JP4690195B2 - 新しい配列分布を有するポリマー - Google Patents
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Description
本発明は、新規なポリマーの製造のためのフッ素化炭化水素を含む新しい重合系およびプロセスを提供する。本発明はまた、フッ素化炭化水素を含有する希釈剤を含む新しい重合プロセス、および新しい配列分布を有する新規なポリマーの製造への利用を提供する。特に本発明は、イソオレフィン好ましくはイソブチレン、およびアルキルスチレン好ましくはメチルスチレン、さらに好ましくはパラ−メチルスチレンの新しい配列分布を有するコポリマーを提供する。このコポリマーは任意にハロゲン化できる。
F=1−{mA/(1+mA)}
(式中、mはコポリマー配列分布パラメータであり、Aはコポリマーにおけるp-メチルスチレンのイソブチレンに対するモル比であり、およびFはコポリマーにおけるイソブチレン−p-メチルスチレン−イソブチレン断片であり、mは38よりも小さい。)
図1は、誘電定数および温度の間の関係を示す図である。
本発明の様々な特定の態様、バージョン、および具体例を、請求する発明の理解のためにここで採用される好ましい態様および定義を含めて以下に記載する。侵害を確認のために、本発明の範囲は、引用例に均等なその均等物、および要素または制限を含めて、いずれか任意の1以上のクレームを参照して決定される。
この系で重合できるモノマーには、この反応を用いて重合可能な任意の炭化水素モノマーが含まれる。好ましいモノマーには、1以上のオレフィン、アルファ−オレフィン、置換オレフィン、イソオレフィン、共役ジエン、非共役ジエン、スチレン性および/または置換スチレン性およびビニルエーテルが含まれる。スチレン性のものはアルキル、アリール、ハロゲン、またはアルコキシ基で(環に)置換できる。好ましくは前記モノマーは2〜20の炭素原子を、より好ましくは2〜9の炭素原子を、さらに好ましくは3〜9の炭素原子を含む。好ましいオレフィンの具体例には、スチレン、パラアルキルスチレン、パラメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、β−ピネン、ミルセン(myrcene)、6,6−ジメチルフルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、ピペリレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、およびイソブチルビニルエーテルなどが含まれる。スチレン性のブロック・コポリマーはモノマーに用いることができる。好ましいブロック・コポリマーには、スチレン、パラメチルスチレン、α−メチルスチレンのようなスチレン性のコポリマー、およびイソプレン、ブタジエンなどのようなC4〜C30ジオレフィンが含まれる。特に好ましいモノマーの組み合わせには、イソブチレンのホモポリマーと同様に、1)イソブチレンおよびパラメチルスチレン、2)イソブチレンおよびイソプレンが含まれる。
F=1−{mA/(1+mA)}
(式中、mはコポリマー配列分布パラメータであり、
Aはコポリマーにおけるp−メチルスチレンのイソブチレンに対するモル比であり、およびFはコポリマーにおけるイソブチレン−p-アルキルスチレン−イソブチレン・トリアッド・トリアッド断片である。)
好ましい態様において、ルイス酸(共開始剤または触媒とも呼ばれる)としては、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、スズ、バナジウム、砒素、アンチモンおよびビスマスを含む周期律表の第4、5、13、14および15属の金属に基づく任意のルイス酸であり得る。当業者は、本発明の実施において幾つかの元素がより好ましいことを理解できる。1つの態様において、金属はアルミニウム、ホウ素およびチタンであり、好ましくはアルミニウムである。具体的な例には、AlCl3、(アルキル)AlCl2、(C2H5)2AlClおよび(C2H5)3Al2Cl3、BF3、SnCl4、TiCl4が含まれる。特に好ましい態様においては、BF3はルイス酸として選択されない。
本発明において有用な開始剤は、適切な希釈剤の中で選択されたルイス酸と複合でき、すばやくオレフィンと反応して成長ポリマー鎖を形成する錯体を生成するものである。具代的な例としては、H2O、HCl、RCOOH(ここでRはアルキル基)、ハロゲン化アルキル(例えば、(CH3)3CCl、C6H5C(CH3)2Clおよび2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン)のようなブルンステッド酸が含まれる。さらに最近では、単一位置の触媒系として働くことができるメタロセンおよびその他の物質のような遷移金属錯体が、例えば弱く配位したルイス酸やルイス酸塩で活性化される場合に、イソブチレン重合を開始させるために用いられる。
