JP4686855B2 - ワーク加工方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はワーク加工方法に関し、より特定的には、搬送路上に設けられたガイドに沿って搬送される複数のワークを加工するために用いられる、ワーク加工方法に関する。
【従来の技術】
従来、複数のワークを連続的に加工するために、特開平11−347900号等において、複数のワークを搬送路上に設けられたガイドに沿って連続的に搬送しながら加工する技術が開示されている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ワークが希土類焼結磁石等の焼結体のとき、成形密度の差異によってワークが焼結時に不可避的に変形する。したがって、図10に示すように搬送路1上に設けられたガイド2aおよび2bに沿って複数のワークを連続搬送する際、搬送される複数のワークの中に、横断面平行四辺形に変形しているワーク3aが含まれている場合がある。なお、図10ではわかりやすくするためにワーク3aを大きく変形させているが、実際にはきわめて小さいものである。
【0003】
この場合、ワーク3aとワーク3bとが接触部4において局所的に接触する。このとき、ワーク3bの端面5は接触部4にのみ押し込み力fがかかるため、ワーク3bに回転モーメントが発生しワーク3bの搬送方向が変化する。その結果、ワーク3bがガイド2bに接触し、ワーク3bとガイド2bとの接触部6にはワーク3bからの押し込み力fが鋭角的に加わる。したがって、押し込み力fのうち、ガイド2bに垂直に加わる分力f1が抵抗として作用し、ガイド2bと平行な分力f2が搬送力として作用する。このように、搬送力となる分力f2は押し込み力fより小さくなるので、ワーク3bを円滑に搬送できず生産性が悪くなる。また、接触部4、6においてガイド2a、2bの間に発生する摩擦力によっても搬送力f2は大きく低下する。
【0004】
そこで、ワーク3a、3bを円滑に搬送するためにワーク3a、3bの搬送速度を上げることも考えられるが、この場合接触部4、6に働く抵抗f1や摩擦力がさらに大きくなるため、ワーク3bに欠けが発生してしまい歩留まりが悪くなる。また、ワーク3aがワーク3bの上に乗り上げたり、ワーク3bの下に潜り込んだりすることによっても、ワーク3bに欠けが発生する。ワーク3bが焼結体であったり、接触部4、6においてワーク3bがあらかじめ面加工されたものである場合にはワーク3bの欠けが一層顕著になる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、歩留まりを向上させかつ生産性を上げることができる、ワーク加工方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のワーク加工方法は、複数のワークを搬送路上に設けられた一対のガイドに沿って搬送しながら加工するワーク加工方法であって、複数のワークのそれぞれが一対のガイドの間に収まるようにかつ複数のワークの間に粘着性部材からなる緩衝部材を介挿させつつ複数のワークを搬送路上に1つずつ順次投入する投入工程、搬送路上に順次投入された複数のワークを一対のガイドに沿って連続的に搬送する搬送工程、および複数のワークを加工する加工工程を備え、複数のワークの間には緩衝部材のみが介挿される。請求項2に記載のワーク加工方法は、請求項1に記載のワーク加工方法において、複数のワークの端面をあらかじめ面加工していることを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載のワーク加工方法は、請求項1または2に記載のワーク加工方法において、緩衝部材とワークとの接触面積が、緩衝部材が接触するワークの端面の面積の5%以上50%以下であることを特徴とする。
請求項4に記載のワーク加工方法は、請求項1ないし3のいずれかに記載のワーク加工方法において、緩衝部材の厚みが0.05mm以上1mm以下であることを特徴とする。
請求項5に記載のワーク加工方法は、請求項1ないし4のいずれかに記載のワーク加工方法において、ワークが焼結体であることを特徴とする。
【0007】
