JP2010142823A - アーク長揺動パルスアーク溶接制御方法 - Google Patents

アーク長揺動パルスアーク溶接制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低周波の切換周波数でアーク長を周期的に揺動させて溶接するアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、溶接開始部分のビードに発生するブローホールを低減すること。
【解決手段】溶接ワイヤを送給すると共に、ピーク期間HTp、LTp中のピーク電流HIp、LIp及びベース期間HTb、LTb中のベース電流HIb、LIbを交互に繰り返して通電し、切換周波数で前記ピーク期間及び/又はピーク電流を変化させることによってアーク長を周期的に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法において、溶接開始時点から予め定めた初期期間Ts中は、前記切換周波数(初期周波数fs)をそれ以降の定常期間の予め定めた定常周波数ftよりも低い値に設定する。これにより、溶接開始時の溶融池を十分に撹拌することができ、ブローホールの発生を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アーク長を低周波で揺動させることによって溶融池を撹拌してブローホールの発生を抑制することができるアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法に関するものである。
溶接ワイヤを定速で送給すると共に、ピーク期間中のピーク電流及びベース期間中のベース電流を交互に繰り返して通電し、切換周波数で前記ピーク期間及び/又はピーク電流を変化させることによってアーク長を周期的に高低方向に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接方法が広く慣用されている。この溶接方法は、アルミニウム材に対してはビード外観に美しい波目模様を形成することができる特長を有している。また、この溶接方法では、切換周波数を低周波に設定すると、アーク長の揺動に伴うアーク力の変化によって溶融池が撹拌されて、ブローホール及びピット(以下、合わせてブローホールという)の発生を低減することができる。以下、このアーク長揺動パルスアーク溶接方法について説明する。
図5は、従来技術におけるアーク長揺動パルスアーク溶接方法を示す波形図である。同図(A)はアーク長を周期的に揺動させるための切換信号Stcを示し、同図(B)は溶接電流Iwを示し、同図(C)は溶接電圧Vwを示し、同図(D)はアーク長Laを示す。以下、同図を参照して説明する。
同図(A)に示すように、切換信号Stcは、予め定めた高アーク長期間HT中はHighレベルになり、予め定めた低アーク長期間LT中はLowレベルになる。この高アーク長期間HTと低アーク長期間LTとを合わせた期間が、切換周期Tcとなる。したがって、切換周波数fc=1/Tcとなる。
高アーク長期間HT中は、同図(B)に示すように、高ピーク期間HTp中の高ピーク電流HIp及び高ベース期間HTb中の高ベース電流HIbから成る高パルス電流群が通電する。この高ピーク期間HTpと高ベース期間HTbとを合わせて高パルス周期HTfになる。そして、この高パルス電流群の通電に対応して、同図(C)に示すように、高ピーク期間HTp中は高ピーク電圧HVpが溶接ワイヤ・母材間に印加し、高ベース期間HTb中は高ベース電圧HVbが印加する。
低アーク長期間LT中は、同図(B)に示すように、低ピーク期間LTp中の低ピーク電流LIp及び低ベース期間LTb中の低ベース電流LIbから成る低パルス電流群が通電する。この低ピーク期間LTpと低ベース期間LTbとを合わせて低パルス周期LTfになる。そして、この低パルス電流群の通電に対応して、同図(C)に示すように、低ピーク期間LTp中は低ピーク電圧LVpが溶接ワイヤ・母材間に印加し、低ベース期間LTb中は低ベース電圧LVbが印加する。
上記において、高ピーク期間HTp、高ピーク電流HIp、高ベース電流HIb、低ピーク期間LTp、低ピーク電流LIp及び低ベース電流LIbは予め所定値に設定される。そして、溶接電圧Vwの平均値が予め定めた電圧設定値と等しくなるように上記の高パルス周期HTf及び低パルス周期LTfがフィードバック制御によって決定される。この制御は周波数変調制御と呼ばれる。この周波数変調制御は、溶接電源を消耗電極式アーク溶接に適した定電圧特性にするためである。
ここで、高ピーク期間HTp>低ピーク期間LTp及び/又は高ピーク電流HIp>低ピーク電流LIpに設定することによって、アーク長Laを揺動させることができる。すなわち、同図(D)に示すように、高アーク長期間HT中は高アーク長HLaになり、低アーク長期間LT中は低アーク長LLaになる。このように、アーク長Laを切換周期Tc(切換周波数fc)で周期的に揺動させることができる。
