JP2024013700A - パルスアーク溶接のアークスタート制御方法 - Google Patents

パルスアーク溶接のアークスタート制御方法 Download PDF

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Haruna Shimonihara
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Abstract

【課題】アルミニウム又はその合金のパルスアーク溶接において、アークスタート後の過渡期間中にアーク長が長くなることを抑制して溶接状態を安定化させること。【解決手段】材質がアルミニウム又はその合金である溶接ワイヤを送給し、ピーク期間中のピーク電流及びベース期間中のベース電流の通電を1パルス周期として繰り返して溶接するパルスアーク溶接のアークスタート制御方法において、アークスタート後の時刻t3~t4の過渡期間中は、溶接電流Iwの平均値が時刻t4以降の定常溶接期間中よりも小さくなるように制御する。過渡期間は、溶接ワイヤの送給速度Fwが定常送給速度に達するまでの期間である。過渡期間中は、パルス周期ごとの溶接電流Iwの平均値が経時的に大きくなるように制御する。【選択図】 図2

Description

本発明は、アルミニウム又はその合金である溶接ワイヤを送給して溶接するパルスアーク溶接のアークスタート制御方法に関するものである。
溶接ワイヤを送給し、ピーク期間中のピーク電流及びベース期間中のベース電流を1パルス周期とする溶接電流を通電して溶接する消耗電極式パルスアーク溶接方法が広く使用されている。
パルスアーク溶接を含む消耗電極式アーク溶接では、溶接中のアーク長を適正値に維持することが良好な溶接品質を得るために重要である。しかし、パルスアーク溶接において、アークスタート後の過渡期間中に、アーク長が突然急速に長くなり、溶接状態が不安定になる現象がときどき発生する。そして、アーク長が非常に長くなるために、アーク切れ又は給電チップへの溶着に至る場合もある。この問題に対処するために、特許文献1の発明では、 アークスタート後の過渡期間中は、定常ピーク電流を予め定めた減少値だけ減少させた過渡ピーク電流及び定常ベース電流を予め定めた増加値だけ増加させた過渡ベース電流を通電するようにしている。
特開2016-128187号公報
アルミニウム又はその合金である溶接ワイヤを使用するパルスアーク溶接において、アークスタート後の過渡期間中にアーク長が長くなり、溶接品質が悪くなる問題が発生する。上述した従来技術を適用しても、この問題を解決することはできない。
そこで、本発明は、アルミニウム又はその合金である溶接ワイヤを送給して溶接するパルスアーク溶接のアークスタート制御方法において、アークスタート後の過渡期間中のアーク長を適正値に制御することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
材質がアルミニウム又はその合金である溶接ワイヤを送給し、
ピーク期間中のピーク電流及びベース期間中のベース電流の通電を1パルス周期として繰り返して溶接するパルスアーク溶接のアークスタート制御方法において、
アークスタート後の過渡期間中は、溶接電流平均値が定常溶接期間中よりも小さくなるように制御する、
ことを特徴とするパルスアーク溶接のアークスタート制御方法である。
請求項2の発明は、
前記過渡期間は、前記溶接ワイヤの送給速度が定常送給速度に達するまでの期間である、
ことを特徴とする請求項1に記載のパルスアーク溶接のアークスタート制御方法である。
請求項3の発明は、
前記過渡期間中は、前記パルス周期ごとの前記溶接電流平均値が一定になるように制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のパルスアーク溶接のアークスタート制御方法である。
請求項4の発明は、
前記過渡期間中は、前記パルス周期ごとの前記溶接電流平均値が経時的に大きくなるように制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のパルスアーク溶接のアークスタート制御方法である。
本発明によれば、アルミニウム又はその合金である溶接ワイヤを送給して溶接するパルスアーク溶接のアークスタート制御方法において、アークスタート後の過渡期間中のアーク長を適正値に制御することができる。