置換基または断片をカチオンに転移してカチオンを中性化し中性分子を生成できるアニオン性複合体を形成することができる任意の金属またはメタロイド化合物をWCアニオンとして用いることができる。さらに、水中で安定な配位化合物を形成することができる任意の金属またはメタロイドをアニオンを含む組成物に用いたり、含有させたりすることができる。好適な金属にはアルミニウム、金、白金などが含まれるが、これらに限定されない。単一の金属またはメタロイド原子を含む配位複合体を含むアニオンを含む化合物はもちろん周知であり、多くのもの、特にアニオン部分に単一のホウ素を含むような化合物は商業的に用いられている。この点を考慮すると、単一のホウ素を含む配位複合体を含むアニオンを含む塩が好ましい。
[(M’)m+Q1…Qn]d-
ここで、M’は金属またはメタロイドであり、
Q1からQnは独立して架橋または非架橋のヒドリド基、ジアルキルアミド基、アルコキシドおよびアリールオキシド基、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビル基、ハロカルビルおよび置換ハロカルビル基、およびヒドロカルビルおよびハロカルビル置換有機メタロイド基であって、Q1からQnの任意の1つであって1を超えないものがハライド基であり、
mがMの形式的な原子価負荷を表す整数であり、
nがリガンドqの総数であり、および
dが1または1より大きな整数である。
[BAr1Ar2X3X4]-
ここで、Bは3原子価状態のホウ素であり、
Ar1およびAr2は、約6から約20の炭素原子を含み、安定な架橋基を介して互いに結合できる同一または異なる芳香族または置換芳香族炭化水素基であり、および
X3およびX4は、独立して、ヒドリド基、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビル基、ハロカルビルおよび置換ハロカルビル基、ヒドロカルビルおよびハロカルビル置換有機メタロイド基、二置換ニクトーゲン(pnictogen)基、置換シャルコゲン(chalcogen)基およびハライド基である。但し、X3およびX4が同時にハライドであることはない。
[B(C6F5)3Q]-
式中、Fはフッ素であり、Cは炭素であり、BおよびQは前述の通りである。トリフェニルメチルホウ素塩を含むこれらの好ましいWCアニオンの具体的な例において、Qはメチル、ブチル、シクロヘキシル、またはフェニルのような簡単なヒドロカルビルであるか、またはポリスチレン、ポリイソプレン、またはポリパラメチルスチレンのような不特定の鎖長を有するポリマー性のヒドロカルビルであるが、これらに限定されない。
[(CX)a(BX’)mX”b]c- または
[[[(CX6)a(BX7)m(X8)b]2Tn+]d-
で表すことができ、
ここで、X、X’、X”、X6、X7およびX8は、独立して、ヒドリド基、ハライド基、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換ハロカルビル基、またはヒドロカルビルまたはヒドロカルビル置換有機メタロイド基であり、
Tは、遷移金属、好ましくは第8、9または10族の金属、さらに好ましくはニッケル、ゴバルトまたは鉄であり、
aおよびbは0以上の整数であり、
cは1以上の整数であり、
a+b+cは2から約8の偶数であり、
mは5から約22の範囲の整数であり、
aおよびbは同じか、または異なる整数であり、
cは2以上の整数であり、
a+b+cは4から約8の偶数であり、
mは6から約12の範囲の整数であり、
nは2c−n=dとなるような整数であり、および
dは1以上の整数である。
(1)次の一般式を満たすボランまたはカルボランアニオンが含まれ、
[(CH)ax(BH)bx]cx-
ここで、axは0または1であり、
cxは1または2であり、
ax+cx=2であり、
bxは約10から12の範囲の整数であり、または
(2)次の一般式を満たすボラン、またはカルボランまたは中性ボラン化合物であり、
[(CX)ay(BH)my(H)by]cy-
ここで、ayは0から2の整数であり、
byは0から3の整数であり、
cyは0から3の整数であり、
ay+by+cy=4であり、
myは約9から約18の整数であり、または
(3)次の一般式を満たす金属ボラン、または金属カルボランであり、
