、更新された通番=n+1の情報を含み、電文が遊技機性能情報通知であれば、更新された通番=n+1の情報を含む。
P台2は、CU3に新たな遊技機情報を送信する際に、遊技者による計数ボタン28の押下が継続しているので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+1、計数球数=250、計数累積球数=500の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=750の情報から計数した250球を減算して遊技球数=500の情報に更新する。また、P台2は、前回の計数累積球数=250の情報に、今回の数球数=250の情報を加算して、計数累積球数=500の情報に更新している。
しかし、P台2から送信した計数情報が通信異常のためCU3に届いておらず、CU3は、P台2からの計数情報を未受信のため、保有している持ち球数に計数球数を加算せず、持ち球数=350のままにする。CU3は、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数=0の情報を含む。なお、CU3は、P台2からの計数情報を受信していないので、貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信いないようにしてもよい。
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。しかし、P台2から送信した貸出情報は、通信異常のためCU3に届いていない。
さらに、P台2は、前回遊技機情報をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報には、ホールコン・不正監視情報通知、または遊技機設置情報通知、または遊技機性能情報通知の電文を含む。なお、電文がホールコン・不正監視情報通知であれば、更新された通番=n+2、減算した遊技球数=500の情報を含み、電文が遊技機設置情報通知であれば、更新された通番=n+2の情報を含み、電文が遊技機性能情報通知であれば、更新された通番=n+2の情報を含む。しかし、P台2から送信した遊技機情報は、通信異常のためCU3に届いていない。
P台2は、CU3に新たな遊技機情報を送信する際に、遊技者による計数ボタン28の押下が継続しているので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+2、計数球数=250、計数累積球数=250の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=500の情報から計数した250球を減算して遊技球数=250の情報に更新する。また、P台2は、前回の計数累積球数=500の情報に、今回の数球数=250の情報を加算して、計数累積球数=750の情報に更新している。
しかし、P台2から送信した計数情報が通信異常のためCU3に届いておらず、CU3は、P台2からの計数情報を未受信のため、保有している持ち球数に計数球数を加算せず、持ち球数=350のままにする。CU3は、前回の遊技機情報を受信してから700ms経過したので、通信異常であると判断してエラー表示を行ってから接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0V(オフ状態:VL=OFF)にする。また、接続確認信号PSIの出力もオフ状態(PSI=OFF)に変化する。P台2は、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに、または接続確認信号PSIの出力がオフ状態に変化したことに基づいて通信異常(例えば、PIF断線)を検知して、遊技球の発射を停止する。
さらに、P台2は、前回遊技機情報をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報には、ホールコン・不正監視情報通知、または遊技機設置情報通知、または遊技機性能情報通知の電文を含む。なお、電文がホールコン・不正監視情報通知であれば、更新された通番=n+3、減算した遊技球数=250の情報を含み、電文が遊技機設置情報通知であれば、更新された通番=n+3の情報を含み、電文が遊技機性能情報通知であれば、更新された通番=n+2の情報を含む。しかし、P台2から送信した遊技機情報は、通信異常のためCU3に届いていない。
P台2は、遊技機情報をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。しかし、通信異常が発生している場合、図23で説明したように、遊技者が計数ボタン28を押下しても計数ボタンが無効となるため、計数球数0球の情報をCU3に通知する。つまり、P台は、計数通知の電文に更新した計数通番=m+3、計数球数=0、計数累積球数=750の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。しかし、通信異常が発生しているのでP台から送信した計数情報はCU3に届かない。
その後、CU3は、エラー復旧待ち状態となる。通信異常が復旧した場合、エラーの間にCU3で正常に受信できなかった計数情報については、復旧後または後続の計数累積球数の情報と遊技球数の情報とを用いてCU3側でリカバリ処理を行うことが可能である。CU3側のリカバリ処理として、計数情報の一回分の電文を取りこぼした場合には、復旧後の計数情報の通番と累積計数の値とに基づいて、自動的にリカバリ処理が可能である。この場合には、ホールコンや持ち玉管理サーバーに対してリカバリ処理を行った旨の報知を行ってもよい。また、復旧後の計数情報の通番により、計数情報の二回分以上の電文を取りこぼした場合には、ホールコンや持ち玉管理サーバーに対してエラーを報知し、CU3側で自動的にリカバリ処理を行わず、店員に対して復旧対応を促す報知を行う。さらに、CU3では、事後的に店員がリカバリ処理を確認することができるように、計数情報の受信履歴(個別の計数値と累積計数値)とリカバリ処理の履歴とをCU3側で保持してもよい。もちろん、計数情報の受信履歴とリカバリ処理の履歴とを、ホールコンや持ち玉管理サーバーで保持し管理してもよい。また、CU3は、エラー復旧した場合、管理装置に対してエラー復旧した旨を通知し、遊技店の店員によって遊技球数および持ち球数を確認し、正常に受信できなかった計数情報による遊技球数および持ち球数の補償を行ってエラーを復旧させる。なお、CU3は、管理装置に対して通信異常を特定することができる情報を出力可能である。
CU3は、エラー復旧してから接続確認用の電源VLがON状態(VL=ON)となり、接続確認用の電源VLの電圧が5Vになるので、P台2では遊技球の発射が可能となる。なお、PIF配線の接続が復旧した場合、CU3側への接続確認信号PSIの出力もオン状態(PSI=ON)に変化する。
<貸出時の通信異常シーケンス>
次に、貸出時の通信異常シーケンスについて説明する。図26は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の貸出時の通信異常シーケンスを示す図である。通信異常は、PIF断線だけに限定されるものではなく、何らかの理由でCU3とP台2との通信が正常に行えない場合を含む。当初の遊技球数が「50」球の状態となっている。
まず、P台は、ホールコン・不正監視情報通知の電文を含む遊技機情報をCU3へ送信する。なお、ホールコン・不正監視情報通知の電文には、通番=n、遊技球数=50の情報を含む。P台は、遊技機情報をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していないので、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間(例えば、170ms)内に、貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。CU3は、遊技者が球貸ボタン321を押下しているので、貸出通知の電文に貸出通番=k、貸出球数=125の情報を含めてP台2に貸出を通知する。CU3は、貸出単価、貸出金額により1球〜255球の範囲で貸出球数の情報をP台2に送信する。
しかし、CU3から送信した貸出情報が通信異常のためP台2に届いておらず、P台2は、CU3からの貸出情報が未受信のため、応答時間(例えば、10ms)内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信しない。そのため、CU3では、貸出受領結果応答の電文を応答時間内に未受信のため、貸出処理が未完了であると判断する。
P台2は、前回遊技機情報をCU3へ送信してから、規定期間A(例えば、300ms)の経過後に遊技機情報をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報には、ホールコン・不正監視情報通知、または遊技機設置情報通知、または遊技機性能情報通知の電文を含む。なお、電文がホールコン・不正監視情報通知であれば、更新された通番=n+1、遊技球数=50の情報を含み、電文が遊技機設置情報通知であれば、更新された通番=n+1の情報を含み、電文が遊技機性能情報通知であれば、更新された通番=n+1の情報を含む。さらに、P台は、遊技機情報をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していないので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+1、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間(例えば、170ms)内に、貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。CU3は、遊技者が球貸ボタン321を押下していないので、貸出通知の電文に更新した貸出通番=k+1、貸出球数=0の情報を含めてP台2に貸出を通知する。なお、CU3が、未完了となった貸出処理の貸出通知の電文を再送するか否かはCU3の仕様により異なる。CU3が再送する使用の場合、CU3は、貸出受領結果応答の電文に含まれる貸出通番と貸出球数受領結果との情報に基づき貸出処理の完了を判断する。つまり、CU3は、送信した貸出通番とP台2から受信した貸出通番が一致するか否か、貸出球数受領結果が正常か異常かで貸出処理の完了を判断する。
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、貸出通番=k、貸出球数受領結果=異常の情報を含む。P台2の枠制御基板17は、CU3から受信した貸出通知の電文に含まれる貸出通番=k+1と、貸出受領結果応答の電文に含まれる貸出通番=kとの貸出通番の連続性をチェックし、連続していない場合は貸出球数受領結果を異常としてCU3に通知する。
貸出処理が未完了のままの場合、P台2は、前回遊技機情報をCU3へ送信してから、規定期間A(例えば、300ms)の経過後に遊技機情報をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報には、ホールコン・不正監視情報通知、または遊技機設置情報通知、または遊技機性能情報通知の電文を含む。なお、電文がホールコン・不正監視情報通知であれば、更新された通番=n+2、遊技球数=50のままの情報を含み、電文が遊技機設置情報通知であれば、更新された通番=n+2の情報を含み、電文が遊技機性能情報通知であれば、更新された通番=n+2の情報を含む。遊技者が球貸ボタン321を押下したにもかかわらず、当初の遊技球数が「50」球のままの状態となる。
<発射機構>
次に、発射機構30について、より詳細に説明する。図27(a)は、発射機構30の正面図、図27(b)は、発射機構30の右側面図、図27(c)は、発射機構30の裏面図である。図28は、発射機構30の球通路に遊技球が充満した状態を説明するための概略図である。図29は、遊技媒体の発射および遊技球数の減算を説明するためのブロック図である。
図27を参照して、発射機構30は、発射ソレノイド31aと、杵42と、発射台43と、弁44とを主に有している。また発射機構30の近傍(背面側)には減算機構32を有している。減算機構32は、減算ソレノイド32aと、減算機構入口センサ32bと、減算機構出口センサ32cとを主に有している。
発射機構30は、発射制御基板31への発射許可信号と、遊技者の直接操作に伴う打球操作ハンドル25の各状態により、発射ソレノイド31aへの通電が可能となった場合、遊技球pを遊技盤26に発射する。また、発射ソレノイド31aが作動すると、図29に示すように連動する減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される。減算基準信号は、減算機構32にある減算ソレノイド32aを通電する基準となる。
図23では、主制御基板から供給される発射停止信号がLowレベルで、かつ遊技球等貸出装置接続端子板36からの信号がLowレベルの場合に、NOR回路17aが発射制御基板31に対して遊技球の発射を許可するHighレベルの発射許可信号を出力する構成を説明した。しかし、発射制御基板31に発射許可信号を出力する構成は、図23に示した構成に限定されず、例えば、図29に示すように、CU3が遊技球等貸出装置接続端子板に接続され、かつ主制御基板16から発射許可信号が出力されると、AND回路172が発射制御基板31に対して遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力して発射ソレノイド31aへの通電が可能となる構成でもよい。図30は、発射機構での処理を説明するためのブロック図である。図30に示すように、枠制御基板17に設けられたAND回路172は、CU3の接続状態と、主制御基板16から発射許可信号とが入力されると、発射制御基板31に対して発射許可信号を出力する。なお、発射許可信号が出力されていない場合、打球操作ハンドル25の各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。なお、主制御基板16は、枠制御基板17から特定のエラー信号を受信した場合に、発射許可信号の出力を停止する。
ここで、打球操作ハンドル25の動作原理や各状態について説明する。打球操作ハンドル25には、図示していないが発射停止ボタン、発射停止スイッチ、ハンドルレバー、タッチセンサ、ハンドルボリューム、リングなどにより構成される。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aの作動及び停止、発射強度を変化させることができる。また、発射停止ボタンを操作すると遊技球を一発ずつ発射することができる。
遊技者が打球操作ハンドル25のリングに触れていると、リングに接続されているタッチセンサは、図30に示すように検知信号を発射制御基板31に出力する。発射制御基板31がこの信号を検知すると、発射許可信号が出力されていることを条件に発射ソレノイド31aへの通電が可能になる。なお、遊技者が打球操作ハンドル25のリングに直接触れていない場合、遊技者が打球操作ハンドル25の各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。なお、遊技者が発射停止ボタンを押すことをやめ、発射停止スイッチが開放状態となった場合は、発射ソレノイド31aへの通電が可能になる。
