JP2022153834A - 非ハード系多加水パン用生地の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パン生地のベタつきがなく、かつ、しっとりさともっちりさがあり、ソフトな食感の非ハード系多加水パンを製造するためのパン生地の製造方法の提供。【解決手段】中種生地を作製した後に本捏生地を作製する中種法に従ってパン生地を製造する。本捏生地は、穀粉100部に対し、糖類3.5~30部、油脂4~30部、水85~110部、パン酵母0.1~4部、食塩1~2.5部を含む。穀粉5~80部、水2~90部、パン酵母0.1~4部、食塩0~0.5部を含む中種生地を作製し、2~35℃で60~2880分間一次発酵する。穀粉10~95部、水、パン酵母0~1部、食塩0~0.5部、キシラナーゼ5~300Uを添加し、1次ミキシングし、穀粉0~10部、食塩、水0~35部を添加し、2次ミキシングして本捏生地を得る。該本捏生地を5~34℃で、5~1440分間二次発酵した後、25~40℃で、10~90分間最終発酵する。【選択図】なし

Description

本発明は、非ハード系多加水パン用生地の製造方法、及び、非ハード系多加水パンの製造方法に関する。
パン生地は、通常、小麦粉100重量部に対し45~70重量部程度の水を入れて作られているが、近年、80~110重量部程度の大量の水を入れて作られる「多加水パン」がベーカリーで流行している。多加水パンの中でも、食パンやコッペパンといった非ハード系の多加水パンは、「ソフトな食感」を持ち、「しっとりさ」と「もっちりさ」が強いことが特徴である。
しかし、非ハード系の多加水パンは、生地に大量の水を含むことに加え、油脂の配合量も多いため、生地が水を抱くまでに長時間のミキシングを要する。そのために「もっちりさ」が損なわれたり、また、生地がベタつき易いために機械による大量生産が難しいという問題があった。
最近では、生地に吸水性のある増粘剤や加工澱粉を配合することで、ミキシング時間を短縮したり、生地のベタつきを抑制することが行われている。しかし、前記抑制効果を発揮させるためには、比較的大量の増粘剤や加工澱粉を使用する必要があり、それによって「しっとりさ」や「もっちりさ」が損なわれるという問題がある。
特許文献1では、ゲル化剤や増粘多糖剤を使用せずに、ソフトでしっとりしていながら、ねちゃつきのない良好な食感を有する多加水パンを提供するために、澱粉類100質量部に対し水60~150質量部を含むパン生地を製造する際に、水を2回以上に分けて添加、練り込むことを特徴とするパン生地の製造方法が開示されている。しかし、実施例では、水は多くても75質量部しか使用されていない。この文献に開示されている製法で水を更に増やしていくと、生地がベタついて機械による大量生産は難しくなる。また、澱粉類100質量部に対し食物繊維が2質量部も配合されているため、得られるパンの「しっとりさ」や「もっちりさ」が低下してしまう。
特開2010-81870号公報
本発明の目的は、パン生地のベタつきがなく、かつ、しっとりさともっちりさがあり、ソフトな食感の非ハード系多加水パンを製造するためのパン生地の製造方法、及び、非ハード系多加水パンの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、中種法に従ったパンの製造において、本捏生地は、加工澱粉、増粘剤、グルテン、酸化剤及び/又は酸化酵素、並びに、食物繊維は特定量以下で、糖類、油脂、水、パン酵母及び食塩を特定量含有するものとし、少なくとも穀粉と水とパン酵母を含む中種生地を一次発酵させた後、少なくとも穀粉と水とキシラナーゼを添加して特定条件で1次ミキシングを行い、次いで、少なくとも食塩を添加して特定条件で2次ミキシングを行った後、特定条件で二次発酵と最終発酵を行うことで、ベタつきがないパン生地が得られ、それを加熱調理することで、しっとりさともっちりさがあり、ソフトな食感の非ハード系多加水パン用生地が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、中種生地を作製した後に本捏生地を作製する中種法に従った非ハード系多加水パン用生地の製造方法であって、前記本捏生地は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、加工澱粉含有量が0~0.9重量部、増粘剤含有量が0~0.09重量部、グルテン含有量が0~0.2重量部、酸化剤及び/又は酸化酵素の含有量が0~0.002重量部、食物繊維含有量が0~1.5重量部であり、糖類3.5~30重量部、油脂4~30重量部、水85~110重量部、パン酵母0.1~4重量部(乾燥重量)、及び、食塩1~2.5重量部を含み、前記製造方法は、穀粉5~80重量部、水2~90重量部、パン酵母0.1~4重量部(乾燥重量)、及び、食塩0~0.5重量部を含む中種生地を作製し、該中種生地を2~35℃で、60~2880分間一次発酵して一次発酵後の中種生地を得る工程と、前記一次発酵後の中種生地に、穀粉10~95重量部、中種生地用材料として添加された水との合計量が75~100重量部となる量の水、パン酵母0~1重量部(乾燥重量)、食塩0~0.5重量部、及び、本捏生地に含まれる穀粉100gあたりキシラナーゼ5~300Uを添加し、低速で2~8分間、中速及び/又は高速で2~30分間の条件で1次ミキシングして1次ミキシング後の材料混合物を得る工程と、前記1次ミキシング後の材料混合物に、穀粉0~10重量部、食塩、及び、水0~35重量部を添加し、低速で1~8分間、中速及び/又は高速で1~15分間の条件で2次ミキシングして2次ミキシング後の本捏生地を得る工程と、前記2次ミキシング後の本捏生地を5~34℃で、5~1440分間二次発酵して二次発酵後の本捏生地を得る工程と、前記二次発酵後の本捏生地を分割及び成形した後、25~40℃で、10~90分間最終発酵する工程、を含む、非ハード系多加水パン用生地の製造方法に関する。
好ましくは、本捏生地に含まれる穀粉全体中、α化小麦粉を1~30重量%含有する。
本発明の第二は、前記製造方法に従って非ハード系多加水パン用生地を製造した後、該非ハード系多加水パン用生地を加熱調理する工程を含む、非ハード系多加水パンの製造方法に関する。
本発明の第三は、前記製造方法に従って製造された非ハード系多加水パン用生地に関する。
本発明の第四は、前記非ハード系多加水パン用生地が加熱調理された、非ハード系多加水パンに関する。
本発明に従えば、パン生地のベタつきがなく、かつ、しっとりさともっちりさがあり、ソフトな食感の非ハード系多加水パンを製造するためのパン生地の製造方法、及び、非ハード系多加水パンの製造方法を提供することができる。本発明に係る製造方法によれば、製造されるパン生地のベタつきが少ないため、非ハード系多加水パン用生地、及び、非ハード系多加水パンを安定して大量に生産することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。
本実施形態に係る非ハード系多加水パン用生地の製造方法は、中種生地を作製した後に本捏生地を作製する中種法によるものである。具体的には、中種生地用材料を混合し、一次発酵して得られる中種生地に、中種生地以外の本捏生地用材料を2回以上に分けて添加し、1次ミキシングと2次ミキシングを行って本捏生地を得た後、二次発酵と最終発酵を実施することによって、非ハード系多加水パン用生地を製造する。製造された非ハード系多加水パン用生地を加熱調理することで、非ハード系多加水パンを製造することができる。
前記多加水パン用生地とは、パン生地中の水の含有量が通常よりもかなり多いパン生地のことをいう。水の含有量の具体的な数値については後述する。
前記非ハード系のパンとは、穀粉、水、食塩、パン酵母、油脂、及び、糖類を必須原料とするリッチなタイプのパンを指し、しっとりさともっちりさがあり、ソフトな食感が特徴のパンである。非ハード系パンの具体例としては、食パン、菓子パン、ブリオッシュ、コッペパン、ロールパン等が挙げられる。
(添加される材料)
前記本捏生地は、穀粉を含有する。前記穀粉は、穀物を挽いて粉末状にしたものであり、パン類の製造に通常用いられるものであれば、その由来や精製度合いに特に制限なく用いることができる。穀物の由来としては、小麦、大麦、ライ麦、ソバ、コメ、とうもろこし等が例示できる。加熱調理して得られるパンの風味や食感、機械による大量生産性の観点から、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉が好ましく、小麦粉がより好ましい。特に、小麦粉を、本捏生地に含まれる穀粉全体中70重量%以上含むことが好ましい。小麦粉としては、強力粉、準強力粉、超強力粉、中力粉、薄力粉などを用いることができる。
穀粉は、少なくとも、中種生地用材料、及び、1次ミキシング用材料として添加される。2次ミキシング用材料としては添加されてもよいし、添加されなくてもよい。本捏生地に含まれる穀粉の量は、中種生地用材料として添加される穀粉の量と、1次ミキシング用材料として添加される穀粉の量と、2次ミキシング用材料として添加される穀粉の量との合計であり、この合計量を100重量部とする。
非ハード系多加水パンのしっとりさや、もっちりさ、ソフトな食感をより向上させることができるため、前記穀粉は、α化された穀粉を含むことが好ましい。特に、α化小麦粉を、本捏生地に含まれる穀粉全体中1~30重量%含有することが好ましい。α化小麦粉の含有量は2~20重量%であることがより好ましく、3~15重量%が更に好ましい。