請求項6に記載のワーク加工方法は、複数のワークを搬送路上に設けられた一対のガイドに沿って搬送しながら加工するワーク加工方法であって、複数のワークのそれぞれが一対のガイドの間に収まるようにかつ複数のワークの間に粘着性部材からなるスペーサ部材を介挿させつつ複数のワークを搬送路上に1つずつ順次投入する投入工程、搬送路上に順次投入された複数のワークを一対のガイドに沿って連続的に搬送する搬送工程、および複数のワークを加工する加工工程を備え、複数のワークの間にはスペーサ部材のみが介挿される。請求項7に記載のワーク加工方法は、複数のワークを搬送路上に設けられた一対のガイドに沿って搬送しながら加工するワーク加工方法であって、複数のワークのそれぞれが一対のガイドの間に収まるようにかつ複数のワークの間に粘着性部材からなる方向補正部材を介挿させつつ複数のワークを搬送路上に1つずつ順次投入する投入工程、搬送路上に順次投入された複数のワークを一対のガイドに沿って連続的に搬送する搬送工程、および複数のワークを加工する加工工程を備え、複数のワークの間には方向補正部材のみが介挿される
【0008】
請求項1に記載のワーク加工方法では、複数のワークはワーク間に緩衝部材を介挿させて搬送路上に設けられたガイドに沿って連続的に搬送され、加工される。このように緩衝部材を介挿させることによって、ワークが変形していてもワーク同士が点接触せず、ワークの向きを変化させる回転モーメントも発生しにくいのでワークがガイドへ接触してもワークに働く抵抗や摩擦力が部分的に大きくならずにワークを搬送できる。したがって、ワークの欠け発生を低減するとともに、ワークを円滑に搬送し加工することができる。
緩衝部材が付与されるワークの端面に対してあらかじめ面加工(前加工)を行うことがある。前加工を行うと研磨によってワークの周縁部が鋭利となり、ワークに欠けが生じやすい。請求項2に記載するワーク加工方法では、緩衝部材を介挿させることによって、ワーク同士が点接触せずかつワークがガイドへ接触してもワークに働く抵抗や摩擦力が部分的に大きくならずにワークを搬送できるので、特に有効となる。
【0009】
緩衝部材とワークとの接触面積が、緩衝部材が接触するワークの端面の面積の5%未満の場合は、緩衝効果がなく、ワーク同士が局所的に接触しワークに欠けが発生する。一方、接触面積がワークの端面の面積の50%を超えた場合、接触面積が大きすぎて緩衝部材が変形しづらくなるため、緩衝部材が却ってワークの搬送の障害となり、ワークがガイドに接触してしまう。したがって、請求項3に記載のワーク加工方法のように、緩衝部材とワークとの接触面積をワークの端面の面積の5%以上50%以下にすれば、ワークの欠け発生を低減するとともに、ワークを円滑に搬送し加工することができる。
緩衝部材の厚みが0.05mm未満の場合は、緩衝効果がなく、ワーク同士が局所的に接触し欠けが発生してしまう。一方、緩衝部材の厚みが1mmを超えた場合は、ワークにかかる力の方向が一定せずワークの搬送方向が不安定となるため、ワークを円滑に搬送することができない。したがって、請求項4に記載のワーク加工方法のように、緩衝部材の厚みを0.05mm以上1mm以下にすれば、ワークの欠け発生を低減するとともに、ワークの搬送方向が安定する。
【0010】
請求項5に記載のワーク加工方法では、ワークが変形しやすく欠けやすい焼結体であっても、緩衝部材を介挿させることによって、ワーク同士が接触せずかつワークがガイドに接触しないので、効果的である。
請求項6に記載のワーク加工方法では、複数のワークはワーク間にスペーサ部材を介挿させて搬送路上に設けられたガイドに沿って連続的に搬送され、加工される。したがって、スペーサ部材を介挿させることによって、ワーク間に隙間をあけるので、ワーク同士の接触によるワークの欠け発生を低減するとともに、ワークを円滑に搬送し加工することができる。
【0011】