遊技者が打球操作ハンドル25のハンドルレバーを回すとハンドルボリュームの検出電圧が変化し、回した角度に応じて、発射ソレノイド31aへの通電電流の強弱を変化させることができる。図30では、動作条件判定部31bにおいて、発射許可信号、タッチセンサの検知信号、ハンドルボリュームからの回転検知信号などに基づいて動作許可信号がパルス・クロック生成部31cに出力されている。パルス・クロック生成部31cは、動作条件判定部31bから動作許可信号に基づき、発射制御基板31の各種パルスおよびクロックを生成している。パルス・クロック生成部31cにおいて各種パルスおよびクロックが生成されることで、定電流制御部31dは、ハンドルボリュームの回した角度に応じたハンドル回転値検出部31eからの検出値に基づいて、発射ソレノイド31aへの通電電流を制御している。その結果、遊技球pの飛距離が変化し、遊技者は遊技盤26上の任意の位置に遊技球pを発射することができる。
なお、ハンドルレバーが原点位置状態となり、検出電圧が設定電圧以下になった場合は、ハンドルの各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。図30に示すハンドル回転値比較部31fにおいて、検出電圧が設定電圧以下の場合、回転検知信号が動作条件判定部31bに出力されない。
発射ソレノイド31aを駆動させると、杵42が遊技球pの方向に動作し、発射台43に停止している遊技球pを発射する。発射された遊技球pは、弁44を通過して遊技盤26上に発射される。弁44は遊技球pが通過後に定位置に戻る。そのため、弁44は、発射された遊技球pが発射台43に戻ることを防止している。
発射ソレノイド31aが作動すると、図29に示すように連動する減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される。枠制御基板17では、枠制御部171のCPUがユーザープログラム領域(使用領域)内にある遊技球数管理プログラムにより減算基準信号が処理される。遊技球数管理プログラムにより減算ソレノイド制御部32dが減算機構32の減算ソレノイド32aを制御する。減算機構32は、減算基準信号を基準として、減算ソレノイド32aを通電し図28に示す可動片45を動かすことにより、電磁的方法によって記録された遊技球pを実球に変換して、発射機構30へ送り出している。遊技球pが減算機構入口センサ32bを通過すると遊技球数を減算し、遊技球数表示器29に表示する。
次に、減算機構32の動作の詳細について説明する。まず、減算機構入口センサ32bに遊技球pが有り、減算機構出口センサ32cに遊技球pが無く、かつ遊技球数が有る場合、減算機構32は、減算基準信号が出力されてから16ms後に減算ソレノイド32aを通電する。減算ソレノイド32aが通電されると、可動片45が図28(a)に示す位置に移動する。可動片45が当該位置に移動すると、可動片45の切欠き部に遊技球pが移動する。可動片45の切欠き部に遊技球pが挟まった状態で、減算ソレノイド32aの通電が解除されると、可動片45が図28(c)に示す位置に移動する。可動片45が当該位置に移動すると、可動片45の切欠き部に挟まっていた遊技球pが発射機構30の発射台43に送り出される。
減算ソレノイド32aが通電され、遊技球pが可動片の切欠き部に移動した場合、減算機構入口センサ32bは1球の遊技球の通過を検知することになる。減算機構入口センサ32bの検知信号は、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理され、遊技球数を1球減算し、遊技球数表示器29に減算した遊技球数を表示する。
減算ソレノイド32aへの通電が停止すると、発射機構に送り出された遊技球pが減算機構出口センサ32cで検知される。減算機構出口センサ32cの検知信号は、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理される。
次に、図を用いて発射機構および減算機構での処理を説明する。図31は、発射機構30での処理、および打球操作ハンドル25の動作を説明するためのタイミングチャートである。図31に示す(i)の状態は、CU3が接続されて、主制御基板16から発射許可信号がオフからオンに変化した状態であり、遊技球pが発射可能な状態である。
遊技者が遊技を行うために打球操作ハンドル25を握った場合、打球操作ハンドル25のリングに遊技者が直接触れることになり、タッチセンサの検知信号がオフからオンに変化した状態となる(図31に示す(ii)の状態)。
遊技者が遊技を行うために打球操作ハンドル25を時計回りに回した場合、打球操作ハンドル25のハンドルボリュームの検出電圧が弱から強に変化し、設定電圧を超えた状態となる(図31に示す(iii)の状態)。
打球操作ハンドル25の発射停止スイッチがオフ状態である(図31に示す(iv)の状態)。発射機構30は、(i)〜(iv)の状態を満たした場合、(iv)の状態から37.5ms後に発射ソレノイド31aをオン状態にする。
発射機構30は、打球操作ハンドル25の角度に応じた通電電流にて、発射ソレノイド31aを16msの間オン状態とし、発射制御基板31から減算基準信号を37.5msの間出力する(図31に示す(v)の状態)。
発射機構30は、発射ソレノイド31aをオン状態にしてから562.5ms後に、(i)〜(iv)の状態を満たした場合、37.5ms後に発射ソレノイド31aを16msの間オン状態とし、発射制御基板31から減算基準信号を37.5msの間出力する(図31に示す(vi)の状態)。発射機構30は、(i)〜(iv)の状態を満たしている限り、以後、約600msの周期で発射ソレノイド31aをオン状態にする。なお、発射基準信号のオン状態となる周期にあわせて、発射ソレノイド31aのオン状態になる。
発射機構30は、発射ソレノイド31aをオン状態にしてから562.5ms後に、(i)〜(iv)の状態を満たさない場合、発射制御基板31から減算基準信号を出力しないことで減算ソレノイド32aをオンさせず、減算機構32を停止する。なお、減算機構32から杵42までの球通路に遊技球p3個分の空間があるため、仮に、当該球通路で球詰りが生じた場合でも、減算機構32を停止して、発射ソレノイド31aのみ3回オン状態とすることで、詰まった遊技球pを排出できる。そのため、(i)〜(iv)の状態を満たさずに減算機構32を停止する場合、球詰りを防止する目的で図31に示すように発射ソレノイド31aのみ3回オン状態とする。発射ソレノイド31aのみオン状態とする回数は、最小3回としているが、球通路の長さや発射の条件に応じて回数を変更してもよい。その後、発射機構30は、(i)〜(iv)の状態を満たした場合、図31に示す(v)の状態に復帰し、遊技球pを発射する。なお、発射ソレノイド31aを3回オン状態としても球詰りが解消していない場合であっても、遊技者による打球操作ハンドル25の操作に応じて、発射ソレノイド31aのみを0.6秒毎にオン状態としてもよい。
次に、図32は、減算機構32、および遊技球数表示器29の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、図31に示した(i)〜(iv)の状態を満たし発射機構30の発射ソレノイド31aがオン状態した場合、発射制御基板31から減算基準信号が37.5ms間出力される(図32に示す(i)の状態)。
減算機構32は、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構入口センサ32bがオフ状態で減算機構出口センサ32cのオフ状態となっていることを条件に減算ソレノイド32aを75ms間オン状態にする(図32に示す(ii)の状態)。
減算機構32は、減算ソレノイド32aをオン状態にすることで、図28に示す可動片45を駆動して、可動片45の手前で停留している遊技球pを移動させる。遊技球pが移動することで、減算機構入口センサ32bがオン状態となる(図32に示す(iii)の状態)。
減算機構32は、減算ソレノイド32aがオフ状態になってから発射ソレノイド31aがオン状態となるまでの約600msの間に減算機構入口センサ32bが連続で10ms以上の間オン状態となり遊技球pを検知した場合、所持している遊技球数を減算する。そして、遊技球数表示器29は、X個の遊技球数の表示から1個減算してX−1の遊技球数の表示に変更する(図32に示す(iv)の状態)。
減算ソレノイド32aがオフ状態になると、遊技球pが減算機構出口センサ32cの位置に移動して減算機構出口センサ32cがオン状態となる(図32に示す(v)の状態)。減算機構32は、発射機構30が、図31に示す(i)〜(v)の状態を満たしている限り、以後、約600msの周期で発射ソレノイド31aをオン状態となり、遊技球数の減算処理を繰り返す。
次に、図33は、減算機構出口センサ32cによって、球詰りを検知した場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、枠制御基板17は、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cがオン状態となっている場合、球詰りが発生していると判断する(図33に示す(i)の状態)。この場合、枠制御基板17は、減算ソレノイド32aをオン状態にはいない。
枠制御基板17は、減算機構出口センサ32cがオフ状態になった場合、球詰りが解消したと判断して、発射ソレノイド31aを2回オン状態にして、正常な状態に復帰させる(図33に示す(ii)の状態)。
減算機構32、および遊技球数表示器29の動作において、減算機構入口センサ32bの異常を検出する処理について説明する。図34は、減算機構入口センサ異常を検出する処理を説明するためのフローチャートである。まず、減算機構32は、減算基準信号がオン状態か否かを判断する(ステップS101)。減算基準信号がオン状態でない場合(ステップS101でNO)、減算機構32は、減算処理の待ち状態となるため、処理をステップS101に戻す。
減算基準信号がオン状態である場合(ステップS101でYES)、減算機構32は、減算基準信号のオン状態が16ms経過したか否かを判断する(ステップS102)。減算基準信号のオン状態が16ms経過していない場合(ステップS101でNO)、減算機構32は、期間の経過待ちとなるため、処理をステップS101に戻す。
減算基準信号のオン状態が16ms経過した場合(ステップS102でYES)、減算機構32は、前飾り開放スイッチ12がオフ状態で前飾りが閉鎖されているか否かを判断する(ステップS103)。前飾りが閉鎖されていない場合(ステップS103でNO)、減算機構32は、遊技中ではないと判断して処理をステップS101に戻す。
前飾りが閉鎖されている場合(ステップS103でYES)、減算機構32は、所有している遊技球数が0(ゼロ)球以外か否かを判断する(ステップS104)。遊技球数が0(ゼロ)球の場合(ステップS104でNO)、減算機構32は、遊技中ではないと判断して処理をステップS101に戻す。
遊技球数が0(ゼロ)球以外の場合(ステップS104でYES)、減算機構32は、減算機構入口センサ32bがオフ状態か否かを判断する(ステップS105)。減算機構入口センサ32bがオフ状態でない(オン状態)場合(ステップS105でNO)、減算機構32は、入口に遊技球がないと判断して減算ソレノイド32aをオン状態としないで処理をステップS101に戻す。
減算機構入口センサ32bがオフ状態である場合(ステップS105でYES)、減算機構32は、減算機構出口センサ32cがオフ状態か否かを判断する(ステップS106)。減算機構出口センサ32cがオフ状態でない(オン状態)場合(ステップS106でNO)、減算機構32は、球詰まりが発生していると判断して減算ソレノイド32aをオン状態としないで処理をステップS101に戻す。
減算機構出口センサ32cがオフ状態である場合(ステップS106でYES)、減算機構32は、減算ソレノイド32aを75msの間オン状態とする(ステップS107)。さらに、減算機構32は、減算機構入口センサ32bが10ms以上の間オン状態となったか否かを判断する(ステップS108)。減算機構入口センサ32bが10ms以上の間オン状態となった場合(ステップS108でYES)、減算機構32は、遊技球数を1減算した値を遊技球数表示器29に減算した遊技球数を表示する(ステップS109)。
減算機構入口センサ32bが10ms以上の間オン状態となっていない場合(ステップS108でNO)、減算機構32は、減算ソレノイド32aのオン状態を開始してから600ms経過したか否かを判断する(ステップS110)。減算ソレノイド32aのオン状態を開始してから600ms経過していない場合(ステップS110でNO)、減算機構32は、処理をステップS108に戻す。減算ソレノイド32aのオン状態を開始してから600ms経過した場合(ステップS110でYES)、減算機構32は、減算機構入口センサ32bの異常が発生したと判断する(ステップS111)。なお、減算機構32は、減算ソレノイド32aのオン状態の開始から600ms以内に減算機構入口センサ32bが10ms以上オン状態とならないことが5回連続した場合に減算機構入口センサ32bの異常と判断してもよい。
P台2は、遊技球pを発射する発射機構30と、発射機構30に遊技球pを搬送する減算機構32(特に、減算ソレノイド32a、可動片45など)と、発射機構30における遊技球pの発射動作に対応した減算基準信号を生成する発射制御基板31と、遊技球数(遊技点)を管理し、減算基準信号に基づいて減算機構32に遊技球pの搬送動作を実行させるとともに、減算基準信号に基づいて遊技球数を減算する枠制御基板17とを備える。これにより、発射機構30の発射動作に対応して適切な遊技球数の減算処理が実現できる。
従来、発射部から枠制御基板へ、遊技球が発射されたことを示す発射検出信号が入力され、発射検出信号を受けた枠制御基板が、発射球数1個の検出に対して、減算球数と遊技中球数とを1加算更新するとともに遊技球数を1減算更新する処理を行っていた。つまり、遊技球の発射による遊技球数の減算と、遊技球の搬送とを個別に行っていた。そのため、ファール球検出スイッチでファール球を検出するなど遊技球の搬送に関する不具合が生じた場合、枠制御基板では、一旦減算した遊技球数を加算して戻す処理を行う必要があった。
一方、本実施の形態によれば、発射機構30における遊技球pの発射動作に対応した減算基準信号を生成し、当該減算基準信号に基づいて減算機構32が遊技球pの搬送動作を行うことにより、遊技球数を減算するので、遊技球の搬送に関する不具合が生じても遊技球数が減算されない。そのため、本実施の形態によれば、発射機構30における遊技球pの発射に対応して適切に遊技球数を減算することができる。また、本実施例の構成では、ファール球を検出するファール球検出スイッチ自体が必要なく、ファール球の検出に係る処理も省略できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信したことに基づいて、管理している遊技点の減算処理を実行する。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことに基づいて、X個の遊技球数から1個減算してX−1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる。これにより、枠制御基板17は、発射機構30の発射動作に対応して適切な遊技球数の減算処理が実現できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信したことに基づいて、減算機構32による遊技球pの搬送動作を実行させる。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことに基づいて、減算ソレノイド32aを制御することで可動片45を駆動して遊技球pを搬送する。これにより、枠制御基板17は、発射機構30の発射動作に対応して適切な遊技球pの搬送を実現できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信した後、減算機構入口センサ32bにて遊技球pを検知したことに基づいて、管理している遊技点の減算処理を実行する。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことに基づいて、遊技球pが搬送されることで減算機構入口センサ32bがオン状態となり遊技球pを検知すると、X個の遊技球数から1個減算してX−1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる。これにより、枠制御基板17は、発射機構30の発射動作と搬送機構(例えば、可動片45)の動作とに対応した適切な遊技球数の減算処理が実現できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信した後の所定期間内における減算機構出口センサ32cの検知状態に基づいて、遊技球pの搬送エラーを判定可能である。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cがオン状態となっている場合、球詰りが発生していると判断する。これにより、減算ソレノイド32aや可動片45などを含む減算機構32による動作の不具合を検知できる。