本発明の実施の形態に係るパルスアーク溶接のアークスタート制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態に係るパルスアーク溶接のアークスタート制御方法を示す図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るパルスアーク溶接のアークスタート制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御による出力制御を行い、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を上記の駆動信号Dvに従って高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトルを備えている。
溶接ワイヤ1は、ワイヤリール1aに巻かれている。溶接ワイヤ1は、ワイヤ送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給速度Fwで送給されて、母材2との間にアーク3が発生して溶接が行われる。アーク3中を溶接電流Iwが通電し、溶接トーチ4内の給電チッップ(図示は省略)と母材2との間に溶接電圧Vwが印加する。
溶接電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して溶接電圧検出信号Vdを出力する。溶接電圧平均値算出回路VAVは、この溶接電圧検出信号Vdを入力として、ローパスフィルタに通すことによって平均化して、溶接電圧平均値信号Vavを出力する。溶接電圧設定回路VRは、予め定めた溶接電圧設定信号Vrを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、この溶接電圧設定信号Vrと上記の溶接電圧平均値信号Vavとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。
電圧・周波数変換回路VFは、上記の電圧誤差増幅信号Evを入力として、この電圧誤差増幅信号Evの値に応じた周波数を有するパルス周期信号Tfを出力する。このパルス周期信号Tfは、パルス周期ごとに短時間Highレベルになる信号である。
溶接開始回路STは、溶接電源を起動するときにHighレベルとなる溶接開始信号Stを出力する。この溶接開始回路STは、溶接トーチ4に取り付けられたトーチスイッチ、ロボットを使用する場合にはロボット制御装置等が相当する。
溶接電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して溶接電流検出信号Idを出力する。電流通電判別回路CDは、上記の電流検出信号Idを入力として、この値がしきい値(10A程度)以上のときは溶接電流Iwが通電していると判別してHighレベルとなる電流通電判別信号Cdを出力する。
ホットスタート期間回路STHは、上記の電流通電判別信号Cdを入力として、電流通電判別信号CdがHighレベルに変化した時点から予め定めたホットスタート期間Th中はHighレベルとなるホットスタート期間信号Sthを出力する。
過渡期間設定回路TKRは、予め定めた過渡期間設定信号Tkrを出力する。
過渡期間回路STKは、上記のホットスタート期間信号Sth及び上記の過渡期間設定信号Tkrを入力として、ホットスタート期間信号SthがLowレベルに変化した時点から過渡期間設定信号Tkrによって定まる過渡期間Tk中はHighレベルとなる過渡期間信号Stkを出力する。
ホットスタート電流設定回路IHRは、予め定めたホットスタート電流設定信号Ihrを出力する。
過渡期間電流設定回路IKRは、上記の過渡期間信号Stkを入力として、過渡期間信号StkがHighレベルとなる過渡期間Tk中は、以下の1)~4)の処理を繰り返してパルス状の波形となる過渡期間電流設定信号Ikrを出力する。
1)予め定めた過渡期間立上り期間Tku中は、予め定めた過渡期間ベース電流値Ikbから予め定めた過渡期間ピーク電流値Ikpへと上昇する過渡期間電流設定信号Ikrを出力する。
2)続けて、予め定めた過渡期間ピーク期間Tkp中は、過渡期間ピーク電流値Ikpとなる過渡期間電流設定信号Ikrを出力する。
3)続けて、予め定めた過渡期間立下り期間Tkd中は、過渡期間ピーク電流値Ikpから過渡期間ベース電流値Ikbへと下降する過渡期間電流設定信号Ikrを出力する。
4)続けて、予め定めた過渡期間ベース期間Tkb中は、過渡期間ベース電流値Ikbとなる過渡期間電流設定信号Ikrを出力する。
上記において、過渡期間電流設定信号Ikrの平均値が定常溶接期間中の溶接電流平均値よりも小さくなるように、波形パラメータを設定する。例えば、過渡期間中のピーク電流及びベース電流の設定値を定常溶接期間よりも小さな値に設定する。さらに、過渡期間電流設定信号Ikrのパルス周期ごとの平均値が一定になるように、波形パラメータを設定する。このためには、上述したように、波形パラメータを全て所定値にすれば良い。さらに、過渡期間電流設定信号Ikrのパルス周期ごとの平均値が経時的に大きくなるように、波形パラメータを設定する。例えば、過渡期間中のピーク電流及びベース電流の設定値を定常溶接期間中よりも小さい範囲で経時的に大きくすれば良い。
