JP4688335B2 - ベーカリー製品用生地 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベーカリー製品用品質改良組成物、並びに該品質改良組成物を用いたベーカリー製品用生地、ベーカリー製品及びその製造方法に関する。より詳しくは、イネ科植物由来のβグルカンを含有するベーカリー製品用品質改良組成物、並びに該品質改良組成物を用いたベーカリー製品用生地、ベーカリー製品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的にベーカリー製品の製造に際して、多種多様な目的で品質改良剤が使用されている。生地の製造工程では、生地の調製あるいは成形などの作業性を改善するため、生地のべとつきや軟化あるいは硬化を調整する改良剤が使用されている。また焼成時には、製品のボリュームアップや弾力性の付与、製品表面に発生する「なし肌」の改善など、製品価値の向上に寄与する改良剤が求められている。ベーカリー製品の保存や貯蔵では、焼成後のベーカリー製品の経時的な固化現象、食感などの物性の劣化を防止又は遅延させることが課題であり、その解決に改良剤が開発されている。また、冷凍保存生地では、冷凍耐性の付与に改良剤は欠くことのできない添加剤となっている。これらの目的に、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、レシチンなどの乳化剤、グルテンネットワークの強化に働く酸化剤、グルテンネットワークの改質に役立つαアミラーゼやプロテアーゼなどの酵素類、あるいは上記成分を含んだ油脂、ソルビット、トレハロースなどの糖類、キサンタンガムやペクチンなどの増粘多糖類、α化加工デンプンなど、各種食品添加物が使用されてきた。
【0003】
一方、最近では、消費者は、製品に対して、食味食感が良好で「美味しい」ことはもちろんのこと、安全性に対する関心が高く、合成添加物を敬遠し、天然物指向が顕在化している。
また、食事の西欧化や高齢化の進展によって、生活習慣病の罹患率が増加しており、消費者が自身の健康へ配慮し、生体調節機能性が付与された食品を積極的に摂取しようとの意識が浸透しつつある。
【0004】
このような状況の中で、食味食感や風味発現の低下につながる上記に挙げた添加物の利用、特に合成乳化剤の使用量を低減し、なるべく天然物のみを使用することでベーカリー製品にかかかわる課題を改善する方法や、そのような天然物を中心とした添加剤の開発が強く望まれている。また、健康機能性が従来の食品よりも高められたベーカリー製品に対するニーズも高まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ベーカリー製品に対して優れた品質改良効果を有し、且つ食味食感の低下などがなく、さらに優れた健康機能性を付与し得るベーカリー製品用品質改良組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、イネ科植物から抽出されたβグルカンに着目し、該βグルカンの製パン性への影響について種々の検討を行う中で、該βグルカンが、小麦粉生地に対して吸水力を増加させ焼成後のパン類のボリュームアップに寄与することを見出した。
上記のイネ科植物から抽出されたβグルカンは、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有するβグルカンであり、該βグルカンは、近年その優れた生体調節機能性、例えば、脂質代謝改善作用・整腸作用・血糖値上昇抑制などが解析され、利用が注目されている素材である。このような素材を加工食品にて広く利用することは、加工食品の機能性増強(高付加価値化)に寄与するのみならず、広く国民の健康維持への貢献が期待され、きわめて有意義なことである。
【0007】
本発明者らは、更に検討を進めた結果、イネ科植物から抽出されたβグルカンが、健康機能性はもとより、穀類粉末より調製されるベーカリー製品に対して、吸水力アップ機能を有する増粘多糖類と比較して食味食感の改良効果が非常に優れていること、乳化剤や酸化剤に起因した風味の低下を抑制すること、従来使用しているベーカリー製品の改良剤の添加量を低減あるいは添加しない場合においても改良効果が保持され、作業性が良く、ソフトなボリュームのあるベーカリー製品が得られ、食味食感の向上が図れること、また冷凍生地などにおいても老化防止に優れたベーカリー製品が得られることなどの優れた品質改良効果を発現することを見出し、本発明に至った。
【0008】
即ち、本発明は、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有する、大麦類やオーツ麦類の全粒粉や穀粒を外周部より搗精した胚乳部分やその際発生する糠から水、温水又は熱水で抽出された、重量平均分子量10万以下のβグルカンを、10〜95質量%含有するベーカリー製品用品質改良組成物を、上記βグルカンが、ベーカリー製品中の穀類粉末に対して、1.2〜1.8重量%となる範囲で使用されたパン生地であることを特徴とするベーカリー製品用生地を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、穀類粉末を主原料とするベーカリー製品の製造方法において、当該製造方法の何れかの工程中に、上記の本発明の品質改良組成物を添加混合することを特徴とするベーカリー製品の製造方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、穀類粉末に上記の本発明の品質改良組成物を添加混合して調製したベーカリー製品用生地を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、上記の本発明のベーカリー製品用生地を成形・焼成したベーカリー製品を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のベーカリー製品用品質改良組成物に用いられる「1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有する、イネ科植物由来のβグルカン」としては、イネ科植物から抽出されたβグルカン(以下、抽出βグルカンともいう)が好ましい。