JP3732277B2 - 切断機におけるワーク搬入出方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、切断機におけるワーク搬入出方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋸盤などの切断機でフラットバーを自動で切断するには、素材を棚に収納しフォークリフトの爪で素材を持ち上げた後、横方向に移動させて棚より取出し搬出し切断機へ供給する方法が一般的である。また、前記フォークリフトを用いず棚に収納された素材を吸着搬出するローディング装置も用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の素材搬出手段では、棚にフラットバーを収納した場合は、立体的な収納効率は極めて悪く長時間連続スケジュール運転ができないという問題があった。また、吸着部材を用いたローディング装置ではフラットバーを2枚取りすることがあった。
【0004】
この発明の目的は、ワーク搬送時にワークの2枚取りを防止すると共に、ワーク切断作業の長時間連続スケジュール運転を可能とした切断機におけるワーク搬入出方法およびその装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明の切断機におけるワーク搬入出装置は、平板状の棒材からなるワークを切断機へ搬入する給材テーブルと、前記切断機による前記ワークの切断加工後に生じる残材を搬出する残材テーブルを並列に設けてなる送材装置を前記切断機のワーク搬入側に設けると共に、該残材テーブルと前記送材テーブルとを前記切断機の送材中心に対して選択的に位置決め自在に設けた切断機において、前記送材装置の両側に前記ワークを積重する複数の給材ヤードと前記残材を積重する複数の残材ヤードとをそれぞれ設け、前記給材ヤードに積重された前記ワークを吸着保持する電磁マグネットからなる吸着装置を備えた複数の吊上げ装置を前記複数の給材ヤードと前記複数の残材ヤード間の上方をY軸方向へ移動位置決め自在に設けると共に、前記電磁マグネットを上下動自在に、かつ前記ワークに沿ったX軸方向へ移動位置決め自在に設け、前記吸着装置に前記ワークの重量を検出するロードセルからなる重量検出センサを設け、該吸着された前記ワークの断面形状および長さ等の情報に基づき該ワークの重量を算出する演算処理装置と、該演算処理装置で求めた前記ワーク重量と前記重量検出センサで検出された検出値とを比較する比較装置を備えた制御装置とを設け、前記ワークの2枚取りを防止するように前記電磁マグネットの吸引力を制御することを特徴とするものである。
【0009】
上述した請求項1とすることにより、切断機へ素材あるいは加工後の製品、残材を搬送するのに吸引装置を備えた吊り上げ部材にて搬送するが、その際、ワークの2枚取りを防ぐため、予めワークの重量を算出し、この算出されたワークの重量と、吊り上げ部材に内蔵された重量検出センサにて検知した値と比較する。そして、算出されたワーク重量よりも重量検出センサの値が大となった場合は、ワークを2枚取りしたことがわかり、吸引装置の吸引力を制御して再トライを行う。
【0010】
したがって、ワークの2枚取りを検知できると共に、簡単な制御によって確実にワークを1枚取りして搬送することができるラインの自動化を達成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態の例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この発明の実施の形態にて採用した切断機および製品搬入、搬出装置は既に公知の構成のものであるため、詳細な構成の説明を省略する。
【0012】
図1,図2および図3を参照するに、切断機1の入側(図1,図2において右側)にワークWとして例えばフラットバーを送材する各装置が設けられている。この送材する各装置は、フラットバーを積重した給材ヤード3と、前記切断機1にて製品WS を加工した際に発生した残材WZ を積重する残材ヤード5と、ワークWであるフラットバーを切断機1へ送材あるいは残材WZ を搬出するための送材装置7と、前記給材ヤード3と残材ヤード5との間を移動自在な吊上げ装置9とで構成されている。