前記本捏生地は、食感などの観点から、α化澱粉をさらに含有しても良い。α化澱粉を含有する場合、その含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、1~15重量部であることが好ましく、1~10重量部がより好ましく、1~5重量部が更に好ましい。前記α化澱粉とは、生澱粉を水に分散して膨潤させた後、加熱して糊化させた糊化澱粉を指す。α化澱粉の澱粉種は特に限定されず、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、及びワキシーコーンスターチを使用することができる。中でも、タピオカ澱粉、及び馬鈴薯澱粉が好ましい。
前記本捏生地は、加工澱粉を含有してもよいが、その含有量は少ないほど良い。加工澱粉の含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、0~0.9重量部であることが好ましく、0~0.5重量部がより好ましく、0~0.2重量部が更に好ましく、添加しないことが特に好ましい。加工澱粉の添加量が0.9重量部より多いと、非ハード系多加水パンのもっちりさが損なわれたり、異味が感じられる場合がある。
前記加工澱粉は、一般的な化学修飾が施された澱粉をいい、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酸化澱粉、酸処理澱粉、油脂加工澱粉、酵素処理澱粉などが例示される。
前記本捏生地は、増粘剤を含有してもよいが、その含有量は少ないほど良い。増粘剤の含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、0~0.09重量部であることが好ましく、0~0.05重量部がより好ましく、0~0.02重量部が更に好ましく、添加しないことが特に好ましい。増粘剤の添加量が0.09重量部より多いと、非ハード系多加水パンのもっちりさが損なわれたり、異味が感じられる場合がある。
前記増粘剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、グアガム、タラガム等が例示できる。
前記本捏生地は、グルテンを含有してもよいが、その含有量は少ないほど良い。グルテンの含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、0~0.2重量部であることが好ましく、0~0.1重量部がより好ましく、0~0.05重量部が更に好ましく、添加しないことが特に好ましい。グルテンの添加量が0.2重量部より多いと、非ハード系多加水パンのもっちりさが損なわれたり、異味が感じられる場合がある。
前記グルテンは、穀類から選別されたものであれば特に制限はなく、小麦、大麦、ライ麦等の穀物由来のものを用いることができる。パンの食感の観点から、小麦由来のグルテンが好ましい。
前記本捏生地は、酸化剤及び/又は酸化酵素を含有してもよいが、その含有量は少ないほど良い。酸化剤及び/又は酸化酵素の含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、0~0.002重量部であることが好ましく、0~0.001重量部がより好ましく、0~0.0005重量部が更に好ましく、添加しないことが特に好ましい。酸化剤及び/又は酸化酵素の添加量が0.002重量部より多いと、非ハード系多加水パンのもっちりさが損なわれる場合がある。
前記酸化剤は、ジスルフィド結合を増加させる作用を有する添加剤を指し、アスコルビン酸、シスチン、臭素酸カリウム等が例示できる。また、前記酸化酵素としては、グルコースオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、アルドースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ等が例示できる。
前記本捏生地は、食物繊維を含有してもよいが、その含有量は少ないほど良い。食物繊維の含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、0~1.5重量部であることが好ましく、0~1.0重量部がより好ましく、0~0.5重量部が更に好ましく、添加しないことが特に好ましい。食物繊維の添加量が1.5重量部より多いと、非ハード系多加水パンのしっとりさや、もっちりさが損なわれる場合がある。
前記食物繊維は、栄養学的に「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されるものをいい、ポリデキストロース、アルギン酸、アルギン酸塩、イヌリン、イソマルトデキストリン、難消化性デキストリン、β-グルカン等が例示できる。
前記本捏生地は、糖類を含有する。糖類の含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、3.5~30重量部であることが好ましく、4~25重量部がより好ましく、5~20重量部が更に好ましく、5~15重量部が特に好ましい。糖類の含有量が3.5重量部より少ないと、パン酵母の栄養源が少なくなり、パンのボリュームが小さくなる場合がある。また、30重量部より多いと、非ハード系多加水パン用生地がベタつきやすくなったり、非ハード系多加水パンのもっちりさや、ソフトな食感が損なわれる場合がある。
前記糖類は、中種生地用材料、1次ミキシング用材料、又は、2次ミキシング用材料として添加することができるが、中種生地用材料、及び/又は、1次ミキシング用材料として添加することが好ましく、1次ミキシング用材料として添加することがより好ましい。
前記糖類としては、例えば、砂糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化糖、オリゴ糖、水あめ、糖アルコール類などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。前記糖類は、粉末状であることが好ましい。呈する甘みの点から、上白糖やグラニュー糖を用いることがより好ましい。
前記本捏生地は、油脂を含有する。油脂の含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、4~30重量部であることが好ましく、5~20重量部がより好ましく、5~15重量部が更に好ましい。油脂の含有量が4重量部より少ないと、パンが老化し易い場合がある。また、30重量部より多いと、非ハード系多加水パン用生地がベタつきやすくなったり、非ハード系多加水パンのしっとりさや、もっちりさ、ソフトな食感が損なわれる場合がある。
前記油脂は、中種生地用材料、1次ミキシング用材料、又は、2次ミキシング用材料として添加することができるが、1次ミキシング用材料として添加することが好ましい。
前記油脂は、食用であれば特に限定はないが、例えば、コーン油、サフラワー油、胡麻油、綿実油、ひまわり油、菜種油、大豆油、米糠油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、シア脂等の植物油や、乳脂、魚油、牛脂、豚脂等の動物油が挙げられ、また、これらの油脂をエステル交換したものや、硬化、分別したもの等、通常食用に供されるすべての油脂類を用いることができ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
また、油脂を用いる形態は、融解した前記油脂に、必要に応じて乳化剤や香料などの油溶性成分を添加してから混合して得た油脂組成物を急冷捏和して得られるショートニングや、融解した前記油脂に、必要に応じて乳化剤や香料などの油溶性成分を添加してから混合して油脂組成物を得た後、そこへ必要に応じて水溶性成分が溶解した水溶液を添加した後、急冷捏和して得られるマーガリン、ファットスプレッド等の油中水型油脂組成物や、タンパク質等の水溶性成分が溶解した水溶液に、任意の油脂や油溶性成分を添加した後、ホモジナイズして得られる水中油型油脂組成物を使用することもできる。
前記本捏生地は、水を多く含有するものである。具体的には、水の含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、85~110重量部であることが好ましく、85~105重量部がより好ましく、90~100重量部が更に好ましい。水の含有量が85重量部より少ないと、非ハード系多加水パンのしっとりさや、もっちりさ、ソフトな食感が損なわれる場合がある。また、110重量部より多いと、非ハード系多加水パン用生地がベタつきやすくなる場合がある
水は、中種生地用材料、及び、1次ミキシング用材料として添加される。また、水は、2次ミキシング用材料としても添加されてもよいし、添加されなくてもよい。前述の水の含有量は、本捏生地に含まれる添加水の合計量を指し、中種生地用材料として添加される水の量と、1次ミキシング用材料として添加される水の量と、2次ミキシング用材料として添加される水の量との合計である。
前記本捏生地は、パン酵母を含有する。パン酵母の含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、乾燥重量で0.1~4重量部であることが好ましく、0.2~3重量部がより好ましく、0.3~2重量部が更に好ましい。パン酵母の含有量が0.1重量部より少ないと、発酵に時間がかかり生産効率が悪い場合がある。また、4重量部より多いと、パン酵母自体の好ましくない風味が非ハード系多加水パンに付与される場合がある。
前記パン酵母は、中種生地用材料として添加することが好ましい。しかし、パン酵母の一部は、1次ミキシング用材料、又は、2次ミキシング用材料として添加してもよい。