該抽出βグルカンは、その抽出方法に特に制限はなく、抽出原料となるイネ科植物に、抽出溶媒を添加し抽出すればよい。また、固液分離された場合の抽出液そのもの、あるいは、抽出液より公知の方法で抽出されたβグルカンを濃縮した液体や固体状のもの、あるいは、抽出液より公知の方法で精製し純度を上げた液体や固体状のものなど、何れの製造方法で得たものでも、何れの形態のものでも、何れの純度のものでも使用可能である。もちろんβグルカン以外の抽出された成分が混合していてもなんら問題はない。
【0013】
大麦やオーツ麦のβグルカンは、構造が1−3−β−D−グルコピラノース結合及び1−4−β−D−グルコピラノース結合を主成分とするグルコースの重合体であり、主に種子の胚乳細胞壁を構成する成分として穀類種子にほぼ全体的に分布している。その含有量は、大麦粉では、部位や種によって差はあるが、おおむね3〜10重量%である。従って、本発明では上記のイネ科植物由来のβグルカンとして、上記抽出βグルカン以外に、このような穀類粉末を用いることも可能ではあるが、βグルカンの含有量は、添加した穀類粉末の10重量%程度であり、ベーカリー製品全体としてβグルカンの添加量が制限されることや、βグルカン以外の穀類粉末に含まれる成分による食味・食感の低下や焼けムラなど、製品価値の低下を引き起こす場合がある。従って、本発明で用いられるイネ科植物由来のβグルカンとしては、上記抽出βグルカンが好ましい。
【0014】
上記βグルカンを得るためのイネ科植物としては、例えば、米類・小麦類・トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類などの穀類を挙げることができる。抽出には、植物全体を原料とすることができるが、βグルカンの含有量の比較的高い種子を用いるのが好ましい。また、全体を粉砕したもの(全粒粉)をはじめ、穀類の精製工程で得られる糠、フスマ、麦芽、胚芽、胚乳部位の何れを用いてもよい。好ましくは大麦類やオーツ麦類の全粒粉や穀粒を外周部より搗精した胚乳部分やその際発生する糠、米糠、小麦やトウモロコシ類のフスマや胚芽などであり、さらに好ましくは大麦類やオーツ麦類の全粒粉や穀粒を外周部より搗精した胚乳部分やその際発生する糠である。
【0015】
上記抽出βグルカンは、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有するβグルカンであり、1−3−β−D−グルコピラノース結合及び1−4−β−D−グルコピラノース結合を有するβグルカンを含有することが好ましい。
【0016】
上記抽出βグルカンのイネ科植物からの抽出方法を説明すると、本発明で用いられるβグルカンは、水溶性高分子であるので水溶液として溶解させることができ、例えば、イネ科植物の穀類粉末に水、温水、熱水、あるいは塩溶液、さらには酸・アルカリ性の水溶液、有機溶媒などを用いて、対粉2〜100倍量の溶媒にて任意の時間・任意の温度で抽出することができる。さらに抽出液を固液分離してβグルカンを得ることができる。なかでも、水、温水又は熱水で抽出されたβグルカンが好ましく、温度80℃以下4℃以上の水又は温水で抽出されたβグルカンがより好ましい。さらに抽出時に抽出促進剤などを加えてもよい。
【0017】
上記抽出方法としては具体的には、例えば大麦から高分子量のβグルカンを得る方法としては、多ろう質大麦を原料とし、水抽出により製造する方法(特公平4−11197号公報)、大麦、オーツ麦を原料として、アルカリ抽出、中和、アルコール沈殿により、重量平均分子量10万〜100万のβグルカンを得る方法(特公平6−83652号公報)、搗精歩留まり82%以下の大麦糠類を原料として、80〜90℃の熱水にてβグルカンを抽出する方法(特開平11−225706号公報)などが知られている。これらの抽出方法で得られたβグルカンをさらに公知の方法で低分子化βグルカンとすることができる。低分子化の方法としては、公知である多糖類の加水分解反応の何れもが利用可能である。例えば、水溶性多糖類は、酸存在下に加圧加熱により加水分解することが知られており、これを利用して低分子化することができる。また、酵素による加水分解反応を利用した低分子化も有効で、酵素としては、1−3−βグルカナーゼなどを用いることができる。また、WO98/13056号公報などの方法により、原料穀物から直接抽出して得ることもできる。
【0018】
本発明で用いられる抽出βグルカンは、高分子体で、何れの平均重量分子量を持つβグルカンも使用可能であるが、分子量の低下とともに製パン改良性の向上が認められ、分子量300万以下、好ましくは50万以下、さらに好ましくは10万以下のものがよい。
【0019】
本発明で用いられる上記「1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有する、イネ科植物由来のβグルカン」の含有量は、本発明の品質改良組成物中、0.1〜100重量%、好ましくは1〜95重量%、さらに好ましくは10〜95重量%である。
【0020】
本発明の品質改良組成物は、上記抽出βグルカンなどの「1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有する、イネ科植物由来のβグルカン」の他に、乳化剤、酸化剤及び酵素類からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上、1−2−α−D−グルコピラノース結合、1−3−α−D−グルコピラノース結合、1−4−α−D−グルコピラノース結合及び1−6−α−D−グルコピラノース結合のうちの1種類以上の結合を有する糖質、及び果糖もしくは果糖を含む糖を含有することができる。