[[[(CH)az(BH)mz(H)bz]cz-]Mnz+]dz-
ここで、azは0から2の整数であり、
bzは0から2の整数であり、
czは2または3であり、
mzは約9から11の整数であり、
az+bz+cz=4であり、および
nzおよびdzは、それぞれ、2および2または3および1である。
デカボラン(14)、7,8−ジカルバデカボラン(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカヒドリド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、6−カルバデカボレート(12)、7−カルバウンデカボレート、7,8−ジカルバウンデカボレートのようなボランおよびカルボラン複合体、およびボランおよびカルボランアニオンの塩、および
コバルト酸(III)ビス(ノナヒドリド−1,3−ジカルバノナボレート)、第二鉄酸(III)ビス(ウンデカヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボレート)、コバルト酸(III)ビス(ウンデカヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボレート)、ニッケル酸(III)ビス(ウンデカヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボレート)、第二鉄酸(III)ビス(ノナヒドリド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)、コバルト酸(III)ビス(トリブロモオクタヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボレート)、コバルト酸(III)ビス(ウンデカヒドリドジカルバドデカボレート)およびコバルト酸(III)ビス(ウンデカヒドリド−7−カルバウンデカボレート)が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の様々な好ましい態様において、前記WCアニオンは、異なるクラスのカチオンまたはカチオン源から選択された1またはそれ以上のカチオンと結合する。
(A)シクロペンタジエニル遷移金属複合体およびそれらの誘導体
(B)下記化学式で示される置換カルボカチオン
(C)置換シリリウム、好ましくは下記化学式で示されるもの
(D)プロトンを発生することができる成分
(E)ゲルマニウム、スズ、または鉛、下記化学式で示されるもののカチオン性成分
好ましいシクロペンダジエニル遷移金属誘導体には、第4、5、または6族遷移金属のモノ−、ビス−、またはトリス−シクロペンタジエニル誘導体である遷移金属が含まれ、好ましくはモノ−シクロペンタジエニル(モノ−Cp)またはビス−シクロペンタジエニル(ビス−Cp)第4族遷移金属成分、特にジルコニウム、チタニウム、またはハフニウム成分がふくまれる。
(A−Cp)は(Cp)(Cp*)またはCp−A’−Cp*のいずれかであり、
CpおよびCp*は、同一でも異なってもよい、0から5の置換基Sで置換されたシクロペンタジエニル環であり、それぞれの置換基Sは独立して、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロカルビル、置換ハロカルビル、ヒドロカルビル置換有機メタロイド、ハロカルビル置換有機メタロイド、二置換ホウ素、二置換ニクトーゲン(pnictogen)、置換シャルコン、またはハロゲン基であり、またはCpおよびCp*は、2つの隣接したS基がともにC4からC20の環を形成して飽和または不飽和の多環シクロペンタジエニル・リガンドをつくるシクロペンタジエニル環であり、
Rは、金属原子にも結合している1つのシクロペンタジエニル基上の置換基であり、
A’は架橋基であり、この基はCpおよびCp*環または(C5H5-y-xSx)およびJR’(z-1-y)基の回転を制限する働きがあり、
Mは第4、5、または6族遷移金属であり、
yは0または1であり、
(C5H5-y-xSx)は0から5のS基で置換されたシクロペンタジエニル環であり、
xは置換度を示す0から5であり、
JR’(z-1-y)は、Jが配位数3の第15族の原子、または配位数2の第16族の原子、好ましくは窒素、リン、酸素、たまは硫黄であるヘテロ原子リガンドであり、
R”はヒドロカルビル基、好ましくはアルキル基であり、
