JP2010284934A - 多芯筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザーが誤ってペン先突出状態のまま衣類のポケットに挿入しても、ポケットをインキで汚すことを回避できる多芯筆記具を提供する。
【解決手段】軸筒2内に複数の筆記体6を前後方向に移動可能に収容する。各々の筆記体6の後端に操作体7を連結する。軸筒2の窓孔41から径方向外方に操作体7を突出させる。操作体7を窓孔41に沿って前方に移動させることにより、筆記体6のペン先61を軸筒2の前端孔31から出没させる。軸筒2の後端に、窓孔41を後方に開口させる開閉自在の開口部42を設ける。開口部42を介して筆記体6及び操作体7を交換可能に構成する。軸筒2の後端部に、開口部42を開閉自在とする蓋部5を設ける。開口部42の閉鎖状態において、蓋部5を前後方向に移動可能に構成する。蓋部5を前方に移動させることによって、ペン先突出状態を解除する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、多芯筆記具に関する。詳細には、軸筒内に複数の筆記体を収容し、前記筆記体を軸筒の後端の開口部より交換可能にした多芯筆記具に関する。
特許文献1には、軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させた多芯筆記具であって、軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、前記開口部を介して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成し、前記軸筒の後端部に、前記開口部を開閉自在な蓋部を設け、前記蓋部の一端部が、ヒンジ部により軸筒の後端部側壁に回動自在に接続された構造が開示されている。
特開2007−38635号公報
前記従来の多芯筆記具は、ユーザーが、誤って一つの筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させた状態のまま衣類のポケットに挿入して、ポケットをインキで汚すことがある。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、ペン先突出状態のまま衣類のポケットに挿入しても、ポケットをインキで汚すことを回避できる多芯筆記具を提供しようとするものである。
尚、本発明において、軸筒において、「前」とは前端孔側を指し、「後」とはその反対の開口部側を指し、筆記体において、「前」とはペン先側を指し、「後」とはその反対側を指す。
本願の第1の発明は、軸筒2内に複数の筆記体6を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体6の後端に操作体7を連結し、前記各々の筆記体6及び操作体7を弾発体8により後方に付勢し、前記軸筒2の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔41を径方向に貫設し、前記各々の窓孔41から径方向外方に前記各々の操作体7を突出させ、一つの操作体7を窓孔41に沿って前方に移動させることにより、その一つの操作体7を先にペン先突出状態にあった他の筆記体6の操作体7と当接させ、先にペン先突出状態にあった他の筆記体6の操作体7と軸筒2内壁との係止状態を解除し、先に突出状態にあった他の筆記体6のペン先61を軸筒2内に没入させ、前記前方に移動させた操作体7に連結された筆記体6のペン先61を軸筒2の前端孔31から突出させてなり、前記軸筒2の後端に、窓孔41を後方に開口させる開閉自在の開口部42を設け、前記開口部42を介して筆記体6及び操作体7を、軸筒2内から取り外し可能且つ軸筒2内に挿入可能に構成し、前記軸筒2の後端部に、前記開口部42を開閉自在とする蓋部5を設けた多芯筆記具であって、前記蓋部5による開口部42の閉鎖状態において、前記蓋部5を前後方向に移動可能に構成し、前記蓋部5の前面にペン先没入状態の筆記体6の操作体7を当接させ、一つの筆記体6のペン先突出状態において、前記蓋部5を前方に移動させることによって、ペン先没入状態の他の筆記体6の操作体7を前方に移動させ、その一つの筆記体6のペン先突出状態を解除してなることを要件とする。
前記第1の発明の多芯筆記具1は、ユーザーが、誤って一つの筆記体6のペン先61を軸筒2の前端孔31から突出させた状態のまま衣類のポケットに挿入しても、ポケットに挿入する際、無意識に軸筒2の後端部の蓋部5を前方に押圧する。前記蓋部5の前方への押圧により、ペン先没入状態の筆記体6の操作体7が前方に移動され、その一つの筆記体6のペン先突出状態が解除される。それにより、ペン先突出状態のまま衣類のポケットに挿入しても、ポケットをインキで汚すことを回避できる。また、前記第1の発明の多芯筆記具1は、開閉自在の蓋部5がペン先突出状態を解除する解除操作部を兼ねることにより、部品数が増加せず、簡易な構造を維持できる。