【0021】
本発明に用いられる上記乳化剤としては、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジアセチル酒石酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種類以上が好ましく、より好ましくは、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸ジグリセリドなどのジアセチル酒石酸エステルである。その他、上記乳化剤の例を挙げると、例えば、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、シュガーエステルなどが挙げられる。
本発明の品質改良組成物中の上記乳化剤の含有量は、イネ科植物由来のβグルカン100重量部に対して1〜300重量部であるのが良く、また本発明の品質改良組成物をベーカリー製品に使用した場合に、該ベーカリー製品中の穀類粉末に対して、上記乳化剤が、0.01〜5重量%、好ましくは0.08〜1重量%となる量であるのが良い。
【0022】
本発明で上記乳化剤として好ましく用いられるジアセチル酒石酸モノグリセリドは、その製造方法に特に制限されないが、通常、ジアセチル酒石酸無水物とモノグリセリド及びジグリセリドの混合物とを酢酸の存在下で反応させるか、モノグリセリド及びジグリセリドの混合物を酒石酸及び酢酸により無水酢酸の存在下でエステル化して得ることができる。従って、本発明で好ましく用いられるジアセチル酒石酸モノグリセリドは、通常、ジアセチル酒石酸ジグリセリドを含有するものとして得られる。ジアセチル酒石酸モノグリセリドは、水溶液中あるいは水中油型の乳化物中でのpHは、およそ1.3〜1.9の範囲にあり、安定性を向上させるため、本発明の品質改良組成物においては、組成物のpHを3.0〜10.0、好ましくは、4.5〜8.5に調整するのが好ましい。必要であれば、本発明の品質改良組成物にpH調整作用を有する塩基あるいは塩類を添加してpHを調整することができる。添加できる塩基あるいは塩類としては、pH調整作用を有し、食品に添加可能であれば、何れを使用してもかまわない。例えば、アンモニア、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基、あるいは、例えば、酢酸、炭酸、リン酸、こはく酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、酒石酸などのナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム塩類、炭酸水素ナトリウムなどが好ましい。
【0023】
本発明に用いられる上記酸化剤としては、シスチン又はアスコルビン酸から選ばれる少なくとも1種類以上が好ましく、より好ましくはアスコルビン酸である。
本発明の品質改良組成物中の上記酸化剤の含有量は、イネ科植物由来のβグルカン100重量部に対して0.01〜15重量部であるのが良く、また本発明の品質改良組成物をベーカリー製品に使用した場合に、該ベーカリー製品中の穀類粉末に対して、上記酸化剤が、0.0001〜0.2重量%、好ましくは0.0005〜0.1重量%となる量であるのが良い。
【0024】
本発明に用いられる上記酵素類としては、製パン改良効果を有するものであれば何れでもよいが、アミラーゼ類、プロテアーゼ類、セルラーゼ類及びヘミセルラーゼ類からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上が好ましく、その他、酵素の例を挙げると、例えばリパーゼ類、グルコースオキシターゼ、リポキシゲナーゼ、ラクターゼ、インベルターゼ、ペントナーゼ、ペクチナーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、トランスグルタミナーゼなどが挙げられる。
本発明の品質改良組成物中の上記酵素類の含有量は、酵素製剤の純度や酵素の種類によって異なるが、例えば、市販の酵素製剤である場合、イネ科植物由来のβグルカン100重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.05〜30重量部であるのが良い。
【0025】
上記酵素類についてさらに詳しく説明すると、上記アミラーゼ類とは、α−アミラーゼ、イソアミラーゼ及びグルコアミラーゼからなる群から選ばれた1種又は2種以上のアミラーゼであり、Bacillus属、Pseudomonas 属、Aspergillus 属、Rhizopus属、Klebsiells属由来のものが好ましい。また、これらのアミラーゼ類としては、市販のアミラーゼ製剤を使用することができ、例えばα−アミラーゼとしては、天野製薬株式会社製のアミラーゼAD「アマノ」、AH「アマノ」、ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社製のターマミル、BAN、株式会社ヤクルト本社製のユニアーゼBM−8、ナガセ生化学工業株式会社製のスピターゼHS、HK、PN−4、AL、LH、新日本化学工業株式会社製のスミチームL、大和化成株式会社製のクライスターゼ、コクゲンレーム社製のロハラーゼAT、上田化学工業株式会社製の液化酵素T、K、SS、天野製薬株式会社製のビオザイムC、L、株式会社ヤクルト本社製のユニアーゼLなどがある。イソアミラーゼとしては、天野製薬株式会社製のプルラナーゼ「アマノ」、DB−1、ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社製のプロモザイムなどがある。グルコアミラーゼとしては、天野製薬株式会社製のグルコザイムNL、AF6、新日本化学工業株式会社製のスミチームS、SG、AN、AD、AL、ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社製のAMG、デキストロザイム、ナガセ生化学工業のグルコチーム、ヤクルト薬品工業のユニアーゼK、阪急バイオインダストリーのグルターゼ600、AD、大和化成のコクゲン、ダイザイム、三共のコクラーゼG2、サンチームなどがある。尚、上記酵素名は何れも商品名である。
