JP4700727B2 - 片持ちされたブランケット胴持上げ機構 - Google Patents

Description

本願は、引用により本明細書に記載されたこととする、２００５年３月３０日に出願された米国特許仮出願第６０／６６６４４０号明細書の優先権を主張する。

背景
本発明は概して印刷機、特に、分離可能なブランケットを有するウェブオフセット印刷機に関する。

米国特許第４２４０３４６号明細書には、例えば、ブランケットを胴抜きするために互いから分離可能な２つのブランケット胴を備えた印刷機が記載されている。このような印刷機においては、ブランケットは互いから垂直からオフセットされており、ブランケットがオフセットである場合にウェブをブランケットに通過させるために、ブランケットを通ってウェブを適切に案内するために、リードローラ又はエアバーが必要である。これらのガイドは、被印刷製品にマークを生じ、２つの印刷ユニットの間のウェブの見当合せをも変化させ、印刷品質を低下させる。

米国特許第６３４３５４７号明細書には、胴を平衡させるための装置と、印刷機に片持ちされる胴を平衡させる方法とが記載されている。米国特許第６８７７４２４号明細書には、胴と定置のマウントとを選択的に接触させるための可動な平衡エレメントを有する印刷機の少なくとも１つの胴を片持ちするための平衡装置が記載されている。

米国特許第６２１６５９２号明細書及び米国特許第６０１９０３９号明細書には、胴抜き機構を備えた印刷ユニットが記載されており、引用したことにより本明細書に記載されたものとする。

発明の概要
ブランケット胴が胴入れから胴抜きへ大きな変位を有する印刷ユニットにおいて、最適持上げアーム枢軸点と、駆動ピニオン位置との干渉が生じる。最適持上げアーム枢軸点からのずれは、持上げ荷重を受容するために持上げアームのますます困難な設計を生じる。

回転する駆動ピニオンの周囲に独立して存在するブランケット持上げアームを提供することによって、持上げアーム枢軸と駆動ピニオンとは、互いに独立して働きながら同じ中心を占めることができる。

本発明は、
版胴と、
端部及びブランケット胴と同軸のブランケット歯車を有するブランケット胴と、
ブランケット歯車を駆動する歯車を支持する駆動軸又はピニオンと、
ブランケット胴を片持ちするために前記端部を選択的に支持するためのブランケット持上げアームとが設けられており、ブランケット持上げアームが駆動軸又はピニオンを中心として回転可能である、オフセット印刷ユニットを提供する。

本発明は、ブランケット胴からずらされておりかつブランケット胴の軸線に対して平行な軸線を有する軸又はピニオンによって駆動されるブランケット胴を片持ちする方法をも提供し、この方法は、
ブランケット胴の端部に接触するように軸又はピニオンの軸線を中心としてブランケット持上げアームを回転させることを含む。

本発明の好適な実施形態が図面に関して示される。

詳細な説明
図１は８つのオフセット印刷ユニット１０，１２，１４，１６，１８，２０，２２，２４を有するウェブオフセット印刷機を示しており、各印刷ユニットは、版胴４２と、ブランケット胴４４と、版胴４８と、ブランケット胴４６とを有する。ブランケット胴４４及び４６は、例えばそれぞれブラック、シアン、イエロー及びマゼンタを印刷する印刷ユニット１０，１２，１４，１６のために示されたように、印刷モードにおいてウェブ３０を挟持する。ウェブは（例えばインフィードローラであることができる）ニップローラ３２を介して印刷ユニットに進入し、例えば乾燥機の下流に配置されていることができる出口ローラ３４を介して走出する。

各印刷ユニットのためのブランケット胴４４，４６は、互いから及び個々の版胴４２，４８から分離するために、ユニット２２及び２４のために示されたように、胴抜きされることができる。版胴４２，４８はそれぞれ、自動刷版交換作業の際に、例えば自動刷版交換装置４０及び５０を介して、ブランケット胴４４，４６と再び接触させられる。自動刷版交換装置は、引用したことにより本明細書に記載されたこととする米国特許第６０５３１０５号明細書、米国特許第６４６０４５７号明細書及び米国特許第６３９７７５１号明細書に記載されている。

胴抜き機構６０は、ブランケット胴及び版胴４６，４８を移動させるために概略的に示されている。ブランケット胴４４及び版胴４２は同様の胴抜き機構を有することができる。好適には、各印刷ユニットは２つのモータ７０，７２によって駆動され、１つのモータは版胴又はブランケット胴４６，４８の一方を駆動し、１つのモータは版胴４２又はブランケット胴４４の一方を駆動する。駆動されない胴は、ウェブ３０のそれぞれの側における駆動される胴に歯車接続されている。各印刷ユニット１０，１２．．．２４は同じであることができる。

印刷ユニットのうちの１つが胴抜きされたブランケット胴を有する場合でさえも、ニップローラ３２，３４の間のウェブ経路長さは有利には変化する必要はない。胴抜きによって見当は影響されない。さらに、ウェブが、マーキングを生じる可能性のあるブランケット胴４４，４６に接触しないことを保証するためにリードローラ又はエアローラ等のウェブ逸らせ装置又は安定化装置は必要とされない。

胴抜き距離Ｄは好適には少なくとも０．５インチ、最も好適には少なくとも１インチであり、すなわち、ウェブはウェブのそれぞれの側において０．５インチの隙間を有する。さらに、ブランケット胴４４，４６の中心は、好適には完全な垂直から１０度以下の、ほぼ垂直な平面Ｖに位置している。このことは、胴抜きが、水平に走行するウェブのための最大間隙を提供するという利点を有する。

版胴の円周は好適には６３０ｍｍ未満、最も好適には５７８ｍｍである。

大きな胴抜き距離Ｄの形成は以下のような典型的な実施形態を用いて説明される。

図２は、下部ブランケット４４のための胴抜き機構６０を示している。ブランケット胴支持体１０２はブランケット胴４４の歯車側軸１４４を支持しており、版胴支持体１０４は版胴４２の歯車側軸１４２を支持している。ブランケット胴支持体１０２は軸１１６を中心に回動可能であり、版胴支持体は軸１１４を中心に回動可能である。空圧シリンダ１０６はアーム１０８を介して版胴支持体１０４を移動させることができる。

印刷位置においてブランケット胴４４がブランケット胴４６に接触している場合、支持体１０２の第１の支持面１１１が支持体１０４の第２の支持面１１２と接触しており、支持体１０２の別の支持面１０９は支持体１０４の支持面１１０と接触していない。したがって、距離Ｆはゼロであるのに対し、面１０９と１１０との間の距離Ｇは０．００４５インチであることができる。軸１４４と１４２との軸中心の間の距離Ｈは７．２４６３インチであることができる。

図３において、支持体１０４は、距離Ｈが例えば７．２４１６インチであり、距離Ｆ及びＧがゼロであるように下方へ移動させられる。したがって、カム面１１１，１１２及び１０９，１１０は、カム面の間で荷重を引き渡している。

図４に示されているように、支持体１０４がより下方へ移動すると、ブランケット胴４４はブランケット胴４６から胴抜きされ、ブランケット胴ボックス１０２が面１０９／１１０においてボックス１０４に当接するように支持体１０２の支持面又はカム１０９がボックス１０４の支持面１１０に接触する。ボックス１０２の支持面１１１とボックス１０４の支持面１１２との間の距離は０．１５６１インチであることができる。支持面１０９はブランケット胴４４と同じ曲率の円弧を有しており、支持面１１０は版胴４２と同じ曲率の円弧を有しており、これにより、図４においてさえも距離Ｈは依然として７．２４１６インチのままである。この点において、延長部１２２も、フレームにおける定置のストッパ１２０とちょうど接触する。

図５に示されたように、支持体１０４がさらに下方へ移動させられると、ブランケット支持体１０２はストッパ１２０に当接するのに対し、版胴支持体１０４はさらに一層下方へ移動する。したがって、支持面１０９と１１０との間の距離Ｇは増大し、例えば１ｍｍであることができる。距離Ｆも増大する。この位置において、刷版を取り外す又は交換するための版胴４２へのアクセスが可能である。自動刷版供給のために、自動刷版供給機構がそのように要求するならば、図４に示したように版胴４２はブランケット胴４４に再び接するように移動させられることができる。

上部版胴及びブランケット胴抜き機構も、デュアル支持面を用いて同様の形式で移動することができるが、重力の作用形式が異なるので、版胴４８の上昇がブランケット胴４６をも上昇させるように孔１３０，１３２の間にリンクが設けられていることができる。

図２に示されたように、駆動歯車２８０はブランケット胴歯車２６０を駆動することができる。ブランケット胴歯車２６０は同様の版胴歯車を駆動することができる。これらの歯車２８０，２６０は軸方向に支持体１０２の内部へ、すなわち紙面の中に位置することができる。歯車の接線方向配列により、支持体１０２の回転は歯車２６０を（直進しない軸を有する）歯車２８０から解離させない。図２，３，４及び５の位置において、ブランケット胴歯車２６０及び相互作用する版胴歯車は歯車２８０によって駆動されることができる。したがって、モータ７２は自動刷版供給のために使用されることができる。

