JP4689051B2 - 焦点調節装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子スチルカメラやビデオカメラなどの撮像装置に用いられる焦点調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子スチルカメラの合焦方式の一種である、CCDなどの撮像素子から得られる輝度信号の高域成分が最大になるレンズ位置を合焦位置とする方式として、測距範囲の全域に亘ってフォーカスレンズを駆動しながら撮像素子から得られる輝度信号の高域成分の平均値(以下、焦点評価値という)を記憶していき、記憶した値の最大値に相当するレンズ位置を合焦位置とする方式(AFスキャン方式)が知られている。
【0003】
図10は撮影画面中の測距エリアを示す図である。上記AFスキャン方式では、通常、図10に示すように、撮影画面に対して中央部分を測距エリアとし、この範囲内の被写体に対して焦点評価値が最大となるレンズ位置を合焦位置としている。
【0004】
図11はAFスキャン方式でAF動作を行った場合におけるフォーカスレンズ位置と焦点評価値との関係を示すグラフである。焦点評価値は、所定のレンズ位置で山形のピークを有する。
【0005】
ビデオカメラのように、常時、被写体を追従するサーボ方式のAFを採用した多くの電子スチルカメラでは、サーボAFの合焦度が高いと判断された場合、図12に示すように、フォーカスレンズの初期停止位置前後の狭い範囲をスキャンし、このときのピーク位置を合焦位置とすることで合焦時間を短くしている。図12はサーボ方式で合焦度が高い場合におけるフォーカスレンズ位置と焦点評価値との関係を示すグラフである。
【0006】
図13はサーボ方式で合焦度が低い場合あるいはサーボAF機能を有しないカメラにおけるフォーカスレンズ位置と焦点評価値との関係を示すグラフである。サーボAFの合焦度が低いと判断された場合、あるいはサーボAF機能を有しないカメラでは、同図(A)に示すように、サンプリング間隔を粗くして全域をスキャンした後、このとき求めたピーク前後の比較的狭い範囲を、同図(B)に示すように、再度、スキャンし、このとき求めたピーク位置を合焦位置としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の焦点調節装置では、以下に掲げる問題があり、その改善が要望されていた。すなわち、サーボAF機能を有しないカメラの場合、常に全範囲をスキャンするために、合焦時間が長くなっていた。また、サーボAF機能を有したカメラが既に合焦位置にある場合でも、常に一定範囲のスキャンをやり直すので、これにより、合焦時間が長くなっていた。さらに、全範囲をスキャンする場合、スキャン途中で合焦位置を通過しても全範囲スキャンを途中で中断しないので、これにより、合焦時間が長くなっていた。
【0008】
そこで、本発明は、合焦時間を大幅に短縮できる焦点調節装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の焦点調節装置は、撮像素子から得られる輝度信号の高域成分から焦点評価値を抽出する第1の抽出手段と、被写体輝度の最大値と最小値の差に対する被写体輝度の高周波成分のピーク値を抽出する第2の抽出手段と、撮影スタンバイ動作を行うためのスイッチの操作に伴って現在位置での被写体像の合焦度を前記第2の抽出手段から抽出された被写体輝度の最大値と最小値の差に対する被写体輝度の高周波成分のピーク値から取得し、当該取得された合焦度が所定値よりも大きい場合には前記結像光学系を移動させながらの所定回数の焦点評価値の取得の中で焦点位置を探し、当該取得された合焦度が所定値よりも小さい場合には前記結像光学系を所定焦点調節範囲の全範囲を移動させながら焦点評価値を取得するように制御すると共に、当該全範囲の移動途中に前記第1の抽出手段により抽出された焦点評価値が前記所定の条件を満たすと判定される焦点位置がある場合には前記全範囲を移動させることなく合焦位置の判定を行う制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の焦点調節装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態における焦点調節装置は電子スチルカメラに適用される。図1は実施の形態における電子スチルカメラの構成を示すブロック図である。図において、101は固定レンズである。102は絞り、シャッタなどの光量制御部材である。103は絞り、シャッタなどを動かすモータである。
【0014】