特許第2993174号公報
亜鉛メッキ鋼板をアーク溶接する場合、アーク熱によって亜鉛が蒸気となり溶融池内部に侵入し凝固して、ブローホールが多く発生するという問題がある。パルスアーク溶接においても同様である。この亜鉛メッキ鋼板に対してアーク長揺動パルスアーク溶接方法を適用した場合、切換周波数fcを20〜50Hzの範囲の低周波に設定して溶融池を撹拌することによって、溶融池内部に侵入した亜鉛蒸気を外部に放出することができるために、ブローホールの発生を低減することができる。
上述したように、亜鉛メッキ鋼板をアーク長揺動パルスアーク溶接することによって、溶接開始部分を除く定常部分のビードのブローホールを低減することができる。しかし、この従来技術の溶接方法では、溶接開始部分のビードに発生するブローホールを低減することができない場合があり、そのことが溶接品質状問題であった。
そこで、本発明では、亜鉛メッキ鋼板の溶接において、溶接開始部分のビードに発生するブローホールを低減することができるアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、
溶接ワイヤを送給すると共に、ピーク期間中のピーク電流及びベース期間中のベース電流を交互に繰り返して通電し、切換周波数で前記ピーク期間及び/又はピーク電流を変化させることによってアーク長を周期的に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法において、
溶接開始時点から予め定めた初期期間中は、前記切換周波数をそれ以降の定常期間の予め定めた定常周波数よりも低い値に設定する、
ことを特徴とするアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法である。
第2の発明は、前記初期期間中の前記切換周波数は、前記定常周波数よりも低い値に予め定めた一定値の初期周波数である、
ことを特徴とする第1の発明記載のアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法である。
第3の発明は、前記初期期間中の前記切換周波数は、溶接開始時点で予め定めた初期周波数となり、時間経過に伴って次第に高くなり、前記初期期間経過時点で前記定常周波数となる、
ことを特徴とする第1の発明記載のアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法である。
本発明によれば、切換周波数でアーク長を周期的に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、溶接開始時点から予め定めた初期期間中は、切換周波数をそれ以降の定常期間の予め定めた定常周波数よりも低い値に設定する。これにより、溶接開始部分のビードに発生するブローホールを低減することができ、溶接開始部から溶接終了部にわたって健全なビードを形成することができる。さらに、上記第3の発明によれば、初期期間中の切換周波数を、初期周波数から定常周波数へと連続的に高くなるように設定することによって、切換周波数の変化がビード外観の変化に及ぼす影響を少なくすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法を示す溶接開始時の溶接電流波形図である。以下、同図を参照して説明する。
時刻t1において、送給された溶接ワイヤが母材と接触してアークが発生し溶接が開始する。本稿において、溶接開始時点とは、アークが発生して溶接電流が通電を開始した時点のことである。時刻t1の溶接開始時点から所定期間が経過する時刻t2までが、初期期間Tsとなる。初期期間Ts以降の期間が定常期間となる。初期期間Ts中の切換周期が初期切換周期となり、定常期間中の切換周期が定常切換周期となる。周波数は周期の逆数であるので、初期期間Ts中の切換周波数が初期周波数fsとなり、定常期間中の切換周波数が定常周波数ftとなる。ここで、fs<ftに設定される。上述したように、亜鉛メッキ鋼板に対してブローホール低減効果を奏するためには、上記の定常周波数ftは20〜50Hzの範囲でワイヤ送給速度、母材の亜鉛メッキ層の厚さ、継手形状等の溶接条件に応じて適正値に設定される。これに対して、上記の初期周波数fsは、5〜15Hzの範囲で溶接条件に応じて適正値に設定される。
同図に示すように、初期期間Ts中は、高ピーク期間HTpの高ピーク電流HIp及び高ベース期間HTbの高ベース電流HIbから成る高パルス電流群が高アーク長期間HTsの間通電し、続けて低ピーク期間LTpの低ピーク電流LIp及び低ベース期間LTbの低ベース電流LIbから成る低パルス電流群が低アーク長期間LTsの間通電し、これらの通電が上記の初期周波数fsで繰り返される。同様に、定常期間中は、高パルス電流群が高アーク長期間HTtの間通電し、続けて低パルス電流群が低アーク長期間LTtの間通電し、これらの通電が上記の定常周波数ftで繰り返される。ここで、高アーク長期間と低アーク長期間との時間比率が50%の場合、HTs=LTs=1/2・fsとなり、HTt=LTt=1/2・ftとなる。
