JP4700769B2 - 溶接用鋼材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、小入熱から中入熱までの溶接における溶接熱影響部(HAZ)のCTOD特性が優れた溶接用鋼材およびその製造法に関する。特に、小入熱から中入熱までの溶接において最も靭性が劣化するFL部及びIC部のCTOD特性が極めて優れた溶接用鋼材およびその製造方法に関する。
本願は、2009年5月19日に、日本に出願された特願2009−121128号と2009年5月19日に、日本に出願された特願2009−121129号とに基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、厳しい環境で使用される鋼材が要求されている。例えば、北極圏等の寒冷地域で用いられる海洋構造物や耐震性建築物等の鋼構造物に適した高強度の鋼材として、破壊靱性の指標であるCTOD(Crack Tip Opening Displacement)特性が優れた鋼材が要求されている。特に、鋼材の溶接部は、優れたCTOD特性が必要とされる。
溶接熱影響部(HAZ)のCTOD特性は、FL部[Fusion Line:WM(溶接金属)とHAZ(溶接熱影響部)との境界]およびIC部[Intercritical HAZ:HAZとBM(母材)との境界]の2箇所の位置(ノッチ部)の試験結果によって評価される。しかしながら、これまでは一番低いCTOD特性が得られると考えられてきたFL部のみが評価されていた。
−20℃程度の試験温度があまり厳しくない条件では、FL部のCTOD特性が十分であれば、IC部のCTOD特性も、十分であるため、IC部のCTOD特性を評価する必要がなかった。
しかしながら、−60℃程度の厳しい試験条件では、鋼材のIC部のCTOD値が十分でないケースが多く、IC部のCTOD特性を高める必要があった。
例えば、小入熱から中入熱までの溶接後に厳しい試験温度(例えば、−60℃)でCTOD特性が良好な溶接継手を開示している技術がある(例えば、特許文献1〜2参照)。しかしながら、これらの技術には、IC部のCTOD特性が開示されていない。
上述した技術では、例えば、FL部の粒内変態フェライト(IGF:Intragranular Ferrite)生成のための変態核としてのTiの酸化物の生成量を十分に確保するために、鋼中に比較的多くのOを含有させている。また、例えば、溶接後の組織を微細化するために、オーステナイトを安定化させ焼入れ性を高める元素を一定量以上添加している。しかしながら、これらの方法では、溶接用構造材料として必要とされる特性(例えば、母材の強度や靭性、FL部のCTOD値)を確保しながら、−60℃程度の厳しい環境における鋼材のIC部のCTOD値も確保することは困難である。
日本国特開2007−002271号公報 日本国特開2008−169429号公報
そこで、本発明は、小入熱から中入熱まで(例えば、板厚50mmで1.5〜6.0kJ/mm)の溶接(例えば、多層溶接)において−60℃のFL部のCTOD特性に加え、IC部のCTOD特性も十分である優れたCTOD(破壊靱性)特性を有する高強度の鋼材およびその製造方法を提供する。
本発明者らは、小入熱から中入熱までの溶接によって最も靭性が劣化する溶接部のFL部とIC部との両方のCTOD特性を向上させる方法について鋭意研究した。
その結果、本発明者らは、FL部とIC部との両方のCTOD特性を向上させるためには、非金属介在物の低減が最も重要であり、特に、O(鋼中酸素)の低減が必須であることを見出した。また、本発明者らは、Oの低減により粒内変態フェライト(IGF)が減少するので、FL部のCTOD特性を劣化させる合金元素を低減する必要があることを見出した。さらに、本発明者らは、IC部のCTOD特性を向上させるためには、鋼中酸素の低減に加え、硬さの低減が有効であることを見出した。本発明者らは、上記知見により、本発明を完成した。