104は絞り、シャッタなどを動かすモータを駆動するメカ系駆動回路である。105は撮像素子109に焦点を合わせるためのフォーカスレンズである。106はフォーカスレンズ105のリセット位置を検出するフォトインタラプタである。107はフォーカスレンズ105を動かすモータである。108はフォーカスレンズを動かすモータ107を駆動するフォーカスレンズ駆動回路である。109は被写体からの反射光を電気信号に変換する撮像素子である。110は撮像素子109を動作させるために必要なタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路である。
【0015】
111は撮像素子109の出力ノイズを除去するCDS回路およびA/D変換前に増幅を行う非線形増幅回路を備えた前置処理回路である。112はA/D変換器である。113はバッファメモリである。114はメモリの読み書きやDRAMのリフレッシュ動作を制御するメモリコントローラである。115は撮影シーケンスなどのカメラ動作を制御するマイクロコントローラ(システム制御用CPU)である。116は操作補助のための表示やカメラの状態を表す操作表示部である。117はカメラを外部から操作するための操作部である。
【0016】
118は電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROM)である。119は拡張ユニット120とのインターフェースである。120は電子スチルカメラ本体に接続されて各種処理や操作を行うための着脱自在な拡張ユニットである。121は記録媒体122を接続するためのインターフェースである。122はメモリカードやハードディスクなどの記録媒体である。
【0017】
123はカメラ本体に電源を投入するためのメインスイッチである。124はAF、AE等の撮影スタンバイ動作を行うためのスイッチ(以下、SW1とする)である。125はSW1(124)の操作後、撮影を行う撮影スイッチ(以下、SW2とする)である。126は撮影モードを設定するモードスイッチ(SW)である。127はストロボである。128はLED等を光源とする補助光である。
【0018】
前置処理回路111は、撮像素子109の出力信号から焦点評価値を表す信号を抽出する抽出手段、および被写体輝度の高周波成分のピーク、被写体輝度の最大値および最小値の差を抽出する抽出手段を有する。
【0019】
マイクロコントローラ115は、数式(1)に示す通り、この焦点評価値を正規化した値(以下、合焦度という)を、被写体輝度の高周波成分のピーク、被写体輝度の最大値および最小値の差から求める手段を有する。この合焦度は、被写体の色や模様に左右されにくい性質を有する。但し、平均化された値でないので、ノイズ成分を多く含んでおり、合焦位置を求めるデータとしては適さない。
【0020】
合焦度=高周波成分のピーク/(被写体輝度の最大値−被写体輝度の最小値)
…… (1)
ここで、被写体輝度の最大値と最小値の差が小さい場合、つまり被写体の明暗差が小さい場合、合焦度を値0に設定する。
【0021】
図2、図3および図4は電子スチルカメラの合焦動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、EEPROM(不揮発性メモリ)118に格納されており、マイクロコントローラ(システム制御用CPU)115によって実行される。まず、SW1(124)が押されると、撮影に必要な一連の処理を行ってAF動作に移行する。
【0022】
現在位置の合焦度、焦点評価値およびフォーカスレンズ位置をバッファメモリ113に記憶する(ステップS101)。焦点評価値を焦点評価最大値の初期値とする(ステップS102)。
【0023】
そして、現在位置の合焦度が合焦判定値1より大きいか否かを判別し(ステップS103)、現在位置の合焦度が合焦判定値1より大きい場合、現在の停止位置が合焦点に比較的近いと判断し、ステップS104の処理に移行する。ここで、合焦判定値1は、現在位置が合焦点に近いか否かを判定するために、合焦度と比較される所定値である。ステップS104〜S111の処理は、合焦度が高い場合の予備スキャンによる無限方向への焦点評価値下降検出シーケンスである。一方、ステップS103で、現在位置の合焦度が合焦判定値1以下である場合、現在の停止位置が合焦点から離れていると判断してステップS122の処理に移行する。ステップS122〜S138の処理は、合焦度が低い場合の全範囲スキャンによる合焦シーケンスである。
【0024】
焦点評価値下降検出シーケンスでは、無限方向への移動回数を計数する移動回数カウンタ(loop回数)を値0にクリアする(ステップS104)。そして、無限方向にnステップ移動すると共に、移動回数カウンタをカウントアップし(ステップS105)、焦点評価値を取り込む(ステップS106)。
【0025】
焦点評価値が焦点評価最大値より大きいか否かを判別し(ステップS107)、大きい場合、焦点評価最大値を更新する(ステップS108)。