請求項7に記載のワーク加工方法では、複数のワークはワーク間に方向補正部材を介挿させて搬送路上に設けられたガイドに沿って連続的に搬送され、加工される。このように、方向補正部材を介挿させることによって、ワークが変形していても搬送方向が変化しないようにワークの向きが補正されるので、ワークがガイドに接触するのを防止できる。また、ワークが他のワークの上に乗り上げたり、他のワークの下に潜り込んだりするのを防止することもできる。したがって、ワークの欠け発生を低減するとともに、ワークを円滑に搬送し加工することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1を参照して、この発明が適用されるワーク加工装置10は、スルーフィードの加工機の一種であって、複数のワーク28(後述)を連続的に搬送するための搬送部12を含む。搬送部12は長尺状の搬送路14を含み、搬送路14の上面の幅方向両端近傍には、長さ方向に沿ってそれぞれワーク28を案内するためのガイド16aおよび16bが設けられる。ガイド16a、16bとワーク28との間にそれぞれたとえば20μm〜50μmのクリアランスC(図4参照)を形成できるように、ガイド16aおよび16bの間隔は、ワーク28の幅よりやや広く設定されることが望ましい。複数のワーク28がガイド16aと16bとの間に収まるように搬送路14上に投入される。
【0013】
また、搬送部12は駆動ローラ18、従動ローラ20aおよび20b、搬送ベルト22を含み、駆動ローラ18、従動ローラ20aおよび20bに装着された搬送ベルト22がワーク28の上面に接触し、かつガイド16aおよび16bと平行になるように配置される。駆動ローラ18は図示しないモータによって駆動され、その回転が搬送ベルト22に伝動され、複数のワーク28が搬送ベルト22の回転によって押し込まれて連続的に搬送される。
さらに、搬送部12の下流側の搬送路14上には加工部24が設けられる。加工部24は砥石26を含み、砥石26がガイド16aおよび16bによって案内されるワーク28の上面に接触するように配置される。砥石26は図示しないモータによって駆動され、複数のワーク28のそれぞれの上面を研削加工する。
図2(a)にも示すように、ワーク28としては、円弧状の表面を有する磁石等の焼結体であって、端面30a、30b、30cがDSG(Double Side Grinding)加工等の前加工によって平面加工されたものが用いられる。端面30bが平面加工されることによって、ワーク28をガイド16aと16bとの間に収まるように投入できる。
【0014】
また、隣接するワーク28間には緩衝部材として粘着性部材32が介挿される。粘着性部材32としては、たとえば樹脂やテープが用いられる。樹脂としては、たとえば材質がエチレン塩化ビニール、酢酸塩アセテート樹脂であって、融解温度が85±2゜Cのものを用いることができ、テープとしては、たとえばニチバン株式会社製のクラフト粘着テープや再生PET布粘着テープを用いることができる。これらの部材は緩衝部材として一定の弾性を有しているものが好ましい。また、粘着性部材32は、搬送中にその粘着力によってワーク28からはがれない。さらに、粘着性部材32が樹脂の場合、常温で粘性を有しなくとも加熱溶融させることでワーク28に接着させてもよい。
【0015】
図3(a)に示すように、粘着性部材32とワーク28との接触面積Aが、粘着性部材32が接触するワーク28の端面30aの面積Bの5%以上50%以下になるように、粘着性部材32がワーク28の端面30aに付与されることが望ましい。この場合ワーク28の欠け発生を低減するとともに、ワーク28を円滑に搬送し加工することができる。
また、図3(b)に示すように、粘着性部材32は、厚みTが0.05mm以上1mm以下になるようにワーク28の端面30aに付与されることが望ましい。この場合ワーク28の欠け発生を低減するとともに、ワーク28の搬送方向も安定する。
【0016】
ついで、図1を参照して、ワーク加工装置10を用いてワーク28を加工する動作について説明する。
まず、複数のワーク28が準備され、各ワーク28の端面30aに粘着性部材32が付与される。粘着性部材32は、人手やロボット等の任意の手段によって端面30aに付与される。そして、ワーク28は、ガイド16aおよび16bの間に収まるように順次搬送路14上に投入される。このとき、投入されたワーク28とガイド16a、16bとの間にはそれぞれクリアランスC(図4参照)が形成される。搬送路14上に投入され直列的に配置された複数のワーク28は、搬送ベルト22の回転によって各ワーク28には約100N程度の搬送力が与えられ、順次砥石26によってたとえば姿加工等の研削加工が施される。
【0017】
このようなワーク加工装置10によって得られる効果について図4を参照して説明する。ワーク28aは図10に示すワーク3aと同様、横断面平行四辺形に変形しているものである。
