JP4704612B2 - パルスアーク溶接電源装置の出力制御方法 - Google Patents

パルスアーク溶接電源装置の出力制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消耗電極パルスアーク溶接において、予め定めた傾きKsを有する外部特性を形成する溶接電源装置の出力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
消耗電極パルスアーク溶接では、美しいビード外観、均一な溶込み深さ等の溶接品質を良好に保持するためには、溶接中のアーク長を適正値に維持することが極めて重要である。一般的に、アーク長は溶接ワイヤの送給速度と溶融速度とのバランスによって決まる。したがって、溶接中の送給速度が一定であり、かつ、この送給速度と溶接電流の平均値に略比例する溶融速度とが等しくなると、アーク長は常に一定となる。しかし、送給モータの回転速度の変動、溶接トーチの曲がりによる送給経路の摩擦力の変動等によって、溶接中の送給速度が変動するために、溶融速度とのバランスが崩れてアーク長は変化する。また、溶接作業者の手振れ等によるチップ・被溶接物間距離の変動、溶融池の不規則な振動等によってもアーク長は変化する。したがって、これらの種々の変動(以下、外乱という)によるアーク長の変化を抑制するためには、、外乱に応じて常に溶融速度を調整してアーク長の変化を抑制する必要がある(以下、アーク長制御という)。
【0003】
このアーク長制御方法としては、アーク長と溶接電圧の平均値とが略比例関係にあることを利用して、溶接電圧の平均値が予め定めた目標値と等しくなるように溶接電源装置の出力を制御する方法が一般的に使用されている。以下、従来技術1の出力制御方法につて説明する。
【0004】
[従来技術1]
図2は、パルスアーク溶接の電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流瞬時値Ioの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧瞬時値Voの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
【0005】
▲1▼ 時刻t1〜t2の期間(ピーク期間Tp)
予め定めたピーク期間Tpの間は、同図(A)に示すように、溶滴移行をさせるために300〜600[A]程度に予め定めたピーク電流Ipを通電し、同図(B)に示すように、溶接電圧瞬時値Voは、上記の通電に応じてピーク電圧Vpとなる。上記のピーク期間Tpの時間長さは、溶接ワイヤの材質、直径等に対応して、1〜3[ms]程度に予め設定される。
【0006】
▲2▼ 時刻t2〜t3の期間(ベース期間Tb)
ベース期間Tbの間は、同図(A)に示すように、溶滴移行をさせないために20〜80[A]程度の低電流値に予め定めたベース電流Ibを通電し、同図(B)に示すように、溶接電圧瞬時値Voは、上記の通電に応じてベース電圧Vbとなる。
【0007】
同図(A)に示すように、溶接電流瞬時値Ioの1周期(パルス周期Tpb)の間の平均値が1周期溶接電流平均値Iwとなり、同様に、同図(B)に示すように、溶接電圧瞬時値Voの1周期(パルス周期Tpb)の間の平均値が1周期溶接電圧平均値Vwとなる。
パルスアーク溶接電源装置において、前述したように、アーク長を適正値に維持するための出力制御は以下のように行われる。すなわち、1周期溶接電圧平均値Vwは、下式で表わされる。
Vw=(1/Tpb)・∫Vo・dt (1)式
但し、積分はパルス周期Tpb(時刻t1〜t3)の間行う。
上式に示す1周期溶接電圧平均値Vwが予め定めた目標値の溶接電圧設定値Vsと等しくなるように、パルス周期Tpbの時間長さが制御される。なお、(1)式にVw=Vsを代入して変形すると下式となる。
∫(Vs−Vo)・dt=0 (2)式
但し、電圧誤差積分値Svの積分は、パルス周期Tpbの間行う。
上式において、電圧誤差積分値Sv=∫(Vs−Vo)・dtと定義するする。時刻t1のパルス周期Tpbの開始時点から上記電圧誤差積分値Svの演算を開始し、時刻t2以降のベース期間Tb中の上記電圧誤差積分値Svが0[V]となった時点で、パルス周期Tpbを終了し、次のパルス周期Tpbを開始する。このように、従来技術1の出力制御方法では、各周期ごとの1周期溶接電圧平均値Vwが電圧設定値Vsと等しくなるようにパルス周期Tpbの時間長さを制御することによってアーク長を適正値に維持する。
【0008】
[従来技術2]
図3は、横軸に示す1周期溶接電流平均値Iwと縦軸に示す1周期溶接電圧平均値Vwとの関係を示す溶接電源装置の外部特性図である。以下、同図を参照して説明する。
特性L1は傾きKs=0[V/A]の外部特性を示し、特性L2は傾きKs=−0.1[V/A]の外部特性を示す。前述した従来技術1の出力制御方法では、1周期溶接電圧平均値Vwは、1周期溶接電流平均値Iwの値とは関係なく予め定めた溶接電圧設定値Vsと等しくなるように出力制御されるために、傾きKs=0の上記の外部特性L1を形成することになる。
【0009】
ところで、溶接電源装置の外部特性の傾きKsによってアーク長制御系の安定性(自己制御作用と呼ばれる)が大きく影響されることが従来から広く知られている。すなわち、アーク長制御系を安定化するためには、種々の溶接法に対応して外部特性の傾きKsを適正値に設定する必要がある。例えば、炭酸ガスアーク溶接法では外部特性の傾きKsの適正値は(0〜−0.03)[V/A]程度であり、パルスアーク溶接法では外部特性の傾きKsの適正値は(-0.05〜−0.3)[V/A]程度であることが知られている。したがって、本発明の対象であるパルスアーク溶接法においては、アーク長制御系を安定化するためには、同図に示す外部特性L1ではなく、-0.05〜−0.2[V/A]程度の範囲内で予め定めた傾きKsを有する外部特性L2を形成する必要がある。しかしながら、前述したように、従来技術1の出力制御方法では0[V/A]以外の傾きKsを有する外部特性を形成することはできない。そこで、この問題を解決するために、以下に説明する従来技術2の出力制御方法が提案されている。以下、図面を参照して従来技術2の出力制御方法について説明する。
【0010】
以下の説明において、前述した図3の外部特性L2を、形成される目標の外部特性とする。したがって、外部特性L2の直線の式は、予め定めた溶接電流設定値Is、溶接電圧設定値Vs及び傾きKsによって、下式となる。