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)質量%で、C含有量[C]が、0.015%以上0.045%以下のCと、Si含有量[Si]が、0.05%以上0.20%以下のSiと、Mn含有量[Mn]が、1.5%以上2.0%以下のMnと、Ni含有量[Ni]が、0.10%以上1.50%以下のNiと、Ti含有量[Ti]が、0.005%以上0.015%以下のTiと、O含有量[O]が、0.0015%以上0.0035%以下のOと、N含有量[N]が、0.002%以上0.006%以下のNとを含有し、残部が鉄および不可避的不純物を含み、P含有量[P]を0.008%以下、S含有量[S]を0.005%以下、Al含有量[Al]を0.004%以下、Nb含有量[Nb]を0.005%以下、Cu含有量[Cu]を0.24%以下、V含有量[V]を0.020%以下に制限し、後述の(1)式の鋼成分パラメーターPCTODが0.065%以下、かつ、後述の(2)式の鋼成分硬さパラメーターCeqHが0.235%以下である溶接用鋼材。
(2)上記(1)に記載の溶接用鋼材は、質量%で、前記Cu含有量[Cu]が、0.03%以下であってもよい。
(3)BS5762法のCTOD試験によって得られるFL部における−60℃でのCTOD(δc)値とIC部における−60℃でのCTOD(δc)値とが、いずれも0.25mm以上であってもよい。
(4)上記(1)または(2)に記載の鋼成分を満足する鋼を連続鋳造することによって鋼片を作製し、前記鋼片を950℃以上1100℃以下の温度に加熱後、加工熱処理する溶接用鋼材の製造方法。
本発明によれば、小入熱から中入熱までの溶接におけるHAZ靭性に優れた鋼材を提供することができる。特に、小入熱から中入熱までの多層溶接等の溶接により最も靭性が劣化するFL部及びIC部のCTOD特性(低温靭性)が優れた鋼材を提供することができる。したがって、海洋構造物、耐震性建築物等の厳しい環境で使用される構造物に対して高強度かつ高靭性の鋼材を提供することができる。
鋼成分パラメーターPCTODとFL相当再現熱サイクル試験でのCTOD特性(Tδc0.1(FL))との関係を示す図である。 ICHAZ相当再現熱サイクル試験でのHAZ硬さとCTOD特性(Tδc0.1(ICHAZ))との関係を示す図である。 鋼成分硬さパラメーターCeqHとICHAZ相当再現熱サイクル試験でのHAZ硬さとの関係を示す図である。 CTOD試験のFLノッチ位置を示す概略図である。 CTOD試験のICノッチ位置を示す概略図である。 鋼成分硬さパラメーターCeqHとIC部における−60℃でのCTOD(δc)値との関係を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らの研究によれば、小入熱から中入熱まで(例えば、板厚50mmで1.5〜6.0kJ/mm)の溶接における−60℃でのFL部及びIC部のCTOD特性を十分に向上させるためには、酸化物系の非金属介在物の低減が最も重要であり、O(鋼中酸素)の低減が必須である。
従来の技術では、優れたFL部のCTOD特性を有する鋼材を得るために、粒内変態フェライト(IGF:Intragranular Ferrite)の変態核としてTi酸化物に代表される酸化物系の非金属介在物を利用しており、ある程度のOを添加する必要があった。本発明者の研究によれば、−60℃のFL部及びIC部のCTOD特性を向上させるためには、酸化物系の非金属介在物の低減が必要である。
Oの低減によりIGFが減少するため、FL部のCTOD特性を劣化させる合金元素を低減する必要がある。図1に、FL相当再現HAZのCTOD特性(Tδc0.1(FL))と鋼成分パラメーターPCTODとの関係を示す。ここで、(1)式で示される鋼成分パラメーターPCTODは、実験室において多数の溶解鋼を試験し、FL相当再現HAZのCTOD特性(Tδc0.1(FL))と鋼成分とを解析して導出された経験式である。
CTOD=[C]+[V]/3+[Cu]/22+[Ni]/67・・・(1)
ここで、[C]、[V]、[Cu]、[Ni]は、それぞれ、鋼中のC、V、Cu、Niの含有量(質量%)である。例えば、Cuが含有されない場合には、Cu含有量は、0%である。