【0026】
また、上記プロテアーゼ類としては、Bacillus属、Thermus 属、Asperigillus属、植物由来、動物由来の何れでも良く、好ましくは、Bacillus属、Thermus 属、Asperigillus属、植物由来のものである。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられるが、これらのプロテアーゼ類としては、市販のプロテアーゼ剤を使用することができ、例えば、天野製薬株式会社製のプロテアーゼN「アマノ」、P「アマノ」、S「アマノ」、ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社製のアルカラーゼ、ニュートラーゼ、新日本化学工業株式会社製のスミチームLP、大和化成株式会社製のサモアーゼなどが挙げられる。尚、上記酵素名は何れも商品名である。その他、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、キモシン(レンネット)も使用できる。
【0027】
また、上記セルラーゼ類としては、Trichoderma 属、Asperigillus属、Fusarium属由来のものが好ましいが、市販されている各種のセルラーゼ剤を用いることができ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。このようなセルラーゼ剤としては、例えば、天野製薬株式会社製のセルラーゼA、T、新日本化学工業株式会社製のスミチームAC、C、ナガセ生化学工業のセルラーゼXP、セルチーム、ヤクルト薬品工業のセルラーゼ「オノズカ」、Y−NC、明治製菓のメイセルラーゼTP、TL、HP、協和発酵のドリセラーゼ、合同酒精のGODO−TCL、TCL−Hなどが挙げられる。尚、上記酵素名は何れも商品名である。
【0028】
また、上記ヘミセルラーゼ類としては、市販されている各種のヘミセルラーゼ製剤を用いることができ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。このようなヘミセルラーゼ剤としては、例えば、天野製薬株式会社製のヘミセルラーゼ「アマノ」、新日本化学工業株式会社製のスミチームX、ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社製のオリベックス、阪急バイオインダストリーのセルロシンHC、B、TP25、GM5、合同酒精のGODO−TXLなどが挙げられる。尚、上記酵素名は何れも商品名である。
【0029】
また、上記リパーゼ類としては、Asperigillus属、Rhizopus属、Pesudomonas 属由来のものが好ましいが、市販されている各種のリパーゼ剤を用いることができ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。このようなリパーゼ剤としては、例えば、天野製薬株式会社製のリパーゼA「アマノ」、P「アマノ」、ナガセ生化学工業株式会社製のリパーゼ(サイケン)などが挙げられる。尚、上記酵素名は何れも商品名である。
【0030】
本発明に用いられる上記「1−2−α−D−グルコピラノース結合、1−3−α−D−グルコピラノース結合、1−4−α−D−グルコピラノース結合及び1−6−α−D−グルコピラノース結合のうちの1種類以上の結合を有する糖質」とは、例えば、1−4−α−D−グルコピラノース結合を有する1−4−αグルカンであるデンプンやグリコーゲン、1−6−α−D−グルコピラノース結合を有する1−6−αグルカンであるデキストラン、1−3−α−D−グルコピラノース結合及び1−6−α−D−グルコピラノース結合を有する1−3,1−6−α−グルカンであるムテンなどが挙げられる。
本発明の品質改良組成物中の上記糖質の含有量は、イネ科植物由来のβグルカンと上記糖質との比が、重量比で、βグルカン/糖質=1/1000〜0.35/1となる量であるのが好ましい。
【0031】
本発明に用いられる上記「果糖もしくは果糖を有する糖」としては、精製果糖、蜂蜜、砂糖、異性化糖、梨やスイカなどの果汁などが挙げられる。
本発明の品質改良組成物中の上記「果糖もしくは果糖を有する糖」の含有量は、イネ科植物由来のβグルカンと上記「果糖もしくは果糖を有する糖」との比が、重量比で、βグルカン/「果糖もしくは果糖を有する糖」=1/40〜15/1となる量であるのが好ましい。このような含有量とすることにより、生地作業時の作業性が良く、食感が優れソフトなボリュームのあるベーカリー製品が得られる。また、冷凍生地などにおいても、老化防止に優れたベーカリー製品を提供することができる。また、上記「果糖もしくは果糖を有する糖」を、果糖純分として、ベーカリー製品中の穀類粉末100重量部に対して、0.1重量部以上含まれるように使用されると、生地作業時の作業性が良く、食感が優れソフトなボリュームのあるベーカリー製品が得られ、さらに冷凍生地においても老化防止に優れたベーカリー製品が得られる。
【0032】
