JP2005298200A - 搬送装置、加工装置および磁性部材 - Google Patents

搬送装置、加工装置および磁性部材 Download PDF

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寿洋 宇野
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啓之 佐々木
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和由 清田
Takafumi Jibiki
崇文 地引
Yoshiyuki Sekiya
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Abstract

【課題】 複数の磁性部材を連続搬送する際の欠けやクラックの発生を抑制可能とする搬送装置を提供すること。
【解決手段】 磁性部材210は、搬送路220の搬入口に設けられた搬送ベルト231の外表面と搬送コンベア230と対向して設けられた押えベルト241の外表面で上下から押圧力を受けて搬出口から搬出される。この搬送装置200においては、2つのベルト(231、241)と磁性部材210とが強力に当接された状態で搬送されるため、磁性部材210を連続的かつ一定速度で加工部に搬送するために必要とされる推進力を得ることができる。また、磁性部材210を上下から押す2つのベルトが磁性部材210の搬送方向に充分な長さを有しているために、磁性部材210は上下2つのベルト(231、241)によりその全面に均一な押圧力を受けることとなり、磁性部材210を搬送路220から浮かせるようなことがない。
【選択図】 図2

Description

本発明は、搬送装置、加工装置および磁性部材に関し、より詳細には、複数の磁性部材を連続搬送する際の欠けやクラックの発生を抑制可能とする搬送装置、およびこの搬送装置を備えた加工装置、ならびにこの装置で加工された磁性部材に関する。
磁性部材は種々の電子機器用部品として用いられており、電子機器の小型化・高性能化に伴い磁性部材についても小型化と高性能化とが求められてきている。このような磁性部材の製造方法の一つである粉末冶金法は、原料となる磁性材料粉末を成形し、この成形体を焼結(および熱処理)して製品(焼結された成形体)とする方法であり、一般的には、最終製品に近い形状の磁性部材を得ることが可能である。ハードディスクドライブ(HHD)の磁気ヘッドの位置決めに用いられるボイスコイルモータ(VCM)の磁性部材として広く用いられる希土類永久磁石も主としてこの粉末冶金法で製造される。
希土類永久磁石を粉末冶金法で製造する場合には原料となる磁性材料粉末を磁場中で加圧して成形するため、この工程で得られる成形体の形状の任意性は制限され、その寸法精度も低くならざるを得ない。このため、さらに磁性材料粉末の焼結体(磁性部材)に加工を施して所定の形状および寸法とする後工程が必要となる。このような磁性部材の加工には、一方向に延在する溝を有する搬送路上に研削加工しようとする磁性部材を案内し、この磁性部材を溝に沿って一方向に連続的に走行させながら砥石部材を備えた加工部に搬送して形状加工を行うという方法がとられることが多い。
従来のこの種の搬送方法としては、振動フィーダ搬送、一般的なベルトコンベア搬送、あるいは複数のゴムローラで磁性部材を挟み込みながら搬送する方法などが知られており、必要に応じてこれらの搬送方法を適宜組み合わせることも行われている。
しかしながら、振動フィーダ搬送や一般的なベルトコンベア搬送では、磁性部材を連続的に加工部に搬送するために必要とされる推進力を充分に得ることは容易ではない。このため、磁性部材の加工に伴って生じる負荷が増加すると搬送中の磁性部材が搬送路上で滑るという「滑り現象」が発生し、一定の搬送速度を安定して得ることが困難である。このため、「滑り現象」によって加工工程中に磁性部材が搬送路上で停止したり搬送速度が変化したりすることにより、磁性部材の表面に加工傷が発生したり加工精度が悪化するという問題がある。