Vw=Ks・(Iw−Is)+Vs (3)式
以下、上式で示す外部特性L2を形成するための出力制御方法について説明する。
【0011】
図4は、上記(3)式で示す外部特性L2を形成する従来技術2の出力制御方法を説明するための電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流瞬時値Ioの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧瞬時値Voの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
【0012】
第n回目のパルス周期Tpb(n)が開始する時点t(n)において、第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)中の前周期溶接電流平均値Iw(n-1)を算出し、Iw=Iw(n-1)を前述した(3)式に代入して1周期溶接電圧平均値Vwの目標値である電圧制御設定値Vsc(n)=Ks・(Iw(n-1)−Is)+Vsを演算する。この演算は、前述した図3の外部特性L2上のP1点の電圧制御設定値Vsc(n)を演算することになる。続いて、この電圧制御設定値Vsc(n)及び溶接電圧瞬時値Voによって、時刻t(n)からの(2)式で前述した電圧誤差積分値Sv=∫(Vsc(n)−Vo)・dtを演算する。そして、第n回目のパルス周期Tpb(n)のベース期間中の電圧誤差積分値Svが0[V]になった時点t(n+1)で、第n回目のパルス周期Tpb(n)を終了して第n+1回目のパルス周期Tpb(n+1)を開始する。したがって、第n回目のパルス周期Tpb(n)中の1周期溶接電圧平均値Vw(n)=Vsc(n)となる。以後、上記の動作を繰り返して出力制御を行う。上述した従来技術2の出力制御方法によって、予め定めた傾きKsを有する外部特性を形成することができる。
【0013】
図5は、上述した従来技術2の出力制御方法を実施するための溶接電源装置PSのブロック図である。以下、同図を参照して各回路ブロックについて説明する。
電圧検出回路VDは、溶接電圧瞬時値Voを検出して、電圧検出信号Vdを出力する。電流検出回路IDは、溶接電流瞬時値Ioを検出して、電流検出信号Idを出力する。1周期溶接電流平均値算出回路IWは、上記の電流検出信号Idの1周期の間の平均値を算出して、1周期溶接電流平均値信号Iwを出力する。
【0014】
溶接電源装置の外部に設置された溶接電圧設定回路VSは、予め定めた溶接電圧設定信号Vsを出力する。溶接電源装置の外部に設置された溶接電流設定回路ISは、予め定めた溶接電流設定信号Isを出力する。図示していないが、この溶接電流設定信号Isに対応した送給速度で溶接ワイヤ1が送給される。傾き設定回路KSは、予め定めた外部特性の傾き設定信号Ksを出力する。外部特性制御回路VSCは、上記の1周期溶接電流平均値信号Iw、溶接電圧設定信号Vs、溶接電流設定信号Is及び傾き設定信号Ksを入力として、前述した(3)式の演算によって、電圧制御設定信号Vscを出力する。電圧誤差積分回路SVは、上記の電圧検出信号Vd及び電圧制御設定信号Vscを入力として、各パルス周期の開始時点から前述した(2)式の積分を行い、電圧誤差積分値信号Svを出力する。比較回路CMは、上記の電圧誤差積分値信号Svと0[V]とを比較して、両値が等しくなった時点で、短時間Highレベルとなる比較信号Cmを出力する。上記の外部特性制御回路VSC、電圧誤差積分回路SV及び比較回路CMによって、図4の説明の項で前述した従来技術2の出力制御方法の主要部を形成する。
【0015】
タイマ回路MMは、上記の比較信号Cmをトリガ信号として、予め定めたピーク期間Tpの間Highレベルとなる切換信号Mmを出力する。ピーク電流設定回路IPは、予め定めたピーク電流設定信号Ipを出力する。ベース電流設定回路IBは、予め定めたベース電流設定信号Ibを出力する。ピーク/ベース切換回路SWは、上記の切換信号Mmを入力として、入力信号がHighレベルのときはa側に切り換わり上記のピーク電流設定信号Ipを電流制御設定信号Iscとして出力し、入力信号がLowレベルのときはb側に切り換わり上記のベース電流設定信号Ibを、電流制御設定信号Iscとして出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Iscと電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
【0016】
出力制御回路INVは、上記の電流誤差増幅信号Eiを制御信号とし、交流商用電源(3相200[V]等)を入力としてインバータ制御、サイリスタ位相制御等によって出力制御して、上記の電流制御設定信号Iscに相当する溶接電流瞬時値Ioを通電する。すなわち、Isc=Ipのときにはピーク電流Ipが通電し、Isc=Ibのときにはベース電流Ibが通電する。
また、溶接ワイヤ1はワイヤ送給装置の送給ロール5aによって溶接トーチ4を通って送給されて、被溶接物2との間にアーク3が発生する。
【0017】
図6は、上述した溶接電源装置PSの各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接電流瞬時値Ioの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧瞬時値Voの時間変化を示し、同図(C)は電圧誤差積分値信号Svの時間変化を示し、同図(D)は比較信号Cmの時間変化を示し、同図(E)は切換信号Mmの時間変化を示す。同図(A)及び(B)は、前述した図2と同一である。以下、同図を参照して説明する。
【0018】
▲1▼ 時刻t(n-1)〜t(n)の期間(第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1))
時刻t(n-1)において、同図(C)に示すように、電圧誤差積分値信号Svが0[V]になると、同図(D)に示すように、比較信号Cmが短時間Highレベルになる。この変化に応じて、同図(E)に示すように、切換信号Mmはピーク期間Tpの間Highレベルとなり、同図(A)に示すように、溶接電流瞬時値信号Ioはピーク電流Ipとなる。このピーク期間Tp中は、電圧誤差積分値信号Sv=∫(Vsc(n-1)−Vo)・dt=∫(Vsc(n-1)−Vp)・dtの演算が行われる。ここで、V(n-1)<Vpなので、同図(C)に示すように、電圧誤差積分値信号Svは、時間経過と共に負の方向へ変化する。
