JP5445061B2 - 溶接熱影響部のctod特性が優れた鋼の製造法 - Google Patents

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本発明は小入熱溶接から中入熱溶接の溶接熱影響部(Heat Affected Zone;HAZ)のCTOD特性が優れた鋼及びその製造法に関し、特に、小入熱溶接から中入熱溶接時に最も靭性が劣化するFL部(Fusion Line;WM(溶接金属)とHAZとの境界)やIC部(Intercritical HAZ;HAZとBM(母材)との境界)のCTOD特性が極めて良好で優れた靭性を示す溶接熱影響部のCTOD特性が優れた鋼及びその製造方法に関するものである。
近年、厳しい使用環境で使用される鋼材が要求されている。例えば、北極圏等の寒冷地域等で用いられる海洋構造物や耐震性建築物等の鋼構造物に適した高強度の鋼材として、破壊靭性の指標であるCTOD(Crack Tip Opening Displacement)特性が優れた鋼材が要求されており、溶接部においても優れたCTOD特性が必要とされる。
HAZ(溶接熱影響部)のCTOD(破壊靱性)特性は、FL部およびIC部の2箇所の位置(ノッチ)で評価されるが、これまではFLのみがCTOD特性改善の対象とされていた。
これは、試験温度があまり厳しくない条件では、FL部のCTOD特性を満足すれば、IC部のCTOD特性は十分な値が得られるため、問題となっていなかったことによる。
しかしながら、−60℃もの厳しい試験条件下では、IC部で低CTOD値が発生するケースがかなりの頻度で発生することがわかり、その対策が求められてきた。
例えば、小〜中入熱の溶接継手で−60℃の厳しい試験条件下での良好なCTOD特性が得られることを示している技術があるが(例えば、特許文献1、2参照)、ここでは、IC部のCTOD特性の記述はなされていない。
特開2007−002271号公報 特開2008−169429号公報
本発明は、小〜中入熱の多層溶接等において、−60℃のFL部のCTOD特性に加え、IC部のCTOD特性も満足させるこれまでにない優れたCTOD(破壊靭性)特性を有する高強度の鋼の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、小入熱溶接から中入熱溶接時に最も靭性が劣化する溶接部のFL部とIC部との両方のCTOD特性を向上させることについて鋭意研究した。
その結果、FL部とIC部との両方のCTOD特性の向上には、非金属介在物の低減が最も重要で、このためO(鋼中酸素)の低減が必須であり、さらにFL部ではCTOD特性を劣化させる合金元素の低減が必要となること、そして、IC部では硬さの低減が有効であることを見出し、本発明を完成した。
本発明の要旨は、以下の通りである。
) 質量%で、
C:0.010%〜0.029%、
Si:0.05〜0.20%、
Mn:0.7〜2.5%、
P:0.01%以下、
S:0.005%以下、
Cu:0.04%以下、
Nb:0.003%未満、
Al:0.01〜0.06%、
Ti:0.005〜0.020%、
N:0.002〜0.006%、
O:0.0035%以下
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶鋼を連続鋳造法によってスラブとし、その後950〜1100℃の温度に再加熱後、未再結晶域温度における累積圧下率が30%以上のTMCPを適用することを特徴とする溶接熱影響部のCTOD特性が優れた鋼の製造法。
) 質量%で、
C:0.010%〜0.029%、
Si:0.05〜0.20%、
Mn:0.7〜2.5%、
P:0.01%以下、
S:0.005%以下、
Cu:0.04%以下、
Nb:0.003%未満、
Al:0.01〜0.06%、
Ti:0.005〜0.020%、
N:0.002〜0.006%、
O:0.0035%以下
を含有し、かつ
Ni:0.1〜1.0%、
V:0.005〜0.020%、
Ca:0.0010〜0.0035%、
B:0.0005〜0.0020%
の一種または二種以上を更に加え、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶鋼を連続鋳造法によってスラブとし、その後950〜1100℃の温度に再加熱後、未再結晶域温度における累積圧下率が30%以上のTMCPを適用することを特徴とする溶接熱影響部のCTOD特性が優れた鋼の製造法。
本発明により製造した鋼は、小〜中入熱の多層溶接等の溶接時に最も靭性が劣化するFL部及びIC部のCTOD特性が、−60℃のCTOD値がFLノッチのδCminで0.50mm以上、ICノッチのδCminで0.67mm以上の良好な破壊靭性を示す。これにより、海洋構造物、耐震性建築物等の厳しい環境で使用される高強度の鋼材の製造を可能とした。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明者らの研究によれば、小〜中入熱(板厚50mmで1.5〜6.0kJ/mm)溶接HAZのFL部とIC部のCTOD特性を向上させるためには、FL部のCTOD特性を満足させ、IC部のCTOD特性の向上を目的とした酸化物系の非金属介在物の低減が最も重要であり、O(鋼中酸素)の低減が必須となる。