初期周波数fsを定常周波数ftよりも低い周波数に設定することによって、溶接開始部分のビードに発生するブローホールを低減することができる理由は、以下のとおりである。すなわち、溶接開始部での溶融池はまだ形成途中であるためにそのサイズが小さい。このために、定常期間と同様の定常周波数ftで溶融池を撹拌させようとしても、周波数が高すぎて溶融池はうまく撹拌しない。このために、周波数を低く設定し、溶融池を定常期間よりも低い初期周波数fsで撹拌すれば、溶融池はうまく撹拌される。この結果、溶融池内部に侵入した亜鉛蒸気を外部に放出することができ、ブローホールの発生を低減することができる。上記の初期期間Tsは、溶接開始部から1〜5cm程度のビードが形成されるまでの時間に設定される。したがって、ビード長をLb(cm)とし、溶接速度をWs(cm/min)とすると、初期期間Ts=60・Lb/Ws秒となる。数値例を挙げると、Lb=2cm、Ws=60cm/minとすると、初期期間Ts=2秒となる。
本発明によって亜鉛メッキ鋼板を溶接した場合の溶接条件の一例を以下に示す。
母材:厚さ3mmの亜鉛メッキ鋼板、継手形状:重ねすみ肉、溶接ワイヤ:直径1.2mmのパルスアーク溶接用鉄鋼ワイヤ、シールドガス:アルゴン80%+炭酸ガス20%、溶接速度80cm/min、ワイヤ送給速度:7.2m/min、平均溶接電流:220A、平均溶接電圧:24V、初期周波数fs:6Hz、定常周波数ft:20Hz、初期期間Ts:2秒、高ピーク期間HTp:1.6ms、高ピーク電流HIp:500A、高ベース電流HIb:50A、低ピーク期間LTp:1.4ms、低ピーク電流LIp:480A、低ベース電流LIb:40A
上記の溶接条件によって溶接を行うことで、溶接開始部分のビードに発生するブローホールを品質上問題がないレベルまで低減することができた。当然、定常部分から溶接終了部分にかけても健全なビードを形成することができた。
図2は、上述した実施の形態に係るアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の賞用電源を入力として、後述する電流誤差増幅信号Eiに従ってインバータ制御等の出力制御を行い、溶接電圧Vw及び溶接電流Iwを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流回路、整流された直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧するインバータトランス、降圧された高周波交流を整流する2次整流回路、整流された直流を平滑するリアクトル、上記の電流誤差増幅信号Eiを入力としてパルス幅変調制御を行う変調回路、変調信号に従って上記のインバータ回路を駆動する駆動回路、から構成される。溶接ワイヤ1は、送給モータWMに結合された送給ロール5によって溶接トーチ4内を通って送給され、母材2との間にアーク3が発生する。溶接ワイヤの送給に関するブロックについては、省略する。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、電圧検出信号Vdを出力する。電圧平均値算出回路VAVは、この電圧検出信号Vdの平均値(平滑値)を算出して、電圧平均値信号Vavを出力する。電圧設定回路VRは、予め定めた電圧設定信号Vrを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧設定信号Vrと上記の電圧平均値信号Vavとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。電圧・周波数変換回路VFは、この電圧誤差増幅信号Evを入力として、この信号の値に比例した周波数を有するパルス周期信号Tfを出力する。すなわち、このパルス周期信号Tfは、パルス周期ごとに短時間Highレベルになる信号である。
溶接開始回路STは、溶接を開始するときにHighレベルとなる溶接開始信号Stを出力する。電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、電流検出信号Idを出
力する。経過時間計測回路TWは、上記の溶接開始信号St及び上記の電流検出信号Idを入力として、溶接開始信号StがHighレベルになり、かつ、電流検出信号Idが基準値以上になった時点(溶接開始時点)からの経過時間を計測して、経過時間信号Twを出力する。電流検出信号Idの値が基準値以上になったことは、溶接電流Iwが通電を開始したことを意味している。