図1に示したFL相当再現HAZについて、多数の実験で得られた知見から−110℃以下のCTOD特性(Tδc0.1(FL))が構造物用鋼材としての目標レベル(Tδc0.1(FL)≦−110℃)である。この目標レベルでは、板厚50〜100mmの鋼板の実継手のFLノッチ試験において、−60℃で安定して0.25mm以上のCTOD(δc)値を確保することができる。図1から、FL相当再現HAZにおいて、Tδc0.1(FL)を−110℃以下にするためには、鋼成分パラメーターPCTODを0.065%以下に制御する必要があることがわかる。なお、CTOD(δc)値は、大きいほど、靭性(例えば、塑性歪みによるエネルギー吸収)が高い。
FL相当再現HAZは、以下に示すFL相当再現熱サイクルが施された試験片のFL部の入熱量に対応する部分である。このFL相当再現熱サイクル処理(Triple cycle)が、断面10mm×20mmの試験片に対して以下の条件で施された。
1st cycle:最高加熱温度1400℃(800〜500℃間を15secで冷却)
2nd cycle:最高加熱温度760℃(760〜500℃間を22secで冷却)
3rd cycle:最高加熱温度500℃(500〜300℃間を60secで冷却)
図4A中に示すように、溶接部2におけるFLノッチ7の位置は、HAZ4とWM3との境界のFL部5である。FLノッチによる以下のCTOD試験では、荷重とこのFL部5の開口変位との関係を測定した。
この試験片をBS5762法(British Standards)のCTOD試験によって評価し、図1のTδc0.1(FL)が得られている。ここで、Tδc0.1(FL)は、各試験温度で3本の試験片を用いて得られたCTOD(δc)値の最低値が0.1mmを超える温度(℃)である。なお、CTOD試験における板厚の影響を考慮すると、板厚50〜100mmの鋼板の実継手のFLノッチ部(FL部)において、−60℃で安定して0.25mm以上のCTOD(δc)値を確保するためには、上述したようにTδc0.1(FL)を−110℃以下にする必要がある。
さらに、本発明者らは、IC部のCTOD特性の向上には、鋼中酸素の低減に加え、硬さの低減が有効であることを見出した。
図2に後述するICHAZ(Intercritical HAZ)相当の再現熱サイクルを受けた試験片のCTOD特性とICHAZ相当の再現HAZの硬さとの関係を示す。また、図3に鋼成分硬さパラメーターCeqHとICHAZ相当の再現HAZの硬さとの関係を示す。
ここで、図2に示したICHAZ相当の再現HAZ(断面10mm×20mm)のTδc0.1(ICHAZ)が−110℃以下であるためには、HAZ硬さ(10kgfの荷重のビッカース試験)をHv176以下にする必要がある。そのため、図3から、鋼成分硬さパラメーターCeqHを0.235%以下に制御する必要があることが分かる。より硬さを低くするためには、鋼成分硬さパラメーターCeqHは、0.225%以下であることが好ましい。
なお、靭性の試験方法として、BS5762法(British Standards)のCTOD試験を適用した。また、ICHAZ相当再現熱サイクル条件(Triple cycle)は、以下の通りである。
1st cycle:最高加熱温度950℃(800〜500℃間を20secで冷却)
2nd cycle:最高加熱温度770℃(770〜500℃間を22secで冷却)
3rd cycle:最高加熱温度450℃(450〜300℃間を65sec間で冷却)
図4B中に示すように、溶接部2におけるICノッチ8の位置は、母材1とHAZ4との境界のIC部(ICHAZ部)6である。ICノッチによるCTOD試験では、荷重とこのIC部6の開口変位との関係を測定した。
ここで、鋼成分硬さパラメーターCeqHは、鋼の特性(HAZ硬さ)と成分との重回帰によって得られた経験式である。
CeqH=[C]+[Si]/4.16+[Mn]/14.9+[Cu]/12.9+[Ni]/105+1.12[Nb]+[V]/1.82・・・(2)
と定義される。なお、[C]、[Si]、[Mn]、[Cu]、[Ni]、[Nb]、[V]は、鋼中のC、Si、Mn、Cu、Ni、Nb、Vの含有量(質量%)である。例えば、Cuが含有されない場合には、Cu含有量は、0%である。
上述したようにPCTOD及びCeqHを制限しても、鋼中のそれぞれの合金元素の量を適正に調節しなければ、高強度と優れたCTOD特性とを兼ね備えた鋼材を製造できない。
