JP2023040450A - アーク溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルスアーク溶接と短絡移行アーク溶接とを交互に切り換えて溶接するアーク溶接方法において、溶接方法の切り換えを円滑に行うこと。【解決手段】溶接ワイヤの送給速度Fwを第1送給速度としてパルスアーク溶接を行う期間(時刻t1~t2の期間)と、送給速度Fwを第2送給速度として短絡移行アーク溶接を行う期間(時刻t3~t4の期間)とを交互に切り換えて溶接し、パルスアーク溶接の期間と短絡移行アーク溶接の期間との間に遷移期間(時刻t2~t3の期間)を設け、遷移期間に第1送給速度から第2送給速度へと変化させるアーク溶接方法において、遷移期間の開始時点から短絡移行アーク溶接の期間に最初に短絡が発生するまでの遷移時短絡発生時間(時刻t2~t31の期間)を検出し、遷移時短絡発生時間に基づいて遷移期間(時刻t2~t3の期間)の時間長さを制御する。【選択図】 図2

Description

本発明は、パルスアーク溶接を行う期間と短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接するアーク溶接方法に関するものである。
溶接ワイヤを送給し、パルスアーク溶接を行う期間と短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接する方法が使用されている(例えば、特許文献1参照)。この場合の切換周波数は、0.1~10Hz程度である。この溶接方法では、ウロコ状の美麗なビードを形成することができる。さらには、この溶接方法では、パルスアーク溶接の期間と短絡移行アーク溶接の期間との比率を調整することによって、母材への入熱制御を行うことができる。
特開2005-313179号公報
従来技術では、パルスアーク溶接と短絡移行アーク溶接との切換時に、溶滴移行形態が変化するために、スパッタが発生し、溶接状態が不安定になるという問題がある。
そこで、本発明では、パルスアーク溶接と短絡移行アーク溶接との切り換えを円滑に行うことができるアーク溶接方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接ワイヤを第1送給速度で送給してパルスアーク溶接を行う期間と、前記溶接ワイヤを第2送給速度で送給して短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接し、
前記パルスアーク溶接の期間と前記短絡移行アーク溶接の期間との間に遷移期間を設け、前記遷移期間に前記第1送給速度から前記第2送給速度へとスロープを有して変化させるアーク溶接方法において、
前記遷移期間の開始時点から前記短絡移行アーク溶接の期間に最初に短絡が発生するまでの遷移時短絡発生時間を検出し、
前記遷移時短絡発生時間に基づいて前記遷移期間の時間長さを制御する、
ことを特徴とするアーク溶接方法である。
請求項2の発明は、
前記遷移時短絡発生時間が基準時間以上であるときは前記遷移期間の時間長さが短くなるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法である。
請求項3の発明は、
前記遷移時短絡発生時間が基準時間と等しくなるように前記遷移期間の時間長さを制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法である。
請求項4の発明は、
前記遷移時短絡発生時間の移動平均値を算出し、
前記遷移時短絡発生時間の代わりに前記移動平均値を使用して前記遷移期間の時間長さを制御する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアーク溶接方法である。
本発明によれば、パルスアーク溶接と短絡移行アーク溶接との切り換えを円滑に行うことができる。
本発明の実施の形態に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態に係るアーク溶接方法を示す図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路MCは、3相200V等の商用交流電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御による出力制御を行い、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。電源主回路MCは、図示は省略するが、交流商用電源を整流する1次整流回路、整流された直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を駆動信号Dvに従って高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を整流する2次整流回路、整流された直流を平滑するリアクトルを備えている。