本願の第2の発明は、前記第1の発明の多芯筆記具1において、蓋部5に係合部54及び規制部55を設け、一方、軸筒2に、前記係合部54と係脱自在に係合する被係合部44、及び前記規制部55と前後方向に当接し且つ蓋部5の前方移動を阻止する被規制部45を設け、前記蓋部5による開口部42の閉鎖状態において、前記係合部54と前記被係合部44とを係合させ、前記係合部54と被係合部44との係合によって蓋部5の後方移動を阻止するとともに、前記規制部55と前記被規制部45との間に前後方向の隙間Tを形成してなることを要件とする
前記第2の発明の多芯筆記具1は、蓋部5の前後方向の移動可能量を一定に維持でき、その結果、ポケットに挿入する際、蓋部5を前方に安定して押圧できる。
本願の第3の発明は、前記第1または第2の発明の多芯筆記具1において、蓋部5が、筆記体6及び操作体7を後方に付勢する弾発体8のみによって後方に付勢されることを要件とする。
前記第3の発明の多芯筆記具1は、蓋部5を後方に付勢するための別の弾発体が不要となるため、部品数の増加を抑えることができる。しかも、前記第3の発明の多芯筆記具1は、蓋部5を後方に付勢するための別の弾発体が不要となるため、開口部42を介しての筆記体6及び操作体7の交換が容易となる。さらに、前記第3の発明の多芯筆記具1は、蓋部5を後方に付勢するための別の弾発体が不要となるため、蓋部5を後方に付勢する弾発力を過剰に強くすることなく、ペン先突出状態の容易な解除が可能となる。
本発明の多芯筆記具によれば、ペン先突出状態のまま衣類のポケットに挿入しても、ポケットをインキで汚すことを回避できる。
本発明の第1の実施の形態の全ペン先没入状態の縦断面図である。 図1のペン先突出状態を示す縦断面図である。 図1のペン先突出状態を示す側面図である。 図3の蓋部を前方移動させる前状態の要部拡大図(一部切り欠き縦断面図)である。 図3の蓋部を前方移動させた状態の要部拡大図(一部切り欠き縦断面図)である。 図1の開口部を開口させた状態の軸筒の側面図である。 図1の開口部を開口させた状態の軸筒の縦断面図である。 図1の筆記体及び操作体の正面図である。 本発明の第2の実施の形態の蓋部を前方移動させた状態の要部拡大図(一部切り欠き縦断面図)である。
<第1の実施の形態>
図1乃至図8に本発明の第1の実施の形態を示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には2本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体6の後端には、操作体7が固着される。前記各々の筆記体6及び操作体7は、弾発体8(具体的には圧縮コイルスプリング)により後方に付勢されている。尚、本発明において、前記軸筒2内に移動可能に収容する筆記体6の本数は、2本以上であればよく、2本以外にも、3本、4本、5本、6本等であってもよい。
(軸筒)
前記軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、該前軸3の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸4とからなる。前記前軸3の前端には、筆記体6のペン先が突出可能な前端孔31が軸方向に貫設される。前記前軸3及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
前記後軸4の後部の側壁には、複数本(具体的には2本)の前後方向に延びる細長状の窓孔41が、径方向に貫設される。また、前記後軸4の後端部には、軸方向後方に貫通し且つ径方向外方に開口する開口部42が形成される。前記開口部42は、後軸4の後端(即ち軸筒2の後端)において窓孔41と連通され、それにより、窓孔41後端が後方に切り欠かれ後方に開口されている。一方、前記窓孔41の前端は常時閉鎖されている。
また、前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁内面には、前後方向に延びるリブよりなる係止壁部46が形成され、前記係止壁部46に、ペン先61が突出した際の筆記体6の操作体7の後端が係止される。
前記後軸4の窓孔41の相互間の側壁外面には、クリップ43が突設される。前記クリップ43の基部には、ヒンジ部47が形成される。
(蓋部)
