JP5429790B2 - パルスアーク溶接の出力制御方法 - Google Patents

パルスアーク溶接の出力制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶接電圧の処理値が溶接電圧設定値と等しくなるようにピーク電流及びベース電流を変化させる電流値変調制御を高精度化するためのパルスアーク溶接の出力制御方法に関するものである。
図3は、消耗電極パルスアーク溶接の一般的な電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧Vwの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
時刻t1〜t2のピーク期間Tp中は、同図(A)に示すように、溶接ワイヤから溶滴を移行させるために臨界電流値以上の大電流値のピーク電流Ipが通電し、同図(B)に示すように、溶接ワイヤと母材との間にアーク長に比例したピーク電圧Vpが印加する。
時刻t2〜t3のベース期間Tb中は、同図(A)に示すように、溶滴を形成しないようにするために小電流値のベース電流Ibが通電し、同図(B)に示すように、ベース電圧Vbが印加する。時刻t1〜t3までの期間をパルス周期Tpbとして繰り返して溶接が行われる。
良好なパルスアーク溶接を行うためには、アーク長を適正値に維持することが重要である。アーク長を適正値に維持するために以下のような出力制御が行われる。アーク長は、同図(B)で破線で示す溶接電圧平均値Vavと略比例関係にある。このために、溶接電圧平均値Vavを検出し、この検出値が適正アーク長に相当する溶接電圧設定値Vr(図示は省略)と等しくなるように同図(A)の破線で示す溶接電流平均値Iavを変化させる出力制御を行う。溶接電圧平均値Vavが溶接電圧設定値Vrよりも大きいときはアーク長が適正値よりも長いときであるので、溶接電流平均値Iavを小さくしてワイヤ溶融速度を小さくしアーク長が短くなるようにする。他方、溶接電圧平均値Vavが溶接電圧設定値Vrよりも小さいときはアーク長が適正値よりも短いときであるので、溶接電流平均値Iavを大きくしてワイヤ溶融速度を大きくしアーク長が長くなるようにする。
上記において、溶接電流平均値Iavを変化させるために、ピーク期間Tp、ベース期間Tb、ピーク電流Ip又はベース電流Ibを変化させる。特に、ピーク期間Tp及びベース期間Tbをそれぞれ所定値に固定し、ピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibを変化させることによって溶接電流平均値Iavを変化させる電流値変調制御には、以下のような特徴がある。複数の溶接ワイヤを隣接させて同時にアークを発生させながら溶接を行う多電極パルスアーク溶接においては、アーク相互間の干渉による溶接状態の不安定を抑制するために、ピーク電流Ipの通電を同期させることが行われる。この同期を取るためにはピーク期間Tp及びベース期間Tbが一定値である上記の電流値変調制御であることが望ましい。また、溶接トーチのウィービングとピーク期間Tpとを同期させることによって溶接性を向上させること(ウィービング溶接)が行われるが、このような場合にも電流値変調制御は有利である。また、アルミニウム材のパルスアーク溶接(ミグパルス溶接)においても、パルス周期Tpbが一定値となる電流値変調制御の方が、パルス周期Tpbが変化する周波数制御及びピーク期間Tpが変化するパルス幅変調制御に比べてビード外観が良好になる傾向がある。本発明は、アーク長制御をこの電流値変調制御によって行う場合に適用することができる。
上記の電流値変調制御は以下のように行われる。アーク長を検出するために、溶接電圧Vwの処理値Vfが算出される。この溶接電圧処理値Vfとしては、上述した溶接電圧平均値Vav、ピーク電圧値Vp、溶接電圧Vwからローパスフィルタによって高周波成分を除去した溶接電圧平滑値等を使用することができる。これらの値は、それぞれアーク長に略比例している。そして、適正アーク長に対応した溶接電圧設定値Vrを予め設定する。この溶接電圧設定値Vrと上記の溶接電圧処理値Vfとの電圧誤差ΔV=(Vr−Vf)を算出する。この電圧誤差ΔVに予め定めたピーク電流増幅率Gp及びベース電流増幅率Gbを乗じてピーク電流修正量ΔIp=Gp×ΔV及びベース電流修正量ΔIb=Gb×ΔVを算出する。そして、ピーク電流Ipをこのピーク電流修正量ΔIpだけ変化させ、ベース電流Ibをこのベース電流修正量ΔIbだけ変化させる。すなわち、適正アーク長と現在のアーク長との誤差に比例する電圧誤差に応じてピーク電流Ip及びベース電流Ibを変化させることで溶接電流平均値Iavを変化させるのが電流値変調制御である。このときに、ピーク電流Ip又はベース電流Ibのみを変化させるようにする場合もある。
