JP4438359B2 - アルミニウムmig溶接のアーク長制御方法 - Google Patents

アルミニウムmig溶接のアーク長制御方法 Download PDF

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本発明は、アルミニウムMIG溶接において、母材表面の酸化皮膜の形成状態の急変に伴うアーク長の変動を抑制するためのアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法に関するものである。
アルミニウム又はその合金(以下、アルミニウムという)のMIG溶接法としては、一般的に、パルスMIG溶接法とパルスを使用しない直流MIG溶接法がある。最近では、パルスMIG溶接法が多く使用されているので、以下においてはアルミニウムMIG溶接法がパルスMIG溶接法である場合について説明する。
図4は、パルスMIG溶接の電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流瞬時値iwの、同図(B)は溶接電圧瞬時値vwの波形図である。以下,同図を参照して説明する。
時刻t1〜t2のピーク期間Tp中は、同図(A)に示すように、溶滴移行させるための大電流値のピーク電流Ipを通電し、同図(B)に示すように、この期間中の後述する真のアーク長に略比例したピーク電圧Vpが印加する。続いて、時刻t2〜t3のベース期間Tb中は、溶滴を成長させないための小電流値のベース電流Ibを通電し、同図(B)に示すように、この期間中の真のアーク長に略比例したベース電圧Vbが印加する。同図(A)に示すように、ピーク電流Ipとベース電流Ibとからなる溶接電流瞬時値iwを数十Hzのローパスフィルタによって平滑したのが、溶接電流Iwとなる。同様に、同図(B)に示すように、ピーク電圧Vpとベース電圧Vbとからなる溶接電圧瞬時値vwを数十Hzのローパスフィルタによって平滑したのが、溶接電圧Vwとなる。上述したように、溶接電圧Vwと真のアーク長とが比例するので、この溶接電圧Vwが適正な真のアーク長に相当する電圧設定値Vsと略等しくなるように溶接電源の出力を制御(アーク長制御)する。この出力制御方法としては、溶接電圧Vwと電圧設定値Vsとの誤差に応じて、ベース期間Tb、ピーク期間Tp、ピーク電流Ip又はベース電流Ibを変化させる方法が一般的である。
図5は、アルミニウムのパルスMIG溶接におけるアーク発生部の模式図である。同図(A)は母材表面の酸化皮膜2aが除去されたクリーニング幅W1が広い場合であり、同図(B)はクリーニング幅W2が狭い場合である。よく知られているように、アーク3は母材表面に酸化皮膜2aが除去されずに残っている部分に形成される。すなわち、同図(A)に示すように、アーク3は、溶接ワイヤ1先端の溶滴1aと酸化皮膜2aとの間に形成される。したがって、溶滴1aと酸化皮膜2aとの間のアーク長(真のアーク長と呼ばれる)は、La1[mm]となる。この真のアーク長La1は、上述した溶接電圧値Vwに略比例する。他方、溶滴1aと母材との最短距離が、見かけのアーク長Lb1[mm]として定義される。この見かけのアーク長Lb1は単にアーク長と呼ばれ、溶接品質と重大な相関関係がある。すなわち、溶接品質を良好にするためには、真のアーク長La1ではなく見かけのアーク長Lb1が溶接中に適正値に維持される必要がある。しかし、見かけのアーク長Lb1は検出することが困難であるために、その代替値として真のアーク長La1を溶接電圧Vwによって検出している。すなわち、アルミニウムMIG溶接では、真のアーク長La1を溶接電圧値Vwによって検出し、この検出値が予め定めた電圧設定値Vs(適正な真のアーク長に相当)と略等しくなるように溶接電源の出力を制御して、真のアーク長La1を制御している。このことで、本来の目的である見かけのアーク長Lb1を間接的に制御している。
上記のアーク長制御において、クリーニング幅が略一定で酸化皮膜2aの位置が変化しない場合には、真のアーク長La1と見かけのアーク長Lb1とは比例するので、真のアーク長La1を制御することは結局見かけのアーク長Lb1を制御することになる。しかし、クリーニング幅は、シールドガスによるシールド状態、母材表面の酸化状態等が変化すると、それに伴って変化する。同図(B)に示すように、クリーニング幅がW2に狭くなると、アーク3は溶滴1aと酸化皮膜2aとの間に形成されるので、アークの広がりが狭くなる。このときに、上述したアーク長制御によって真のアーク長La2はLa1と等しくなるように制御される。この結果、見かけのアーク長Lb2はLb1よりも長くなる。すなわち、溶接電圧Vwによるアーク長制御では、クリーニング幅が変化すると、見かけのアーク長が変化し、これに伴って溶接品質が悪化することになる。したがって、アルミニウムMIG溶接においては、溶接中にクリーニング幅が変化しないように、シールドガスのシールド状態、母材表面の酸化状態等を厳格に管理して溶接施工を行っている。この管理が不十分である場合、溶接中にクリーニング状態が変動して見かけのアーク長が変動し、溶接品質が悪くなる。これ以降の説明では、見かけのアーク長を慣例に従って単にアーク長と表記する。上述したアーク長制御に関する文献としては、例えば特許文献1及び2がある。