−60℃でのFL部とIC部のCTOD特性を満足させるためには、酸化物系の非金属介在物を低減することに加えて、FL部では、CTOD特性を劣化させる要因となる島状マルテンサイト(Martensite−Austenite constituent;MA)の分解を抑制する合金元素の低減、および有効結晶粒径の微細化、IC部ではHAZ硬さ低減が有効であることを見出した。
また、鋼中に微細なTiN粒子を分散させることで、溶接時に生じうる結晶粒径の粗大化がピン止め効果によって抑制されるため、有効結晶粒径の微細化が達成される。
FL部のCTOD特性確保に関して、Cuは靭性をあまり劣化させずに鋼材強度を向上させる合金元素として知られてきた。しかしながら、鋭意な研究の結果、−60℃でのFL部のCTOD特性確保を考える場合、Cu添加が極めて有害であることを見出した。Cuは溶接時に形成されるMA中に固溶し、MAを安定化させる効果が非常に高く、CTOD特性の劣化を招く。特に、−60℃という極低温環境において、MAが分解されずに鋼中に残存することが致命的な脆化要因となる。したがって、Cuはできる限り添加しない方がよい。
一方、IC部のCTOD特性を確保するためには、硬さの低減が有効であるが、これについてはCの低減およびNbを添加しないことが重要となる。
Cは微量添加で鋼材強度の向上に有効な元素である一方、硬さの上昇を通して溶接部の靭性を劣化させる元素として知られている。特に−60℃もの極低温環境下では、CTOD特性に対して硬さの影響がさらに敏感となるため、微量で効果を発揮するCはできる限り低減することが望ましい。
Nbは鋼材の母材特性を向上させる元素として有効であることが知られている。これは、Nb添加によってオーステナイトの未再結晶域が拡大し、TMCP(Thermo−Mechanical Control Process)適用によって結晶粒径微細化が達成されることで、鋼材の強度、靭性を著しく向上可能となるためである。一方、溶接部において、NbはHAZの硬度を著しく上昇させ靭性の劣化を招く元素として知られている。段落(0017)でも示したとおり、IC部における−60℃でのCTOD特性は硬さの影響が大きいため、Nbの添加はCTOD特性を劣化させる。したがって、Nbはできる限り低減することが望ましい。
Nbの添加をできる限り低減することで、TMCPによる結晶粒微細化効果が得られにくくなるため、これに代わる結晶粒微細化手段を考える必要がある。Nbを添加した鋼材は、その効果を最大限に活用するために、オーステナイト中に十分に固溶させる必要があり、添加量に応じて加熱条件を適正化してきた。したがって、Nb添加鋼は高温加熱となる頻度が必然的に高くなっていた。しかし、Nbをできる限り低減することで前述のような高温加熱の必要性がなくなることから、低温加熱による結晶粒微細化を図ることが可能となる。低温加熱のメリットとして、(a)加熱時のオーステナイトが微細となることで、フェライト変態の核生成サイトとなりうる粒界面積が増加し、結果的にフェライト粒径の微細化を図ることができること、(b)製造過程における鋼材の表層部と中心部の温度差が小さくなることから、TMCPによる効果が得られにくい板厚中心部でも結晶粒微細化を達成しやすいこと、などが挙げられる。本発明では、これらの事項に基づいて鋼成分の設計を行なった。
以下に本発明の限定理由について説明する。まず、本発明鋼材の組成限定理由について説明する。以下の組成についての%は、質量%を意味する。
C:0.010%〜0.029%
Cは強度を得るため0.010%以上は必要であるが、0.029%を超えると溶接HAZの特性を劣化させ、−60℃のCTOD特性を満足できないためCの許容量を0.029%とする。
Si:0.05〜0.20%
Siは良好なHAZ靭性を得るために少ない方が好ましいが、脱酸上0.05%以上の添加が必要である。しかしながら、0.20%超ではHAZ靭性を著しく害するため、0.20%を上限とする。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.15%以下が望ましい。
Mn:0.7〜2.5%
Mnは安価でかつ母材特性を向上する効果が大きく、HAZ靭性に対して有害な粒界からの変態を抑制する効果によりHAZ靭性が向上する元素であることから、その効果を得るために0.7%以上の添加が必要である。一方、2.5%超の添加によりIC部の硬さが増加し、靭性が劣化するため2.5%を上限とする。
P:0.01%以下
Pは、不可避不純物として含有され、粒界に偏析して鋼の靱性を劣化させるので、できるだけ低減することが望ましいが、工業生産的な制約もあり、0.01%を上限とした。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.005%以下が望ましい。
S:0.005%以下
Sは、不可避不純物として含有され、母材靭性、HAZ靭性の観点からともに少ない方がよいが、工業生産的な制約もあり、0.005%を上限とした。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.003%以下が望ましい。