上記の図3を用いて、電流値変調制御について、さらに具体的に説明する。時刻t1から第n回目のパルス周期Tpb(n)が開始される。この時刻t1において、上述したピーク電流修正量ΔIp及びベース電流修正量ΔIbを算出する。時刻t1〜t2のピーク期間Tp中はピーク電流Ip(n)=Ip(n-1)+ΔIpを通電し、続いて時刻t2〜t3のベース期間Tb中はベース電流Ib(n)=Ib(n-1)+ΔIbを通電する。ここで、Ip(n-1)は第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)におけるピーク電流値であり、Ib(n-1)は第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)におけるベース電流値である。時刻t3において、第n+1回目のパルス周期Tpb(n+1)が開始されると上記と同様の動作を繰り返す。このようにして、電流値変調制御が行われる。ここで、ピーク期間Tpは予め定めた基準ピーク期間Tpsに設定されており、ベース期間Tbは予め定めた基準ベース期間Tbsに設定されている。したがって、パルス周期Tpbは基準パルス周期ts=Tps+Tbsに設定されていることになる。但し、基準ピーク期間Tps及び基準ベース期間Tbsの値は、ワイヤ送給速度に応じて適正値に変化する。ワイヤ送給速度が一定であるときには、両値は変化せずに一定値となる。
上述したように電流値変調制御では、溶接電圧処理値Vfが予め定めた溶接電圧設定値Vrと等しくなるようにピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibを変化させるために、両値が適正範囲外になる場合も出てくる。すなわち、ピーク電流Ipが大きくなり過ぎるとアーク力が強くなりビード外観が悪くなる。他方、ピーク電流Ipが小さくなり過ぎると溶滴移行が不安定になり溶接状態が不安定になる。また、ベース電流Ibが大きくなり過ぎるとベース期間Tb中に溶滴が形成されることになり、安定した溶滴移行ができなくなる。他方、ベース電流Ibが小さくなり過ぎるとアーク切れが生じやすくなる。このために、ピーク電流Ip及びベース電流Ibの各値に対して、上限値及び下限値を設け、適正範囲内で変化するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−237342号公報
上述したように、従来技術の電流値変調制御では、溶接電圧処理地Vfが溶接電圧設定値Vrと等しくなるようにピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibを上限値と下限値との間で変化させている。このために、フィードバック系の過渡応答時に操作量(ピーク電流及びベース電流Ib)の変化量が制限されていることになり、過渡応答性が悪くなることがある。この過渡応答性が悪くなると、アーク長が外乱によって大きく変化したときに適正値に戻すまでに時間がかかることになる。この結果、溶接状態が一時的に不安定になり、ビード外観も悪くなる。
そこで、本発明では、電流値変調制御によるアーク長制御において、過渡応答性を改善することができるパルスアーク溶接の出力制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、
溶接ワイヤを所定速度で送給すると共に、ピーク期間中はピーク電流設定値Iprに対応したピーク電流を通電し、ベース期間中はベース電流設定値Ibrに対応したベース電流を通電し、これらの通電を1パルス周期として繰り返し、前記ピーク期間Tpを予め定めた基準ピーク期間Tpsに設定し、前記ベース期間Tbを予め定めた基準ベース期間Tbsに設定し、前記パルス周期を基準パルス周期Ts=Tps+Tbsに設定し、
溶接電圧の処理値が予め定めた溶接電圧設定値と等しくなるように前記ピーク電流及び前記ベース電流を変化させるパルスアーク溶接の出力制御方法において、
(1)第n回目のパルス周期の開始に際して、前記溶接電圧設定値と前記溶接電圧処理値との電圧誤差に基づいて前記ピーク電流設定値Ipr(n)及びベース電流設定値Ibr(n)を算出し、目標溶接電流平均値Iar=(Ipr(n)×Tps+Ibr(n)×Tbs)/Tsを算出し、
(2)前記ピーク電流設定値Ipr(n)が予め定めたピーク電流上限値Ipu以上であるときはピーク電流制御設定値Ipc(n)=Ipuとし、前記ピーク電流設定値Ipr(n)が予め定めたピーク電流下限値Ipd以下であるときは前記ピーク電流制御設定値Ipc(n)=Ipdとし、前記ピーク電流設定値Ipr(n)がIpd<Ipr(n)<Ipuであるときは前記ピーク電流制御設定値Ipc(n)=Ipr(n)とし、このピーク電流制御設定値Ipc(n)に対応した前記ピーク電流を通電し、