本発明の品質改良組成物には、上述の「1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有する、イネ科植物由来のβグルカン」、乳化剤、酸化剤及び酵素類からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上、1−2−α−D−グルコピラノース結合、1−3−α−D−グルコピラノース結合、1−4−α−D−グルコピラノース結合及び1−6−α−D−グルコピラノース結合のうちの1種類以上の結合を有する糖質、及び果糖もしくは果糖を含む糖の他、これらの品質改良効果を妨げない範囲において、各種の添加剤や賦形剤を添加混合して使用することができる。
【0033】
上記の添加剤や賦形剤としては、穀類粉末、イースト、イーストフード、油脂、油脂乳化組成物(油中水型乳化物、水中油型乳化物)、小麦グルテン、膨張剤(炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウムなど)、漂白剤(過硫酸アンモニウム)、水やアルコール・ポリアルコール・塩類・酸・アルカリなどを含有した水溶液の他、ゲル化剤、増粘剤、安定剤などの食品添加物や食品を添加することも可能である。これらは食用であれば特に限定されず、例えば、油脂では、米油、菜種油、大豆油、綿実油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、魚油、牛脂、豚脂、カカオ脂、あるいはそれらを必要に応じ加工した硬化油、微水添油、異性化水添油、エステル交換油、分別油又はこれらの2種以上の加工を行った油、並びにこれらの油脂の2種以上を混合した油脂などの何れも使用可能である。さらに、これらの食用油脂の乳化物(W/O乳化物、あるいはO/W乳化物、さらには、O/W/O乳化物、W/O/Wの2重乳化物、又はそれ以上の高次乳化構造のエマルジョンを含む)を使用することができる。増粘剤・安定剤としては、例えば、プルラン、サイリウム、アラビアガム、ジェランガム、グルコマンナン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、及びそれらの低分子化物、澱粉、化工澱粉、各種α化デンプン、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天などが挙げられる。その他、ブドウ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテームなどの糖類、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウムなど)、の安定剤、α−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミンなどのホエイ蛋白質、カゼイン、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイドなどの卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリンなどの小麦蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質などの蛋白質、食塩、岩塩、海塩、塩化カリウムなどの無機塩類、酢酸、乳酸、グルコン酸などの酸味料、β―カロチン、カラメル、紅麹色素などの着色料、トコフェロール、茶抽出物などの酸化防止剤、全卵、卵黄、卵白、酵素処理卵などの卵類、強力粉、中力粉、薄力粉などの穀類、大豆粉末などの豆類、水、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダーを含有させてもよい。これら上記に挙げた添加物の2種以上の併用、もしくは、それらの複合化物の使用も可能である。本発明の品質改良組成物へのこれら添加剤や賦形剤の添加量は特に限定されず、一般的な量であることができ、本発明の組成物中、例えば、0.01〜90重量%である。
【0034】
本発明の品質改良組成物の調製にあたっては、上述のイネ科植物由来のβグルカン、乳化剤、酸化剤及び酵素類からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上、1−2−α−D−グルコピラノース結合、1−3−α−D−グルコピラノース結合、1−4−α−D−グルコピラノース結合及び1−6−α−D−グルコピラノース結合のうちの1種類以上の結合を有する糖質、及び果糖もしくは果糖を含む糖、さらには必要に応じて上記の賦形剤やその他の添加剤などの原料を、任意の方法で、任意の順番で添加混合することができ、本発明の品質改良組成物を得ることができる。また、パン生地などのベーカリー製品の生地にもともと上記本発明の品質改良組成物の構成成分が含まれていてもかまわない。
【0035】
具体的な調整例を挙げると、例えば、食用油脂を賦形剤として使用する場合、油脂や乳化物の混合や調製に通常使用する各種の混合・混練・攪拌機を用いることができる。例えば、プロペラ型攪拌機、往復回転型攪拌機、オリフィス混合機、かい型攪拌機、撹拌型乳化機(ホモミキサー)、カッターミキサー、コニーダー、コンチェ機、サイレントカッター、ジェットミキサー、真空攪拌機、スクリュー型混合機、スタティックミキサー、カッティングミキサー、超音波乳化機、ニーダー、ロール、ハイドロッシャー、パイプラインミキサー、ユニバーサルミキサー、ピン・マシン、ホモジナイザー(高圧均質機)、ボールカッター、リボンミキサーなどを挙げることできる。好ましくは撹拌型乳化機(ホモミキサー)及び/又はホモジナイザー(高圧均質機)を使用するのが好ましい。
【0036】