以下に、鋼成分の限定範囲と鋼成分の限定理由とを述べる。ここで、記載した%は、質量%である。上述の鋼成分パラメーターPCTOD及び鋼成分硬さパラメーターCeqHの制限に加え、以下のように鋼成分を限定することにより、BS5762法のCTOD試験によって得られるFL部における−60℃でのCTOD(δc)値とIC部における−60℃でのCTOD(δc)値とが、いずれも0.25mm以上である溶接用鋼材を得ることができる。
C:0.015〜0.045%
十分な強度を得るために、0.015%以上のCを含有させる必要がある。しかしながら、0.045%超のC含有量[C]では、溶接HAZの特性が劣化し、−60℃のCTOD特性が十分でない。そのため、C含有量[C]の上限は、0.045%である。したがって、C含有量[C]は、0.015%以上0.045%以下である。
Si:0.05〜0.20%
良好なHAZ靭性を得るため、Si含有量[Si]は、少ないほど好ましい。しかしながら、後述するようにAl含有量[Al]を制限しているため、脱酸上0.05%以上のSi含有量[Si]が必要である。しかしながら、0.20%超のSi含有量[Si]では、HAZ靭性を害するため、Si含有量[Si]の上限は、0.20%である。したがって、Si含有量[Si]は、0.05%以上0.20%以下である。より良好なHAZ靭性を得るために、Si含有量[Si]は、0.15%以下であることが好ましい。
Mn:1.5〜2.0%
Mnは、ミクロ組織を適正化する効果が大きい安価な元素である。また、Mnの添加によって、HAZ靭性を害する可能性は少ない。そのため、Mnの添加量は、多いほど好ましい。しかしながら、2.0%超のMn含有量では、ICHAZの硬さが増加し、靭性が劣化する。そのため、Mn含有量[Mn]の上限は、2.0%である。また、Mn含有量[Mn]が1.5%未満では、ミクロ組織を向上する効果が少ないので、Mn含有量[Mn]の下限は、1.5%である。したがって、Mn含有量[Mn]は、1.5%以上2.0%以下である。よりHAZ靭性を改善するためには、Mn含有量[Mn]は、1.55%以上であることが好ましく、1.6%以上であることがより好ましく、最も好ましくは、1.7%以上である。
Ni:0.10〜1.50%
Niは、HAZ靭性をあまり劣化させず、母材の強度及び靭性を向上させ、ICHAZの硬さをあまり増加させない元素である。しかしながら、Niは、高価な合金元素であり、鋼中に過剰に含まれると表面疵を生じさせることがある。そのため、Ni含有量[Ni]の上限は、1.50%である。一方で、上述のNi添加の効果を十分に享受するためには、少なくとも0.10%のNiを含有する必要がある。したがって、Ni含有量[Ni]は、0.10%以上1.50%以下である。ICHAZの硬さをあまり増加させることなく、母材の強度及び靭性をより向上するために、Ni含有量[Ni]は、0.20%以上であることが好ましく、0.30%以上であることがより好ましく、0.40%又は0.51%以上であることが最も好ましい。また、表面疵をより確実に防止するためには、Ni含有量[Ni]は、1.20%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。他元素の添加により母材の強度及び靭性を十分に確保できる場合には、より経済性を確保するために、Ni含有量[Ni]は、0.80%以下であることが最も好ましい。なお、後述するように、Cuを添加する場合には、鋳片のCu割れを抑制するために、Ni含有量[Ni]は、Cu含有量[Cu]の1/2以上であることが好ましい。
P:0.008%以下(0%を含む)
S:0.005%以下(0%を含む)
P及びSは、靭性を低下させ、不可避的不純物として含有される元素である。そのため、P含有量[P]及びS含有量[S]は、母材靭性及びHAZ靭性を確保するためともに低下させる必要がある。しかしながら、工業生産的な制約があるため、P含有量[P]の上限及びS含有量[S]の上限は、それぞれ0.008%及び0.005%である。より良好なHAZ靭性を得るために、P含有量[P]を0.005%以下に制限することが好ましく、S含有量[S]を0.003%以下に制限することが好ましい。