(3)前記ベース電流設定値Ibr(n)が予め定めたベース電流上限値Ibu以上であるときはベース電流制御設定値Ibc(n)=Ibuとし、前記ベース電流設定値Ibr(n)が予め定めたベース電流下限値Ibd以下であるときは前記ベース電流制御設定値Ibc(n)=Ibdとし、前記ベース電流設定値Ibr(n)がIbd<Ibr(n)<Ibuであるときは前記ベース電流制御設定値Ibc(n)=Ibr(n)とし、このベース電流制御設定値Ibc(n)に対応した前記ベース電流を通電し、
(4)Ipr(n)≧Ipu、Ipr(n)≦Ipd、Ibr(n)≧Ibu又はIbr(n)≦Ibdであるときは、第n回目のパルス周期における溶接電流平均値が前記目標溶接電流平均値Iarと等しくなるように前記ピーク期間及び/又は前記ベース期間を変化させる、
ことを特徴とするパルスアーク溶接の出力制御方法である。

第2の発明は、第n回目のパルス周期における前記ピーク期間をTp(n)=(Iar−Ibc(n))×Ts/(Ipc(n)−Ibc(n))に変化させ、第n回目のパルス周期における前記ベース期間をTb(n)=Ts−Tp(n)に変化させる、
ことを特徴とする第1の発明記載のパルスアーク溶接の出力制御方法である。
第3の発明は、第n回目のパルス周期における前記ピーク期間をTp(n)=Tpsとし、第n回目のパルス周期における前記ベース期間をTb(n)=((Ipc(n)−Ibc(n))×Tps/(Iar−Ibc(n)))−Tpsに変化させる、
ことを特徴とする第1の発明記載のパルスアーク溶接の出力制御方法である。
本発明によれば、溶接電圧処理値と溶接電圧設定値とが等しくなるように、ピーク電流及びベース電流を変化させると共に、ピーク電流及びベース電流の変化範囲を各々の上限値と下限値との間に制限し、ピーク電流及びベース電流を制限したときの溶接電流平均値がピーク電流及びベース電流を制限しないときの溶接電流平均値(目標溶接電流平均値)と等しくなるようにピーク期間及び/又はベース期間を変化させる。ピーク電流及びベース電流の変化範囲がアーク状態が良好となる範囲に制限されるので、溶接状態を安定に維持することができる。さらに、ピーク電流及びベース電流が制限されても溶接電流平均値の変化は制限されないようにピーク期間及び/又はベース期間を変化させるので、過渡応答性が良好になる。
本発明の第1及び第2実施形態に係るパルスアーク溶接の出力制御方法を説明するための溶接電流波形図である。 第1実施形態に係るパルスアーク溶接の出力制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 従来技術におけるパルスアーク溶接の一般的な溶接電流Iw及び溶接電圧Vwの波形図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るパルスアーク溶接の出力制御方法を説明するための溶接電流波形図である。同図(A)は、ピーク電流及びベース電流に上限値及び下限値を設けない場合の従来技術の溶接電流波形を示す。同図(B)は、ピーク電流及びベース電流に上限値及び下限値を設けた場合の従来技術の溶接電流波形を示す。同図(C)は、ピーク電流及びベース電流に上限値及び下限値を設けた上で、ピーク期間及びベース期間を変化させる場合の本発明の第1実施形態に係る溶接電流波形を示す。同図(D)は、ピーク電流及びベース電流に上限値及び下限値を設けた上で、ピーク期間を固定しベース期間を変化させる場合の本発明の第2実施形態に係る溶接電流波形を示す。各図共に溶接電圧波形は省略している。以下、同図を参照して説明する。
同図において、時刻t1から第n回目のパルス周期Tpb(n)が開始される。したがって、時刻t1以前は、第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)となる。上述したように、この時刻t1において、以下の処理を行う。
(1)第n回目のパルス周期Tpb(n)の開始時点における溶接電圧処理値Vfを算出し、溶接電圧設定値Vrとの電圧誤差ΔV=Vr−Vfを算出する。
(2)ピーク電流修正量ΔIp=Gp×ΔVを算出し、ピーク電流設定値Ipr(n)=Ipr(n-1)+ΔIpを算出する。ここで、Gpは予め定めたピーク電流増幅率であり、Ipr(n-1)は第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)開始時点で算出されたピーク電流設定値である。