溶接ワイヤ1は、後述する送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を通って送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接ワイヤ1と母材2との間に溶接電圧Vwが印加し、溶接電流Iwが通電する。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、電圧検出信号Vdを出力する。平均電圧検出回路VADは、上記の電圧検出信号Vdを入力として、平均電圧検出信号Vadを出力する。平均電圧検出信号Vadは、電圧検出信号Vdをローパスフィルタに通すことによって算出する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧検出信号Vdと後述する溶接電圧設定信号Vrとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。
平均電圧誤差増幅回路EVAは、後述する溶接電圧設定信号Vrと上記の平均電圧検出信号Vadとの誤差を増幅して、平均電圧誤差増幅信号Evaを出力する。パルス周期タイマ回路TFCは、上記の平均電圧誤差増幅信号Evaを入力として、平均電圧誤差増幅信号Evaを電圧/周波数変換して、パルス周期ごとに短時間Highレベルとなるパルス周期信号Tfを出力する。ピーク期間タイマ回路TPCは、上記のパルス周期信号Tfを入力として、パルス周期信号Tfが短時間Highレベルに変化するごとに予め定めたピーク期間中はHighレベルとなり、その後はLowレベルとなるピーク期間信号Tpcを出力する。ピーク期間信号TpcがHighレベルのときはピーク期間となり、Lowレベルのときはベース期間となる。
パルスアーク溶接期間設定回路T1Rは、予め定めたパルスアーク溶接期間設定信号T1rを出力する。第1送給速度設定回路F1Rは、パルスアーク溶接期間中の送給速度を設定するための第1送給速度設定信号F1rを出力する。第1溶接電圧設定回路V1Rは、パルスアーク溶接期間中の溶接電圧Vwを設定するための第1溶接電圧設定信号V1rを出力する。
短絡移行アーク溶接期間設定回路T2Rは、予め定めた短絡移行アーク溶接期間設定信号T2rを出力する。第2送給速度設定回路F2Rは、短絡移行アーク溶接期間中の送給速度を設定するための第2送給速度設定信号F2rを出力する。第2溶接電圧設定回路V2Rは、短絡移行アーク溶接期間中の溶接電圧Vwを設定するための第2溶接電圧設定信号V2rを出力する。
短絡判別回路SDは、上記の電圧検出信号Vdを入力として、この値が予め定めた短絡判別値(10V程度)未満のときは短絡期間にあると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク期間にあると判別してLowレベルとなる短絡判別信号Sdを出力する。
遷移時短絡発生時間検出回路TDは、後述するタイマ信号Tm及び上記の短絡判別信号Sdを入力として、タイマ信号Tm=2(第1遷移期間)に変化した時点から短絡判別信号Sdが最初にHighレベル(短絡期間)に変化した時点までの遷移時短絡発生時間を検出して、遷移時短絡発生時間検出信号Tdを出力する。
遷移時短絡発生時間移動平均値算出回路TDAは、上記の遷移時短絡発生時間検出信号Tdを入力として、移動平均値を算出して遷移時短絡発生時間移動平均値算出信号Tdaを出力する。移動平均を行う回数は、数回~数十回程度である。
基準時間設定回路TDRは、遷移時短絡発生時間の目標値となる予め定めた基準時間設定信号Tdrを出力する。
第1遷移期間設定回路TERは、上記の遷移時短絡発生時間検出信号Td、上記の遷移時短絡発生時間移動平均値算出信号Tda及び上記の基準時間設定信号Tdrを入力として、以下の処理を行い、第1遷移期間設定信号Terを出力する。
1)遷移時短絡発生時間検出信号Tdの値が基準時間設定信号Tdrの値以上であるときは、現在の第1遷移期間設定値から所定値だけ短くした第1遷移期間設定信号T1rを出力する。
2)遷移時短絡発生時間検出信号Tdが基準時間設定信号Tdrの値と等しくなるように第1遷移期間設定信号T1rの値をフィードバック制御する。
3)上記の1)及び2)に使用する遷移時短絡発生時間検出信号Tdの代わりに遷移時短絡発生時間移動平均値算出信号Tdaを使用する。
第2遷移期間設定回路TSRは、予め定めた第2遷移期間設定信号Tsrを出力する。
タイマ回路TMは、上記のパルスアーク溶接期間設定信号T1r、上記の第1遷移期間設定信号Ter、上記の短絡移行アーク溶接期間設定信号T2r及び上記の第2遷移期間設定信号Tsrを入力として、以下の処理を行い、タイマ信号Tmを出力する。
1)パルスアーク溶接期間設定信号T1rによって定まるパルスアーク溶接期間中は、タイマ信号Tm=1を出力する。
2)続いて、第1遷移期間設定信号Terによって定まる第1遷移期間中は、タイマ信号Tm=2を出力する。
3)続いて、短絡移行アーク溶接期間設定信号T2rによって定まる短絡移行アーク溶接期間中は、タイマ信号Tm=3を出力する。
4)続いて、第2遷移期間設定信号Tsrによって定まる第2遷移期間中は、タイマ信号Tm=4を出力する。
5)上記の1)~4)の処理を繰り返す。