Al:0.004%以下(0%を含まない)
Al含有量[Al]は、Ti酸化物を生成させる必要があるため、少ないほど好ましい。しかしながら、工業生産的に制約があるため、Al含有量[Al]の上限は、0.004%である。
Ti:0.005〜0.015%
Tiは、Ti酸化物を生成させミクロ組織を微細化させる。しかしながら、Ti含有量[Ti]が多すぎると、Tiは、TiCを生成してHAZ靭性を劣化させる。そのため、Ti含有量[Ti]は、0.005%以上0.015%以下が適正な範囲である。よりHAZ靭性を改善するために、Ti含有量[Ti]は、0.013%以下であることが好ましい。
Nb:0.005%以下(0%を含む)
Nbは、不純物として含有される場合があり、母材の強度及び靭性を向上させるが、HAZ靭性を低下させる。HAZ靭性が著しく低下しないNb含有量[Nb]の範囲は、0.005%以下である。そのため、Nb含有量[Nb]を0.005%以下に制限する。よりHAZ靭性を改善させるためには、0.001%以下(0%を含む)に制限することが好ましい。
O:0.0015〜0.0035%
O含有量[O]は、FL部のIGF生成核としてのTiの酸化物の生成量を確保するために、0.0015%以上であることが必須である。しかし、O含有量[O]が多すぎると、酸化物のサイズおよび個数が過大になるためIC部のCTOD特性が劣化する。そのため、O含有量[O]を0.0015%以上0.0035%以下の範囲に制限した。より良好なHAZ靭性を得るために、O含有量[O]は、0.0030%以下であることが好ましく、0.0028%以下であることがより好ましい。
N:0.002〜0.006%
Nは、Ti窒化物を生成させるために必要である。しかしながら、N含有量[N]が0.002%未満では、Ti窒化物を生成させる効果が少ない。また、N含有量[N]が0.006%超では、鋼片製造時に表面疵が発生するため、N含有量[N]の上限は、0.006%である。したがって、N含有量[N]は、0.002%以上0.006%以下である。より良好なHAZ靭性を得るために、N含有量[N]は、0.005%以下であることが好ましい。
Cu:0.24%以下(0%を含む)
Cuは、HAZ靭性をあまり劣化させず、母材の強度及び靭性を向上させ、ICHAZの硬さもあまり増加させない元素である。そのため、必要に応じ、Cuを添加してもよい。しかし、Cuは、比較的高価な合金元素であり、Niに比べると上述の効果が小さく、多過ぎる添加によって鋳片のCu割れが生じる危険性を高める。そのため、Cu含有量[Cu]を0.24%以下に制限する。加えて、鋼中にCuを添加したり、不純物としてCuを含んだりする場合には、鋳片のCu割れを防止するために、Cu含有量[Cu]をNi含有量[Ni]の2倍以下にすることが好ましい。また、Cuのフェライト(αFe)中への固溶限が小さいため、溶接の熱履歴によっては溶接HAZ中にεCuが析出し、低温靭性を低下させる可能性がある。そのため、Cu含有量[Cu]は、0.20%以下に制限することが好ましく、0.10%以下に制限することがより好ましい。CやMn、Ni等の元素により鋼材の強度を十分に確保すれば、Cuを必ずしも添加する必要はない。強度上の理由から選択的にCuを添加する場合であっても、Cu含有量[Cu]を極力少なく抑えることが好ましい。したがって、Cu含有量[Cu]は、0.03%以下であることが最も好ましい。
V:0.020%以下(0%を含む)
Vは、母材強度を向上させるために有効である。そのため、必要に応じ、Vを添加してもよい。しかし、0.020%を超えるVを添加すると、HAZ靭性が大きく低下する。そのため、V含有量[V]を、0.020%以下に制限する。HAZ靭性の低下を十分に抑えるためには、V含有量[V]を0.010%に制限することが好ましい。CやMn、Ni等の元素により鋼材の強度を十分に確保すれば、Vを必ずしも添加する必要はない。強度上の理由から選択的にVを添加する場合であっても、V含有量[V]を極力少なく抑えることが好ましい。したがって、V含有量[V]は、0.005%以下であることがより好ましい。