XおよびX1は独立して、ヒドリド基、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換ハロカルビル基、ヒドロカルビルおよびハロカルビル置換有機メタロイド基、置換ニクトーゲン(pnictogen)基、置換シャルコン基であり、および
Lは、オレフィン、ジオレフィン、アリーン・リガンド、または中性のルイス塩基である。
他の好ましいカチオン源は置換カルボカチオンである。好ましい例には、下記化学式で示される物質が含まれる。
他の好ましい態様において、置換シリリウム成分、好ましくは三置換シリリウム成分はモノマーを重合するためにWCAと結合する。好ましいシリリウム・カチオンは下記化学式で示される。
第四のカチオン源は、弱配位アニオンまたは弱配位アニオンを含む成分と結合するとプロトンを発生する任意の化合物である。プロトンは、弱配位の非親核性アニオンを含む安定なカルボカチオン塩と、プロトンおよび対応する副生物(アルコールまたはフェノールの場合のエーテル、および水の場合のアルコール)を生成するために存在する水、アルコール、またはフェノールとの反応により発生させることができる。カルボカチオン塩の反応が、オレフィンとの反応に比べてプロトン化された添加物との場合に早い場合には、そのような反応は好ましいといえる。他のプロトンを発生する反応物には、チオール、カルボン酸などが含まれる。同様の化学反応はシリリウム型触媒を用いた場合に起こり得る。特に好ましい態様において、R1、R2およびR3がフェニル基の場合には、脂肪族または芳香族アルコールの添加により、イソブチレンの重合が有意に増加する。
A.シクロペンタジエニル遷移金属化合物
前記Cp遷移金属カチオン(CpTm+)は、少なくとも2つの方法において活性触媒に混合することができる。第一の方法は、CpTm+を含む化合物を、次に反応して副生物および活性「弱配位」対を形成するWCA-を含む第二化合物と反応させるものである。
三置換カルボカチオンおよびシリリウムカチオンの生成は重合またはin situにおける使用の前に行われる。前記カチオンまたは安定カチオン塩の前生成および単離は、当該分野で既知の方法と同様に、弱配位アニオンのアルカリまたはアルカリ土類金属塩を、可能性のあるカルボカチオンまたはシリリウムの対応するハロゲン原子と反応させることにより行うことができる。置換カルボカチオンまたはシリリウムの生成は、安定な塩と同様な様式でin situであるが、重合の容器内および好ましい温度において起こる。後者の操作の利点は、第一の方法で取り扱うには不安定すぎる異なるカルボカチオンまたはシリリウムカチオンを製造することができるということである。前記カチオンまたはカチオンの前駆体は代表的には1:1の比率でWCAとともに用いられるが、本発明の実施においては1:100の比率(WCAに対するC+またはSi+比)でも有効である。
さらにゲルマニウム、スズまたは鉛のカチオン性成分を本発明のWCAと組み合わせて用いることができる。好ましい成分には下記化学式で示されるものが含まれる。
水素化フッ素化炭素は本発明において好ましくは希釈剤として用いられ、単独で、または他の水素化フッ素化炭素と組み合わせて、または他の希釈剤と組み合わせて用いられる。本発明およびクレームの目的のために、水素化フッ素化炭素(1または複数の「HFC」ともいう。)は、少なくとも1つの炭素、少なくとも1つの水素、および少なくとも1つのフッ素が存在することを条件として、主要には水素、炭素およびフッ素から構成される飽和または不飽和の化合物と定義される。
本発明は連続プロセスおよびバッチ・プロセスにおいて実施できる。さらに本発明はプラグ流れ反応槽および/または撹拌タンク反応槽において実施できる。特に本発明は「ブチル反応槽」において実施でき。具体例には、連続流動撹拌タンク反応槽、プラグ流れ反応槽、移動ベルトまたはドラム反応槽、ジェットまたはノズル反応槽、チューブ反応槽および自動冷却沸騰プール反応槽で構成される群から選択される任意の反応槽が含まれる。
A.1種以上の水素化フッ素化炭素(HFC)を含む希釈剤の存在下、1種以上のモノマー、1種以上のルイス酸、および1種以上の開始剤を含む重合プロセス
B.前記希釈剤が希釈剤の総容量に基づいて1から100容量%のHFCを含むA項のプロセス
C.前記HFCが−85℃を超える温度で誘電定数21を有するA項またはB項のプロセス
D.前記ポリマーが4重量%未満の希釈剤取り込みを示すA項、B項またはC項の任意の項のプロセス
E.前記希釈剤がさらに炭化水素を含むA項、B項、C項またはD項の任意の項のプロセス
F.前記開始剤が、ハロゲン化水素、カルボン酸、水、ハロゲン化三級アルキル、およびこれらの混合物で構成される群から選択されるA項、B項、C項、D項またはE項の任意の項のプロセス