本発明の品質改良組成物は、上記方法で原料を混合撹拌後、そのまま保存もしくは乳化物としても良く、さらには急冷可塑化させても良い。この場合、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター、コンプレクター、オンレーターなどが使用できるが、品温10℃以下でピン・マシンを使用するのが好ましい。また、反対に油脂を乳化、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター、コンプレクター、オンレーターなどの急冷可塑化装置を使用した後、本発明のイネ科植物由来のβグルカン及びその他の配合物を添加し、上記何れかの方法で本発明の品質改良組成物を調製してもよい。
【0037】
また、本発明の品質改良組成物は、上記方法で原料を混合撹拌後、スプレイドライ法、フォームマットドライ法、凍結乾燥法、熱風乾燥、電磁波(高周波、マイクロ波、遠赤外線)ドラムドライ法、ベルトドライ法などによって粉末化することができる。また、各成分をそれぞれ、上記の方法で乾燥後、粉体混合機、マイクロスピードミキサー、ハンマーミル、ターボミルなどにより混合して、本発明の品質改良組成物とすることができる。
【0038】
本発明の品質改良組成物は、上述のイネ科植物由来のβグルカンが、ベーカリー製品中の穀類粉末に対して、0.05〜30重量%となる範囲で使用されるのが好ましい。この場合、本発明の品質改良組成物の構成成分を、ベーカリ生地中に一度に添加しても、ひとつずつ添加してもよく、その添加時期は問わない。また生地中に含まれていてもよい。
【0039】
本発明の品質改良組成物が使用されるベーカリー製品及びベーカリー製品用生地とは、小麦粉やライ麦粉、米粉などの穀類粉末に、本発明の品質改良組成物と、さらに目的とする製品に応じて油脂、乳化物、糖類、乳製品、卵、イースト、イーストフード、酸化剤、還元剤、各種酵素類及び乳化剤などの副原料の全部又は一部と水とを混合、混捏して生地を作成し、この生地をそのまま、又は醗酵後、蒸す、焼く、揚げる、煮るなどの加熱処理を施したり、冷凍あるいは冷蔵保存した後、蒸す、焼く、揚げる、煮るなどの加熱処理を施したものをいい、パン類(例えばホットケーキ、クレープ、スポンジケーキ、ドーナツ、菓子パン、食パン、フランスパン、ライ麦パン、ハードロール、デニッシュペストリーなど)、菓子類(例えばビスケット、クッキー、クラッカー、パイなど)及び饅頭類、餃子の皮や麺類を得ることができるものである。このベーカリー製品及びベーカリー製品用生地には、上記の材料の他、ベーカリー製品及びベーカリー製品用生地の製造に通常用いられる材料を全て用いることができる。本発明は、中種生地法、ストレート法の何れの製パン法にも適用することができ、また本発明の品質改良組成物の添加時期は問わない。例えば、中種生地法を用いる場合、本発明の品質改良組成物を中種段階でパン生地に添加・混捏しても良く、本捏段階でパン生地に添加しても良い。
【0040】
また、本発明では、上記ベーカリー製品用生地中の澱粉質が焼成前に一部α化しているものが好ましく、これによりさらに好ましい風味、食感が増強される。上記α化とは、既にα化した小麦、米、トウモロコシ、馬鈴薯、キャッサバ、タロイモなど由来の澱粉もしくは澱粉を含む原料を添加しても良いし、澱粉もしくは澱粉を含む原料を添加後、過熱、熱湯添加、蒸す、煎るなどの方法でα化しても良い。例えば、小麦粉の一部に熱湯を加えてα化したり、小麦粉の一部を蒸しても良い。
【0041】
また、本発明の品質改良組成物は、イーストを使用しない、ビスケット、ピザクラフトなどのベーカリー製品へ使用した場合、クリスピーな食感が増し、好ましい。
本発明の品質改良組成物を用いることによって、従来使用されている各種品質改良効果を有する添加剤の量を低減し、従来と同様の効果を得て、ベーカリー製品の食味食感の向上に寄与し、製品の風味を損なうことがない。さらに、消費者の望む天然物指向、安全・健康志向に合致した、ベーカリー製品の提供を可能にするものである。
【0042】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、「部」は特記しない限り全て「重量部」を、「%」は「重量%」を意味する。
【0043】
試験例1(βグルカン含有量の測定)
βグルカンの分析は、メガザイム社のβグルカン測定キットを用いて、McCleary法(酵素法)にて行った。まず、測定サンプルが粉体の場合、500μm(30メッシュ)のふるいにかけ、水分含量を測定し、その100mgを17mlチューブに取り、50%エタノール溶液を200μl加え、分散させた。次に4mlの20mMリン酸緩衝液(pH6.5)を加え、よく混合した後、煮沸した湯浴中にて1分間加温した。よく混合し、さらに2分間、湯浴中で加熱した。50℃に冷却後、5分間放置してから、チューブにリケナーゼ酵素溶液(キットに付属するバイアルを20mlの20mMリン酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)の200μl(10U)を加え、1時間、50℃にて反応させた。チューブに200mM酢酸緩衝液(pH4.0)を5ml加えて、静かに混合した。室温に5分間放置し、遠心分離にて上清を得た。上清100μlを3本のチューブに取り、1本には100μlの50mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、他の2本には100μl(0.2U)のβグルコシダーゼ溶液(キットに付属するバイアルを20mlの50mM酢酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)を加え、50℃にて10分間反応させた。3mlのグルコースオキシターゼ/ペルオキシターゼ溶液を加えて、50℃にて20分間反応させ、各サンプルの510nmにおける吸光度(EA)を測定した。βグルカン含有量は、次式により求めた。
βグルカン(%,W/W)=(EA)×(F/W)×8.46
F=(100)/(グルコース100μgの吸光度)
W=算出された無水物重量(mg)