図６，７及び８は駆動ピニオン２００を示しており、この駆動ピニオン２００はモータ７２（図１）によって駆動され、ブランケット歯車２６０と相互作用する歯車２８０に接続されている。マウンティングブラケット２１０は軸受２２０を介してピニオン２００を支持している。持上げアーム２３０は、ピニオン２００を中心に回動するように支持されており、スリーブ状ブランケットの軸方向の取外しを可能にするためにブランケット胴４４の端部と相互作用するために空圧シリンダ２３４を介して空圧式に作動させられる。各印刷ユニットのための各ブランケット胴は好適には、スリーブ状の軸方向に取外し可能なブランケットを有する。

調整ねじ２２２は持上げアーム２３０を持上げアーム偏心輪２３２に接続しており、この持上げアーム偏心輪２３２は、駆動ピニオン２００から距離Ｃにおける円形の内面と、偏心輪外面とを有している。ねじ２２２を調整することによって、ブランケット胴４４を支持するための持上げアーム２３０のための位置が、方向Ｅで調整されることができる。

駆動ピニオン２００に対して同軸の持上げアーム２３０を有することによって、胴抜きの際のブランケット胴４４の大きな移動が提供される。

したがって、本発明は、ブランケットスリーブのための片持ちと自動刷版供給能力とを維持しながら、ブランケット胴及び版胴のより大きな移動を提供する。

ウェブオフセット印刷機を示す図である。 第１の印刷位置におけるベアラカムを示す図である。 移行位置におけるベアラカムを示す図である。 版胴とブランケット胴とが接触している第１の胴抜き位置におけるベアラカムを示す図である。 版胴とブランケット胴とが接触していない第２の胴抜き位置におけるベアラカムを示す図である。 ブランケット胴のための駆動ピニオン及び片持ち支持持上げ機構を示す図である。 ブランケット胴のための駆動ピニオン及び片持ち支持持上げ機構を示す図である。 ブランケット胴のための駆動ピニオン及び片持ち支持持上げ機構を示す図である。

符号の説明

１０，１２，１４，１６，１８，２０，２２，２４ 印刷ユニット、 ３０ ウェブ、 ３２，３４ ニップローラ、 ４０，５０ 自動刷版交換装置、 ４２，４８ 版胴、 ４４，４６ ブランケット胴、 ７０，７２ モータ、 １０２ ブランケット胴支持体、 １０４ 版胴支持体、 １０６ 空圧シリンダ、 １０８ アーム、 １１０，１１２ 支持面、 １１４，１１６ 軸、 １２０ ストッパ、 １４２，１４４ 軸、 ２００ 駆動ピニオン、 ２１０ マウンティングブラケット、 ２２０ 軸受、 ２２２ 調整ねじ、 ２３０ 持上げアーム、 ２３２ 持上げアーム偏心輪、 ２３４ 空圧シリンダ、 ２６０ ブランケット胴歯車、 ２８０ 駆動歯車

Claims (7)

1. オフセット印刷ユニットにおいて、
   版胴が設けられており、
   ブランケット胴が設けられており、該ブランケット胴が、端部と、ブランケット胴と同軸のブランケット歯車とを有しており、
   ブランケット歯車を駆動する歯車を支持する駆動軸又はピニオンが設けられており、
   前記駆動軸又はピニオンを中心に回動可能なブランケット持上げアームが設けられており、該ブランケット持上げアームが回動することによって該ブランケット持上げアームが、ブランケット胴を片持ちするために前記端部を選択的に支持するようになっている、ことを特徴とする、オフセット印刷ユニット。
2. 前記ブランケット持上げアームが、駆動軸又はピニオンを包囲する偏心輪を有する、請求項１記載のオフセット印刷ユニット。
3. ブランケット持上げアームと、片持ちするための端部との間の接触点の位置が調整可能である、請求項１又は２記載のオフセット印刷ユニット。
4. ブランケット持上げアームの片持ち位置を調整するための調整ねじが設けられている、請求項１又は２記載のオフセット印刷ユニット。
5. ブランケット胴からオフセットした軸又はピニオンによって駆動されかつブランケット胴の軸線に対して平行な軸線を有するブランケット胴を片持ちするための方法において、
   軸又はピニオンの軸線を中心にブランケット持上げアームを回転させかつ該ブランケット持上げアームをブランケット胴の端部に接触させることによって、ブランケット胴を片持ちすることを含むことを特徴とする、方法。
6. ブランケット持上げアームの片持ち位置を調整するステップを含む、請求項５記載の方法。
7. ブランケットアームを調整することが調整ねじを使用することを含む、請求項６記載の方法。

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