G.前記モノマーが、スチレン、パラメチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、イソプレン、ブタジエン類、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、β−ピネン、ミルセン、6,6−ジメチルフルベン、ヘキサジエン類、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ピペリレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、およびこれらの混合物で構成される群から選択されるA項、B項、C項、D項、E項またはF項の任意の項のプロセス
H.前記接触工程にスチレン性ブロック・コポリマーが存在するA項、B項、C項、D項、E項、F項またはG項の任意の項のプロセス
I.前記温度が0℃以下であるA項、B項、C項、D項、E項、F項、G項またはH項の任意の項のプロセス
J.前記温度が希釈剤の氷点を超える10℃以内であるA項、B項、C項、D項、E項、F項、G項、H項またはI項の任意の項のプロセス
K.前記スラリーが実質的に水を含まないA項、B項、C項、D項、E項、F項、G項、H項、I項またはJ項の任意の項のプロセス
L.前記温度が−105℃および−60℃の間であり、好ましくは−80℃であるA項、B項、C項、D項、E項、F項、G項、H項、I項、J項またはK項の任意の項のプロセス
M.前記プロセスが30ppm水よりも多い開始剤(重量に基づいて)を含むA項、B項、C項、D項、E項、F項、G項、H項、I項、J項、K項またはL項の任意の項のプロセス
N.A項、B項、C項、D項、E項、F項、G項、H項、I項、J項、K項、L項またはM項の任意の項のプロセスにより生成された生成物
本発明のポリマーは、広範な種類の利用に極めて有用な化学的および物理的特性を提供する。気体に対する低浸透度により、これらのポリマーの最大の有用性、すなわち内部チューブおよび内部ライナーとしての有用性が説明できる。この同様の特性は、エアクッション、空気スプリング、空気ふいご、アキュムレータ・バッグ、および製剤密閉に重要である。本発明のポリマーは熱的安定性のため、ゴムタイヤ熱処理袋、高温施設用ホース、および高温材料用コンベヤーベルトに理想的である。
重合は、外部電気駆動撹拌機により駆動されるガラス撹拌軸上のテフロンタービン撹拌羽根を装備したガラス反応容器で行った。ガラス容器の大きさと形態は各一群の実施例で示している。反応容器の頭部には撹拌軸、熱電対(thermocoupe)、開始剤/共開始剤の添加のために入り口がある。反応容器は、ドライボックスのペンタンまたはイソヘキサン浴に組み立て反応容器を浸すことにより、下記表に挙げられた望ましい反応温度まで冷却される。撹拌炭化水素浴の温度は±2℃に制御された。反応媒体と接触する液体中の全ての器具は、使用前に120℃で乾燥し、窒素雰囲気下で冷却した。イソブチレン(マテソン(Matheson)社またはエクソン・モービル社製)および塩化メチル(エアプロダクツ社製)は、酸化バリウムを含むステンレススチール・カラムをガスで通過させることにより乾燥し、濃縮し、ドライボックス内に液体として回収した。別に、塩化メチルはシリカゲルおよびモレキュラーシーブを含むステンレススチール・カラムをガスで通過させることにより乾燥した。両物質は濃縮し、ドライボックス内に液体として回収した。イソプレン(アルドリッチ社製)は水素化カルシウム上で乾燥し、アルゴン雰囲気下で蒸留した。パラ−メチルスチレン(アルドリッチ社製)は水素化カルシウム上で乾燥し、真空状態下で蒸留した。TMPCl(2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン)は、ジエチルエーテル中で2,4,4−トリメチルペンテン−1および2.0モル/L塩酸水溶液から調製した。TMPClは使用前に蒸留した。塩酸(アルドリッチ社製、純度99%)ストック溶液は、望ましい量の塩酸ガスをMeCl中に溶解し重量で2−3%濃度まで到達させて調製した。−95℃で透明無色の液体として回収された水素化フッ素化炭素はそのまま用いた。−95℃で曇っているまたは不溶物がある水素化フッ素化炭素は使用前に蒸留した。そのまま用いたプロパン(アルドリッチ社製)は濃縮されており、液体として用いた。二塩化アルキルアルミニウム(アルドリッチ社製)は炭化水素溶液として用いた。これらの溶液はいずれも市販品であるか、またはニートの二塩化アルキルアルミニウムから調製した。
%BSB=100(4A/(A+B))
(式中、A=2.8ppm共鳴の積分値、