前記パン酵母とは、糖を資化して炭酸ガスおよびアルコールを生成し、有機酸および香気成分をも生成するパンの製造に用いられる酵母をいう。例えば、サッカロミセス・セレビシエ、サッカロミセス・エクシギュース、クルイベロマイセス・ラクティス、トルラスポラ・デルブルッキー、キャンディダ・ユティリス、キャンディダ・ケフィア、その他、製パンに通常使用される酵母等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
前記本捏生地は、食塩を含有する。食塩の含有量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、1~2.5重量部であることが好ましく、1.5~2.5重量部がより好ましく、2~2.5重量部が更に好ましい。食塩の含有量が1重量部より少ないと、パンの味が乏しくなる場合がある。また、2.5重量部より多いと、パンの塩味が濃過ぎて食せない場合がある。
前記食塩は、2次ミキシング用材料として添加することが好ましい。しかし、食塩の一部は、中種生地用材料、又は、1次ミキシング用材料として添加してもよい。
前記食塩としては、例えば、精製塩、上質塩、内地白塩、原塩、粉砕塩などが挙げられ、当該分野で使用される食塩であれば特に限定されない。
(中種生地用材料)
中種生地を作製するために用いる中種生地用材料としては、穀粉、水、パン酵母、食塩等が挙げられる。その他、糖類や油脂も挙げられる。
中種生地用材料として添加される穀粉の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部のうち、5~80重量部であることが好ましく、30~80重量部がより好ましく、40~75重量部が更に好ましく、50~70重量部が特に好ましい。前記穀粉の量が5重量部より少ないと、しっとりさや、ソフトな食感が損なわれる場合がある。また、80重量部より多いと、生地の安定性が低くなって扱いにくくなり、生地が荒れたり、生地量がバラつく場合がある。
なお、中種生地を作製しない所謂ストレート法によって非ハード系多加水パンを製造すると、ソフトな食感が損なわれる場合がある。
中種生地用材料として添加される水の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、2~90重量部であることが好ましく、10~80重量部がより好ましく、30~80重量部が更に好ましい。前記水の量が2重量部より少なかったり、90重量部より多いと、もっちりさが損なわれる場合がある。
中種生地用材料として添加されるパン酵母の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、乾燥重量で0.1~4重量部であることが好ましく、0.1~2重量部がより好ましく、0.5~1重量部が更に好ましい。前記パン酵母の量が0.1重量部より少なかったり、4重量部より多いと、もっちりさが損なわれる場合がある。
中種生地用材料として添加される食塩の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、0~0.5重量部であることが好ましく、0~0.2重量部がより好ましく、添加しないことが更に好ましい。前記食塩の量が0.5重量部より多いと、ミキシング時間が長くなり過ぎる場合がある。なお、食塩の添加量は、ミキシング時間を短くするという観点から、中種生地用材料としての添加量と、1次ミキシング用材料としての添加量は少ないほど良い。
(1次ミキシング用材料)
1次ミキシング時に添加される1次ミキシング用材料としては、穀粉、糖類、油脂、水、食塩、パン酵母、キシラナーゼ等が挙げられる。
1次ミキシング用材料として添加される穀粉の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部のうち、10~95重量部であることが好ましく、10~70重量部がより好ましく、15~60重量部が更に好ましく、20~50重量部が特に好ましい。
前述した中種生地用材料として添加される穀粉の量と、1次ミキシング用材料として添加される穀粉の量の合計は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部のうち、90~100重量部であることが好ましく、92~100重量部がより好ましく、95~100重量部が更に好ましい。前記穀粉の量の合計が90重量部より少ないと、2次ミキシング用材料として添加される穀粉の量が増えて、2次ミキシング時に穀粉が均一に混ざりにくい場合がある。
1次ミキシング用材料として添加される水の量は、前記中種生地用材料として添加される水との合計量が、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、75~100重量部となるように設定することが好ましく、80~95重量部がより好ましく、85~90重量部が更に好ましい。前記水の合計量が75重量部より少ないと、2次ミキシング時間が長くなり過ぎる場合があり、また、もっちりさが損なわれる場合がある。また、100重量部より多いと、1次ミキシング時間が長くなり過ぎる場合がある。
1次ミキシング用材料として添加されるパン酵母の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、乾燥重量で0~1重量部であることが好ましく、0~0.8重量部がより好ましく、0~0.5重量部が更に好ましい。前記パン酵母の量が1重量部より多いと、ミキシング後の発酵が過多になり、工程が不安定になる場合がある。
1次ミキシング用材料として添加される食塩の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、0~0.5重量部であることが好ましく、0~0.2重量部がより好ましく、添加しないことが更に好ましい。前記食塩の量が0.5重量部より多いと、もっちりさが損なわれる場合がある。
キシラナーゼは、1次ミキシング用材料として添加されることが好ましい。前記キシラナーゼは、キシランをキシロースに分解する酵素である。前記キシラナーゼの量は、本捏生地に含まれる穀粉100gあたり、5~300Uであることが好ましく、10~100Uがより好ましく、10~40Uが更に好ましく、10~30Uが特に好ましい。キシラナーゼの量が5Uより少ないと、もっちりさが損なわれる場合がある。また、300Uより多いと、非ハード系多加水パン用生地がベタつきやすくなったり、ソフトな食感が損なわれる場合がある。なお、キシラナーゼの一部は、前記中種生地用材料として添加しても良い。
前記キシナラーゼのキシナラーゼ活性は、DNS法により測定することができる。当該方法は、oat spelts由来のキシランを基質とした酵素加水分解により生成した還元糖をDNS(3,5-ジニトロサリチル酸)と反応させ、540nmの吸光度の増加で定量する方法である。
より具体的には、1%キシラン基質溶液(シグマ社製「Xylan,from oat spelts」を200mM酢酸緩衝液(pH4.5)に溶解)1.9mlにキシラナーゼ水溶液0.1mlを加えて、40℃にて正確に10分間酵素反応を行った後、DNS試薬(3,5-ジニトロサリチル酸:0.75%、水酸化ナトリウム:1.2%、酒石酸ナトリウムカリウム4水和物:22.5%、乳糖1水和物:0.003%を含む)4mlを加えてよく混合し、反応を停止する。反応停止液に含まれる還元糖量を定量するために、反応停止液を沸騰水浴中で15分間正確に加熱する。続いて、室温まで冷却した後、540nmの吸光度を測定することでキシロースに相当する還元糖量として定量する。1Uのキシラナーゼ活性は、40℃、10分間の反応条件下で、1分間に1μmolのキシロースに相当する還元糖を生成する酵素量として表される。
(2次ミキシング用材料)
2次ミキシング用材料としては、穀粉、水、食塩等が挙げられる。
2次ミキシング時には穀粉を添加しなくてもよいが、添加してもよい。2次ミキシング用材料として添加される穀粉の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部のうち、0~10重量部であることが好ましく、0~5重量部がより好ましく、0~2重量部が更に好ましい。2次ミキシング用材料として添加される穀粉の量が10重量部より多いと、2次ミキシング時に穀粉が均一に混ざりにくい場合がある。
また、1次ミキシング用材料として添加される穀粉の量と、2次ミキシング用材料として添加される穀粉の量の合計は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部のうち、20~95重量部であることが好ましく、20~70重量部がより好ましく、25~60重量部が更に好ましく、30~50重量部が特に好ましい。前記穀粉の量の合計が20重量部より少ないと、生地の安定性が低くなって扱いにくくなり、生地が荒れたり、生地量がバラつく場合がある。また、95重量部より多いと、しっとりさや、ソフトな食感が損なわれる場合がある。
2次ミキシング時には食塩を添加する。2次ミキシング用材料として添加される食塩の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、1~2.5重量部であることが好ましく、1.5~2.5重量部がより好ましく、1.8~2.4重量部が更に好ましい。前記食塩の量が1重量部より少ないと、パンの味が乏しくなる場合がある。また、2.5重量部より多いと、パンの塩味が濃過ぎる場合がある。食塩は、2次ミキシング用材料としてのみ添加することが好ましい。食塩は2次ミキシング中のどのタイミングで添加してもよいが、均一に分散させる観点から、食塩を添加した後に1~4分間ミキシングを行うことが好ましい。