ワーク加工装置10によれば、ワーク28aとワーク28bとの間に介挿された粘着性部材32がスペーサ部材として機能するので、ワーク28aが変形していてもワーク28a、28b間に隙間をあけワーク28aとワーク28bとを接触させない。また、粘着性部材32は緩衝部材としても機能するので、ワーク28aとワーク28bとが点接触せず、回転モーメントも発生しにくい。したがって、ワーク28bの端面30a全体に押し込み力Fが加わり、押し込み力Fがそのままワーク28bの搬送力として作用するので、ワーク28bがガイド16bに接触したとしても、従来と異なりワーク28bに働く抵抗や摩擦力が部分的に大きくならずに搬送できる。さらに、粘着性部材32は方向補正部材としても機能するので、搬送方向が変化しないようにワーク28aの向きが補正され、ワーク28aがガイドに接触するのを防止できる。また、ワーク28aがワーク28bの上に乗り上げたり、ワーク28bの下に潜り込んだりするのを防止することもできる。その結果、ワーク28bの欠け発生を防止するとともに、ワーク28bを所定方向に円滑に搬送し生産性よく加工することができる。
【0018】
また、ワーク28が図2(a)に示すように前加工されたものであれば、ワーク28がガイド16a、16bに接触すると面研磨によってワーク28の周縁部が鋭利となっているため、ワーク28の加工面の端縁が欠けやすい。しかし、ワーク加工装置10によれば、ワーク28同士が接触せずかつワーク28がガイド16a、16bに接触しないので、ワーク28を良好に加工できる。
この発明は、ワーク28がR−Fe−B系希土類焼結磁石のような焼結体のとき効果的であり、特に、米国特許第4,770,723号および第4,792,368号に開示されているR−Fe−B系希土類焼結磁石の加工に適する。この発明は、その中でも、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)およびホウ素(B)を主成分とし、正方晶構造のNd2Fe16B金属間化合物からなる硬い主相(鉄リッチ相)と、Ndリッチな粘りのある粒界相とを有するネオジム磁石の加工および製造に適する。ネオジム磁石の代表例として、商品名NEOMAX(住友特殊金属社製)がある。
【0019】
このような焼結体は、希土類合金粉末の充填時に密度バラツキによって、焼結後に変形しやすいので、連続搬送するとき所定方向に搬送しにくく、また、ガイド16a、16b等との接触で容易に欠ける。この発明によれば、粘着性部材32を介挿させることによって、ワーク28同士が局所的に接触せずかつワーク28がガイド16a、16bに接触しないので、ワーク28の欠けを低減するとともに、ワーク28を円滑に搬送し加工することができる。
また、ワーク28が、耐熱性を改善するためにコバルト(Co)を0.3wt%以上10wt%以下含有するR−Fe−B系磁石であれば、脆くなり欠けが生じやすくなる。
【0020】
それは以下のような理由によると考えられる。R−Fe−B系磁石はSm−Co磁石に比べて耐熱性に劣る。そのため、R−Fe−B系磁石はモータ等の高温環境下で使用される製品に組み込まれる場合には、Feの一部を置換するCoを0.3wt%以上10wt%以下の割合で添加して、耐熱性を向上させている。添加されたCoは主相に取り込まれるだけではなく、粒界相にも存在しR3CoもしくはR2Coなる化合物を形成する。この化合物はR−Fe−B系磁石の強度を低下させ脆くする。
しかし、この発明によれば、Coを0.3wt%以上10wt%以下含有し脆いR−Fe−B系磁石がワーク28であっても、ワーク28同士が局所的に接触せずかつワーク28がガイド16a、16bに接触しないので、欠けの発生を低減するとともに、ワーク28を円滑に搬送し加工することができる。
【0021】
ついで、ワーク加工装置10を用いてワーク28を加工した実験例1について説明する。
実験条件は次の通りである。ガイド16aおよび16bとして合金工具鋼鋼材のD11種、搬送ベルト22としてアラミド繊維強化ゴムベルト、ワーク28として高さ19mm、幅38mm、長さ58mm、変位量Lが0mm以上0.5mm以下のR−Fe−B系磁石がそれぞれ用いられた。粘着性部材32としてエチレン塩化ビニール、酢酸塩アセテート樹脂の混合体を、厚さ0.1mm、付与面積がワーク28の端面30aの面積の30%になるように付与した。ガイド16a、16bとワーク28とのクリアランスCは20μm〜50μm、搬送ベルト速度は100mm/min以上150mm/min以下にそれぞれ設定された。