特開昭57−36072号公報 特開2002−283050号公報
上述したように、溶接電圧によるアーク長制御では、溶接中にクリーニング状態が変動すると、それに伴ってアーク長が変動して溶接品質が悪くなる。したがって、アルミニウムMIG溶接では、溶接中にクリーニング状態が変動せず安定するように施工管理が厳格に行われるのが通常である。しかし、この厳格な施工管理の下にあっても、以下のようなクリーニング状態変動要因が存在する。すなわち、マグネシウムを含有するアルミニウム合金ワイヤを使用した場合、溶滴が母材へ移行する途中で溶滴内のマグネシウムが蒸発膨張して溶滴が破裂する現象がときたま発生する。この溶滴破裂が発生すると、その爆風によってアークが吹かれてシールド状態が一時的に悪くなる。この結果、シールドが不十分になり周辺の空気をアーク中に巻き込み、溶融池表面に酸化皮膜が新たに形成されて、クリーニング状態が変動する。このような現象は数秒間に1回程度発生する。
また、母材表面の酸化状態が均一になるように厳格に管理しても、ある程度の不均一が生じることは避けられない。この酸化状態の不均一によって、図5で上述したように、アーク形状が変化してシール範囲からはみ出して、アーク中に空気を巻き込むこともある。このように、種々の原因によってシールド状態が一時的に悪くなり、アーク中に空気を巻き込み溶融池表面に新たな酸化皮膜が形成される現象が発生する。
図6は、上述した空気の巻き込みによる酸化皮膜の形成現象が発生したときの波形図である。同図(A)は溶接電圧瞬時値vwの、同図(B)は溶接電圧Vwの、同図(C)はアーク長Lbの波形図であり、同図(D)は上記現象が発生する前のアーク発生部を示し、同図(E)は上記現象が発生しているときのアーク発生部を示す。同図は、時刻t1に上記現象が発生した場合である。以下、同図を参照して説明する。
(1)時刻t1以前
時刻t1まではクリーニング状態は安定しているので、同図(D)に示すように、クリーニング幅W1の周縁部の酸化皮膜2aにアーク3が形成される。クリーニング状態が安定しているので、真のアーク長はLa1に制御されて、アーク長はLb1に制御される。そして、同図(A)に示すように、溶接電圧瞬時値vwは、ピーク電圧の通常値Vpn及びベース電圧の通常値Vbnからなる波形となる。溶接電圧Vwは、同図(B)に示すように、真のアーク長La1に対応した電圧設定値Vsと略等しい通常値Vwnとなる。アーク長Lbは、同図(C)に示すように、Lb1になり、安定した値を維持する。
(2)時刻t1以降
時刻t1において、同図(E)に示すように、空気の巻き込みによって溶融池表面上に酸化皮膜2bが新たに形成されると、アーク3はその酸化皮膜2bに形成される。このために、一瞬真のアーク長は短くなる。この結果、同図(A)に示すように、ピーク電圧値はVpaに降下し、ベース電圧値はVbaに降下し、同図(B)に示すように、溶接電圧値もVwaに降下する。この降下をフィードバックしてアーク長制御が働き溶接電圧値はVwaからVwnへ時刻t11に復帰する。この時刻t11時点でのアーク発生部は同図(E)に示すような状態となり、真のアーク長はLa1となり、アーク長はLb3に長くなる。この状態は、新たに形成された酸化皮膜2bがアークによるクリーニング作用によって除去されるまでの時刻t2まで続く。この変動期間Ttの間は、同図(C)に示すように、アーク長Lb3が長い状態が継続する。すなわち、空気の巻き込みによる新たな酸化皮膜2bの形成を起因として、アーク長制御によって真のアーク長が一定値になるように制御されるために、アーク長が長くなってしまう。この変動期間Ttは100ms程度である。アーク長が長くなると、溶け込み、ビード外観等が変動し、またブローホールも発生して溶接品質が悪くなる。
そこで、本発明では、空気の巻き込みによる新たな酸化皮膜の形成によってアーク長が変動するのを抑制することができるアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法を提供する。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、溶接電源の出力を制御してアーク長を適正値に維持するアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法において、