送給速度設定回路FRは、上記の第1送給速度設定信号F1r、上記の第2送給速度設定信号F2r及び上記のタイマ信号Tmを入力として、以下の処理を行い、送給速度設定信号Frを出力する。
1)タイマ信号Tm=1(パルスアーク溶接期間)のときは、第1送給速度設定信号F1rを送給速度設定信号Frとして出力する。
2)タイマ信号Tm=2(第1遷移期間)のときは、第1送給速度設定信号F1rから第2送給速度設定信号F2rまでスロープをゆうして変化する送給速度設定信号Frを出力する。
3)タイマ信号Tm=3(短絡移行アーク溶接期間)のときは、第2送給速度設定信号F2rを送給速度設定信号Frとして出力する。
4)タイマ信号Tm=4(第2遷移期間)のときは、第2送給速度設定信号F2rから第1送給速度設定信号F1rまでスロープをゆうして変化する送給速度設定信号Frを出力する。
送給制御回路FCは、上記の送給速度設定信号Frを入力として、送給速度設定信号Frによって定まる送給速度Fwで溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを送給モータWMに出力する。送給モータWMは、上記の送給制御信号Fcに従って溶接ワイヤ1を送給する。
溶接電圧設定回路VRは、上記の第1溶接電圧設定信号V1r、上記の第2溶接電圧設定信号V2r及び上記のタイマ信号Tmを入力として、以下の処理を行い、溶接電圧設定信号Vrを出力する。
1)タイマ信号Tm=1(パルスアーク溶接期間)のときは、第1溶接電圧設定信号V1rを溶接電圧設定信号Vrとして出力する。
2)タイマ信号Tm=2(第1遷移期間)のときは、第1溶接電圧設定信号V1rから第2溶接電圧設定信号V2rまでスロープをゆうして変化する溶接電圧設定信号Vrを出力する。
3)タイマ信号Tm=3(短絡移行アーク溶接期間)のときは、第2溶接電圧設定信号V2rを溶接電圧設定信号Vrとして出力する。
4)タイマ信号Tm=4(第2遷移期間)のときは、第2溶接電圧設定信号V2rから第1溶接電圧設定信号V1rまでスロープを有して変化する溶接電圧設定信号Vrを出力する。
ピーク電流設定回路IPRは、予め定めたピーク電流設定信号Iprを出力する。ベース電流設定回路IBRは、予め定めたベース電流設定信号Ibrを出力する。
電流制御設定回路ICRは、上記のピーク電流設定信号Ipr、上記のベース電流設定信号Ibr及び上記のピーク期間信号Tpcを入力として、ピーク期間信号TpcがHighレベル(ピーク期間)のときはピーク電流設定信号Iprを電流制御設定信号Icrとして出力し、Lowレベルのときはベース電流設定信号Ibrを電流制御設定信号Icrとして出力する。
電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、電流検出信号Idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Icrと上記の電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
溶接方法切換回路SMは、上記の電流誤差増幅信号Ei、上記の電圧誤差増幅信号Ev及び上記のタイマ信号Tmを入力として、タイマ信号Tm=1、2又は4のときは電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力し、タイマ信号Tm=3のときは電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。これにより、第1遷移期間、パルスアーク溶接期間及び第2遷移期間中はパルスアーク溶接となり、短絡移行アーク溶接期間中は短絡移行アーク溶接となる。
駆動回路DVは、上記の誤差増幅信号Eaに基づいてパルス幅変調制御を行い、上記の電源主回路MCのインバータ回路を駆動するための駆動信号Dvを出力する。
図2は、本発明の実施の形態に係るアーク溶接方法を示す図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(B)は短絡判別信号Sdの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(D)は溶接電圧Vwの時間変化を示す。以下、同図を参照して動作について説明する。
時刻t1~t2の期間がパルスアーク溶接期間であり、時刻t2~t3の期間が第1遷移期間であり、時刻t3~t4の期間が短絡移行アーク溶接期間であり、時刻t4~t5の期間が第2遷移期間である。パルスアーク溶接期間は、図1のパルスアーク溶接期間設定信号T1rによって設定される。第1遷移期間は、図1の第1遷移期間設定信号Terによって設定される。短絡移行アーク溶接期間は、図1の短絡移行アーク溶接期間設定信号T2rによって設定される。第2遷移期間は、図1の第2遷移期間設定信号Tsrによって設定される。同図においては、第2遷移期間、パルスアーク溶接期間及び第1遷移期間がパルスアーク溶接になるように図1の溶接電源が出力制御されている場合である。第2遷移期間及び/又は第1遷移期間が短絡移行アーク溶接になるように、図1の溶接電源を出力制御しても良い。