前記後軸4の後端部には、前記開口部42を開閉自在にする蓋部5が回動自在に設けられる。前記蓋部5は、開口部42を塞ぐ蓋本体51と、該蓋本体51に連設される2本の脚片52とからなる。前記蓋部5の脚片52は、ヒンジ部47により後軸4に回動自在に接続される。前記ヒンジ部47の回動軸は、ペン先下向きでクリップ43を正面視したときのクリップ43の左右方向に延設され、それにより、前記蓋部5は、略前後方向に回動自在となる。
尚、本実施の形態では、ヒンジ部47は、例えば、軸受け部の左右両側外方に開口する軸受け孔と、蓋部5の脚片52の左右両側内方に突出する回動軸とからなる構成、または、軸受け部の左右両側外方に突出する回動軸と、蓋部5の脚片52の左右両側内方に開口する軸受け孔とからなる構成が挙げられる。また、本実施の形態では、前記ヒンジ部47は、回動軸により回動自在に接続される構成が採用されているが、これ以外にも、本発明は、屈曲変形可能な可撓性を有する連結部または薄肉部により一体に接続される構成であってもよい。
前記蓋部5(蓋本体51)の前面には、当接壁部53が形成される。前記当接壁部53に、ペン先没入状態の筆記体6の後端に連結された各々の操作体7の後端が衝止される。前記蓋部5の前面に、ペン先没入状態の筆記体6の操作体7後端が当接することにより、筆記体6及び操作体7を後方に付勢する弾発体8により蓋部5が後方に付勢される。即ち、蓋部5は、筆記体6及び操作体7を後方に付勢する弾発体8のみにより後方に付勢される。
(規制部、被規制部)
前記蓋部5(蓋本体51)の前面には、規制部55が設けられる。軸筒2の後端には、被規制部45が設けられる。前記蓋部5を前方に押圧し、蓋部5を前方移動させた際、前記蓋部5の規制部55と前記軸筒2後端の被規制部45とが前後方向に当接し、蓋部5の前方移動が阻止される。
(係合部、被係合部)
前記蓋部5(蓋本体51)の前面には、係合部54が設けられる(具体的には係合凹部または係合孔部が形成される)。後軸4の後端には、前記係合部54と係合可能な被係合部44が設けられる(具体的には係合凸部が突設される)。前記係合部54(係合凹部または係合孔部)の内面には、内向突起が形成され、一方、前記被係合部44(係合凸部)の外面には、前記内向突起と乗り越え係止可能な外向突起が形成される。
前記係合部54と前記被係合部44は、蓋部5が開口部42を閉鎖した際、互いに係合状態にあり(具体的には内向突起と外向突起が乗り越え係止状態にあり)、弾発体8の後方への付勢による操作体7と蓋部5前面の当接壁部53との当接では、その係合状態は解除されず、蓋部5が開くことはない。即ち、前記蓋部5による開口部42の閉鎖状態において、係合部54と被係合部44との係合により、蓋部5の後方移動が阻止される。尚、前記係合部54と被係合部44の構成以外にも、前記係合部54が係合凸部よりなり、前記被係合部44が係合凹部または係合孔部からなる構成でもよい。
(前後方向の隙間)
前記蓋部5による開口部42の閉鎖状態において、前記蓋部5は、ペン先没入状態の筆記体6の操作体7との当接により後方に付勢される。このとき、係合部54と被係合部44とが係合し、蓋部5の後方移動が阻止されるとともに、規制部55と被規制部45との間に前後方向の隙間Tが形成される。
(筆記体)
前記各々の筆記体6は、例えば、ボールペンレフィル、シャープペンシルレフィル、サインペンレフィル、マーキングペンレフィル等、入力ペンレフィル(スタイラスペンレフィル)公知のペン先61を備えたレフィルが挙げられる。
本実施の形態では、ボールペンレフィルが採用される。前記ボールペンレフィルは、ボールペンチップ(ペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ内部にインキが収容されたインキ収容管62とからなる。
(操作体)
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔41から外部に突出する操作部71と、該操作部71の反対側に設けられる前側突出部72と、該操作部71の反対側の前側突出部72の後方に設けられる後側突出部73と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。前記鍔部75の前面には、弾発体8の後端が係止される。
筆記体6のペン先61が没入状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、蓋部5の前面に形成された当接壁部53に衝止される。一方、筆記体6のペン先61が突出状態のとき、その筆記体6に取り付けられた操作体7の後端部は、軸筒2の内壁に形成された係止壁部46に係止される。
