以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ遊技機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行う呼出しランプ装置などであってもよい。
P台2は、内部に遊技媒体の一例の遊技球(パチンコ玉)を封入しており(以下、封入玉ともいう)、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、左上側に設けた発射装置である発射機構30の発射ソレノイドを駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射ソレノイドが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて封入玉が遊技領域27内に発射される。
発射ソレノイドを駆動させて封入玉を1発ずつ遊技領域27に打込むと、それに伴い減算機構32で、P台2において遊技可能な遊技球数から1球ずつ減算する。遊技球の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域を遊技球が通過するように発射強度Tを調整することができる。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれた封入玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態(大当り遊技状態ともいう)となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777などの確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれた封入玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞した封入玉およびアウト口154に回収された封入玉は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置の封入玉が遊技領域27内に打込まれる。
また、P台2の打球操作ハンドル25の上方位置に遊技球数を表示するための遊技球数表示器が設けられている。遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、枠制御部171(図4参照)によって制御される。この遊技球数表示器29により、遊技球数や発生したエラーのエラー番号などが表示される。なお、遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2における遊技球数表示器29の左方位置には、遊技球から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される(たとえば0.3秒押下状態が継続する度に250球の計数処理が実行される)。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば250球)だけ遊技球から持玉への計数が行われるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技球のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行う場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合と比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けられている。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の遊技機枠(前枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、遊技機枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記憶情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数など)を“遊技球のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技球のデータによって特定される球数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技球のデータ”とは、発射可能な球の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技球のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技球”と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記憶されている情報が読取られる。
CU3の前面側には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記憶された会員カードID(単に、カードID、C−IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319とが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記憶媒体(カード)に記憶されているプリペイド残額を表示するものであるが、遊技球数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記憶されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技球に変換し、変換した遊技球に基づいてP台2による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記憶されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータなどに記憶されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技球に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技球となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技球となる。また、持玉数は、遊技者がP台2により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技球数をカードに記憶したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技球」とは、P台2で発射可能な球である。遊技球数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記憶させずホール用管理コンピュータなどの遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3に記憶され、その持玉の範囲で遊技球を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、球貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。球貸ボタン321は、挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技球への変換操作)を行うボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した持玉数(カード挿入時の持玉数−遊技球への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
次に、図2を参照して、P台2は、額縁状の外枠4に対して、遊技機枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
遊技機枠5における揺動中心とは反対側の端縁付近(遊端側)には、上下1対の係合突起6a、6bが設けられている。この係合突起6a、6bは、図示しないバネによって下方向に押圧されている。一方、係合突起6a、6bに対向する外枠4の位置に、係合受け片7a、7bが設けられている。開放状態の遊技機枠5を外枠4に押付けることにより係合突起6a、6bが係合受け片7a、7bを乗越え、乗越えた状態でバネの付勢力により係合突起6a、6bが下方に移動し、ロック状態となる。
そして、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して上下1対の係合突起6a、6bが上方に押上げられ、その結果係合受け片7a、7bに対する係合突起6a、6bの係合が解除されてロック解除状態となり、遊技機枠5が開放される。
さらに、遊技機枠5にはガラス扉6用の係合突起8も設けられており、その係合突起8に対向するガラス扉6部分には、係合穴9が設けられている。係合突起8は、図示しないバネによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉6を遊技機枠5に押付けることにより係合穴9の下縁部分によって係合突起8が押上げられて乗越えることにより、バネの付勢力により係合突起8が押下げられ、係合突起8と係合穴9とが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して係合突起8が引上げられ、係合突起8と係合穴9との係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉6が開放される。
遊技機枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に裏機構部開放スイッチ13が設けられており、遊技機枠5が開放されたことが検出される。また、遊技機枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分に前飾り開放スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこの前飾り開放スイッチ12により検出される。
前飾り開放スイッチ12および裏機構部開放スイッチ13の開放回数は、図示しない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などが搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間などの電源OFF時でもガラス扉6や遊技機枠5の開放検出回数を計数してその計数値を枠制御部171(図4参照)へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず遊技機枠5を開放して遊技機枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行うためには、遊技機枠5を開放する必要があるため裏機構部開放スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
さらに、遊技機枠5の裏面に、枠制御基板17が設けられている。枠制御基板17も、まず遊技機枠5を開放してから、遊技機枠5の裏面より取外す必要がある。よって、遊技機枠5の裏面より枠制御基板17を不正に取外す、または枠制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
次に、遊技盤26を遊技機枠5に設置する構成について説明する。図3は、遊技盤26が遊技機枠5に取付けられる前と取付けられた後の様子を示す図である。図3に示すように遊技機枠5の裏面には、取付機構34a、34bがそれぞれヒンジ35a、35bを中心に開閉自在に設けられている。取付機構34a、34bは、コの時型をしており、遊技盤26に対応した幅の底を持つ。遊技盤26を遊技機枠5に対して図3(b)の矢印方向に押し込むことで、図3(a)に示すように遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定される。遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定されるときに、遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ33Aが遊技機枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33Bと結合する。ここで、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33Bは、位置ずれに対してフレキシブル性を有するフローティングコネクタである。
また、遊技盤26を遊技機枠5に設置する際に、凸型ドロアコネクタ33Aが凹型ドロアコネクタ33Bと結合することで、遊技盤26側の主制御基板16と、遊技機枠5側の枠制御基板17とが接続されることになる。さらに、遊技盤26は決まった位置に固定されるとともに、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33Bはある程度の位置ずれに対してフレキシブル性を有しているので、凸型ドロアコネクタ33Aと凹型ドロアコネクタ33Bとの位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。なお、取付機構34a、34bを設けず、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33Bのみで、遊技盤26を遊技機枠5に設置する構成であっても、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33B自体がフレキシブル性を有するフローティングコネクタであるため、遊技盤26と遊技機枠5との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。ここで、凸型ドロアコネクタ33Aは、遊技盤26の内部配線(図示せず)を介して主制御基板16に接続され、凹型ドロアコネクタ33Bは、信号ケーブル36を介して、図2に示す枠制御基板17に接続されている。
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図4は、CU3およびP台2に用いられる制御回路を示すブロック図である。図4を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータなどから構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行うホールサーバと通信を行うための外部出力端子340が設けられている。CU3は、外部出力端子340を介して、CU3の状態や、P台2から受信した遊技機状態情報(性能表示モニタ40で表示する情報を含む)をホール用管理コンピュータ(ホールコン)やセキュリティ上の管理を行うホールサーバなどの外部に送信する。CU制御部323は、通信制御IC325を介してP台2の枠制御基板17と通信を行っている。通信制御IC325と枠制御基板17とは、例えば、非同期シリアル通信ポートで接続されている。CU制御部323と枠制御基板17との通信は、貸出に係る信号(挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作に関する信号)を双方向で行っている。それ以外の計数に係る信号(遊技球から持玉への計数処理に関する信号)、および遊技機情報に係る信号は、枠制御基板17からCU制御部323への一方向の通信である。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタなどで構成されている。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記憶情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記憶情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは持玉数などのデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3の前面に設けられる表示器312に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。表示器312には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が球貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、球貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行う主制御基板16と、遊技球を管理・記憶する枠制御基板17と、枠制御基板17の指令に基づいて発射ソレノイド31aを駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けられている。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163に接続されている。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に球が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行うとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
枠制御基板17は、遊技機枠5に設けられている。枠制御基板17には、枠制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。枠制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
また、枠制御基板17に対し、計数ボタン28、性能表示モニタ40、電波センサ173、減算ソレノイド32a、減算機構入口センサ32b、減算機構出口センサ32c、揚上機構出口センサ33、アウト球検出スイッチ701、前飾り開放スイッチ12、および裏機構部開放スイッチ13が電気的に接続された状態で設けられている。アウト球検出スイッチ701から枠制御基板17へアウト球検出信号が入力される。主制御基板16は、後述するようにアウト球検出信号に基づきベース値(単に、ベースともいう)などを算出する。電波センサ173は、電波を不正に発信して主に減算機構入口センサ32bを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が枠制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して枠制御部171へ入力される。減算機構入口センサ32bは、オフからオンに変化したことにより遊技球の発射を検出し、その検知に基づいて、枠制御部171が、遊技球数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの減算機構入口センサ32bが常時オフ状態になると、いくら玉を発射しても遊技球数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
枠制御基板17には、性能表示モニタ40が設けられる。性能表示モニタ40は、7セグメント式のLEDディスプレイである。性能表示モニタ40は、枠制御部171によってベース、役物比率、連続役物比率などの所定の情報を表示する。なお、性能表示モニタ40で表示する情報を、CU3を介してホールサーバなどに出力することができるが、P台2に外部出力端子を設け、直接ホールサーバなどに出力してもよい。
ここで、ベースは、P台2の遊技領域27に打ち込まれた遊技球の数に対する、遊技領域27に設けられた大入賞口271、普通入賞口272〜274、および、始動入賞口275〜277などの入賞口への遊技球の入賞に応じて付与された遊技価値に対応する遊技球の数の割合である。また、役物比率(役比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球のうち役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100玉発射可能であるので、60000玉)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである電動チューリップで構成される始動入賞口276、および、役物の1つである可変入賞球装置で構成される大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。さらに、連続役物比率(連比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、連続役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100玉発射可能であるので、60000玉)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである可変入賞球装置が設けられた大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。
主制御基板16から枠制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報の情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記憶されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技球が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。
入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞した遊技球の検出信号である。この検出信号を受けた枠制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技球数と加算玉数とに加算する制御を行う。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかに遊技球が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行っている最中にエラーが発生した場合にその旨を枠制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当りなどのように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
枠制御基板17から主制御基板16へ、遊技機設置情報受領結果、遊技機情報受領結果、および枠制御状態が送信される。遊技機設置情報受領結果および遊技機情報受領結果は、主制御基板16から遊技機設置情報および遊技機情報を受領したことを示すためのコマンドである。枠制御状態は、枠制御基板17の制御状態を通知するコマンドである。
CU3の通信制御IC325とP台2の枠制御基板17とが電気的に接続されており、通信制御IC325から枠制御基板17へ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、枠制御基板17から通信制御IC325へ、後述するように各種レスポンスが送信される。
遊技機枠5には、枠制御基板17の他、発射制御基板31、発射ソレノイド31a、遊技球数表示器29が設けられている。なお、遊技球数表示器29は遊技機枠5に直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、遊技機枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。枠制御基板17の枠制御部171は遊技球数表示器29に遊技者が現在所有している遊技球数を表示する。
枠制御基板17から発射制御基板31へ、発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射機構30の発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力する。これにより、遊技球が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射ソレノイド励磁出力を発し、発射ソレノイド31aを駆動させる。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<遊技球の循環経路>
ここでは、図1および図4を参照して、P台2における遊技球の循環経路を概説する。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aが駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個の遊技球が打球ハンマーにより弾発されてその遊技球が遊技領域27に打込まれる。
発射ソレノイド31aが作動して遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号が減算機構32に出力される。減算機構32では、出力された減算基準信号を基準に、減算ソレノイド32aが通電して可動片を動かすことで遊技球を発射機構30へ送り出し、遊技球が減算機構入口センサ32bを通過することで遊技球数を減算する。
遊技領域27に打込まれた玉のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト球検出スイッチ701によって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉およびファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には揚上機構出口センサ33が設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが揚上機構出口センサ33によって検出される。つまり、揚上機構出口センサ33は、弾発された遊技球のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射ソレノイド31aにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、揚上機構出口センサ33の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた玉の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘などの間に引っ掛かって落下していないような浮遊玉が存在していないかどうかを判断できる。