【0044】
また、測定サンプルがβグルカンを抽出した抽出液(液体)の場合は、以下のように抽出物(固体あるいは粉末)としてから含有量を測定した。すなわち、βグルカン抽出液に2倍量のエタノールを添加し、よく混合してから遠心分離にて沈殿を回収し、よく乾燥させ粉砕し、βグルカン抽出物(固体)とした。βグルカン抽出物は、水分含有量を測定後、メガザイム社のβグルカン測定キットを用いて、McCleary法(酵素法)にて分析した。各沈殿サンプル50mgを17mlチューブに取り、50%エタノール溶液を200μl加え、分散させた。その後は前記の測定サンプルが粉体の場合と同様に測定した。
【0045】
試験例2(βグルカンの分子量の測定)
抽出したβグルカンの分子量測定は、以下の通りとした。すなわち、抽出物の5mgをチューブに取り、0.5mlの蒸留水を加えて、沸騰水中で溶解させた。0.22μmのフィルターを通してHPLC用のサンプルとした。分離にはHPLCゲル濾過カラムであるShodexのパックドカラムKS-805(昭和電工社製)を用い、流速0.6ml/min.、温度50℃、検出にはRI検出器、分離溶媒は水で実施した。
分子量マーカーとしてはShodexプルラン標準液P−82(昭和電工社製)を用いて測定した。
抽出βグルカンが抽出液(液体)の場合は、まず、2倍量のエタノールを加え、−20℃に冷却して1時間、放置し、沈殿を得た。得られた沈殿の5mgをチューブに取り、以下、抽出物の場合と同様に操作して、分子量を測定した。
【0046】
βグルカン原料及び抽出促進剤の製造例−1
もち性裸大麦を研削式搗精機により削り、歩留まり82%まで精麦した。このとき発生した糠を糠−1とした。歩留まり82%まで精麦した大麦は、さらに研削式搗精機により削り、歩留まり55%まで精麦した。このとき発生した糠を粉砕物−1とした。容器(50L)に水道水20Lを加え、撹拌しながら、15℃に調温した。これに糠−1の6kgを加え、2時間撹拌抽出し、連続遠心機にて固液分離後、上清を凍結乾燥し、抽出促進剤450gを得た。
【0047】
βグルカンの抽出例−1
容器(70L)に水道水30Lを加え、撹拌しながら、上記抽出促進剤を150g加え、溶解後、上記粉砕物−1の7.5kgを加えた。2時間、50℃で撹拌抽出してから連続遠心機にて固液分離後、上清を得た。得られた上清を煮沸し、冷却後に15Lのわずかに粘調なβグルカン液を得た。得られたβグルカン液に2倍量のエタノールを加えて沈殿を回収、乾燥させて、抽出βグルカン460gを得た。試験例1に従い分析の結果、βグルカンの純度は91%であった。試験例2に従い分析の結果、抽出物は、分子量20万〜1万に検出され、最大ピークは、分子量4万であった。尚、試験例1の方法で最大ピークがβグルカンであることを確認した。
【0048】
実施例1−5及び比較例1
下記表1に示す配合で各成分を添加し、10L容量の乾式粉体混合機であるロッキングミキサーにて1時間、混合し、成分が均一に分散混合された改良剤−1〜改良剤−5(本発明の品質改良組成物)及び比較品−1を得た。
得られた改良剤−1〜改良剤−5及び比較品−1を用いて製パン試験を実施した(実施例−1〜実施例−5、比較例1)。本試験における配合及び工程は下記表2及び下記表3に、その結果を下記表4に、それぞれ示した。
【0049】
下記表4に示す生地物性、内相、表面、食感、ソフトさ及び風味の評価は、次のようにして行った。
<生地物性評価>
◎:生地にべたつきがない。
○:ややべたつきがある。
<内相評価>
パンの内相について目視で評価した。
◎:きめが細かい。
○:ややきめが荒い部分がある。
<表面評価>
パンの表面を目視で評価した。
◎:割れ、なし肌、荒れがみられない。
○:割れ、なし肌、荒れがややみられる。
<食感>
パネラー10名により、2段階の評価基準で評価を行い、最も人数の多い評価を評価結果とした。
◎:非常に食感が良い。
○:食感が良い。
<ソフトさ>
パネラー10名により、2段階の評価基準で評価を行い、最も人数の多い評価を評価結果とした。
◎:非常にソフトである。
○:ソフトである。
<風味>
パネラー10名により、2段階の評価基準で評価を行い、最も人数の多い評価を評価結果とした。
◎:非常に風味が良い。
○:風味が良い。
【0050】
【表1】
Figure 0004688335
【0051】
【表2】
Figure 0004688335
【0052】
【表3】
Figure 0004688335
【0053】
【表4】
Figure 0004688335
【0054】
上記表4に示す試験結果から明らかなように、抽出βグルカンを含有する改良剤−1〜改良剤−5(本発明の品質改良組成物)を添加した場合(実施例−1〜実施例−5)は、抽出βグルカンを含有していない比較品−1を添加した場合(比較例−1)に比較して、製パン性の改良効果に優れていた。また、一定の品質(製パン性)を有するベーカリー製品を得るに際し、従来使用の添加剤の添加量を低減でき、風味向上に寄与することが判った(実施例−2〜実施例−5)。
【0055】
実施例6−10及び比較例2
下記表5に示す配合で各成分を添加し、10L容量の乾式粉体混合機であるロッキングミキサーにて1時間、混合し、成分が均一に分散混合された改良剤−6〜改良剤−10(本発明の品質改良組成物)及び比較品−2を得た。
得られた改良剤−6〜改良剤−10及び比較品−2を用いてバターロール用冷凍生地を作成し、製パン性を評価した(実施例−6〜実施例−10、比較例−2)。本試験における配合は下記表6に示した。生地の作成は以下の通りとした。すなわち、改良剤とマーガリン以外の原料をミキサーに投入し、低速2分、中速5分混捏後、改良剤とマーガリンを加え、さらに低速2分、中速4分混捏した。捏上温度は、27℃とした。28℃、湿度75%の条件で醗酵を30分間、実施した。45g/個に分割後、ベンチタイムを15分とり、成型した。得られた生地は、−38℃、15分間、急速冷凍してから−20℃で冷凍保存した。冷凍生地を2週間、4週間、6週間及び8週間まで凍結保存後、20℃で解凍し、38℃、湿度80%の条件でホイロ後、200℃のオーブンで10分間焼成し、バターロールを得た。荒熱のとれたバターロールをポリエチレンの袋に密封し、25℃にて24時間放置後、比容積、硬さ、外観、食味を評価した。その結果を下記表7に示した。
