JP2009045662A - 溶接電源 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出力電圧Voの瞬時値を検出して電圧検出値Vdを出力する電圧検出手段VDと、溶接電流Iwの瞬時値を検出して電流検出値Idを出力する電流検出手段IDと、短絡期間中の電圧検出値Vd及び前記電流検出値Idを入力として外部抵抗値Ro=Vd/Idを算出する外部抵抗値算出部ROと、アーク電圧の瞬時値をVa=Vd−(Ro・Id)によって算出するアーク電圧算出部VAと、アーク電圧設定値Varを出力するアーク電圧設定部VARと、算出されたアーク電圧Vaがアーク電圧設定値Varに略等しくなるように溶接電源の出力を制御する出力制御部EI、PMと、を備えた溶接電源である。これにより、配線抵抗及びワイヤ突出し部抵抗が変化しても良好なアーク長制御を行うことができる。
【選択図】 図2
Description
(1)溶接電源の正端子と溶接トーチとを接続するための溶接用ケーブル及び溶接電源の負端子と母材とを接続するための母材ケーブルが有する配線抵抗によって、溶接電圧の検出に誤差が生じるためにアーク長制御が不安定になることがある。
(2)トーチ高さが変化するとワイヤ突出し長さが変化してアーク長制御が不安定になることがある。
以下、(1)及び(2)の問題を解決するための従来技術について説明する。
上述したように、慣用されているアーク長制御では、溶接電源PSの出力端子電圧である出力電圧Voを検出して、この出力電圧検出値が予め定めた電圧設定値と等しくなるように溶接電源PSの出力を制御してアーク長制御を行う。この場合に、配線抵抗値Rcが小さな値であるときは出力電圧Voと溶接電圧Vwとは略等しいと見なして良いので、出力電圧検出値は溶接電圧検出値と略等しくなり、良好なアーク長制御が可能である。しかし、工場内では溶接電源PSの設置場所とアーク発生個所とが20〜30m離れていることも多く、このような場合には配線抵抗値Rcは大きな値となる。配線抵抗値Rcが大きくなると、出力電圧Voと溶接電圧Vwとの差が大きくなり、アーク長制御が不安定になる場合が生じる。この上述した問題(1)を解決するために、従来技術1が提案されている。従来技術1では、溶接装置の設置が終了した後に、給電チップ4aと母材2とを接触させて、溶接電源PSから定電流を通電する。この定電流値とそのときの出力電圧値Voとから配線抵抗値Rcを算出する。そして、溶接を行うときには、溶接電流平均値の設定値及び算出した配線抵抗値Rcによって配線抵抗による電圧降下値を算出し、電圧設定値にこの電圧降下値を加算して電圧設定修正値を算出する。アーク長制御は、この電圧設定修正値と出力電圧Voとが等しくなるように行われる。このために、配線抵抗値Rcの値によらず安定したアーク長制御を行うことができる。
上述したように、慣用されているアーク長制御では、溶接電圧Vwをフィードバックしている。しかし、アーク長と比例関係にあるのはアーク電圧Vaであるので、本来はアーク電圧Vaをフィードバック信号として検出することが望ましい。しかし、そのためにはアーク電圧Vaを検出する必要があるがそれは困難である。また、ワイヤ突出し部電圧Vxが検出できれば、Va=Vw−Vxによってアーク電圧Vaを検出することができるが、ワイヤ突出し部電圧Vxを検出することも困難である。このために、溶接電圧Vwをフィードバック信号として使用している。この結果、当然ながらワイヤ突出し長さLxが変化すると、ワイヤ突出し部電圧Vxが変化するために、溶接電圧Vwが一定値に制御されていてもアーク電圧Vaは変化することになり、これに伴いアーク長も変動することになる。したがって、より精密なアーク長制御を行うためには、アーク長La又はアーク電圧Vaを検出する方法が必要である。この上述した問題(2)を解決するために従来技術2が提案されている。以下、この従来技術2について説明する。
(1)溶接中の溶接電流値Iw、溶接電圧値Vw及び送給速度Wfを、微小時間ΔTごとに繰り返し検出する。
(2)上記第n回目の検出した溶接電流値Iwと前回ワイヤ突出し長演算値Lx(n-1)とを入力として、予め設定した定数α及びβによって第n回目の溶融速度演算値Wm=α・Iw+β・Lx(n-1)・Iw2である溶融速度演算過程を行う。
