JP5445061B2 - 溶接熱影響部のctod特性が優れた鋼の製造法 - Google Patents
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C:0.010%〜0.029%、
Si:0.05〜0.20%、
Mn:0.7〜2.5%、
P:0.01%以下、
S:0.005%以下、
Cu:0.04%以下、
Nb:0.003%未満、
Al:0.01〜0.06%、
Ti:0.005〜0.020%、
N:0.002〜0.006%、
O:0.0035%以下
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶鋼を連続鋳造法によってスラブとし、その後950〜1100℃の温度に再加熱後、未再結晶域温度における累積圧下率が30%以上のTMCPを適用することを特徴とする溶接熱影響部のCTOD特性が優れた鋼の製造法。
C:0.010%〜0.029%、
Si:0.05〜0.20%、
Mn:0.7〜2.5%、
P:0.01%以下、
S:0.005%以下、
Cu:0.04%以下、
Nb:0.003%未満、
Al:0.01〜0.06%、
Ti:0.005〜0.020%、
N:0.002〜0.006%、
O:0.0035%以下
を含有し、かつ
Ni:0.1〜1.0%、
V:0.005〜0.020%、
Ca:0.0010〜0.0035%、
B:0.0005〜0.0020%
の一種または二種以上を更に加え、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶鋼を連続鋳造法によってスラブとし、その後950〜1100℃の温度に再加熱後、未再結晶域温度における累積圧下率が30%以上のTMCPを適用することを特徴とする溶接熱影響部のCTOD特性が優れた鋼の製造法。
Cは強度を得るため0.010%以上は必要であるが、0.029%を超えると溶接HAZの特性を劣化させ、−60℃のCTOD特性を満足できないためCの許容量を0.029%とする。
Siは良好なHAZ靭性を得るために少ない方が好ましいが、脱酸上0.05%以上の添加が必要である。しかしながら、0.20%超ではHAZ靭性を著しく害するため、0.20%を上限とする。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.15%以下が望ましい。
Mnは安価でかつ母材特性を向上する効果が大きく、HAZ靭性に対して有害な粒界からの変態を抑制する効果によりHAZ靭性が向上する元素であることから、その効果を得るために0.7%以上の添加が必要である。一方、2.5%超の添加によりIC部の硬さが増加し、靭性が劣化するため2.5%を上限とする。
Pは、不可避不純物として含有され、粒界に偏析して鋼の靱性を劣化させるので、できるだけ低減することが望ましいが、工業生産的な制約もあり、0.01%を上限とした。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.005%以下が望ましい。
Sは、不可避不純物として含有され、母材靭性、HAZ靭性の観点からともに少ない方がよいが、工業生産的な制約もあり、0.005%を上限とした。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.003%以下が望ましい。
Cuは溶接時に形成されるMA中に固溶し、MAを安定化させる効果が非常に高いため、CTOD特性の劣化を招く。したがって、Cuはできる限り添加しない方がよいが、不可避不純物として0.04%程度の混入は避けられないため、0.04%までは許容される。
NbはHAZの硬度を著しく上昇させCTOD特性の劣化を招く。したがって、Nbはできる限り低減することが望ましいが、不可避不純物として0.003%未満の混入は避けられないため、Nbは0.003%未満に制限した。
Alは、脱酸上必要な元素であるが、0.01%未満では脱酸が充分に行われず、0.06%を超える過度の添加はHAZ靱性を劣化させる。このため、Alは0.01〜0.06%に限定した。
Tiは、Ti窒化物を生成させミクロ組織を微細化させるが、多すぎるとTiCを生成し、HAZ靭性を劣化させるため、0.005〜0.020%が適正範囲である。よりHAZ靭性を改善するためには、0.015%以下が望ましい。
Nは、Ti窒化物生成に必要であるが、0.002%未満では効果が少なく、0.006%超では鋼片製造時に表面疵が発生するため、上限を0.006%とした。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.005%以下が望ましい。