【0019】
同図(E)に示すように、切換信号MmがLowレベルに変化すると、同図(A)に示すように、溶接電流瞬時値信号Ioはベース電流Ibとなる。このベース期間Tb中は、電圧誤差積分値信号Sv=∫(Vsc(n-1)−Vo)・dt=∫(Vsc(n-1)−Vb)・dtの演算が行われる。ここで、V(n-1)>Vbなので、同図(C)に示すように、電圧誤差積分値信号Svは、時間経過と共に大きくなり、時刻t(n)において0[V]になる。
【0020】
▲2▼ 時刻t(n)以降の期間(第n回目のパルス周期Tpb(n)
第n回目のパルス周期Tpb(n)の開始時点t(n)において、図5の説明の項で前述したように、時刻t(n-1)〜T(n)の間の前周期溶接電流平均値Iw(n-1)の算出値を(3)式に代入して、同図(B)に示すように、第n回目のパルス周期Tpb(n)の電圧制御設定信号Vsc(n)が演算される。これ以降の動作は、上記▲1▼項の動作と同様であるので、説明を省略する。
上述したように、従来技術2の出力制御方法では、予め定めた傾きKsを有する外部特性を形成することができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼ 図7は、解決課題を説明するための前述した図4に対応する電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流瞬時値Ioの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧瞬時値Voの時間変化を示す。同図は、第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)中に溶接ワイヤと被溶接物との短絡が発生した場合である。一般的に、パルスアーク溶接においては、溶滴移行に伴って1秒間に数回〜数十回の短絡が発生する。以下、同図を参照して説明する。
【0022】
同図(A)に示すように、第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)中に短絡が発生すると、通常、短絡状態を早期に解除してアークを再発生させるために大きな値の短絡解除電流Itを通電する。このために、第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)中の前周期溶接電流平均値Iw(n-1)は、その前の周期の値よりも大きくなる。図4の説明の項で前述したように、傾きKsを有する外部特性を形成するために、この前周期溶接電流平均値Iw(n-1)を(3)式に代入して、次周期の電圧制御設定値Vsc(n)を演算する。したがって、前周期溶接電流平均値Iw(n-1)が大きくなると、第n回目のパルス周期Tpb(n)の電圧制御設定値Vsc(n)は小さくなくなる。その結果、1周期溶接電圧平均値Vw(n)も小さくなるために、第n回目のパルス周期Tpb(n)中のアーク長は前周期よりも短くなり、さらに短絡が発生しやすい状態となる。すなわち、1回の短絡の発生が次の短絡を誘発することになり、アーク状態は不安定になり、ビード外観の悪化、溶込み深さの不均一、スパッタの大量発生等の溶接不良が生じやすい。
特に、高速溶接時においては、アンダーカット等の溶接欠陥の発生を防止するために、通常、アーク長を短く設定して溶接を行う必要がある。このために、短絡が発生しやすい状態にあり、従来技術の出力制御方法ではアーク状態が不安定になりやすい。
【0023】
▲2▼ 従来技術2の出力制御方法では、前周期の状態をフィードバックして、次周期の出力制御を行うために、原理的にフィードバック制御系の位相余裕が小さくなり、制御系が不安定になりやすい状態にある。例えば、第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)中の外乱によって溶接電圧瞬時値Voが大きくなると、電圧制御設定値Vsc(n-1)と等しくなるようにパルス周期Tpb(n-1)の時間長さは長くなる。このため、第n−1回目の前周期溶接電流平均値Iw(n-1)が小さくなるために、次周期の電圧制御設定値Vsc(n)は、次周期中のアーク状態とは関係なく大きくなる。このように、前周期中の外乱によって次周期の電圧制御設定値Vsc(n)が変化し、次周期のアーク長に影響を及ぼすことになる。その結果、1つの外乱の発生に誘発されて、次周期以降のアーク長が変化する場合が生じる。
【0024】
そこで、本発明では、予め定めた傾きKsを有する外部特性を形成すると共に、安定した制御系によって現周期の外乱によるアーク長への影響を現周期中に抑制し、次周期のアーク長に影響を与えない溶接電源装置の出力制御方法を提供する。
【0025】
【課題を解決するための手段】
出願時の請求項1の発明は、図8に示すように、
予め定めたピーク期間Tp中は溶滴移行をさせる値に予め定めたピーク電流Ipを通電し、続けてベース期間Tb中は溶滴移行をさせない値に予め定めたベース電流Ibを通電し、これら1周期の通電をパルス周期Tpbとして繰り返し通電して溶接する消耗電極パルスアーク溶接に使用する溶接電源装置の出力制御方法において、
溶接電源装置の外部特性の傾きKs及び溶接電流設定値Is及び溶接電圧設定値Vsを予め設定し、溶接中の第n回目のパルス周期Tpb(n)中の1周期の間の溶接電流平均値Iw(n)と1周期の間の溶接電圧平均値Vw(n)とがVw(n)=Ks・(Iw(n)−Is)+Vsの関係を維持するように溶接電源装置の出力を制御するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0026】
出願時の請求項2の発明は、図8に示すように、
ピーク期間Tpに予め定めたピーク立上り期間Tup及び予め定めたピーク立下り期間Tdwを設けた出願時の請求項1に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0027】
出願時の請求項3の発明は、図9〜図11に示すように、
予め定めたピーク期間Tp中は溶滴移行をさせる値に予め定めたピーク電流Ipを通電し、続けてベース期間Tb中は溶滴移行をさせない値に予め定めたベース電流Ibを通電し、これら1周期の通電をパルス周期Tpbとして繰り返し通電して溶接する消耗電極パルスアーク溶接に使用する溶接電源装置の出力制御方法において、