<CU3とP台2との通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行わない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
<CUとP台との間で送受信する信号>
次に図5を参照して、CU3とP台2との間で送受信される信号(電文)の概略を説明する。P台2の枠制御基板17よりCU3に対して、(a)貸出に係る信号、(b)計数に係る信号、および(c)遊技機情報に係る信号をそれぞれ分けた電文で、共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。CU3とP台2との間で送受信される(a)〜(c)の3種類の信号(電文)では、それぞれ電文のヘッダーが異なっており、当該ヘッダーにより電文の種別を区別することが可能となっている。なお、(b)計数に係る信号と(c)遊技機情報に係る信号とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。また、(a)貸出に係る信号と(b)計数に係る信号とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。
図5(a)には、貸出に係る信号が記載されている。貸出に係る信号では、P台2が貸出球数と通信管理をするための貸出通番をCU3から受信し、受信結果を応答するために、貸出球数受領結果と貸出通番をCU3へ送信する。貸出球数、貸出球数受領結果、および貸出通番は、いずれも遊技球の貸出しを目的とする信号である。また、1回の信号で送信される貸出球数は、例えば125球である。なお、貸出に係る信号は、貸出球数が0(ゼロ)球の場合に貸出球数の信号に0(ゼロ)の情報を入れて送信してもよい。
図5(b)には、計数に係る信号が記載されている。計数に係る信号では、P台2が計数球数と通信管理をするための計数通番をCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための信号をCU3から受信しない。計数球数および計数通番は、いずれも遊技球の計数を目的とする信号である。また、1回の信号で送信される計数球数は、例えば250球である。なお、計数に係る信号は、計数球数が0(ゼロ)球の場合に計数球数の信号に0(ゼロ)の情報を入れて送信してもよい。
図5(c)には、遊技機情報に係る信号が記載されている。遊技機情報に係る信号では、P台2が遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン情報、不正監視情報をCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための信号をCU3から受信しない。遊技機設置情報は、機歴管理を目的とする信号で、電源投入後に送信される信号である。遊技機設置情報には、主/枠制御CPUのメーカコード、型式コード、チップID番号などの情報を含む。遊技機性能情報は、性能情報の集計を目的とする信号で、分間獲得遊技球数(低ベース)、役物比率、連続役物比率などの情報を含み、ホールコン情報は、ホールコンの情報集計を目的とする信号で、大当り、確率変動、時間短縮、各入賞口の入賞球数などを含み、不正監視情報は、CU3による不正監視を目的とする信号で、遊技球数(現在の持ち玉数)、遊技球数通番などの情報を含む。
図6は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の通信シーケンスを示す図である。図7は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される信号のタイミングを示す図である。図6に示すシーケンスでは、図5に示した(a)貸出に係る信号のうちNo.3〜No.4の信号、(b)計数に係る信号、および(c)遊技機情報に係る信号が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されている。逆に、図5に示した(a)貸出に係る信号のうちNo.1〜No.2の信号が共通の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信されている。
P台2からCU3へ送信される信号のうち、(c)遊技機情報に係る信号は、図7で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、P台2からCU3への信号の送信から次の信号の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.3秒)に制御されている。P台2は、CU3での遊技機情報の受信状況に関わらず、規定期間Aごとに遊技機情報をCU3に送信することができる。そのため、P台2において、遊技機情報の再送処理が不要となり、過去の遊技機情報を記憶する必要がなくなり、処理負担を軽減できる。
このように、P台2からCU3へ300msの間隔で信号が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発の遊技球が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数の信号が送受信されることになる。
遊技機情報に係る信号は、計数に係る信号と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングに、計数に係る信号を送信しようとした場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で信号同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。そこで、P台2では、遊技機情報に係る信号をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、情報伝送の最適化を図るため、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、50ms)に対応するタイミングで、計数に係る信号についてCU3との間で通信を行っている。
図7では、遊技機情報に係る信号としてホールコン信号および不正監視信号をCU3に送信した後、次に遊技機情報に係る信号を送信するタイミング(規定期間A経過後)の前に、直前に遊技機情報を送信してから規定期間B以内のタイミングで計数に係る信号として計数球数および計数通番をCU3に送信している。なお、遊技者による計数ボタン28の操作は、遊技機情報に係る信号を送信する前に行われているときには、計数に係る信号の送信は、操作後の遊技機情報に係る信号を送信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間B以内に行われる。
計数に係る信号の送信は、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、遊技機情報に係る信号との輻輳が生じないタイミングであればよく、規定期間B経過後から次の遊技機情報に係る信号が送信されるタイミングまでの間でもよい。
貸出に係る信号は、遊技者が球貸ボタン321又は再プレイボタン319を操作することで、CU3からP台2に対して貸出球数および貸出通番の信号が送信される。当該貸出に係る信号も、遊技機情報に係る信号と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングに、CU3から貸出に係る信号が送信されて来る場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で信号同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。
そこで、CU3は、P台2が遊技機情報に係る信号をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、計数に係る信号を受信していないことを条件に、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間Aおよび規定期間Bと異なる規定期間C(例えば、100ms)に対応するタイミングで、貸出に係る信号についてP台2との間で通信を行っている。つまり、P台2では、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間C経過後のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信している。P台2は、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信すると、貸出球数受領結果および貸出通番の信号をCU3に送信する。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が、遊技機情報に係る信号を送信する前に行われているときには、貸出球数および貸出通番の信号の送信は、操作後、P台2からの遊技機情報に係る信号を受信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間C経過後に行われる。
貸出に係る信号の送信は、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングから規定期間C経過後に行われる場合に限られず、遊技機情報に係る信号との輻輳が生じないタイミングであればよく、遊技機情報に係る信号を受信してから規定期間B経過後で規定期間C以内のタイミングまでの間でもよい。なお、規定期間A〜Cについては、各種情報の通信タイミングがずれるように異なる値を適宜設定することができる。
<カードユニット側とパチンコ遊技機側との送受信態様>
次に、図8は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図8を参照して、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技球数の変動を算出して現在の最新の遊技球数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行っているが、その遊技球数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、プリペイド残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図8では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の枠制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2とCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の枠制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、枠制御基板17自体が記憶している枠チップID(枠制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと枠チップIDとを記憶する。この状態で、メインチップID、枠チップIDの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら2つの情報、すなわち、メインチップIDと枠チップIDとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。一方、P台2では、電源投入後に設置情報であるメインチップID、枠チップIDの情報などの情報をCU3に送信し、その後、CU3を含む外部へ所定期間ごとに遊技機情報を送信することが可能となる。P台2では、認証処理を経ることなく遊技機情報を出力可能となるため、処理負担を軽減できる。
CU3およびP台2の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CU3およびP台2の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「遊技球数通番」、「計数通番」および「貸出通番」の3種類がある。「通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通番」は、送信側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通番」をカウントアップしない。受信側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「遊技球数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球数を通知する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球の計数を要求する際に用いられる通番である。「貸出通番」はCU3がP台2に対して遊技球の貸出を要求する際に用いられる通番である。
P台2側からCU3側へは、最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報が送信される。この最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報は、P台2側の枠制御部171(図4参照)のRAMに記憶されている。具体的には、計数玉数カウンタの情報が含まれる。なお、遊技球数は、不正監視情報として遊技球数カウンタのカウント値をP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技球数カウンタに加えて、遊技球数も最新の遊技機性能情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめて遊技機情報に係る信号としてCU3側へ送信される。CU3では、P台2から送信されてくる最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握している。CU3では、例えば、ホールコン情報に含まれる「賞球玉数×入賞個数」に基づき遊技球数を加算し、「発射球数」に基づき遊技球数を減算する。さらに、計数球数カウンタは、計数球数をカウントするカウンタである。計数球は、「計数操作によって遊技球から持玉に変換された玉数」である。ここで、「賞球玉」は、入賞口へ玉が入賞することにより払出される玉であり、セーフ玉である。「発射玉」は、遊技機が発射した玉であり、バック玉がある場合はバック玉を減算した玉数が発射球数となる。
枠制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技球数を計数球数としてカウントし、その計数数数カウンタの値(計数球数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、当該カウント値を前回遊技機情報記憶領域(枠制御部171のRAMなど)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技球数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技機情報(直前に送信した遊技機情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した計数球数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ計数球数のデータが送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技機情報に、直前に送信した遊技球数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、枠制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、および計数玉の発生(遊技球から持玉への変換)に応じて、遊技球数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技球数カウンタの値を遊技球数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技球数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から貸出球数(カード持玉数から遊技球数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算し、遊技球数から減算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新の遊技機情報によって遊技球数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技球数を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技球数カウンタのカウント値(遊技球数または遊技球トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技球数を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台2側から送信されてきた最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握するとともに、計数球数カウンタの値および貸出球数の値に基づいて、記憶している遊技球数を更新するとともに、P台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値と、更新後の遊技球数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行う。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行われ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバによるエラー報知が行われるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行われる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技球数をP台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技球数と、P台2側で記憶している遊技球数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技球数を記憶させているが、その遊技球数がP台2側で管理記憶している遊技球数と整合するか否かの判定を行えるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技球数がCU3側で記憶している遊技球数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバまたはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で記憶している遊技球数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行うものとしてもよい。
また、CU3は、計数に係る信号を受信できなかった場合、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で管理記憶している遊技球数とが一致しなくなるので、特別処理を実行する。当該特別処理として、遊技機情報に基づく遊技球数の補填を行うため遊技機情報の履歴情報を表示させる処理を行ったり、当該履歴情報に基づき遊技球数の補填を行ったり、エラー報知を行ったりする。
さらに、図8に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのプリペイド残額を記憶する記憶領域と、およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域とをさらに有する。CU制御部323(図4参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図4参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力)に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図4参照)は、プリペイド残額の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてプリペイド残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の所有価値(たとえば持玉数、貯玉数、あるいはプリペイド残額)から所定の大きさの価値を貸出して遊技に使用する操作を遊技者が行った場合に、その引落とし分の玉数を遊技球数カウンタに加算するための貸出球数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技球数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の所有価値を引落としてドリンクなどに交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダなどを受付けることが可能である。ただし、遊技球でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式パチンコ遊技機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行う操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技球数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<CUとP台との通信の変形例1>
図6および図7では、共通の非同期シリアル通信ポートで、貸出に係る信号、計数に係る信号、および遊技機情報に係る信号の通信を行う例を説明した。変形例1として、共通の非同期シリアル通信ポートで計数に係る信号および遊技機情報に係る信号の通信を行い、別の非同期シリアル通信ポートで貸出に係る信号の通信を行う例を説明する。図9は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の変形例1の通信シーケンスを示す図である。図10は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される信号の変形例1のタイミングを示す図である。図9に示すシーケンスでは、図5に示した(b)計数に係る信号、および(c)遊技機情報に係る信号が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されている。図5に示した(a)貸出に係る信号のうちNo.1〜No.2の信号が別の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信され、(a)貸出に係る信号のうちNo.3〜No.4の信号が別の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されている。
P台2からCU3へ送信される信号のうち、(c)遊技機情報に係る信号は、図10で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、P台2からCU3への信号の送信から次の信号の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.3秒)に制御されている。
遊技機情報に係る信号は、計数に係る信号と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングに、計数に係る信号を送信しようとした場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で信号同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。そこで、P台2では、遊技機情報に係る信号をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、50ms)に対応するタイミングで、計数に係る信号についてCU3との間で通信を行っている。
図10では、遊技機情報に係る信号としてホールコン信号および不正監視信号をCU3に送信した後、次に遊技機情報に係る信号を送信するタイミング(規定期間A経過後)の前に、直前に遊技機情報を送信してから規定期間B以内のタイミングで計数に係る信号として計数球数および計数通番をCU3に送信している。なお、遊技者による計数ボタン28の操作は、遊技機情報に係る信号を送信する前に行われているときには、計数に係る信号の送信は、操作後の遊技機情報に係る信号を送信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間B以内に行われる。ここで、遊技者による計数ボタン28の操作がなくても、CU3とP台2との間で計数に係る信号(例えば、計数球数が0(ゼロ)の情報を含む信号)が送受信されていてもよい。
計数に係る信号の送信は、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、遊技機情報に係る信号との輻輳が生じないタイミングであればよく、規定期間B経過後から次の遊技機情報に係る信号が送信されるタイミングまでの間でもよい。
貸出に係る信号は、遊技者が球貸ボタン321又は再プレイボタン319を操作することで、CU3からP台2に対して貸出球数および貸出通番の信号が送信される。当該貸出に係る信号は、遊技機情報に係る信号と別の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。