ペン先没入状態にある筆記体6の後端に連結された操作体7の前側突出部72は、その操作体7の操作部71を前方に移動させた際、先にペン先突出状態にある他の筆記体6の後端に連結された操作体7の後側突出部73と当接され、他の筆記体6の後端に連結された操作体7と係止壁部46との係止状態が解除され、他の筆記体6のペン先突出状態が解除される。
(弾発体支持部)
軸筒2の内壁(即ち後軸4の内壁)には、円筒状の弾発体支持部9が設けられる。前記弾発体支持部9は、筆記体6が挿通される複数(具体的には2個)の内孔91が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持部9の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、弾発体8が配置される。前記各々の弾発体8の内部に筆記体6が遊挿されるとともに、各々の弾発体8の前端は弾発体支持部9の後面により係止され、各々の弾発体8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。前記弾発体により、筆記体6及び操作体7が後方に付勢される。
(ペン先の出没)
本実施の形態におけるペン先61の出没作動について説明する。
一つの操作体7の操作部71を弾発体8の後方付勢に抗して窓孔41に沿って前方に移動させると、その前方に移動させた操作体7の前側突出部72が、先に突出状態にある他の筆記体6の操作部71の後側突出部73を径方向外方に持ち上げる。それにより、軸筒2内壁の係止壁部46と操作体7との係止状態が解除され、他の筆記体6が弾発体8の後方付勢により後方に移動され、他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入され、他の筆記体6の操作部71の後端が蓋部5の前面の当接壁部53に当接衝止される。前記他の筆記体6のペン先61の没入と同時に、前記前方に移動させた操作体7に連結された筆記体6のペン先61が、軸筒2の前端孔31より外部に突出されるとともに、前方に移動させた操作体7の後端が軸筒2内壁の係止壁部46に係止され、そのペン先突出状態が維持される。
(筆記体及び操作体の交換)
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部42を閉鎖した状態(図3参照)から、蓋部5のヒンジ部47と反対側の操作端部を後方に押圧し、係合部54と被係合部44との係合を解除し、蓋部5を後方に回動させ、軸筒2の後端の開口部42を開口する。前記開口部42を開口させると、前記開口部42から各々の操作体7が、弾発体8の後方付勢により後方外部に突出される。前記軸筒2の後端の開口部42が開口した状態で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を前記開口部42を介して軸筒2内から取り出し、その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部42を介して軸筒2内に挿入する(図6乃至図8参照)。そして、蓋部5の当接壁部53に各々の操作体7を当接させ、各々の操作体7を前方に押圧しながら蓋部5を前方に回動させ、その後、係合部54と被係合部44とを係合させ、開口部42を閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
(本実施の形態の作用)
本実施の形態の多芯筆記具1は、ユーザーが、誤って一つの筆記体6のペン先61を軸筒2の前端孔31から突出させた状態のまま衣類のポケットに挿入しても、ポケットに挿入する際、無意識に軸筒2の後端部の蓋部5を前方に押圧する。前記蓋部5の前方への押圧により、ペン先没入状態の筆記体6の操作体7が前方に移動され、その一つの筆記体6のペン先突出状態が解除される。それにより、ペン先突出状態のまま衣類のポケットに挿入しても、ポケットをインキで汚すことを回避できる。また、本実施の形態の多芯筆記具1は、開閉自在の蓋部5がペン先突出状態を解除する解除操作部を兼ねることにより、部品数が増加せず、簡易な構造を維持できる。
本実施の形態の多芯筆記具1は、蓋部5に係合部54及び規制部55を設け、一方、軸筒2に、前記係合部54と係脱自在に係合する被係合部44、及び前記規制部55と前後方向に当接し且つ蓋部5の前方移動を阻止する被規制部45を設け、前記蓋部5による開口部42の閉鎖状態において、前記係合部54と前記被係合部44とを係合させ、前記係合部54と被係合部44との係合によって蓋部5の後方移動を阻止するとともに、前記規制部55と前記被規制部45との間に前後方向の隙間Tを形成してなることにより、蓋部5の前後方向の移動可能量を一定に維持でき、その結果、ポケットに挿入する際、蓋部5を前方に安定して押圧できる。