アーク発生中の溶接電圧値が通常値から基準値以上の変化率で減少したことによって急降下を検出し、この急降下を検出したときは前記溶接電源の出力を前記急降下の検出直前の値に一時固定する、
ことを特徴とするアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法である。
また、第2の発明は、前記溶接電源の出力を一時固定する期間を、予め定めた所定期間又は溶接電圧値が略通常値に復帰するまでの期間とすることを特徴とする第1の発明記載のアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法である。
また、第3の発明は、前記MIG溶接がパルスMIG溶接であるときは、前記溶接電圧値の代わりにピーク電圧、ベース電圧又は溶接電圧平均値を使用することを特徴とする第1の発明又は第2の発明記載のアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法である。
上記第1の発明によれば、種々の原因によるシールド不良が一時的に発生しても、溶接電圧値の急降下によって発生を判別してアーク長制御を一時停止することによって、アーク長の変動を抑制することができるので、溶接品質の悪化を防止することができる。
上記第2の発明によれば、アーク長制御を一時停止する期間を変動期間Ttと略一致させることができるので、上記の効果に加えて、変動期間Tt終了後アーク長制御を直ちに再開することができる。この結果、アーク長制御の停止期間を必要最小限の期間にすることができるので、ワイヤ送給、ワイヤ突出し長さ等の変動に対してはアーク長制御によってアーク長を適正値に維持することにほとんど影響を与えない。
上記第3の発明によれば、パルスMIG溶接において、溶接電圧値の急降下をピーク電圧、ベース電圧又は溶接電圧平均値の急降下によって確実に迅速に判別することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法を示す波形図である。同図(A)は溶接電圧瞬時値vwの、同図(B)は溶接電圧Vwの、同図(C)はアーク長Lbの波形図であり、同図(D)は時刻t1以前のアーク発生部を示し、同図(E)は時刻t2以後の変動期間Tt中のアーク発生部を示す。同図は、上述した図6に対応しており、時刻t1に上述した種々の原因によってシールド状態が一時的に悪くなり空気を巻き込んで新たな酸化皮膜が形成された場合である。時刻t1までの動作は、図6と同一であるのでその説明は省略する。以下、同図を参照して時刻t1以後について説明する。
時刻t1において、同図(E)に示すように、空気を巻き込んで溶融池表面上に新たな酸化皮膜2bが形成されると、アーク3はその酸化皮膜2bに形成されるために、アーク形状が大きく変化する。この結果、時刻t1直後には、真のアーク長は、同図(D)のLa1から同図(E)のLa3に短くなる。これに伴って、同図(A)に示すように、ピーク電圧は通常値VpnからVpaに急降下し、ベース電圧も通常値VbnからVbaに急降下する。同様に、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwも通常値VwnからVwaに急降下する。
本発明では、上記溶接電圧Vwの急降下を検出して、アーク長制御を一時停止する。すなわち、時刻t1において溶接電圧Vwの急降下を検出すると、溶接電源の出力のフィードバック制御を停止して出力を時刻t1直前のままで固定する。例えば、図4で上述したパルスMIG溶接の場合では、溶接電圧Vwが予め定めた電圧設定値Vsと略等しくなるように例えばベース期間Tbをフィードバック制御する出力制御(アーク長制御)を行っている。この場合には、ベース期間Tbを時刻t1直前の値に固定して溶接電源の出力を固定する。このように、アーク長制御を停止すると、同図(E)に示すように、真のアーク長はLa1からLa3へと短くなるが、アーク長は出力が固定されているのでLb1のままで変化しない。このために、同図(C)に示すように、時刻t1前後においてもアーク長は略Lb1のままで変動しない。この結果、変動期間Tt中も溶接品質は良好なままである。