2次ミキシング用材料として添加される水の量は、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、0~35重量部であることが好ましく、5~20重量部がより好ましく、10~15重量部が更に好ましい。前記水の量が35重量部より多いと、2次ミキシング時間が長くなる場合がある。
前記非ハード系多加水パン用生地は、少なくとも、一次発酵後の中種生地を得る工程、1次ミキシング工程、2次ミキシング工程、二次発酵工程、及び、最終発酵工程を経て製造することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
(一次発酵後の中種生地を得る工程(工程a1))
まず、前述した中種生地用材料をミキシングして中種生地を作製する。中種生地を作製する時のミキシングの条件は、特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、材料の分散性と、得られる生地の弾力性の観点から、低速で1~8分間、中速で2~10分間であることが好ましく、低速で2~4分間、中速で2~5分間がより好ましい。尚、前記低速と中速の定義は、後述する通りである。
次いで、作製された中種生地を一次発酵して一次発酵後の中種生地を得る。前記一次発酵の条件は、2~35℃で、60~2880分間であることが好ましく、20~32℃で、90~400分間がより好ましく、25~30℃で、120~300分間が更に好ましい。発酵温度が2℃より低かったり、発酵時間が60分間より短いと、発酵が不十分となる場合がある。また、発酵温度が35℃より高かったり、発酵時間が2880分間より長いと、発酵が過剰となる場合がある。
(1次ミキシング工程(工程a2))
工程a1で得られた一次発酵後の中種生地に、前記1次ミキシング用材料を添加して、1次ミキシングを行い、1次ミキシング後の材料混合物を得る。
前記1次ミキシングの条件は、低速で2~8分間、次いで、中速及び/又は高速で2~30分間という条件が好ましく、低速で2~6分間、中速及び/又は高速で4~20分間がより好ましく、低速で2~4分間、中速及び/又は高速で6~15分間が更に好ましい。中速と高速に関しては、中速のミキシングのみを行ってもよいし、高速のミキシングのみを行ってもよいし、中速のミキシングと高速のミキシングの双方を行ってもよい。双方を行う場合、中速のミキシング時間と高速のミキシング時間の合計時間が、上記範囲を満足するように調節する。
前記1次ミキシング用材料は、全ての材料を一度に添加して1次ミキシングを行ってもよいが、まず、油脂以外の材料を添加して初回の1次ミキシングを実施し、次に、油脂を添加して二回目の1次ミキシングを実施することが好ましい。この場合、初回の1次ミキシングにおけるミキシング時間と、二回目の1次ミキシングにおけるミキシング時間の合計時間が、上記範囲を満足するように調節する。
尚、低速は、1.1~2.5s-1のミキシング速度と定義し、好ましくは1.1~2.0s-1である。
中速は、低速以上の速度であって、かつ1.8~4.7s-1のミキシング速度と定義する。好ましくは、2.1~4.0s-1である。
高速は、中速以上の速度であって、かつ3.3~7.3s-1のミキシング速度と定義する。好ましくは4.1~7.3s-1である。
なお、低速と中速は、1.8~2.5s-1の間にある同じ速度域であってもよい。この時、低速と中速は区別されず、同じ速度域でミキシングを続けることになる。
また、中速と高速は、3.3~4.7s-1の間にある同じ速度域であってもよい。この時、中速と高速は区別されず、同じ速度域でミキシングを続けることになる。
1次ミキシングのミキシング速度が遅かったり、ミキシング時間が短いと、材料の分散性が悪く、非ハード系多加水パン用生地がベタつきやすくなったり、非ハード系多加水パンのソフトな食感が損なわれる場合がある。逆にミキシング速度が速かったり、ミキシング時間が長いと、非ハード系多加水パン用生地の弾力性が過度に富み過ぎて、非ハード系多加水パンのもっちりさが損なわれる場合がある。
(2次ミキシング工程(工程a3))
工程a2で得られた1次ミキシング後の材料混合物に、前記2次ミキシング用材料を添加して、2次ミキシングを行い、2次ミキシング後の本捏生地を得る。
前記2次ミキシングの条件は、低速で1~8分間、次いで、中速及び/又は高速で1~15分間という条件が好ましく、低速で2~6分間、中速及び/又は高速で2~10分間がより好ましく、低速で2~4分間、中速及び/又は高速で4~9分間が更に好ましい。中速と高速に関しては、中速のミキシングのみを行ってもよいし、高速のミキシングのみを行ってもよいし、中速のミキシングと高速のミキシングの双方を行ってもよい。双方を行う場合、中速のミキシング時間と高速のミキシング時間の合計時間が、上記範囲を満足するように調節する。尚、低速、中速、及び高速の定義は上記と同じである。
2次ミキシングのミキシング速度が遅かったり、ミキシング時間が短いと、材料の分散性が悪く、非ハード系多加水パンのもっちりさや、ソフトな食感が損なわれる場合がある。逆にミキシング速度が速かったり、ミキシング時間が長いと、非ハード系多加水パン用生地の弾力性が過度に富み過ぎて、非ハード系多加水パンのもっちりさが損なわれる場合がある。
(二次発酵工程(工程a4))
工程a3で得られた2次ミキシング後の本捏生地を二次発酵して、二次発酵後の本捏生地を得る。
前記二次発酵の条件は、5~34℃で、5~1440分間であることが好ましく、25~35℃で、15~60分間がより好ましく、27~32℃で、20~40分間が更に好ましい。発酵温度が5℃より低かったり、発酵時間が5分間より短いと、発酵が不十分となる場合がある。また、発酵温度が34℃より高かったり、発酵時間が1440分間より長いと、発酵が過剰となり、非ハード系多加水パン用生地がベタつきやすくなる場合がある。
(最終発酵工程(工程a5))
工程a4で得られた二次発酵後の本捏生地を、所定の大きさに分割し、所定の形状に成形した後、最終発酵することで、非ハード系多加水パン用生地を得る。
前記最終発酵の条件は、25~40℃で、10~90分間であることが好ましく、30~40℃で、20~70分間がより好ましく、35~40℃で、45~65分間が更に好ましい。発酵温度が25℃より低かったり、発酵時間が10分間より短いと、発酵が不十分となる場合がある。また、発酵温度が40℃より高かったり、発酵時間が90分間より長いと、発酵が過剰となり、非ハード系多加水パン用生地がベタつきやすくなる場合がある。
工程a5で得られる非ハード系多加水パン用生地は、その後、通常の非ハード系パンと同様に、加熱調理工程を経て、非ハード系多加水パンを製造することができる。ここで、前記加熱調理とは、焼成、蒸し、油ちょうを含む。このうち焼成が好ましい。加熱調理の条件は、パンを作製するための通常の条件であって良い。
前記工程a1~工程a5を実施することにより、ベタつきがない非ハード系多加水パン用生地が製造され、更に該生地を加熱調理することで、しっとりさともっちりさがあり、ソフトな食感の非ハード系多加水パンを製造することができる。本実施形態によると、得られるパン生地のベタつきが少ないため、パン生地を、ひいてはパンを安定して大量に生産することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
実施例及び比較例で使用した原料は以下の通りである。
1)日本製粉(株)製「ミリオン」
2)(株)カネカ製「カネカイーストGA」
3)フライスター(株)製「F-100」
4)日本精糖(株)製「上白糖P」
5)よつ葉乳業(株)製「脱脂粉乳」
6)(株)カネカ製「エバーライトG」
7)DSM社製「ベイクザイムBXP5001BG(2700単位(U))」
8)財団法人塩事業センター製「精製塩」
9)松谷化学(株)製「マツノリン340」(タピオカα化リン酸架橋澱粉)
10)日本製紙(株)製「サンローズ SLD-F1」
11)日本製粉(株)製「バイタルグルテン」
12)松谷化学工業(株)製「ファイバーソル2」
13)扶桑化学工業(株)製「L-アスコルビン酸」
14)キユーピータマゴ(株)製「殺菌液全卵」
15)雪印メグミルク(株)製「雪印バター(無塩)」(油分:81.0重量%)
<生地のベタつきのなさの評価>
実施例及び比較例で得た最終発酵後のパン生地のベタつきのなさを、以下の基準で評価した。
5点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも良く、伸展性が非常に良好で、生地のベタつきが極めて少ない
4点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)と同等で、伸展性が良好で、生地のベタつきが少ない
3点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりもやや劣り、伸展性がやや悪く、生地のベタつきが若干感じられる
2点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも劣り、伸展性が悪く、生地のベタつきが感じられる
1点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも非常に劣り、伸展性が極めて悪く、生地のベタつきが大変感じられる
<パンの官能評価方法>
実施例及び比較例で作製したパンを、熟練した10名のパネラーに食べて評価してもらい、それらの平均点を評価値とした。その際の評価基準は、以下の通りである。
(しっとりさ)
