JP4674131B2 - 多芯筆記具 - Google Patents
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Description
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には2本)の筆記体6が前後方向に移動可能に収容される。前記軸筒2内には、前記筆記体6の本数に対応した複数(具体的には2個)のコイルスプリング8が収容される。前記各々の筆記体6は、前記各々のコイルスプリング8により、後方に付勢されている。
前記コイルスプリング8は、具体的には圧縮コイルスプリングである。前記コイルスプリング8の前端部には、密着巻部81が形成される。また、前記コイルスプリング8の後端部には、密着巻部82が形成される。
前記軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、該前軸3の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸4とからなる。前記前軸3の前端には、筆記体6のペン先61が突出可能な前端孔31が軸方向に貫設される。前記前軸3及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
また、前記軸筒2の内壁(即ち後軸4の内壁)には、前後方向に延び且つ径方向内方に突出する2本のリブよりなる隔壁44が、軸線に対して対称位置に一体に形成される。前記隔壁44は、前記係止壁部43の相互間に形成されるとともに、その前端が、スプリング支持部9の後方且つ窓孔41の前方に位置される。即ち、隔壁44の前端は、スプリング収容部21内に位置され、少なくとも、フリー状態のコイルスプリング8の後端より前方に位置される。
軸筒2の内壁(即ち後軸4の内壁)には、円筒状のスプリング支持部9が固着される。前記スプリング支持部9は、筆記体6が挿通される複数(具体的には2個)の内孔91が軸方向に貫設されている。前記スプリング支持部9の後面と、各々の操作体7の鍔部75の前面との間には、コイルスプリング8が配置される。前記各々のコイルスプリング8の内部に筆記体6(即ちインキ収容管62)が遊挿されるとともに、各々のコイルスプリング8の前端はスプリング支持部9の後面により係止され、各々のコイルスプリング8の後端は操作体7の鍔部75の前面に係止される。尚、前記スプリング支持部9は、軸筒2内壁に一体に形成されてもよい。
前記スプリング支持部9の後方の軸筒2内(即ち後軸4内)には、複数(具体的には2個)のスプリング収容部21が形成される。前記スプリング収容部21の相互間には前記隔壁44が配置される。本実施の形態では、前記隔壁44は、180度対称位置より径方向内方に突出される2本のリブからなる。前記スプリング収容部21には、非圧縮状態(即ち後端部がフリーな状態)のコイルスプリング8が収容される。
前記後軸4の後端部には、前記開口部42を開閉自在にする蓋部5が回動自在に設けられる。前記蓋部5の一端部は、クリップ基部に、ヒンジ部52により回動自在に接続される。前記ヒンジ部52は、ペン先下向きでクリップ45を正面視したときのクリップ45
の左右方向に延設され、それにより、前記蓋部5は、略前後方向に回動自在となる。前記蓋部5の前面には、当接壁部51が形成される。前記当接壁部51に、没入状態の筆記体6の後端に連結された各々の操作体7の後端が、衝止される。
前記各々の筆記体6は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先61)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口されたインキ収容管62とからなる。前記インキ収容管62の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管62内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。
前記各々の筆記体6の後端(即ちインキ収容管62の後端開口部)には、操作体7が取り付けられる。前記各々の操作体7は、後端部に形成され且つ軸筒2の窓孔41から外部に突出する操作部71と、該操作部71の反対側に設けられる前側突出部72と、該操作部71の反対側の前側突出部72の後方に設けられる後側突出部73と、前端部に形成され且つインキ収容管62の後端開口部に嵌入される嵌入部74と、該嵌入部74の後方に形成される鍔部75とを備える。前記嵌入部74は、インキ収容管62の後端開口部に嵌入された際、インキ収容管62の後端開口部を完全には塞がず、インキ収容管62の内部と外部とを通気可能にする。また、前記鍔部75の前面には、コイルスプリング8の後端が係止される。
前記各々の操作体7は、連結される筆記体6の内部(即ちインキ収容管62内部)に収容されたインキの色と略同じ色に着色される。具体的には、前記操作体7の各々は、連結される筆記体6のインキ色と略同じ色に着色された合成樹脂の成形体からなる。それにより、前記操作体7は、インキ色表示からなる識別表示を有する。例えば、インキ色が黒色の筆記体6に連結する操作体7は黒色に着色され、インキ色が青色の筆記体6に連結する操作体7は青色に着色され、インキ色が赤色の筆記体6に連結する操作体7は赤色に着色され、インキ色が緑色の筆記体6に連結する操作体7は緑色に着色される。本実施の形態では、インキ色の互いに異なる2本の筆記体6を軸筒2内に収容している。