定常電流設定回路ICRは、上記のパルス周期信号Tfを入力として、パルス周期信号TfがHighレベルとなるごとに以下の1)~4)の処理を繰り返してパルス状の波形となる定常電流設定信号Icrを出力する。
1)予め定めた定常立上り期間Tcu中は、予め定めた定常ベース電流値Icbから予め定めた定常ピーク電流値Icpへと上昇する定常電流設定信号Icrを出力する。
2)続けて、予め定めた定常ピーク期間Tcp中は、定常ピーク電流値Icpとなる定常電流設定信号Icrを出力する。
3)続けて、予め定めた定常立下り期間Tcd中は、定常ピーク電流値Icpから定常ベース電流値Icbへと下降する定常電流設定信号Icrを出力する。
4)続けて、パルス周期信号TfがHighレベルに変化するまでの定常ベース期間Tcb中は、定常ベース電流値Icbとなる定常電流設定信号Icrを出力する。
電流設定回路IRは、上記の溶接開始信号St、上記のホットスタート期間信号Sth、上記の過渡期間信号Stk、上記のホットスタート電流設定信号Ihr、上記の過渡期間電流設定信号Ikr及び上記の定常電流設定信号Icrを入力として、以下の処理を行い、電流設定信号Irを出力する。
1)溶接開始信号StがHighレベルに変化した時点からホットスタート期間信号SthがLowレベルに変化するまでのスローダウン送給速度期間及びホットスタート期間Th中は、ホットスタート電流設定信号Ihrを電流設定信号Irとして出力する。
2)過渡期間信号StkがHighレベルとなる過渡期間Tk中は、過渡期間電流設定信号Ikrを電流設定信号Irとして出力する。
3)その後に、過渡期間信号StkがLowレベルになると定常期間Tcとなり、定常電流設定信号Icrを電流設定信号Irとして出力する。
電流誤差増幅回路EIは、上記の電流設定信号Irと上記の溶接電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。駆動回路DVは、この電流誤差増幅信号Ei及び上記の溶接開始信号Stを入力として、溶接開始信号StがHighレベルのときは、PWM制御を行い、上記の電源主回路PMのインバータ回路を駆動するための駆動信号Dvを出力する。
定常送給速度設定回路FCRは、定常溶接期間中の送給速度を設定するための定常送給速度設定信号Fcrを出力する。
送給速度設定回路FRは、上記の溶接開始信号St、上記の電流通電判別信号Cd、上記の定常送給速度設定信号Fcr及び上記の過渡期間信号Stkを入力として、以下の処理を行い送給速度設定信号Frを出力する。
1)溶接開始信号StがHighレベルになると、予め定めたスローダウン送給速度となる送給速度設定信号Frを出力する。
2)その後に、電流通電判別信号CdがHighレベルに変化した時点から過渡期間信号StkがLowレベルに変化するまでの期間中は、スローダウン送給速度から定常送給速度設定信号Fcrの値へと加速する送給速度設定信号Frを出力する。
3)その後に、過渡期間信号StkがLowレベルになると定常溶接期間Tcとなり、定常送給速度設定信号Fcrの値となる送給速度設定信号Frを出力する。
送給制御回路WCは、上記の送給速度設定信号Fr及び上記の溶接開始信号Stを入力として、溶接開始信号StがHighレベルになると、送給速度設定信号Frによって定まる送給速度Fwで溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Wcを上記のワイヤ送給モータWMに出力する。
図2は、本発明の実施の形態に係るパルスアーク溶接のアークスタート制御方法を示す図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接開始信号Stの時間変化を示し、同図(B)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(D)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(E)は過渡期間信号Stkの時間変化を示す。以下、同図を参照して各信号の動作について説明する。
(1)スローダウン送給速度期間
時刻t1において、同図(A)に示すように、溶接開始信号StがHighレベル(溶接開始)に変化すると、溶接電源が起動されて、同図(B)に示すように、溶接ワイヤ1は予め定めたスローダウン送給速度による送給が開始され、同図(D)に示すように、無負荷電圧が溶接ワイヤ1と母材2との間に印加される。スローダウン送給速度は、1m/min程度の遅い速度に設定される。
(2)ホットスタート期間Th