B=2.6および2.2の間の共鳴の積分値である。)
FBSB=1−{mA/(1+mA)}
(式中、mはコポリマー配列分布パラメータであり、
Aはコポリマーにおけるメチルスチレンのイソブチレンに対するモル比[pMS]/[IB]であり、および
FBSBはコポリマーにおけるBSBトリアッド断片である。)
−50から−55℃で実施した重合の結果を表2に示した。実験例13および14は比較例である。100mLガラス製のミニ樹脂容器をこれらの実験例に用いた。TMPCl(2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン)をこれらの実験例の開始剤として用いた。
表3に水素化フッ素化炭素/塩化メチル混合物において−95℃で行った重合の結果の一覧を示した。100mLガラス製のミニ樹脂容器をこれらの実験例に用いた。TMPCl(2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン)をこれらの実験例の開始剤として用いた。
−55℃で行った重合の結果を表5に示した。開始剤/共開始剤溶液の2つのバッチを各実験例に用いた。100mLガラス製のミニ樹脂容器をこれらの実験例に用いた。TMPCl(2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン)をこれらの実験例の開始剤として用いた。
−95℃で二塩化メトキシアルミニウムを用いて重合を行った。開始剤/共開始剤溶液は−35℃で0.93μLの無水メタノールを2.6mLの液体1,1,1,2−テトラフルオロエタンに溶解することにより調製した。この溶液に23μLの1.0モル/L二塩化エチルアルミニウムのプロパン溶液を添加した。この溶液を10分間撹拌した。第二溶液は同様にして調製した。各溶液に3.2μLの2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタンを撹拌しながら添加し、−95℃に冷却した。両溶液を冷却したピペットを用いて重合溶液に滴下した。100mLガラス製のミニ樹脂容器をこれらの実験例に用いた。
表6に1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1−ジフルオロエタンの85/15(容量/容量)混合物において−95℃で行った重合の結果の一覧を示した。この実験は、30mLの希釈剤、5.4mLのイソブチレン、0.26mLのイソプレンを用いて行い、2.6mL塩化メチルにおいて3.2μLのTMPClおよび32.0μLの1.0M二塩化メチルアルミニウム(MADC)のヘキサン溶液を用いて調製した開始剤/共開始剤溶液を用いた。100mLガラス製のミニ樹脂容器をこれらの実験例に用いた。
表7に、パラ−メチルスチレン(pMS)をコモノマーとして用い、水素化フッ素化炭素、および水素化フッ素化炭素および塩化メチル混合物において−95℃で行った重合の結果の一覧を示した。100mLガラス製のミニ樹脂容器をこれらの実験例に用いた。TMPCl(2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン)をこれらの実験例の開始剤として用いた。
表8に、比較として水素化フッ素化炭素および塩化メチルにおいて−95℃で行った重合の結果の一覧を示した。実験例36および37は比較例である。これらの実験例には三口500mLガラス反応容器を用いた。各重合の前に、10重量%のモノマーを含む300mLのモノマー供給原料を冷却した反応容器に充填した。開始剤/共開始剤のモル比は1/3にコントロールされ、濃度はMeCl中0.1重量%EADCと設定された。開始剤/共開始剤溶液は重合混合物に滴下され、添加速度は反応温度が4℃を超えて上昇しないように制御された。添加する開始剤/共開始剤溶液の量はそれぞれ望ましいモノマーの変換対象に依存した。
表9に、比較として水素化フッ素化炭素および塩化メチルにおいて−95℃で行ったイソブチレンおよびp−メチルスチレンの重合の結果の一覧を示した。実験例41および42は比較例である。これらの実験例には三口500mLガラス反応容器を用いた。各重合の前に、10重量%のモノマーを含む300mLのモノマー供給原料を冷却した反応容器に充填した。開始剤/共開始剤のモル比は1/3にコントロールされ、濃度はMeCl中0.1重量%EADCと設定された。開始剤/共開始剤溶液は重合混合物に滴下され、添加速度は反応温度が4℃を超えて上昇しないように制御された。添加する開始剤/共開始剤溶液の量はそれぞれ望ましいモノマーの変換対象に依存した。