本発明の溶接用鋼材は、上記成分を含有または制限し、残部が鉄および不可避的不純物を含む。しかしながら、本発明の鋼板には、上記成分の他に、鋼板自体の耐食性及び熱間加工性を一段と改善する目的で、あるいはスクラップ等の副原料からの不可避的不純物として、他の合金元素を含有してもよい。ただし、上記成分(Ni等)の上記効果(母材の靭性の向上等)を十分に発揮させるために、他の各合金元素(Cr、Mo、B、Ca、Mg、Sb、Sn、As、REM)を以下のように制限することが好ましい。これらの各元素の含有量は、0%を含む。
Crは、HAZ靭性を低下させるため、Cr含有量[Cr]は、0.1%以下であることが好ましく、0.05%以下であることがより好ましく、0.02%以下であることが最も好ましい。
Moは、HAZ靭性を低下させるため、Mo含有量[Mo]は、0.05%以下であることが好ましく、0.03%以下であることがより好ましく、0.01%以下であることが最も好ましい。
Bは、HAZ硬さを高め、HAZ靭性を低下させるため、B含有量[B]は、0.0005%以下であることが好ましく、0.0003%以下であることがより好ましく、0.0002%以下であることが最も好ましい。
Caは、Ti酸化物の生成を抑制する効果があるため、Ca含有量[Ca]は、0.0003%未満であることが好ましく、0.0002%未満であることがより好ましい。
Mgは、Ti酸化物の生成を抑制する効果があるため、Mg含有量[Mg]は、0.0003%未満であることが好ましく、0.0002%未満であることがより好ましい。
Sbは、HAZ靭性を損なうため、Sb含有量[Sb]は、0.005%以下であることが好ましく、0.003%以下であることがより好ましく、0.001%以下であることが最も好ましい。
Snは、HAZ靭性を損なうため、Sn含有量[Sn]は、0.005%以下であることが好ましく、0.003%以下であることがより好ましく、0.001%以下であることが最も好ましい。
Asは、HAZ靭性を損なうため、As含有量[As]は、0.005%以下であることが好ましく、0.003%以下であることがより好ましく、0.001%以下であることが最も好ましい。
REMは、Ti酸化物の生成を抑制する効果があるため、REM含有量[REM]は、0.005%以下であることが好ましく、0.003%以下であることがより好ましく、0.001%以下であることが最も好ましい。
上述したように、本発明の溶接用鋼材は、鋼成分として上記成分を含有または制限し、残部が鉄および不可避的不純物からなる。しかしながら、本発明の溶接用鋼材は、構造材料として使用されるため、鋼材の最小寸法(例えば、板厚)は、6mm以上であることが好ましい。構造材料としての用途を考慮すると、鋼材の最小寸法(例えば、板厚)は、100mm以下であってもよい。
より確実に本発明のCTOD特性を得るためには、以下の製造方法によって溶接用鋼材を製造することができる。本発明の溶接用鋼材の製造方法では、上記のように各元素の含有量及び各パラメーター(PCTOD及びCeqH)を限定した鋼を使用する。
本発明の一実施形態における溶接用鋼材の製造方法では、連続鋳造法で上述の鋼(溶鋼)からスラブ(鋳片)を製造する。連続鋳造法では、溶鋼の冷却速度(凝固速度)が速く、スラブ中に微細なTi酸化物とTi窒化物とを多量に生成させることが可能である。
スラブを圧延する際には、スラブの再加熱温度を950℃以上1100℃以下にする必要がある。1100℃を超える再加熱温度では、Ti窒化物が粗大化して母材の靭性が劣化し、HAZ靭性を改善することが難しい。
また、950℃未満の再加熱温度では、圧延の負荷が大きく、生産性が阻害される。そのため、再加熱温度の下限は、950℃である。したがって、950℃以上1100℃以下の温度で再加熱を行う必要がある。
つぎに、再加熱後には、加工熱処理を行う。加工熱処理では、鋼成分に応じた狭い範囲に圧延温度を制御した後、必要に応じて水冷を施す。この加工熱処理により、オーステナイト粒の微細化及びミクロ組織の微細化をおこなうことができ、鋼材の強度及び靭性を改善させることができる。圧延によって、最終的な鋼材(例えば、厚鋼板)の厚み(最小寸法)が6mm以上となるように制御されることが好ましい。