溶接電源装置の外部特性の傾きKs及び溶接電流設定値Is及び溶接電圧設定値Vsを予め設定し、上記設定値によって第1の変数A=Ks・(Ib−Is)及び第2の変数B=Ks・(Ib−Ip)・Tpを演算した後に、溶接中の溶接電圧瞬時値Voを検出して第n回目のパルス周期Tpb(n)の開始時点からの傾き形成電圧誤差積分値Sva=∫(A+Vs−Vo)・dtを演算し、上記第n回目のピーク期間Tpに続く第n回目のベース期間Tb中の上記傾き形成電圧誤差積分値Svaが上記第2の変数Bの値以上になった時点で上記第n回目のパルス周期Tpb(n)を終了し、続けて第n+1回目のパルス周期Tpb(n+1)を開始して上記動作を繰り返し行うことによって上記傾きKsを有する外部特性を形成して溶接を行うパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0028】
出願時の請求項4の発明は、図9〜図11に示すように、
予め定めたピーク期間Tp中は溶滴移行をさせる値に予め定めたピーク電流Ipを通電し、続けてベース期間Tb中は溶滴移行をさせない値に予め定めたベース電流Ibを通電し、上記ピーク期間Tpには予め定めたピーク立上り期間Tup及び予め定めたピーク立下り期間Tdwを設け、これら1周期の通電をパルス周期Tpbとして繰り返し通電して溶接する消耗電極パルスアーク溶接に使用する溶接電源装置の出力制御方法において、
溶接電源装置の外部特性の傾きKs及び溶接電流設定値Is及び溶接電圧設定値Vsを予め設定し、出願時の請求項3に記載する第2の変数Bの演算をB=Ks・(Ib−Ip)・(Tp+(1/2)・Tup+(1/2)・Tdw)とする出願時の請求項3に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0029】
出願時の請求項5の発明は、図9〜図11に示すように、
第1の変数A及び第2の変数Bの演算を、溶接中の予め定めた変数演算周期Tc毎に又はパルス周期の開始時点毎に行う出願時の請求項3又は請求項4に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0030】
出願時の請求項6の発明は、図12〜図13に示すように、
溶接ワイヤの送給速度設定値Ws並びに溶接ワイヤの材質及び直径を設定し、それらによって溶接電流設定値Isを算出する出願時の請求項3又は請求項4に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は、図1(図8と同一の図)に示すように、
溶接電源装置の外部特性の傾きKs及び溶接電流設定値Is及び溶接電圧設定値Vsを予め設定し、溶接中の第n回目のパルス周期Tpb(n)中の1周期の間の溶接電流平均値Iw(n)と1周期の間の溶接電圧平均値Vw(n)とがVw(n)=Ks・(Iw(n)−Is)+Vsの関係を維持するように溶接電源装置の出力を制御することによって、傾きKsを有する外部特性を形成して溶接を行うパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0032】
【実施例】
[実施例1]
以下に説明する実施例1の発明は、出願時の請求項1及び請求項2の発明に対応する。実施例1の発明は、溶接電源装置の外部特性の傾きKs及び溶接電流設定値Is及び溶接電圧設定値Vsを予め設定し、溶接中の第n回目のパルス周期Tpb(n)中の1周期溶接電流平均値Iw(n)と1周期溶接電圧平均値Vw(n)とがVw(n)=Ks・(Is−Iw(n))+Vsの関係を維持するように、溶接電源装置の出力を制御するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。以下、図面を参照して実施例1の発明について説明する。
【0033】
図8は、実施例1の出力制御方法を説明するための電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流瞬時値Ioの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧瞬時値Voの時間変化を示す。同図において、実施例1の出力制御方法によって形成される目標の外部特性は、前述した(3)式と同様に、予め定めた溶接電流設定値Is、溶接電圧設定値Vs及び傾きKsによってVw=Ks・(Iw−Is)+Vsで示す直線である。以下、同図を参照して説明する。
【0034】
同図に示すように、第n回目のパルス周期Tpb(n)中の1周期溶接電流平均値Iw(n)及び1周期溶接電圧平均値Vw(n)を算出し、両算出値にVw(n)=Ks・(Iw(n)−Is)+Vsの関係が成立した時点t(n+1)で、第n回目のパルス周期Tpb(n)を終了し、第n+1回目のパルス周期Tpb(n+1)を開始するように出力制御する。これによって、(3)式で示す目標の外部特性が形成されると共に、従来技術2では前周期溶接電流平均値Iw(n-1)と現周期の1周期溶接電圧平均値Vw(n)とが(3)式の関係にあったのに対して、実施例1では現周期の1周期溶接電流平均値Iw(n)と現周期の1周期溶接電圧平均値Vw(n)とが(3)式の関係にある。したがって、前周期に発生した外乱によって、現周期の出力制御が影響を受けることはない。
【0035】
また、出願時の請求項2の発明は、ピーク期間Tpに予め定めたピーク立上り期間Tup及び予め定めたピーク立下り期間Tdwを設けた場合であって、それ以外は上述した実施例1の出力制御方法と同様である。
【0036】
[実施例2]
以下に説明する実施例2の発明は、出願時の請求項3及び請求項4の発明に対応する。以下、図面を参照して実施例2の発明について説明する。
図9は、以下の説明に使用する設定値パラメータを示す電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流瞬時値Ioの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧瞬時値Voの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
【0037】