(3)上記第n回目の検出した送給速度Wfと上記第n回目の溶融速度演算値Wmとを入力として、上記の微小時間(定数)ΔTによって第n回目のワイヤ突出し長変化分演算値ΔLx=(Wf−Wm)・ΔTであるワイヤ突出し長変化分演算過程を行う。
(5)上記第n回目のワイヤ突出し長演算値Lxと上記第n回目の検出した溶接電流値Iwとを入力として、予め設定した定数rxによって第n回目のワイヤ突出し部電圧演算値Vx=rx・Lx・Iwであるワイヤ突出し部電圧演算過程を行う。
(6)上記第n回目の検出した溶接電圧値Vwと上記第n回目のワイヤ突出し部電圧演算値Vxとを入力として、第n回目のアーク電圧演算値Va=Vw−Vxであるアーク電圧演算過程を行う。
(7)上記第n回目のアーク電圧演算値Vaと上記第n回目の検出した溶接電流値Iwとを入力として、予め設定した定数a〜dによって第n回目のアーク長算出値La=(Va−a−c・Iw)/(b+d・Iw)であるアーク長演算過程から成るアーク長算出過程によって上記第n回目のアーク長算出値Laを出力する。
(8)上記第n回目のアーク長算出値Laをフィードバック信号とし、予め設定したアーク長設定値Lsを目標値とするフィードバック制御によって溶接電源の出力制御を行い溶接中のアーク長を目標値に維持する。
溶接ワイヤを送給し短絡期間とアーク期間とを繰り返す短絡アーク溶接に使用される溶接電源において、
出力電圧の瞬時値を検出して電圧検出値Vdを出力する電圧検出手段と、
溶接電流の瞬時値を検出して電流検出値Idを出力する電流検出手段と、
前記短絡期間中の前記電圧検出値Vd及び前記電流検出値Idを入力として外部抵抗値Roを算出する外部抵抗値算出部と、
アーク電圧の瞬時値をVa=Vd−(Ro・Id)によって算出するアーク電圧算出部と、
アーク電圧設定値Varを出力するアーク電圧設定部と、
算出された前記アーク電圧Vaが前記アーク電圧設定値Varに略等しくなるように溶接電源の出力を制御する出力制御部と、
を備えたことを特徴とする溶接電源である。
出力電圧の瞬時値を検出して電圧検出値Vdを出力する電圧検出手段と、
溶接電流の瞬時値を検出して電流検出値Idを出力する電流検出手段と、
前記短絡期間中の前記電圧検出値Vd及び前記電流検出値Idを入力として外部抵抗値Roを算出する外部抵抗値算出部と、
アーク電圧設定値Varを出力するアーク電圧設定部と、
アーク電圧設定修正値をVac=Var+(Ro・Id)によって算出するアーク電圧設定修正部と、
前記電圧検出値Vdが前記アーク電圧設定修正値Vacに略等しくなるように溶接電源の出力を制御する出力制御部と、
を備えたことを特徴とする溶接電源である。
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク長制御方法を示すための波形図である。同図(A)は出力電圧Voの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iwの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
Vs=(Rc+Rx)・Is
ここで、配線抵抗値Rcとワイヤ突出し部抵抗値Rxを合わせて外部抵抗値Roとして定義すると、下式が成立する。
Ro=Vs/Is
同図において、時刻t11の短絡電圧値をVs1とし、短絡電流値をIs1とすると、これらを上式に代入して下式が成立する。
Ro=Is1/Vs1 …(1)式
したがって、短絡期間Ts中の溶接電流Iw(短絡電流Is1)及び出力電圧Vo(短絡電圧Vs1)によって外部抵抗値Roを算出することができる。
VO=Ro・Iw+Va
したがって、アーク電圧Vaは下式で算出することができる。
Va=Vo−Ro・Iw …(2)式
ここで、外部抵抗値Roは上記(1)式によって算出された値である。このアーク電圧Vaをフィードバック信号としてアーク長制御を行うことによって、精密なアーク長制御が可能となる。
図3は、本発明の実施の形態2に係る溶接電源のブロック図である。同図において上述した図2と同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、図2とは異なる点線で示すブロックについて説明する。
Va=Vo−Ro・Iw
ここでアーク電圧設定値をVarとして上記のアーク電圧Vaに代入して整理すると下式が得られる。