主制御基板16は、枠制御基板17から特別事象が発生したことを知らせるための所定信号を受信したことに基づいて、発射停止処理を実行する。具体的に、主制御基板16は、枠制御基板17から特定のエラー信号(特別事象が発生したことを知らせるための所定信号)を受信した場合に、発射許可信号の出力を停止する。これにより、枠制御基板17にて検出された特別事象の発生に対応して発射動作を停止できる。
<カードユニットおよびパチンコ遊技機に発生した異常の通知処理>
図35は、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。図35を参照して、CU制御部323、通信制御IC325、枠制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図35の矢印で示す方向に対して通知が行われる。ここで言う異常には、CU制御部323、通信制御IC325、枠制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズなどにより誤作動したり故障したりした場合や、断線などによるオフライン状態となる場合などの各種エラー状態が含まれる。図35に示される機歴管理サーバ800は、P台2の製造メーカまたはチップの提供メーカにてP台2に書き込まれるID情報など、及び設備機器メーカにてCU3に書き込まれるID情報などの管理を行うものである。
まず、CU3の通信制御IC325により異常が発生した場合には、CU制御部323が異常を検知する。CU制御部323が通信制御IC325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行う制御を表示制御部350に行わせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行う。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3のCU制御部323により異常が発生した場合には、CU制御部323が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)をホールサーバ801に通知する。枠制御部171が枠制御部171の異常を検知した場合には、通信制御IC325を介してCU制御部323へその旨を通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。なお、通信制御IC325は、パラレルインタフェイス回路であるPIF回路を介してパラレル信号で枠制御部171と接続されている。
主制御基板16に異常が発生した場合、枠制御部171が異常発生を検知し、その旨を示す信号をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。もちろん、主制御基板16に異常が発生した場合、主制御基板16が異常発生を検知し、その旨を示す信号をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知してもよい。
図35に示される遊技機管理サーバ802は、たとえば、複数の遊技機メーカが加盟する団体によって運営される遊技機を管理する組織に設けられ、遊技場に設置された遊技機が設計値と異なる異常な状態となっていないかを確認することによって遊技機を管理するサーバである。遊技機管理サーバ802は、他の組織に設けられるようにしてもよい。遊技機管理サーバ802は、ホールサーバ801、CU3およびP台2と通信可能である。
本実施の形態において、遊技機管理サーバ802は、メインチップIDなどの遊技機を各々、識別する情報に対応付けて、遊技機の機種名および遊技機の異常を判断するための遊技機の設計値を記憶する。
<P台のエラー及び不正検知後の動作>
次に、P台2のエラー及び不正検知後の動作について説明する。図36は、報知可能なエラー及び不正検知の種類を説明するための図である。図36には、26種類のエラーが記載されており、それぞれのエラーの「エラーコード」、「エラー名称」、「エラー及び不正検知内容」、「エラー及び不正検知後の動作」が記載されている。
例えば、番号3のエラーは、「エラーコード」が「F06」、「エラー名称」が「管理遊技機内通信異常」、「エラー検知内容」が「管理遊技機遊技盤と管理遊技機枠間の通信無応答または未接続を検知した」、「エラー及び不正検知後の動作」が遊技機枠5で異常を検知し、遊技機枠5側の遊技球数表示器29および遊技盤26側の音声出力(第1音声出力手段)、LCD演出、電飾で報知を行い、ホールコンに対してエラー情報を出力する。
ここで、遊技機枠5で報知する場合、遊技球数表示器29などの表示装置(例えば、可変表示装置278など)に「エラーコード」を表示して報知する以外に、枠制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイに「エラーコード」を表示して報知を行ってもよい。また、「エラーコード」を表示するのではなく、遊技を停止させてエラーを報知しても、エラーの情報を外部に出力してもよい。
また例えば、番号23のエラーは、「エラーコード」が「F97」、「エラー名称」が「主制御基板起動異常」、「エラー検知内容」が「主制御基板が規定期間経過しても起動しないことを検知した」、「エラー及び不正検知後の動作」が遊技盤26で異常を検知し、遊技盤26側の音声出力、LCD演出、電飾で報知を行い、発射停止を停止し、ホールコンに対してエラー情報を出力する。
報知手段は、エラーの種類によって遊技盤において音声出力したり電飾を点灯させたりすることでエラーの報知を行ってもよい。また、報知手段は、エラーの種類によってホールコンに対してエラー情報出力、または不正情報出力を出力することでエラーを報知してもよい。
次に、図36に示した複数のエラーについてさらに詳しく説明する。図37は、遊技機枠5および遊技盤26で発生するエラー及び不正検知を説明するためのブロック図である。まず、遊技機枠5において、専用ユニット(CU3)と管理遊技機枠(遊技機枠5)間の通信無応答を検知した場合、枠制御基板17は、専用ユニット通信無応答(エラーコード=F05)のエラー報知を行う。具体的に、枠制御基板17は、専用ユニット通信無応答のエラーを検知した場合、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するともに、計数ボタン28を操作しても計数処理が機能しないように計数を停止し、図37に示すように主制御基板16に対して専用ユニット通信無応答信号を出力する。主制御基板16では、ユーザープログラム16aのポート信号検知16bで枠制御基板17から送信された専用ユニット通信無応答信号を検知し、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17は、ホールコンに対してエラー情報出力し、CU3では、球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が無効となる。
次に、遊技機枠5において、減算機構入口センサ32bが球詰まりを検出している時または減算機構入口センサ32bの故障を検知した場合、枠制御基板17は、減算機構入口センサ異常(エラーコード=F14)のエラー報知を行う。具体的に、枠制御基板17は、減算機構入口センサ異常のエラーを検出した場合、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するともに、図37に示すように主制御基板16に対して減算機構入口センサ異常信号を出力する。主制御基板16では、ユーザープログラム16aのポート信号検知16bで枠制御基板17から送信された減算機構入口センサ異常信号を検知し、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17は、ホールコンに対してエラー情報出力を行う。
次に、遊技機枠5において、遊技球数が40000球をオーバーした場合、枠制御基板17は、遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラー報知を行う。具体的に、枠制御基板17は、遊技球数オーバーのエラーを検出した場合、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するともに、図37に示すように主制御基板16に対して遊技球数オーバー信号を出力する。主制御基板16では、ユーザープログラム16aのポート信号検知16bで枠制御基板17から送信された遊技球数オーバー信号を検知し、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。なお、枠制御基板17は、ホールコンに対してエラー情報出力を行う。
次に、遊技盤26において、管理遊技機遊技盤と管理遊技機枠間の通信無応答または未接続を検知した場合、主制御基板16は、管理遊技機内通信異常(エラーコード=F06)のエラー報知を行う。具体的に、主制御基板16は、図37に示すように管理遊技機内通信異常検知16cにより当該エラーを検知すると、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17でも、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するとともに、ホールコンに対してエラー情報出力を行う。
ここで、遊技機枠5と遊技盤26とは、シリアル通信を行っているため、主制御基板16側で検知したエラー及び不正検知は、当該シリアル通信を介して枠制御基板17に通知される。そのため、枠制御基板17は、主制御基板16側で検知したエラー及び不正検知を把握することができる。例えば、主制御基板16側で管理遊技機内通信異常(エラーコード=F06)を検知し、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、枠制御基板17は、シリアル通信を介して主制御基板16側でのエラー検知を把握することができる。なお、主制御基板16は、後述する図43に示す遊技機情報通知のコマンドに含まれる「遊技機エラー状態」の情報で、枠制御基板17に対してエラー情報を通知している。「遊技機エラー状態」は、Bit0〜Bit5にエラーコードの情報を、Bit6にエラーを検知したのが枠制御基板17(”0”)か主制御基板16(”1”)かの情報を、Bit7にエラー情報の出力先の情報をそれぞれ含んでいる。「遊技機エラー状態」のBit7が”0”の場合、枠制御基板17側でエラー報知(発報)のみを行う。また、「遊技機エラー状態」のBit7が”1”の場合、枠制御基板17側でのエラー報知(発報)に加え、ホールコンへのエラー情報の出力(HC出力)を行う。つまり、主制御基板16から枠制御基板17にエラー情報が通知されると、枠制御基板17は、図6に示した遊技機情報(例えば、ホールコン情報)に当該エラー情報を含めてCU3に送信する。CU3は、遊技機情報に含まれるエラー情報を外部出力端子340を介してホールコンに出力する。
そのため、枠制御基板17では、主制御基板16側の音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)で行われる管理遊技機内通信異常のエラー報知と、枠制御基板17側の音声出力(遊技機枠側スピーカ270A)で行われる遊技球循環装置異常のエラー報知とが重ならないように、遊技球循環装置異常のエラー報知を制限するようにエラーの優先度が定められている。つまり、枠制御基板17は、遊技盤側スピーカ270Bからのエラー報知の方が優先度が高く、当該エラー報知が行われている間、遊技機枠側スピーカ270Aからのエラー報知が制限される。
枠制御基板17は、主制御基板16側のエラー(所定事象)と異なるエラー(特定事象)の発生を検知可能であり、エラーの報知(所定報知)が主制御基板16側の音声出力(第1音声出力手段)にて行われていないときに、枠制御基板17によってエラー(特定事象)が検知されたことに基づくエラーの報知(特定報知)が枠制御基板17側の音声出力(第2音声出力手段)にて行われ、エラーの報知(所定報知)が主制御基板16側の音声出力にて行われているときに、エラーの報知(特定報知)が枠制御基板17側の音声出力にて行なわれない。例えば、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、主制御基板16側でエラーの報知が行われていないときに、遊技球循環装置異常の報知が行われ、主制御基板16側でエラーの報知が行われているときに、遊技球循環装置異常の報知が行われない。このように、報知するエラーの優先度を定めることで、あるメーカの遊技盤26を遊技機枠5に搭載したときであっても、別のメーカの遊技盤26を遊技機枠5に搭載したときであっても統一したエラー報知を行うことができる。
また、枠制御基板17は、特定事象と異なる特別事象の発生を検知可能であり、特別事象の発生を検知した場合には、主制御基板16に対して特別事象の検知に関する情報を送信する。例えば、遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)のように枠制御基板17側のみで報知を行うエラーと異なり、主制御基板16側でも報知を行う遊技球数オーバー(エラーコード=F23)では、枠制御基板17が、エラー(特別事象)を検知した場合に、主制御基板16に対して当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を送信する。具体的に、枠制御基板17は、シリアル通信を介して主制御基板16側に当該エラーの検知に関する情報を送信する。主制御基板16は、当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を受信したことに基づいて演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。このようにすることで、枠制御基板17にて検出されたエラー(特別事象)の発生を適切に報知できる。
遊技盤26において、前飾り開放を検知(前飾り開放スイッチ12のオン状態を検知)した場合、主制御基板16は、前飾り開放(エラーコード=F64)のエラー報知を行う。具体的に、主制御基板16は、図37に示すように前飾り開放スイッチ開放検知16dにより当該エラーを検知すると、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17でも、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するとともに、ホールコンに対して不正情報出力を行う。