一方、ゴムローラによる搬送では、ゴムローラと磁性部材とを強力に接触させた状態で搬送することができるため、磁性部材を連続的かつ一定速度で加工部に搬送するために必要とされる推進力を得ることができる。しかしながら、この搬送方法では、磁性部材がゴムローラにさしかかった際に搬送方向に対して垂直のモーメント荷重がかかって磁性部材が搬送路上で「浮き上がる」ことがある。
図1は、この磁性部材の「浮き上がり」の様子を説明するための図である。磁性部材11および12は、一対のローラ13aおよび13bの回転による推進力を受けて搬送路14上を図中の矢印方向に搬送される。このとき、磁性部材11および12の互いに隣接する面の形状が異なる場合などには、ローラ13aと13bの間を通過する磁性部材11および12の両面に発生する摩擦力が異なり、磁性部材11および12を回転させようとする進行方向にモーメントが発生する。そのため、磁性部材11および12は搬送路14上から浮き上がり、相互の磁性部材間に隙間が生じることとなる。このような隙間が生じると、磁性部材を連続的かつ一定速度で加工部に搬送することが困難となることに加え、ローラと接触する磁性部材の辺部がローラの回転力により強く押しつけられる結果となって欠けを生じてしまう。また、搬送中の隣接する磁性部材同士が接触している面に大きな負荷がかかり、これによっても欠けを発生させてしまうこととなる。このような磁性部材の欠けに起因する加工不良への対処として、磁性部材同志が搬送中に接触することとなる面の辺部を面取りなどするための前処理工程が必要とされていた。
このように、従来の方法で磁性部材を連続搬送すると欠けやクラックなどの加工不良が生じやすいという問題があり、特に希土類焼結磁石のような脆性の高い磁性部材の加工においては深刻な問題となっている。
特開平11−347900号公報 特開2003−231050号公報
特許文献1には、搬送路上を連続的に搬送される磁性部材に搬送方向とは逆の方向に押圧力を付加するための一対の砥石ロールを用いた付勢手段が設けられた磁性部材の加工装置が開示されており、かかる砥石ロール等の付勢手段によって加工工程で発生するモーメントを抑制し、生産性よく所望の形状に磁性部材を上下両面から加工することができると記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている付勢手段は加工装置の内部における搬送に関わるものに過ぎず、磁性部材をこの加工装置に供給するための搬送過程においては搬送路上での磁性部材の浮き上がりが生じて欠けやクラックを生じてしまうという問題が発生し得る。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁性部材を連続的かつ一定速度で安定的に搬送可能であり、かつ搬送中の磁性部材の浮き上がりを防止できる搬送装置を実現し、これにより複数の磁性部材を連続搬送する際の欠けやクラックの発生を抑制可能とする搬送装置を提供することにある。また、本発明はそのような搬送装置を加工装置に組み込むことにより、磁性部材の加工工程で発生する欠けや割れの問題を克服し、生産性よく所望の形状に磁性部材を加工することが可能な加工装置を提供することを目的とする。
本発明はこのような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、搬送装置であって、成形体を一方向に案内する搬送ベルトと当該搬送ベルトを駆動するプーリとを有する搬送コンベアと、押えベルトと当該押えベルトを駆動するプーリとを有する押えコンベアと、を備え、前記成形体は、前記搬送ベルトと前記押えベルトとの間に連続的に整列案内されて搬送方向と垂直方向の押圧力が付与されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の搬送装置において、前記搬送ベルトおよび前記押えベルトの前記搬送方向への全長は、前記成形体の搬送方向への長さの複数倍であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の搬送装置において、前記搬送コンベアと前記押えコンベアの少なくとも一方には、前記ベルトを裏面から押圧する板状の押圧手段が備えられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の搬送装置において、前記押えコンベアには、前記搬送方向と垂直方向への前記押えベルトの押圧力を制御する加圧手段が備えられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の搬送装置において、前記加圧手段は、エアシリンダであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の搬送装置において、前記搬送ベルトと前記押えベルトの少なくとも一方は、裏面に歯部を有する無端の歯付きベルトであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の搬送装置において、前記搬送ベルトと前記押えベルトの少なくとも一方表面は、クロロプレーンゴムであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の搬送装置において、前記押えベルトの走行速度は、前記搬送ベルトの走行速度の80%乃至90%に設定可能とされていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の搬送装置において、前記搬送コンベアの上流側に前記搬送ベルト上に前記成形体を連続供給する供給手段を備えていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の搬送装置において、前記供給手段は、段積みして内部に格納した複数の成形体のうち最下段の成形体のみを前記搬送ベルトに案内する遮蔽手段を有し、前記最下段の成形体を前記搬送ベルトとの間に作用する摩擦力により自動的に連続排出することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、加工装置であって、請求項1乃至10の何れかに記載の搬送装置と加工手段とを備え、前記搬送装置は、前記成形体を前記加工手段に連続搬送するように構成されていることを特徴とする。
請求項12に記載の磁性部材は、請求項11に記載の加工装置で加工されたことを特徴とする。
本発明の搬送装置は、連続して搬送されてくる磁性部材に、搬送ベルトに対向して設置された押えベルトにより上方向からの均一な押圧力を加えることとしたので、磁性部材を連続的かつ一定速度で安定的に搬送することが可能であり、かつ搬送中の磁性部材の浮き上がりを防止することができるため、複数の磁性部材を連続搬送する際の欠けやクラックの発生を抑制することが可能となる。
以下に図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本発明の装置は好適には磁性部材の成形体に適用されるが、これに限られるものではなく、セラミックスなどの他の材料からなる成形体であってもよい。しかしながら、以降の説明においては便宜上、成形体は磁性部材であるものとして説明する。なお、「成形体」とは、例えば金型内で粉末をプレス成形するなどして所要の形状や寸法とされたもののほか、このような成形体に焼結などを施したもの(焼結体など)をも意味する。すなわち、素材料が使用目的に応じた所要の形状・寸法に加工されている固形物を包含する用語として用いられる。
図2は、本発明の搬送装置の主要な構成例を説明するための図で、図2(a)は搬送装置の全体構成図であり、図2(b)は搬送路近傍の拡大図である。この搬送装置200において、搬送対象である磁性部材210は、搬送路220の搬入口に設けられた搬送コンベア230の搬送ベルト231の外表面とこの搬送コンベア230と対向して設けられた押えコンベア240の押えベルト241の外表面で上下から押圧力を受けて搬出口から搬出される。なお、磁性部材210を上下から押すベルトの長さは、搬送される磁性部材210の搬送方向への長さの複数倍(好ましくは4倍まで)となるように充分な長さを有している。
また、磁性部材210が搬出される際に磁性部材210の先頭側(磁性部材210の進行方向側)が浮き上がるのを防止するために、押えコンベア240の従動プーリ242eの回転中心は、磁性部材210の長さに対して少なくとも2/3以上搬送コンベア230の駆動プーリ232bの回転中心より進行方向側へずらして配置されている。