5点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも非常に良く、しっとりさが大変感じられる
4点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)と同等で、しっとりさが感じられる
3点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも若干悪く、しっとりさがやや劣る
2点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より悪く、しっとりさが余り感じられない
1点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より非常に悪く、しっとりさが全く感じられない
(もっちりさ)
5点:実施例4(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも非常に良く、もっちりさが大変感じられる
4点:実施例4(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)と同等で、もっちりさが感じられる
3点:実施例4(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも若干悪く、もっちりさがやや劣る
2点:実施例4(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より悪く、もっちりさが余り感じられない
1点:実施例4(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より非常に悪く、もっちりさが全く感じられない
(ソフトな食感)
5点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも非常に良く、ソフトな食感が大変感じられる
4点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)と同等で、ソフトな食感が感じられる
3点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも若干悪く、ソフトな食感がやや劣る
2点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より悪く、やや硬くて、ソフトな食感が余り感じられない
1点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より非常に悪く、硬くて、ソフトな食感が全く感じられない
(異味のなさ)
5点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも良く、異味が全く感じられない
4点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)と同等で、異味が感じられない
3点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも若干悪く、僅かに異味が感じられる
2点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より悪く、異味が感じられる
1点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より非常に悪く、異味が大変感じられる
<パンの目視評価方法>
実施例及び比較例で作製したパンを目視で評価した。その際の評価基準は、以下の通りである。
(パンのボリューム)
5点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも良く、ボリュームが大きく極めて良好である
4点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)と同等で、ボリュームが大きく良好である
3点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも若干悪く、ボリュームがやや小さい
2点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より悪く、ボリュームが小さい
1点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より非常に悪く、ボリュームが明らかに小さい
(パンの外観)
5点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも良く、外観の荒れがなく極めて良好である
4点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)と同等で、外観の荒れがなく良好である
3点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)よりも若干悪く、外観がやや荒れている
2点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より悪く、外観が荒れている
1点:実施例3(食パン)又は23(菓子パン)又は25(ブリオッシュ)より非常に悪く、外観が非常に荒れている
<総合評価>
生地のベタつきのなさ、しっとりさ、もっちりさ、及び、ソフトな食感の各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである
A:生地のベタつきのなさが4点又は5点であり、しっとりさ、もっちりさ、及び、ソフトな食感の評価がそれぞれ4.5点以上であるもの
B:生地のベタつきのなさが4点又は5点であり、しっとりさ、もっちりさ、及び、ソフトな食感の評価がそれぞれ4点以上で、しっとりさ、もっちりさ、及び、ソフトな食感の評価のうち少なくとも1つは4点以上4.5点未満であるもの
C:生地のベタつきのなさ、しっとりさ、もっちりさ、及び、ソフトな食感の各評価がそれぞれ3点以上であり、各評価のうち少なくとも1つは3点以上4点未満であるもの
D:生地のベタつきのなさ、しっとりさ、もっちりさ、及び、ソフトな食感の各評価がそれぞれ2点以上であり、各評価のうち少なくとも1つは2点以上3点未満であるもの
E:生地のベタつきのなさ、しっとりさ、もっちりさ、及び、ソフトな食感の各評価のうち少なくとも1つは2点未満であるもの
(実施例1) 食パンの作製
表1の配合に従って、中種生地用材料として、穀粉70重量部、パン酵母2重量部(乾燥重量で0.7重量部)、及び、添加水55重量部をミキサーボウルに投入し、縦型ミキサー「HPI-20M」(関東混合機工業社製)を用いて、低速(1.9s-1)で2分間、中速(2.3s-1)で3分間ミキシングした後、生地を25±1℃に捏ね上げた。得られた生地を29℃、湿度75%で240分間一次発酵を行い、一次発酵後の中種生地を得た。
一次発酵後の中種生地と、1次ミキシング用材料のうち油脂以外の原料(穀粉30重量部、糖類6重量部、脱脂粉乳2重量部、キシラナーゼ0.005重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり13.5U)、及び、添加水35重量部)をミキサーボウルに投入し、低速(1.9s-1)で2分間、中速(2.3s-1)で4分間、高速(4.5s-1)で2分間、初回の1次ミキシングを行った後、油脂5重量部を投入し、更に、低速で2分間、中速で3分間、高速で1分間、二回目の1次ミキシングを実施して、1次ミキシング後の材料混合物を得た。(なお、1次ミキシングの時間は、低速で合計4分間、中速と高速で合計10分間である。)
1次ミキシング後の材料混合物と、2次ミキシング用材料として、食塩2.2重量部、及び、添加水10重量部をミキサーボウルに投入し、低速(1.9s-1)で2分間、中速(2.3s-1)で3分間、高速(4.5s-1)で6分間、2次ミキシングを行い、生地を25±1℃に捏ね上げて、2次ミキシング後の本捏生地を得た。(なお、2次ミキシングの時間は、低速で2分間、中速と高速で合計9分間である。)
得られた2次ミキシング後の本捏生地を29℃、湿度60%で30分間静置して二次発酵を行い、二次発酵後の本捏生地を得た。
得られた二次発酵後の本捏生地を300gに分割して丸めを行った後、ワンローフ型ケースに入れて、38℃、湿度75%で60分間最終発酵を行って、最終発酵後のパン生地を得た。
得られた最終発酵後のパン生地を、上火200℃・下火200℃のデッキオーブン「プリンスII」(フジサワ・マルゼン社製)に移し入れ、20分間焼成し、食パンを作製した。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表1に示した。
Figure 2022153834000001
(実施例2~4) 食パンの作製
表1の配合に従って、実施例1において中種生地用材料として添加される穀粉70重量部を、5重量部(実施例2)、40重量部(実施例3)、又は、80重量部(実施例4)に変更し、また、1次ミキシング用材料として添加される穀粉30重量部を、95重量部(実施例2)、60重量部(実施例3)、又は、20重量部(実施例4)に変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部のうち、中種生地用材料として添加される穀粉の量が5~80重量部、1次ミキシング用材料として添加される穀粉の量が10~95重量部の範囲にあるパン生地を使用して作製した実施例1~4の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。