Oは、鋼中含有量が多くなると、酸化物のサイズおよび個数が過大となり、FL部およびIC部のCTOD特性を劣化させるため、できる限り含有しないことが望ましいが、製鋼工程を鑑み0.0035%を上限とした。より良好なHAZ靭性を得るためには、0.0030%以下、さらに望ましくは0.0028%以下である。
Niは、HAZ靭性の劣化が少なく、0.1%以上の添加で母材の強度を向上させる効果がありICHAZの硬さの増加も少なく有効であるが、高価な合金であるため、1.0%以下を制限範囲とした。
基本となる成分にさらにVを添加する目的は、母材強度の向上に有効なためであるが、この効果を発揮させるためには0.005%以上とすることが必要である。一方、0.020%を超えて添加するとHAZ靭性を害することになるので、HAZ靭性を大きく害しない範囲として、Vの上限を0.020%以下とした。
0.0010%以上のCa添加により、MnSの形態を制御し、低温靭性をさらに向上させるため、厳しいHAZ特性を要求される場合は選択して添加できる。一方、0.0035%を超えるCaの添加では、鋼の清浄度を損ない、靭性の劣化や水素誘起割れ感受性を高めてしまうので、0.0035%を上限とした。
Bは、焼入性を大きく向上させる元素であるため、極厚鋼板のように冷却速度を確保するのが困難な場合に有効であるが、その効果を発揮させるためには0.0005%以上の添加が必要である。ただし、0.0020%を超える添加では靱性を損なうことから、0.0020%を上限とした。
CTOD試験は、t(板厚)×2tのサイズでノッチは50%疲労き裂で実施し、ノッチ位置はFL(WMとHAZの境界)およびIC(HAZとBM(母材)の境界)の2箇所で、−60℃でそれぞれ5本の試験を実施した。
CR:制御圧延(強度・靭性に最適な温度域での圧延)
CR−ACC:加速冷却(制御圧延に400〜600℃の温度域まで水冷後放冷)
DQ−T:圧延直後焼入れ−焼戻し処理(圧延直後に常温まで水冷し、その後に焼戻し処理)
Claims (2)
- 質量%で、
C:0.010%〜0.029%、
Si:0.05〜0.20%、
Mn:0.7〜2.5%、
P:0.01%以下、
S:0.005%以下、
Cu:0.04%以下、
Nb:0.003%未満、
Al:0.01〜0.06%、
Ti:0.005〜0.020%、
N:0.002〜0.006%、
O:0.0035%以下
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶鋼を連続鋳造法によってスラブとし、その後950〜1100℃の温度に再加熱後、未再結晶域温度における累積圧下率が30%以上のTMCPを適用することを特徴とする溶接熱影響部のCTOD特性が優れた鋼の製造法。 - 質量%で、
C:0.010%〜0.029%、
Si:0.05〜0.20%、
Mn:0.7〜2.5%、
P:0.01%以下、
S:0.005%以下、
Cu:0.04%以下、
Nb:0.003%未満、
Al:0.01〜0.06%、
Ti:0.005〜0.020%、
N:0.002〜0.006%、
O:0.0035%以下
を含有し、かつ
Ni:0.1〜1.0%、
V:0.005〜0.020%、
Ca:0.0010〜0.0035%、
B:0.0005〜0.0020%
の一種または二種以上を更に加え、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶鋼を連続鋳造法によってスラブとし、その後950〜1100℃の温度に再加熱後、未再結晶域温度における累積圧下率が30%以上のTMCPを適用することを特徴とする溶接熱影響部のCTOD特性が優れた鋼の製造法。
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JP2009265183A JP5445061B2 (ja) | 2009-11-20 | 2009-11-20 | 溶接熱影響部のctod特性が優れた鋼の製造法 |
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JP2009265183A Active JP5445061B2 (ja) | 2009-11-20 | 2009-11-20 | 溶接熱影響部のctod特性が優れた鋼の製造法 |
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JP4449388B2 (ja) * | 2003-09-25 | 2010-04-14 | Jfeスチール株式会社 | 脆性亀裂伝播停止特性および超大入熱溶接熱影響部靱性に優れた高張力厚鋼板の製造方法 |
JP4700769B2 (ja) * | 2009-05-19 | 2011-06-15 | 新日本製鐵株式会社 | 溶接用鋼材およびその製造方法 |
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