なお、変位量Lは図5に示すように、定盤34上にのせたワーク28を定盤34上に垂直に設けられた板状部材36に接触させて測定される。
【0022】
実験例1では、400個のワーク28をグループの1単位とし、グループ毎に複数のワーク28を搬送路14上に投入して順次加工部24に向けて搬送した。ワーク28の総検査数量は、ワーク加工装置10において800個、従来技術において1600個とした。ワーク28は加工部24に到達した時点で検査され、ワーク28の表面に2mm×2mm以上欠けた部位があったとき「欠け」と定義する。
実験によって、ワーク28の欠け発生率について図6に示すような結果が得られた。この場合のワーク28の欠け発生率は1.26%であり従来(2.88%)の2分の1以下に減少した。したがって、複数のワーク28の間に粘着性部材32を介挿させれば、ワーク28の欠け発生を低減でき、歩留まりを向上させることができる。
【0023】
またその後、上述の実験が施されたワーク28において両端部Gを削り、ワーク本体29(図2(b)参照)を得た。ワーク本体29に存在する欠けは、ワーク28に存在した大きな欠けや内部の欠け等を示す。ワーク本体29について欠け発生率を求めた結果を、図7(a)に示す。この場合のワーク本体29の欠け発生率は0.49%であり、さらに歩留まりが向上するとともに、従来(1.31%)の2分の1以下に減少した。
さらに、ワーク28の総検査数量を増やし、グループごとのワーク本体29の欠け発生率について図7(b)に示すような結果が得られた。この場合も従来より欠け発生率を低減できた。
したがって、複数のワーク28の間に粘着性部材32を介挿させれば、ワーク本体29にまで及ぶような大きな欠けや内部の欠けの発生を抑制できる。
【0024】
さらに、ワーク加工装置10を用いてワーク28を加工した実験例2について説明する。
実験条件としては、粘着性部材32としてテープを、厚さ0.05mm、付与面積がワーク28の端面30aの面積の30%となるように付与し、搬送ベルト速度を100mm/minに設定する以外、上述の実験例1と同様である。
実験によって、テープ付与頻度と実質搬送速度およびスリップ率との関係について、図8および図9に示すような結果が得られた。
なお、テープ付与頻度(枚/個)は何個のワーク28毎にテープを貼り付けるかを示す値であり、たとえば1/3であれば3個のワーク28毎にテープを貼り付けることを示す。実質搬送速度はワーク28の実際の搬送速度を示す。スリップ率は、(設定搬送速度−実質搬送速度)を設定搬送速度で割った値に100をかけて得られる。
【0025】
実験結果より、実質搬送速度は、テープを付与しないときよりテープを付与するときの方が大きくなり、さらに、テープ付与頻度を増すほど大きくなることがわかる。また、スリップ率は、テープを付与しないときよりテープを付与するときの方が小さくなり、さらに、テープ付与頻度を増すほど小さくなることがわかる。
特に、3個のワーク28毎にテープを付与する(テープ付与頻度が1/3)と、実質搬送速度の平均値が96.7mm/minまで上昇し、設定搬送速度である100mm/minに限りなく接近した。また、実質搬送速度の上昇に伴い、スリップ率の平均値も3.3%にまで減少した。
したがって、複数のワーク28の間にテープを介挿させれば、ワーク28を円滑に搬送することができ生産性を上げることができる。
【0026】
なお、ワーク28はフェライト磁石であってもよく、希土類焼結磁石の場合と同様の効果を得ることができる。
粘着性部材32は、ワーク28の搬送中に付与されてもよく、また、各ワーク28に付与される場合に限定されず、ワーク複数個につき1つの割合で付与されてもよい。