(参考例1) 食パンの作製
表1の配合に従って、中種生地は作製せず、1次ミキシング用材料のうち油脂以外の原料(強力粉90重量部、α化小麦粉10重量部、パン酵母2重量部(乾燥重量で0.7重量部)、糖類6重量部、脱脂粉乳2重量部、キシラナーゼ0.005重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり13.5U)、及び、添加水85重量部)をボウルに投入し、縦型ミキサー「HPI-20M」(関東混合機工業社製)を用いて、低速(1.9s-1)で2分間、中速(3.5s-1)で4分間、高速(5.3s-1)で4分間、初回の1次ミキシングを行った後、油脂5重量部を投入し、更に、低速で2分間、中速で3分間、高速で3分間、二回目の1次ミキシングを実施して、1次ミキシング後の材料混合物を得た。(なお、1次ミキシングの時間は、低速で合計4分間、中速と高速で合計14分間である。)
1次ミキシング後の材料混合物に、2次ミキシング用材料として、食塩2.2重量部、及び、添加水10重量部を投入し、低速(1.9s-1)で2分間、中速(3.5s-1)で6分間、高速(5.3s-1)で6分間、2次ミキシングを行い、25±1℃に生地を捏ね上げて、2次ミキシング後の本捏生地を得た。(なお、2次ミキシングの時間は、低速で2分間、中速と高速で合計12分間である。)
得られた2次ミキシング後の本捏生地を29℃、湿度60%で60分間静置して二次発酵を行い、二次発酵後の本捏生地を得た。
得られた二次発酵後の本捏生地を400gに定量分割して丸めを行った後、ワンローフ型ケースに入れて、35℃、湿度75%で60分間最終発酵を行って、最終発酵後のパン生地を得た。
得られた最終発酵後のパン生地を、上火240℃・下火220℃のデッキオーブン「プリンスII」(フジサワ・マルゼン社製)に移し入れ、25分間焼成し、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、中種生地を使用せずにパン生地を使用して作製した参考例1の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であったが、ソフトな食感が若干低い評価であった。
(実施例5) 食パンの作製
表1の配合に従って、実施例1において1次ミキシング用材料として、強力粉30重量部を15重量部に変更し、代わりに、穀粉の一種であるα化小麦粉15重量部を使用した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、α化小麦粉を、本捏生地に含まれる穀粉全体中15重量%含有するパン生地を使用して作製した実施例5の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。特に、α化小麦粉を含まないパン生地を使用して作製した実施例1の食パンに比べて、しっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感が良好で、異味も全く感じられなかった。
(実施例6) 食パンの作製
表2の配合に従って、実施例1において1次ミキシング用材料として添加される水35重量部を20重量部に変更し、更に、初回の1次ミキシング条件の高速で2分間を1分間に、2次ミキシング条件の中速で3分間、高速で6分間を、中速で4分間、高速で2分間に変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表2に示した。
Figure 2022153834000002
(実施例7) 食パンの作製
表2の配合に従って、実施例1において中種生地用材料として添加される水55重量部を65重量部に変更し、更に、二回目の1次ミキシング条件の中速で3分間を4分間に、2次ミキシング条件の中速で3分間を6分間に変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表2に示した。
(実施例8) 食パンの作製
表2の配合に従って、実施例1において1次ミキシング用材料として添加される水35重量部を25重量部に、2次ミキシング用材料として添加される水10重量部を20重量部に変更し、更に、二回目の1次ミキシング条件の中速で3分間を2分間に、2次ミキシング条件の中速で3分間を8分間に変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表2に示した。
(比較例1) 食パンの作製
表2の配合に従って、実施例1において1次ミキシング用材料として添加される水35重量部を25重量部に変更し、2次ミキシング時に水10重量部を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表1に示した。
(比較例2) 食パンの作製
表2の配合に従って、実施例1において中種生地用材料として添加される水55重量部を70重量部に、1次ミキシング用材料として添加される水35重量部を30重量部に、2次ミキシング用材料として添加される水10重量部を15重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表2に示した。
表2から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する水の含有量が85~110重量部の範囲にあるパン生地を使用して作製した実施例1、6~8の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。一方、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する水の含有量が80重量部と少ないパン生地を使用して作製した比較例1の食パンは、しっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の評価が不十分な結果で、総合評価はEであった。また、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する水の含有量が115重量部と多いパン生地を使用して作製した比較例2の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさの評価が不十分な結果で、総合評価はDであった。
(実施例9) 食パンの作製
表3の配合に従って、実施例1において1次ミキシング用材料として、加工澱粉を0.8重量部添加した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表3に示した。
Figure 2022153834000003
表3から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する加工澱粉含有量が0~0.9重量部であるパン生地を使用して作製した実施例1及び9の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。
(実施例10) 食パンの作製
表3の配合に従って、実施例1において1次ミキシング用材料として、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースを0.08重量部添加した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する増粘剤含有量が0~0.09重量部であるパン生地を使用して作製した実施例1及び10の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。
(実施例11) 食パンの作製
表3の配合に従って、実施例1において1次ミキシング用材料として、グルテンを0.18重量部添加した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対するグルテン含有量が0~0.2重量部であるパン生地を使用して作製した実施例1及び11の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。
(実施例12) 食パンの作製
表3の配合に従って、実施例1において1次ミキシング用材料として、食物繊維を1.4重量部添加した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する食物繊維含有量が0~1.5重量部であるパン生地を使用して作製した実施例1及び12の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。
(実施例13) 食パンの作製
表3の配合に従って、実施例1において1次ミキシング用材料として、酸化剤を0.002重量部添加した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する酸化剤及び/又は酸化酵素の含有量が0~0.002重量部であるパン生地を使用して作製した実施例1及び13の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。
(実施例14) 食パンの作製
表4の配合に従って、実施例1においてキシナラーゼ0.005重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり13.5U)を、0.002重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり5.4U)に変更し、更に、初回の1次ミキシング条件の中速で4分間、高速で2分間を、中速で6分間、高速で4分間に、二回目の1次ミキシング条件の中速で3分間、高速で1分間を、中速で4分間、高速で2分間に変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表4に示した。