本実施の形態におけるペン先61の出没作動について説明する(図1及び図2参照)。
一つの操作体7の操作部71をコイルスプリング8の後方付勢に抗して窓孔41に沿って前方にスライド操作すると、そのスライド操作された操作体7の前側突出部72が、先に突出状態にある他の筆記体6の操作体7の後側突出部73を径方向外方に持ち上げる。それにより、軸筒2内壁の係止壁部43と操作体7との係止状態が解除され、他の筆記体6がコイルスプリング8の後方付勢により後方に移動され、他の筆記体6のペン先61が軸筒2内に没入され、他の筆記体6の操作体7の後端が蓋部5の前面の当接壁部51に当接衝止される。前記他の筆記体6のペン先61の没入と同時に、前記前方にスライド操作した操作体7に連結された筆記体6のペン先61が、軸筒2の前端孔31より外部に突出されるとともに、前方にスライド操作された操作体7の後端が軸筒2内壁の係止壁部43に係止され、そのペン先突出状態が維持される。
本実施の形態における筆記体6及び操作体7の交換について説明する。
筆記体6を交換する際、蓋部5が軸筒2の後端の開口部42を閉鎖した状態(図1参照)から、蓋部5のヒンジ部52と反対側の操作端部を後方に押圧し、係合部53と被係合部46との係合を解除し、蓋部5を後方に回動させ、軸筒2の後端の開口部42を開口する。前記開口部42を開口させると、前記開口部42から各々の操作体7が、コイルスプリング8の後方付勢により後方外部に突出される。前記軸筒2の後端の開口部42が開口した状態(図3参照)で、操作体7を取り出すことにより、その操作体7と互いに連結状態にある筆記体6を、前記開口部42を通して軸筒2内から取り出す。その後、互いに連結状態にある新たな筆記体6と新たな操作体7とを前記開口部42を通して軸筒2内に挿入する。そして、蓋部5の当接壁部51に各々の操作体7を当接させ、各々の操作体7を前方に押圧しながら蓋部5を前方に回動させ、その後、係合部53と被係止部45とを係合させ、開口部42を閉鎖する。これにより、筆記体6及び操作体7の交換作業が終了する。
本実施の形態の多芯筆記具1の組立工程において、複数のコイルスプリング8を軸筒2内に挿入した際、前記隔壁44により、軸筒2内でコイルスプリング8同士が絡み合うことがない。
また、図4及び図5に示すように、本実施の形態の多芯筆記具1の筆記具及び操作体7の交換時において、互いに連結状態の筆記体6及び操作体7を軸筒2後端の開口部42を通して軸筒2内から取り外すと、軸筒2内において、コイルスプリング8の後端部がフリーな状態となる。一方、このとき、コイルスプリング8の前端部がスプリング支持部9の保持部92により保持されている。このとき、コイルスプリング8の後端部の密着巻部82が窓孔41を通して外部より視認可能となるととともに、コイルスプリング8の密着巻部82の前方部分が窓孔41からは露出していない。それにより、互いに連結状態の新たな筆記体6及び操作体7を後軸4後端の開口部42より挿入し、筆記体6のペン先61をコイルスプリング8内部に挿入する際、筆記体6のペン先61がコイルスプリング8内部に挿入される状態を目視により確認しながら筆記体6を適正にコイルスプリング8内部に挿入でき、筆記体6のペン先61を、誤って密着巻部82の前方の線材間に差し込むことを、確実に回避できる。
2 軸筒
21 スプリング収容部
3 前軸
31 前端孔
4 後軸
41 窓孔
42 開口部
43 係止壁部
44 隔壁
45 クリップ
46 被係合部
5 蓋部
51 当接壁部
52 ヒンジ部
53 係合部
6 筆記体
61 ペン先(ボールペンチップ)
62 インキ収容管
7 操作体
71 操作部
72 前側突出部
73 後側突出部
74 嵌入部
75 鍔部
8 コイルスプリング
81 密着巻部
82 密着巻部
9 スプリング支持部
91 内孔
92 保持部
Claims (3)
- 軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、軸筒内に各々の筆記体を後方に付勢する複数のコイルスプリングを収容し、前記各々の筆記体の後端に操作体を連結し、軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させる多芯筆記具であって、軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、前記開口部を通して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成し、筆記体及び操作体を軸筒内から取り外した状態のとき、コイルスプリングの後端が窓孔の前端より後方に位置し、コイルスプリングの後端が外部より窓孔を通して視認可能であることを特徴とする多芯筆記具。
- 前記コイルスプリングの後端に密着巻部を形成し、前記筆記体及び操作体を軸筒内から取り外した状態のとき、前記密着巻部の後端が窓孔の前端より後方に位置し、前記密着巻部が外部より窓孔を通して視認可能である請求項1記載の多芯筆記具。
- 前記筆記体及び操作体を軸筒内から取り外した状態のとき、前記密着巻部の前端が窓孔の前端より前方に位置してなる請求項2記載の多芯筆記具。
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- 2005-07-25 JP JP2005213900A patent/JP4674131B2/ja active Active
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