(3)ベース電流修正量ΔIb=Gb×ΔVを算出し、ベース電流設定値Ibr(n)=Ibr(n-1)+ΔIbを算出する。ここで、Gbは予め定めたベース電流増幅率であり、Ibr(n-1)は第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)開始時点で算出されたベース電流設定値である。
[同図(A)の場合]
同図(A)に示すように、時刻t1〜t2のピーク期間は予め定めた基準ピーク期間Tpsとなり、時刻t2〜t3のベース期間は予め定めた基準ベース期間Tbsとなる。したがって、時刻t1〜t3のパルス周期は基準パルス周期Tsとなる。ピーク電流設定値Ipr(n)は、破線で示すピーク電流下限値Ipd以上であり、しかもピーク電流上限値Ipu以上であるが、制限を受けないので、設定値に対応したピーク電流が通電する。ベース電流設定値Ibr(n)は、破線で示すベース電流上限値Ibuとベース電流下限値Ibdとに挟まれた範囲にある場合であり、この設定値に対応したベース電流が通電する。同図(A)の場合には、ピーク電流及びベース電流が制限されないので、電圧誤差ΔVに対応して溶接電流平均値が増減するために、アーク長制御系の過渡応答性は良好である。しかし、上述したように、ピーク電流及びベース電流が制限されないために、アーク状態が不安定になる場合が生じることになる。同図(A)の第n回目のパルス周期Tpb(n)における溶接電流平均値を目標溶接電流平均値Iarと呼ぶことにすると、Iar=(Ipr(n)×Tps+Ibr(n)×Tbs)/Tsとなる。
[同図(B)の場合]
同図(B)に示すように、時刻t1〜t2のピーク期間は基準ピーク期間Tpsとなり、時刻t2〜t3のベース期間は基準ベース期間Tbsとなる。したがって、時刻t1〜t3のパルス周期は基準パルス周期Tsとなる。ピーク電流設定値Ipr(n)が破線で示すピーク電流上限値Ipuで制限されるために、ピーク電流はピーク電流上限値Ipuに対応した値となる。ベース電流設定値Ibr(n)は、破線で示すベース電流上限値Ibuとベース電流下限値Ibdとに挟まれた範囲にあるために、ベース電流はベース電流設定値Ibr(n)に対応した値となる。この結果、ピーク電流及びベース電流はアーク状態が不安定にならない範囲に制限されることになる。他方、同図(B)の場合には、溶接電流平均値は、斜線で示す部分の面積(Ipr(n)−Ipu)×Tpsだけ削除されることになるために、上記の目標溶接電流平均値Iarよりも小さくなる。すなわち、ピーク電流及びベース電流が制限されたときには、溶接電流平均値の変化量も制限されるために、アーク長制御系の過渡応答性は悪くなる。
[同図(C)の場合]
同図(C)は本発明の第1実施形態を示している。この第1実施形態では、ピーク電流及びベース電流の変化範囲を制限した上で、溶接電流平均値が上記の目標溶接電流平均値Iarと等しくなるようにピーク期間及びベース期間を変化させる。同図(C)に示すように、パルス周期は、同図(A)及び同図(B)と同様に、時刻t1〜t3となり基準パルス周期Tsとなる。ピーク期間Tp(n)は、時刻t1から始まり、時刻t2よりも後ろの時刻t21まで続く。ベース期間Tb(n)は、時刻t21〜t3の期間となる。したがって、Tp(n)>Tpsとなり、Tb(n)<Tbsとなる。すなわち、第1実施形態では、パルス周期を基準パルス周期Tsに固定し、ピーク期間の長さを変化させることによって、ピーク期間及びベース期間を変化させるいわゆるパルス幅変調制御を行うものである。ピーク電流設定値Ipr(n)、ピーク電流上限値Ipu及びピーク電流下限値Ipdによって、ピーク電流制御設定値Ipc(n)を以下のように算出する。
Ipr(n)≧IpuのときはIpc(n)=Ipu
Ipd<Ipr(n)<IpuのときはIpc(n)=Ipr(n)
Ipr(n)≦IpdのときはIpc(n)=Ipd
同様に、ベース電流設定値Ibr(n)、ベース電流上限値Ibu及びベース電流下限値Ibdによって、ベース電流制御設定値Ibc(n)を以下のように算出する。
Ibr(n)≧IpuのときはIbc(n)=Ibu
Ibd<Ibr(n)<IbuのときはIbc(n)=Ibr(n)
Ibr(n)≦IbdのときはIbc(n)=Ibd
したがって、ピーク期間中は、ピーク電流制御設定値Ipc(n)に対応したピーク電流が通電し、ベース期間中は、ベース電流制御設定値Ibc(n)に対応したベース電流が通電する。同図(C)においては、ピーク電流制御設定値Ipc(n)=Ipuとなり、ベース電流制御設定値Ibc(n)=Ibr(n)となる。
同図(C)において、第n回目のパルス周期Tpb(n)における溶接電流平均値Iavは、以下のように算出される。