遊技盤26において、裏機構部開放を検知(裏機構部開放スイッチ13のオン状態を検知)した場合、主制御基板16は、裏機構部開放(エラーコード=F65)のエラー報知を行う。具体的に、主制御基板16は、図37に示すように裏機構部開放スイッチ開放検知16eにより当該エラーを検知すると、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。なお、枠制御基板17でも、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するとともに、ホールコンに対して不正情報出力を行う。
ここで、裏機構部開放スイッチ13は、バックアップ電源基板174と接続されており、電源OFF時の夜間においても開放を検知することができる。図38は、バックアップ電源基板174の構成を説明するためのブロック図である。バックアップ電源基板174は、電源回路400と接続されているため、電源ON時において図38に示す電源ラインDC5V−1から電力供給が行われている。また、バックアップ電源基板174は、バックアップ電源II(5V)17cを有している。バックアップ電源II(5V)17cは、電源ON時、電源生成機能の充電回路174aを介して電源ラインDC5V−1からの電力で充電が行われ、電源OFF時、電源選択機能のダイオード回路174bによりバックアップ電源基板174での電力供給に切り替えることができる。
なお、バックアップ電源基板174は、遊技盤接続確認信号およびクリア信号と、裏機構部開放スイッチ13の検知信号とに基づいて断線開放検知を判断する構成についても電源のバックアップを行っている。
枠制御基板17は、ユーザープログラムの使用領域内(特定領域内)に主制御基板16との通信制御に用いるプログラムが格納されている。枠制御基板17は、ユーザープログラムの使用領域内で実行される処理と、使用領域外(特定領域外)で実行される処理とで検出可能な事象が異なっている。例えば、ユーザープログラムの使用領域内で遊技球数表示処理が実行されていることから、遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーは使用領域内で検出可能であり、ユーザープログラムの使用領域外で遊技球循環処理が実行されていることから、遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)のエラーは使用領域外で検出可能である。そのため、ユーザープログラムの使用領域内で実行される処理により検知したエラー(事象)を、プログラム(特に、通信処理)を実行して主制御基板16へ送信可能である。これにより、ユーザープログラムの使用領域内と使用領域外とに跨らずに処理を実行することができる。
主制御基板16は、発射機構30の発射動作を制御可能であり、枠制御基板17からエラー(特別事象)の検知に関する情報を受信したことに基づいて発射機構30の発射動作を停止させる。これにより、枠制御基板17にて検出されたエラー(特別事象)の発生に対応して発射動作を停止できる。
枠制御基板17は、エラー(特定事象と特別事象とのうちいずれかの事象)の発生を検知した場合に、主制御基板16によるエラー(所定事象)の検知状況に関わらず、遊技球数表示器29に検知したエラーを特定可能な情報(例えば、エラーコードなど)を表示してもよい。これにより、遊技盤26側の制御状態によらずに、検知したエラーを特定可能に表示できる。
<主制御基板と枠制御基板との通信>
次に、P台2内に設けられた主制御基板16(主制御部161)と枠制御基板17(枠制御部171)との間(図4参照)での通信について説明する。まず、図39を参照して、電源投入時、主制御基板16と枠制御基板17との間で処理されるシーケンスを説明する。図39は、主制御基板16と枠制御基板17との間の通信シーケンスを示す図である。
また、主制御基板16と枠制御基板17との通信は、主制御基板16を一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は例えば、100msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。主制御基板16は、通知電文を送信してから100ms間応答を受信できなかった場合、通知電文を再送する。なお、10回連続で応答を受信できなかった場合、通信回線断とする。枠制御基板17は、通知電文を受信してから1000ms間次の通知を受信できなかった場合、通信回線断とする。
さらに、枠制御基板17は正常なデータを受信した場合のみ、主制御基板16へ応答コマンドを送信する。送受信に用いる通番は、主制御基板16、枠制御基板17ともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御基板16および枠制御基板17の起動を待って、主制御基板16と枠制御基板17との間で通信が開始される。主制御基板16および枠制御基板17の起動には、例えば、最大10000msとする。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信は、平文で行われているが、暗号通信を行ってもよい。
まず、主制御基板16は、起動後に遊技機設置情報を枠制御基板17に通知する。具体的に、主制御基板16は、通信通番を「1」として遊技機設置情報通知のコマンドを枠制御基板17に送信する。遊技機設置情報通知のコマンドを受信した枠制御基板17は、カウントアップせずに通信通番を「1」として遊技機設置情報応答のレスポンスを主制御基板16に送信する。
主制御基板16は、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知した後、一定周期(100ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知する。具体的に、主制御基板16は、通信通番を「2」として遊技機情報通知のコマンドを枠制御基板17に送信する。遊技機情報通知のコマンドを受信した枠制御基板17は、カウントアップせずに通信通番を「2」として遊技機情報応答のレスポンスを主制御基板16に送信する。以降、主制御基板16が枠制御基板17にコマンドを送信する際に通信通番をカウントアップしながら、遊技機情報を枠制御基板17に通知する。
ここで、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとの関係を説明する。図40は、通信タイミングを説明するための通信シーケンスを示す図である。図40に示すように、主制御基板16は、一定周期(100ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知している。一方、枠制御基板17は、主制御基板16との通信の一定周期(100ms)より遅い(300ms)の周期で遊技機情報をCU3に送信している。なお、枠制御基板17は、300msではなく200msの周期で遊技機情報をCU3に送信してもよい。
つまり、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を3回行う通信タイミングである。なお、枠制御基板17とCU3との通信が200msの周期の場合、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を2回行う通信タイミングとなる。そのため、枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機の情報を、より頻繁に取得できるので遊技機の変化をより正確に把握することができるとともに、適切な間隔で遊技機の情報をCU3に送信することができる。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとが同じ300msの周期であっても、図40とは異なるタイミングであってもよい。
<主制御基板と枠制御基板との間でのコマンド>
次に、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドについて説明する。図41は、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。
図41に示すように、主制御基板16から枠制御基板17に送信されるコマンドは、遊技機設置情報通知、遊技機情報通知がある。遊技機設置情報通知のコマンドは、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。遊技機情報通知のコマンドは、遊技機情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。
一方、枠制御基板17から主制御基板16に送信されるレスポンスは、遊技機設置情報応答、遊技機情報応答がある。遊技機設置情報応答のレスポンスは、遊技機設置情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。遊技機情報応答のレスポンスは、遊技機情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。
<遊技機設置情報通知・遊技機設置情報応答>
次に、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスについて詳しく説明する。図42は、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスを説明するための図である。図42(a)に示す遊技機設置情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報を通知するためのコマンドであり、遊技機設置情報として「主制御チップID番号」、「主制御CPUメーカコード」、「主制御CPU型式コード」を含んでいる。主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報通知のコマンドを送信する際の通信通番は1を通知する。また、遊技機設置情報通知の電文は、必ず1フレームで完結させ、分割送信しない。さらに、枠制御基板17は、遊技機設置情報通知の電文長を受信後、20ms以内にチェックサムまで受信できなかった場合、それまでの受信データをキャンセルし、再度電文長から受信する。以下のコマンドやレスポンスでも同様に行われる。
図42(b)に示す遊技機設置情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機設置情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機設置情報受領結果」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機設置情報通知で受信した通信通番をそのまま応答する。しかし、枠制御基板17は、1以外の通信通番を受信した場合、無応答とする。
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。図43は、遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。遊技機情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機情報(ホールコン情報、不正監視情報など)を通知するためのコマンドであり、遊技機設置情報として「主制御状態」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「遊技情報」を含んでいる。主制御基板16は、遊技機情報通知時に通信通番を1加算する。なお、通信通番は、255を最大とし、255の次は1にカウントを戻す。また、電文再送時には、通信通番を1加算(更新)しない。
「主制御状態」は、P台2の遊技状態の情報であり「主制御状態1」と「主制御状態2」とを含んでいる。「主制御状態1」は、大当り1(全ての大当り)、大当り2(特定の大当り)、および大当り3(時短の大当り)の情報、遊技機状態信号1〜5の情報を含んでいる。遊技機状態信号1〜5は、CU3の外部出力端子340から状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子状態出力信号1〜5」に対応する。「主制御状態1」は、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、および時短(変動時間短縮)中の情報、遊技機状態信号6〜9の情報を含んでいる。遊技機状態信号6〜9は、CU3の外部出力端子340から状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子状態出力信号6〜9」に対応する。
「遊技機エラー状態」は、遊技機で発生中のエラーコードの情報を含む。「不正検知状態」は、盤面不正1〜6を検知したことを示す情報を含む。
「遊技情報」は、主制御基板16で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板17へ通知する情報を含む。「遊技情報」は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。種別情報は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。
種別情報についてさらに詳しく説明する。図44は、遊技情報に含まれる種別情報を説明するための図である。種別情報は、データ種別(Bit4〜7)の値ごとに設定されており、例えば、データ種別の値が1の場合、始動口入賞の情報である。また、データ種別ごとに、データ番号(Bit0〜3)が設定されており、例えば、データ番号が1なら始動口1などと始動口番号を示している。
データ種別の値が2の場合、大入賞口に入賞したことを通知し、データ番号が1なら大入賞口1などと大入賞口番号を示している。データ種別の値が4の場合、図柄の変動回数を通知し、データ番号が1なら特図1などと特図番号を示している。データ種別の値が8の場合、役物連続作動装置が未作動時の大入賞口の開放を通知し、データ番号が1なら役物1などと役物番号を示している。データ種別の値が13の場合、CU3からパルス出力することを指示し、データ番号でCU3の外部出力端子340の端子を示す。データ種別の値が14の場合、性能情報の演算に必要となる状態を通知し、データ番号が1に固定されている。
カウント情報は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。データ種別が1=始動口入賞、2=大入賞口入賞、3=入賞口入賞、9=役物作動による始動口入賞、10=役物連続作動による大入賞口入賞、11=役物作動による入賞口入賞の場合、カウント情報は、賞球数(上位4Bit)と入賞個数(下位4Bit)で構成される。例えば、3個賞球の始動口1に2個入賞した場合、データ種別(Bit4〜7)が”1=始動口1”、データ番号(Bit0〜3)が”1=始動口1”、賞球数(Bit4〜7)が”3=3個賞球”、入賞個数(Bit0〜3)が”1=1個入賞”の遊技情報(0x1131)が2データとなる。