Figure 2022153834000004
(実施例15) 食パンの作製
表4の配合に従って、実施例1においてキシナラーゼ0.005重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり13.5U)を、0.11重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり297U)に変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表4に示した。
(比較例3) 食パンの作製
表4の配合に従って、実施例1においてキシナラーゼ0.005重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり13.5U)を、0.001重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり2.7U)に変更し、更に、初回の1次ミキシング条件の中速で4分間、高速で2分間を、中速で5分間、高速で13分間に、二回目の1次ミキシング条件の中速で3分間、高速で1分間を、中速で8分間、高速で4分間に、2次ミキシング条件の中速で3分間、高速で6分間を、中速で5分間、高速で9分間に変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表4に示した。
(比較例4) 食パンの作製
表4の配合に従って、実施例1においてキシナラーゼ0.005重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり13.5U)を、0.125重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり337.5U)に変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表4に示した。
表4から明らかなように、1次ミキシング用材料として、本捏生地に含まれる穀粉100gあたりキシラナーゼを5~300Uの範囲で添加したパン生地を使用して作製した実施例1、14及び15の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。一方、本捏生地に含まれる穀粉100gあたりのキシラナーゼの添加量が2.7Uと少ないパン生地を使用して作製した比較例3の食パンは、もっちりさの評価が不十分な結果で、総合評価はDであった。また、本捏生地に含まれる穀粉100gあたりのキシラナーゼの添加量が337.5Uと多いパン生地を使用して作製した比較例4の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさと、ソフトな食感の評価が不十分な結果で、総合評価はDであった。
(実施例16) 食パンの作製
表4の配合に従って、実施例1において2次ミキシング用材料として添加される食塩2.2重量部を1.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表4に示した。
(比較例5) 食パンの作製
表4の配合に従って、実施例1において、2次ミキシング用材料として添加される食塩2.2重量部を1.2重量部に変更し、1次ミキシング用材料として、食塩を1.0重量部添加し、更に、初回の1次ミキシング条件の中速で4分間、高速で2分間を、中速で5分間、高速で10分間に、二回目の1次ミキシング条件の中速で3分間、高速で1分間を、中速で5分間、高速で10分間に、2次ミキシング条件の中速で3分間、高速で6分間を、中速で5分間、高速で10分間に変更した以外は、実施例1と同様にして食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表4に示した。
表4から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する食塩含有量が1~2.5重量部の範囲にあり、且つ1次ミキシング用材料としての食塩の添加量が0~0.5重量部であるパン生地を使用して作製した実施例1及び16の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。一方、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する食塩含有量が1~2.5重量部の範囲にあるものの、1次ミキシング用材料としての食塩の添加量が1.0重量部と多いパン生地を使用して作製した比較例5の食パンは、もっちりさの評価が不十分な結果で、総合評価はDであった。
(実施例17) 食パンの作製
表5の製造条件に従って、初回の1次ミキシング条件の中速で4分間、高速で2分間を、中速で3分間、高速で0分間に、二回目の1次ミキシング条件の中速で3分間、高速で1分間を、中速で5分間、高速で8分間に、2次ミキシング条件の低速で2分間、中速で3分間、高速で6分間を、低速で4分間、中速で5分間、高速で10分間に変更した以外は、実施例1と同様にして食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表5に示した。
Figure 2022153834000005
(実施例18) 食パンの作製
表5の製造条件に従って、初回の1次ミキシング条件の中速で4分間、高速で2分間を、中速で5分間、高速で12分間に、二回目の1次ミキシング条件の中速で3分間、高速で1分間を、中速で5分間、高速で8分間に、2次ミキシング条件の高速で6分間を3分間に変更した以外は、実施例1と同様にして食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表5に示した。
(比較例6) 食パンの作製
表5の製造条件に従って、初回の1次ミキシング条件の低速で2分間、中速で4分間、高速で2分間を、低速で1分間、中速で0分間、高速で0分間に、二回目の1次ミキシング条件の低速で2分間、中速で3分間、高速で1分間を、低速で0分間、中速で1分間、高速で0分間に、2次ミキシング条件の低速で2分間、中速で3分間、高速で6分間を、低速で8分間、中速で5分間、高速で10分間に変更した以外は、実施例1と同様にして食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表5に示した。
(比較例7) 食パンの作製
表5の製造条件に従って、2次ミキシング条件の低速で2分間、中速で3分間、高速で6分間を、低速で0分間、中速で5分間、高速で7分間に変更した以外は、実施例1と同様にして食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表5に示した。
(比較例8) 食パンの作製
表5の製造条件に従って、2次ミキシング条件の中速で3分間、高速で6分間を、中速で5分間、高速で11分間に変更した以外は、実施例1と同様にして食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表5に示した。
表5から明らかなように、1次ミキシングの条件が低速で2~8分間、中速及び/又は高速で2~30分間であり、且つ2次ミキシングの条件が低速で1~8分間、中速及び/又は高速で1~15分間の範囲にあるパン生地を使用して作製した実施例1、17及び18の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。一方、1次ミキシングの条件が低速で1分間、高速で1分間と、いずれも短いパン生地を使用して作製した比較例6の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさと、ソフトな食感の評価が不十分な結果で、総合評価はEであった。また、2次ミキシングで低速のミキシングを実施しなかったパン生地を使用して作製した比較例7の食パンは、もっちりさと、ソフトな食感の評価が不十分な結果で、総合評価はDであった。更に、2次ミキシングの条件が中速及び高速の合計で16分間と長いパン生地を使用して作製した比較例8の食パンは、もっちりさの評価が不十分な結果で、総合評価はDであった。
(実施例19~21、及び、比較例9)
表6に示す通り、実施例1において一次発酵、二次発酵、及び最終発酵のうちいずれかの発酵条件を変更した以外は実施例1と同様にして、食パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表6に示した。
Figure 2022153834000006
表6から明らかなように、一次発酵の条件が2~35℃で、60~2880分間、二次発酵の条件が5~34℃で、5~1440分間、且つ、最終発酵の条件が25~40℃で、10~90分間の範囲にあるパン生地を使用して作製した実施例1、19~21の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。一方、最終発酵の時間が110分間と長いパン生地を使用して作製した比較例9の食パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさの評価が不十分な結果で、総合評価はDであった。
(実施例22) 菓子パンの作製
