JP4754295B2 - 多芯筆記具 - Google Patents
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Description
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には2本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容される。また、前記軸筒2内には複数(具体的には2個)の弾発体8(具体的には圧縮コイルスプリング)が収容される。前記各々の筆記体6は、前記各々の弾発体8により後方に付勢される。
前記軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、該前軸3の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸4とからなる。前記前軸3の前端には、筆記体6のペン先61が突出可能な前端孔31が軸方向に貫設される。前記前軸3及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
前記後軸4の後端部には、前記開口部42を開閉自在にする蓋部5が回動自在に設けられる。前記蓋部5の一端部は、クリップ44基部に、ヒンジ部52により回動自在に接続される。前記ヒンジ部52は、ペン先下向きでクリップ44を正面視したときのクリップ44の左右方向に延設され、それにより、前記蓋部5は、略前後方向に回動自在となる。前記蓋部5の前面には、当接壁部51が形成される。前記当接壁部51に、ペン先没入状態の筆記体6の後端に連結された操作体7の後端が、当接される。本実施の形態では、前記ヒンジ部52は、具体的には、回動軸により回動自在に接続される構成が採用されているが、これ以外にも、屈曲変形可能な可撓性を有する連結部または薄肉部により一体に接続される構成であってもよい。
前記各々の筆記体6は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管62とからなる。前記インキ収容管62の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管62内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は合成樹脂の成形体から得られる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔41から外部に突出する操作部71と、該操作部71の反対側に設けられる後側突出部73と、該操作部71の反対側の後側突出部73の前方に設けられる前側突出部72と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。
軸筒2の内壁(即ち後軸4の内壁)には、円筒状の弾発体支持部9が固着される。前記弾発体支持部9は、筆記体6が挿通される複数(具体的には2個)の内孔91が軸方向に貫設されている。前記弾発体支持部9の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、弾発体8が配置される。前記各々の弾発体8の内部に筆記体6(即ちインキ収容管62)の後部が遊挿されるとともに、各々の弾発体8の前端は弾発体支持部9の後面により係止され、各々の弾発体8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。
本実施の形態におけるペン先61の出没作動について説明する(図1及び図2参照)。
一つの操作体7の操作部71を弾発体8の後方付勢に抗して窓孔41に沿って前方にスライド操作すると、そのスライド操作された操作体7の前側突出部72が、先にペン先突出状態にある他の筆記体6の操作体7の後側突出部73を径方向外方に持ち上げる。それにより、軸筒2内壁の係止壁部43と操作体7との係止状態が解除され、他の筆記体6が弾発体8の後方付勢により後方に移動され、他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入され、他の筆記体6の操作体7の後端が蓋部5の前面の当接壁部51に当接衝止される。前記他の筆記体6のペン先61の没入と同時に、前記前方にスライド操作した操作体7に連結された筆記体6のペン先61が、軸筒2の前端孔31より外部に突出されるとともに、前方にスライド操作された操作体7の後端が軸筒2内壁の係止壁部43に係止され、そのペン先突出状態が維持される。
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部42を閉鎖した状態(図1参照)から、図3に示すように、蓋部5のヒンジ部52と反対側の操作端部を後方に押圧し、係合部53と被係合部45との係合を解除し、蓋部5を後方に回動させ、軸筒2の後端の開口部42を開口する。前記開口部42を開口させると、前記開口部42から各々の操作体7が、弾発体8の後方付勢により後方外部に僅かに突出される。前記軸筒2の後端の開口部42が開口した状態で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を、前記開口部42を通して軸筒2内から取り出し、その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部42を通して軸筒2内に挿入する。そして、蓋部5の当接壁部51に各々の操作体7の後端を当接させ、各々の操作体7を前方に押圧しながら蓋部5を前方に回動させ、その後、係合部53と被係止部とを係合させ、開口部42を閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