【0056】
比容積は、検体の容積を検体の重量で割ったもので、値が大きいほどボリュームが優れていることを示す。硬さは、直径2.5cmの円板で厚さ3cmにカットした検体を40%圧縮するのに必要なグラム数をレオメーター(山電社製)にて測定し、この値が小さいほど検体がソフトで軟らかいことを示す。外観は、目視によりチェックし、評価A〜Cにランク付けした(評価A:焼色均一、艶あり、評価B:焼色やや不均一、やや艶なし、評価C:焼色全く不均一、艶全くなし)。食味は、評価A〜Cにランク付けした(評価A:風味やソフトさに優れている、評価B:ふつうである、評価C:風味やソフトさに欠ける)。
【0057】
【表5】
Figure 0004688335
【0058】
【表6】
Figure 0004688335
【0059】
【表7】
Figure 0004688335
【0060】
上記表7に示す評価結果から明らかなように、抽出βグルカンを含有する改良剤−6〜改良剤−10(本発明の品質改良組成物)は、2週間〜8週間冷凍保存後の冷凍生地から調製したベーカリー製品において、優れた製パン性を発揮した。また、一定の品質(製パン性)を有するベーカリー製品を得るに際し、従来使用の添加剤の添加量を低減でき、風味向上に寄与することが判った。
【0061】
実施例11−16及び比較例3−8
抽出βグルカン、1−2−α−D−グルコピラノース結合、1−3−α−D−グルコピラノース結合、1−4−α−D−グルコピラノース結合及び1−6−α−D−グルコピラノース結合のうちの1種類以上の結合を有する糖質(αグルカン)及び果糖を含有する本発明の品質改良組成物について、ボリューム感、風味、食感、クリスピー感について評価した。その結果を下記表8に示す。
食パン、フランスパン、デニッシュ、ピザクラフト及びビスケットは常法により製造した。ボリューム感は目視により評価し、風味、食感及びクリスピー感については、モニター10名が試食し、下記の3段階の評価基準で評価を行い、最も人数の多い評価を評価結果とした。また、比較として、比較例3〜8を行った。尚、下記表8中、抽出βグルカン添加量、果糖量、αグルカン量は、小麦粉100に対しての量である(対粉%)。
【0062】
<ボリュウム感>
◎:ボリューム感に優れる。
○:ボリューム感がある。
×:ボリューム感がない。
<風味>
◎:非常に風味がよい。
○:風味がよい。
×:風味が悪い。
<食感>
◎:非常に食感がよい。
○:食感がよい。
×:食感が悪い。
<クリスピー感>
◎:非常にクリスピーである。
○:クリスピーである。
×:クリスピーでない。
【0063】
【表8】
Figure 0004688335
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、ベーカリー製品に対して優れた品質改良効果を有し、且つ食味食感の低下などがなく、さらに優れた健康機能性を付与し得るベーカリー製品用品質改良組成物を提供することができ、また従来の品質改良添加剤の量が軽減され、しかも食味・食感に優れたベーカリー製品を提供することができる。

Claims (8)

  1. 1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合及び1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有する、大麦類やオーツ麦類の全粒粉や穀粒を外周部より搗精した胚乳部分やその際発生する糠から水、温水又は熱水で抽出された、重量平均分子量10万以下のβグルカンを、10〜95質量%含有するベーカリー製品用品質改良組成物を、上記βグルカンが、ベーカリー製品中の穀類粉末に対して、1.2〜1.8重量%となる範囲で使用されたパン生地であることを特徴とするベーカリー製品用生地
  2. βグルカンが、1−3−β−D−グルコピラノース結合及び1−4−β−D−グルコピラノース結合を有するものである請求項1記載のベーカリー製品用生地
  3. ベーカリー製品用品質改良組成物が、乳化剤、酸化剤及び酵素類からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上を含有する請求項1又は2記載のベーカリー製品用生地
  4. ベーカリー製品用品質改良組成物が、1−2−α−D−グルコピラノース結合、1−3−α−D−グルコピラノース結合、1−4−α−D−グルコピラノース結合及び1−6−α−D−グルコピラノース結合のうちの1種類以上の結合を有する糖質を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載のベーカリー製品用生地
  5. ベーカリー製品用品質改良組成物が、果糖もしくは果糖を含む糖を含有する請求項1〜4の何れか1項に記載のベーカリー製品用生地
  6. ベーカリー製品用生地が、冷凍生地又は冷蔵生地である請求項1〜5の何れか1項に記載のベーカリー製品用生地。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のベーカリー製品用生地を成形・焼成したベーカリー製品。
  8. ベーカリー製品用生地中の澱粉質が焼成前に一部α化している請求項記載のベーカリー製品。
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