続いて、時刻t2において、酸化皮膜2bがクリーニング作用によって除去が完了すると、アーク3は同図(D)の状態に戻る。これに伴って、同図(A)に示すように、ピーク電圧は通常値Vpnに戻り、ベース電圧も通常値Vbnに戻る。同様に、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwも通常値Vwnに戻る。この溶接電圧Vwが通常値Vwnに復帰したことを検出して変動期間Ttの終了を判別して、アーク長制御を再開する。この変動期間Ttは、新たに形成された酸化皮膜2bがクリーニング作用によって除去される時間である。この変動期間Ttは、100ms程度の時間長さとなることが多い。アーク長制御を一時停止する期間は、この変動期間Ttに相当する。したがって、アーク長制御を一時停止する期間を、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwが通常値Vwnから急降下し再び通常値Vwnに復帰するまでの期間とすることができる。また、上述したように、変動期間Ttは略一定値であるので、アーク長制御を一時停止する期間を、溶接電圧が急降下してから所定期間の間とすることもできる。
溶接電圧Vwが急降下したことを検出する方法には以下のような方法がある。同図(B)に示すように、溶接電圧Vwを予め定めたサンプリング周期ごとにサンプリングして、今回のサンプリング値が予め定めた降下幅ΔV以上前回のサンプリング値よりも小さくなったときは、溶接電圧Vwが急降下したと判別する。前回のサンプリング値の代りに、過去数周期〜数十周期にわたって移動平均したサンプリング移動平均値としても良い。また、パルスMIG溶接の場合には、同図(A)に示すように、ピーク期間ごとにピーク電圧Vpをサンプリングすることによって上記と同様にして溶接電圧Vwの急降下を判別することができる。ピーク電圧Vpの代りに、ベース電圧Vb、ピーク電圧Vp及びベース電圧Vbの平均値(溶接電圧平均値)等を使用することもできる。さらには、溶接電圧Vwの微分値を算出して、この微分値が基準値以上負の値になったことによって、急降下を判別しても良い。
ところで、アーク長制御の目的は、ワイヤ送給速度、ワイヤ突出し長さ等が変動してもアーク長を適正値に維持することである。本発明では、変動期間Ttに相当する期間だけアーク長制御を停止するが、この期間は数秒間に100ms程度と極短時間であるので、ワイヤ送給速度、ワイヤ突出し長さ等の変動時のアーク長制御への悪影響はほとんどない。上述したように、変動期間Tt中はアーク長制御を停止することによって、アーク長の変動を抑制することができる。
図2は、上述した本発明の実施の形態に係るアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図において点線で示すブロックは、本発明に特有のものである。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、交流商用電源(3相200V等)を入力して、後述する電流誤差増幅信号Eiに従ってインバータ制御等の出力制御を行い、溶接に適した溶接電圧瞬時値vw及び溶接電流瞬時値iwを出力する。溶接ワイヤ1は、ワイヤ送給装置の送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を通って送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧瞬時値vwを検出して、電圧検出信号vdを出力する。ローパスフィルタ回路FTは、上記の電圧検出信号vdを数十Hzのローパスフィルタによって平滑して、溶接電圧信号Vwを出力する。電圧設定回路VSは、所望値の電圧設定信号Vsを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧設定信号Vsと上記の溶接電圧信号Vwとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。電圧周波数変換回路VFは、上記の電圧誤差増幅信号Evに応じた周波数を有する周波数信号Vfを出力する。ピークベース切換タイマ回路STPは、本発明特有の回路であり、上記の周波数信号Vfを入力して、予め定めたピーク期間の間はHighレベルとなり、続くベース期間の間はLowレベルとなる切換信号Stpを出力する。ピーク期間は予め定めたピーク期間設定信号Tpsによって定まり、ベース期間は溶接電圧信号Vwが電圧設定信号Vsと略等しくなるようにフィードバック制御によって決まる。このフィードバック制御がアーク長制御となる。このピークベース切換タイマ回路STPは、後述する変動期間信号SttがHighレベルに変化すると、フィードバック制御を停止しベース期間をその直前の値に固定する。これによって、変動期間中のアーク長制御を停止させる。