CU3は、P台2が遊技機情報に係る信号をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、計数に係る信号を受信していないことを条件に、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間Aおよび規定期間Bと異なる規定期間C(例えば、100ms)に対応するタイミングで、貸出に係る信号についてP台2との間で通信を行っている。つまり、P台2では、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間C経過後のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信している。P台2は、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信すると、貸出球数受領結果および貸出通番の信号をCU3に送信する。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が、遊技機情報に係る信号を送信する前に行われているときには、貸出球数および貸出通番の信号の送信は、操作後、P台2からの遊技機情報に係る信号を受信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間C経過後に行われる。
貸出に係る信号の送信は、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングから規定期間C経過後に行われる場合に限られず、遊技機情報に係る信号を受信してから規定期間B経過後で規定期間C以内のタイミングまでの間でもよい。なお、規定期間A〜Cについては、各種情報の通信タイミングがずれるように異なる値を適宜設定することができる。
<CUとP台との通信の変形例2>
図6および図7では、共通の非同期シリアル通信ポートで、貸出に係る信号、計数に係る信号、および遊技機情報に係る信号の通信を行う例を説明した。変形例2として、共通の非同期シリアル通信ポートで貸出に係る信号および計数に係る信号の通信を行い、別の非同期シリアル通信ポートで遊技機情報に係る信号の通信を行う例を説明する。図11は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の変形例2の通信シーケンスを示す図である。図12は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される信号の変形例2のタイミングを示す図である。図11に示すシーケンスでは、図5に示した(a)貸出に係る信号のうちNo.1〜No.2の信号が共通の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信され、図5に示した(a)貸出に係る信号のうちNo.3〜No.4の信号、および(b)計数に係る信号が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されている。図5に示した(c)遊技機情報に係る信号が別の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されている。
P台2からCU3へ送信される信号のうち、(c)遊技機情報に係る信号は、図12で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、P台2からCU3への信号の送信から次の信号の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.2秒)に制御されている。
貸出に係る信号および計数に係る信号が共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行い、遊技機情報に係る信号は、貸出に係る信号および計数に係る信号と別の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。P台2では、遊技機情報に係る信号をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、貸出に係る信号および計数に係る信号が共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、計数に係る信号は、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、50ms)に対応するタイミングで、CU3へ送信される。
図12では、遊技機情報に係る信号としてホールコン信号および不正監視信号をCU3に送信した後、次に遊技機情報に係る信号を送信するタイミング(規定期間A経過後)の前に、直前に遊技機情報を送信してから規定期間B以内のタイミングで計数に係る信号として計数球数および計数通番をCU3に送信している。なお、遊技者による計数ボタン28の操作は、遊技機情報に係る信号を送信する前に行われているときには、計数に係る信号の送信は、操作後の遊技機情報に係る信号を送信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間B以内に行われる。
計数に係る信号の送信は、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、規定期間B経過後から次の遊技機情報に係る信号が送信されるタイミングまでの間でもよい。
貸出に係る信号は、遊技者が球貸ボタン321又は再プレイボタン319を操作することで、CU3からP台2に対して貸出球数および貸出通番の信号が送信される。計数に係る信号を送信するタイミングに、貸出に係る信号の通信を行う場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で信号同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。
当該貸出に係る信号は、遊技機情報に係る信号と別の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。
そこで、CU3は、P台2が遊技機情報に係る信号をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、計数に係る信号を受信していないことを条件に、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間Aおよび規定期間Bと異なる規定期間C(例えば、100ms)に対応するタイミングで、貸出に係る信号についてP台2との間で通信を行っている。つまり、P台2では、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間C経過後のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信している。P台2は、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信すると、貸出球数受領結果および貸出通番の信号をCU3に送信する。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が、遊技機情報に係る信号を送信する前に行われているときには、貸出球数および貸出通番の信号の送信は、操作後、P台2からの遊技機情報に係る信号を受信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間C経過後に行われる。
貸出に係る信号の送信は、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングから規定期間C経過後に行われる場合に限られず、計数に係る信号との輻輳が生じないタイミングであればよく、遊技機情報に係る信号を受信してから規定期間B経過後で規定期間C以内のタイミングまでの間でもよい。なお、規定期間A〜Cについては、各種情報の通信タイミングがずれるように異なる値を適宜設定することができる。
<CUとP台との間で送受信される貸出に係る信号の変形例>
上記の構成では、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間C経過後のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信していると説明した。以下に、説明する変形例では、CU3は、計数に係る信号の受信完了から所定の期間以内に貸出に係る信号を送信する。図13は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される貸出に係る信号の変形例のタイミングを示す図である。
まず、図13に示す(i)において、枠制御基板17は、遊技が可能になると、300ms周期で遊技機情報に係る信号をCU3に送信する。(ii)において、枠制御基板17は、遊技者による計数ボタン28の操作の有無に関わらず、遊技機情報に係る信号の送信から100ms経過後に計数に係る信号を送信する。また、300ms周期内に計数ボタン28が押下された場合には、計数球数を250として計数に係る信号を送信する。なお、計数ボタン28の操作がない場合、計数球数に0(ゼロ)の情報を入れて計数に係る信号が送信される。
(iii)において、CU3は、計数に係る信号の受信完了から150ms以内(貸出に係る信号の送信有効時間)に貸出しに係る準備信号または貸出に係る信号を送信する。また、300ms周期内に球貸ボタン321又は再プレイボタン319が押下された場合には、貸出球数を125として貸出に係る信号を送信する。なお、球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作がない場合、貸出球数に0(ゼロ)の情報を入れて貸出に係る信号が送信される。
(iv)において、枠制御基板17は、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信すると、当該信号の受信から10ms以内に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出に係る信号をCU3に送信する。(v)以後、300msの周期で同じ動作を繰り返す。
図13に示すタイミングでは、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作がなくても、CU3とP台2との間で貸出に係る信号が送受信されている。しかし、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作がなければ、CU3とP台2との間で貸出に係る信号が送受信されることはないとしてもよい。図14は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される貸出に係る信号のタイミングを示す図である。
まず、図14に示す(i)において、枠制御基板17は、遊技が可能になると、300ms周期で遊技機情報に係る信号をCU3に送信する。(ii)において、枠制御基板17は、遊技者による計数ボタン28の操作の有無に関わらず、遊技機情報に係る信号の送信から100ms経過後に計数に係る信号を送信する。また、300ms周期内に計数ボタン28が押下された場合には、計数球数を250として計数に係る信号を送信する。なお、計数ボタン28の操作がない場合、計数球数に0(ゼロ)の情報を入れて計数に係る信号が送信される。(iii)以後、300msの周期で同じ動作を繰り返す。
(iv)において、CU3は、球貸ボタン321又は再プレイボタン319が押下された場合、計数に係る信号の受信完了から150ms以内に貸出球数を125として貸出に係る信号を送信する。つまり、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作は、計数に係る信号を送信する前に行われており、当該操作後、P台2からの計数に係る信号を受信するタイミングを待って、150ms以内(貸出に係る信号の送信有効時間)に貸出に係る信号を送信する。一方、CU3は、球貸ボタン321又は再プレイボタン319が押下されていない場合、計数に係る信号の受信を完了しても貸出に係る信号を送信しない。(v)において、枠制御基板17は、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信すると、当該信号の受信から10ms以内に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出に係る信号をCU3に送信する。
<発射機構>
次に、発射機構30について、より詳細に説明する。図15(a)は、発射機構30の正面図、図15(b)は、発射機構30の右側面図、図15(c)は、発射機構30の裏面図である。図16は、発射機構30の球通路に遊技球が充満した状態を説明するための概略図である。図17は、遊技媒体の発射および遊技球数の減算を説明するためのブロック図である。
図15を参照して、発射機構30は、発射ソレノイド31aと、杵42と、発射台43と、弁44とを主に有している。また発射機構30の近傍(背面側)には減算機構32を有している。減算機構32は、減算ソレノイド32aと、減算機構入口センサ32bと、減算機構出口センサ32cとを主に有している。
発射機構30は、主制御基板16による発射許可信号と、遊技者の直接操作に伴う打球操作ハンドル25の各状態により、発射ソレノイド31aへの通電が可能となった場合、遊技球pを遊技盤26に発射する。また、発射ソレノイド31aが作動すると、図17に示すように連動する減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される。減算基準信号は、減算機構32にある減算ソレノイド32aを通電する基準となる。
図17に示すように、CU3が遊技球等貸出装置接続端子板に接続され、かつ主制御基板16から発射許可信号が出力されると、発射ソレノイド31aへの通電が可能となる。図18は、発射機構での処理を説明するためのブロック図である。図18に示すように、枠制御基板17に設けられたAND回路172は、CU3の接続状態と、主制御基板16から発射許可信号とが入力されると、発射制御基板31に対して発射許可信号を出力する。なお、発射許可信号が出力されていない場合、打球操作ハンドル25の各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。なお、主制御基板16は、枠制御基板17から特定のエラー信号を受信した場合に、発射許可信号の出力を停止する。
ここで、打球操作ハンドル25の動作原理や各状態について説明する。打球操作ハンドル25には、図示していないが発射停止ボタン、発射停止スイッチ、ハンドルレバー、タッチセンサ、ハンドルボリューム、リングなどにより構成される。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aの作動及び停止、発射強度を変化させることができる。また、発射停止ボタンを操作すると遊技球を一発ずつ発射することができる。
遊技者が打球操作ハンドル25のリングに触れていると、リングに接続されているタッチセンサは、図18に示すように検知信号を発射制御基板31に出力する。発射制御基板31がこの信号を検知すると、発射許可信号が出力されていることを条件に発射ソレノイド31aへの通電が可能になる。なお、遊技者が打球操作ハンドル25のリングに直接触れていない場合、遊技者が打球操作ハンドル25の各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。なお、遊技者が発射停止ボタンを押すことをやめ、発射停止スイッチが開放状態となった場合は、発射ソレノイド31aへの通電が可能になる。
遊技者が打球操作ハンドル25のハンドルレバーを回すとハンドルボリュームの検出電圧が変化し、回した角度に応じて、発射ソレノイド31aへの通電電流の強弱を変化させることができる。図18では、動作条件判定部31bにおいて、発射許可信号、タッチセンサの検知信号、ハンドルボリュームからの回転検知信号などに基づいて動作許可信号がパルス・クロック生成部31cに出力されている。パルス・クロック生成部31cは、動作条件判定部31bから動作許可信号に基づき、発射制御基板31の各種パルスおよびクロックを生成している。パルス・クロック生成部31cにおいて各種パルスおよびクロックが生成されることで、定電流制御部31dは、ハンドルボリュームの回した角度に応じたハンドル回転値検出部31eからの検出値に基づいて、発射ソレノイド31aへの通電電流を制御している。その結果、遊技球pの飛距離が変化し、遊技者は遊技盤26上の任意の位置に遊技球pを発射することができる。
なお、ハンドルレバーが原点位置状態となり、検出電圧が設定電圧以下になった場合は、ハンドルの各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。図18に示すハンドル回転値比較部31fにおいて、検出電圧が設定電圧以下の場合、回転検知信号が動作条件判定部31bに出力されない。
発射ソレノイド31aを駆動させると、杵42が遊技球pの方向に動作し、発射台43に停止している遊技球pを発射する。発射された遊技球pは、弁44を通過して遊技盤26上に発射される。弁44は遊技球pが通過後に定位置に戻る。そのため、弁44は、発射された遊技球pが発射台43に戻ることを防止している。
発射ソレノイド31aが作動すると、図17に示すように連動する減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される。枠制御基板17では、枠制御部171のCPUがユーザープログラム領域(使用領域)内にある遊技球数管理プログラムにより減算基準信号が処理される。遊技球数管理プログラムにより減算ソレノイド制御部32dが減算機構32の減算ソレノイド32aを制御する。減算機構32は、減算基準信号を基準として、減算ソレノイド32aを通電し図16に示す可動片45を動かすことにより、電磁的方法によって記録された遊技球pを実球に変換して、発射機構30へ送り出している。遊技球pが減算機構入口センサ32bを通過すると遊技球数を減算し、遊技球数表示器29に表示する。
次に、減算機構32の動作の詳細について説明する。まず、減算機構入口センサ32bに遊技球pが有り、減算機構出口センサ32cに遊技球pが無く、かつ遊技球数が有る場合、減算機構32は、減算基準信号が出力されてから16ms後に減算ソレノイド32aを通電する。減算ソレノイド32aが通電されると、可動片45が図16(a)に示す位置に移動する。可動片45が当該位置に移動すると、可動片45の切欠き部に遊技球pが移動する。可動片45の切欠き部に遊技球pが挟まった状態で、減算ソレノイド32aの通電が解除されると、可動片45が図16(c)に示す位置に移動する。可動片45が当該位置に移動すると、可動片45の切欠き部に挟まっていた遊技球pが発射機構30の発射台43に送り出される。
減算ソレノイド32aが通電され、遊技球pが可動片の切欠き部に移動した場合、減算機構入口センサ32bは1球の遊技球の通過を検知することになる。減算機構入口センサ32bの検知信号は、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理され、遊技球数を1球減算し、遊技球数表示器29に減算した遊技球数を表示する。
減算ソレノイド32aへの通電が停止すると、発射機構に送り出された遊技球pが減算機構出口センサ32cで検知される。減算機構出口センサ32cの検知信号は、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理される。
次に、図を用いて発射機構および減算機構での処理を説明する。図19は、発射機構30での処理、および打球操作ハンドル25の動作を説明するためのタイミングチャートである。図19に示す(i)の状態は、CU3が接続されて、主制御基板16から発射許可信号がオフからオンに変化した状態であり、遊技球pが発射可能な状態である。
遊技者が遊技を行うために打球操作ハンドル25を握った場合、打球操作ハンドル25のリングに遊技者が直接触れることになり、タッチセンサの検知信号がオフからオンに変化した状態となる(図19に示す(ii)の状態)。
遊技者が遊技を行うために打球操作ハンドル25を時計回りに回した場合、打球操作ハンドル25のハンドルボリュームの検出電圧が弱から強に変化し、設定電圧を超えた状態となる(図19に示す(iii)の状態)。
打球操作ハンドル25の発射停止スイッチがオフ状態である(図19に示す(iv)の状態)。発射機構30は、(i)〜(iv)の状態を満たした場合、(iv)の状態から37.5ms後に発射ソレノイド31aをオン状態にする。
発射機構30は、打球操作ハンドル25の角度に応じた通電電流にて、発射ソレノイド31aを16msの間オン状態とし、発射制御基板31から減算基準信号を37.5msの間出力する(図19に示す(v)の状態)。
発射機構30は、発射ソレノイド31aをオン状態にしてから562.5ms後に、(i)〜(iv)の状態を満たした場合、37.5ms後に発射ソレノイド31aを16msの間オン状態とし、発射制御基板31から減算基準信号を37.5msの間出力する(図19に示す(vi)の状態)。発射機構30は、(i)〜(iv)の状態を満たしている限り、以後、約600msの周期で発射ソレノイド31aをオン状態にする。
発射機構30は、発射ソレノイド31aをオン状態にしてから562.5ms後に、(i)〜(iv)の状態を満たさない場合、発射制御基板31から減算基準信号を出力しないことで減算ソレノイド32aをオンさせず、減算機構32を停止する。なお、減算機構32から杵42までの球通路に遊技球p3個分の空間があるため、仮に、当該球通路で球詰りが生じた場合でも、減算機構32を停止して、発射ソレノイド31aのみ3回オン状態とすることで、詰まった遊技球pを排出できる。そのため、(i)〜(iv)の状態を満たさずに減算機構32を停止する場合、球詰りを防止する目的で図19に示すように発射ソレノイド31aのみ3回オン状態とする。発射ソレノイド31aのみオン状態とする回数は、最小3回としているが、球通路の長さや発射の条件に応じて回数を変更してもよい。その後、発射機構30は、(i)〜(iv)の状態を満たした場合、図19に示す(v)の状態に復帰し、遊技球pを発射する。なお、発射ソレノイド31aを3回オン状態としても球詰りが解消していない場合であっても、遊技者による打球操作ハンドル25の操作に応じて、発射ソレノイド31aのみを0.6秒毎にオン状態としてもよい。
次に、図20は、減算機構32、および遊技球数表示器29の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、図19に示した(i)〜(iv)の状態を満たし発射機構30の発射ソレノイド31aがオン状態した場合、発射制御基板31から減算基準信号が37.5ms間出力される(図20に示す(i)の状態)。
減算機構32は、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cのオフ状態になっていることを条件に減算ソレノイド32aを75ms間オン状態にする(図20に示す(ii)の状態)。
減算機構32は、減算ソレノイド32aをオン状態にすることで、図16に示す可動片45を駆動して、可動片45の手前で停留している遊技球pを移動させる。遊技球pが移動することで、減算機構入口センサ32bがオン状態となる(図20に示す(iii)の状態)。減算機構入口センサ32bがオン状態となり遊技球pを検知すると、遊技球数表示器29は、X個の遊技球数の表示から1個減算してX−1の遊技球数の表示に変更する。
減算機構32は、減算ソレノイド32aがオフ状態になると、遊技球pが減算機構出口センサ32cの位置に移動して減算機構出口センサ32cがオン状態となる(図20に示す(iv)。減算機構32は、発射機構30が、図19に示す(i)〜(iv)の状態を満たしている限り、以後、約600msの周期で発射ソレノイド31aをオン状態となり、遊技球数の減算処理を繰り返す。
次に、図21は、減算機構出口センサ32cによって、球詰りを検知した場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、枠制御基板17は、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cがオン状態となっている場合、球詰りが発生していると判断する(図21に示す(i)の状態)。この場合、枠制御基板17は、減算ソレノイド32aをオン状態にはいない。
枠制御基板17は、減算機構出口センサ32cがオフ状態になった場合、球詰りが解消したと判断して、発射ソレノイド31aを2回オン状態にして、正常な状態に復帰させる(図21に示す(ii)の状態)。
P台2は、遊技球pを発射する発射機構30と、発射機構30に遊技球pを搬送する減算機構32(特に、減算ソレノイド32a、可動片45など)と、発射機構30における遊技球pの発射動作に対応した減算基準信号を生成する発射制御基板31と、遊技球数(遊技点)を管理し、減算基準信号に基づいて減算機構32に遊技球pの搬送動作を実行させるとともに、減算基準信号に基づいて遊技球数を減算する枠制御基板17とを備える。これにより、発射機構30の発射動作に対応して適切な遊技球数の減算処理が実現できる。
従来、発射部から枠制御基板へ、遊技球が発射されたことを示す発射検出信号が入力され、発射検出信号を受けた枠制御基板が、発射球数1個の検出に対して、減算球数と遊技中球数とを1加算更新するとともに遊技球数を1減算更新する処理を行っていた。つまり、遊技球の発射による遊技球数の減算と、遊技球の搬送とを個別に行っていた。そのため、ファール球検出スイッチでファール球を検出するなど遊技球の搬送に関する不具合が生じた場合、枠制御基板では、一旦減算した遊技球数を加算して戻す処理を行う必要があった。