そして、焦点評価値が焦点評価最大値のK1倍(K1は1未満の値)より小さいか否かを判別し(ステップS109)、小さい場合、焦点評価値の下降を検出したと判断し、無限方向への焦点評価値下降検出シーケンスを終了し、ステップS112の処理に移行する。ステップS112〜S121の処理は合焦度が高い場合の本スキャンシーケンスである。図5は合焦度が高い場合の予備スキャンにおける焦点評価値の下降を示すグラフである。
【0026】
一方、ステップS109で、焦点評価値が焦点評価最大値のK1倍(K1は1未満の値)より小さくない場合、移動後の現在位置が無限端を越えたか否かを判別し(ステップS110)、越えた場合、焦点評価値の下降検出中に無限端に達したので、合焦位置は至近側にあると判断し、合焦度が高い場合のステップS112以降の本スキャンシーケンスに移行する。
【0027】
一方、ステップS110で、越えていない場合、移動回数カウンタ(loop回数)が最大移動回数1(MAX loop1)を越えたか否かを判別する(ステップS111)。越えた場合、合焦位置がフォーカスレンズ初期位置付近に無かったと判断し、合焦度が低い場合の全範囲スキャンによるステップS122以降の合焦シーケンスに移行する。これにより、ステップS103で誤って、フォーカスレンズ105の初期停止位置が合焦点付近であると判断した場合でも、短時間でリカバリ可能となる。
【0028】
一方、ステップS111で、移動回数カウンタが最大移動回数1(MAX loop1)以下である場合、ステップS105の処理に戻り、焦点評価値下降検出シーケンスを繰り返す。
【0029】
本スキャンシーケンスでは、まず、合焦度が高い場合の本スキャンシーケンスの開始位置として、その時点の現在位置および焦点評価値をバッファメモリ113に記憶する(ステップS112)。焦点評価値を焦点評価最大値の初期値とする(ステップS113)。至近方向への移動回数を計数する移動回数カウンタ(loop回数)を値0にクリアする(ステップS114)。
【0030】
そして、至近方向へnステップ移動すると共に、移動回数カウンタをカウントアップし(ステップS115)、移動後の現在位置および焦点評価値をバッファメモリ113に記憶する(ステップS116)。焦点評価値が焦点評価最大値より大きいか否かを判別する(ステップS117)。大きい場合、焦点評価最大値を更新する(ステップS118)。
【0031】
焦点評価値が焦点評価最大値のK1倍(K1は1未満の値)より小さいか否かを判別し(ステップS119)、焦点評価値が焦点評価最大値のK1倍より小さい場合、焦点評価値の下降を検出したと判断し、合焦点計算処理を行う(ステップS139)。図6は合焦度が高い場合の本スキャンにおける焦点評価値の下降を示すグラフである。
【0032】
一方、ステップS119で、焦点評価値が焦点評価最大値のK1倍より小さくない場合、移動後の現在位置が至近端を越えたか否かを判別し(ステップS120)、越えた場合、ステップS139で合焦点計算処理を行う。一方、越えていない場合、移動回数カウンタが最大移動回数2(MAX loop2)を越えたか否かを判別し(ステップS121)、越えた場合、合焦位置がフォーカスレンズ初期位置付近に無かったと判断し、合焦度が低い場合の全範囲スキャンによるステップS122以降の合焦シーケンスに移行する。これにより、ステップS103で誤って、初期停止位置を合焦点付近と判断した場合でも短時間でリカバリ可能になる。一方、移動回数カウンタが最大移動回数2(MAX loop2)以下である場合、ステップS115の処理に戻り、焦点評価値下降検出シーケンスを繰り返す。
【0033】
合焦シーケンスでは、フォーカスレンズで全域をスキャンするので、初期位置である至近端にレンズを移動する(ステップS122)。現在位置の合焦度、焦点評価値、フォーカスレンズ位置をバッファメモリ113に記憶する(ステップS123)。焦点評価値を焦点評価最大値の初期値とする(ステップS124)。
【0034】
無限方向へmステップ移動すると共に、移動回数カウンタをカウントアップする(ステップS125)。ここで、mステップとは、nステップよりステップ幅の大きなステップである。移動後の位置、焦点評価値をバッファメモリ113に記憶する(ステップS126)。焦点評価値が焦点評価最大値より大きいか否かを判別し(ステップS127)、大きい場合、焦点評価最大値を更新し、合焦度をピーク合焦度として記憶する(ステップS128)。
【0035】
さらに、焦点評価値が焦点評価最大値のK2倍(K2は1未満の値)より小さいか否かを判別し(ステップS129)、小さい場合、焦点評価値の下降を検出したと判断し(極大値検出)、ステップS130の処理に移行する。ピーク合焦度が合焦判定値2より大きいか否かを判別し(ステップS130)、大きい場合、最大のポイント(ピーク位置)の合焦度が高いと判断し、全域スキャンを終了し、ステップS122〜S131で求めたデータを基に合焦位置を計算するために、ステップS132の処理に移行する。ここで、合焦判定値2は、ピーク位置の合焦度が高いか否かを判定するために、合焦度と比較される所定値である。図7は合焦度が低い場合の全範囲スキャンを示すグラフである。