時刻t2において、溶接ワイヤ1の先端が母材2と接触すると、短い短絡の後にアーク3が発生する。これに応動して、同図(C)に示すように、時刻t2~t3の予め定めたホットスタート期間Th(5ms程度)中は予め定めた大電流値のホットスタート電流Ih(450A程度)が通電する。同図(D)に示すように、溶接電圧Vwは、時刻t2から短い短絡の間は数Vの短絡電圧値に急減し、アーク3が発生すると時刻t3まで数十Vのアーク電圧値に増加する。
(3)過渡期間Tk
時刻t3にホットスタート期間Thが終了すると、同図(E)に示すように、時刻t3~t4の期間中は過渡期間信号StkがHighレベルとなり、過渡期間Tkに移行する。同図(B)に示すように、送給速度Fwは、過渡期間Tk中に定常送給速度まで加速される。過渡期間Tkは、図1の過渡期間設定信号Tkrによって設定される。したがって、過渡期間Tkは、送給速度Fwを定常送給速度まで加速する期間として設定される。同図(C)に示すように、溶接電流Iwは、以下の1)~4)のパルス波形を繰り返して通電する。
1)予め定めた過渡期間立上り期間Tku中は、予め定めた過渡期間ベース電流値Ikbから予め定めた過渡期間ピーク電流値Ikpへと上昇する過渡期間溶接電流が通電する。
2)続けて、予め定めた過渡期間ピーク期間Tkp中は、過渡期間ピーク電流値Ikpとなる過渡期間溶接電流が通電する。
3)続けて、予め定めた過渡期間立下り期間Tkd中は、過渡期間ピーク電流値Ikpから過渡期間ベース電流値Ikbへと下降する過渡期間溶接電流が通電する。
4)続けて、予め定めた過渡期間ベース期間Tkb中は、過渡期間ベース電流値Ikbとなる過渡期間溶接電流が通電する。
上記において、過渡期間溶接電流の平均値が定常溶接期間中の溶接電流平均値よりも小さくなるように、波形パラメータを設定する。例えば、過渡期間中のピーク電流及びベース電流の設定値を定常溶接期間よりも小さな値に設定する。さらに、過渡期間溶接電流のパルス周期ごとの平均値が一定になるように、波形パラメータを設定する。このためには、上述したように、波形パラメータを全て所定値にすれば良い。さらに、過渡期間溶接電流のパルス周期ごとの平均値が経時的に大きくなるように、波形パラメータを設定する。例えば、過渡期間中のピーク電流及びベース電流の設定値を定常溶接期間中よりも小さい範囲で経時的に大きくすれば良い。同図(D)に示すように、溶接電圧Vwは、溶接電流Iwと相似した波形となる。ここで、過渡期間TKは100ms程度であり、過渡期間Tk中のパルス周期は5~10ms程度であるので、過渡期間Tk中に10~16のパルス周期が含まれることになる。
(4)定常溶接期間Tc
時刻t4に過渡期間Tkが終了すると、同図(E)に示すように、過渡期間信号StkがLowレベルに変化して、定常溶接期間Tcに移行する。同図(B)に示すように、送給速度Fwは、定常送給速度となる。同図(C)に示すように、溶接電流Iwは、以下の1)~4)のパルス波形を繰り返して通電する。
1)予め定めた定常立上り期間Tcu中は、予め定めた定常ベース電流値Icbから予め定めた定常ピーク電流値Icpへと上昇する定常溶接電流が通電する。
2)続けて、予め定めた定常ピーク期間Tcp中は、定常ピーク電流値Icpとなる定常溶接電流が通電する。
3)続けて、予め定めた定常立下り期間Tcd中は、定常ピーク電流値Icpから定常ベース電流値Icbへと下降する定常溶接電流が通電する。
4)続けて、定常ベース期間Tcb中は、定常ベース電流値Icbとなる定常溶接電流が通電する。
同図(D)に示すように、溶接電圧Vwは、溶接電流Iwと相似した波形となる。定常溶接期間中のパルス周期は、溶接電圧Vwの平均値が図1の溶接電圧設定信号Vrの値と等しくなるようにフィードバック制御される。これにより、アーク長が所望値になるように制御される。
以下に各パラメータの数値例を示す。
溶接ワイヤ=φ1.2の硬質アルミニウム、シールドガス=100%アルゴン
定常送給速度=12m/min、過渡期間Tk=100ms
定常溶接期間の電流平均値(所定値ではない)=200A
過渡期間の溶接電流平均値(所定値)=90A
定常溶接期間の波形パラメータ:Icp=340A、Icb=120A
Tcp=0.3ms、Tcu=2ms、Tcd=2ms、Tcb(所定値ではない)=1.7ms
過渡期間の波形パラメータ:Ikp=170A、Ikb=60A
Tkp=0.3ms、Tku=2ms、Tkd=2ms、Tkb(所定値)=3.7ms
以下、本実施の形態の作用効果について説明する。
上述した本実施の形態によれば、アークスタート後の過渡期間中は、溶接電流平均値が定常溶接期間中よりも小さくなるように制御する。従来技術では、アルミニウム又はその合金である溶接ワイヤを使用するパルスアーク溶接において、アークスタート後の過渡期間中にアーク長が長くなり、溶接品質が悪くなる問題が発生する。本実施の形態では、過渡期間中の溶接電流平均値を定常溶接期間中よりも小さくなるように制御するので、アーク長が長くなることを抑制することができる。この結果、本実施の形態では、アークスタート後の過渡期間中のアーク長を適正値に制御することができる。