さらに、この発明は、前加工されていないワークを搬送し加工する場合にも適用できることはいうまでもない。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、ワークの欠け発生を低減するとともに、ワークを円滑に搬送し加工することができるので、歩留まりを向上させかつ生産性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されるワーク加工装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】(a)は前加工されたワークを示す斜視図であり、(b)はワーク本体を示す斜視図である。
【図3】(a)は接触面積とワークの端面の面積とを説明するための図解図であり、(b)は粘着性部材の厚みを説明するための図解図である。
【図4】粘着性部材を介挿させてワークを搬送する場合に発生する力を示す図解図である。
【図5】ワークの変位量を示す図解図である。
【図6】ワークの端面に樹脂を付与した場合におけるワークの欠け発生率を示すグラフである。
【図7】ワークの端面に樹脂を付与した場合における実験結果を示すグラフであり、(a)はワーク本体の欠け発生率を示し、(b)はグループごとのワーク本体の欠け発生率を示す。
【図8】ワークの端面にテープを付与した場合における実質搬送速度およびスリップ率を示すテーブルである。
【図9】(a)はテープ付与頻度と実質搬送速度との関係を示すグラフであり、(b)はテープ付与頻度とスリップ率との関係を示すグラフである。
【図10】粘着性部材を介挿させずにワークを搬送する場合に発生する力を示す図解図である。
【符号の説明】
10 ワーク加工装置
12 搬送部
14 搬送路
16a、16b ガイド
24 加工部
28、28a、28b ワーク
30a、30b、30c ワークの端面
32 粘着性部材
A ワークと粘着性部材との接触面積
B ワークの端面の面積
T 粘着性部材の厚み

Claims (7)

  1. 複数のワークを搬送路上に設けられた一対のガイドに沿って搬送しながら加工するワーク加工方法であって、
    前記複数のワークのそれぞれが前記一対のガイドの間に収まるようにかつ前記複数のワークの間に粘着性部材からなる緩衝部材を介挿させつつ前記複数のワークを前記搬送路上に1つずつ順次投入する投入工程、
    前記搬送路上に順次投入された前記複数のワークを前記一対のガイドに沿って連続的に搬送する搬送工程、および
    前記複数のワークを加工する加工工程を備え
    前記複数のワークの間には前記緩衝部材のみが介挿される、ワーク加工方法。
  2. 前記複数のワークの端面をあらかじめ面加工している、請求項1に記載のワーク加工方法。
  3. 前記緩衝部材と前記ワークとの接触面積が、前記緩衝部材が接触する前記ワークの端面の面積の5%以上50%以下である、請求項1または2に記載のワーク加工方法。
  4. 前記緩衝部材の厚みが0.05mm以上1mm以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載のワーク加工方法。
  5. 前記ワークが焼結体である、請求項1ないし4のいずれかに記載のワーク加工方法。
  6. 複数のワークを搬送路上に設けられた一対のガイドに沿って搬送しながら加工するワーク加工方法であって、
    前記複数のワークのそれぞれが前記一対のガイドの間に収まるようにかつ前記複数のワークの間に粘着性部材からなるスペーサ部材を介挿させつつ前記複数のワークを前記搬送路上に1つずつ順次投入する投入工程、
    前記搬送路上に順次投入された前記複数のワークを前記一対のガイドに沿って連続的に搬送する搬送工程、および
    前記複数のワークを加工する加工工程を備え
    前記複数のワークの間には前記スペーサ部材のみが介挿される、ワーク加工方法。
  7. 複数のワークを搬送路上に設けられた一対のガイドに沿って搬送しながら加工するワーク加工方法であって、
    前記複数のワークのそれぞれが前記一対のガイドの間に収まるようにかつ前記複数のワークの間に粘着性部材からなる方向補正部材を介挿させつつ前記複数のワークを前記搬送路上に1つずつ順次投入する投入工程、
    前記搬送路上に順次投入された前記複数のワークを前記一対のガイドに沿って連続的に搬送する搬送工程、および
    前記複数のワークを加工する加工工程を備え
    前記複数のワークの間には前記方向補正部材のみが介挿される、ワーク加工方法。
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