本実施の形態の多芯筆記具1は、蓋部5が、筆記体6を後方に付勢する弾発体8のみによって後方に付勢されることにより、蓋部5を後方に付勢するための別の弾発体が不要となるため、部品数の増加を抑えることができ、しかも、開口部42を介しての筆記体6及び操作体7の交換が容易となり、さらに、蓋部5を後方に付勢する弾発力を過剰に強くすることなく、ペン先突出状態の容易な解除が可能となる。
尚、本発明で、蓋部5はヒンジ部により軸筒2と接続される構成の他、例えば、蓋部5と軸筒2とが互いに着脱自在に乗り越え嵌合する構成、蓋部5と軸筒2とが互いに着脱自在に螺合する構成でもよい。尚、本発明で、開口部42の閉鎖状態とは、開口部42を通して筆記体6及び操作体7が軸筒内から取り外し不能または軸筒内に挿入不能な状態であればよい。
<第2の実施の形態>
前記第1の実施の形態の変形例(図5の変形例)を図9に示す。
本実施の形態の多芯筆記具1は、蓋部5が、軸筒2と、ヒンジ部47において、回動自在且つ前後方向に移動可能に接続される。
具体的には、開口部42を開閉自在にする蓋部5が、後軸4の後端部に回動自在に設けられる。前記蓋部5は、開口部42を塞ぐ蓋本体51と、該蓋本体51に連設され且つヒンジ部47により後軸4に回動自在且つ前後方向に移動可能に接続される2本の脚片52とからなる。前記ヒンジ部47の回動軸は、ペン先下向きでクリップ43を正面視したときのクリップ43の左右方向に延設され、それにより、前記蓋部5は、略前後方向に回動自在となる。
それにより、蓋部5を前方に押圧した際、蓋部5が、ヒンジ部47を中心に殆ど回動をせずに前方に移動可能となり、蓋部5の前方への押圧操作がスムーズとなる。尚、本実施の形態において、他の構成及び作用効果は、第1の実施の形態(図1乃至図4、図6乃至図8)と共通である。
1 多芯筆記具
2 軸筒
3 前軸
31 前端孔
4 後軸
41 窓孔
42 開口部
43 クリップ
44 被係合部
45 被規制部
46 係止壁部
47 ヒンジ部
5 蓋部
51 蓋本体
52 脚片
53 当接壁部
54 係合部
55 規制部
6 筆記体
61 ペン先
62 インキ収容管
7 操作体
71 操作部
72 前側突出部
73 後側突出部
74 嵌入部
75 鍔部
8 弾発体
9 弾発体支持部
91 内孔
T 隙間

Claims (3)

  1. 軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体の後端に操作体を連結し、前記各々の筆記体及び操作体を弾発体により後方に付勢し、前記軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方に移動させることにより、その一つの操作体を先にペン先突出状態にあった他の筆記体の操作体と当接させ、先にペン先突出状態にあった他の筆記体の操作体と軸筒内壁との係止状態を解除し、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させ、前記前方に移動させた操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させてなり、
    前記軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、前記開口部を介して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成し、前記軸筒の後端部に、前記開口部を開閉自在とする蓋部を設けた多芯筆記具であって、
    前記蓋部による開口部の閉鎖状態において、前記蓋部を前後方向に移動可能に構成し、前記蓋部の前面にペン先没入状態の筆記体の操作体を当接させ、
    一つの筆記体のペン先突出状態において、前記蓋部を前方に移動させることによって、ペン先没入状態の他の筆記体の操作体を前方に移動させ、その一つの筆記体のペン先突出状態を解除してなることを特徴とする多芯筆記具。
  2. 蓋部に係合部及び規制部を設け、一方、軸筒に、前記係合部と係脱自在に係合する被係合部、及び前記規制部と前後方向に当接し且つ蓋部の前方移動を阻止する被規制部を設け、前記蓋部による開口部の閉鎖状態において、前記係合部と前記被係合部とを係合させ、前記係合部と被係合部との係合によって蓋部の後方移動を阻止するとともに、前記規制部と前記被規制部との間に前後方向の隙間を形成してなる請求項1記載の多芯筆記具。
  3. 蓋部が、筆記体及び操作体を後方に付勢する弾発体のみによって後方に付勢される請求項1または2記載の多芯筆記具。
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