図4に示すように、筆記体及び操作体を交換する際、軸筒2の後端の開口部42を開口させた状態で、該開口部42を下向きにすると、各々の筆記体6及び操作体7が自重により軸筒2内を下方(即ち後方)に落下移動し、操作体7の鍔部75の後面に形成した傾斜面75aと係止壁部43とが前後方向に係止される。それにより、各々の筆記体6及び操作体7が軸筒2後端の開口部42から抜け落ちることを防止できる。また、このとき、各々の弾発体8の前端部外面が、弾発体支持部9の後面の保持部92に圧入保持されているため、開口部42を開口させ且つ開口部42を下向きにしても、各々の弾発体8が、開口部42から抜け落ちることを防止できる。
図5及び図6に示すように、図4の状態から各々の筆記体6を僅かに引き出すと、各々のインキ収容管62の弾発体支持部9よりも後方部分(具体的には弾発体支持部9の内孔91よりも後方部分)が径方向外方に湾曲状に弾性変形(撓み変形)し、係止壁部43の側面とインキ収容管62または操作体7とが径方向の圧接状態となる。本実施の形態では、筆記体6及び操作体7を軸筒2内から取り外す際、係止壁部43の側面とインキ収容管62または操作体7とが径方向に圧接すると同時に、インキ収容管62が湾曲状に弾性変形することにより、筆記体6及び操作体7の軸筒2内からの取り外しが容易となる。同様に、本実施の形態では、筆記体6及び操作体7を軸筒2内に挿入する際、係止壁部43の側面とインキ収容管62または操作体7とが径方向に圧接すると同時に、インキ収容管62が湾曲状に弾性変形することにより、筆記体6及び操作体7の軸筒2内への挿入が容易となる。
本実施の形態では、鍔部75の後面に軸線に対する傾斜面75aを設けたことにより、筆記体6及び操作体7を軸筒2内から後方に引き出したとき、鍔部75の後面の傾斜面75aと係止壁部43とが当接することによって、操作体7が径方向外方に押し上げられる。それにより、鍔部75の後面が係止壁部43に引っかかることなく、操作体7の鍔部75と係止壁部43との係止状態が容易に解除され、筆記体6及び操作体7のスムーズな取り外しが可能となる。
また、本実施に形態では、開口部42を開口させた状態で、ペン先没入状態にある筆記体6の後端の操作体7を前方にスライドさせ、そのスライド操作前にペン先突出状態にある他の筆記体6を弾発体8の弾発力により後方に勢いよく没入させても、図4に示すように操作体7が係止壁部43に前後方向に係止されるか、あるいは、図5に示すように操作体7または筆記体6(インキ収容管62)と係止壁部43とが径方向に圧接される。それにより、筆記体6及び操作体7が、軸筒2後端の開口部42から飛び出して、軸筒2内から脱落するおそれがない。
2 軸筒
3 前軸
31 前端孔
4 後軸
41 窓孔
42 開口部
43 係止壁部
44 クリップ
45 被係合部
5 蓋部
51 当接壁部
52 ヒンジ部
53 係合部
6 筆記体
61 ペン先(ボールペンチップ)
62 インキ収容管
7 操作体
71 操作部
72 前側突出部
73 後側突出部
74 嵌入部
75 鍔部
75a 傾斜面
8 弾発体
9 弾発体支持部
91 内孔
92 保持部
Claims (6)
- 軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させてなる多芯筆記具であって、軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、前記開口部を通して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成し、前記開口部を開口し且つ前記開口部を下向きにしたとき、筆記体及び操作体が軸筒内を落下移動し、前記筆記体または操作体が軸筒内壁に係止されてなることを特徴とする多芯筆記具。
- 前記開口部を通して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外す際及び軸筒内に挿入する際、筆記体または操作体が湾曲状に弾性変形可能である請求項1記載の多芯筆記具。
- 軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させてなり、ペン先突出状態の筆記体後端の操作体が係止される係止壁部を軸筒内壁に設けた多芯筆記具であって、軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、前記開口部を通して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成し、前記開口部を開口し且つ前記開口部を下向きにしたとき、筆記体及び操作体が軸筒内を落下移動し、前記筆記体または操作体が係止壁部に係止されてなることを特徴とする多芯筆記具。
- 前記操作体に、弾発体の後端が係止される鍔部を設け、前記開口部を開口し且つ前記開口部を下向きにしたとき、前記鍔部の後面が係止壁部に係止されてなる請求項3記載の多芯筆記具。
- 前記鍔部の後面に軸線に対する傾斜面を設け、操作体を後方に引き出した際、前記傾斜面と係止壁部との当接により、操作体が径方向外方に押し上げられる請求項4記載の多芯筆記具。
- 前記開口部を通して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外す際及び軸筒内に挿入する際、筆記体または操作体が湾曲状に弾性変形可能である請求項3、4または5記載の多芯筆記具。
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