表7の配合に従って、中種生地用材料として、穀粉70重量部、糖類3重量部、パン酵母2重量部(乾燥重量で0.7重量部)、及び、添加水55重量部を、縦型ミキサー「HPI-20M」(関東混合機工業社製)を用いて低速(1.9s-1)で2分間、中速(2.3s-1)で3分間ミキシングした後、生地を25±1℃に捏ね上げた。得られた生地を29℃、湿度75%で150分間一次発酵を行い、一次発酵後の中種生地を得た。
一次発酵後の中種生地と、1次ミキシング用材料のうち油脂以外の原料(穀粉30重量部、糖類22重量部、脱脂粉乳2重量部、パン酵母1重量部(乾燥重量で0.4重量部)、全卵10重量部、キシラナーゼ0.005重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり13.5U)、及び、添加水30重量部)をミキサーボウルに投入し、低速で2分間、中速で2分間、高速(4.5s-1)で3分間、初回の1次ミキシングを行った後、油脂としてバター10重量部を投入し、更に、低速で2分間、中速で3分間、高速で2分間、二回目の1次ミキシングを実施して、1次ミキシング後の材料混合物を得た。(なお、1次ミキシングの時間は、低速で合計4分間、中速と高速で合計10分間である。)
1次ミキシング後の材料混合物と、2次ミキシング用材料として、食塩1.8重量部、及び、添加水10重量部をミキサーボウルに投入し、低速で2分間、中速で8分間、2次ミキシングを行い、生地を25±1℃に捏ね上げて、2次ミキシング後の本捏生地を得た。
得られた2次ミキシング後の本捏生地を29℃、湿度60%で30分間静置して二次発酵を行い、二次発酵後の本捏生地を得た。
得られた二次発酵後の本捏生地を60gに分割して丸めを行った後、カップケースに入れて、38℃、湿度75%で60分間最終発酵を行って、最終発酵後のパン生地を得た。
得られた最終発酵後のパン生地を、上火210℃・下火210℃のデッキオーブン「プリンスII」(フジサワ・マルゼン社製)に移し入れ、9分間焼成し、菓子パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表7に示した。
Figure 2022153834000007
(実施例23、及び、比較例10) 菓子パンの作製
表7の配合に従って、実施例22において1次ミキシング用材料として添加される上白糖22重量部と添加水30重量部を、上白糖15重量部と添加水35重量部(実施例23)、又は、上白糖30重量部と添加水25重量部(比較例10)に変更した以外は、実施例22と同様にして菓子パンを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表7に示した。
表7から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する糖類含有量が3.5~30重量部の範囲にあるパン生地を使用して作製した実施例22及び23の菓子パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。一方、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する糖類含有量が33重量部と多いパン生地を使用して作製した比較例10の菓子パンは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのもっちりさ、ソフトな食感の評価が不十分な結果で、総合評価はEであった。
(実施例24) ブリオッシュの作製
表8の配合に従って、中種生地用材料として、穀粉70重量部、糖類3重量部、パン酵母2重量部(乾燥重量で0.7重量部)、及び、添加水45重量部を、縦型ミキサー「HPI-20M」(関東混合機工業社製)を用いて低速(1.9s-1)で2分間、中速(2.3s-1)で3分間ミキシングした後、生地を25±1℃に捏ね上げた。得られた生地を29℃、湿度75%で150分間一次発酵を行い、一次発酵後の中種生地を得た。
一次発酵後の中種生地と、1次ミキシング用材料のうち油脂以外の原料(穀粉30重量部、糖類12重量部、脱脂粉乳2重量部、パン酵母1重量部(乾燥重量で0.4重量部)、全卵10重量部、キシラナーゼ0.005重量部(本捏生地中の穀粉100gあたり13.5U)、及び、添加水30重量部)をミキサーボウルに投入し、低速で2分間、中速で5分間、高速(4.5s-1)で4分間、初回の1次ミキシングを行った後、油脂を含むバター30重量部を投入し、更に、低速で2分間、中速で3分間、二回目の1次ミキシングを実施して、1次ミキシング後の材料混合物を得た。(なお、1次ミキシングの時間は、低速で合計4分間、中速と高速で合計12分間である。)
1次ミキシング後の材料混合物と、2次ミキシング用材料として、食塩1.8重量部、及び、添加水10重量部をミキサーボウルに投入し、低速で2分間、高速で5分間、2次ミキシングを行い、生地を25±1℃に捏ね上げて、2次ミキシング後の本捏生地を得た。
得られた2次ミキシング後の本捏生地を29℃、湿度60%で30分間静置して二次発酵を行い、二次発酵後の本捏生地を得た。
得られた二次発酵後の本捏生地を60gに分割して丸めを行った後、カップケースに入れて、38℃、湿度75%で60分間最終発酵を行って、最終発酵後のパン生地を得た。
得られた最終発酵後のパン生地を、上火200℃・下火200℃のデッキオーブン「プリンスII」(フジサワ・マルゼン社製)に移し入れ、10分間焼成し、ブリオッシュを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表8に示した。
Figure 2022153834000008
(実施例25、及び、比較例11) ブリオッシュの作製
表8の配合に従って、実施例24において1次ミキシング用材料として添加されるバター30重量部を、25重量部(実施例25)、又は、38重量部(比較例11)に変更した以外は、実施例24と同様にしてブリオッシュを得た。最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感、ボリューム、外観、及び、異味のなさの評価結果を表8に示した。
表8から明らかなように、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する油脂含有量が4~30重量部の範囲にあるパン生地を使用して作製した実施例24及び25のブリオッシュは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価で良好な結果であった。一方、本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対する油脂含有量が30.8重量部と多いパン生地を使用して作製した比較例11のブリオッシュは、最終発酵後のパン生地のベタつきのなさ、及び、得られたパンのしっとりさ、もっちりさ、ソフトな食感の全ての評価が不十分な結果で、総合評価はEであった。

Claims (5)

  1. 中種生地を作製した後に本捏生地を作製する中種法に従った非ハード系多加水パン用生地の製造方法であって、
    前記本捏生地は、
    本捏生地に含まれる穀粉100重量部に対して、
    加工澱粉含有量が0~0.9重量部、増粘剤含有量が0~0.09重量部、グルテン含有量が0~0.2重量部、酸化剤及び/又は酸化酵素の含有量が0~0.002重量部、食物繊維含有量が0~1.5重量部であり、糖類3.5~30重量部、油脂4~30重量部、水85~110重量部、パン酵母0.1~4重量部(乾燥重量)、及び、食塩1~2.5重量部を含み、
    前記製造方法は、
    穀粉5~80重量部、水2~90重量部、パン酵母0.1~4重量部(乾燥重量)、及び、食塩0~0.5重量部を含む中種生地を作製し、該中種生地を2~35℃で、60~2880分間一次発酵して一次発酵後の中種生地を得る工程と、
    前記一次発酵後の中種生地に、穀粉10~95重量部、中種生地用材料として添加された水との合計量が75~100重量部となる量の水、パン酵母0~1重量部(乾燥重量)、食塩0~0.5重量部、及び、本捏生地に含まれる穀粉100gあたりキシラナーゼ5~300Uを添加し、低速で2~8分間、中速及び/又は高速で2~30分間の条件で1次ミキシングして1次ミキシング後の材料混合物を得る工程と、
    前記1次ミキシング後の材料混合物に、穀粉0~10重量部、食塩、及び、水0~35重量部を添加し、低速で1~8分間、中速及び/又は高速で1~15分間の条件で2次ミキシングして2次ミキシング後の本捏生地を得る工程と、
    前記2次ミキシング後の本捏生地を5~34℃で、5~1440分間二次発酵して二次発酵後の本捏生地を得る工程と、
    前記二次発酵後の本捏生地を分割及び成形した後、25~40℃で、10~90分間最終発酵する工程、を含む、非ハード系多加水パン用生地の製造方法。
  2. 本捏生地に含まれる穀粉全体中、α化小麦粉を1~30重量%含有する、請求項1に記載の非ハード系多加水パン用生地の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法に従って非ハード系多加水パン用生地を製造した後、該非ハード系多加水パン用生地を加熱調理する工程を含む、非ハード系多加水パンの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の製造方法に従って製造された非ハード系多加水パン用生地。
  5. 請求項4に記載の非ハード系多加水パン用生地が加熱調理された、非ハード系多加水パン。
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