この搬送装置200においては、2つのベルト(231、241)と磁性部材210とが強力に接触(当接)された状態で搬送されるため、磁性部材210を連続的かつ一定速度で加工部(不図示)に搬送するために必要とされる推進力を得ることができる。また、磁性部材210を上下から押す2つのベルトが磁性部材210の搬送方向に充分な長さを有しているために、磁性部材210は上下2つのベルト(231、241)によりその全面に均一な押圧力を受けることとなり、磁性部材210を搬送路220から浮かせるようなことがない。
一般に搬送装置には、磁性部材の進行方向と逆方向に作用する加工抵抗と、磁性部材と搬送路との接触部位に発生する摩擦抵抗とに打ち勝って、磁性部材を一定速度で隙間なく搬送路へ連続的に圧入する搬送機能が要求される。また、磁性部材の搬送に必要とされる推進力は、単位時間当たりの研削量(加工量)の増加に伴って増大するため、搬送速度を上げて加工生産性を向上させるためには、磁性部材の搬送に必要とされる推進力も高くなる。本発明の搬送装置は、これらの要求を満たす充分な推進力を有することに加え、さらに磁性部材を連続的かつ一定速度で安定的に搬送し、かつ搬送中での磁性部材の欠けを大幅に低減させることにより高い加工歩留まりを可能とするものである。
この搬送装置200の構成をより詳しく説明すると、搬送路220には搬送対象物である磁性部材210を案内するための溝が設けられている。この溝は、例えば図2(b)に示すように、磁性部材210の両サイドを把持するようにスライド可能とされた板部材243で形成される。搬送コンベア230の搬送ベルト231は1つの駆動プーリ232bおよび1つの従動プーリ232aを有し、駆動プーリ232bからの駆動力を受けて、この搬送路220に設けられた溝へと磁性部材210を図中矢印方向に案内し、一定速度で搬送する。搬送路220に案内された磁性部材210は、後続の磁性部材210から押されて搬送路220内の溝に沿って搬送される。
また、押えコンベア240の押えベルト241は1つの駆動プーリ242aと2つの従動プーリ(242d、242e)および2つのテンションローラ(242b、242c)と当接し、駆動プーリ242aからの駆動力により、対向する搬送ベルト231との間に磁性部材210を挟み込むかたちで上下から押圧力を付与して搬送路220の搬出口へと磁性部材210を搬送し、搬送装置200の後段に配置されることとなる加工部(不図示)へと磁性部材210を送り出すこととなる。
この押えベルト241は、押えコンベア240内に設けられた加圧部(不図示)によって搬送方向と垂直な方向に押圧力が付与され、搬送ベルト241表面と磁性部材210表面との間での充分な摩擦力を得ることができる。ここで、加圧方法は空圧式や油圧式などの一般的な方法を選択することができ、例えば、押えコンベア240と当接するすべての磁性部材210との間で、力換算にして200〜600Nに相当する加圧がなされる。なお、磁性部材210が例えば希土類磁石材料などの脆性部材である場合には、過加圧に起因する欠けや割れを防止するために、エアシリンダによる加圧とすることが好ましい。
ここで、搬送ベルト231および押えベルト241はゴムベルトとし、そのショア硬さを例えばA50〜A90とすれば、ゴムが圧縮された際の反発力を有効に利用して、ゴムベルト(231、241)と磁性部材210との間の充分大きな当接力を得ることができる。
なお、搬送ベルト231および押えベルト241の内表面(裏面)には、プーリによるベルト送りを確実なものとするための歯状の凹凸が設けられていることが好ましい。すなわち、これらの搬送ベルト231および押えベルト241を、無端の歯付きベルト(タイミングベルト)とすることが好ましい。このような歯付きベルトを用いることで、プーリとベルトとの間に生じる滑りを防止でき、ベルト走行速度(すなわち磁性部材の搬送速度)をプーリの回転速度に一致させることができる。この場合のベルト走行速度(搬送速度)は磁性部材210の特性にもよるが、一般的には1〜350mm/minの範囲とすることが好ましい。搬送速度が速くなりすぎると搬送中の磁性部材210に応力がかかりすぎ、欠けやクラックが発生し易くなるためである。
搬送コンベア230内部および押えコンベア240内部には、搬送ベルト231および押えベルト241の撓みを防止して磁性部材210に加わる押圧力を均一にするための板材(233、243)が設けられている。これらの板材233および243は、上述したベルト裏面(歯部の凸部)と接触し、ベルトを磁性部材210に当接させた際に発生するベルト中央部の撓みを防止する。この結果、磁性部材210に加わる押圧力の均一化が確実なものとされ、互いに隣接する磁性部材210の接触面が搬送コンベア230の図中右側の駆動プーリ232bと押えコンベア240の図中右側の従動プーリ242eとの間を通過する際の磁性部材210の欠けやクラックの発生を防止できる。