Cu:0.04%以下
Cuは溶接時に形成されるMA中に固溶し、MAを安定化させる効果が非常に高いため、CTOD特性の劣化を招く。したがって、Cuはできる限り添加しない方がよいが、不可避不純物として0.04%程度の混入は避けられないため、0.04%までは許容される。
Nb:0.003%未満
NbはHAZの硬度を著しく上昇させCTOD特性の劣化を招く。したがって、Nbはできる限り低減することが望ましいが、不可避不純物として0.003%未満の混入は避けられないため、Nbは0.003%未満に制限した。
Al:0.01〜0.06%
Alは、脱酸上必要な元素であるが、0.01%未満では脱酸が充分に行われず、0.06%を超える過度の添加はHAZ靱性を劣化させる。このため、Alは0.01〜0.06%に限定した。
Ti:0.005〜0.020%
Tiは、Ti窒化物を生成させミクロ組織を微細化させるが、多すぎるとTiCを生成し、HAZ靭性を劣化させるため、0.005〜0.020%が適正範囲である。よりHAZ靭性を改善するためには、0.015%以下が望ましい。
N:0.002〜0.006%
Nは、Ti窒化物生成に必要であるが、0.002%未満では効果が少なく、0.006%超では鋼片製造時に表面疵が発生するため、上限を0.006%とした。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.005%以下が望ましい。
O:0.0035%以下
Oは、鋼中含有量が多くなると、酸化物のサイズおよび個数が過大となり、FL部およびIC部のCTOD特性を劣化させるため、できる限り含有しないことが望ましいが、製鋼工程を鑑み0.0035%を上限とした。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.0030%以下、さらに望ましくは0.0028%以下である。
以上が本発明における必須の元素であり、これらの効果を損なわない範囲で以下の元素を添加することも有効である。
Ni:0.1〜1.0%
Niは、HAZ靭性の劣化が少なく、0.1%以上の添加で母材の強度を向上させる効果がありICHAZの硬さの増加も少なく有効であるが、高価な合金であるため、1.0%以下を制限範囲とした。
V:0.005〜0.020%
基本となる成分にさらにVを添加する目的は、母材強度の向上に有効なためであるが、この効果を発揮させるためには0.005%以上とすることが必要である。一方、0.020%を超えて添加するとHAZ靭性を害することになるので、HAZ靭性を大きく害しない範囲として、Vの上限を0.020%以下とした。
Ca:0.0010〜0.0035%
0.0010%以上のCa添加により、MnSの形態を制御し、低温靭性をさらに向上させるため、厳しいHAZ特性を要求される場合は選択して添加できる。一方、0.0035%を超えるCaの添加では、鋼の清浄度を損ない、靭性の劣化や水素誘起割れ感受性を高めてしまうので、0.0035%を上限とした。
B:0.0005〜0.0020%
Bは、焼入性を大きく向上させる元素であるため、極厚鋼板のように冷却速度を確保するのが困難な場合に有効であるが、その効果を発揮させるためには0.0005%以上の添加が必要である。ただし、0.0020%を超える添加では靱性を損なうことから、0.0020%を上限とした。
鋼の成分を上記のように限定しても製造法が適切でなければ目的とした効果は発揮できない。このため、製造条件についても限定が必要である。以下で、製造条件限定の理由について説明する。
本発明鋼は工業的には連続鋳造法で製造することが必須である。その理由は溶鋼の凝固冷却速度が速く、スラブ中に微細なTi窒化物を多量に生成することが可能なためである。
スラブの圧延に際し、その再加熱温度は950〜1100℃とする必要がある。再加熱温度が1100℃を超えるとTi窒化物が粗大化して母材の靭性劣化やHAZ靭性改善効果が期待できないためである。また、950℃未満の再加熱温度では、圧延の負荷が大きく、生産性を著しく阻害するため、950℃が下限の再加熱温度である。再加熱温度は950〜1100℃でも十分に優れた母材靭性を確保可能であるが、さらに極めて優れた母材靭性が要求される場合は、再加熱温度は950〜1050℃とするのがよい。
再加熱後の製造法はTMCPが必須である。TMCPは圧延温度を鋼成分に適した範囲に制御し、その後に必要に応じて水冷等を施す製造法であり、オーステナイト粒の微細化、およびミクロ組織の微細化を介して、鋼材の強度向上や靭性改善が達成される。本発明鋼においても、優れたHAZ靭性が得られても母材の靭性が劣っていると鋼材としては不十分なためTMCPが必須である。なお、TMCPの条件として、未再結晶域温度における累積圧下率が30%以上であるのが望ましい。