一方、本実施の形態によれば、発射機構30における遊技球pの発射動作に対応した減算基準信号を生成し、当該減算基準信号に基づいて減算機構32が遊技球pの搬送動作を行うことにより、遊技球数を減算するので、遊技球の搬送に関する不具合が生じても遊技球数が減算されない。そのため、本実施の形態によれば、発射機構30における遊技球pの発射に対応して適切に遊技球数を減算することができる。また、本実施例の構成では、ファール球を検出するファール球検出スイッチ自体が必要なく、ファール球の検出に係る処理も省略できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信したことに基づいて、管理している遊技点の減算処理を実行する。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことに基づいて、X個の遊技球数から1個減算してX−1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる。これにより、枠制御基板17は、発射機構30の発射動作に対応して適切な遊技球数の減算処理が実現できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信したことに基づいて、減算機構32による遊技球pの搬送動作を実行させる。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことに基づいて、減算ソレノイド32aを制御することで可動片45を駆動して遊技球pを搬送する。これにより、枠制御基板17は、発射機構30の発射動作に対応して適切な遊技球pの搬送を実現できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信した後、減算機構入口センサ32bにて遊技球pを検知したことに基づいて、管理している遊技点の減算処理を実行する。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことに基づいて、遊技球pが搬送されることで減算機構入口センサ32bがオン状態となり遊技球pを検知すると、X個の遊技球数から1個減算してX−1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる。これにより、枠制御基板17は、発射機構30の発射動作と搬送機構(例えば、可動片45)の動作とに対応した適切な遊技球数の減算処理が実現できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信した後の所定期間内における減算機構出口センサ32cの検知状態に基づいて、遊技球pの搬送エラーを判定可能である。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cがオン状態となっている場合、球詰りが発生していると判断する。これにより、減算ソレノイド32aや可動片45などを含む減算機構32による動作の不具合を検知できる。
主制御基板16は、枠制御基板17から特別事象が発生したことを知らせるための所定信号を受信したことに基づいて、発射停止処理を実行する。具体的に、主制御基板16は、枠制御基板17から特定のエラー信号(特別事象が発生したことを知らせるための所定信号)を受信した場合に、発射許可信号の出力を停止する。これにより、枠制御基板17にて検出された特別事象の発生に対応して発射動作を停止できる。
<カードユニットおよびパチンコ遊技機に発生した異常の通知処理>
図22は、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。図22を参照して、CU制御部323、通信制御IC325、枠制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図22の矢印で示す方向に対して通知が行われる。ここで言う異常には、CU制御部323、通信制御IC325、枠制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズなどにより誤作動したり故障したりした場合や、断線などによるオフライン状態となる場合などの各種エラー状態が含まれる。図22に示される機歴管理サーバ800は、P台2の製造メーカまたはチップの提供メーカにてP台2に書き込まれるID情報など、及び設備機器メーカにてCU3に書き込まれるID情報などの管理を行うものである。
まず、CU3の通信制御IC325により異常が発生した場合には、CU制御部323が異常を検知する。CU制御部323が通信制御IC325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行う制御を表示制御部350に行わせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行う。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3のCU制御部323により異常が発生した場合には、CU制御部323が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)をホールサーバ801に通知する。枠制御部171が枠制御部171の異常を検知した場合には、通信制御IC325を介してCU制御部323へその旨を通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。なお、通信制御IC325は、パラレルインタフェイス回路であるPIF回路を介してパラレル信号で枠制御部171と接続されている。
主制御基板16に異常が発生した場合、枠制御部171が異常発生を検知し、その旨を示す信号をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。もちろん、主制御基板16に異常が発生した場合、主制御基板16が異常発生を検知し、その旨を示す信号をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知してもよい。
図22に示される遊技機管理サーバ802は、たとえば、複数の遊技機メーカが加盟する団体によって運営される遊技機を管理する組織に設けられ、遊技場に設置された遊技機が設計値と異なる異常な状態となっていないかを確認することによって遊技機を管理するサーバである。遊技機管理サーバ802は、他の組織に設けられるようにしてもよい。遊技機管理サーバ802は、ホールサーバ801、CU3およびP台2と通信可能である。
本実施の形態において、遊技機管理サーバ802は、メインチップIDなどの遊技機を各々、識別する情報に対応付けて、遊技機の機種名および遊技機の異常を判断するための遊技機の設計値を記憶する。
<P台のエラー及び不正検知後の動作>
次に、P台2のエラー及び不正検知後の動作について説明する。図23は、報知可能なエラー及び不正検知の種類を説明するための図である。図23には、26種類のエラーが記載されており、それぞれのエラーの「エラーコード」、「エラー名称」、「エラー及び不正検知内容」、「エラー及び不正検知後の動作」が記載されている。
例えば、番号3のエラーは、「エラーコード」が「F06」、「エラー名称」が「管理遊技機内通信異常」、「エラー検知内容」が「管理遊技機遊技盤と管理遊技機枠間の通信無応答または未接続を検知した」、「エラー及び不正検知後の動作」が遊技機枠5で異常を検知し、遊技機枠5側の遊技球数表示器29および遊技盤26側の音声出力(第1音声出力手段)、LCD演出、電飾で報知を行い、ホールコンに対してエラー情報を出力する。
ここで、遊技機枠5で報知する場合、遊技球数表示器29などの表示装置(例えば、可変表示装置278など)に「エラーコード」を表示して報知する以外に、枠制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイに「エラーコード」を表示して報知を行ってもよい。また、「エラーコード」を表示するのではなく、遊技を停止させてエラーを報知しても、エラーの情報を外部に出力してもよい。
また例えば、番号23のエラーは、「エラーコード」が「F97」、「エラー名称」が「主制御基板起動異常」、「エラー検知内容」が「主制御基板が規定期間経過しても起動しないことを検知した」、「エラー及び不正検知後の動作」が遊技盤26で異常を検知し、遊技盤26側の音声出力、LCD演出、電飾で報知を行い、発射停止を停止し、ホールコンに対してエラー情報を出力する。
報知手段は、エラーの種類によって遊技盤において音声出力したり電飾を点灯させたりすることでエラーの報知を行ってもよい。また、報知手段は、エラーの種類によってホールコンに対してエラー情報出力、または不正情報出力を出力することでエラーを報知してもよい。
次に、図23に示した複数のエラーについてさらに詳しく説明する。図24は、遊技機枠5および遊技盤26で発生するエラー及び不正検知を説明するためのブロック図である。まず、遊技機枠5において、専用ユニット(CU3)と管理遊技機枠(遊技機枠5)間の通信無応答を検知した場合、枠制御基板17は、専用ユニット通信無応答(エラーコード=F05)のエラー報知を行う。具体的に、枠制御基板17は、専用ユニット通信無応答のエラーを検知した場合、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するともに、計数ボタン28を操作しても計数処理が機能しないように計数を停止し、図24に示すように主制御基板16に対して専用ユニット通信無応答信号を出力する。主制御基板16では、ユーザープログラム16aのポート信号検知16bで枠制御基板17から送信された専用ユニット通信無応答信号を検知し、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17は、ホールコンに対してエラー情報出力し、CU3では、球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が無効となる。
次に、遊技機枠5において、減算機構入口センサ32bが球詰まりを検出している時または減算機構入口センサ32bの故障を検知した場合、枠制御基板17は、減算機構入口センサ異常(エラーコード=F14)のエラー報知を行う。具体的に、枠制御基板17は、減算機構入口センサ異常のエラーを検出した場合、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するともに、図24に示すように主制御基板16に対して減算機構入口センサ異常信号を出力する。主制御基板16では、ユーザープログラム16aのポート信号検知16bで枠制御基板17から送信された減算機構入口センサ異常信号を検知し、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17は、ホールコンに対してエラー情報出力を行う。
次に、遊技機枠5において、遊技球数が40000球をオーバーした場合、枠制御基板17は、遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラー報知を行う。具体的に、枠制御基板17は、遊技球数オーバーのエラーを検出した場合、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するともに、図24に示すように主制御基板16に対して遊技球数オーバー信号を出力する。主制御基板16では、ユーザープログラム16aのポート信号検知16bで枠制御基板17から送信された遊技球数オーバー信号を検知し、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。なお、枠制御基板17は、ホールコンに対してエラー情報出力を行う。
次に、遊技盤26において、管理遊技機遊技盤と管理遊技機枠間の通信無応答または未接続を検知した場合、主制御基板16は、管理遊技機内通信異常(エラーコード=F06)のエラー報知を行う。具体的に、主制御基板16は、図24に示すように管理遊技機内通信異常検知16cにより当該エラーを検知すると、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17でも、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するとともに、ホールコンに対してエラー情報出力を行う。
ここで、遊技機枠5と遊技盤26とは、シリアル通信を行っているため、主制御基板16側で検知したエラー及び不正検知は、当該シリアル通信を介して枠制御基板17に通知される。そのため、枠制御基板17は、主制御基板16側で検知したエラー及び不正検知を把握することができる。例えば、主制御基板16側で管理遊技機内通信異常(エラーコード=F06)を検知し、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、枠制御基板17は、シリアル通信を介して主制御基板16側でのエラー検知を把握することができる。なお、主制御基板16は、後述する図30に示す遊技機情報通知のコマンドに含まれる「遊技機エラー状態」の情報で、枠制御基板17に対してエラー情報を通知している。「遊技機エラー状態」は、Bit0〜Bit5にエラーコードの情報を、Bit6にエラーを検知したのが枠制御基板17(”0”)か主制御基板16(”1”)かの情報を、Bit7にエラー情報の出力先の情報をそれぞれ含んでいる。「遊技機エラー状態」のBit7が”0”の場合、枠制御基板17側でエラー報知(発報)のみを行う。また、「遊技機エラー状態」のBit7が”1”の場合、枠制御基板17側でのエラー報知(発報)に加え、ホールコンへのエラー情報の出力(HC出力)を行う。つまり、主制御基板16から枠制御基板17にエラー情報が通知されると、枠制御基板17は、図5に示した遊技機情報に係る信号(例えば、ホールコン信号)に当該エラー情報を含めてCU3に送信する。CU3は、遊技機情報に係る信号に含まれるエラー情報を外部出力端子340を介してホールコンに出力する。
そのため、枠制御基板17では、主制御基板16側の音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)で行われる管理遊技機内通信異常のエラー報知と、枠制御基板17側の音声出力(遊技機枠側スピーカ270A)で行われる遊技球循環装置異常のエラー報知とが重ならないように、遊技球循環装置異常のエラー報知を制限するようにエラーの優先度が定められている。つまり、枠制御基板17は、遊技盤側スピーカ270Bからのエラー報知の方が優先度が高く、当該エラー報知が行われている間、遊技機枠側スピーカ270Aからのエラー報知が制限される。
枠制御基板17は、主制御基板16側のエラー(所定事象)と異なるエラー(特定事象)の発生を検知可能であり、エラーの報知(所定報知)が主制御基板16側の音声出力(第1音声出力手段)にて行われていないときに、枠制御基板17によってエラー(特定事象)が検知されたことに基づくエラーの報知(特定報知)が枠制御基板17側の音声出力(第2音声出力手段)にて行われ、エラーの報知(所定報知)が主制御基板16側の音声出力にて行われているときに、エラーの報知(特定報知)が枠制御基板17側の音声出力にて行なわれない。例えば、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、主制御基板16側でエラーの報知が行われていないときに、遊技球循環装置異常の報知が行われ、主制御基板16側でエラーの報知が行われているときに、遊技球循環装置異常の報知が行われない。このように、報知するエラーの優先度を定めることで、あるメーカーの遊技盤26を遊技機枠5に搭載したときであっても、別のメーカーの遊技盤26を遊技機枠5に搭載したときであっても統一したエラー報知を行うことができる。
また、枠制御基板17は、特定事象と異なる特別事象の発生を検知可能であり、特別事象の発生を検知した場合には、主制御基板16に対して特別事象の検知に関する情報を送信する。例えば、遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)のように枠制御基板17側のみで報知を行うエラーと異なり、主制御基板16側でも報知を行う遊技球数オーバー(エラーコード=F23)では、枠制御基板17が、エラー(特別事象)を検知した場合に、主制御基板16に対して当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を送信する。具体的に、枠制御基板17は、シリアル通信を介して主制御基板16側に当該エラーの検知に関する情報を送信する。主制御基板16は、当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を受信したことに基づいて演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。このようにすることで、枠制御基板17にて検出されたエラー(特別事象)の発生を適切に報知できる。
遊技盤26において、前飾り開放を検知(前飾り開放スイッチ12のオン状態を検知)した場合、主制御基板16は、前飾り開放(エラーコード=F64)のエラー報知を行う。具体的に、主制御基板16は、図24に示すように前飾り開放スイッチ開放検知16dにより当該エラーを検知すると、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17でも、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するとともに、ホールコンに対して不正情報出力を行う。
遊技盤26において、裏機構部開放を検知(裏機構部開放スイッチ13のオン状態を検知)した場合、主制御基板16は、裏機構部開放(エラーコード=F65)のエラー報知を行う。具体的に、主制御基板16は、図24に示すように裏機構部開放スイッチ開放検知16eにより当該エラーを検知すると、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270B)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。なお、枠制御基板17でも、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するとともに、ホールコンに対して不正情報出力を行う。
ここで、裏機構部開放スイッチ13は、バックアップ電源基板174と接続されており、電源OFF時の夜間においても開放を検知することができる。図25は、バックアップ電源基板174の構成を説明するためのブロック図である。バックアップ電源基板174は、電源回路400と接続されているため、電源ON時において図25に示す電源ラインDC5V−1から電力供給が行われている。また、バックアップ電源基板174は、バックアップ電源II(5V)17cを有している。バックアップ電源II(5V)17cは、電源ON時、電源生成機能の充電回路174aを介して電源ラインDC5V−1からの電力で充電が行われ、電源OFF時、電源選択機能のダイオード回路174bによりバックアップ電源基板174での電力供給に切り替えることができる。
なお、バックアップ電源基板174は、遊技盤接続確認信号およびクリア信号と、裏機構部開放スイッチ13の検知信号とに基づいて断線開放検知を判断する構成についても電源のバックアップを行っている。
枠制御基板17は、ユーザープログラムの使用領域内(特定領域内)に主制御基板16との通信制御に用いるプログラム(図37に示す通信処理)が格納されている。枠制御基板17は、ユーザープログラムの使用領域内で実行される処理と、使用領域外(特定領域外)で実行される処理とで検出可能な事象が異なっている。例えば、ユーザープログラムの使用領域内で遊技球数表示処理(図37)が実行されていることから、遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーは使用領域内で検出可能であり、ユーザープログラムの使用領域外で遊技球循環処理(図37)が実行されていることから、遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)のエラーは使用領域外で検出可能である。そのため、ユーザープログラムの使用領域内で実行される処理により検知したエラー(事象)を、プログラム(特に、通信処理)を実行して主制御基板16へ送信可能である。これにより、ユーザープログラムの使用領域内と使用領域外とに跨らずに処理を実行することができる。
主制御基板16は、発射機構30の発射動作を制御可能であり、枠制御基板17からエラー(特別事象)の検知に関する情報を受信したことに基づいて発射機構30の発射動作を停止させる。これにより、枠制御基板17にて検出されたエラー(特別事象)の発生に対応して発射動作を停止できる。
枠制御基板17は、エラー(特定事象と特別事象とのうちいずれかの事象)の発生を検知した場合に、主制御基板16によるエラー(所定事象)の検知状況に関わらず、遊技球数表示器29に検知したエラーを特定可能な情報(例えば、エラーコードなど)を表示してもよい。これにより、遊技盤26側の制御状態によらずに、検知したエラーを特定可能に表示できる。
<主制御基板と枠制御基板との通信>
次に、P台2内に設けられた主制御基板16(主制御部161)と枠制御基板17(枠制御部171)との間(図4参照)での通信について説明する。まず、図26を参照して、電源投入時、主制御基板16と枠制御基板17との間で処理されるシーケンスを説明する。図26は、主制御基板16と枠制御基板17との間の通信シーケンスを示す図である。
また、主制御基板16と枠制御基板17との通信は、主制御基板16を一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は例えば、100msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。主制御基板16は、通知電文を送信してから100ms間応答を受信できなかった場合、通知電文を再送する。なお、10回連続で応答を受信できなかった場合、通信回線断とする。枠制御基板17は、通知電文を受信してから1000ms間次の通知を受信できなかった場合、通信回線断とする。
さらに、枠制御基板17は正常なデータを受信した場合のみ、主制御基板16へ応答コマンドを送信する。送受信に用いる通番は、主制御基板16、枠制御基板17ともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御基板16および枠制御基板17の起動を待って、主制御基板16と枠制御基板17との間で通信が開始される。主制御基板16および枠制御基板17の起動には、例えば、最大10000msとする。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信は、平文で行われているが、暗号通信を行ってもよい。
まず、主制御基板16は、起動後に遊技機設置情報を枠制御基板17に通知する。具体的に、主制御基板16は、通信通番を「1」として遊技機設置情報通知のコマンドを枠制御基板17に送信する。遊技機設置情報通知のコマンドを受信した枠制御基板17は、カウントアップせずに通信通番を「1」として遊技機設置情報応答のレスポンスを主制御基板16に送信する。
主制御基板16は、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知した後、一定周期(100ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知する。具体的に、主制御基板16は、通信通番を「2」として遊技機情報通知のコマンドを枠制御基板17に送信する。遊技機情報通知のコマンドを受信した枠制御基板17は、カウントアップせずに通信通番を「2」として遊技機情報応答のレスポンスを主制御基板16に送信する。以降、主制御基板16が枠制御基板17にコマンドを送信する際に通信通番をカウントアップしながら、遊技機情報を枠制御基板17に通知する。
ここで、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとの関係を説明する。図27、通信タイミングを説明するための通信シーケンスを示す図である。図27に示すように、主制御基板16は、一定周期(100ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知している。一方、枠制御基板17は、主制御基板16との通信の一定周期(100ms)より遅い(200ms)の周期で遊技機情報をCU3に送信している。なお、枠制御基板17は、200msではなく300msの周期で遊技機情報をCU3に送信してもよい。
つまり、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を2回行う通信タイミングである。なお、枠制御基板17とCU3との通信が300msの周期の場合、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を3回行う通信タイミングとなる。そのため、枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機の情報を、より頻繁に取得できるので遊技機の変化をより正確に把握することができるとともに、適切な間隔で遊技機の情報をCU3に送信することができる。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとが同じ200msの周期であっても、図27とは異なるタイミングであってもよい。
<主制御基板と枠制御基板との間でのコマンド>
次に、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドについて説明する。図28は、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。
図28に示すように、主制御基板16から枠制御基板17に送信されるコマンドは、遊技機設置情報通知、遊技機情報通知がある。遊技機設置情報通知のコマンドは、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。遊技機情報通知のコマンドは、遊技機情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。
一方、枠制御基板17から主制御基板16に送信されるレスポンスは、遊技機設置情報応答、遊技機情報応答がある。遊技機設置情報応答のレスポンスは、遊技機設置情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。遊技機情報応答のレスポンスは、遊技機情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。
<遊技機設置情報通知・遊技機設置情報応答>
次に、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスについて詳しく説明する。図29は、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスを説明するための図である。図29(a)に示す遊技機設置情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報を通知するためのコマンドであり、遊技機設置情報として「主制御チップID番号」、「主制御CPUメーカコード」、「主制御CPU型式コード」を含んでいる。主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報通知のコマンドを送信する際の通信通番は1を通知する。また、遊技機設置情報通知の電文は、必ず1フレームで完結させ、分割送信しない。さらに、枠制御基板17は、遊技機設置情報通知の電文長を受信後、20ms以内にチェックサムまで受信できなかった場合、それまでの受信データをキャンセルし、再度電文長から受信する。以下のコマンドやレスポンスでも同様に行われる。