同図(A)に示すように、第n回目のパルス周期Tpb(n)[s]において、ピーク期間Tp[s]に、ピーク立上り期間Tup[s]、最大ピーク期間Tpp[s]及びピーク立下り期間Tdw[s]を設け、それらを予め定めた時間長さに設定する。最大ピーク期間Tpp中は、予め定めたピーク電流Ip[A]が通電し、同図(B)に示すように、ピーク電圧Vp[V]が印加される。また、ベース期間Tb[s]中は、同図(A)に示すように、予め定めたベース電流Ib[A]が通電し、同図(B)に示すように、ベース電圧Vb[V]が印加する。
【0038】
パルス周期Tpb(n)の逆数がパルス周波数f(n)[Hz]となる。第n回目の1周期溶接電流平均値Iw(n)[A]が通電し、第n回目の1周期溶接電圧平均値Vw(n)[V]が印加される。また、出力制御によって形成される目標の外部特性は、予め定めた溶接電流設定値Is[A]、溶接電圧設定値Vs[V]及び傾きKs[V/A]によって、前述した(3)式となる。
【0039】
上述したように、予め定める設定値パラメータは、ピーク期間Tp、ピーク立上り期間Tup、最大ピーク期間Tpp、ピーク立下り期間Tdw、ピーク電流Ip、ベース電流Ib、溶接電流設定値Is、溶接電圧設定値Vs及び傾きKsとなる。前述したように、この中で溶接電流設定値Is及び溶接電圧設定値Vsは、溶接電源装置の外部から設定される場合が多い。以下、実施例2の基礎となる前述した(2)式に対応する制御式を導出する。
【0040】
以下の(1)〜(16)の積分は、全てパルス周期Tpb(n)の開始時点から終了時点までの期間行う。
(1) 1周期溶接電流平均値Iwとパルス周波数 fとの関係は下式となる。
1/f=((Ip−Ib)/(Iw−Ib))・(Tpp+(1/2)・Tup+(1/2)・Tdw) (41)式
(2) 等価ピーク期間Tpe[s]を下式で定義する。
Tpe=Tpp+(1/2)・Tup+(1/2)・Tdw (42)式
(3) 上式を(41)式に代入すると下式となる。
1/f=((Ip−Ib)/(Iw−Ib))・Tpe (43)式
(4) 上式を変形すると下式となる。
Iw=(Ip−Ib)・Tpe・f+Ib (44)式
(5) 上式において、Iw=Isのときf=fs[Hz]とすると下式となる。
Is=(Ip−Ib)・Tpe・fs+Ib (45)式
【0041】
(6) (44)式のIwをIw(n)とすると下式となる。
Iw(n)=(Ip−Ib)・Tpe・f(n)+Ib (46)式
(7) 外部特性の傾きKsは下式で表わせる。
Ks=(Vw(n)−Vs)/(Iw(n)−Is) (47)式
(8) 上式に(45)式及び(46)式を代入すると下式となる。
Vw(n)−Vs=Ks・(Ip−Ib)・Tpe・(f(n)−fs) (48)式
(9) Vw(n)は下式で定義される。
Vw(n)=f(n)・∫Vo・dt (49)式
(10) f(n)とTpb(n)との関係は下式で表わせる。
f(n)=1/Tpb(n) (410)式
(11) (49)式及び(410)式から下式が成立する。
Vw(n)−Vs=f(n)・∫(Vo−Vs)・dt (411)式
(12) 上式と(48)式から下式が成立する。
f(n)・∫(Vo−Vs)・dt=Ks・(Ip−Ib)・Tpe・(f(n)−fs) (412)式
【0042】
(13) 上式に(45)式を代入して整理すると下式となる。
∫Ks・(Ib−Is)・dt+∫(Vs−Vo)・dt=Ks・(Ib−Ip)・Tpe (413)式
(14) ここで、式を簡潔にするために、第1の変数Aを導入して下式で定義する。
A=Ks・(Ib−Is) (5)式
(15) 同様に、第2の変数Bを導入して下式で定義し、またTpeに(42)式を代入すると下式となる。
B=Ks・(Ib−Ip)・Tpe=Ks・(Ib−Ip)・(Tpp+(1/2)・Tup+(1/2)・Tdw) (6)式
(16) (5)式及び(6)式を(413)式に代入すると、実施例2の発明の制御である下式が得られる。
∫(A+Vs−Vo)・dt=B (7)式
【0043】
第n回目のパルス周期Tpb(n)の終了時点において、上式が成立することになる。また、第n回目のパルス周期Tpb(n)の開始時点においては、前述した設定値パラメータは定数とみなすことができるので、上記(5)式で示す第1の変数A及び上記(6)式で示す第2の変数Bも定数とみなすことができる。第n回目のパルス周期Tpb(n)の開始時点からの傾き形成電圧誤差積分値Svaを
Sva=∫(A+Vs−Vo)・dt
と定義する。通常、Ks≦0、Ib<Is<Ip、Tpe>0なので、A≧0及びB≧0となる。図9において、ピーク期間Tp中は、Vs<Vo(=Vp)となるが、(A+Vs−Vo)の値は上記の設定値パラメータの値によって正の値にも負の値にもなる。他方、ベース期間Tb中は、Vs>Vo(=Vb)なので、(A+Vs−Vb)>0となり、上記の傾き形成電圧誤差積分値Svaの値は、ベース期間Tb中は時間経過と共に次第に大きくなる。したがって、第n回目のパルス周期Tpb(n)の開始時点からの傾き形成電圧誤差積分値Svaを演算し、その演算値が第2の変数Bの値と等しくなるか又は第2の変数Bの値以上になった時点で、第n回目のパルス周期Tpb(n)を終了する。すなわち、下式が成立した時点でパルス周期を終了する。
Sva=∫(A+Vs−Vo)・dt≧B (8)式
但し、積分は、Tpb(n)の間行う。
【0044】
上述したように、実施例2の発明は、第1の変数A=Ks・(Ib−Is)及び第2の変数B=Ks・(Ib−Ip)・Tpeを演算した後に、溶接中の溶接電圧瞬時値Voを検出して第n回目のパルス周期Tpb(n)の開始時点からの傾き形成電圧誤差積分値Sva=∫(A+Vs−Vo)・dtを演算し、上記第n回目のピーク期間Tpに続く第n回目のベース期間Tb中の上記傾き形成電圧誤差積分値Svaの値が上記第2の変数Bの値以上になった時点で、上記第n回目のパルス周期Tpb(n)を終了し、続けて第n+1回目のパルス周期Tpb(n+1)を開始して上記動作を繰り返し行うことによって、上記傾きKsを有する外部特性を形成して溶接を行うパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0045】
なお、傾きKs=0と設定すると、第1の変数A=0及び第2の変数B=0となるので、(8)式は
Sva=∫(Vs−Vo)・dt≧0
となり、前述した従来技術のときの(2)式と一致する。すなわち、本発明の出力制御方法を示す(8)式における特別な場合(Ks=0)が、従来技術の出力制御方法を示す(2)式の場合となる。