データ種別が4=図柄確定回数の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と図柄確定回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が5=大当り、6=小当りの場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と当り回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が7=ゲート通過の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)とゲート通過数(下位4Bit)で構成される。データ種別が8=役物回数(大入賞口開放回数)の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と役物回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が12=特定領域通過の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と特定領域通過数(下位4Bit)で構成される。データ種別が13=パルスカウント数の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)とパルス出力回数(下位4Bit)で構成される。
データ種別が14=性能情報状態通知の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と状態フラグ(下位4Bit)で構成される。状態フラグ(Bit0〜3)では、Bit0がベース状態を示し、Bit0が”0”なら低ベース中、”1”なら高ベース中であることを示し、Bit1が大当り中の状態を示し、Bit1が”0”なら通常時、”1”なら大当り中であることを示し、Bit2が高確率中の状態を示し、Bit1が”0”なら低確率、”1”なら高確率であることを示している。
<遊技機情報応答>
図45は、遊技機情報応答のコマンドを説明するための図である。図45に示す遊技機情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機情報受領結果」および「枠制御状態」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機情報通知で受信した通信通番をそのまま応答する。しかし、枠制御基板17は、連続性が成立しない通信通番を受信した場合、無応答とする。
「枠制御状態」は、枠制御基板17の状態情報を含んでおり、具体的にBit0に遊技球数オーバーの情報が含まれる。枠制御基板17は、シリアル通信を介して主制御基板16側に遊技機情報応答を送信することで、図36に示した遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーの検知に関する情報を主制御基板16に通知することができる。そのため、主制御基板16側でも遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーを報知することができる。
<入賞個数の集計>
次に、入賞個数の集計結果について説明する。遊技情報に含まれるデータ種別が14=性能情報状態通知の場合、状態フラグ(Bit0〜3)のBit0がベース状態を示し、Bit1が大当り中の状態を示し、Bit2が高確率中の状態を示している。つまり、遊技情報に含まれるデータ種別の14=性能情報状態通知の情報に基づき、前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で変化した遊技状態を示すことができる。
前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で変化した遊技状態の情報を表すことができるようになったことで、前回の遊技機情報通知から遊技状態が変化するまでの入賞個数の累計と、遊技状態が変化してから今回の遊技機情報通知までの入賞個数の累計とを区別して枠制御基板17に通知することが可能となった。なお、遊技機情報通知のコマンドにデータ種別に14=性能情報状態通知を設けて、主制御基板16から枠制御基板17に前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で変化した遊技状態の情報を通知できるようにしたが、当該遊技状態の情報は、遊技用装置であるCU3や、上位サーバであるホールサーバ801、ホールコンピュータなどに通知できるようにしてもよい。
具体的に、遊技状態が変化する前後で入賞個数の累計を区別することができる構成について説明する。まず、その前に、遊技状態が変化する前後で入賞個数の累計を区別するできない場合の不具合について説明する。図46は、遊技状態が変化する前後での入賞個数の集計結果を説明するための図である。図46(a)は、従前の遊技状態が変化する前後での入賞個数の集計結果を説明するための図で、図46(b)は、本実施の形態において、遊技状態が変化する前後での入賞個数の集計結果を説明するための図である。図46(a)に示す例では、遊技状態が途中で通常状態から大当り状態に変化し、主制御基板16は、その状態変化の前後において入賞センサ162(図4参照)から賞球コマンドa〜fを受信している。より詳しくは、主制御基板16は、通常状態の期間に賞球コマンドa〜cを受信し、大当りの期間に賞球コマンドd〜fを受信している。
しかし、主制御基板16は、受信した賞球コマンドごとに枠制御基板17に入賞個数を通知しているのではなく、100msごとに送信される遊技機情報通知コマンドに累計して送信される。つまり、図46(a)に示す例では、賞球コマンドa,bの入賞個数が累計されて通信コマンドAで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドc,dの入賞個数が累計されて通信コマンドBで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドe,fの入賞個数が累計されて通信コマンドCで枠制御基板17に送信される。
一方、遊技状態が変化したことは、図43に示した遊技機情報通知コマンドに含まれる「主制御状態1」で大当りの種類などの遊技状態の情報が主制御基板16から枠制御基板17に送信されている。つまり、図46(a)に示す例では、通常状態から大当り状態に変化した直後の通信コマンドBの「主制御状態1」で大当りの遊技状態に変化したことが枠制御基板17に送信されるので、枠制御基板17側で知り得る遊技状態の変化は、通信電文の大当り状態で示すように通信コマンドBを受信した時からとなる。
そのため、通信電文の大当り状態に基づいて賞球コマンドを区別すると、賞球コマンドa,bが通常状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)され、賞球コマンドc〜fが大当り状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)されることになる。しかし、実際の遊技状態に基づいて入賞個数を累計した場合、賞球コマンドcは大当りの期間ではなく、通常状態の期間の入賞個数として累計する必要がある。そのため、賞球コマンドcの入賞個数だけ賞球集計結果に誤差が生じ、後述するベースや役物比率、連続役物比率を正確に算出することができない問題があった。
そこで、本実施の形態に係る主制御基板16では、遊技機情報通知コマンドにデータ種別に14=性能情報状態通知を設けて、前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で遊技状態が変化したことによって賞球コマンドの入賞個数を区別することができる構成を採用している。具体的に、図46(b)に示す例でも、遊技状態が途中で通常状態から大当り状態に変化し、主制御基板16は、その状態変化の前後において入賞センサ162(図4参照)から賞球コマンドa〜fを受信している。より詳しくは、主制御基板16は、通常状態の期間に賞球コマンドa〜cを受信し、大当りの期間に賞球コマンドd〜fを受信している。
図46(b)に示す例でも、賞球コマンドa,bの入賞個数が累計されて通信コマンドAで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドc,dの入賞個数が累計されて通信コマンドBで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドe,fの入賞個数が累計されて通信コマンドCで枠制御基板17に送信される。
しかし、本実施の形態に係る遊技機情報通知コマンドでは、遊技情報のデータ種別に14=性能情報状態通知を設けて、賞球コマンドcの入賞個数と賞球コマンドdの入賞個数とを区別している。具体的に、通信コマンドBには、賞球コマンドcおよび賞球コマンドdの情報が含まれている以外に、賞球コマンドcと賞球コマンドdとの間で大当りに遊技状態が変化したことを示す状態変化の情報(14=性能情報状態通知)が含まれている。そのため、主制御基板16は、通常状態に受信した賞球コマンドcの入賞個数を種別情報1およびカウント数情報1(図43参照)に、状態変化の情報を種別情報2およびカウント数情報2に、賞球コマンドdの入賞個数を種別情報3およびカウント数情報3にそれぞれ格納して遊技機情報通知コマンドを生成する。そして、主制御基板16は、当該遊技機情報通知コマンドを枠制御基板17に送信することで、種別情報1およびカウント数情報1〜種別情報3およびカウント数情報3の遊技情報を順に枠制御基板17に送ることになる。つまり、主制御基板16は、遊技状態を変化させた場合、当該変化前の賞球コマンドcの入賞個数(種別情報1およびカウント数情報1)を送信した後に当該変化を通知する情報F(種別情報2およびカウント数情報2)を送信した上で、当該変化後の賞球コマンドdの入賞個数(種別情報3およびカウント数情報3)を送信している。
そのため、枠制御基板17は、状態変化の情報より先に受信した賞球コマンドcを通常状態の入賞個数、状態変化の情報より後に受信した賞球コマンドdを大当り状態の入賞個数として区別することができ、賞球コマンドa〜cが通常状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)され、賞球コマンドd〜fが大当り状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)される。よって、賞球集計結果に誤差は生じることがなく、後述するベースや役物比率、連続役物比率を正確に算出することができる。
<性能表示演算処理>
次に、枠制御基板17において実行される性能表示演算処理についてさらに説明する。図47は、枠制御基板17において実行される性能表示演算処理を説明するためのフローチャートである。図47を参照して、まず、枠制御基板17は、通過数加算処理を実行する(ステップS300)。図48は、枠制御基板17において通過数加算処理を説明するためのフローチャートである。ここで、例えば、役物無しの第n入賞口(大入賞口271以外の入賞口に番号nを付する。たとえば、普通入賞口272〜274をそれぞれ番号1〜3、つまり第1入賞口〜第3入賞口とし、始動入賞口275〜277をそれぞれ番号4〜6、つまり第4入賞口〜第6入賞口とする。このため、役物無しの入賞口は、第1入賞口〜第4入賞口,第6入賞口である。)の1個の入賞に対する賞球数An(たとえば、第1入賞口〜第3入賞口は、3個、第4入賞口,第6入賞口は、5個)と、役物有りの始動入賞口276(ここでは、第5入賞口)の1個の入賞に対する賞球数As(たとえば、5個)と、大入賞口271の1個の入賞に対する賞球数Ab(たとえば、3個)とする。これらの設定は遊技盤26の機種に応じて変更可能である。
図48を参照して、枠制御基板17は、大当り遊技状態であるか否かを判断する(ステップS351)。大当り遊技状態でない(ステップS351でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS352)。ここでは、P台2における遊技状態が、高確高ベース状態(以下、単に高ベース状態という)と、低確低ベース状態(以下、単に低ベース状態という)との2種類であるとして以下説明する。高ベース状態でない(ステップS352でNO)と判断した場合、つまり、大当り遊技状態でなく、かつ、低ベース状態である場合、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS353)。受信した(ステップS353でYES)と判断した場合、低ベース時のアウト口の通過数plを1加算する(ステップS354)。
また、第n入賞口(本実施の形態では第1入賞口から第6入賞口)には、それぞれ、入賞した遊技球を検出する検出スイッチが設けられる。アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信していない(ステップS353でNO)と判断した場合、および、ステップS354の後、枠制御基板17は、第n入賞口の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS355)。
受信した(ステップS355でYES)と判断した場合、低ベース時の第n入賞口の通過数qlnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS356)。ただし、枠制御基板17は、高ベースに遊技状態が変化した場合、その後の第n入賞口のカウント数(入賞個数)を高ベース時のアウト口の通過数phnに加算する。
一方、高ベース状態である(ステップS352でYES)と判断した場合、つまり、大当り遊技状態でなく、かつ、高ベース状態である場合、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS357)。受信した(ステップS357でYES)と判断した場合、高ベース時のアウト口の通過数phを1加算する(ステップS358)。
アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信していない(ステップS357でNO)と判断した場合、および、ステップS358の後、枠制御基板17は、第n入賞口の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS359)。受信した(ステップS359でYES)と判断した場合、高ベース時の第n入賞口の通過数qhnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS360)。ただし、枠制御基板17は、低ベースに遊技状態が変化した場合、その後の第n入賞口のカウント数(入賞個数)を低ベース時のアウト口の通過数plnに加算する。
大当り遊技状態である(ステップS361でYES)と判断した場合、第n入賞口の検出情報を含むコマンドを受信していない(ステップS355,ステップS359でNO)と判断した場合、ステップS356の後、および、ステップS360の後、枠制御基板17は、役物を有さない第n入賞口(本実施の形態では、第1入賞口〜第4入賞口,第6入賞口)の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS361)。受信した(ステップS361でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、第n入賞口の通過数qnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS362)。
第n入賞口の検出信号を受信していない(ステップS361でNO)と判断した場合、および、ステップS362の後、枠制御基板17は、役物を有する始動入賞口276の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS363)。受信した(ステップS363でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、役物を有する始動入賞口276の通過数qsにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS364)。