なお、押えベルト241の走行速度を搬送ベルト231の走行速度よりも1〜2割程度遅く設定する(走行速度を80〜90%とする)と、隣接する磁性部材210間に隙間を生じさせることなく搬送するのに有効である。なお、このようなベルト走行速度の設定を行うと押えベルト241と搬送ベルト231の走行速度に差が生じてベルトの撓みが生じ易くなるが、このベルト撓みは先に説明した板材(233、243)によってなくすことができる。
図中の250は、搬送コンベア230上の溝に磁性部材210を規則的に整列供給するための遮蔽材である。図3(a)は、この遮蔽材250から磁性部材210が搬送ベルト231上に供給される様子を説明するための図で、図3(b)は遮蔽材250の形状例とその内部に段積みされた磁性部材210の様子を説明するための上面図である。この遮蔽材250は、図3(b)に示すように例えばコの字型の形状を有し、この内部に磁性部材210が段積みされている。
遮蔽材250は搬送コンベア230の上流部に設けられており、図3(a)中で示すように段積みされた複数の磁性部材(210a〜e)を搬送ベルト231の上に接触配置し、搬送ベルト231と接触している最下段の1つの磁性部材210aのみが搬送方向に順次送り出される仕組みとなっている。そして、この送り出された磁性部材210aは先に送り出されている磁性部材210を後方から押すという役割を果たす。
この場合の段積みされた磁性部材210は、搬送ベルト231との間に働く摩擦力を利用して一個ずつ順次搬送ベルト231上へ供給される。また、必要に応じて空圧式シリンダなどの図示しない機構を併用して供給するようにしてもよい。なお、磁性部材210の段積み量は、下部に位置する磁性部材210に過大な加重がかかり過ぎないように適宜設定される。
また、磁性部材210が送り出されるためのクリアランスである遮蔽材250の下端部と搬送ベルト231表面との間隔は、磁性部材210の厚みに応じて適当な値に設定される。このクリアランスが広すぎると、送り出される磁性部材210が直前に送り出されて搬送ベルト231上にある磁性部材の後端部上に乗りかかることがあり得、欠けの原因となり得るからである。このような不都合を回避するために、例えば図3(c)に示すように、遮蔽材250の下端面に庇状の張出部を設けるようにしてもよい。
このように、本発明の搬送装置では、連続して搬送されてくる磁性部材210に、搬送ベルト231に対向して設置された押えベルト241により上方向からの均一な押圧力を加えることとしたので、磁性部材210を連続的かつ一定速度で安定的に搬送することが可能であり、かつ搬送中の磁性部材210の浮き上がりを防止することができるため、複数の磁性部材を連続搬送する際の欠けやクラックの発生を抑制することが可能となる。
また、従来は搬送装置への磁性部材の供給を手作業または複雑で高価な自動供給装置によっていたが、本発明の搬送装置では、搬送コンベア230の上流側に設けた遮蔽材250により、段積みした磁性部材210を、搬送ベルト231との間に働く摩擦力を利用して一個ずつ順次搬送ベルト231上へ供給することができるので、極めて簡単な機構で安価に自動化が可能となる。
以下に実施例により、本発明をより詳細に説明する。なお、以下の実施例においては、研削加工のための加工部へ磁性部材を連続搬送する搬送路について説明するが、かかる利用の態様は一例に過ぎず、本発明の搬送装置を磁性部材の表面に塗料や接着剤を塗布するなどの種々の工程において利用することも可能である。
図4は、本発明の搬送装置を備えた加工装置の構成例を説明するための図で、図2で示した搬送装置の磁性部材の搬出側に加工部300が設けられ、搬送装置200から搬送されてきた磁性部材210が後続の磁性部材から押されることで加工部300へと搬送され加工部300内で加工が行われる。