(1)時刻t1~t2のパルスアーク溶接期間の動作
同図(A)に示すように、送給速度Fwは第1送給速度となり、図1の第1送給速度設定信号F1rによって設定される。この期間中は、同図(C)に示すように、複数のパルス周期のピーク電流とベース電流とが通電し、同図(D)に示すように、ピーク電圧とベース電圧とが印加する。パルス周期は、溶接電圧Vwの平均値が図1の第1溶接電圧設定信号V1rの値と等しくなるように制御される。ピーク電流は、例えば450Aに設定される。ベース電流は、例えば50Aに設定される。この期間中はほとんど短絡が発生しないために、同図(B)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベル(アーク期間)のままである。
(2)時刻t2~t3の第1遷移期間の動作
同図(A)に示すように、送給速度Fwは、図1の第1送給速度設定信号F1rによって設定される第1送給速度から図1の第2送給速度設定信号F2rによって設定される第2送給速度へとスロープを有して変化する。F1r>F2rである。図1の溶接電圧設定信号Vrは、図1の第1溶接電圧設定信号V1rから図1の第2溶接電圧設定信号V2rへとスロープを有して変化する。V1r>V2rである。この期間中もパルスアーク溶接が行われる。この期間は、パルスアーク溶接から短絡移行アーク溶接への遷移期間となる。送給速度Fw及び溶接電圧設定信号Vrをスロープを有して切り換えているのは、パルスアーク溶接から短絡移行アーク溶接への移行が円滑になるようにするためである。この期間中はほとんど短絡が発生しないために、同図(B)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベル(アーク期間)のままである。
(3)時刻t3~t4の短絡移行アーク溶接期間の動作
同図(A)に示すように、送給速度Fwは、図1の第2送給速度設定信号F2rによって設定される第2送給速度となる。図1の溶接電圧設定信号Vrは、図1の第2溶接電圧設定信号V2rとなる。同図(C)に示すように、溶接電流Iwは、短絡期間中は増加し、アーク期間中は減少する。同図(D)に示すように、溶接電圧Vwは、短絡期間中は数Vの短絡電圧値となり、アーク期間中は数十Vのアーク電圧値となる。同図(B)に示すように、短絡判別信号Sdは、短絡期間中はHighレベルとなる。この期間中に最初に短絡が発生するのは時刻t31となっている。したがって、第1遷移期間の開始時刻t2から時刻t31までの期間が、遷移時短絡発生時間Tdとなる。溶接電圧Vwは、図1の第2溶接電圧設定信号V2rの値と等しくなるように定電圧制御される。
(4)時刻t4~t5の第2遷移期間の動作
同図(A)に示すように、送給速度Fwは、図1の第2送給速度設定信号F2rによって設定される第2送給速度から図1の第1送給速度設定信号F1rによって設定される第1送給速度へとスロープを有して変化する。図1の溶接電圧設定信号Vrは、図1の第2溶接電圧設定信号V2rから図1の第1溶接電圧設定信号V1rへとスロープを有して変化する。この期間中はパルスアーク溶接が行われる。この期間は、短絡移行アーク溶接からパルスアーク溶接への遷移期間となる。送給速度Fw及び溶接電圧設定信号Vrをスロープを有して切り換えているのは、短絡移行アーク溶接からパルスアーク溶接への移行が円滑になるようにするためである。この期間中はほとんど短絡が発生しないために、同図(B)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベル(アーク期間)のままである。
上述した各パラメータの数値例を以下に示す。
溶接ワイヤ:軟鋼ソリッドワイヤ、直径1.2mm
シールドガス:20%アルゴンガス+80%炭酸ガス
パルスアーク溶接の条件:第1送給速度8m/min(溶接電流200A)、第1溶接電圧27V
短絡移行アーク溶接の条件:第2送給速度4m/min(溶接電流100A)、第2溶接電圧17V
パルスアーク溶接期間500ms、第1遷移期間(初期値)50ms、短絡移行アーク溶接期間500ms、第2遷移期間70ms
基準時間70ms
以下、上述した実施の形態の作用効果について説明する。
(1)図1の遷移時短絡発生時間検出回路TDによって、第1遷移期間の開始時点から短絡移行アーク溶接の期間に最初に短絡が発生するまでの期間(時刻t2~t31の期間)を遷移時短絡発生時間検出信号Tdとして出力する。
(2)図1の第1遷移期間設定回路TERによって、遷移時短絡発生時間検出信号Tdが適正値となるように第1遷移期間設定信号Terの値を制御する。
(3)具体的には、遷移時短絡発生時間検出信号Tdの初期値をほとんどの溶接条件における適正値よりも長くなるように設定する。そして、溶接中に、遷移時短絡発生時間検出信号Tdが予め定めた基準時間設定信号Tdrの値以上であるときは、第1遷移期間設定信号Terの値が短くなるように制御する。
(4)さらには、遷移時短絡発生時間検出信号Tdの値が、予め定めた基準時間設定信号Tdrの値と等しくなるように、第1遷移期間設定信号Terの値を制御する。