役物を有する始動入賞口276の検出信号を受信していない(ステップS363でNO)と判断した場合、および、ステップS364の後、枠制御基板17は、大入賞口271の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS365)。受信した(ステップS365でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、大入賞口271の通過数qbにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS366)。
大入賞口271の検出信号を受信していない(ステップS365でNO)と判断した場合、および、ステップS366の後、枠制御基板17は、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS367)。受信した(ステップS367でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、発射球数rを1加算する(ステップS368)。
さらに、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信していない(ステップS367でNO)と判断した場合、および、ステップS368の後、枠制御基板17は、全入賞口の検出信号を含むコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS369)。受信した(ステップS369でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、発射球数rにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS370)。
枠制御基板17は、全入賞口の検出信号を受信していない(ステップS369でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、この通過数加算処理を終了する。
図47に戻って、枠制御基板17は、高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS301)。高ベース状態でない(ステップS301でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、低ベース時のアウト球数rl=pl+Σqlnを計算する(ステップS302)。さらに、枠制御基板17は、低ベース時セーフ球数sl=Σ(An×pln)を計算する(ステップS303)。
枠制御基板17は、算出した低ベース時のアウト球数rl=100であるか否かを判断する(ステップS304)。低ベース時のアウト球数rl=100である(ステップS304でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、低ベース時ベース値bl=100×sl/rlを計算して、RAMに記憶させる(ステップS305)。
高ベース状態(ステップS301でYES)と判断した場合、低ベース時のアウト球数rl=100でない(ステップS304でNO)と判断した場合、および、ステップS305の後、枠制御基板17は、高ベース時のアウト球数rh=ph+Σqhnを計算する(ステップS306)。さらに、枠制御基板17は、高ベース時セーフ球数sh=Σ(An×phn)を計算する(ステップS307)。
そして、枠制御基板17は、算出した高ベース時のアウト球数rh=100であるか否かを判断する(ステップS308)。高ベース時のアウト球数rh=100である(ステップS308でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、高ベース時ベース値bh=100×sh/rhを計算して、RAMに記憶させる(ステップS309)。
高ベース時のアウト球数rh=100でない(ステップS308でNO)と判断した場合、および、ステップS309の後、枠制御基板17は、発射球数r=100であるか否かを判断する(ステップS310)。発射球数r=100である(ステップS310でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、ベース値b=100×(sl+sh)/rを計算して、RAMに記憶させる(ステップS311)。
枠制御基板17は、ベース値bなどを計算した後、さらに遊技盤面判定関連処理を実行する(ステップS312)。なお、枠制御基板17は、遊技盤面判定関連処理を行わずに、計算したベース値bなどを性能表示モニタ40に表示するだけでもよい。
次に、主制御基板16から遊技盤26の機種に応じた設計値を取得する、または枠制御基板17に記憶してある設定値から、遊技盤26の機種に応じた設計値を選択して、枠制御基板17は、遊技盤面判定関連処理を行う。ここで、設定値には、低ベース時ベース下限値Bll、低ベース時ベース上限値Blu、高ベース時ベース下限値Bhl、高ベース時ベース上限値Bhuなどの値が含まれる。
図49は、遊技盤面判定関連処理を説明するためのフローチャートである。図49を参照して、枠制御基板17は、判定値算出対象外期間であるか否かを判断する(ステップS381)。判定値算出対象外期間とは、ベース、役物比率および連続役物比率などの判定値の算出の対象から除外する期間のことであり、たとえば、ガラス扉6や遊技機枠5が開放中である期間、遊技球の非発射期間(たとえば、最後に遊技球を発射してから15秒経過後の期間)、および、遊技場の閉店中の期間などの、店員等による不正が可能な期間である。判定値算出対象外期間である(ステップS381でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、この遊技盤面判定関連処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
判定値算出対象外期間でない(ステップS381でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、役物無しの入賞口(ここでは、第1入賞口〜第4入賞口,第6入賞口)の賞球数sn=Σ(An×qn)を計算し(ステップS388)、役物有りの入賞口(ここでは、第5入賞口)の賞球数ss=As×qsを計算し(ステップS389)、大入賞口271の賞球数sb=Ab×qbを計算する(ステップS390)。
次に、枠制御基板17は、役物比率u=100×(ss+sb)/(sn+ss+sb)を計算して、RAMに記憶させ(ステップS391)、連続役物比率v=100×sb/(sn+ss+sb)を計算して、RAMに記憶させる(ステップS392)。
次に、発射球数r=60000であるか否かを判断する(ステップS393)。本実施の形態のP台2は、1分で100球の遊技球を遊技領域27に発射することが可能である。このため、60000球は、10時間で発射可能な球数である。発射球数r=60000である(ステップS393でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、遊技球数表示器29の7セグメント式のLEDディスプレイに、ステップS164で計算した大入賞口271の賞球数などの情報を点灯して表示する(ステップS394)。
発射球数r=60000でない(ステップS167でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、遊技球数表示器29の7セグメント式のLEDディスプレイに、ステップS390で計算した大入賞口271の賞球数などの情報を点滅して表示する(ステップS395)。
ステップS394の後、および、ステップS395の後、枠制御基板17は、この遊技盤面判定関連処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
図50は、ベース値の算出および表示の状況を説明するための図である。図50を参照して、入賞口種別と入賞口番号と賞球球数と入賞個数とを特定可能な遊技情報が、主制御基板16から受信されると、図47のステップS302からステップS311で示したように演算を行い、加算エリアに記憶されている低ベース時セーフ球数sl,高ベース時セーフ球数sh,発射球数r=(rl+rh)に加算する。
発射球数rが6000球に達するごとに、加算エリアに記憶されている低ベース時セーフ球数sl,高ベース時セーフ球数sh,発射球数r=(rl+rh)が保持エリアに移動される。この移動前に、最も古い保持エリア10の低ベース時セーフ球数sl10,高ベース時セーフ球数sh10,発射球数r10=(rl10+rh10)が消去され、保持エリア1から保持エリア9の低ベース時セーフ球数sl1,高ベース時セーフ球数sh1,発射球数r1=(rl1+rh1)が、それぞれ、保持エリア2から保持エリア10にシフト記憶される。
そして、表示処理が行なわれると、ベース値が計算され、7セグメント式の性能表示モニタ40に表示される。
なお、性能表示モニタ40には、ベース値が表示されないときは、特に何も表示されないようにしてもよいし、役物比率や連続役物比率、発射球数rを表示させるようにしてもよい。
<性能項目>
次に、P台2で集計している性能項目について説明する。図51は、集計している性能項目の一覧表である。なお、表中の「作動口」とは、役物が作動する始動口のことであり、たとえば2種タイプのおとしなどである。図51に示すように、総発射遊技球数、総獲得遊技球数などの性能項目は、主制御基板16から図43に示す遊技機情報通知のコマンドで枠制御基板17に送信された情報に基づいて、枠制御基板17で集計されている。また、普通電動役物による獲得遊技球数や役物比率などの性能項目は、主制御基板16で収集された情報に基づき、枠制御基板17で集計している。なお、主制御基板16で収集された情報は、図43に示す遊技機情報通知のコマンドで枠制御基板17に送信される。
ここで、役物比率(役比ともいう)とは、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球のうち役物の作動によるものの割合をいう。遊技機の認定および型式の認定等に関する規則において、役物比率は70%以下でなければならないことが定められている。本実施の形態においては、役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60,000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである電動チューリップで構成される始動入賞口276、および、役物の1つである可変入賞球装置で構成される大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。
連続役物比率(連比ともいう)とは、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるものの割合をいう。遊技機の認定および型式の認定等に関する規則において、連続役物比率は60%以下でなければならないことが定められている。本実施の形態においては、連続役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60,000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである可変入賞球装置が設けられた大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。
性能項目の集計は、図47〜図49で示す計算上必要な情報と計算方法に基づいて行われる。たとえば、総発射遊技球数は、発射球数を累積することで集計することができる。また、役物比率は、賞球数、役物動作賞球数を用いてそれぞれの累積値を求め、役物動作賞球数の累積値を賞球数の累積値で割った値を100倍することで集計することができる。
性能項目の出力は、CU3へ出力したり、枠制御基板17の性能表示モニタ40や遊技球数表示器29などで表示したり、CU3の表示器312で表示したりすることが可能である。たとえば、総発射遊技球数、総獲得遊技球数などの性能項目は、CU3へ出力し、枠制御基板17の表示器で表示し、CU3の表示器312でも表示する。普通電動役物による獲得遊技球数や役物比率などの性能項目は、CU3へ出力せず、枠制御基板17の表示器に表示せず、CU3の表示器312にも表示しない。なお、枠制御基板17やCU3の表示器での表示方法は、(1)発射開始時より情報を累積する、(2)総発射遊技球数が60,000発未満までは点滅表示、(3)総発射遊技球数が60,000発以上になると点灯表示に切替え、以降は情報を累積して表示する。枠制御基板17やCU3の表示器での表示切替方法は、(1)遊技球クリアスイッチ押下で表示項目選択(たとえば、表示番号で選択)、(2)球抜きスイッチで表示項目を確定して表示する。
<検査信号出力構成>
次に、遊技機の検査信号を出力する構成について説明する。図52は、枠制御基板の構成を説明するためのブロック図である。図53は、検査信号を説明するための概略図である。P台2は、試験装置900と接続して所定の検査を行い、当該試験装置900に対して検査信号を出力することができるように枠制御基板17に検査用信号出力部80を設けることができる。検査用信号出力部80は、量産される全てのP台2に設けられている訳でなく、検査対象のP台2にのみ設けられている。しかし、枠制御基板17は、量産されるP台2と検査対象のP台2とで共通して使用することができるように、検査用信号出力部80を搭載可能な基板として製造される。そのため、量産されるP台2の枠制御基板17には、検査用信号出力部80を搭載するための回路パターンおよび搭載スペースのみが形成され、検査用信号出力部80自体は搭載されない。つまり、検査対象のP台2に用いる枠制御基板17と、量産されるP台2に用いる枠制御基板17とで部品の共通化を図っている。
図52に示す枠制御基板17は、検査対象のP台2に用いるもので、検査用信号出力部80が設けられている。検査用信号出力部80には、枠制御基板17内の反転バッファで反転させた減算機構入口センサ32bからの信号(減算機構入口センサ信号)を再度反転させる反転バッファ81が設けられている。反転バッファ81は、枠制御基板17内の反転バッファで反転させた発射制御基板31の発振回路から出力された減算基準信号を再度反転させる。
検査用信号出力部80には、試験装置900と通信するためのI/F基板901と接続するための検査用出力コネクタ82を備えている。検査用出力コネクタ82は、枠制御部171からデータバスを介して出力される信号(例えば、賞球信号や枠エラー信号など)、減算機構入口センサ信号、および減算基準信号に基づく信号をI/F基板901を介して、試験装置900に出力している。具体的に、検査用出力コネクタ82は、減算機構入口センサ32bからの減算機構入口センサ信号と、遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号とを遊技球の発射動作を特定可能な信号としてI/F基板901に出力し、I/F基板901にて後述する発射球信号を生成して試験装置900に出力する。もちろん、発射球信号は、I/F基板901で生成するのではなく枠制御部171で生成してもよい。
試験装置900に対して出力する信号として、例えば、図53に示した信号がある。具体的に、当該信号には、減算ソレノイド32aが1動作したことを1パルスとして出力する減算ソレノイド駆動信号、減算機構入口センサ32bで遊技球1個検出したことを1パルスとして出力する減算機構入口センサ信号、および減算機構32が1動作したことを1パルスとして出力する減算基準信号が含まれる。また、当該信号には、主制御基板16からのコマンドに基づく遊技点を1点加算したことに対応して1パルスとして出力する賞球信号、図36に示すF06,F16,F21,24,25の異常検知中にH(Hight)レベルで継続出力される枠エラー信号、および減算ソレノイド駆動信号と減算基準信号との両方が出力されたことに対応して1パルスとして出力する発射球信号が含まれる。