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、過渡期間は、前記溶接ワイヤの送給速度が定常送給速度に達するまでの期間である。過渡期間中にアーク長が長くなる原因は、送給速度が定常送給速度に達していないためである。そこで、送給速度が定常送給速度に達するまでの期間を過渡期間として設定すれば、その期間中の溶接電流平均値を小さくすることで、アーク長が長くなることを的確に抑制することができる。
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、過渡期間中は、パルス周期ごとの溶接電流平均値が一定になるように制御する。このようにすれば、過渡期間中の溶接ワイヤへの入熱量を一定にすることができるので、溶接ワイヤ先端の溶融を抑制して、アーク長が長くなることを確実に防止することができる。
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、過渡期間中は、パルス周期ごとの溶接電流平均値が定常溶接期間中よりも小さくなる範囲において経時的に大きくなるように制御する。このようにすれば、送給速度が経時的に早くなるのに応じて、溶接電流平均値も大きくなるので、過渡期間中のアーク長をより確実に適正値に制御することができる。
1 溶接ワイヤ
1a ワイヤリール
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
CD 電流通電判別回路
Cd 電流通電判別信号
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
Fc 定常送給速度
FCR 定常送給速度設定回路
Fcr 定常送給速度設定信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
Icb 定常ベース電流
Icp 定常ピーク電流
ICR 定常電流設定回路
Icr 定常電流設定信号
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電流検出信号
Ih ホットスタート電流
IHR ホットスタート電流設定回路
Ihr ホットスタート電流設定信号
Ikb 過渡期間ベース電流
Ikp 過渡期間ピーク電流
IKR 過渡期間電流設定回路
Ikr 過渡期間電流設定信号
IR 電流設定回路
Ir 電流設定信号
Iw 溶接電流
PM 電源主回路
ST 溶接開始回路
St 溶接開始信号
STH ホットスタート期間回路
Sth ホットスタート期間信号
STK 過渡期間回路
Stk 過渡期間信号
Tc 定常溶接期間
Tcb 定常ベース期間
Tcd 定常立下り期間
Tcp 定常ピーク期間
Tcu 定常立上り期間
Tf パルス周期信号
Th ホットスタート期間
Tkb 過渡期間ベース期間
Tkd 過渡期間立下り期間
Tkp 過渡期間ピーク期間
Tku 過渡期間立上り期間
Tk 過渡期間
TKR 過渡期間設定回路
Tkr 過渡期間設定信号
VAV 溶接電圧平均値算出回路
Vav 溶接電圧平均値信号
VD 溶接電圧検出回路
Vd 溶接電圧検出信号
VF 電圧・周波数変換回路
VR 溶接電圧設定回路
Vr 溶接電圧設定信号
Vw 溶接電圧
WC 送給制御回路
Wc 送給制御信号
WM ワイヤ送給モータ

Claims (4)

  1. 材質がアルミニウム又はその合金である溶接ワイヤを送給し、
    ピーク期間中のピーク電流及びベース期間中のベース電流の通電を1パルス周期として繰り返して溶接するパルスアーク溶接のアークスタート制御方法において、
    アークスタート後の過渡期間中は、溶接電流平均値が定常溶接期間中よりも小さくなるように制御する、
    ことを特徴とするパルスアーク溶接のアークスタート制御方法。
  2. 前記過渡期間は、前記溶接ワイヤの送給速度が定常送給速度に達するまでの期間である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のパルスアーク溶接のアークスタート制御方法。
  3. 前記過渡期間中は、前記パルス周期ごとの前記溶接電流平均値が一定になるように制御する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のパルスアーク溶接のアークスタート制御方法。
  4. 前記過渡期間中は、前記パルス周期ごとの前記溶接電流平均値が経時的に大きくなるように制御する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のパルスアーク溶接のアークスタート制御方法。
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