初期期間設定回路TSRは、予め定めた初期期間設定信号Tsrを出力する。切換周波数設定回路FCRは、上記の経過時間信号Tw及び上記の初期期間設定信号Tsrを入力として、予め定めた切換周波数設定関数によって経過時間に伴って変化する切換周波数設定信号Fcrを出力する。この初期期間設定関数については、図3及び図4で後述する。時間比率設定回路DRは、時間比率(%)=100・高アーク長期間/(高アーク長期間+低アーク長期間)で定義される時間比率設定信号Drを出力する。すなわち、時間比率設定信号Drは、高アーク長期間と低アーク長期間とのデューティを設定する信号である。切換信号生成回路STCは、上記の切換周波数設定信号Fcr及び上記の時間比率設定信号Drを入力として、高アーク長期間=Dr/100・Fcr及び低アーク長期間=(100−Dr)/100・Fcrを算出し、算出された高アーク長期間の間はHighレベルになり、続けて算出された低アーク長期間の間はLowレベルになり、以後これらを交互に繰り返す切換信号Stcを出力する。したがって、この切換信号StcがHighレベルのときは高アーク長期間となり、Lowレベルのときは低アーク長期間となる。そして、高アーク長期間と低アーク長期間とを合わせた切換周期(1/切換周波数)となる。
ピーク期間設定回路TPRは、上記の切換信号Stc、予め定めた高ピーク期間設定値HTp及び予め定めた低ピーク期間設定値LTpを入力として、切換信号StcがHighレベル(高アーク長期間)のときは上記の高ピーク期間設定値HTpとなるピーク期間設定信号Tprを出力し、Lowレベル(低アーク長期間)のときは上記の低ピーク期間設定値LTpとなるピーク期間設定信号Tprを出力する。ピーク期間タイマ回路TPは、このピーク期間設定信号Tpr及び上記のパルス周期信号Tfを入力として、パルス周期信号Tfが短時間Highレベルに変化した時点からピーク期間設定信号Tprによって定まる期間Highレベルになり、それ以外の期間はLowレベルになるピーク期間信号Tpを出力する。したがって、このピーク期間信号Tpは、ピーク期間中はHighレベルになり、ベース期間中はLowレベルになる信号である。
ピーク電流設定回路IPRは、上記の切換信号Stc、予め定めた高ピーク電流設定値HIp及び予め定めた低ピーク電流設定値LIpを入力として、切換信号StcがHighレベル(高アーク長期間)のときは上記の高ピーク電流設定値HIpとなるピーク電流設定信号Iprを出力し、Lowレベル(低アーク長期間)のときは上記の低ピーク電流設定値LIpとなるピーク電流設定信号Iprを出力する。ベース電流設定回路IBRは、上記の切換信号Stc、予め定めた高ベース電流設定値HIb及び予め定めた低ベース電流設定値LIbを入力として、切換信号StcがHighレベル(高アーク長期間)のときは上記の高ベース電流設定値HIbとなるベース電流設定信号Ibrを出力し、Lowレベル(低アーク長期間)のときは上記の低ベース電流設定値LIbとなるベース電流設定信号Ibrを出力する。電流制御設定回路ICRは、上記のピーク期間信号Tp、上記のピーク電流設定信号Ipr及び上記のベース電流設定信号Ibrを入力として、ピーク期間信号TpがHighレベルピーク期間)のときは上記のピーク電流設定信号Iprを電流制御設定信号Icrとして出力し、Lowレベル(ベース期間)のときは上記のベース電流設定信号Ibrを電流制御設定信号Icrとして出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Icrと上記の電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。これらの回路構成によって、図1で上述した溶接電流波形が通電する。
図3は、上記の切換周波数設定回路FCRに内蔵されている切換周波数設定関数の一例を示す図である。同図の横軸は経過時間Tw(秒)をしめし、縦軸は切換周波数設定信号Fcr(Hz)をしめす。同図において、Tw=0の時点が溶接開始時点である。また、Tsrは初期期間設定信号(秒)を示す。関数は以下のようになる。
0≦Tw<Tsr Fcr=fs
Tsr≦Tw Fcr=ft
但し、fsは予め定めた初期周波数であり、ftは予め定めた定常周波数であり、fs<ftである。同図ではTsr=2秒、fs=5Hz及びft=30Hzの場合である。
図4は、上記の切換周波数設定回路FCRに内蔵されている切換周波数設定関数の図3とは異なる一例を示す図である。同図の横軸は経過時間Tw(秒)をしめし、縦軸は切換周波数設定信号Fcr(Hz)をしめす。同図において、Tw=0の時点が溶接開始時点である。また、Tsrは初期期間設定信号(秒)を示す。関数は以下のようになる。
0≦Tw<Tsr Fcr=((ft−fs)/Tsr)+fs
Tsr≦Tw Fcr=ft
但し、fsは予め定めた初期周波数であり、ftは予め定めた定常周波数であり、fs<ftである。同図ではTsr=2秒、fs=5Hz及びft=30Hzの場合である。同図では直線状に増加しているが、曲線状に増加するようにしても良い。