変動期間検出回路STTは、本発明に特有の回路であり、上記の電圧検出信号vdを入力して、上述した電圧急降下検出方法によって変動期間を判別して、変動期間中はHighレベルとなる変動期間信号Sttを出力する。ピーク電流設定回路IPSは、予め定めたピーク電流設定信号Ipsを出力する。ベース電流設定回路IBSは、予め定めたベース電流設定信号Ibsを出力する。切換回路SWは、上記の切換信号Stpの値によって、上記のピーク電流設定信号Ipsとベース電流設定信号Ibsとを切り換えて、電流制御設定信号Iscとして出力する。電流検出回路IDは、上記の溶接電流瞬時値iwを検出して、電流検出信号idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Iscと上記の電流検出信号idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
図3は、本発明の効果の一例を示すブローホール発生数比較図である。同図は、以下の溶接条件で溶接を行い、溶接ビード内部に含まれるブローホールの個数を測定したものである。溶接ワイヤにはJIS A4043材の直径1.2mmのワイヤを使用し、板厚3mmのアルミニウム材の重ねすみ肉継手をパルスMIG溶接した場合である。そのときの溶接電流は120A、溶接電圧は23V、溶接速度は60cm/min、溶接長は120cmの場合である。したがって、溶接時間は2分となる。この溶接中には、5秒に1回程度の頻度で上述した一時的なシールド不良によるアークへへの空気の巻き込むによって新たな酸化皮膜の形成に伴うアーク形状の変化が観察された。
同図から明らかなように、従来技術では、16個のブローホールが発生した。これに対して、本発明では、ブローホールは発生しなかった。また、従来技術ではアーク長の上昇がときどき観察されたが、本発明ではほとんど観察されなかった。
本発明の実施の形態に係るアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法を示す波形図である。 本発明の実施の形態に係るアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の効果を示すブローホール発生数比較図である。 従来技術におけるアルミニウムパルスMIG溶接の電流・電圧波形図である。 クリーニング幅が広いとき及び狭いときのアーク発生部の模式図である。 本発明の課題を説明するための波形図である。
符号の説明
1 溶接ワイヤ
1a 溶滴
2 母材
2a 酸化皮膜
2b 新たな酸化皮膜
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FT ローパスフィルタ回路
Ib ベース電流
IBS ベース電流設定回路
Ibs ベース電流設定信号
ID 電流検出回路
id 電流検出信号
Ip ピーク電流
IPS ピーク電流設定回路
Ips ピーク電流設定信号
Isc 電流制御設定信号
Iw 溶接電流(信号)
iw 溶接電流瞬時値
La 真のアーク長
Lb (見かけの)アーク長
PM 電源主回路
STP ピークベース切換タイマ回路
Stp 切換信号
STT 変動期間検出回路
Stt 変動期間信号
SW 切換回路
Tb ベース期間
Tp ピーク期間
Tps ピーク期間設定信号
Tt 変動期間
Vb ベース電圧
Vba ベース電圧の降下値
Vbn ベース電圧の通常値
VD 電圧検出回路
vd 電圧検出信号
VF 電圧周波数変換回路
Vf 周波数信号
Vp ピーク電圧
Vpa ピーク電圧の降下値
Vpn ピーク電圧の通常値
VS 電圧設定回路
Vs 電圧設定(値/信号)
Vw 溶接電圧(信号)
Vwa 溶接電圧の降下値
Vwn 溶接電圧の通常値
vw 溶接電圧瞬時値
W1、W2 クリーニング幅
ΔV 降下幅

Claims (3)

  1. 溶接電源の出力を制御してアーク長を適正値に維持するアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法において、
    アーク発生中の溶接電圧値が通常値から基準値以上の変化率で減少したことによって急降下を検出し、この急降下を検出したときは前記溶接電源の出力を前記急降下の検出直前の値に一時固定する、
    ことを特徴とするアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法。
  2. 前記溶接電源の出力を一時固定する期間を、予め定めた所定期間又は溶接電圧値が略通常値に復帰するまでの期間とすることを特徴とする請求項1記載のアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法。
  3. 前記MIG溶接がパルスMIG溶接であるときは、前記溶接電圧値の代わりにピーク電圧、ベース電圧又は溶接電圧平均値を使用することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアルミニウムMIG溶接のアーク長制御方法。
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