<実施形態の構成>
(1) 遊技球が封入された封入式遊技機と、当該遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値を用いて遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(ユニット)とを備える遊技用システムが特許文献1(特開2013−042799号公報)に開示されている。特許文献1に開示された遊技用システムでは、遊技機で遊技をするための遊技球数などの情報を、遊技機と遊技用装置(ユニット)との間で、双方向で通信することで伝送している。しかし、特許文献1の遊技用システムでは、遊技機と遊技用装置(ユニット)との間でやり取りされる情報の伝送に改善する余地があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機と遊技用装置との間の情報伝送の最適化を図ることができる遊技機および遊技用装置を提供することである。
(1−1) 対応する遊技用装置(例えば、CU3)と通信可能な遊技機(例えば、P台2)であって、
前記遊技用装置から送信される情報であって遊技価値に関する特定情報(例えば、貸出情報)を受信可能な受信手段(例えば、CU3とP台2との通信を行う枠制御基板17)と、
遊技の進行状況を示す遊技情報(例えば、遊技機情報)を前記遊技用装置へ送信可能な送信手段(例えば、CU3とP台2との通信を行う枠制御基板17)と、
を備え、
前記送信手段は、特定期間(例えば、規定期間A)毎に前記遊技情報を送信し、前記受信手段が前記特定情報を受信してから前記特定期間よりも短い特別期間(例えば、応答時間)に対応するタイミングで、前記特定情報の応答情報(例えば、貸出応答情報)を前記遊技用装置へ送信する。
このような構成によれば、情報伝送の最適化を図ることができ、遊技情報と応答情報との送信タイミングを分けているため、送信する情報の輻輳を回避することができる。
(1−2) 対応する遊技機(例えば、P台2)と通信可能な遊技用装置(例えば、CU3)であって、
遊技価値に関する特定情報(例えば、貸出情報)について前記遊技機へ送信可能な送信手段(例えば、通信制御IC325)と、
前記遊技機から送信される情報であって遊技の進行状況を示す遊技情報(例えば、遊技機情報)を受信可能な受信手段(例えば、通信制御IC325)と、
を備え、
前記受信手段は、特定期間(例えば、規定期間A)毎に前記遊技情報を受信可能であり、前記送信手段が前記特定情報を送信してから前記特定期間よりも短い特別期間(例えば、応答時間)に対応するタイミングで、前記特定情報の応答情報(例えば、貸出応答情報)を前記遊技機から受信可能である。
このような構成によれば、情報伝送の最適化を図ることができ、遊技情報と応答情報との送信タイミングを分けているため、送信する情報の輻輳を回避することができる。
(1−3) 上記(1−1)の遊技機において、
前記特定情報には、遊技価値の大きさに関する情報(例えば、貸出球数)が含まれ、所定条件が成立した場合と成立しない場合とで遊技価値の大きさに関する情報が異なる(例えば、球貸ボタン321が押下された場合、125球の情報が貸出球数の情報に含まれ、球貸ボタン321が押下されていない場合、0球の情報が貸出球数の情報に含まれる。)。
このような構成によれば、所定条件の正否に応じて遊技価値の大きさに関する情報が異なり、定期的に特定情報が送信されるため、遊技用装置と遊技機との間の接続確認に当該特定情報を用いることができる。
(1−4) 上記(1−1)または(1−3)の遊技機において、
遊技媒体を発射する発射手段(例えば、発射機構30)と、
前記発射手段の駆動を制御する発射制御手段(例えば、発射制御基板31)と
をさらに備え、
前記発射制御手段は、
前記遊技機と前記遊技用装置との間の接続端子において特定電圧(例えば、接続確認用の電源VL)が検知されない(例えば、VL=OFF)、又は
前記受信手段での前記特定情報の受信状況(例えば、前回受信した貸出情報から、1200ms経過後も次の貸出情報を受信できない場合など)に基づいて、前記発射手段による発射を停止させる。
このような構成によれば、遊技用装置との接続に不備が生じている状態において容易に発射を停止できる。
(2) 遊技機として、遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出される遊技機がある。遊技球を発射する発射装置は、発射制御基板に設けられている発射制御回路の制御に応じて、打球供給皿からの遊技球を遊技領域に発射する。このような遊技機では、各入賞領域に対する入賞率や賞球獲得率等が設計値通りになっているかどうか確認するために試射試験を行う必要がある(例えば、特許文献1(特開2005−253698号公報))。しかし、特許文献1の遊技機は、打球供給皿からの遊技球を発射装置で発射しているが、遊技球が封入された封入式遊技機では、管理している遊技点に対応して遊技球(遊技媒体)を発射し、その発射動作に対応して、電磁的に管理している遊技点を減算する必要がある。また、封入式遊技機では、発射動作に対応して遊技点を減算したことを外部に出力する必要があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技媒体の発射に対応して適切な遊技点の減算を行い、遊技媒体の発射に対応した情報を外部に出力することができる遊技機および遊技枠を提供することである。
(2−1) 遊技価値としての遊技点(例えば、遊技球数)に関する情報を管理し、遊技点により遊技が可能な遊技機(例えば、P台2)であって、
遊技点に対応して遊技媒体を発射する発射手段(例えば、発射機構30)と、
前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応して、前記発射手段への遊技媒体の搬送動作を行う搬送手段(例えば、減算ソレノイド32a、可動片45など)と、
前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応して、前記遊技機が管理する遊技点の減算処理を行う減算手段(例えば、減算機構入口センサ32b、減算機構出口センサ32cなど)と、
遊技媒体の発射動作を特定可能な信号(例えば、減算ソレノイド駆動信号、減算基準信号など)を外部へ出力可能な出力手段(例えば、検査用信号出力部80など)とを備える。
このような構成によれば、遊技媒体の発射に対応して適切な遊技点の減算を行うことができるとともに、遊技媒体の発射に対応した情報を外部に出力することができる。
(2−2) 遊技価値としての遊技点(例えば、遊技球数)に関する情報を管理し、遊技点により遊技が可能な遊技機(例えば、P台2)の遊技枠(例えば、遊技機枠5)であって、
遊技点に対応して遊技媒体を発射する発射手段(例えば、発射機構30)と、
前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応して、前記発射手段への遊技媒体の搬送動作を行う搬送手段(例えば、減算ソレノイド32a、可動片45など)と、
前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応して、前記遊技機が管理する遊技点の減算処理を行う減算手段(例えば、減算機構入口センサ32b、減算機構出口センサ32cなど)と、
遊技媒体の発射動作を特定可能な信号(例えば、減算ソレノイド駆動信号、減算基準信号など)を外部へ出力可能な出力手段(例えば、検査用信号出力部80など)とを備える。
このような構成によれば、遊技媒体の発射に対応して適切な遊技点の減算を行うことができるとともに、遊技媒体の発射に対応した情報を外部に出力することができる。
(2−3) 上記(2−1)の遊技機において、
前記出力手段は、前記搬送手段に遊技媒体が進入したことに対応した特別信号(例えば、減算機構入口センサ信号)と、前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応した特定信号(例えば、発射球信号)とを、遊技媒体の発射動作を特定可能な信号として外部へ出力可能である。
このような構成によれば、発射手段の発射動作と搬送手段の動作との両方に対応して、より正確な遊技媒体の発射を外部に通知できる。
(2−4) 上記(2−1)または(2−3)の遊技機において、
前記出力手段は、所定のエラーに関するエラー信号(例えば、枠エラー信号)と、遊技制御手段からの情報に基づく賞球信号(例えば、賞球信号)とを外部に出力可能である。
このような構成によれば、遊技機のエラー状況と賞球状況とを外部に通知できる。
(2−5) 上記(2−1)、(2−3)、(2−4)の遊技機において、
前記遊技機の遊技枠に設けられる枠制御部を搭載する基板(例えば、枠制御基板17)には、試験信号出端子(例えば、検査用出力コネクタ82)を搭載するための搭載領域(例えば、検査用信号出力部80を設ける領域)が予め設けられている。
このような構成によれば、試験用の基板と量産用の基板とで部品の共通化を図ることができる。
(3) 遊技球が封入された封入式遊技機では、特許文献1(特開2013−248251号公報)に開示されているように遊技用装置との間で情報を双方向で通信を行っている。そのため、遊技機では、計数操作が行われた場合、遊技用装置からの状態情報要求に対する応答として、状態情報応答を遊技用装置に送信する際に計数球数の情報を含めて送信することで遊技球(遊技点)を持ち球(持点)に変換する処理を行っている。しかし、通信異常が発生するなどして、当該状態情報応答を送信後に遊技用装置から状態情報要求を正常に受信できなければ、遊技機は遊技球数の減算を行うことができない。特許文献1の遊技機は、遊技用装置と双方向で情報を通信することが前提であるため、通信異常の発生中に計数操作を受付けた場合、遊技機側で遊技球数を誤って減算することがないように処理することが可能であった。しかし、遊技用装置に対して一方向で情報を通信する遊技機では、同じような処理を行うことができず、遊技球数を誤って減算され遊技球数を含む遊技価値を適切に管理することができない問題があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技用装置との間で通信異常が発生した場合であっても、遊技価値を適切に管理することができる遊技機を提供することである。
(3−1) 対応する遊技用装置(例えば、CU3)と通信可能であり、遊技価値(例えば、遊技球数)に関する情報を管理可能な遊技機(例えば、P台2)であって、
遊技価値に関する情報を記憶可能な記憶手段(例えば、遊技球数カウンタなど)と、
遊技者による所定操作を受付可能な受付手段(例えば、計数ボタン28)と、
前記所定操作が受付けられたことに基づいて、遊技価値の大きさを特定することが可能な所定情報(例えば、計数情報)を前記遊技用装置に送信可能な送信手段(例えば、枠制御基板17)と、
前記所定情報の送信の際に、該所定情報により特定される遊技価値の大きさに対応して、前記記憶手段に記憶されている遊技価値を更新する更新手段(例えば、計数した球数を減算して遊技球数の情報に更新する枠制御基板17)とを備え、
前記遊技用装置との間の通信異常に関する所定条件(例えば、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0V(オフ状態:VL=OFF)の変化した場合)が成立したことに基づいて、前記所定操作の受付が無効化される(例えば、計数ボタン28の操作を無効化する)。
このような構成によれば、通信異常を考慮して遊技価値の管理を適切に行うことができる。
(3−2) 上記(3−1)の遊技機において、
前記送信手段は、前記所定条件が成立したか否かに関わらず、前記所定情報を所定の間隔で前記遊技用装置に送信し(例えば、計数情報は、CU3での受信状況に関わらず、規定期間BごとCU3に送信される。)、
前記受付手段で前記所定操作を受付けたか否かで、前記所定情報により特定される遊技価値の大きさに関する情報が異なる(例えば、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、計数球数に例えば250球の情報が含まれ、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、計数球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。)。
このような構成によれば、遊技用装置との間で通信異常に関する所定条件が成立したか否かに関わらず所定情報の送信処理が継続され、所定情報の送信処理の禁則処理が不要となるとともに、所定操作が無効となる点で通信異常を考慮して遊技価値の管理を適切に行うことができる。
(3−3) 上記(3−1)または(3−2)の遊技機において、
前記遊技用装置から送信される情報であって遊技価値に関する特定情報(例えば、貸出情報)を受信可能な受信手段(例えば、枠制御基板17)をさらに備え、
前記受信手段に対して、前記遊技用装置から前記所定情報に対応した応答情報の送信が行わず(例えば、計数情報、および遊技機情報は、枠制御基板17からCU制御部323への一方向の通信である)、前記遊技用装置が前記所定情報を受信したか否かを前記遊技機側で認識しない。
このような構成によれば、所定情報を一方向に出力する構成であり、所定情報が遊技用装置で受信不能な状況下でも遊技価値の変動が生じることを防止でき、遊技者の不利益を防止できる。
(3−4) 上記(3−1)〜(3−3)の遊技機において、
前記遊技用装置との接続を検知中(例えば、VL=ON)に接続確認用の特殊信号(例えば、PSI信号)を前記遊技用装置に出力する特殊信号出力手段(例えば、PIF配線の配線番号4)をさらに備え、
前記特殊信号出力手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて、前記遊技用装置への前記特殊信号の出力を停止する(例えば、PSI=OFF)。
このような構成によれば、遊技用装置に対して遊技機側の断線検知状況を適切に通知することができる。
(3−5) 上記(3−1)〜(3−4)の遊技機において、
遊技媒体を発射する発射手段(例えば、発射機構30)と、
前記発射手段の動作を制御する発射制御手段(例えば、発射制御基板31)とをさらに備え、
前記受付手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて、前記受付手段の受付を無効化し(例えば、計数ボタン28の操作を無効化する)、
前記発射制御手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて、前記発射手段での発射を停止する(例えば、発射制御基板31に対して遊技球の発射を停止する信号を出力する)。
このような構成によれば、遊技用装置が接続されていない状況下での遊技を停止することにより、通信異常を考慮して遊技価値の管理を適切に行うことができる。
(3−6) 上記(3−1)〜(3−5)の遊技機において、
前記所定情報は、前記所定操作に対応した遊技価値の大きさを特定することが可能な第1情報(例えば、計数球数の情報)と、前記第1情報の遊技価値の大きさを累積的に特定可能な第2情報(例えば、計数累積球数の情報)とを含む。
このような構成によれば、遊技機における遊技価値の管理についての処理負担を軽減できるとともに、一方向通信において、所定情報のリカバリ処理を行うための適切な情報を送信することができる。