Iav=(Ipc(n)×Tp(n)+Ibc(n)×Tb(n))/Ts
ここで、Tb(n)=Ts−Tp(n)を代入し、溶接電流平均値Iavが上記の目標溶接電流平均値Iarと等しくなるときのピーク期間Tp(n)は以下のように算出される。
Tp(n)=(Iar−Ibc(n))×Ts/(Ipc(n)−Ibc(n)) (1)式
また、ベース期間Tb(n)は以下のように算出される。
Tb(n)=Ts−Tp(n) (2)式
[同図(D)の場合]
同図(D)は本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、ピーク電流及びベース電流の変化範囲を制限した上で、溶接電流平均値が上記の目標溶接電流平均値Iarと等しくなるようにピーク期間及びベース期間を変化させる。同図(D)に示すように、時刻t1〜t2のピーク期間Tp(n)は、同図(A)及び同図(B)と同様に、基準ピーク期間Tpsとなる。ベース期間Tb(n)は、時刻t2から始まり、時刻t3よりも前の時刻t22まで続く。したがって、Tp(n)=Tpsとなり、Tb(n)<Tbsとなる。すなわち、第2実施形態では、ピーク期間を基準ピーク期間Tpsに固定し、ベース期間Tb(n)の長さを変化させるいわゆる周波数変調制御を行うものである。ピーク電流設定値Ipr(n)、ピーク電流上限値Ipu及びピーク電流下限値Ipdによって、ピーク電流制御設定値Ipc(n)を算出する方法は、上述した同図(C)の場合と同様である。また、ベース電流設定値Ibr(n)、ベース電流上限値Ibu及びベース電流下限値Ibdによって、ベース電流制御設定値Ibc(n)を算出する方法は、上述した同図(C)の場合と同様である。したがって、ピーク期間中は、ピーク電流制御設定値Ipc(n)に対応したピーク電流が通電し、ベース期間中は、ベース電流制御設定値Ibc(n)に対応したベース電流が通電する。同図(D)においては、ピーク電流制御設定値Ipc(n)=Ipuとなり、ベース電流制御設定値Ibc(n)=Ibr(n)となる。
同図(D)において、第n回目のパルス周期Tpb(n)における溶接電流平均値Iavは、以下のように算出される。
Iav=(Ipc(n)×Ts+Ibc(n)×Tb(n))/(Tps+Tb(n))
ここで、溶接電流平均値Iavが上記の目標溶接電流平均値Iarと等しくなるときのベース期間Tb(n)は以下のように算出される。
Tb(n)=((Ipc(n)−Ibc(n))×Tps/(Iar−Ibc(n)))−Tps (3)式
また、ピーク期間Tp(n)は以下のようになる。
Tp(n)=Tps (4)式
以下、図1(C)を参照して、上述した第1実施形態に係るパルスアーク溶接の出力制御方法について整理する。
第n回目のパルス周期Tpb(n)の開始時点(時刻t1)において以下の処理を行う。
(1)溶接電圧処理値Vfを算出し、予め定めた溶接電圧設定値Vrとの電圧誤差ΔV=Vr−Vfを算出する。ここで、溶接電圧処理値Vfとしては、前パルス周期における溶接電圧平均値Vav、前パルス周期におけるピーク電圧値Vp、溶接電圧Vwからローパスフィルタによって高周波成分を除去した溶接電圧平滑値等を使用することができる。
(2)ピーク電流修正量ΔIp=Gp×ΔVを算出し、ピーク電流設定値Ipr(n)=Ipr(n-1)+ΔIpを算出する。ここで、Gpは予め定めたピーク電流増幅率であり、Ipr(n-1)は第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)開始時点で算出されたピーク電流設定値である。
(3)ベース電流修正量ΔIb=Gb×ΔVを算出し、ベース電流設定値Ibr(n)=Ibr(n-1)+ΔIbを算出する。ここで、Gbは予め定めたベース電流増幅率であり、Ibr(n-1)は第n−1回目のパルス周期Tpb(n-1)開始時点で算出されたベース電流設定値である。
(4)基準ピーク期間Tps、基準ベース期間Tbs及び基準パルス周期Ts=Tps+Tbsを予め設定し、目標溶接電流平均値Iarを以下のように算出する。
Iar=(Ipr(n)×Tps+Ibr(n)×Tbs)/Ts
(5)ピーク電流上限値Ipu及びピーク電流下限値Ipdを予め設定し、ピーク電流制御設定値Ipc(n)を以下のように算出する。
Ipr(n)≧IpuのときはIpc(n)=Ipu
Ipd<Ipr(n)<IpuのときはIpc(n)=Ipr(n)
Ipr(n)≦IpdのときはIpc(n)=Ipd
(6)ベース電流上限値Ibu及びベース電流下限値Ibdを予め設定し、ベース電流制御設定値Ibc(n)を以下のように算出する。