【0036】
一方、ステップS129で焦点評価値が焦点評価最大値のK2倍以上である場合、あるいはステップS130でピーク合焦度が合焦判定値2より大きくない場合、移動後の現在位置が無限端を越えたか否かを判別し(ステップS131)、まだ、無限端に達していない場合、ステップS125の処理に戻って同様の処理を繰り返す。一方、移動後の現在位置が無限端を越えた場合、ステップS122〜S131で求めたデータを基に合焦位置を計算するためにステップS132の処理に移行する。
【0037】
ステップS122〜S131でスキャンし、バッファメモリ113に記憶したフォーカスレンズ位置および焦点評価値を基に合焦点を求める(ステップS132)。
【0038】
図8は合焦位置の計算方法を示す図である。合焦位置の計算は、以下の(A)、(B)の手順で行われる。
【0039】
(A)スキャン範囲内で焦点評価値が最大のポイントをMAX1、2番目に大きいポイントをMAX2、3番目に大きいポイントをMAX3とし、それぞれの焦点評価値をY1,Y2,Y3とするX−Y座標を想定する。また、スキャンステップmをSTEPとする。
【0040】
(B)MAX1とMAX3を通る直線と、この直線に対してY軸を中心に反転した傾きを有し、MAX2を通る直線との交点を求める。
【0041】
MAX1からMAX2側にdXだけ移動した位置が焦点位置になり、dXは数式(2)により求まるので、簡単に焦点位置を求めることが可能である。
【0042】
dX=(STEP/2)×(Y2−Y3)/(Y1−Y3) ……(2)
実験の結果、スキャンステップの1/6程度の細かさまで焦点位置を計算でき、結果的にスキャンステップnおよびmを粗くすることができるようになった。
【0043】
この後、合焦点の前後をスキャンするために、スキャン初期位置としてステップS132で求めた合焦点からp1カウント無限側に移動する(ステップS133)。但し、無限端に至る場合、そこでリミット処理される。移動後のフォーカスレンズ位置および焦点評価値をバッファメモリ113に記憶する(ステップS134)。現在位置から至近側にnステップ移動する(ステップS135)。移動後の現在位置、焦点評価値をバッファメモリ113に記憶する(ステップS136)。
【0044】
移動後の現在位置がステップS132で求めた合焦点からp1カウント至近側まで達したか否かを判別し(ステップS137)、達した場合、スキャン終了としてステップS139の処理に移行する。一方、達していない場合、移動後の現在位置が至近端をオーバーしたか否かを判別し(ステップS138)、オーバーした場合、スキャン終了としてステップS139の処理に移行する。一方、オーバーしていない場合、ステップS135の処理に戻って、同様の処理を繰り返す。図9は合焦度が低い場合の全範囲スキャン後のステップS133〜S138における再スキャン動作を示すグラフである。
【0045】
そして、ステップS139では、ステップS112〜S121あるいはステップS133〜S138でスキャンし、バッファメモリ113に記憶されたフォーカスレンズの現在位置および焦点評価値を基に合焦点を求める。ここで、合焦点の求め方は、前述した図8を基にステップS132で説明した同じ計算式を用い、スキャンステップnの1/6程度の細かさで求める。合焦点へ移動し(ステップS140)、この処理を終了する。この後、撮影スイッチ(SW2)125が押されると、撮影を開始する。
【0046】
本実施形態では、サーボAFの機能の有無に関わらず、撮影直前のフォーカスレンズ停止位置での合焦度が高い場合、合焦時間を短くすることができる。この場合、合焦スキャンを最小範囲に限定でき、更なる合焦時間の短縮が可能になる。最初に合焦度が高いと判断した場合でも、その後のスキャン中に合焦位置が初期位置付近にないことが分かった場合、全範囲スキャンに切り替わるので、誤測距を防止できる。
【0047】
また、撮影直前のフォーカスレンズ停止位置での合焦度が低い場合、全範囲スキャンになるが、この場合でもスキャン途中に焦点評価値のピークがあり、かつ合焦度が高いことを検出すると、直ぐに、そのピーク付近の狭い範囲でのスキャンに切り替わるので、合焦時間を短くすることができる。さらに、全域スキャンは至近端から無限方向に行われるので、近側優先になり、山を背景にした人間を撮影する場合、間違って背景の山に合焦することは無い。
【0048】
また、合焦位置を合焦位置付近の3ポイントのデータから計算で求めているので、スキャンステップn、mの幅を共に広くとることができ、合焦時間の短縮が可能になる。
【0049】