(4) 遊技球が封入された封入式遊技機では、特許文献1(特開2015−134101号公報)に開示されているように遊技用装置との間で情報を双方向で通信を行っている。そのため、遊技機では、計数操作が行われた場合、遊技用装置からの状態情報要求に対する応答として、状態情報応答を遊技用装置に送信する際に計数球数の情報を含めて送信することで遊技球(遊技点)を持ち球(持点)に変換する処理を行っている。そして、通信異常が発生するなどして計数操作のリカバリ処理を行う場合、計数操作が行われる毎に遊技機側で記憶してある計数履歴を利用してリカバリ処理を行っている。特許文献1の遊技機は、遊技用装置と双方向で情報を通信することが前提であるため、計数操作のリカバリ処理を行う場合、遊技用装置側が遊技機側で記憶している計数履歴の送信を要求することが可能である。しかし、計数操作が行われる毎に遊技機側で記憶してある計数履歴を更新する処理が必要となるため、遊技機側での処理負担が増加する問題があった。また、遊技用装置に対して一方向で情報を通信することが前提の遊技機では、同じような処理を行うことができず、適切に遊技価値のリカバリ処理を行うことができない問題があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、処理負担を軽減するとともに、適切に遊技価値のリカバリ処理を行うことができる遊技機を提供することである。
(4−1) 対応する遊技用装置(例えば、CU3)と通信可能であり、遊技価値(例えば、遊技球数)に関する情報を管理可能な遊技機(例えば、P台2)であって、
遊技価値に関する情報を記憶可能な記憶手段(例えば、遊技球数カウンタなど)と、
遊技者による所定操作を受付可能な受付手段(例えば、計数ボタン28)と、
前記所定操作が受付けられたことに基づいて、遊技価値の大きさを特定することが可能な所定情報(例えば、計数情報)を前記遊技用装置に送信する送信手段(例えば、枠制御基板17)と、
前記所定情報の送信の際に、該所定情報により特定される遊技価値の大きさに対応して、前記記憶手段に記憶されている遊技価値を更新する更新手段(例えば、計数した球数を減算して遊技球数の情報に更新する枠制御基板17)とを備え、
前記所定情報は、前記所定操作に対応した遊技価値の大きさを特定することが可能な第1情報(例えば、計数球数の情報)と、前記第1情報の遊技価値の大きさを累積的に特定可能な第2情報(例えば、計数累積球数の情報)とを含む。
このような構成によれば、所定操作に関する履歴を記憶する処理負担を軽減するとともに、第1情報の遊技価値の大きさを累積的に特定可能な第2情報を遊技用装置に送信するので、適切に遊技価値のリカバリ処理を行うことができる。
(4−2) 上記(4−1)の遊技機において、
前記送信手段は、前記遊技用装置との間の通信異常に関する所定条件(例えば、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0V(オフ状態:VL=OFF)の変化した場合)が成立したか否かに関わらず、前記所定情報を所定の間隔で前記遊技用装置に送信し(例えば、計数情報は、CU3での受信状況に関わらず、規定期間BごとCU3に送信される。)、
前記受付手段で前記所定操作を受付けたか否かに応じて、前記所定情報により特定される遊技価値の大きさに関する情報が異なる(例えば、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、計数球数に例えば250球の情報が含まれ、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、計数球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。)。
このような構成によれば、遊技用装置との間で通信異常に関する所定条件が成立したか否かに関わらず所定情報の送信処理が継続され、所定情報の送信処理の禁則処理が不要となるとともに、所定操作が無効となる点で通信異常を考慮して遊技価値の管理を適切に行うことができる。
(4−3) 上記(4−1)または(4−2)の遊技機において、
前記遊技用装置から送信される情報であって遊技価値に関する特定情報(例えば、貸出情報)を受信可能な受信手段(例えば、枠制御基板17)をさらに備え、
前記受信手段に対して、前記遊技用装置から前記所定情報に対応した応答情報の送信が行わず(例えば、計数情報、および遊技機情報は、枠制御基板17からCU制御部323への一方向の通信である)、前記遊技用装置が前記所定情報を受信したか否かを前記遊技機側で認識しない。
このような構成によれば、所定情報を一方向に出力する構成であり、所定情報が遊技用装置で受信不能な状況下でも遊技価値の変動が生じることを防止でき、遊技者の不利益を防止できる。
(4−4) 上記(4−1)〜(4−3)の遊技機において、
前記遊技用装置との接続を検知中(例えば、VL=ON)に接続確認用の特殊信号(例えば、PSI信号)を前記遊技用装置に出力する特殊信号出力手段(例えば、PIF配線の配線番号4)をさらに備え、
前記特殊信号出力手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて、前記遊技用装置への前記特殊信号の出力を停止する(例えば、PSI=OFF)。
このような構成によれば、遊技用装置に対して遊技機側の断線検知状況を適切に通知することができる。
(4−5) 上記(4−1)〜(4−4)の遊技機において、
遊技媒体を発射する発射手段(例えば、発射機構30)と、
前記発射手段の動作を制御する発射制御手段(例えば、発射制御基板31)とをさらに備え、
前記受付手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて、前記受付手段の受付を無効化し(例えば、計数ボタン28の操作を無効化する)、
前記発射制御手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて、前記発射手段での発射を停止する(例えば、発射制御基板31に対して遊技球の発射を停止する信号を出力する)。
このような構成によれば、遊技用装置が接続されていない状況下での遊技を停止することにより、通信異常を考慮して遊技価値の管理を適切に行うことができる。
(4−6) 上記(4−1)〜(4−5)の遊技機において、
前記送信手段は、遊技の進行状況を示す遊技情報(例えば、遊技機情報)を送信してから所定期間に対応するタイミング(例えば、規定期間B)で前記所定情報を前記遊技用装置へ送信する。
このような構成によれば、情報伝送の最適化を図ることができ、遊技情報と所定情報との送信タイミングを分けているため、送信する情報の輻輳を回避することができる。
<変形例>
(1) 枠制御基板17に設けられた役物比率/連続役物比率を表示させるための操作スイッチが操作されることで、性能表示モニタ40に役物比率/連続役物比率が表示されるようにしてもよい。また、枠制御基板17に設けられた役物比率を表示させるための操作スイッチ(たとえば、エラー解除スイッチ、RAMクリアスイッチ)が操作されることで、役物比率が表示され、枠制御基板17に設けられた連続役物比率を表示させるための操作スイッチ(たとえば、球抜きスイッチ、遊技球クリアスイッチ)が操作されることで、連続役物比率が表示されるようにしてもよい。このときに、遊技機枠5が開放されていることが、表示の条件として加えられてもよい。
(2) 役物比率uおよび連続役物比率vを、性能表示モニタ40に表示されるようにしてもよい。また、遊技機の性能表示モニタ40以外の部分で表示されるようにしてもよく、たとえば、表示器312で表示されるようにしてもよいし、遊技球数表示器29で表示されるようにしてもよい。これらの性能表示モニタ40以外の部分で表示される場合であっても、所定操作に応じて表示させるようにしてもよい。また、性能表示モニタ40と異なる専用の表示器で表示されるようにしてもよい。たとえば、専用の表示器を、主制御基板16に設けるようにしてもよい。
(3) 役物比率uおよび連続役物比率vは、枠制御部171によって算出され、表示されるようにした。しかし、これに限定されず、遊技機の枠制御部171以外の制御部、たとえば、主制御基板16の主制御部161によって、役物比率uおよび連続役物比率vが算出されたり、表示されたりするようにしてもよい。
(4) 前述した始動入賞口276は、役物が閉じている状態において、遊技球が入賞不能なものであってもよい。始動入賞口276の役物が閉じている状態(役物非作動中の状態)においても開いている状態(役物作動中の状態)においても、遊技球が入賞可能であり、開いている状態の方が閉じている状態よりも入賞し易いものであってもよい。
(5) 前述した実施の形態および変形例においては、上述の所定情報は、遊技機または遊技用装置で特定され、送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報が、遊技場の内部のサーバ(ホールサーバ801、ホールコンピュータなど)または外部のサーバ(遊技機管理サーバ802、CU3で扱われるカードを管理するカード管理会社のカード管理サーバ)などの管理装置で特定されるようにしてもよい。
(6) 所定情報を受信した管理装置または遊技用装置においては、所定情報自体(たとえば、ベース、役物比率または連続役物比率の適否の判定結果)に基づいてベース、役物比率または連続役物比率の異常を監視し、異常と判断した場合に異常を報知するようにしてもよいし、所定情報(たとえば、低ベース時ベース、高ベース時ベース、連続役物比率、役物比率、アウト球数+セーフ球数、アウト球数+入賞口ごとのセーフ球数)から、ベース、役物比率または連続役物比率を計算し、その異常を監視し、異常と判断した場合に異常を報知するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、上述の所定情報は、枠制御基板17の枠制御部171によって特定されるようにした。しかし、これに限定されず、主制御基板16の主制御部161など、遊技機の他の制御部によって特定されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態または変形例において、遊技機または遊技用装置において所定情報を特定した場合、遊技機または遊技用装置において所定情報に基づいて異常を報知するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態において、上述の所定情報を遊技場の外部に送信するときに、通信が不能(オフライン状態)となっている場合は、遊技場側の遊技機、遊技用装置、管理装置に、所定情報を一時的に記憶しておき、通信が復旧した場合に、所定情報を外部の管理装置に送信するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、ベース、役物比率および連続役物比率が算出され所定契機ごとに、上述の所定情報が送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報は、定期的(たとえば、1時間ごと)に送信されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、ベース、役物比率および連続役物比率が異常であることは、枠制御基板17の7セグメント式のLEDディスプレイである性能表示モニタ40(図4,図42参照)の表示部に表示することで報知されるようにした。この報知が特定操作に応じて行なわれるようにしてもよい。また、ベース、役物比率または連続役物比率の値が枠制御基板17の表示部に表示されるようにしてもよい。また、枠制御基板17の表示部のような遊技者が通常見ることができない表示部とは異なる遊技者が見ることができる表示部、たとえば、表示器312に表示されるようにしてもよい。この場合、表示器312のタッチパネルでの特定操作に応じて表示されるようにしてもよい。また、特定操作が無くても常に表示されるようにしてもよい。また、ベース、役物比率および連続役物比率が異常であること、ならびに、ベース、役物比率および連続役物比率のうちの少なくともいずれか1つまたは複数の情報が表示されるようにしてもよい。また、これらの情報のいずれか1つまたは複数の情報を示唆する情報(たとえば、赤いアイコンを表示する、背景を赤くする)または関連する情報(たとえば、ベース、役物比率または連続役物比率の棒グラフや折線グラフなどのグラフ表示)が表示されるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態において、ベース、役物比率および連続役物比率が継続して異常と判定されている場合に、異常が解消したと判断したときに、その旨を示す情報を、遊技場の外部または内部の管理装置に送信するようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態において、試験装置900に出力される発射球信号のように遊技球の発射動作を特定可能な信号は、減算ソレノイド駆動信号と減算基準信号との両方が出力されたことに対応して1パルスとして出力すると説明した。しかし、これに限定されず、発射機構30の発射ソレノイド31aを駆動する信号を、遊技球の発射動作を特定可能な信号としてもよい。
(14) 前述した実施の形態において、試験装置900に対して検査信号を出力するための検査信号を出力すると説明した。しかし、これに限定されず、主制御基板16に試験装置900に対して検査信号を出力するための検査用信号出力部を搭載して、主制御基板16において試験装置900に対して必要な検査信号(例えば、入賞状況を示す信号(賞球信号など)や遊技状態を示す信号など)を出力する処理を実行してもよい。なお、主制御基板16に検査用信号出力部を搭載する場合も、検査対象のP台2の主制御基板16には検査用信号出力部が搭載されるが、量産されるP台2の主制御基板16には、検査用信号出力部を搭載するための回路パターンのみが形成され検査用信号出力部自体は搭載されない。
(15) 前述した実施の形態において、図23で示したようにCU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、計数スイッチ基板37のフォトカプラ37aに5Vの電圧が供給されないようにすることでハードウェア的に計数ボタン28の操作を無効化している。しかし、これに限定されず、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、ソフトウェア的に計数ボタン28の操作を無効化してもよい。例えば、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、枠制御部171が計数スイッチ信号を処理しないことでソフトウェア的に計数ボタン28の操作を無効化する。また、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、遊技者が計数ボタン28を操作しても計数通知の電文に含まれる計数球数を0(ゼロ)とすることで計数ボタン28の操作を無効化する。さらに、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、遊技者による計数ボタン28の操作を枠制御部171自体が受付けないようにソフトウェア的に計数ボタン28の操作を無効化したり、枠制御部171が通信異常を検知すると計数スイッチ基板37への電力供給を停止するように制御してソフトウェア的に計数ボタン28の操作を無効化したりしてもよい。
(16) 前述した実施の形態において、発射を停止する条件として、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことを条件とする場合について説明した。しかし、これに限定されず、特定情報(例えば、貸出情報)が通番情報を含み、受信手段で受信した特定情報に含まれる通番情報の状況(例えば、所定期間経過後も同じ通番)を発射を停止する条件としてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。