この加工熱処理によって、溶接時のHAZ靭性だけでなく、母材の靭性が十分な鋼材を製造することができる。
加工熱処理の方法としては、例えば、制御圧延による方法、制御圧延と加速冷却とを組み合わせる方法(制御圧延−加速冷却)、圧延後直接焼入れし焼戻す方法(圧延直後焼入れ−焼戻し)が挙げられる。この加工熱処理の方法は、制御圧延と加速冷却とを組み合わせる方法であることが好ましい。なお、この鋼材を製造後、脱水素や強度の最適化などの目的でAr変態点以下の温度に再加熱しても、鋼材の特性は、損なわれない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を説明する。
転炉、連続鋳造、厚板(圧延)の工程を経て、種々の鋼成分の厚鋼板を製造し、これらの厚鋼板について母材強度の引張試験及び溶接継手のCTOD試験を実施した。
CTOD試験に使用する溶接継手は、一般的な試験溶接として用いられている潜弧溶接(SAW)法によって、4.5〜5.0kJ/mmの溶接入熱で作製された。図4A及び4Bに示すように、この溶接継手のFL部5は、溶接溶け込み線(FL)9が厚鋼板の端面に対して略垂直になるようにK開先を用いて形成されている。
CTOD試験において、t(板厚)×2tの断面サイズの試験片を使用し、この試験片に50%疲労亀裂に対応するノッチを形成した。ノッチ位置(FLノッチ7及びICノッチ8)は、図4A及び4Bに示すように、FL部(WM3とHAZ4との境界)5またはIC部(HAZ4とBM1との境界)6である。CTOD試験では、FLノッチ7とICノッチ8とのそれぞれについて、−60℃で5本の試験(計10回)を実施した。
表1及び表2に鋼の化学成分を示し、表3及び4に厚鋼板(母材)の製造条件と母材(BM)の特性と溶接継手の特性とを示す。
また、表3及び4中の熱処理法の記号を以下に示す。
CR:制御圧延(鋼材の強度及び靭性を改善するために最適な温度域での圧延)
ACC:制御圧延−加速冷却(制御圧延後400℃〜600℃の温度域まで鋼材を水冷し、放冷)
DQ:圧延直後焼入れ−焼戻し(圧延直後に200℃以下まで鋼材を水冷した後、焼戻し)
また、表3及び4中の溶接継手のCTOD試験結果において、δc(av)は、5本の試験のCTOD値の平均値を、δc(min)は、5本の試験のうちのCTOD値の最低値を示す。
実施例1〜7及び16〜30では、降伏強度(YS)が432N/mm(MPa)以上、引張強度が500N/mm(MPa)以上であり、母材強度が十分であった。また、−60℃のCTOD値(δc)について、FLノッチにおけるCTOD値の最小値δc(min)が0.43mm以上、ICノッチにおけるCTOD値の最小値δc(min)が0.60mm以上であり、破壊靭性に優れていた。
これに対し、比較例では、実施例と同等の強度を有するが、実施例と比べてCTOD値が劣り、厳しい環境下で使用される鋼材として適切でない。
比較例8及び31では、鋼中のC含有量が高く、鋼成分パラメーターPCTOD及び鋼成分硬さパラメーターCeqHも高かった。そのため、FLノッチのCTOD値とICノッチのCTOD値の両方が低かった。
比較例9及び32では、鋼中のMn含有量が高く、鋼成分硬さパラメーターCeqHが高かった。そのため、特にICノッチのCTOD値が低かった。
比較例10及び33では、鋼中のAl含有量が高かった。そのため、特にFL部の組織制御が不十分であり、FLノッチのCTOD値が低かった。
比較例11及び34では、鋼中のNb含有量が高かった。そのため、特にICノッチのCTOD値が低かった。
比較例12及び35では、鋼中のSi含有量が高く、鋼成分硬さパラメーターCeqHが高かった。そのため、特にICノッチのCTOD値が低かった。
比較例13及び36では、鋼中のV含有量が高く、鋼成分パラメーターPCTOD及び鋼成分硬さパラメーターCeqHも高かった。そのため、FLノッチのCTOD値とICノッチのCTOD値の両方が低かった。
比較例14では、鋼中のCu含有量が高かった。そのため、熱間圧延時にクラック(Cu割れ)が生じ、鋼材の製造が困難であった。特に、Cu割れを抑制する元素が添加されていなかったため、表3に示すように、溶接継手のCTOD試験を実施できなかった。