Vo=Var+Ro・Iw
したがって、出力電圧Voをフィードバック信号とする場合には、アーク電圧設定修正値Vacを下式のようにすれば良い。
Vac=Var+Ro・Iw …(3)式
すなわち、出力電圧Voをフィードバック信号とし、このアーク電圧設定修正値Vacを目標値としてアーク長制御を行うことによって、実施の形態1と同様にアーク電圧Vaを制御することができる。
1a ワイヤ先端部
2 母材
2a 溶融池
3 アーク
4 溶接トーチ
4a 給電チップ
5 送給ロール
6a 溶接用ケーブル
6b 母材ケーブル
a〜d 定数
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
EV2 第2電圧誤差増幅回路
IAR アーク電流設定回路
Iar アーク電流設定信号
ICR 電流制御設定回路
Icr 電流制御設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
Is 短絡電流
ISR 短絡電流設定回路
Isr 短絡電流設定信号
Iw 溶接電流
K 係数
La アーク長
Ls アーク長設定値
Lw 宮殿チップ・母材間距離
Lx ワイヤ突出し長さ
PM 電源主回路
PS 溶接電源
Rc 配線抵抗値
RO 外部抵抗値算出回路
Ro 外部抵抗値(信号)
rx 定数
Rx ワイヤ突出し部抵抗値
SA 短絡/アーク判別回路
Sa 短絡/アーク判別信号
Ta アーク期間
Ts 短絡期間
VA アーク電圧算出回路
Va アーク電圧(信号)
VAC アーク電圧設定修正回路
Vac アーク電圧設定修正信号
VAR アーク電圧設定回路
Var アーク電圧設定信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
Vo 出力電圧
Vs 短絡電圧値
Vw 溶接電圧
Vx ワイヤ突出し部電圧
Wf 送給速度
Wm 溶融速度
α、β 定数
ΔLx ワイヤ突出し長変化分演算値
ΔT 微小時間
Claims (4)
- 溶接ワイヤを送給し短絡期間とアーク期間とを繰り返す短絡アーク溶接に使用される溶接電源において、
出力電圧の瞬時値を検出して電圧検出値Vdを出力する電圧検出手段と、
溶接電流の瞬時値を検出して電流検出値Idを出力する電流検出手段と、
前記短絡期間中の前記電圧検出値Vd及び前記電流検出値Idを入力として外部抵抗値Roを算出する外部抵抗値算出部と、
アーク電圧の瞬時値をVa=Vd−(Ro・Id)によって算出するアーク電圧算出部と、
アーク電圧設定値Varを出力するアーク電圧設定部と、
算出された前記アーク電圧Vaが前記アーク電圧設定値Varに略等しくなるように溶接電源の出力を制御する出力制御部と、
を備えたことを特徴とする溶接電源。 - 溶接ワイヤを送給し短絡期間とアーク期間とを繰り返す短絡アーク溶接に使用される溶接電源において、
出力電圧の瞬時値を検出して電圧検出値Vdを出力する電圧検出手段と、
溶接電流の瞬時値を検出して電流検出値Idを出力する電流検出手段と、
前記短絡期間中の前記電圧検出値Vd及び前記電流検出値Idを入力として外部抵抗値Roを算出する外部抵抗値算出部と、
アーク電圧設定値Varを出力するアーク電圧設定部と、
アーク電圧設定修正値をVac=Var+(Ro・Id)によって算出するアーク電圧設定修正部と、
前記電圧検出値Vdが前記アーク電圧設定修正値Vacに略等しくなるように溶接電源の出力を制御する出力制御部と、
を備えたことを特徴とする溶接電源。 - 前記外部抵抗値Roを、前記短絡期間中の前記電圧検出値Vdを前記電流検出値Idで除算して算出する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の溶接電源。
- 前記外部抵抗値の算出を1回の短絡期間中に複数回行い、これらの平均値を算出して前記外部抵抗値Roとする、ことを特徴とする請求項3記載の溶接電源。
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2007
- 2007-08-22 JP JP2007215381A patent/JP2009045662A/ja active Pending
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