Ibr(n)≧IbuのときはIbc(n)=Ibu
Ibd<Ibr(n)<IbuのときはIbc(n)=Ibr(n)
Ibr(n)≦IbdのときはIbc(n)=Ibd
(7)上記(1)式及び(2)式によって、ピーク期間Tp(n)及びベース期間Tb(n)を算出する。
Tp(n)=(Iar−Ibc(n))×Ts/(Ipc(n)−Ibc(n)) (1)式
Tb(n)=Ts−Tp(n) (2)式
そして、第n回目のパルス周期Tpb(n)において、ピーク期間Tp(n)中はピーク電流制御設定値Ipc(n)に対応したピーク電流を通電し、ベース期間Tb(n)中はベース電流制御設定値Ibc(n)に対応したベース電流を通電する。第1実施形態では、パルス周期Tpbは基準パルス周期Tsに固定されているので、Tp(n)+Tb(n)=Tsとなる。すなわち、第1実施形態では、アーク長制御は、電流値変調制御とパルス幅変調制御とを併用していることになる。
次に、図1(D)を参照して、第2実施形態に係るパルスアーク溶接の出力制御方法について整理する。第2実施形態では、上述した第1実施形態における(1)〜(6)の処理は同一であり、(7)の処理が以下のようになる。
(7)上記(3)式及び(4)式によって、ピーク期間Tp(n)及びベース期間Tb(n)を算出する。
Tb(n)=((Ipc(n)−Ibc(n))×Tps/(Iar−Ibc(n)))−Tps (3)式
Tp(n)=Tps (4)式
そして、第n回目のパルス周期Tpb(n)において、ピーク期間Tp(n)中はピーク電流制御設定値Ipc(n)に対応したピーク電流を通電し、ベース期間Tb(n)中はベース電流制御設定値Ibc(n)に対応したベース電流を通電する。第2実施形態では、ピーク期間Tpは基準ピーク期間Tpsに固定されており、ベース期間Tbが変化するので、結果的には、パルス周期(周波数)が変化していることになる。すなわち、第2実施形態では、アーク長制御は、電流値変調制御と周波数変調制御とを併用していることになる。
上述した第1及び第2実施形態において、ピーク電流増幅率Gp又はベース電流増幅率Gbを0に設定すれば、電圧誤差によってピーク電流又はベース電流の一方だけを変化させるようにすることができる。ピーク電流上限値Ipu、ピーク電流下限値Ipd、ベース電流上限値Ibu及びベース電流下限値Ibdの数値例を以下に示す。溶接ワイヤに直径1.2mmのアルミニウム合金ワイヤを使用し、ワイヤ送給速度を9.6m/minに設定した場合、Ipu=360A、Ipd=290A、Ibu=120A、Ibd=30Aとなる。
図2は、上述した本発明の第1実施形態に係るパルスアーク溶接の出力制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御による出力制御を行い、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を上記の駆動信号Dvに従って高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトルから構成される。溶接ワイヤ1は、ワイヤ送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生して溶接が行われる。
溶接電圧処理回路VFは、上記の溶接電圧Vwを検出して処理し、溶接電圧処理信号Vfを出力する。溶接電圧設定回路VRは、予め定めた溶接電圧設定信号Vrを出力する。電圧誤差回路EVは、上記の溶接電圧設定信号Vrと上記の溶接電圧処理信号Vfとの電圧誤差信号ΔV=Vr−Vfを出力する。ピーク電流設定回路IPRは、前周期におけるピーク電流設定信号Ipr(n-1)及び上記の電圧誤差信号ΔVを入力として、ピーク電流設定信号Ipr(n)=Ipr(n-1)+Gp×ΔV(但し、Gpは予め定めたピーク電流増幅率)を出力する。ベース電流設定回路IBRは、前周期におけるベース電流設定信号Ibr(n-1)及び上記の電圧誤差信号ΔVを入力として、ベース電流設定信号Ibr(n)=Ibr(n-1)+Gb×ΔV(但し、Gbは予め定めたベース電流増幅率)を出力する。
目標溶接電流平均値算出回路IARは、上記のピーク電流設定信号Ipr(n)及び上記のベース電流設定信号Ibr(n)を入力として、目標溶接電流平均値信号Iar=(Ipr(n)×Tps+Ibr(n)×Tbs)/Tsを算出して出力する。但し、Tpsは予め定めた基準ピーク期間であり、Tbsは予め定めた基準ベース期間であり、Tsは予め定めた基準パルス周期である。Ts=Tps+Tbsである。
ピーク電流制御設定回路IPCは、上記のピーク電流設定信号Ipr(n)を入力として、以下のようにしてピーク電流制御設定信号Ipcを算出して出力する。