比較例37では、鋼中のO含有量が高かった。そのため、FLノッチのCTOD値とICノッチのCTOD値の両方が低かった。
比較例15では、鋼成分パラメーターCeqHが高かった。そのため、ICノッチのCTOD値が低かった。
上述の比較例8〜14及び31〜37では、−60℃のCTOD値(δc)について、FLノッチにおけるCTOD値の最小値δc(min)が0.25mm未満、ICノッチにおけるCTOD値の最小値δc(min)が0.25mm未満であり、破壊靭性が十分でなかった。また、上述の比較例15では、−60℃のCTOD値(δc)について、FLノッチにおけるCTOD値の最小値δc(min)が0.25mm以上であるが、ICノッチにおけるCTOD値の最小値δc(min)が0.25mm未満であるため、破壊靭性が十分でなかった。
表1〜4中の鋼成分硬さパラメーターCeqHとIC部における−60℃でのCTOD(δc)値との関係を纏めた結果を図5に示す。図5に示すように、鋼中の各成分及び鋼成分パラメーターPCTODが上記条件を満足する場合には、鋼成分硬さパラメーターCeqHを0.235%以下に抑えることによって、ICノッチにおけるCTOD値の最小値δc(min)が0.25mm以上の鋼材を製造することができた。なお、鋼成分硬さパラメーターCeqHが0.235%以下であっても、鋼中の各成分及び鋼成分パラメーターPCTODが上記条件を満足しない場合には、CTOD値の最小値δc(min)が0.25mm以上の鋼材を製造することができなかった(例えば、比較例10、11、14、33、34、37)。
Figure 0004700769
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小入熱から中入熱までの溶接における溶接熱影響部のCTOD特性が優れた溶接用鋼材およびその製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C含有量[C]が、0.015%以上0.045%以下のCと、
    Si含有量[Si]が、0.05%以上0.20%以下のSiと、
    Mn含有量[Mn]が、1.5%以上2.0%以下のMnと、
    Ni含有量[Ni]が、0.10%以上1.50%以下のNiと、
    Ti含有量[Ti]が、0.005%以上0.015%以下のTiと、
    O含有量[O]が、0.0015%以上0.0035%以下のOと、
    N含有量[N]が、0.002%以上0.006%以下のNと
    を含有し、残部が鉄および不可避的不純物を含み、
    P含有量[P]を0.008%以下、
    S含有量[S]を0.005%以下、
    Al含有量[Al]を0.004%以下、
    Nb含有量[Nb]を0.005%以下、
    Cu含有量[Cu]を0.24%以下、
    V含有量[V]を0.020%以下
    に制限し、
    下記(3)式の鋼成分パラメーターPCTODが0.065%以下、
    かつ、下記(4)式の鋼成分硬さパラメーターCeqHが0.235%以下である
    ことを特徴とする溶接用鋼材。
    ここで、
    CTOD=[C]+[V]/3+[Cu]/22+[Ni]/67・・・(3)
    CeqH=[C]+[Si]/4.16+[Mn]/14.9+[Cu]/12.9+[Ni]/105+1.12[Nb]+[V]/1.82・・・(4)
  2. 質量%で、前記Cu含有量[Cu]が、0.03%以下であるCuを含有することを特徴とする請求項1に記載の溶接用鋼材。
  3. BS5762法のCTOD試験によって得られるFL部における−60℃でのCTOD(δc)値とIC部における−60℃でのCTOD(δc)値とが、いずれも0.25mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶接用鋼材。
  4. 請求項1または2に記載の鋼成分を満足する鋼を連続鋳造することによって鋼片を作製し、前記鋼片を950℃以上1100℃以下の温度に加熱後、加工熱処理することを特徴とする溶接用鋼材の製造方法。
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