【0046】
また、ピーク期間Tp中にピーク立上り期間Tup及びピーク立下り期間Tdwがない場合には、
第2の変数B=Ks・(Ib−Ip)・Tp (9)式
として演算し、それ以外は上述した実施例2と同様に出力制御を行うことができる。
【0047】
図10は、上述した実施例2の発明を実施するためのパルス周期毎制御溶接電源装置PSAのブロック図である。同図は、ピーク期間Tp中にピーク立上り期間Tup及びピーク立下り期間Tdwがない場合を例示する。同図において、前述した図5と同一の回路ブロックには同一符号を付し、それらの説明は省略する。以下、図5とは異なる点線で示す回路ブロック図である第1の変数演算回路CA、第2の変数演算回路CB、傾き形成電圧誤差積分回路SVA及び変数比較回路CMAについて説明する。
【0048】
第1の変数演算回路CAは、傾き設定信号Ks、ベース電流設定信号Ib及び溶接電流設定信号Isを入力として、前述した(5)式の演算を行い、第1の変数演算値信号Caを出力する。第2の変数演算回路CBは、傾き設定信号Ks、ベース電流設定信号Ib、ピーク電流設定信号Ip及びピーク期間設定信号Tpを入力として、前述した(9)式の演算を行い、第2の変数演算値信号Cbを出力する。
【0049】
傾き形成電圧誤差積分回路SVAは、上記の第1の変数演算値信号Ca、溶接電圧設定信号Vs及び電圧検出信号Vdを入力として、第n回目のパルス周期Tpb(n)の開始時点から前述した(8)式左辺の積分を行い、傾き形成電圧誤差積分値信号Svaを出力する。変数比較回路CMAは、上記の傾き形成電圧誤差積分値信号Svaと上記の第2の変数演算値信号Cbとを比較して、SVa≧Cbになった時点で、短時間Highレベルとなる比較信号Cmを出力する。すなわち、上記の傾き形成電圧誤差積分回路SVA及び変数比較回路CMAによって、本発明の出力制御方法を示す前述した(8)式の演算を行う。
これ以降の動作の説明は、図5のときと同様であるので省略する。なお、ピーク期間Tpにピーク立上り期間Tup及びピーク立下り期間Tdwを設けた場合には、上記の第2の変数演算値信号Cbの演算式を前述した(6)式に置換すればよい。
【0050】
図11は、前述した(8)式左辺に示す傾き形成電圧誤差積分値Svaの時間変化とパルス周期Tpbとの関係を示す図である。同図(A)は溶接電流瞬時値Ioの時間変化を示し、同図(B)は、縦軸にパルス周期の開始時点(t0)からの傾き形成電圧誤差積分値Svaの時間変化を示し、横軸にパルス周期Tpbの時間長さを示す。同図に示す3つの特性Y1〜Y3は、図9の説明の項で前述した設定値パラメータが同一であり、そのために(8)式における第1の変数A、第2の変数B及び溶接電圧設定値Vsが同一である場合において、溶接中のアーク長が適正値の場合(特性Y2)、適正値よりも短い場合(特性Y1)及び適正値よりも長い場合(特性Y3)を示す。以下、同図を参照して説明する。
【0051】
▲1▼ アーク長が適正値の場合(特性Y2)
アーク長が適正値の場合のピーク電圧をVp2とし、ベース電圧をVb2とする。同図(A)に示す時刻t0〜t1までのピーク期間Tp中は、傾き形成電圧誤差積分値SvaはSva=∫(A+Vs-Vp2)・dtの演算値として時間経過と共に次第に大きくなる。そして、時刻t1以降のベース期間Tb中は、傾き形成電圧誤差積分値SvaはSva=∫(A+Vs-Vb2)・dtの演算値として時間経過と共に、上記のピーク期間Tp中とは異なる傾斜で次第に大きくなり、時刻t3においてSva≧Bとなるとパルス周期Tpb2が終了する。
【0052】
▲2▼ アーク長が適正値よりも短い場合(特性Y1)
溶接電圧瞬時値Voはアーク長に比例するので、アーク長が適正値よりも短い場合のピーク電圧はVp1<Vp2となり、ベース電圧はVb1<Vb2となる。同図(A)に示す時刻t0〜t1までのピーク期間Tp中は、傾き形成電圧誤差積分値SvaはSva=∫(A+Vs-Vp1)・dtの演算値として時間経過と共に、上記▲1▼項のときよりも急な勾配で大きくなる。そして、時刻t1以降のベース期間Tb中は、傾き形成電圧誤差積分値SvaはSva=∫(A+Vs-Vb1)・dtの演算値として時間経過と共に、ピーク期間Tp中とは異なる勾配で大きくなり、時刻t2においてSva≧Bとなるとパルス周期Tpb1が終了する。したがって、アーク長が適正値よりも短い場合には、パルス周期Tpb1は上記▲1▼項のときのTpb2よりも短くなり、1周期溶接電圧平均値Vwが大きくなるので、アーク長は長くなる方向に変化して適正値に近づくことになる。
【0053】
▲3▼ アーク長が適正値よりも長い場合(特性Y3)
溶接電圧瞬時値Voはアーク長に比例するので、アーク長が適正値よりも長い場合のピーク電圧はVp3>Vp2となり、ベース電圧はVb3>Vb2となる。同図(A)に示す時刻t0〜t1までのピーク期間Tp中は、傾き形成電圧誤差積分値SvaはSva=∫(A+Vs-Vp3)・dtの演算値として時間経過と共に、上記▲1▼項のときよりも緩やかな勾配で大きくなる。そして、時刻t1以降のベース期間Tb中は、傾き形成電圧誤差積分値SvaはSva=∫(A+Vs-Vb3)・dtの演算値として時間経過と共にピーク期間Tp中とは異なる勾配で大きくなり、時刻t4においてSva≧Bとなるとパルス周期Tpb3が終了する。したがって、アーク長が適正値よりも長い場合には、パルス周期Tpb3は上記▲1▼項のときのTpb2よりも長くなり、1周期溶接電圧平均値Vwが小さくなるので、アーク長は短くなる方向に変化して適正値に近づくことになる。
上述したように、溶接中のアーク長の変動に応じて、傾き形成電圧誤差積分値Svaの勾配が変化することによってパルス周期が変化し、その結果、1周期溶接電圧平均値Vwが変化してアーク長の変動を抑制する。
【0054】
[実施例3]
以下に説明する実施例3の発明は、出願時の請求項5の発明に対応する。実施例3の発明は、実施例2の発明における第1の変数A及び第2の変数Bの演算を、溶接中の予め定めた変数演算周期Tc[s]毎に又はパルス周期Tpbの開始時点毎に行うパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。以下、実施例3の発明について説明する。
【0055】
実施例3の出力制御方法を実施するための溶接電源装置は、前述した図10における第1の変数演算回路CA及び第2の変数演算回路CBの動作を以下のように変更した構成となる。