Ipr(n)≧IpuのときはIpc(n)=Ipu
Ipd<Ipr(n)<IpuのときはIpc(n)=Ipr(n)
Ipr(n)≦IpdのときはIpc(n)=Ipd
但し、Ipuは予め定めたピーク電流上限値であり、Ipdは予め定めたピーク電流下限値である。
ベース電流制御設定回路IBCは、上記のベース電流設定信号Ibr(n)を入力として、以下のようにしてベース電流制御設定信号Ibcを算出して出力する。
Ibr(n)≧IbuのときはIbc(n)=Ibu
Ibd<Ibr(n)<IbuのときはIbc(n)=Ibr(n)
Ibr(n)≦IbdのときはIbc(n)=Ibd
但し、Ibuは予め定めたベース電流上限値であり、Ibdは予め定めたベース電流下限値である。
パルス周期タイマ回路TPBは上記の目標溶接電流平均値信号Iar、上記のピーク電流制御設定信号Ipc(n)及びベース電流制御設定信号Ibc(n)を入力として、上記(1)式及び(2)式によってピーク期間Tp(n)及びベース期間Tb(n)を算出し、第n回目のパルス周期の開始時点からこのピーク期間Tp(n)によって定まる期間中はHighレベルになり、その後はこのベース期間Tb(n)によって定まる期間中はLowレベルになるパルス周期信号Tpbを出力する。したがって、このパルス周期信号Tpbは、ピーク期間中はHighレベルになり、ベース期間中はLowレベルになる。切換回路SWは、このパルス周期信号Tpb、上記のピーク電流制御設定信号Ipc(n)及び上記のベース電流制御設定信号Ibc(n)を入力として、パルス周期信号TpbがHighレベル(ピーク期間)のときはピーク電流制御設定信号Ipc(n)を溶接電流設定信号Irとして出力し、Lowレベル(ベース期間)中はベース電流制御設定信号Ibc(n)を溶接電流設定信号Irとして出力する。溶接電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号Idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の溶接電流設定信号Irと上記の溶接電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。駆動回路DVは、この電流誤差増幅信号Eiを入力として、変調制御を行い、この結果に基づいて上記のインバータ回路を駆動するための駆動信号Dvを出力する。上述した構成によって、図1(C)で上述した電流値変調制御+パルス幅変調制御が行われる。
また、第2実施形態に係るパルスアーク溶接の出力制御方法を実施するための溶接電源では、図2において、パルス周期タイマ回路TPBの動作を以下のようにすれば良い。
パルス周期タイマ回路TPBは上記の目標溶接電流平均値信号Iar、上記のピーク電流制御設定信号Ipc(n)及びベース電流制御設定信号Ibc(n)を入力として、上記(3)式及び(4)式によってピーク期間Tp(n)及びベース期間Tb(n)を算出し、第n回目のパルス周期の開始時点からこのピーク期間Tp(n)によって定まる期間中はHighレベルになり、その後はこのベース期間Tb(n)によって定まる期間中はLowレベルになるパルス周期信号Tpbを出力する。
上述した第1及び第2実施形態によれば、溶接電圧処理値と溶接電圧設定値とが等しくなるように、ピーク電流及びベース電流を変化させると共に、ピーク電流及びベース電流の変化範囲を各々の上限値と下限値との間に制限し、ピーク電流及びベース電流を制限したときの溶接電流平均値がピーク電流及びベース電流を制限しないときの溶接電流平均値(目標溶接電流平均値)と等しくなるようにピーク期間及び/又はベース期間を変化させる。ピーク電流及びベース電流の変化範囲がアーク状態が良好となる範囲に制限されるので、溶接状態を安定に維持することができる。さらに、ピーク電流及びベース電流が制限されても溶接電流平均値の変化は制限されないようにピーク期間及び/又はベース期間を変化させるので、過渡応答性が良好になる。
第1及び第2実施形態では、アーク長制御を電流値変調制御とパルス幅変調制御(周波数変調制御)とを併用することによって、両変調制御の有利な点を兼ね備えた変調制御を実現している。このために、定常溶接状態又はアーク長の変動が小さい状態では、電流値変調制御となり、上述した多電極パルスアーク溶接、ウィービング溶接、ミグパルス溶接等において高品質な溶接結果を得ることができる。他方、アーク長の変動が大きい場合には、電流値変調制御に加えてパルス幅変調制御(周波数変調制御)が行われるので、過渡応答性を良好にすることができ、速やかに適正アーク長に収束させることができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差回路