図29(b)に示す遊技機設置情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機設置情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機設置情報受領結果」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機設置情報通知で受信した通信通番をそのまま応答する。しかし、枠制御基板17は、1以外の通信通番を受信した場合、無応答とする。
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。図30は、遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。遊技機情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機情報(ホールコン情報、不正監視情報など)を通知するためのコマンドであり、遊技機設置情報として「主制御状態」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「遊技情報」を含んでいる。主制御基板16は、遊技機情報通知時に通信通番を1加算する。なお、通信通番は、255を最大とし、255の次は1にカウントを戻す。また、電文再送時には、通信通番を1加算(更新)しない。
「主制御状態」は、P台2の遊技状態の情報であり「主制御状態1」と「主制御状態2」とを含んでいる。「主制御状態1」は、大当り1(全ての大当り)、大当り2(特定の大当り)、および大当り3(時短の大当り)の情報、遊技機状態信号1〜5の情報を含んでいる。遊技機状態信号1〜5は、CU3の外部出力端子340から状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子状態出力信号1〜5」に対応する。「主制御状態1」は、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、および時短(変動時間短縮)中の情報、遊技機状態信号6〜9の情報を含んでいる。遊技機状態信号6〜9は、CU3の外部出力端子340から状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子状態出力信号6〜9」に対応する。
「遊技機エラー状態」は、遊技機で発生中のエラーコードの情報を含む。「不正検知状態」は、盤面不正1〜6を検知したことを示す情報を含む。
「遊技情報」は、主制御基板16で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板17へ通知する情報を含む。「遊技情報」は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。種別情報は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。
種別情報についてさらに詳しく説明する。図31は、遊技情報に含まれる種別情報を説明するための図である。種別情報は、データ種別(Bit4〜7)の値ごとに設定されており、例えば、データ種別の値が1の場合、始動口入賞の情報である。また、データ種別ごとに、データ番号(Bit0〜3)が設定されており、例えば、データ番号が1なら始動口1などと始動口番号を示している。
データ種別の値が2の場合、大入賞口に入賞したことを通知し、データ番号が1なら大入賞口1などと大入賞口番号を示している。データ種別の値が4の場合、図柄の変動回数を通知し、データ番号が1なら特図1などと特図番号を示している。データ種別の値が8の場合、役物連続作動装置が未作動時の大入賞口の開放を通知し、データ番号が1なら役物1などと役物番号を示している。データ種別の値が13の場合、CU3からパルス出力することを指示し、データ番号でCU3の外部出力端子340の端子を示す。データ種別の値が14の場合、性能情報の演算に必要となる状態を通知し、データ番号が1に固定されている。
カウント情報は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。データ種別が1=始動口入賞、2=大入賞口入賞、3=入賞口入賞、9=役物作動による始動口入賞、10=役物連続作動による大入賞口入賞、11=役物作動による入賞口入賞の場合、カウント情報は、賞球数(上位4Bit)と入賞個数(下位4Bit)で構成される。例えば、3個賞球の始動口1に2個入賞した場合、データ種別(Bit4〜7)が”1=始動口1”、データ番号(Bit0〜3)が”1=始動口1”、賞球数(Bit4〜7)が”3=3個賞球”、入賞個数(Bit0〜3)が”1=1個入賞”の遊技情報(0x1131)が2データとなる。
データ種別が4=図柄確定回数の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と図柄確定回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が5=大当り、6=小当りの場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と当り回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が7=ゲート通過の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)とゲート通過数(下位4Bit)で構成される。データ種別が8=役物回数(大入賞口開放回数)の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と役物回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が12=特定領域通過の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と特定領域通過数(下位4Bit)で構成される。データ種別が13=パルスカウント数の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)とパルス出力回数(下位4Bit)で構成される。
データ種別が14=性能情報状態通知の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と状態フラグ(下位4Bit)で構成される。状態フラグ(Bit0〜3)では、Bit0がベース状態を示し、Bit0が”0”なら低ベース中、”1”なら高ベース中であることを示し、Bit1が大当り中の状態を示し、Bit1が”0”なら通常時、”1”なら大当り中であることを示し、Bit2が高確率中の状態を示し、Bit1が”0”なら低確率、”1”なら高確率であることを示している。
<遊技機情報応答>
図32は、遊技機情報応答のコマンドを説明するための図である。図32に示す遊技機情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機情報受領結果」および「枠制御状態」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機情報通知で受信した通信通番をそのまま応答する。しかし、枠制御基板17は、連続性が成立しない通信通番を受信した場合、無応答とする。
「枠制御状態」は、枠制御基板17の状態情報を含んでおり、具体的にBit0に遊技球数オーバーの情報が含まれる。枠制御基板17は、シリアル通信を介して主制御基板16側に遊技機情報応答を送信することで、図23に示した遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーの検知に関する情報を主制御基板16に通知することができる。そのため、主制御基板16側でも遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーを報知することができる。
<入賞個数の集計>
次に、入賞個数の集計結果について説明する。遊技情報に含まれるデータ種別が14=性能情報状態通知の場合、状態フラグ(Bit0〜3)のBit0がベース状態を示し、Bit1が大当り中の状態を示し、Bit2が高確率中の状態を示している。つまり、遊技情報に含まれるデータ種別の14=性能情報状態通知の情報に基づき、前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で変化した遊技状態を示すことができる。
前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で変化した遊技状態の情報を表すことができるようになったことで、前回の遊技機情報通知から遊技状態が変化するまでの入賞個数の累計と、遊技状態が変化してから今回の遊技機情報通知までの入賞個数の累計とを区別して枠制御基板17に通知することが可能となった。なお、遊技機情報通知のコマンドにデータ種別に14=性能情報状態通知を設けて、主制御基板16から枠制御基板17に前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で変化した遊技状態の情報を通知できるようにしたが、当該遊技状態の情報は、遊技用装置であるCU3や、上位サーバであるホールサーバ801、ホールコンピュータなどに通知できるようにしてもよい。
具体的に、遊技状態が変化する前後で入賞個数の累計を区別することができる構成について説明する。まず、その前に、遊技状態が変化する前後で入賞個数の累計を区別するできない場合の不具合について説明する。図33は、遊技状態が変化する前後での入賞個数の集計結果を説明するための図である。図33に示す例では、遊技状態が途中で通常状態から大当り状態に変化し、主制御基板16は、その状態変化の前後において入賞センサ162(図4参照)から賞球コマンドa〜fを受信している。より詳しくは、主制御基板16は、通常状態の期間に賞球コマンドa〜cを受信し、大当りの期間に賞球コマンドd〜fを受信している。
しかし、主制御基板16は、受信した賞球コマンドごとに枠制御基板17に入賞個数を通知しているのではなく、100msごとに送信される遊技機情報通知コマンドに累計して送信される。つまり、図33に示す例では、賞球コマンドa,bの入賞個数が累計されて通信コマンドAで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドc,dの入賞個数が累計されて通信コマンドBで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドe,fの入賞個数が累計されて通信コマンドCで枠制御基板17に送信される。
一方、遊技状態が変化したことは、図30に示した遊技機情報通知コマンドに含まれる「主制御状態1」で大当りの種類などの遊技状態の情報が主制御基板16から枠制御基板17に送信されている。つまり、図33に示す例では、通常状態から大当り状態に変化した直後の通信コマンドBの「主制御状態1」で大当りの遊技状態に変化したことが枠制御基板17に送信されるので、枠制御基板17側で知り得る遊技状態の変化は、通信電文の大当り状態で示すように通信コマンドBを受信した時からとなる。
そのため、通信電文の大当り状態に基づいて賞球コマンドを区別すると、賞球コマンドa,bが通常状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)され、賞球コマンドc〜fが大当り状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)されることになる。しかし、実際の遊技状態に基づいて入賞個数を累計した場合、賞球コマンドcは大当りの期間ではなく、通常状態の期間の入賞個数として累計する必要がある。そのため、賞球コマンドcの入賞個数だけ賞球集計結果に誤差が生じ、後述するベースや役物比率、連続役物比率を正確に算出することができない問題があった。
そこで、本実施の形態に係る主制御基板16では、遊技機情報通知コマンドにデータ種別に14=性能情報状態通知を設けて、前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で遊技状態が変化したことによって賞球コマンドの入賞個数を区別することができる構成を採用している。具体的に、図34は、本実施の形態において、遊技状態が変化する前後での入賞個数の集計結果を説明するための図である。図34に示す例でも、遊技状態が途中で通常状態から大当り状態に変化し、主制御基板16は、その状態変化の前後において入賞センサ162(図4参照)から賞球コマンドa〜fを受信している。より詳しくは、主制御基板16は、通常状態の期間に賞球コマンドa〜cを受信し、大当りの期間に賞球コマンドd〜fを受信している。
図34に示す例でも、賞球コマンドa,bの入賞個数が累計されて通信コマンドAで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドc,dの入賞個数が累計されて通信コマンドBで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドe,fの入賞個数が累計されて通信コマンドCで枠制御基板17に送信される。
しかし、本実施の形態に係る遊技機情報通知コマンドでは、遊技情報のデータ種別に14=性能情報状態通知を設けて、賞球コマンドcの入賞個数と賞球コマンドdの入賞個数とを区別している。具体的に、通信コマンドBには、賞球コマンドcおよび賞球コマンドdの情報が含まれている以外に、賞球コマンドcと賞球コマンドdとの間で大当りに遊技状態が変化したことを示す状態変化の情報(14=性能情報状態通知)が含まれている。そのため、主制御基板16は、通常状態に受信した賞球コマンドcの入賞個数を種別情報1およびカウント数情報1(図30参照)に、状態変化の情報を種別情報2およびカウント数情報2に、賞球コマンドdの入賞個数を種別情報3およびカウント数情報3にそれぞれ格納して遊技機情報通知コマンドを生成する。そして、主制御基板16は、当該遊技機情報通知コマンドを枠制御基板17に送信することで、種別情報1およびカウント数情報1〜種別情報3およびカウント数情報3の遊技情報を順に枠制御基板17に送ることになる。つまり、主制御基板16は、遊技状態を変化させた場合、当該変化前の賞球コマンドcの入賞個数(種別情報1およびカウント数情報1)を送信した後に当該変化を通知する情報F(種別情報2およびカウント数情報2)を送信した上で、当該変化後の賞球コマンドdの入賞個数(種別情報3およびカウント数情報3)を送信している。
そのため、枠制御基板17は、状態変化の情報より先に受信した賞球コマンドcを通常状態の入賞個数、状態変化の情報より後に受信した賞球コマンドdを大当り状態の入賞個数として区別することができ、賞球コマンドa〜cが通常状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)され、賞球コマンドd〜fが大当り状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)される。よって、賞球集計結果に誤差は生じることがなく、後述するベースや役物比率、連続役物比率を正確に算出することができる。
<枠制御基板のプログラム>
枠制御基板17のCPUにおいてプログラムを実行することで、電源投入時処理、通信処理、遊技球数表示処理、性能表示演算処理、およびエラー検知処理など様々な各種の制御処理を行う。まず、枠制御基板17のCPUのメモリ空間について説明する。図35は枠制御基板17におけるCPUのメモリマップを示した図である。枠制御基板17のCPUは、内蔵レジスタ、ROM、RAMなどにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図35のメモリマップに示すように、ROMのアドレス/データ信号線は、メモリ空間における0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)の16Kバイト領域の内蔵ROMエリアに割り当てられている。枠制御基板17のCPUは、内蔵ROMエリアにおいて、各種の制御処理を行う。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間におけるFE00H〜FEBFHの内蔵レジスタエリアに割り当てられている。枠制御基板17のCPUは、この内蔵レジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAMのアドレス/データ信号線は、メモリ空間におけるF000H〜F3FFHのRWM領域(内蔵RAMエリア)に割り当てられている。枠制御基板17のCPUは、このRWM領域を指定してRAMからのデータの読み出しやRAMへのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、図36は、内蔵ROMエリアのメモリマップを示した図である。内蔵ROMエリアには、図36に示すように、使用領域内プログラムエリア、使用領域内データエリア、使用領域外プログラムエリア、及び使用領域外データエリアが割り当てられている。また、使用領域内プログラムエリアと使用領域外データエリアとの間には、空き領域が割り当てられている。同様に、使用領域内データエリアと使用領域外プログラムエリアとの間、使用領域外プログラムエリアと使用領域外データエリアとの間にも、それぞれ空き領域が割り当てられている。枠制御基板17のCPU103は、この内蔵ROMエリアを指定してROMからのデータの読み出しを行う。
このうち、使用領域内プログラムエリアには、枠制御基板17のCPUが実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)や枠制御基板17のCPUがそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成され、遊技を行うための関連プログラムのデータが記憶されている。使用領域内プログラムエリアに記憶された関連プログラムには、枠制御基板17を制御するためのプログラムである制御プログラム及び遊技球数の管理や表示するための関連プログラムなどが含まれている。使用領域内プログラムエリアには、これらの関連プログラムが記憶されている。
使用領域外プログラムエリアには、枠制御基板17のCPUがベース、連比や役比を算出するための命令データ(オペコード)や枠制御基板17のCPUがそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される。ベース、連比及び役比を算出したり、表示したりするためのプログラム(以下、性能表示関連プログラムと称する場合がある)のデータが記憶されている。性能表示関連プログラムには、ベース、連比や役比を算出、表示するための性能表示演算プログラムが含まれている。使用領域外プログラムエリアには、遊技を行うための関連プログラムとは異なるプログラムが記憶されている。
ここで、使用領域内プログラムエリア及び使用領域外プログラムエリアについてさらに説明する。図37は、内蔵ROMエリアにおける使用領域プログラムエリア及び非使用領域プログラムエリアの構成を示す図である。図37に示すように、使用領域内プログラムエリアには、関連プログラムとして、「電源投入時処理」、「メインループ処理」、「タイマ割込制御処理」、「メモリ処理」、「ポート処理」、「通信処理」、「貸出処理」、「遊技球数表示処理」の各プログラムが記憶されている。また、使用領域外プログラムエリアには、「性能表示演算処理」、「エラー検知処理」、「エラー解除処理」、「不正監視処理」、「遊技球循環処理」、「球磨き処理」の各プログラムが記憶されている。
<性能表示演算処理>
次に、図37で示した性能表示演算処理についてさらに説明する。図38は、枠制御基板17において実行される性能表示演算処理を説明するためのフローチャートである。図38を参照して、まず、枠制御基板17は、通過数加算処理を実行する(ステップS300)。図39は、枠制御基板17において通過数加算処理を説明するためのフローチャートである。ここで、例えば、役物無しの第n入賞口(大入賞口271以外の入賞口に番号nを付する。たとえば、普通入賞口272〜274をそれぞれ番号1〜3、つまり第1入賞口〜第3入賞口とし、始動入賞口275〜277をそれぞれ番号4〜6、つまり第4入賞口〜第6入賞口とする。このため、役物無しの入賞口は、第1入賞口〜第4入賞口,第6入賞口である。)の1個の入賞に対する賞球数An(たとえば、第1入賞口〜第3入賞口は、3個、第4入賞口,第6入賞口は、5個)と、役物有りの始動入賞口276(ここでは、第5入賞口)の1個の入賞に対する賞球数As(たとえば、5個)と、大入賞口271の1個の入賞に対する賞球数Ab(たとえば、3個)とする。これらの設定は遊技盤26の機種に応じて変更可能である。
図39を参照して、枠制御基板17は、大当り遊技状態であるか否かを判断する(ステップS351)。大当り遊技状態でない(ステップS351でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS352)。ここでは、P台2における遊技状態が、高確高ベース状態(以下、単に高ベース状態という)と、低確低ベース状態(以下、単に低ベース状態という)との2種類であるとして以下説明する。高ベース状態でない(ステップS352でNO)と判断した場合、つまり、大当り遊技状態でなく、かつ、低ベース状態である場合、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS353)。受信した(ステップS353でYES)と判断した場合、低ベース時のアウト口の通過数plを1加算する(ステップS354)。
また、第n入賞口(本実施の形態では第1入賞口から第6入賞口)には、それぞれ、入賞した遊技球を検出する検出スイッチが設けられる。アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信していない(ステップS353でNO)と判断した場合、および、ステップS354の後、枠制御基板17は、第n入賞口の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS355)。
受信した(ステップS355でYES)と判断した場合、低ベース時の第n入賞口の通過数qlnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS356)。ただし、枠制御基板17は、高ベースに遊技状態が変化した場合、その後の第n入賞口のカウント数(入賞個数)を高ベース時のアウト口の通過数phnに加算する。
一方、高ベース状態である(ステップS352でYES)と判断した場合、つまり、大当り遊技状態でなく、かつ、高ベース状態である場合、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS357)。受信した(ステップS357でYES)と判断した場合、高ベース時のアウト口の通過数phを1加算する(ステップS358)。
アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信していない(ステップS357でNO)と判断した場合、および、ステップS358の後、枠制御基板17は、第n入賞口の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS359)。受信した(ステップS359でYES)と判断した場合、高ベース時の第n入賞口の通過数qhnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS360)。ただし、枠制御基板17は、低ベースに遊技状態が変化した場合、その後の第n入賞口のカウント数(入賞個数)を低ベース時のアウト口の通過数plnに加算する。
大当り遊技状態である(ステップS361でYES)と判断した場合、第n入賞口の検出情報を含むコマンドを受信していない(ステップS355,ステップS359でNO)と判断した場合、ステップS356の後、および、ステップS360の後、枠制御基板17は、役物を有さない第n入賞口(本実施の形態では、第1入賞口〜第4入賞口,第6入賞口)の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS361)。受信した(ステップS361でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、第n入賞口の通過数qnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS362)。
第n入賞口の検出信号を受信していない(ステップS361でNO)と判断した場合、および、ステップS362の後、枠制御基板17は、役物を有する始動入賞口276の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS363)。受信した(ステップS363でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、役物を有する始動入賞口276の通過数qsにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS364)。
役物を有する始動入賞口276の検出信号を受信していない(ステップS363でNO)と判断した場合、および、ステップS364の後、枠制御基板17は、大入賞口271の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS365)。受信した(ステップS365でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、大入賞口271の通過数qbにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS366)。
大入賞口271の検出信号を受信していない(ステップS365でNO)と判断した場合、および、ステップS366の後、枠制御基板17は、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS367)。受信した(ステップS367でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、発射球数rを1加算する(ステップS368)。
さらに、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信していない(ステップS367でNO)と判断した場合、および、ステップS368の後、枠制御基板17は、全入賞口の検出信号を含むコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS369)。受信した(ステップS369でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、発射球数rにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS370)。