TMCPには、(a)制御圧延(CR)、(b)制御圧延−加速冷却(CR−ACC)、(c)圧延後直接焼入れ−焼戻し(DQ−T)が挙げられるが、好ましい方法は(b)制御圧延−加速冷却法(CR−ACC)である。なお、この鋼を製造後脱水素処理などの目的でAr3変態点以下の温度に再加熱しても、本発明の特徴を損なうものではない。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を説明する。
転炉−連続鋳造−厚板工程で種々の鋼成分の厚鋼板を製造し、母材強度や溶接継手のCTOD試験を実施した。溶接は、一般的に試験溶接として用いられている潜弧溶接(SAW)法で、溶接溶け込み線(FL)が垂直になるようにK開先で溶接入熱は4.5〜5.0kJ/mmで実施した。
CTOD(Crack Tip Opening Displacement:き裂先端開口変位)試験は、欠陥が存在する構造物の破壊靭性を評価する試験の一つで、き裂を有する試験片を所定の温度に保持し曲げ外力を加えていくと、き裂が急速に進展する現象「不安定破壊」が起こる。CTOD試験は、このき裂が急速に進展する直前のき裂先端開口量(CTOD 値)を測定する。
CTOD試験は、t(板厚)×2tのサイズでノッチは50%疲労き裂で実施し、ノッチ位置はFL(WMとHAZの境界)およびIC(HAZとBM(母材)の境界)の2箇所で、−60℃でそれぞれ5本の試験を実施した。
表1に鋼の化学成分を示し、表2に製造条件および母材強度、溶接継手のCTOD特性を示す。表2中の加工熱処理方法の記号は、以下の熱処理方法を意味する。
CR:制御圧延(強度・靭性に最適な温度域での圧延)
CR−ACC:加速冷却(制御圧延に400〜600℃の温度域まで水冷後放冷)
DQ−T:圧延直後焼入れ−焼戻し処理(圧延直後に常温まで水冷し、その後に焼戻し処理)
表2中の溶接継手のCTOD試験結果において、δCaveは5本の試験結果の平均値を、δCminは5本の試験の中での最低値を示す。
本発明で製造した鋼板(本発明鋼)は降伏強度(YS)が371N/mm以上、引張強度(TS)が422N/mm以上で、−60℃のCTOD値がFLノッチのδCminで0.50〜0.72mm、ICノッチのδCminで0.67〜0.73mmの良好な破壊靭性を示した。
これに対し、鋼23〜36は表1から明らかなように、化学成分について本発明から逸脱した比較例を示したものである。これらの鋼は、それぞれC量(鋼23、鋼31、鋼34)、Si量(鋼26)、Mn量(鋼24、鋼37)、Cu量(鋼38)、Nb量(鋼39)、Al量(鋼25、鋼36)、Ti量(鋼35)、N量(鋼28)、O量(鋼29)、Ni量(鋼33)、V量(鋼27)、Ca量(鋼30)、B量(鋼32)の条件が発明のものと異なっている。いずれも比較鋼の強度は発明鋼と概ね同等であるが、CTOD値が劣り、厳しい環境下で使用される鋼板として適切ではない。一方、鋼40のCTOD特性は優れているものの、強度が発明鋼に比べて著しく低く、狙いとする構造物への適用に耐えうることができない。
また、鋼22の例にあるように、発明鋼でも製造条件が満たされなければ、CTOD値が劣ることがわかる。
Figure 0005445061
Figure 0005445061

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.010%〜0.029%、
    Si:0.05〜0.20%、
    Mn:0.7〜2.5%、
    P:0.01%以下、
    S:0.005%以下、
    Cu:0.04%以下、
    Nb:0.003%未満、
    Al:0.01〜0.06%、
    Ti:0.005〜0.020%、
    N:0.002〜0.006%、
    O:0.0035%以下
    を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶鋼を連続鋳造法によってスラブとし、その後950〜1100℃の温度に再加熱後、未再結晶域温度における累積圧下率が30%以上のTMCPを適用することを特徴とする溶接熱影響部のCTOD特性が優れた鋼の製造法。
  2. 質量%で、
    C:0.010%〜0.029%、
    Si:0.05〜0.20%、
    Mn:0.7〜2.5%、
    P:0.01%以下、
    S:0.005%以下、
    Cu:0.04%以下、
    Nb:0.003%未満、
    Al:0.01〜0.06%、
    Ti:0.005〜0.020%、
    N:0.002〜0.006%、
    O:0.0035%以下
    を含有し、かつ
    Ni:0.1〜1.0%、
    V:0.005〜0.020%、
    Ca:0.0010〜0.0035%、
    B:0.0005〜0.0020%
    の一種または二種以上を更に加え、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶鋼を連続鋳造法によってスラブとし、その後950〜1100℃の温度に再加熱後、未再結晶域温度における累積圧下率が30%以上のTMCPを適用することを特徴とする溶接熱影響部のCTOD特性が優れた鋼の製造法。
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