実施例3の第1の変数演算回路CAは、傾き設定信号Ks、ベース電流設定信号Ib及び溶接電流設定信号Isを入力として、予め定めた変数演算周期Tc毎に又は変数比較信号Cmが短時間Highレベルとなるパルス周期Tpbの開始時点毎に、前述した(5)式の演算を行い、第1の変数演算値信号Caを出力する。実施例3の第2の変数演算回路CBは、傾き設定信号Ks、ベース電流設定信号Ib、ピーク電流設定信号Ip及びピーク期間設定信号Tpを入力として、予め定めた変数演算周期Tc毎に又は変数比較信号Cmが短時間Highレベルとなるパルス周期Tpbの開始時点毎に、前述した(9)式又は(6)式の演算を行い、第2の変数演算値信号Cbを出力する。
【0056】
実施例3の発明では、溶接中に設定値パラメータが変化しても、その変化に対応して第1の変数A及び第2の変数Bが再演算されるので、常にその時点での設定値パラメータに応じた適正な出力制御が行われる。
【0057】
[実施例4]
以下に説明する実施例4の発明は、出願時の請求項6の発明に対応する。実施例4の発明は、溶接ワイヤの送給速度設定値Ws並びに溶接ワイヤの材質及び直径を設定し、それらによって実施例2の発明における溶接電流設定値Isを算出するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。以下、実施例4の発明について説明する。
【0058】
実施例4の発明を実施するための溶接電源装置は、前述した図10における溶接電流設定回路ISを図12で後述する溶接電流設定値算出回路CISに置換した構成となる。
図12は、上記の溶接電流設定値算出回路CISのブロック図である。溶接電源装置の外部に設置された送給速度設定回路WSは、予め定めた送給速度設定信号Wsを出力する。溶接電源装置に内蔵された溶接電流設定値算出回路CISは、上記の送給速度設定信号Ws、溶接ワイヤの材質及び溶接ワイヤの直径を入力として、図13に例示する溶融特性によって算出した溶接電流設定信号Isを出力する。
【0059】
図13は、縦軸に示す送給速度設定値Wsと横軸に示す溶接電流設定値Isとの関係を示す溶融特性図である。同図は、溶接ワイヤの材質はアルミニウム合金A5356の場合であり、溶接ワイヤの直径が1.2[mm]又は1.6[mm]の場合の溶融特性を示す。例えば、送給速度設定値Ws=900[cm/分]のときの溶接電流設定値Isは、直径1.2[mm]のときはIs=150[A]となり、直径1.6[mm]のときはIs=250[A]となる。
溶接ワイヤの材質が鉄鋼、ステンレス鋼等の場合にも、図13に相当する溶融特性図から溶接電流設定値Isを算出する。
【0060】
上述した実施例4の発明では、実用上は溶接電流設定信号Isに代えて多く使用される送給速度設定信号Wsが外部から入力される場合においても、本発明の出力制御方法を実施することができる。
【0061】
[効果]
▲1▼ 図14は、本発明の効果を説明するための前述した図7に対応する電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流瞬時値Ioの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧瞬時値Voの時間変化を示す。同図は、図7のときと同様に、第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)中に溶接ワイヤと被溶接物との短絡が発生した場合である。以下、同図を参照して説明する。
【0062】
同図(A)に示すように、第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)中に短絡が発生すると、短絡状態を早期に解除してアークを再発生させるために、大きな値の短絡解除電流Itを通電する。本発明では、第n−1回目の1周期溶接電流平均値Iw(n-1)と、第n−1回目の1周期溶接電圧平均値Vw(n-1)との図示していない交点である動作点は、傾きKsを有する目標の外部特性上に必ず存在する。また、溶接中に短絡が発生するのは、前述した図11においてアーク長が短い場合であるので、特性Y1に示すように、第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)は短くなる。その結果、1周期溶接電圧平均値Vw(n-1)は大きくなり、アーク長が長くなる方向へと変化させる。
【0063】
次に、第n回目のパルス周期Tpb(n)中は、第n回目の1周期溶接電流平均値Iw(n)と、第n回目の1周期溶接電圧平均値Vw(n)との図示していない交点である動作点は、必ず目標の外部特性上に存在する。しかも、前周期の短絡発生に影響されることなく、現周期中の外乱に応じてアーク長を安定化するように出力制御される。
【0064】
▲2▼ 本発明の出力制御方法では、前周期とは関係なく現周期の状態をフィードバックして制御するので、原理的にフィードバック制御系の位相余裕が従来技術よりも大きくなり、制御系の安定性が向上する。すなわち、各パルス周期Tpb中の外乱によるアーク長の変動は、その周期中の出力制御によって抑制されて、次周期に影響を与えることはない。
【0065】
【発明の効果】
本発明では、各パルス周期Tpb中の1周期溶接電流平均値Iwと1周期溶接電圧平均値Vwとの動作点は必ず目標の外部特性上に存在するので、各パルス周期Tpb中の外乱によるアーク長の変動は、その周期中に抑制される。したがって、外乱に対する過渡応答性に優れているので、溶接中のアーク長の変動が小さくなり良好な溶接品質を得ることができる。
さらに、実施例3の発明では、溶接中に設定値パラメータが変化しても、それに応じて第1の変数A及び第2の変数Bを再演算することによって、常に適正な出力制御を行うことができる。
さらに、実施例4の発明では、外部から溶接電流設定信号Isに代えて送給速度設定信号Wsが入力される場合でも、本発明の出力制御方法を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の出力制御方法を説明するための電流・電圧波形図
【図2】パルスアーク溶接の電流・電圧波形図
【図3】溶接電源装置の外部特性図
【図4】従来技術2の出力制御方法を説明するための電流・電圧波形図
【図5】従来技術2の溶接電源装置のブロック図
【図6】従来技術2の溶接電源装置のタイミングチャート
