JP4689513B2 - 多芯筆記具 - Google Patents
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Description
図1乃至図7に本発明の第1の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には2本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体6は、弾発体8(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。
前記軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、該前軸3の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸4とからなる。前記前軸3の前端には、筆記体6のペン先61が突出可能な前端孔31が軸方向に貫設される。前記前軸3及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
前記後軸4の後端部には、前記開口部42を開閉自在にする蓋部5が回動自在に設けられる。前記蓋部5の一端部は、クリップ44基部に、ヒンジ部52により回動自在に取り付けられる。前記ヒンジ部52は、ペン先下向きでクリップ44を正面視したときのクリップ44の左右方向に延設され、それにより、前記蓋部5は、略前後方向に回動自在となる。前記蓋部5の前面には、当接壁部51が形成される。前記当接壁部51に、没入状態の筆記体6の後端に連結された各々の操作体7の後端が、衝止される。本実施の形態では、前記ヒンジ部52は、具体的には、回動軸により回動自在に接続される構成が採用されているが、これ以外にも、屈曲変形可能な可撓性を有する連結部または薄肉部により一体に接続される構成であってもよい。
前記各々の筆記体6は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管62とからなる。前記インキ収容管62の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管62内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔41から外部に突出する操作部71と、該操作部71の反対側に設けられる後側突出部73と、該操作部71の反対側の後側突出部73の前方に設けられる前側突出部72と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。前記嵌入部74は、インキ収容管62の後端開口部に嵌入された際、インキ収容管62の後端開口部を完全には塞がず、インキ収容管62の内部と外部とを通気可能にする。また、前記鍔部75の前面には、弾発体8の後端が係止される。また、前記操作体7の両方の側面には抜け止め突起76が形成される。前記抜け止め突起76は窓孔41の両方の側壁内面に係合可能である。
前記各々の操作体7は、連結される筆記体6の内部(即ちインキ収容管62内部)に収容されたインキの色と略同じ色に着色される。具体的には、前記操作体7の各々は、連結される筆記体6のインキ色と略同じ色に着色された合成樹脂の成形体からなる。それにより、前記操作体7は、インキ色表示からなる識別表示を有する。例えば、インキ色が黒色の筆記体6に連結する操作体7は黒色に着色され、インキ色が青色の筆記体6に連結する操作体7は青色に着色され、インキ色が赤色の筆記体6に連結する操作体7は赤色に着色され、インキ色が緑色の筆記体6に連結する操作体7は緑色に着色される。本実施の形態では、インキ色の互いに異なる2本の筆記体6を軸筒2内に収容している。
軸筒2の内壁(即ち後軸4の内壁)には、円筒状の弾発体支持部9が設けられる。前記弾発体支持部9は、筆記体6が挿通される複数(具体的には2個)の内孔91が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持部9の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、弾発体8が配置される。前記各々の弾発体8の内部に筆記体6が遊挿されるとともに、各々の弾発体8の前端は弾発体支持部9の後面により係止され、各々の弾発体8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。
本実施の形態におけるペン先61の出没作動について説明する。
一つの操作体7の操作部71を弾発体8の後方付勢に抗して窓孔41に沿って前方にスライド操作すると、そのスライド操作された操作体7の前側突出部72が、先にペン先突出状態にある他の筆記体6の操作体7の後側突出部73を径方向外方に持ち上げる。それにより、軸筒2内壁の係止壁部43と操作体7との係止状態が解除され、他の筆記体6が弾発体8の後方付勢により後方に移動され、他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入され、他の筆記体6の操作体7の後端が蓋部5の前面の当接壁部51に当接衝止される。前記他の筆記体6のペン先61の没入と同時に、前記前方にスライド操作した操作体7に連結された筆記体6のペン先61が、軸筒2の前端孔31より外部に突出されるとともに、前方にスライド操作された操作体7の後端が軸筒2内壁の係止壁部43に係止され、そのペン先突出状態が維持される。
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部42を閉鎖した状態(図3及び図6参照)から、蓋部5のヒンジ部52と反対側の操作端部を後方に押圧し、係合部53と被係合部45との係合を解除し、蓋部5を後方に回動させ、軸筒2の後端の開口部42を開口する。前記開口部42を開口させると、前記開口部42から各々の操作体7が、弾発体8の後方付勢により後方外部に突出される。前記軸筒2の後端の開口部42が開口した状態(図5及び図7参照)で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を前記開口部42を介して軸筒2内から取り出し、その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部42を介して軸筒2内に挿入する。そして、蓋部5の当接壁部51に各々の操作体7の後端を当接させ、各々の操作体7を前方に押圧しながら蓋部5を前方に回動させ、その後、係合部53と被係止部45とを係合させ、開口部42を閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