枠制御基板17は、全入賞口の検出信号を受信していない(ステップS369でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、この通過数加算処理を終了する。
図38に戻って、枠制御基板17は、高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS301)。高ベース状態でない(ステップS301でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、低ベース時のアウト球数rl=pl+Σqlnを計算する(ステップS302)。さらに、枠制御基板17は、低ベース時セーフ球数sl=Σ(An×pln)を計算する(ステップS303)。
枠制御基板17は、算出した低ベース時のアウト球数rl=100であるか否かを判断する(ステップS304)。低ベース時のアウト球数rl=100である(ステップS304でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、低ベース時ベース値bl=100×sl/rlを計算して、RAMに記憶させる(ステップS305)。
高ベース状態(ステップS301でYES)と判断した場合、低ベース時のアウト球数rl=100でない(ステップS304でNO)と判断した場合、および、ステップS305の後、枠制御基板17は、高ベース時のアウト球数rh=ph+Σqhnを計算する(ステップS306)。さらに、枠制御基板17は、高ベース時セーフ球数sh=Σ(An×phn)を計算する(ステップS307)。
そして、枠制御基板17は、算出した高ベース時のアウト球数rh=100であるか否かを判断する(ステップS308)。高ベース時のアウト球数rh=100である(ステップS308でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、高ベース時ベース値bh=100×sh/rhを計算して、RAMに記憶させる(ステップS309)。
高ベース時のアウト球数rh=100でない(ステップS308でNO)と判断した場合、および、ステップS309の後、枠制御基板17は、発射球数r=100であるか否かを判断する(ステップS310)。発射球数r=100である(ステップS310でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、ベース値b=100×(sl+sh)/rを計算して、RAMに記憶させる(ステップS311)。
枠制御基板17は、ベース値bなどを計算した後、さらに遊技盤面判定関連処理を実行する(ステップS312)。なお、枠制御基板17は、遊技盤面判定関連処理を行わずに、計算したベース値bなどを性能表示モニタ40に表示するだけでもよい。
次に、主制御基板16から遊技盤26の機種に応じた設計値を取得する、または枠制御基板17に記憶してある設定値から、遊技盤26の機種に応じた設計値を選択して、枠制御基板17は、遊技盤面判定関連処理を行う。ここで、設定値には、低ベース時ベース下限値Bll、低ベース時ベース上限値Blu、高ベース時ベース下限値Bhl、高ベース時ベース上限値Bhuなどの値が含まれる。
図40は、遊技盤面判定関連処理を説明するためのフローチャートである。図40を参照して、枠制御基板17は、判定値算出対象外期間であるか否かを判断する(ステップS381)。判定値算出対象外期間とは、ベース、役物比率および連続役物比率などの判定値の算出の対象から除外する期間のことであり、たとえば、ガラス扉6や遊技機枠5が開放中である期間、遊技球の非発射期間(たとえば、最後に遊技球を発射してから15秒経過後の期間)、および、遊技場の閉店中の期間などの、店員等による不正が可能な期間である。判定値算出対象外期間である(ステップS381でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、この遊技盤面判定関連処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
判定値算出対象外期間でない(ステップS381でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、図38および図39で取得した情報に基づき、低ベース時ベース下限値Bll<低ベース時ベース値bl<低ベース時ベース上限値Bluであるか否かを判断する(ステップS382)。Bll<Bl<Bluでない(ステップS382でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、CU3を介して遊技機管理サーバに低ベース時ベース異常情報を出力する(ステップS383)。
Bll<Bl<Bluである(ステップS382でYES)と判断した場合、および、ステップS383の後、枠制御基板17は、pl,qlnを0にリセットする(ステップS384)。
次に、枠制御基板17は、図38および図39で取得した情報に基づき、高ベース時ベース下限値Bhl<高ベース時ベース値bh<高ベース時ベース上限値Bhuであるか否かを判断する(ステップS385)。Bhl<Bh<Bhuでない(ステップS155でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、CU3を介して遊技機管理サーバに高ベース時ベース異常情報を出力する(ステップS386)。なお、遊技盤面判定関連処理において、ステップS382やステップS385でのベース異常の判定処理、およびステップS383やステップS386でのベース異常情報の出力処理については処理を省略してもよい。
Bhl<Bh<Bhuである(ステップS385でYES)と判断した場合、および、ステップS386の後、枠制御基板17は、ph,qhnを0にリセットする(ステップS387)。
次に、枠制御基板17は、役物無しの入賞口(ここでは、第1入賞口〜第4入賞口,第6入賞口)の賞球数sn=Σ(An×qn)を計算し(ステップS388)、役物有りの入賞口(ここでは、第5入賞口)の賞球数ss=As×qsを計算し(ステップS389)、大入賞口271の賞球数sb=Ab×qbを計算する(ステップS390)。
次に、枠制御基板17は、役物比率u=100×(ss+sb)/(sn+ss+sb)を計算して、RAMに記憶させ(ステップS391)、連続役物比率v=100×sb/(sn+ss+sb)を計算して、RAMに記憶させる(ステップS392)。
次に、発射球数r=60000であるか否かを判断する(ステップS393)。本実施の形態のP台2は、1分で100玉の遊技球を遊技領域27に発射することが可能である。このため、60000玉は、10時間で発射可能な玉数である。発射球数r=60000である(ステップS393でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、遊技球数表示器29の7セグメント式のLEDディスプレイに、ステップS164で計算した大入賞口271の賞球数などの情報を点灯して表示する(ステップS394)。
発射球数r=60000でない(ステップS167でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、遊技球数表示器29の7セグメント式のLEDディスプレイに、ステップS390で計算した大入賞口271の賞球数などの情報を点滅して表示する(ステップS395)。
そして、枠制御基板17は、役物比率u>70%であるか否かを判断する(ステップS396)。u>70%である(ステップS396でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、CU3を介して遊技機管理サーバに役物比率異常情報を出力する(ステップS397)。
役物比率u>70%でない(ステップS396でNO)と判断した場合、および、ステップS397の後、枠制御基板17は、連続役物比率v>60%であるか否かを判断する(ステップS398)。v>60%である(ステップS398でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、CU3を介して遊技機管理サーバに連続役物比率異常情報を出力する(ステップS399)。
連続役物比率v>60%でない(ステップS398でNO)と判断した場合、および、ステップS399の後、枠制御基板17は、この遊技盤面判定関連処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
なお、遊技盤面判定関連処理では、低ベース時の入賞口ごとのベース値blnや、高ベース時の入賞口ごとのベース値bhnを求めて、入賞口ごとに判定を行ってもよい。
図41は、ベース値の算出および表示の状況を説明するための図である。図41を参照して、入賞口種別と入賞口番号と賞球玉数と入賞個数とを特定可能な遊技情報が、主制御基板16から受信されると、図38のステップS302からステップS311で示したように演算を行い、加算エリアに記憶されている低ベース時セーフ球数sl,高ベース時セーフ球数sh,発射球数r=(rl+rh)に加算する。
発射球数rが6000玉に達するごとに、加算エリアに記憶されている低ベース時セーフ球数sl,高ベース時セーフ球数sh,発射球数r=(rl+rh)が保持エリアに移動される。この移動前に、最も古い保持エリア10の低ベース時セーフ球数sl10,高ベース時セーフ球数sh10,発射球数r10=(rl10+rh10)が消去され、保持エリア1から保持エリア9の低ベース時セーフ球数sl1,高ベース時セーフ球数sh1,発射球数r1=(rl1+rh1)が、それぞれ、保持エリア2から保持エリア10にシフト記憶される。
そして、表示処理が行なわれると、ベース値が計算され、7セグメント式の性能表示モニタ40に表示される。
なお、性能表示モニタ40には、ベース値が表示されないときは、特に何も表示されないようにしてもよいし、役物比率や連続役物比率、発射球数rを表示させるようにしてもよい。
<性能表示モニタでの表示>
次に、性能表示モニタ40での表示ついて説明する。図42は、性能情報に関する説明図である。図43は、総アウト個数(総発射個数)に応じた区間(集計区間,評価区間)を説明図である。P台2では、性能情報として、リアルタイムベース値と前回累計ベース値とを表示可能である。項目番号「bL」のリアルタイムベース値は、通常状態における、アウト60000個毎のベース値(計測中のリアルタイム値)である。より詳細には、リアルタイムベース値は、通常状態において使用(発射)した遊技球数であって60000個に至るまでの(0〜59999個)、計測中の遊技球数に対する、賞球数の割合(%)を示す値である。項目番号「b6」の前回累計ベース値は、通常状態における、アウト60000個毎のベース値(前回計測した累計値)である。より詳細には、前回累計ベース値は、通常状態において使用(発射)した遊技球数であって前回の計測した60000個の遊技球数に対する、賞球数の割合(%)を示す値である。ここで、性能表示において、確変状態、時短状態、ラウンド遊技中状態の何れでもない状態を通常状態という。
性能表示で性能表示モニタ40に表示されるベース値は、通常状態におけるベース値であり、図38で示した低ベース時ベース値blに対応し、低確率時かつ時短無し状態のベース値である。具体的には、当該ベース値は、発射球数(60000個)に対する、全入賞口による賞球数の割合(%)である。つまり、P台2では、通常状態であるときに集計した値を用いてリアルタイムベース値や前回累計ベース値を算出、表示する。
P台2では、枠制御基板17に設けられた性能表示モニタ40に、リアルタイムベース値を表示する態様と、前回累計ベース値を表示する態様とに分けて表示する。具体的に、P台2は、リアルタイムベース値を表示する場合には、全4桁のうち上位2桁にリアルタイムベース値である旨を示す「bL.」を表示(点滅又は点灯)するとともに、全4桁のうち下位2桁に「00」〜「99」の範囲の数字(%)又は「−−」を表示(点灯)する。なお、全4桁のうち下位2桁が本来のリアルタイムベース値であるが、上位2桁を含む全4桁の表示を以ってリアルタイムベース値の表示という場合もある。また、P台2は、前回累計ベース値を表示する場合には、全4桁のうち上位2桁に前回累計ベース値である旨を示す「b6.」を表示(点滅又は点灯)するとともに、全4桁のうち下位2桁に「00」〜「99」の範囲の数字(%)又は「−−」を表示(点灯)する。なお、全4桁のうち下位2桁が本来の前回累計ベース値であるが、上位2桁を含む全4桁の表示を以って前回累計ベース値の表示という場合もある。
図43には、総アウト個数(総発射個数)に応じた区間(集計区間,評価区間)を示している。「工場出荷テスト区間」は、総アウト個数300個未満の区間である。「1回目の区間」は、総アウト個数60000個(0〜59999個)毎に管理される夫々の区間のうちの1回目の区間である。「2回目の区間」は、上記夫々の区間のうちの2回目の区間である。「n回目の区間」は、上記夫々の区間のうちのn回目の区間である。図43において、n+1区間以降の区間については省略している。
図42には、各区間(及び区間内の個数)に応じた性能情報の表示態様を示している。図42(A)〜図42(E)の夫々において、左側はリアルタイムベース値の表示態様、右側は前回累計ベース値の表示態様、中央の両方向きの矢印はリアルタイムベース値と前回累計ベース値が切り替わる旨を示している。
図42(A)は、図43に示した工場出荷テスト区間において表示される性能情報の表示態様を示している。工場出荷テスト区間においては、図42(A)に示すように、上位2桁が「bL.(点滅)」であって下位2桁が「−−(点灯)」であるリアルタイムベース値と、上位2桁が「b6.(点滅)」であって下位2桁が「−−(点灯)」である前回累計ベース値とが、5秒毎に交互に表示される。なお、図42(A)の左側の上位2桁「bL.」の部分、及び、右側の上位2桁「b6.」の部分に図示した放射線状の強調表示は、当該表示が点滅している旨を示している。図42(B)、図42(C)、図42(D)においても同様である。
図42(B)は、図43に示した1回目の区間のうち総アウト個数が0〜5999個までであるときにおいて表示される性能情報の表示態様を示している。1回目の区間のうち総アウト個数が0〜5999個までであるときにおいては、図42(B)に示すように、上位2桁が「bL.(点滅)」であって下位2桁が数値(%)の点灯(図42(B)の例では「32(点灯)」)であるリアルタイムベース値と、上位2桁が「b6.(点滅)」であって下位2桁が「−−(点灯)」である前回累計ベース値とが、5秒毎に交互に表示される。
図42(C)は、図43に示した1回目の区間のうち総アウト個数が6000〜59999個までであるときにおいて表示される性能情報の表示態様を示している。1回目の区間のうち総アウト個数が6000〜59999個までであるときにおいては、図42(C)に示すように、上位2桁が「bL.(点灯)」であって下位2桁が数値(%)の点灯(図42(C)の例では「33(点灯)」)であるリアルタイムベース値と、上位2桁が「b6.(点滅)」であって下位2桁が「−−(点灯)」である前回累計ベース値とが、5秒毎に交互に表示される。
図42(D)は、図43に示した2回目以降の区間のうち総アウト個数が0〜5999個までであるときにおいて表示される性能情報の表示態様を示している。2回目以降の区間のうち総アウト個数が0〜5999個までであるときにおいては、図42(D)に示すように、上位2桁が「bL.(点滅)」であって下位2桁が数値(%)の点灯(図42(D)の例では「34(点灯)」)であるリアルタイムベース値と、上位2桁が「b6.(点灯)」であって下位2桁が数値(%)の点灯(図42(D)の例では「33(点灯)」)である前回累計ベース値とが、5秒毎に交互に表示される。
図42(E)は、図43に示した2回目以降の区間のうち総アウト個数が6000〜59999個までであるときにおいて表示される性能情報の表示態様を示している。2回目以降の区間のうち総アウト個数が6000〜59999個までであるときにおいては、図42(E)に示すように、上位2桁が「bL.(点灯)」であって下位2桁が数値(%)の点灯(図42(E)の例では「34(点灯)」)であるリアルタイムベース値と、上位2桁が「b6.(点灯)」であって下位2桁が数値(%)の点灯(図42(E)の例では「33(点灯)」)である前回累計ベース値とが、5秒毎に交互に表示される。
<性能項目>
次に、P台2で集計している性能項目について説明する。図44は、集計している性能項目の一覧表である。なお、表中の「作動口」とは、役物が作動する始動口のことであり、たとえば2種タイプのおとしなどである。図44に示すように、総発射遊技球数、総獲得遊技球数などの性能項目は、主制御基板16から図30に示す遊技機情報通知のコマンドで枠制御基板17に送信された情報に基づいて、枠制御基板17で集計されている。また、普通電動役物による獲得遊技球数や役物比率などの性能項目は、主制御基板16で収集された情報に基づき、枠制御基板17で集計している。なお、主制御基板16で収集された情報は、図30に示す遊技機情報通知のコマンドで枠制御基板17に送信される。
ここで、役物比率(役比ともいう)とは、10時間に発射させた遊技玉により獲得する遊技玉のうち役物の作動によるものの割合をいう。遊技機の認定および型式の認定等に関する規則において、役物比率は70%以下でなければならないことが定められている。本実施の形態においては、役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100玉発射可能であるので、60,000玉)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである電動チューリップで構成される始動入賞口276、および、役物の1つである可変入賞球装置で構成される大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。
連続役物比率(連比ともいう)とは、10時間に発射させた遊技玉により獲得する遊技玉の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるものの割合をいう。遊技機の認定および型式の認定等に関する規則において、連続役物比率は60%以下でなければならないことが定められている。本実施の形態においては、連続役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100玉発射可能であるので、60,000玉)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである可変入賞球装置が設けられた大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。
性能項目の集計は、図38〜図40で示す計算上必要な情報と計算方法に基づいて行われる。たとえば、総発射遊技球数は、発射球数を累積することで集計することができる。また、役物比率は、賞球数、役物動作賞球数を用いてそれぞれの累積値を求め、役物動作賞球数の累積値を賞球数の累積値で割った値を100倍することで集計することができる。
性能項目の出力は、CU3へ出力したり、枠制御基板17の性能表示モニタ40や遊技球数表示器29などで表示したり、CU3の表示器312で表示したりすることが可能である。たとえば、総発射遊技球数、総獲得遊技球数などの性能項目は、CU3へ出力し、枠制御基板17の表示器で表示し、CU3の表示器312でも表示する。普通電動役物による獲得遊技球数や役物比率などの性能項目は、CU3へ出力せず、枠制御基板17の表示器に表示せず、CU3の表示器312にも表示しない。なお、枠制御基板17やCU3の表示器での表示方法は、(1)発射開始時より情報を累積する、(2)総発射遊技球数が60,000発未満までは点滅表示、(3)総発射遊技球数が60,000発以上になると点灯表示に切替え、以降は情報を累積して表示する。枠制御基板17やCU3の表示器での表示切替方法は、(1)遊技球クリアスイッチ押下で表示項目選択(たとえば、表示番号で選択)、(2)球抜きスイッチで表示項目を確定して表示する。
<パチンコ遊技機>
これまで説明した性能表示に関する構成は、封入循環式パチンコ遊技機であるP台2であることを前提に説明したが、遊技球を封入循環させないパチンコ遊技機に対しても同様に適用することができる。図45は、パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
図45に示すパチンコ遊技機には、例えば、主基板P11、演出制御基板P12、音声制御基板P13、ランプ制御基板P14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機には、主基板P11と演出制御基板P12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板P15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機における遊技盤などの背面には、例えば電源基板、情報端子基板、発射制御基板、インターフェイス基板などといった、各種の基板が配置されている。電源基板は、主基板P11、演出制御基板P12等の各基板に対する電力供給を行う基板である。電源基板は、主基板P11、演出制御基板P12のほか、音声制御基板P13、ランプ制御基板P14、中継基板P15等の他の基板にも接続されて電力供給を行っている。電源基板には、電源スイッチが設けられており、電源スイッチをONにすることで電源が投入されて電源基板から各基板に対する電力供給が開始される。また、電源スイッチをOFFにすることで、各基板に対する電力供給が停止される。また、主基板P11は、払出制御基板を備えている。なお、払出制御基板は、主基板P11とは別個に設けられていてもよい。払出制御基板は、賞球の払出を制御する基板であり、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御基板は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信(主基板P11から制御信号として伝送される。)に応じて、球払出装置(図示せず)などから構成される払出機構(賞球を払い出す機構)を駆動して、賞球の払い出しを実行する。
主基板P11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板P11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板P12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板P11は、第1特別図柄表示装置P4Aと第2特別図柄表示装置P4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器P20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器P20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板P11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータP100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータP100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータP100からのソレノイド駆動信号をソレノイドP81、P82に伝送するソレノイド回路P111などが搭載されている。
また、スイッチ回路110は、ゲートスイッチP21、第1始動口スイッチP22A、第2始動口スイッチP22B、カウントスイッチP23からの信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータP100に伝送する。
主基板P11は、性能表示を行うための表示モニタP29、および性能表示の情報を外部(例えば、ホールコンなど)に出力するための外部出力端子P40が接続されている。表示モニタP29は、主基板P11を視認する際の正面となる位置に配置され、7つのセグメントによって構成される7セグメントが4桁設けられている。外部出力端子P40は、遊技枠の外部端子板に設けられ、外部(例えば、ホールコンなど)シリアル通信を行うことができる。
演出制御基板P12は、主基板P11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板P15を介して主基板P11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置P5、スピーカP8L、P8R及び遊技効果ランプP9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板P12は、演出表示装置P5における表示動作や、スピーカP8L、P8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプP9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板P13は、演出制御基板P12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板P12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカP8L、P8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板P14は、演出制御基板P12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板P12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプP9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
主基板P11には、ゲートスイッチP21、第1始動口スイッチP22A、第2始動口スイッチP22B、カウントスイッチP23、アウト球検出スイッチP710からの検出信号を伝送する配線が接続されている。