【図7】解決課題を説明するための電流・電圧波形図
【図8】実施例1の出力制御方法を説明するための電流・電圧波形図
【図9】設定値パラメータを示す電流・電圧波形図
【図10】実施例2の溶接電源装置のブロック図
【図11】傾き形成電圧誤差積分値Svaの時間変化とパルス周期Tpbとの関係を示す図
【図12】実施例4における溶接電流設定値算出回路CISのブロック図
【図13】縦軸に示す送給速度設定値Wsと横軸に示す溶接電流設定値Isとの関係を示す溶融特性図
【図14】本発明の効果を説明するための電流・電圧波形図
【符号の説明】
1 溶接ワイヤ
2 被溶接物
3 アーク
4 溶接トーチ
5a ワイヤ送給装置の送給ロール
A 第1の変数
B 第2の変数
CA 第1の変数演算回路
Ca 第1の変数演算値信号
CB 第2の変数演算回路
Cb 第2の変数演算値信号
CIS 溶接電流設定値算出回路
CM 比較回路
Cm 比較信号
CMA 変数比較回路
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
f パルス周波数
IB ベース期間設定回路
Ib ベース電流(設定信号)
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
INV 出力制御回路
Io 溶接電流瞬時値
IP ピーク期間設定回路
Ip ピーク電流(設定信号)
IS 溶接電流設定回路
Is 溶接電流設定(値/信号)
Isc 電流制御設定信号
It 短絡解除電流
IW 1周期溶接電流平均値算出回路
Iw、Iw(n) 1周期溶接電流平均値(信号)
KS 傾き設定回路
Ks 外部特性の傾き(設定信号)
L1、L2 外部特性
MM タイマ回路
Mm 切換信号
P1 動作点
PS 溶接電源装置
PSA パルス周期毎制御溶接電源装置
SV 電圧誤差積分回路
Sv 電圧誤差積分値(信号)
SVA 傾き形成電圧誤差積分回路
Sva 傾き形成電圧誤差積分値(信号)
SW ピーク/ベース切換回路
Tb ベース期間
Tdw ピーク立下り期間
Tp ピーク期間
Tpb、Tpb(n) パルス周期
Tpp 最大ピーク期間
Tup ピーク立上り期間
Vb ベース電圧
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
Vo 溶接電圧瞬時値
Vp ピーク電圧
VS 溶接電圧設定回路
Vs 溶接電圧設定(値/信号)
VSC 外部特性制御回路
Vsc 電圧制御設定(値/信号)
Vw、Vw(n) 1周期溶接電圧平均値
WS 送給速度設定回路
Ws 送給速度設定(値/信号)
Y1〜Y3 溶融特性

Claims (6)

  1. 予め定めたピーク期間中は溶滴移行をさせる値に予め定めたピーク電流を通電し、続けてベース期間中は溶滴移行をさせない値に予め定めたベース電流を通電し、これら1周期の通電をパルス周期として繰り返し通電して溶接する消耗電極パルスアーク溶接に使用する溶接電源装置の出力制御方法において、
    溶接電源装置の外部特性の傾きKs及び溶接電流設定値Is及び溶接電圧設定値Vsを予め設定し、溶接中の第n回目のパルス周期中の1周期の間の溶接電流平均値Iw(n)と1周期の間の溶接電圧平均値Vw(n)とがVw(n)=Ks・(Iw(n)−Is)+Vsの関係を維持するように溶接電源装置の出力を制御するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法。
  2. ピーク期間に予め定めたピーク立上り期間及び予め定めたピーク立下り期間を設けた請求項1に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法。
  3. 予め定めたピーク期間Tp中は溶滴移行をさせる値に予め定めたピーク電流Ipを通電し、続けてベース期間Tb中は溶滴移行をさせない値に予め定めたベース電流Ibを通電し、これら1周期の通電をパルス周期として繰り返し通電して溶接する消耗電極パルスアーク溶接に使用する溶接電源装置の出力制御方法において、
    溶接電源装置の外部特性の傾きKs及び溶接電流設定値Is及び溶接電圧設定値Vsを予め設定し、前記設定値によって第1の変数A=Ks・(Ib−Is)及び第2の変数B=Ks・(Ib−Ip)・Tpを演算した後に、溶接中の溶接電圧瞬時値Voを検出して第n回目のパルス周期の開始時点からの傾き形成電圧誤差積分値Sva=∫(A+Vs−Vo)・dtを演算し、前記第n回目のピーク期間に続く第n回目のベース期間中の前記傾き形成電圧誤差積分値Svaが前記第2の変数Bの値以上になった時点で前記第n回目のパルス周期を終了し、続けて第n+1回目のパルス周期を開始して前記動作を繰り返し行うことによって前記傾きKsを有する外部特性を形成して溶接を行うパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法。
  4. 予め定めたピーク期間Tp中は溶滴移行をさせる値に予め定めたピーク電流Ipを通電し、続けてベース期間Tb中は溶滴移行をさせない値に予め定めたベース電流Ibを通電し、前記ピーク期間Tpには予め定めたピーク立上り期間Tup及び予め定めたピーク立下り期間Tdwを設け、これら1周期の通電をパルス周期として繰り返し通電して溶接する消耗電極パルスアーク溶接に使用する溶接電源装置の出力制御方法において、
    溶接電源装置の外部特性の傾きKs及び溶接電流設定値Is及び溶接電圧設定値Vsを予め設定し、第2の変数Bの演算をB=Ks・(Ib−Ip)・(Tp+(1/2)・Tup+(1/2)・Tdw)とする請求項3に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法。
  5. 第1の変数A及び第2の変数Bの演算を、溶接中の予め定めた変数演算周期毎に又はパルス周期の開始時点毎に行う請求項3又は請求項4に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法。
  6. 溶接ワイヤの送給速度設定値並びに溶接ワイヤの材質及び直径を設定し、それらによって溶接電流設定値Isを算出する請求項3又は請求項4に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法。
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