上述した実施の形態によれば、切換周波数でアーク長を周期的に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、溶接開始時点から予め定めた初期期間中は、切換周波数をそれ以降の定常期間の予め定めた定常周波数よりも低い値に設定する。これにより、溶接開始部分のビードに発生するブローホールを低減することができ、溶接開始部から溶接終了部にわたって健全なビードを形成することができる。さらに、図4で上述したように、初期期間中の切換周波数を、初期周波数から定常周波数へと連続的に高くなるように設定することによって、切換周波数の変化がビード外観の変化に及ぼす影響を少なくすることができる。
上述した実施の形態においては、直流パルスアーク溶接方法に本発明を適用した場合を説明したが、交流パルスアーク溶接方法にも適用することができる。
本発明の実施の形態に係るアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法を示す溶接開始時の溶接電流波形図である。 本発明の実施の形態に係る溶接電源のブロック図である。 図2の切換周波数設定回路FCRに内蔵されている切換周波数設定関数の一例を示す図である。 図2の切換周波数設定回路FCRに内蔵されている切換周波数設定関数の図3とは異なる一例を示す図である。 従来技術におけるアーク長揺動パルス溶接方法を示す電流・電圧波形図である。
符号の説明
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
DR 時間比率設定回路
Dr 時間比率設定信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
fc 切換周波数
FCR 切換周波数設定回路
Fcr 切換周波数設定信号
fs 初期周波数
ft 定常周波数
HIb 高ベース電流(設定値)
HIp 高ピーク電流(設定値)
HLa 高アーク長
HT 高アーク長期間
HTb 高ベース期間
HTf 高パルス周期
HTp 高ピーク期間(設定値)
HTs (初期期間中の)高アーク長期間
HTt (定常期間中の)高アーク長期間
HVb 高ベース電圧
HVp 高ピーク電圧
IBR ベース電流設定回路
Ibr ベース電流設定信号
ICR 電流制御設定回路
Icr 電流制御設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
IPR ピーク電流設定回路
Ipr ピーク電流設定信号
Iw 溶接電流
La アーク長
Lb 初期期間のビード長
LIb 低ベース電流(設定値)
LIp 低ピーク電流(設定値)
LLa 低アーク長
LT 低アーク長期間
LTb 低ベース期間
LTf 低パルス周期
LTp 低ピーク期間(設定値)
LTs(初期期間中の) 低アーク長期間
LTt (定常期間中の)低アーク長期間
LVb 低ベース電圧
LVp 低ピーク電圧
PM 電源主回路
ST 溶接開始回路
St 溶接開始信号
STC 切換信号生成回路
Stc 切換信号
Tc 切換周期
Tf パルス周期(信号)
TP ピーク期間タイマ回路
Tp ピーク期間信号
TPR ピーク期間設定回路
Tpr ピーク期間設定信号
Ts 初期期間
TSR 初期期間設定回路
Tsr 初期期間設定信号
TW 経過時間計測回路
Tw 経過時間(信号)
VAV 電圧平均値算出回路
Vav 電圧平均値信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VF 電圧・周波数変換回路
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vw 溶接電圧
WM 送給モータ
Ws 溶接速度

Claims (3)

  1. 溶接ワイヤを送給すると共に、ピーク期間中のピーク電流及びベース期間中のベース電流を交互に繰り返して通電し、切換周波数で前記ピーク期間及び/又はピーク電流を変化させることによってアーク長を周期的に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法において、
    溶接開始時点から予め定めた初期期間中は、前記切換周波数をそれ以降の定常期間の予め定めた定常周波数よりも低い値に設定する、
    ことを特徴とするアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法。
  2. 前記初期期間中の前記切換周波数は、前記定常周波数よりも低い値に予め定めた一定値の初期周波数である、
    ことを特徴とする請求項1記載のアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法。
  3. 前記初期期間中の前記切換周波数は、溶接開始時点で予め定めた初期周波数となり、時間経過に伴って次第に高くなり、前記初期期間経過時点で前記定常周波数となる、
    ことを特徴とする請求項1記載のアーク長揺動パルスアーク溶接制御方法。
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