なお、ゲートスイッチP21、第1始動口スイッチP22A、第2始動口スイッチP22B、カウントスイッチP23、アウト球検出スイッチP710は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板P11には、第1特別図柄表示装置P4A、第2特別図柄表示装置P4B、普通図柄表示器P20、第1保留表示器P25A、第2保留表示器P25B、普図保留表示器P25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板P11から演出制御基板P12に向けて伝送される制御信号は、中継基板P15によって中継される。主基板P11には、例えば中継基板P15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータP100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板P11から中継基板P15を介して演出制御基板P12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板P15から主基板P11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板P12や中継基板P15の側から主基板P11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板P15には、例えば主基板P11から演出制御基板P12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板P11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板P12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板P12から中継基板P15への信号の入力を阻止して、主基板P11から演出制御基板P12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板P12の側から主基板P11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板P15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板P11にて遊技制御用マイクロコンピュータP100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板P11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板P15を介して主基板P11から演出制御基板P12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置P5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカP8L、P8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプP9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
そのような演出制御コマンドには、例えば、遊技状態(通常状態、確変状態、又は時短状態)を指定する遊技状態指定コマンド、特図ゲームにおける変動開始を指定する変動開始コマンド、特図ゲームにおける特別図柄の変動時間や演出表示装置P5における飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド、演出表示装置P5における飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンド、大当り遊技状態の開始や終了を指定する大当り開始指定コマンド、大当り終了指定コマンド、第1始動入賞口または第2始動入賞口に遊技球が入賞したときに出力される始動入賞コマンド、一般入賞口に遊技球が入賞したときに出力される一般入賞口指定コマンド、大入賞口に遊技球が入賞したときに出力される大入賞口入賞コマンド等が含まれる。
<パチンコ遊技機の性能表示演算処理>
封入循環式パチンコ遊技機であるP台2では、枠制御基板17でベース値などの性能表示の演算を行って、CU3の外部出力端子340を介して外部に出力していた。しかし、封入循環させないパチンコ遊技機では、主基板P11に、性能表示を行うための表示モニタP29、および外部出力端子P40が接続されているため、主基板P11でベース値などの性能表示の演算を行っている。以下、主基板P11での性能表示演算について説明する。
図46は、主基板P11のCPU(P103)が行うタイマ割込み処理(遊技制御用タイマ割込み処理)の一例を示すフローチャートである。図46に示す遊技制御用タイマ割込み処理において、CPU(P103)は、まず、エラー検出処理を実行し(ステップS10)、エラー(異常)を検出した場合にはエラーを報知する(ステップS11)。ステップS10,S11の処理では、CPU(P103)は、例えば、アウト球検出スイッチP710から出力される信号を監視し、アウト球検出スイッチP710から出力される信号の受信異常を検出し(ステップS10)、受信異常が検出された場合には表示モニタ1130等において報知する(ステップS11)。
ステップS11に続いて、CPU(P103)は、乱数更新処理を実行する(ステップS12)。ステップS12の乱数更新処理では、CPU(P103)は、例えば、主基板P11の側で用いられる遊技用乱数(例えば、大当り判定用乱数、大当り種別判定用乱数、変動パターン判定用乱数等)を更新する。ステップS12に続いて、CPU(P103)は、特図処理(特別図柄プロセス処理)を実行する(ステップS13)。
ステップS13に続いて、CPU(P103)は、性能情報更新処理を実行する(ステップS14)。性能情報更新処理の詳細は後述するように、図38の性能表示演算処理に相当する。続いて、CPU(P103)は、性能情報表示処理を実行する(ステップS15)。ステップS15の性能情報表示処理では、CPU(P103)は、例えば、性能情報更新処理(ステップS14)において更新した性能情報を表示モニタP29において図42に示すように表示する。
ステップS15に続いて、CPU(P103)は、性能表示外部出力処理を実行する(ステップS15A)。性能表示外部出力処理の詳細は後述する。ステップS15Aに続いて、CPU(P103)は、賞球処理を実行する(ステップS16)。ステップS16の賞球処理では、CPU(P103)は、例えば、各種スイッチの検出信号に基づいて賞球個数を算出し、算出した個数の遊技球の払出しが行われるように払出機構を制御する。ステップS16に続いて、CPU(P103)は、普図処理(普通図柄プロセス処理)を実行する(ステップS17)。ステップS17の普図処理では、CPU(P103)は、例えば、普通図柄表示器P20における普通図柄の可変表示や、普通可変入賞球装置における可動翼片の動作を制御する。ステップS17に続いて、CPU(P103)は、情報出力処理を実行する(ステップS18)。ステップS18の情報出力処理では、CPU(P103)は、例えば、情報表示装置(例えば、パチンコ遊技機の側方に設けられるカードユニットの表示装置、パチンコ遊技機の上方に設けられる呼出ランプ装置等)や情報管理装置(ホールコンピュータ等)に、大当り情報、始動情報、確率変動情報、異常情報等の種々の情報を出力する。そして、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
なお、図46に示したステップS10〜S18の処理は、遊技制御用タイマ割込み処理において実行される処理の一部を説明したものであり、CPU(P103)は、遊技制御用タイマ割込み処理においてステップS10〜S18以外の処理(例えば、各種スイッチから入力される検出信号の状態を入力(判定)するスイッチ処理や、主基板P11側から演出制御基板P12側に演出制御コマンドを伝送する処理等)を実行可能である。
また、図46に示した遊技制御用タイマ割込み処理のステップS10〜S18の各処理の実行順序は一例である。従って、例えば、CPU(P103)は、情報出力処理を乱数更新処理よりも先に実行してもよいし、特図処理の直後に普図処理を実行してもよい。
また、エラー検出処理(ステップS10)、エラー報知処理(ステップS11)等の各処理の括り(各処理の単位)は一例である。従って、例えば、CPU(P103)は、エラー報知処理(ステップS11)と性能情報表示処理(ステップS15)とを1つの処理として実行してもよい。さらに、CPU(P103)は、性能表示外部出力処理(ステップS15A)と、情報出力処理(ステップS18)とを1つの処理として実行してもよい。
また、図46に示す処理では、性能情報を表示する場合における遊技制御用タイマ割込み処理であるが、連比、役比を表示する場合の遊技制御用タイマ割込み処理も同様である。つまり、図46の性能情報更新処理(ステップS14)を連比、役比を更新する処理とし、性能情報表示処理(ステップS15)を連比、役比を表示する処理とすればよい。
図47は、図46に示した遊技制御用タイマ割込み処理において実行される性能情報更新処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。CPU(P103)は、まず、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20にて確変フラグがオンでなければ(ステップS20;NO)、CPU(P103)は、時短フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS21)。
ステップS21にて時短フラグがオンでなければ(ステップS21;NO)、CPU(P103)は、ラウンド遊技中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS22)。なお、大当り遊技状態の開始時の場合、ラウンド遊技中フラグは、設定した状態変更切替待ち時間(時間T2)の経過後においてオフ状態→オン状態となるため、ステップS22の処理は、大当り遊技状態の開始時において、状態変更切替待ち時間(時間T2)の経過後であるか否かを判定しているとも言える。
ステップS22にてラウンド遊技中フラグがオンでなければ(ステップS22;NO)、即ち、状態変更切替待ち時間(時間T2)の経過前であれば、CPU(P103)は、賞球数や打込玉数を加算し、性能情報であるベース値を算出する(ステップS23)。ステップS23の処理では、CPU(P103)は、例えば、各種入賞口の各種スイッチの検出結果(検出信号)から特定される入賞口に応じた賞球数を加算し、アウト球検出スイッチP710の検出結果(検出信号)に基づいて打込玉数を加算し、その後、リアルタイムベース値と前回累計ベース値とを算出するそして、性能情報更新処理(ステップS14)を終了する。
一方、ステップS20にて確変フラグがオン(ステップS20;YES)、又は、ステップS21にて時短フラグがオン(ステップS21;YES)、又は、ステップS22にてラウンド遊技中フラグがオンであれば(ステップS22;YES)、ステップS23の処理を行わずに、性能情報更新処理(ステップS14)を終了する。
図48は、図46に示した遊技制御用タイマ割込み処理において実行される性能表示外部出力処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。CPU(P103)は、まず、CPU(P103)は、性能情報更新処理で算出した性能情報を出力するタイミングとして、電源投入時か(ステップS501)、大当り発生時か(ステップS502)、アウト球数が60000球に達したか(ステップS503)のいずれかの条件が満たされたかを判断する。
CPU(P103)は、電源投入時(ステップS501;YES)、大当り発生時(ステップS502;YES)、アウト球数が60000球に達した(ステップS503;YES)のいずれかの場合に、性能情報更新処理で算出した性能情報を取得する(ステップS504)。CPU(P103)は、ROM(P101)に記憶してある機種名およびメインチップIDを取得する(ステップS504)。CPU(P103)は、電源投入時でない(ステップS501;NO)、かつ大当り発生時でない(ステップS502;NO)、かつアウト球数が60000球に達していない(ステップS503;YES)場合、性能表示外部出力処理を終了する。
CPU(P103)は、ステップS503で取得した性能情報、およびステップS504で取得した機種名およびメインチップIDを特定可能なシリアル信号にシリアル変換して外部出力端子P40から出力する(ステップS504)。
CPU(P103)が、性能情報を特定するためのシリアル信号に変換し、外部出力端子P40から当該シリアル信号を出力する構成について説明する。図49は、外部出力端子P40から出力する性能情報を特定するためのシリアル信号の構成を説明するための図である。図49(a)は、外部出力端子P40から出力するシリアル信号のデータの構成を示す図であり、図49(b)は、外部出力端子P40から出力するシリアル信号の出力構成を示す図である。
図49(a)に示すように、外部出力端子P40から出力するシリアル信号は、パチンコ遊技機の機種名を示す3バイトの「機種名」、パチンコ遊技機の主基板P11に搭載されたメインチップIDの固有番号である4バイトの「メインチップID」、出力する性能情報のデータである32バイトの「データ」の順で構成される。すなわち、外部出力端子P40から出力するシリアル信号は、39バイトのシリアルデータで構成され、先頭バイトから「機種名」、「メインチップID」、「データ」の順で送信されることになる。
そして、3バイトの「機種名」および4バイトの「メインチップID」については、アスキーデータとなっており、「機種名」および「メインチップID」を入力したホールコン(管理装置)は、所定の表示装置に「機種名」および「メインチップID」を直接的に表示できるようになっている。「機種名」の情報は、「第1固有番号」の情報とは異なり、ROM(P101)の所定の記憶領域に予め記憶されている。なお、パチンコ遊技機の製造会社名を示す3バイトの「メーカ名」を、外部出力端子P40から出力するシリアル信号に含めてもよい。
図49(b)に示すように、外部出力端子P40は、1バイトのシリアル信号の先頭ビット(BIT0)の直前にスタートビットを付加し、1バイトのシリアル信号の最終ビット(BIT7)の直後にエラー判定用のパリティビットを付加し、最後にストップビットを付加して、シリアル信号を順次出力する。従って、ホールコン(管理装置)に出力するシリアル信号は、調歩同期式シリアル通信により出力されることになる。また、1バイト分のシリアル信号を出力するにあたっては、スタートビット、パリティビット、ストップビットの3ビットが付加され、合計11ビットの情報が出力されることになる。
本実施の形態では、1バイト分のシリアル信号にスタートビット、パリティビット、ストップビットの3ビットが付加した情報量の単位を「1フレーム」という。すなわち、39バイトのシリアル信号は、39フレームのシリアル信号といえる。
外部出力端子P40から出力するシリアル信号の通信仕様は、例えば、ボーレート(通信速度)を200bpsと設定する。このように設定すると、1ビットの出力完了時間が5msとなる。1フレームの出力完了時間は55ms(=5ms×11bit)となり、1つのシリアル信号(39フレーム)の出力完了時間は2145ms(=55ms×39フレーム)となる。すなわち、外部出力端子P40から出力するシリアル信号の出力完了時間は、約2秒程度かかる。
外部出力端子P40は、ホールコン(管理装置)とパチンコ遊技機とを絶縁させたまま、パチンコ遊技機が出力したシリアル信号を、ホールコン(管理装置)に入力させるために、例えばフォトカプラ、リレー、フォトモスなどの伝達素子が設けられている。伝達素子の仕様(データのONとOFFの最小時間)を考慮してシリアルデータの通信仕様を決定する必要がある。
外部出力端子P40の端子構成について説明する。図50は、外部出力端子P40の端子構成を説明するための図である。端子番号(1)は、端子色が白色で、賞球の情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(1)では、賞球10個毎に0.1秒ON後0.1秒0FFとなるパルス信号が出力される。端子番号(2)は、端子色が緑色で、扉・枠開放(開放時ON)の情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(2)では、遊技機のガラス扉および遊技機枠が開放中にONとなる信号が出力される。端子番号(3)は、端子色が灰色で、全図柄確定回数の情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(3)では、特別図柄の停止毎に0.5秒ONとなるパルス信号が出力される。端子番号(4)は、端子色が黄色で、全始動口の情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(4)では、始動入賞口への入賞毎に0.1秒ON後0.1秒OFFとなるパルス信号が出力される。
端子番号(5)は、端子色が黒色で、大当り1の情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(5)では、大当り中ONとなる信号が出力される。端子番号(6)は、端子色が桃色で、大当り2の情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(6)では、大当り中および高ベース中ONとなる信号が出力される。端子番号(7)は、端子色が青色で、アウト球の情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(7)では、アウト球10個毎に0.1秒ON後0.1秒0FFとなるパルス信号が出力される。なお、アウト球の検出は、図45に示すアウト球検出スイッチP710で行い、P11がアウト球10個毎にパルス信号を外部出力端子P40の端子番号(7)から出力する。
端子番号(8)は、端子色が赤色で、性能情報の情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(8)では、性能情報更新処理(図47;ステップS14)算出したベース値に対応した信号が出力される。端子番号(9)は、端子色が橙色で、入賞の情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(9)では、全ての入賞口入賞時、賞球10個毎に0.1秒ON後0.1秒0FFとなるパルス信号が出力される。端子番号(10)は、端子色が水色で、セキュリティの情報を出力する端子である。具体的に、端子番号(10)では、例えば電源投入時にONとなる信号を30秒間出力される(但し、バックアップクリアする時のみ)。また、端子番号(10)では、例えば不正行為(異常入賞、スイッチ異常)を検出した時にONとなる信号を4分間出力したり、遊技停止対象エラー(磁気)を検出した時にONとなる信号を、電源オフまでおよび電源再投入後(エラー解除後)に4分間出力したりする。
外部出力端子P40では、ベース値などの性能情報を出力する端子番号(8)と、セキュリティ信号を出力する端子番号(10)とが異なる端子となっている。
このように、遊技球が通過することによって遊技価値を付与するための複数の入賞口が設けられたパチンコ遊技機において、表示モニタP29と、付与された遊技価値(例えば、賞球など)に関する性能情報(所定情報)を算出し、当該性能情報を表示モニタP29に表示するための表示制御を実行可能な主基板P11と、外部へ信号出力可能な外部出力端子P40とを備えている。主基板P11は、性能情報を特定するためのシリアル信号(特定信号)を外部出力端子P40から出力可能である。これにより、遊技機において表示される性能情報(例えば、ベース値など)を特定可能にホールコン(管理装置)やデータランプ等の遊技機の外部へ出力できる。
主基板P11は、遊技球の発射数に対応する所定条件が成立する(例えば、電源投入時(ステップS501;YES)、大当り発生時(ステップS502;YES)、アウト球数が60000球に達した(ステップS503;YES)のいずれかの場合)毎に、外部出力端子P40からシリアル信号をホールコン(管理装置)やデータランプ等の遊技機の外部へ出力可能である。これにより、所定条件が成立する毎に性能情報(例えば、ベース値など)を外部に通知でき、遊技機における遊技価値の付与に関する性能の変化を外部で随時把握することができる。
外部出力端子P40は、シリアル信号を出力するための端子番号(8)(特定端子)を含む複数の端子を有している。主基板P11は、異常検知(エラー検知)に応じて、外部出力端子P40の複数の端子のうち端子番号(8)とは異なる端子番号(10)からセキュリティ信号を出力可能である。これにより、遊技機の異常の発生と所定情報とを区別して外部に通知することができる。
CPU(P103)は、遊技機を識別するための識別情報(例えば、「機種名」および「メインチップID」)を性能情報(例えば、ベース値など)とともに外部に出力可能である。これにより、遊技機の外部のホールコン(管理装置)において、識別情報と性能情報とを対応付けて管理可能となるため、ホールコン(管理装置)においてより適切に管理できる。また、外部出力端子P40では、ベース値などの性能情報を端子番号(8)から出力すると説明したが、設定変更モード、確認モードに制御可能な遊技機(設定値に応じて大当り抽選の大当り確率が変化する遊技機)において、設定変更モードまたは確認モードの終了後に、設定値に対応する信号(シリアル信号)を当該端子番号(8)から出力してもよい。もちろん、設定値に対応する信号(シリアル信号)を端子番号(8)以外の外部出力端子P40から出力してもよい。
なお、上記の例では、所定条件が成立する毎に性能情報(例えば、ベース値など)を主基板P11が外部に通知した。しかしながら、主基板P11において性能情報更新処理で算出した性能情報に基づいてベース異常判定(たとえば、低ベース状態におけるベース値が30未満の場合)を行い、ベース異常の場合に、外部にてベース異常が発生したことを特定可能な信号を出力してもよい。これにより、遊技機の外部のホールコン(管理装置)にて、ベース異常の発生を特定することができる。また、ベース異常を特定可能な信号を出力する構成では、遊技性能の収束を考慮して総アウト個数が6000個(1時間の遊技期間に相当)以上となったときに、ベース異常判定を行うこと、又はベース異常を特定可能な信号を出力することが好ましい。また、総アウト個数が所定個(例えば60000個)に到達する度に、ベース異常判定を行ってもよい。さらに、ベース異常を特定可能な信号については、外部出力端子P40のうちの端子番号(8)の端子、端子番号(10)の端子、又は他の端子から出力してもよい。
なお、図1に示すような封入循環式パチンコ遊技機であるP台2であっても、付与された遊技価値に関する性能情報(所定情報)を算出し、当該性能情報を性能表示モニタ40に表示するための表示制御を実行可能な枠制御基板17と、外部へ信号出力可能な出力端子(CU3との接続端子)とを備えている。枠制御基板17は、性能情報を特定するためのシリアル信号(図5;ホールコン信号)を、CU3に出力可能である。CU3は、外部出力端子340からホールコン(管理装置)に出力可能である。
外部出力端子340(図4参照)は、シリアル端子と図50に示すパラレル端子との両方を備えていてもよい。これにより、CU3は、パラレル端子しか備えていない従来のホールコンに対しても接続することが可能となる。なお、外部出力端子340の端子構成を、図50に示した構成とした場合、外部出力端子340でも、ベース値などの性能情報を出力する端子番号(8)と、セキュリティ信号を出力する端子番号(10)とが異なる端子となっている。また、図示していないが、P台2とCU3とを繋ぐ端子においても、性能情報を出力する端子と、セキュリティ信号を出力する端子とが異なる端子となるように構成してもよい。
また、図1に示すような封入循環式パチンコ遊技機であるP台2であっても、枠制御基板17が、遊技球の発射数に対応する所定条件が成立する(例えば、電源投入時、大当り発生時、アウト球数が60000球に達した)毎に、外部出力端子340からシリアル信号をホールコン(管理装置)やデータランプ等の遊技機の外部へ出力可能である。これにより、所定条件が成立する毎に性能情報(例えば、ベース値など)を外部に通知でき、遊技機における遊技価値の付与に関する性能の変化を外部で随時把握することができる。
さらに、図1に示すような封入循環式パチンコ遊技機であるP台2であっても、枠制御基板17のCPUが、遊技機を識別するための識別情報(例えば、「機種名」および「メインチップID」)を性能情報(例えば、ベース値など)とともに外部に出力可能である。これにより、遊技機の外部のホールコン(管理装置)において、識別情報と性能情報とを対応付けて管理可能となるため、ホールコン(管理装置)においてより適切に管理できる。
<実施形態の構成>
(1) 遊技球が封入された封入式遊技機と、当該遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値を用いて遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(ユニット)とを備える遊技用システムが特許文献1(特開2013−042799号公報)に開示されている。特許文献1に開示された遊技用システムでは、遊技機で遊技をするための遊技球数などの情報を、遊技機と遊技用装置(ユニット)との間で、双方向で通信することで伝送している。しかし、特許文献1の遊技用システムでは、遊技機と遊技用装置(ユニット)との間でやり取りされる情報の伝送方式に、安定性や安全性の観点から改善する余地があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機と遊技用装置との間で通信される情報を、安定かつ安全に伝送できる遊技機および遊技用システムを提供することである。
(1−1) 遊技用装置(例えば、CU3)と通信可能な遊技機(例えば、P台2)であって、
前記遊技機で行われる遊技に関する遊技情報(例えば、遊技機情報に係る信号)を前記遊技用装置へ所定期間(例えば、規定期間A)ごとに送信する送信手段(例えば、CU3とP台2との通信を行う通信制御IC325)と、
前記送信手段が前記遊技情報を送信してから前記所定期間よりも短い特定期間(例えば、規定期間B又は規定期間C)に対応するタイミングで、遊技価値に関する特定情報(例えば、計数に係る信号又は貸出に係る信号)について前記遊技用装置との間で通信する通信手段(例えば、通信制御IC325)とを備える。
このような構成によれば、情報伝送の最適化を図ることができ、遊技情報と特定情報との送信タイミングを分けているため、情報の輻輳を回避することができる。