表10に、CHF2CF3およびCH3CHF2の80/20混合物(容量で)おいて−95℃で行ったイソブチレン/p−メチルスチレンの共重合の結果の一覧を示した。これらの実験例には三口500mLガラス反応容器を用いた。各重合の前に、10重量%のモノマーを含む300mLのモノマー供給原料を冷却した反応容器に充填した。開始剤/共開始剤のモル比は1/3にコントロールされ、濃度はMeCl中0.1重量%EADCと設定された。開始剤/共開始剤溶液は重合混合物に滴下され、添加速度は反応温度が4℃を超えて上昇しないように制御された。添加する開始剤/共開始剤溶液の量はそれぞれ望ましいモノマーの変換対象に依存した。
実験例48−117はイソブチレンと他のコモノマーとの共重合について例示する。共重合を2つの温度および4つの希釈剤により行った。
表15および16に掲載した共重合の実験例は、希土類の磁気撹拌棒を備えた試験管におけるスラリー重合により得られた。モノマー溶液は、例えば表15の実験例では−95℃において、表16の実験例では−35℃において試験管中で調製した。前記溶液は20mLの冷却液体希釈剤、5mLの液体イソブチレンおよび0.20mLのイソプレンを混合することにより調製した。この操作の例外は下記に示した。重合溶液は、その温度で磁気的に撹拌し、冷却したパスツールピペットを用いてストック共開始剤/開始剤溶液を滴下することにより重合を開始した。変換率はモノマーをポリマー変換した重量%で記載した。
表17に、CHF2CF3において−95℃で行ったイソブチレン/イソプレンの共重合の結果の一覧を示した。このイソブチレン/イソプレン供給原料比を各実験で変化させた。これらの実験例には三口500mLガラス反応容器を用いた。各重合の前に、10重量%のモノマーを含む300mLのモノマー供給原料を冷却した反応容器に充填した。開始剤/共開始剤のモル比は1/3にコントロールされ、濃度はMeCl中0.1重量%EADCと設定された。開始剤/共開始剤溶液は重合混合物に滴下され、添加速度は反応温度が4℃を超えて上昇しないように制御された。添加する開始剤/共開始剤溶液の量はそれぞれ望ましいモノマーの変換対象に依存した。
変換率における分子量の依存性は、塩化メチルおよびCHF2CF3において−95℃でイソブチレン/イソプレン共重合実験で決定された。この依存性は2つの異なる開始剤/共開始剤系、すなわち1つはTMPClに基づき、他方はHClに基づく系で決定された。両触媒系ではルイス酸共開始剤としてEADCを用いた。これらの実験例には三口500mLガラス反応容器を用いた。各重合の前に、10重量%のモノマーを含む300mLのモノマー供給原料を冷却した反応容器に充填した。開始剤/共開始剤のモル比は1/3にコントロールされ、濃度はMeCl中0.1重量%EADCと設定された。開始剤/共開始剤溶液は重合混合物に滴下され、添加速度は反応温度が4℃を超えて上昇しないように制御された。添加する開始剤/共開始剤溶液の量はそれぞれ望ましいモノマーの変換対象に依存した。これらの重合のデータは図3に、ピーク分子量(Mp)対モノマーの重量%変換率のプロットとして示されている。変換率上昇にともなう分子量の期待される傾きが観察された。これらのデータはまた、HClがCHF2CF3における共重合において好ましい開始剤であることも示している。
CHF2CF3において−93℃でイソブチレンおよびシクロペンタジエンの共重合を行った。97/3のモル比のイソブチレン/シクロペンタジエンを供給原料の10.8重量%でこの重合に用いた。シクロペンタジエンはこの実験のために新しく分留した。開始剤/共開始剤溶液は200μLの1.0モル/L塩化水素のCHF2CF3溶液を50mLの前もって冷却したCHF2CF3に溶解することにより調製した。この溶液に500μLの1.0モル/L二塩化エチルアルミニウムのヘキサン溶液を添加した。この溶液を5分間撹拌した。モノマー溶液を撹拌しながら、これに開始剤/共開始剤溶液滴下することにより重合を開始した。この溶液の添加は重合温度が−92℃を超えて上昇することを保つために必要な速度を維持した。全体で35mLの開始剤/共開始剤溶液を用いた。500mLガラス製の樹脂容器をこれらの実験例に用いた。