この加工部300は、特許文献2に記載されている加工装置とほぼ同様の構成を有しており、その構成の概略が図5に示されている。ここに示した加工部300は、断面形状が外周円弧を有している磁性部材210の外周円弧面を加工面とし、その加工面以外の外周面を2面以上ガイドレール320の溝部330に当接させて外周円弧軸と平行に磁性部材210を複数個直列配置して溝部330に這わせ、内刃を有する円筒形砥石310内を、磁性部材210を連続的に通行させながら加工する構成となっている。すなわち、ガイドレール320は、磁性部材210の方向を揃えて円筒形砥石310内を通行させるガイドの機能を有する。円筒形砥石310による加工は、例えばその中心軸のまわりに4000〜7000rpmで回転させて行う。なお、砥石は図5に示したような円筒状のものに限定する必要はなく、加工対象である磁性部材210の形状に応じて適当なものが選択される。
本発明の加工装置で加工される磁石材料は、例えば、高周波溶解、ストリップキャスト、ガスアトマイズ法などにより得られた合金を粉砕して得られた合金粉末を、必要により有機または無機バインダを用いてプレス成形などして得られた成形体を焼結したものである。磁性部材の組成はマグネットとなる組成であればよく、希土類系(Sm系、Nd系)、アルニコ系、フェライト系などの種類は問わない。また、磁性部材の形状に特な制限はなく、直方体、立方体、円柱、円筒、扇型などの形状の部材を加工可能であるが、連続走行させながら外周加工する場合には、円柱、円筒または円弧を有する扇型の磁性部材であることが好ましい。なお、本実施例では、断面形状が外周円弧を有している扇型のNd−Fe−B焼結マグネットの例を図示してある。
搬送装置200は複数の磁性部材を配列させた状態で加工部300に供給するとともに、隙間なく連続的に配列した後続の磁性部材が加工されている磁性部材をその後方から一定の速度で押圧する。加工対象である磁性部材210の外周円弧面を所定の半径に形状加工するのに必要な推進力を得るため、搬送装置200の搬送ベルト231および押えベルト241には、無端の歯付ベルト(幅60mmで山ピッチ8mm、許容張力3000N/60mm、容量2920W)を用いた。また、磁性部材210と接触することで押圧力を加えるベルト表面には、磁性部材210との間に働く摩擦力を考慮してクロロプレーンゴムを使用した。
搬送ベルト231および押えベルト241による加圧レベルを調整して磁性材料210に対して搬送方向と垂直方向への充分な当接力を与えることとし、さらに、ベルト表面と磁性部材210表面との間での強い摩擦力を得るために、押えコンベア240を搬送方向に対して垂直方向に移動可能な直動案内機(不図示)内に固定し、エアシリンダを利用して600N(空気圧0.5MPa)の力で磁性部材210を当接した。
搬送コンベア230と押えコンベア240のそれぞれの駆動プーリには、各々が容量60Wの独立した速度可変モータを用い、搬送ベルト走行速度60mm/minで押えベルト走行速度50mm/minとなるように減速歯車を用いた。また、搬送コンベア230および押えコンベア240の全長はそれぞれ1000mmおよび400mmとし、搬送装置の上流側に設けた磁性部材の供給装置が備える遮蔽材250から押えコンベア240の上流側端部までの距離は500mmとした。なお、磁性部材210の長さは27mmであり、従動プーリ242eの回転中心は駆動プーリ232bの回転中心よりも、30mmだけ進行方向にずらして設けられている。
搬送ベルト231の走行速度と押えベルト241の走行速度を同じ速度に設定した場合には、供給装置から排出されて搬送装置200に案内された磁性部材210は先行して搬送されている直近の磁性部材と最大で2mm程度の隙間ができることがあった。しかしながら、押えベルト241の走行速度を搬送ベルト231の走行速度に比較して遅く設定すると隙間が少なくなるという効果が確認された。例えば、搬送・加工対象である磁性部材210の長さが25mmの場合には、押えベルト241の走行速度を搬送ベルト231の走行速度に対して1〜2割程度遅くする(走行速度を80〜90%とする)ことで隣接する磁性部材の間の隙間をなくすことができた。
このような隙間のない搬送によって磁性部材210を連続的かつ一定速度で加工部300へと安定的に搬送することが可能となり、加工傷や欠けあるいはクラックといった加工不良なしに所定の形状に加工することができ、磁性部材を得ることができた。