(1−2) 遊技用装置(例えば、CU3)と、前記遊技用装置と通信可能な遊技機(例えば、P台2)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機で行われる遊技に関する遊技情報(例えば、遊技機情報に係る信号)を前記遊技用装置へ所定期間(例えば、規定期間A)ごとに送信する送信手段(例えば、CU3とP台2との通信を行う通信制御IC325)と、
前記送信手段が前記遊技情報を送信してから前記所定期間よりも短い特定期間(例えば、規定期間B)に対応するタイミングで、遊技価値に関する特定情報(例えば、計数に係る信号)について前記遊技用装置との間で通信する通信手段(例えば、通信制御IC325)とを備える。
このような構成によれば、情報伝送の最適化を図ることができ、遊技情報と特定情報との送信タイミングを分けているため、情報の輻輳を回避することができる。
(1−3) 上記(1−1)の遊技機において、
前記通信手段は、
前記送信手段が前記遊技情報を送信してから前記特定期間(例えば、規定期間B)に対応するタイミングで、前記特定情報のうち前記遊技機において管理される遊技価値の大きさに関する計数情報(例えば、計数に係る信号)を前記遊技用装置へ送信可能であり、
前記送信手段が前記遊技情報を送信してから前記所定期間(例えば、規定期間A)内において、前記特定期間と異なる特別期間(例えば、規定期間C)に対応するタイミングで、前記特定情報のうち前記遊技機での遊技のために貸し出された遊技価値の大きさに関する貸出情報(例えば、貸出に係る信号)を前記遊技用装置と通信可能である。
このような構成によれば、遊技情報の受信から特別期間に対応するタイミングで遊技用装置から貸出情報が送信されるため、双方向通信におけるデータの衝突を回避でき、情報伝送の最適化を図ることができる。
(1−4) 上記(1−3)の遊技機において、
前記送信手段が前記遊技情報を送信する伝送路(例えば、非同期シリアル通信ポート)は、前記通信手段が前記計数情報および前記貸出情報を送信する伝送路と共通である(例えば、図6)。
このような構成によれば、伝送路を構成する配線の簡素化を図ることができるとともに、伝送路を共通化した構成において情報伝送の最適化を図ることができる。
(1−5) 上記(1−3)の遊技機において、
前記送信手段が前記遊技情報を送信する伝送路(例えば、非同期シリアル通信ポート)は、前記通信手段が前記計数情報を送信する伝送路と共通で、前記通信手段が前記貸出情報を送信する伝送路とは別である(例えば、図9)。
このような構成によれば、伝送路を構成する配線の簡素化を図ることができるとともに、伝送路を共通化した構成において情報伝送の最適化を図ることができる。
(1−6) 上記(1−3)の遊技機において、
前記送信手段が前記遊技情報を送信する伝送路(例えば、非同期シリアル通信ポート)は、前記通信手段が前記計数情報および前記貸出情報を送信する伝送路と別で、
前記通信手段が前記計数情報を送信する伝送路と、前記通信手段が前記貸出情報を送信する伝送路とは共通である(例えば、図11)。
このような構成によれば、伝送路を構成する配線の簡素化を図ることができるとともに、伝送路を共通化した構成において情報伝送の最適化を図ることができる。
(1−7) 上記(1−1)、(1−3)から(1−6)のいずれかの遊技機において、
前記送信手段は、電源投入後に設置情報(例えば、遊技機情報に係る信号のうち、遊技機設置情報)を前記遊技用装置に送信し、その後に前記遊技情報(例えば、遊技機情報に係る信号のうち、遊技機性能情報、ホールコン情報など)を前記遊技用装置へ前記所定期間ごとに送信する。
このような構成によれば、遊技機において、認証処理を経ることなく遊技情報を出力可能となるため、処理負担を軽減できる。
(1−8) 上記(1−1)、(1−3)から(1−7)のいずれかの遊技機において、
前記送信手段は、前記遊技用装置での前記遊技情報の受信状況に関わらず、前記所定期間ごとに前記遊技情報を前記遊技用装置に送信する(例えば、CU3での遊技情報の受信状況に関わらず、規定期間Aごとに遊技情報をCU3に送信する)。
このような構成によれば、遊技機において、遊技情報の再送処理が不要となり、過去の遊技機情報を記憶する必要がなくなり、処理負担を軽減できる。
(2) 遊技球が封入された封入式遊技機において、発射装置の前段の球送りきこうにおける球送り動作に伴う球検知に基づいて、遊技点(遊技球数)の減算を行う遊技機が特許文献2(特開2017−164318号公報)に開示されている。しかし、特許文献2の遊技機では、電磁的に管理している遊技点(遊技球数)の減算タイミングが、発射装置の実際の発射動作と対応しておらず不適切な処理となる虞があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、発射装置の発射動作と対応した適切な遊技点(遊技球数)の減算処理を行う遊技機および遊技枠を提供することである。
(2−1) 遊技点(例えば、遊技球数)に対応して遊技媒体を発射することにより遊技が可能な遊技機(例えば、P台2)であって、
遊技媒体を発射する発射装置(例えば、発射機構30)と、
前記発射装置に遊技媒体を搬送する搬送手段(例えば、減算ソレノイド32aや可動片45など)と、
前記発射装置における遊技媒体の発射動作に対応した特別信号(例えば、減算基準信号)を生成する信号生成手段(例えば、減算機構32)と、
遊技点を管理し、前記特別信号に基づいて前記搬送手段に遊技媒体の搬送動作を実行させるとともに、前記特別信号に基づいて遊技点を減算する制御手段(例えば、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理)とを備える。
このような構成によれば、特別信号に基づいて搬送手段が遊技媒体の搬送動作を行うことにより、遊技点を減算するので、発射装置の発射動作に対応して適切な遊技点の減算処理が実現できる。
(2−2) 遊技点(例えば、遊技球数)に対応して遊技媒体を発射することにより遊技が可能な遊技機(例えば、P台2)の遊技枠(例えば、遊技機枠5)であって、
遊技媒体を発射する発射装置(例えば、発射機構30)と、
前記発射装置に遊技媒体を搬送する搬送手段例えば、減算ソレノイド32aや可動片45など)と、
前記発射装置における遊技媒体の発射動作に対応した特別信号(例えば、減算基準信号)を生成する信号生成手段(例えば、減算機構32)と、
遊技点を管理し、前記特別信号に基づいて前記搬送手段に遊技媒体の搬送動作を実行させるとともに、前記特別信号に基づいて遊技点を減算する制御手段(例えば、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理)とを備える。
このような構成によれば、特別信号に基づいて搬送手段が遊技媒体の搬送動作を行うことにより、遊技点を減算するので、発射装置の発射動作に対応して適切な遊技点の減算処理が実現できる。
(2−3) 上記(2−1)の遊技機において、
前記発射装置の動作を制御する発射制御手段(例えば、発射制御基板31)と、
前記制御手段としての枠制御手段(例えば、枠制御基板17)とをさらに備え、
前記枠制御手段は、前記発射制御手段からの前記特別信号を受信したことに基づいて、管理している遊技点の減算処理を実行する(例えば、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことに基づいて、X個の遊技球数から1個減算してX−1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる)。
このような構成によれば、枠制御手段は、発射装置の発射動作に対応して適切な遊技点の減算処理が実現できる。
(2−4) 上記(2−3)の遊技機において、
前記枠制御手段は、前記発射制御手段からの前記特別信号を受信したことに基づいて、前記搬送手段による遊技媒体の搬送動作を実行させる(例えば、減算基準信号を受信したことに基づいて、減算ソレノイド32aを制御することで可動片45を駆動して遊技球pを搬送する。)。
このような構成によれば、枠制御手段は、発射装置の発射動作に対応して適切な遊技球の搬送を実現できる。
(2−5) 上記(2−3)または(2−4)の遊技機において、
前記搬送手段は、遊技媒体の進入を検知するための進入センサ(例えば、減算機構入口センサ32b)を含み、
前記枠制御手段は、前記発射制御手段から前記特別信号を受信した後、前記進入センサにて遊技媒体を検知したことに基づいて、管理している遊技点の減算処理を実行する(例えば、減算機構入口センサ32bがオン状態となり遊技球pを検知すると、X個の遊技球数から1個減算してX−1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる)。
このような構成によれば、枠制御手段は、発射装置の発射動作と搬送機構の動作とに対応した遊技点の減算処理が実現できる。
(2−6) 上記(2−3)〜(2−5)の遊技機において、
前記搬送手段は、遊技媒体の排出を検知するための排出センサ(例えば、減算機構出口センサ32c)を含み、
前記枠制御手段は、前記発射制御手段から前記特別信号を受信した後の所定期間内における前記排出センサの検知状態に基づいて、遊技媒体の搬送エラーを判定可能である(例えば、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cがオン状態となっている場合、球詰りが発生していると判断)。
このような構成によれば、球詰りが発生しているなどの搬送機構による動作の不具合を検知できる。
(2−7) 上記(2−3)〜(2−6)のいずれかの遊技機において、
前記枠制御手段は、遊技制御手段(例えば、主制御基板16)と通信可能であり、特別事象(例えば、エラー)が発生したことに基づいて、該特別事象の発生を知らせるための所定信号(例えば、エラー信号)を前記遊技制御手段に送信し、
前記遊技制御手段は、前記所定信号を受信したことに基づいて、発射停止処理を実行する(例えば、発射許可信号の出力を停止する)。
このような構成によれば、枠制御手段にて検出された特別事象の発生に対応して発射動作を停止できる。
(3) 遊技球が封入された封入式遊技機は、遊技盤と遊技機枠とで構成されており、遊技盤に主制御基板、遊技機枠側に枠制御基板を備えている。枠制御基板側で検知したエラーは遊技機枠側で報知する以外に、遊技盤側でも報知することが可能な遊技機が特許文献3(特開2017−158716号公報)に開示されている。しかし、枠制御基板側で検知したエラーを音声出力により報知することが可能な構成において、特許文献3の遊技機のように、検知したエラーを遊技機枠側で報知する以外に遊技盤側でも報知することが可能な場合、遊技機枠側で検知したエラーの報知と、遊技盤の主制御基板側で検知したエラーの報知とが重複してしまうことがあり、却ってエラーが認識困難になる可能性がある。さらに、共通の遊技機枠に異なるメーカーの遊技盤を搭載することを可能とする場合に、報知するエラーの優先度に定めがないと、あるメーカーの遊技盤を遊技機枠に搭載したときは枠制御基板側で検知したエラーが優先して報知され、別のメーカーの遊技盤を遊技機枠に搭載したときは主制御基板側で検知したエラーが優先して報知され統一したエラー報知を行うことができない。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機枠側と遊技盤側とでエラーの報知を行うことが可能であっても、エラーの報知が重複して行われることを回避し、統一したエラー報知を行うことができる遊技機および遊技枠を提供することである。
(3−1) 遊技盤(例えば、遊技盤26)と、前記遊技盤を取付け可能な遊技枠(例えば、遊技機枠5)とを備える遊技機(例えば、P台2)であって、
前記遊技盤は、
遊技の進行を制御する第1制御手段(例えば、主制御基板16)と、
第1音声出力手段(例えば、演出制御基板15により制御される音声出力(遊技盤側スピーカ270B))とを含み、
前記遊技枠は、
遊技価値に関する情報を管理する第2制御手段(例えば、枠制御基板17)と、
第2音声出力手段(例えば、枠側演出制御基板15Aにより制御される音声出力(遊技機枠側スピーカ270A))とを含み、
前記第1制御手段は、所定事象(例えば、主制御基板16で検知するエラー)の発生を検知可能であり、
前記第1制御手段によって前記所定事象が検知されたことに基づく所定報知(例えば、エラー報知)が前記第1音声出力手段にて行われ、
前記第2制御手段は、前記所定事象と異なる特定事象(例えば、枠制御基板17で検知するエラー)の発生を検知可能であり、
前記所定報知が前記第1音声出力手段にて行われていないときに、前記第2制御手段によって前記特定事象が検知されたことに基づく特定報知が前記第2音声出力手段にて行われ、
前記所定報知が前記第1音声出力手段にて行われているときに、前記特定報知が前記第2音声出力手段にて行なわれない(例えば、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、主制御基板16側でエラーの報知が行われていないときに、遊技球循環装置異常の報知が行われ、主制御基板16側でエラーの報知が行われているときに、遊技球循環装置異常の報知が行われない)。
このような構成によれば、遊技盤側と遊技機枠側との事象に基づく報知が重複することを回避し、統一したエラー報知を行うことができる。
(3−2) 遊技の進行を制御する第1制御手段(例えば、主制御基板16)と、第1音声出力手段(例えば、演出制御基板15により制御される音声出力)とを含み、前記第1制御手段によって所定事象(例えば、主制御基板16で検知するエラー)が検知されたことに基づく所定報知(例えば、エラー報知)が前記第1音声出力手段にて行われる遊技盤(例えば、遊技盤26)を取付け可能な遊技機(例えば、P台2)の遊技枠(例えば、遊技機枠5)であって、
遊技価値に関する情報を管理する第2制御手段(例えば、枠制御基板17)と、
第2音声出力手段(例えば、枠側演出制御基板15Aにより制御される音声出力)とを含み、
前記第2制御手段は、前記所定事象と異なる特定事象(例えば、枠制御基板17で検知するエラー)の発生を検知可能であり、
前記所定報知が前記第1音声出力手段にて行われていないときに、前記第2制御手段によって前記特定事象が検知されたことに基づく特定報知が前記第2音声出力手段にて行われ、
前記所定報知が前記第1音声出力手段にて行われているときに、前記特定報知が前記第2音声出力手段にて行なわれない(例えば、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、主制御基板16側でエラーの報知が行われていないときに、遊技球循環装置異常の報知が行われ、主制御基板16側でエラーの報知が行われているときに、遊技球循環装置異常の報知が行われない)。
このような構成によれば、遊技盤側と遊技機枠側との事象に基づく報知が重複することを回避し、統一したエラー報知を行うことができる。
(3−3) 上記(3−1)の遊技機において、
前記第2制御手段は、
前記特定事象と異なる特別事象(例えば、主制御基板16側でも報知を行うエラー)の発生を検知可能であり、
前記特別事象の発生を検知した場合には、前記第1制御手段に対して前記特別事象の検知に関する情報を送信し(例えば、主制御基板16に対して当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を送信)、
前記第1制御手段は、前記特別事象の検知に関する情報を受信したことに基づいて前記第1音声出力手段で報知を行うことが可能である(例えば、当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を受信したことに基づいて演出制御基板15により制御される音声出力(遊技盤側スピーカ270B)で当該エラーの報知を行う)。
このような構成によれば、第2制御手段にて検出された特別事象の発生を適切に報知できる。
(3−4) 上記(3−3)の遊技機において、
前記第2制御手段は、
特定領域内(例えば、使用領域内)に前記第1制御手段との通信制御に用いるプログラム(図37に示す通信処理)が格納され、
前記特定領域内で実行される処理と、特定領域外(例えば、使用領域外)で実行される処理とで検出可能な事象が異なり、前記特定領域内で実行される処理により検知した事象を、前記プログラムを実行して前記第1制御手段へ送信可能である(例えば、ユーザープログラムの使用領域内で実行される処理により検知したエラー(事象)を、プログラム(特に、通信処理)を実行して主制御基板16へ送信可能である)。
このような構成によれば、ユーザープログラムの特定領域内と特定領域外とに跨らずに処理を実行することができる。
(3−5) 上記(3−3)または(3−4)の遊技機において、
前記第1制御手段は、発射装置(例えば、発射機構30)の発射動作を制御可能であり、前記特別事象の検知に関する情報を受信したことに基づいて前記発射装置の発射動作を停止させる。
このような構成によれば、第1制御手段が、第2制御手段にて検出された特別事象の発生に対応して発射動作を停止できる。
(3−6) 上記(3−1)〜(3−5)の遊技機において、
前記第2制御手段は、特定事象と特別事象とのうちいずれかの事象の発生を検知した場合に、前記第1制御手段による前記所定事象の検知状況に関わらず、表示部(例えば、遊技球数表示器29)に検知した事象を特定可能な情報を表示する。
このような構成によれば、遊技盤側の制御状態によらずに、検知した事象を特定可能に表示できる。
(4) 遊技機において、記憶されている遊技機の機種情報などの情報を外部に出力可能な構成が特許文献4(特開2013−90775号公報)に開示されている。また、遊技機において、初期化時、大当り時、および異常発生時に遊技機の個体識別情報を外部に出力可能な構成が特許文献5(特開2011−172808号公報)に開示されている。しかし、特許文献の遊技機において、遊技機の機種情報や遊技機の個体識別情報などの情報を外部に出力するものは開示されているが、遊技性能情報を行う遊技機において、表示モニタに表示されている遊技性能の内容を外部に出力し、外部で確認することはできなかった。つまり、表示モニタに表示されている遊技性能の内容を確認するためには、遊技機の扉開放作業を行う必要があり管理効率が低下していた。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機で表示される所定の情報を特定可能に外部へ出力できる遊技機を提供することである。
(4−1) 遊技媒体(例えば、遊技球)が通過することによって遊技価値を付与するための複数の所定領域(例えば、大入賞口271、普通入賞口272〜274、および、始動入賞口275〜277など)が設けられた遊技機であって、
表示手段(例えば、性能表示モニタ40、表示モニタP29)と、
付与された遊技価値に関する所定情報を算出(例えば、図38の性能表示演算処理、図47の性能情報更新処理)し、前記所定情報を前記表示手段に表示するための表示制御を実行可能な制御手段(例えば、枠制御基板17、主基板P11)と、
外部へ信号出力可能な信号出力手段とを備え、
前記制御手段は、前記所定情報を特定するための特定信号(例えば、ホールコン信号、シリアルデータ)を前記信号出力手段から出力可能である(例えば、外部出力端子340、外部出力端子P40から外部に出力する)。
このような構成によれば、遊技機において表示される所定情報を特定可能に外部へ出力できる。
(4−2) 上記(4−1)の遊技機において、
前記制御手段は、遊技媒体の発射数に対応する所定条件が成立する(例えば、電源投入時(ステップS501;YES)、大当り発生時(ステップS502;YES)、アウト球数が60000球に達した(ステップS503;YES)のいずれかの場合)毎に、前記信号出力手段から前記特定信号を外部へ出力可能である。
このような構成によれば、所定条件が成立する毎に所定情報を外部に通知でき、遊技機における遊技価値の付与に関する性能の変化を外部で随時把握することができる。
(4−3) 上記(4−1)または(4−2)の遊技機において、
前記信号出力手段は、前記特定信号を出力するための特定端子(例えば、図50の端子番号(8))を含む複数の端子を有し、
前記制御手段は、異常検知(例えば、エラー検知)に応じて、前記信号出力手段の複数の端子のうち前記特定端子とは異なる端子(例えば、図50の端子番号(10))からセキュリティ信号を出力可能である。
このような構成によれば、遊技機の異常の発生と所定情報とを区別して外部に通知することができる。
(4−4) 上記(4−1)〜(4−3)の遊技機において、
前記制御手段は、前記遊技機を識別するための識別情報(例えば、「機種名」および「メインチップID」)を前記所定情報とともに外部に出力可能である。
このような構成によれば、遊技機の外部の管理装置において、識別情報と所定情報とを対応付けて管理可能となるため、管理装置においてより適切に管理できる。
<変形例>
(1) 枠制御基板17に設けられた役物比率/連続役物比率を表示させるための操作スイッチが操作されることで、性能表示モニタ40(表示モニタP29)に役物比率/連続役物比率が表示されるようにしてもよい。また、枠制御基板17に設けられた役物比率を表示させるための操作スイッチ(たとえば、エラー解除スイッチ、RAMクリアスイッチ)が操作されることで、役物比率が表示され、枠制御基板17に設けられた連続役物比率を表示させるための操作スイッチ(たとえば、球抜きスイッチ、遊技球クリアスイッチ)が操作されることで、連続役物比率が表示されるようにしてもよい。このときに、遊技機枠5が開放されていることが、表示の条件として加えられてもよい。
(2) 役物比率uおよび連続役物比率vを、性能表示モニタ40(表示モニタP29)に表示されるようにしてもよい。また、遊技機の性能表示モニタ40以外の部分で表示されるようにしてもよく、たとえば、表示器312で表示されるようにしてもよいし、遊技球数表示器29で表示されるようにしてもよい。これらの性能表示モニタ40以外の部分で表示される場合であっても、所定操作に応じて表示させるようにしてもよい。また、性能表示モニタ40と異なる専用の表示器で表示されるようにしてもよい。たとえば、専用の表示器を、主制御基板16に設けるようにしてもよい。
(3) 役物比率uおよび連続役物比率vは、枠制御部171によって算出され、表示されるようにした。しかし、これに限定されず、遊技機の枠制御部171以外の制御部、たとえば、主制御基板16の主制御部161によって、役物比率uおよび連続役物比率vが算出されたり、表示されたりするようにしてもよい。
(4) 前述した始動入賞口276は、役物が閉じている状態において、遊技球が入賞不能なものであってもよい。始動入賞口276の役物が閉じている状態(役物非作動中の状態)においても開いている状態(役物作動中の状態)においても、遊技球が入賞可能であり、開いている状態の方が閉じている状態よりも入賞し易いものであってもよい。
(5) 前述した実施の形態および変形例においては、上述の所定情報は、遊技機または遊技用装置で特定され、送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報が、遊技場の内部のサーバ(ホールサーバ801、ホールコンピュータなど)または外部のサーバ(遊技機管理サーバ802、CU3で扱われるカードを管理するカード管理会社のカード管理サーバ)などの管理装置で特定されるようにしてもよい。
(6) 所定情報を受信した管理装置または遊技用装置においては、所定情報自体(たとえば、ベース、役物比率または連続役物比率の適否の判定結果)に基づいてベース、役物比率または連続役物比率の異常を監視し、異常と判断した場合に異常を報知するようにしてもよいし、所定情報(たとえば、低ベース時ベース、高ベース時ベース、連続役物比率、役物比率、アウト球数+セーフ球数、アウト球数+入賞口ごとのセーフ球数)から、ベース、役物比率または連続役物比率を計算し、その異常を監視し、異常と判断した場合に異常を報知するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、上述の所定情報は、枠制御基板17の枠制御部171によって特定されるようにした。しかし、これに限定されず、主制御基板16の主制御部161など、遊技機の他の制御部によって特定されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態または変形例において、遊技機または遊技用装置において所定情報を特定した場合、遊技機または遊技用装置において所定情報に基づいて異常を報知するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態において、上述の所定情報を遊技場の外部に送信するときに、通信が不能(オフライン状態)となっている場合は、遊技場側の遊技機、遊技用装置、管理装置に、所定情報を一時的に記憶しておき、通信が復旧した場合に、所定情報を外部の管理装置に送信するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、ベース、役物比率および連続役物比率が算出され所定契機ごとに、上述の所定情報が送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報は、定期的(たとえば、1時間ごと)に送信されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、ベース、役物比率および連続役物比率が異常であることは、枠制御基板17の7セグメント式のLEDディスプレイである性能表示モニタ40(図4,図42参照)の表示部に表示することで報知されるようにした。この報知が特定操作に応じて行なわれるようにしてもよい。また、ベース、役物比率または連続役物比率の値が枠制御基板17の表示部に表示されるようにしてもよい。また、枠制御基板17の表示部のような遊技者が通常見ることができない表示部とは異なる遊技者が見ることができる表示部、たとえば、表示器312に表示されるようにしてもよい。この場合、表示器312のタッチパネルでの特定操作に応じて表示されるようにしてもよい。また、特定操作が無くても常に表示されるようにしてもよい。また、ベース、役物比率および連続役物比率が異常であること、ならびに、ベース、役物比率および連続役物比率のうちの少なくともいずれか1つまたは複数の情報が表示されるようにしてもよい。また、これらの情報のいずれか1つまたは複数の情報を示唆する情報(たとえば、赤いアイコンを表示する、背景を赤くする)または関連する情報(たとえば、ベース、役物比率または連続役物比率の棒グラフや折線グラフなどのグラフ表示)が表示されるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態において、ベース、役物比率および連続役物比率が継続して異常と判定されている場合に、異常が解消したと判断したときに、その旨を示す情報を、遊技場の外部または内部の管理装置に送信するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。