表19−25に示された溶解性試験をニート二塩化エチルアルミニウム(EADC)を用いて行った。各試験は次のように行った。5mLの濃縮水素化フッ素化炭素ドライボックスの冷却浴中の−90℃に冷却した乾燥試験管に充填した。この−90℃の液体に4.1μLのニート液体二塩化エチルアルミニウム(EADC)を添加した。得られた混合物を激しくかき混ぜることにより溶解性を検討した。次に試験管の内容物をかき混ぜながら、希釈剤の沸点まで混合物を暖めた。希釈剤がその沸点に到達した後、冷却浴に試験管を浸すことにより混合物を−90℃まで冷却した。記載された観察結果は加熱/冷却サイクルを完了した後のものである。この最初の加熱/冷却サイクルの後で触媒が溶解しない場合には、0.5mLの塩化メチルを加えた。加熱/冷却サイクルを繰り返した。EADCが溶解するのが観察されるか、50/50容量/容量混合物が得られるまで、加熱/冷却サイクルに続けて0.5mLの塩化メチルの添加を行った。観察を継続して記録した。
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)
ジフルオロメタン(HFC−32)
表25に記載した溶解性試験は各二塩化アルコキシアルミニウムをin situで調製することにより行った。一般的操作は以下の通りである。アルコールに対応する溶液は0.0001モルのアルコールを−30℃で10mLのHFC−134aに加えることにより調製した。この溶液に100μLの1.0モル/LストックEADCペンタン溶液を添加した。この最後の添加後に、HFC−134a溶液を5分毎に定期的に振った。この溶液を閉じた容器中で−10℃まで温め、次に−95℃に温度設定されたドライボックスの冷却浴で冷却した。曇点は、温度計で液体温度を追跡し、曇りの始まりを肉眼で同定することにより決定した。溶液温度を曇点以上に暖めることにより溶液は再び透明になった。曇天周辺の溶液の様子を、溶液の冷却および加温を繰り返すことにより数分間観察した。この現象は再現性があることがわかった。
実験例149−151は異なるイソブチレン/p−メチルスチレン・コモノマー比を用い、−95℃で行ったイソブチレンおよびp−メチルスチレンの共重合である。コポリマーは30mLの希釈剤および4.0mLのイソブチレンを用いて調製する。実験例149の5共重合は、塩化メチルにおいて0.14、0.35、0.74、1.18および1.67mLのp−メチルスチレンを用いて行った。実験例149は比較例である。実験例150の5共重合は、1,1,1,2−テトラフルオロエタンにおいて0.14、0.35、0.74、1.18および1.67mLのp−メチルスチレンを用いて行った。実験例151の6共重合は、1,1−ジフルオロエタンにおいて0.14、0.35、0.54、0.74、1.18および1.67mLのp−メチルスチレンを用いて行った。4mLの各希釈剤中に調製した開始剤/共開始剤溶液を用いて、12.6μLの0.93mL/L塩化水素の希釈剤溶液および35.4μLの1.0モル/L二塩化エチルアルミニウムのヘキサン溶液を添加することによりコポリマーを調製した。800rpmで、温度を−92℃以下に維持するために開始剤/共開始剤溶液を滴下することにより重合を行った。メタノールで重合を停止させ、ポリマーを回収し、真空中で乾燥させることにより、ポリマーを単離した。これらの試料について計算されたBSB断片データ、モル%p−メチルスチレン、および配列分布パラメータmを表26に示した。
Claims (4)
- イソブチレンおよびp-メチルスチレン、二塩化エチルアルミニウム、1または2種以上の開始剤、および1,1,1,2-テトラフルオロエタンを接触させる工程を含むプロセスにより製造されたコポリマーであって、下記式
F=1−{mA/(1+mA)}
(式中、mはコポリマー配列分布パラメータであり、Aはコポリマーにおけるp-メチルスチレンのイソブチレンに対するモル比であり、およびFはコポリマーにおけるイソブチレン−p-メチルスチレン−イソブチレン・トリアッド断片であり、mは38よりも小さい。) で定義されるコポリマー配列分布を有することを特徴とするコポリマー。 - 前記1または2種以上の開始剤が、独立してHCl,H 2 O,メタノール、(CH 3 ) 3 CCl、C 6 H 5 C(CH 3 ) 2 Cl、2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン、および2−クロロ−2−メチルプロパンで構成される群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のコポリマー。
- p-メチルスチレンの含量が1.89モル%以上であり16.2モル%以下であることを特徴とする、請求項1または2のいずれかの請求項に記載のコポリマー。
- p-メチルスチレンの含量が2.1モル%以上であり、11.9モル%以下であることを特徴とする、請求項1または2のいずれかの請求項に記載のコポリマー。
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