本発明によれば、磁性部材を連続的かつ一定速度で安定的に搬送可能であり、かつ搬送中の磁性部材の浮き上がり現象を防止できる搬送装置を実現し、これにより複数の磁性部材を連続搬送する際の欠けやクラックの発生を抑制可能とする搬送装置を提供することができる。
また、本発明の搬送装置を加工装置に組み込むことにより、磁性部材の加工工程で発生する欠けや割れの問題を克服し、生産性よく所望の形状に磁性部材を加工することが可能となる。
従来の搬送装置における磁性部材の「浮き上がり」の様子を説明するための図である。 本発明の搬送装置の主要構成例を説明するための図である。 磁性部材が搬送ベルト上に供給される様子を説明するための図である。 本発明の搬送装置を備えた加工装置の構成例を説明するための図である。 本発明の加工装置が備える加工部の構成を説明するための図である。
符号の説明
11、12、210 磁性部材
13a、13b ローラ
14、220 搬送路
200 搬送装置
231 搬送ベルト
232a、242d、242e 従動プーリ
232b、242a 駆動プーリ
240 押えコンベア
241 押えベルト
242b、242c テンションローラ
243 板部材
250 遮蔽材
300 加工部
310 円筒形砥石
320 ガイドレール
330 溝部

Claims (12)

  1. 成形体を一方向に案内する搬送ベルトと当該搬送ベルトを駆動するプーリとを有する搬送コンベアと、
    押えベルトと当該押えベルトを駆動するプーリとを有する押えコンベアと、を備え、
    前記成形体は、前記搬送ベルトと前記押えベルトとの間に連続的に整列案内されて搬送方向と垂直方向の押圧力が付与されることを特徴とする搬送装置。
  2. 前記搬送ベルトおよび前記押えベルトの前記搬送方向への全長は、前記成形体の搬送方向への長さの複数倍であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記搬送コンベアと前記押えコンベアの少なくとも一方には、前記ベルトを裏面から押圧する板状の押圧手段が備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
  4. 前記押えコンベアには、前記搬送方向と垂直方向への前記押えベルトの押圧力を制御する加圧手段が備えられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の搬送装置。
  5. 前記加圧手段は、エアシリンダであることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。
  6. 前記搬送ベルトと前記押えベルトの少なくとも一方は、裏面に歯部を有する無端の歯付きベルトであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の搬送装置。
  7. 前記搬送ベルトと前記押えベルトの少なくとも一方表面は、クロロプレーンゴムであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の搬送装置。
  8. 前記押えベルトの走行速度は、前記搬送ベルトの走行速度の80%乃至90%に設定可能とされていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の搬送装置。
  9. 前記搬送コンベアの上流側に前記搬送ベルト上に前記成形体を連続供給する供給手段を備えている請求項1乃至8の何れかに記載の搬送装置。
  10. 前記供給手段は、段積みして内部に格納した複数の成形体のうち最下段の成形体のみを前記搬送ベルトに案内する遮蔽手段を有し、前記最下段の成形体を前記搬送ベルトとの間に作用する摩擦力により自動的に連続排出することを特徴とする請求項9に記載の搬送装置。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載の搬送装置と加工手段とを備え、前記搬送装置は、前記成形体を前記加工手段に連続搬送するように構成されていることを特徴とする加工装置。
  12. 請求項11に記載の加工装置で加工された磁性部材。

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