Gb ベース電流増幅率
Gp ピーク電流増幅率
IAR 目標溶接電流平均値算出回路
Iar 目標溶接電流平均値(信号)
Iav 溶接電流平均値
Ib ベース電流
IBC ベース電流制御設定回路
Ibc ベース電流制御設定(値/信号)
Ibd ベース電流下限値
IBR ベース電流設定回路
Ibr ベース電流設定(値/信号)
Ibu ベース電流上限値
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電流検出信号
Ip ピーク電流
IPC ピーク電流制御設定回路
Ipc ピーク電流制御設定(値/信号)
Ipd ピーク電流下限値
IPR ピーク電流設定回路
Ipr ピーク電流設定(値/信号)
Ipu ピーク電流上限値
Ir 溶接電流設定信号
Iw 溶接電流
PM 電源主回路
SW 切換回路
Tb ベース期間
Tbs 基準ベース期間
Tp ピーク期間
TPB パルス周期タイマ回路
Tpb パルス周期(信号)
Tps 基準ピーク期間
Ts 基準パルス周期
Vav 溶接電圧平均値
Vb ベース電圧
VF 溶接電圧処理回路
Vf 溶接電圧処理(値/信号)
Vp ピーク電圧
VR 溶接電圧設定回路
Vr 溶接電圧設定(値/信号)
Vw 溶接電圧
WM ワイヤ送給モータ
ΔIb ベース電流修正量
ΔIp ピーク電流修正量
ΔV 電圧誤差(信号)

Claims (3)

  1. 溶接ワイヤを所定速度で送給すると共に、ピーク期間中はピーク電流設定値Iprに対応したピーク電流を通電し、ベース期間中はベース電流設定値Ibrに対応したベース電流を通電し、これらの通電を1パルス周期として繰り返し、前記ピーク期間Tpを予め定めた基準ピーク期間Tpsに設定し、前記ベース期間Tbを予め定めた基準ベース期間Tbsに設定し、前記パルス周期を基準パルス周期Ts=Tps+Tbsに設定し、
    溶接電圧の処理値が予め定めた溶接電圧設定値と等しくなるように前記ピーク電流及び前記ベース電流を変化させるパルスアーク溶接の出力制御方法において、
    (1)第n回目のパルス周期の開始に際して、前記溶接電圧設定値と前記溶接電圧処理値との電圧誤差に基づいて前記ピーク電流設定値Ipr(n)及びベース電流設定値Ibr(n)を算出し、目標溶接電流平均値Iar=(Ipr(n)×Tps+Ibr(n)×Tbs)/Tsを算出し、
    (2)前記ピーク電流設定値Ipr(n)が予め定めたピーク電流上限値Ipu以上であるときはピーク電流制御設定値Ipc(n)=Ipuとし、前記ピーク電流設定値Ipr(n)が予め定めたピーク電流下限値Ipd以下であるときは前記ピーク電流制御設定値Ipc(n)=Ipdとし、前記ピーク電流設定値Ipr(n)がIpd<Ipr(n)<Ipuであるときは前記ピーク電流制御設定値Ipc(n)=Ipr(n)とし、このピーク電流制御設定値Ipc(n)に対応した前記ピーク電流を通電し、
    (3)前記ベース電流設定値Ibr(n)が予め定めたベース電流上限値Ibu以上であるときはベース電流制御設定値Ibc(n)=Ibuとし、前記ベース電流設定値Ibr(n)が予め定めたベース電流下限値Ibd以下であるときは前記ベース電流制御設定値Ibc(n)=Ibdとし、前記ベース電流設定値Ibr(n)がIbd<Ibr(n)<Ibuであるときは前記ベース電流制御設定値Ibc(n)=Ibr(n)とし、このベース電流制御設定値Ibc(n)に対応した前記ベース電流を通電し、
    (4)Ipr(n)≧Ipu、Ipr(n)≦Ipd、Ibr(n)≧Ibu又はIbr(n)≦Ibdであるときは、第n回目のパルス周期における溶接電流平均値が前記目標溶接電流平均値Iarと等しくなるように前記ピーク期間及び/又は前記ベース期間を変化させる、
    ことを特徴とするパルスアーク溶接の出力制御方法。
  2. 第n回目のパルス周期における前記ピーク期間をTp(n)=(Iar−Ibc(n))×Ts/(Ipc(n)−Ibc(n))に変化させ、第n回目のパルス周期における前記ベース期間をTb(n)=Ts−Tp(n)に変化させる、
    ことを特徴とする請求項1記載のパルスアーク溶接の出力制御方法。
  3. 第n回目のパルス周期における前記ピーク期間をTp(n)=Tpsとし、第n回目のパルス周期における前記ベース期間をTb(n)=((Ipc(n)−Ibc(n))×Tps/(Iar−Ibc(n)))−Tpsに変化させる、
    ことを特徴とする請求項1記載のパルスアーク溶接の出力制御方法。
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