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これら実施の形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0050】
例えば、ステップS101〜S103の処理による合焦度の分岐を行わず、最初からステップS104〜S111で合焦度が高い場合の予備スキャンを行うことも可能である。一方、合焦度が低い場合、ステップS111の判定で全範囲スキャンによる合焦シーケンス(ステップS122〜S138)に移行するようにする。
【0051】
また、焦点位置の合焦の確かさを確認するために、合焦度を使用したが、焦点評価値で代用することも可能である。
【0052】
さらに、上記実施形態では、電子スチルカメラについて説明したが、ビデオカメラにおける静止画撮影においても本発明は適用可能である。
【0053】
また、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記録媒体を装置に供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、プログラム自体およびそのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0054】
上記実施形態では、図2、図3、図4のフローチャートに示すプログラムコードは記憶媒体であるROMに格納されている。プログラムコードを供給する記憶媒体としては、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、CD−R、DVD、不揮発性のメモリカードなどを用いることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、合焦時間を大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における電子スチルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】電子スチルカメラの合焦動作処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図2につづく電子スチルカメラの合焦動作処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図2および図3につづく電子スチルカメラの合焦動作処理手順を示すフローチャートである。
【図5】合焦度が高い場合の予備スキャンにおける焦点評価値の下降を示すグラフである。
【図6】合焦度が高い場合の本スキャンにおける焦点評価値の下降を示すグラフである。
【図7】合焦度が低い場合の全範囲スキャンを示すグラフである。
【図8】合焦位置の計算方法を示す図である。
【図9】合焦度が低い場合の全範囲スキャン後のステップS133〜S138における再スキャン動作を示すグラフである。
【図10】撮影画面中の測距エリアを示す図である。
【図11】AFスキャン方式でAF動作を行った場合におけるフォーカスレンズ位置と焦点評価値との関係を示すグラフである。
【図12】サーボ方式で合焦度が高い場合におけるフォーカスレンズ位置と焦点評価値との関係を示すグラフである。
【図13】サーボ方式で合焦度が低い場合あるいはサーボAF機能を有しないカメラにおけるフォーカスレンズ位置と焦点評価値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
105 フォーカスレンズ
108 フォーカスレンズ駆動回路
109 撮像素子
111 前置処理回路
115 マイクロコントローラ(システム制御用CPU)
118 不揮発性メモリ(EEPROM)
Claims (1)
- 撮像素子から得られる輝度信号の高域成分から焦点評価値を抽出する第1の抽出手段と、
被写体輝度の最大値と最小値の差に対する被写体輝度の高周波成分のピーク値を抽出する第2の抽出手段と、
撮影スタンバイ動作を行うためのスイッチの操作に伴って現在位置での被写体像の合焦度を前記第2の抽出手段から抽出された被写体輝度の最大値と最小値の差に対する被写体輝度の高周波成分のピーク値から取得し、当該取得された合焦度が所定値よりも大きい場合には前記結像光学系を移動させながらの所定回数の焦点評価値の取得の中で焦点位置を探し、当該取得された合焦度が所定値よりも小さい場合には前記結像光学系を所定焦点調節範囲の全範囲を移動させながら焦点評価値を取得するように制御すると共に、当該全範囲の移動途中に前記第1の抽出手段により抽出された焦点評価値が前記所定の条件を満たすと判定される焦点位置がある場合には前記全範囲を移動させることなく合焦位置の判定を行う制御手段とを有することを特徴とする焦点調節装置。
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