図8に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、図8に示すように、ヒンジ部52と反対側の蓋部5の端部(操作端部)にクリップを一体に形成し、蓋部5の閉鎖状態のときに前記クリップが前方に延設状態となるように構成され、これにより、クリップを回動操作することで、蓋部5を開閉操作できる。尚、他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
図9乃至図11に本発明の第3の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、前軸3と後軸4からなる軸筒2の内部に、3本の筆記体6が前後方向に移動可能に収容される。前記各々の筆記体6の後端には操作体7が取り付けられる。前記後軸4の後部側壁には、3本の窓孔41が等間隔(即ち周方向に互いに120度離れた位置)に配置される。前記各々の窓孔41から径方向外方に操作体7の操作部71が突出される。
図12乃至図14に本発明の第4の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、前記第3の実施の形態の変形例であり、前記第3の実施の形態と異なる点は、後軸4の後部側壁に、3本の窓孔41と一つのクリップが等間隔(即ち周方向に互いに90度離れた位置)に配置される点と、各々の操作体7の前側突出部72及び後側突出部73の横断面形状が、径方向内方に向かって細くなる形状を有する点である。前記各々の操作体7の前側突出部72及び後側突出部73の横断面形状が、径方向内方に向かって細くなる形状を有することにより、前記各々の操作体7の前側突出部72同士及び後側突出部73同士が互いに干渉して(即ちぶつかり合って)操作体7の適正な作動が阻害されることを、防止できる。尚、本実施の形態における他の構成は、第1の実施の形態及び第3の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
図15乃至図17に本発明の第5の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、前軸3と後軸4からなる軸筒2の内部に、4本の筆記体6が前後方向に移動可能に収容される。前記各々の筆記体6の後端には操作体7が取り付けられる。前記後軸4の後部側壁には、4本の窓孔41が等間隔(即ち周方向に互いに90度離れた位置)に配置される。前記各々の窓孔41から径方向外方に操作体7の操作部71が突出される。
2 軸筒
3 前軸
31 前端孔
4 後軸
41 窓孔
42 開口部
421 ガイド部
421a 凹部
43 係止壁部
44 クリップ
45 被係合部
5 蓋部
51 当接壁部
52 ヒンジ部
53 係合部
6 筆記体
61 ペン先(ボールペンチップ)
62 インキ収容管
7 操作体
71 操作部
72 前側突出部
73 後側突出部
74 嵌入部
75 鍔部
76 抜け止め突起
8 弾発体
9 弾発体支持部
91 内孔
92 保持部
Claims (13)
- 軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させる多芯筆記具であって、軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、前記開口部を介して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成したことを特徴とする多芯筆記具。
- 前記開口部を介して筆記体と操作体とを連結状態で、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成した請求項1記載の多芯筆記具。
- 前記開口部を閉鎖した際、没入状態の筆記体の操作体が当接可能な当接壁部を軸筒の後端部に形成し、前記開口部を開口した際、前記当接壁部の全てまたは一部が前記軸筒の後端部から取り除かれる請求項1または2記載の多芯筆記具。
- 前記軸筒の後端部に、前記開口部を開閉自在とする蓋部を設けた請求項1乃至3のいずれかに記載の多芯筆記具。
- 前記蓋部の前面に、没入状態の筆記体の操作体が当接可能な当接壁部を形成した請求項4記載の多芯筆記具。
- 前記蓋部の一端部が、軸筒の後端部に回動自在に接続される請求項4または5記載の多芯筆記具。
- 前記蓋部の他端部に係合部を設け、軸筒の後端部に、前記蓋部の係合部と係脱自在の被係合部を設けた請求項6記載の多芯筆記具。
- 前記軸筒の内壁に弾発体の前端が軸方向に当接する弾発体支持部を設け、前記弾発体支持部に、弾発体の前端部を径方向に保持する保持部を形成した請求項1乃至7のいずれかに記載の多芯筆記具。
- 前記開口部を開口した際、弾発体の後方への付勢によって没入状態の操作体が前記開口部から外部に突出される請求項1乃至8のいずれかに記載の多芯筆記具。
- 前記蓋部が開口部を閉鎖する過程で、前記蓋部が操作体を前方に押圧してなる請求項9記載の多芯筆記具。
- 前記各々の操作体は、それが連結される筆記体の内部に収容されたインキの色に着色される請求項1乃至10のいずれかに記載の多芯筆記具。
- 軸筒の後端部の開口部の内壁の両側に、操作体の側面の挿入時の向きを規制するガイド部を備えた請求項1乃至11のいずれかに記載の多芯筆記具。
- 前記軸筒内に3本以上の筆記体を収容し、軸筒の後部側壁に3本以上の窓孔を設け、前記窓孔を後方に開口させる開口部によって軸筒後端部を3本以上に径方向に分割し、前記軸筒後端部の分割片の一つに、前記開口部を開閉自在にする蓋部をヒンジにより接続し、前記軸筒後端部の他の分割片の各々に被係合部を設け、前記蓋部の前面に、前記被係合部の各々と係脱自在な係合部を設けた請求項1乃至12のいずれかに記載の多芯筆記具。
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