(5)さらには、遷移時短絡発生時間検出信号Tdを移動平均して遷移時短絡発生時間移動平均値算出信号Tdaを算出し、遷移時短絡発生時間検出信号Tdの代わりに遷移時短絡発生時間移動平均値算出信号Tdaを使用して第1遷移期間設定信号Terの値を制御する。このようにすると、遷移時短絡発生時間検出信号Tdの1回ごとのばらつきを平均化することができるので、制御を安定化することができる。
(6)遷移時短絡発生時間検出信号Tdの適正値は、溶接ワイヤの種類、第1送給速度、第2送給速度、溶接継て、溶接速度等の種々の溶接条件によって異なる。このために、全ての溶接条件に対応して適正値を実験によって算出し、予め設定することは困難である。遷移時短絡発生時間検出信号Tdの値が適正値よりも短くなると、アーク長の変化が急峻過ぎて溶接状態が不安定になりやすい。逆に、遷移時短絡発生時間検出信号Tdの値が適正値よりも長くなると、アーク長が適正値に収束するまでの時間が長くなり、溶接作業性及びビード外観が悪くなる。これに対して、本実施の形態では、溶接条件に関わりなく、遷移時短絡発生時間検出信号Tdの値が適正値になるように第1遷移期間が自動的に調整される。この結果、溶接条件の影響を受けることなく、パルスアーク溶接から短絡移行アーク溶接への移行状態を円滑にすることができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
Ea 誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
F1R 第1送給速度設定回路
F1r 第1送給速度設定信号
F2R 第2送給速度設定回路
F2r 第2送給速度設定信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
IBR ベース電流設定回路
Ibr ベース電流設定信号
ICR 電流制御設定回路
Icr 電流制御設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
IPR ピーク電流設定回路
Ipr ピーク電流設定信号
Iw 溶接電流
MC 電源主回路
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
SM 溶接方法切換回路
T1R パルスアーク溶接期間設定回路
T1r パルスアーク溶接期間設定信号
T2R 短絡移行アーク溶接期間設定回路
T2r 短絡移行アーク溶接期間設定信号
TD 遷移時短絡発生時間検出回路
Td 遷移時短絡発生時間検出信号
TDA 遷移時短絡発生時間移動平均値算出回路
Tda 遷移時短絡発生時間移動平均値算出信号
TDR 遷移時短絡発生時間設定回路
Tdr 遷移時短絡発生時間設定信号
TER 第1遷移期間設定回路
Ter 第1遷移期間設定信号
TFC パルス周期タイマ回路
Tf パルス周期信号
TM タイマ回路
Tm タイマ信号
TPC ピーク期間タイマ回路
Tpc ピーク期間信号
TSR 第2遷移期間設定回路
Tsr 第2遷移期間設定信号
V1R 第1溶接電圧設定回路
V1r 第1溶接電圧設定信号
V2R 第2溶接電圧設定回路
V2r 第2溶接電圧設定信号
VAD 平均電圧検出回路
Vad 平均電圧検出信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VR 溶接電圧設定回路
Vr 溶接電圧設定信号
Vw 溶接電圧
WM 送給モータ

Claims (4)

  1. 溶接ワイヤを第1送給速度で送給してパルスアーク溶接を行う期間と、前記溶接ワイヤを第2送給速度で送給して短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接し、
    前記パルスアーク溶接の期間と前記短絡移行アーク溶接の期間との間に遷移期間を設け、前記遷移期間に前記第1送給速度から前記第2送給速度へとスロープを有して変化させるアーク溶接方法において、
    前記遷移期間の開始時点から前記短絡移行アーク溶接の期間に最初に短絡が発生するまでの遷移時短絡発生時間を検出し、
    前記遷移時短絡発生時間に基づいて前記遷移期間の時間長さを制御する、
    ことを特徴とするアーク溶接方法。
  2. 前記遷移時短絡発生時間が基準時間以上であるときは前記遷移期間の時間長さが短くなるように制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法。
  3. 前記遷移時短絡発生時間が基準時間と等しくなるように前記遷移期間の時間長さを制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法。
  4. 前記遷移時短絡発生時間の移動平均値を算出し、
    前記遷移時短絡発生時間の代わりに前記移動平均値を使用して前記遷移期間の時間長さを制御する、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアーク溶接方法。
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