【0013】
給材ヤード3は、X軸方向(図1,図2において左右方向、図3において図面に直交する方向)へ延伸して複数の給材ヤード3A,3B,3C,3Dが並列状に設けられていて、この給材ヤード3A〜3D上にワークWとしてのフラットバーが積重されている。なお、給材ヤード3A〜3D上には1枚のフラットバーを載置して良いものであり、フラットバーを積重して置き、複数のヤードを持つことにより、自動供給の素材本数が飛躍的に増大する。
【0014】
残材ヤード5は、前記給材ヤード3の反対側にX軸方向へ延伸し複数の残材ヤード5A,5B,5Cが並列状に設けられている。この残材ヤード5には切断機1により加工された際に発生した残材WZ を収納するもので、複数の残材ヤード5A,5B,5Cを設けてその上へ残材WZ を積重することにより、自動運転時の残材処理が可能となる。
【0015】
送材装置7は、前記切断1の入側に位置しX軸方向へ延伸して給材用テーブル7Aと残材用テーブル7Bとが架台7Cに並列状に連結して設けられれている。そして、切断機1の送材中心に対し給材用テーブル7Aと残材用テーブル7Bと選択的に位置決めできるよう、図示を省略したが、電動機あるいは流体圧シリンダ等によりY軸方向(図1において上下方向、図2において図面に直交する方向、図3において左右方向)へ延伸した複数のレール11上を架台7Cが移動自在に設けられている。そして、各給材用テーブル7Aと残材用テーブル7Bの上部には、複数本のローラ13が電動機(図示省略)により回転自在に設けられている。
【0016】
吊上げ装置9は、前記給材ヤード3と残材ヤード5を跨いで設けられ、門型形状をした支柱15がY軸方向へ延伸して複数設けられ、この支柱15の上面にレール17がY軸方向へ延伸して設けられている。そして、このレール17上にはX軸方向へ延伸したクレーン本体19が乗りギヤードモータ(図示省略)によりY軸方向へ移動位置決め自在となっている。
【0017】
前記クレーン本体19にはX軸方向へ移動自在となる吊上げ部材21が複数(本実施の形態の例では2基)設けられ、この吊上げ部材21は図示を省略したがギヤードモータによりX軸方向へ移動自在となり位置決めがなされる。なお、吊上げ部材21には吸引装置として例えば電磁マグネット23を下端に備えた支持棒25が流体圧作動のシリンダ27により上下動自在に設けられている。
【0018】
より詳細には、図4を参照するに、クレーン本体19にX軸方向へ移動自在に吊上げ部材21が設けられ、この吊上げ部材21は、ブラケット29にガイド部材31が設けられている。このガイド部材31にはZ軸方向(図4において上下方向)へ摺動自在な前記支持棒25が装着されている。また、前記ブラケット29には前記シリンダ27が取付けられており、このシリンダ27に装着されたピストンロッド33の下端に移動フレーム35が一体的に設けられていると共に、前記支持棒25が挿入され、この支持棒25に形成したフランジ部25Aが移動フレーム35の内部に装着された重量検出センサである例えばロードセル37に当接保持されている。しかも、前記支持棒25の下端には吸着装置である前記電磁マグネット23が設けられている。
【0019】
上記構成により、シリンダ27を作動せしめるとピストンロッド33を介して支持棒25はガイド部材31に案内されてZ軸方向へ移動されるから、電磁マグネット23もZ軸方向へ移動され、ワークWを吸着し吊上げ、吊降しすることができる。また、吊上げられたワークWの重量は移動フレーム35に内蔵されたロードセル37により検出される。
【0020】
次に、切断機1の下流側に設けた製品搬出装置39の構成について概略的に説明する。
【0021】
再び、図1および図2を参照するに、製品搬出装置39のうちの搬送台41がX軸方向へ延伸して立設されている。この搬送台41のX軸方向における途中で図1において下側には製品受渡しテーブル43が立設されている。
【0022】
前記搬送台41上にはX軸方向に延伸した複数の平行なガイドレール45が敷設され、このガイドレール45にはクランプ装置47を備えたX軸搬送バイス49が設けられていると共に、Z軸搬送バイス50が設けられていて、このZ軸搬送バイス50には前述した吊上げ部材21と同一構成の下端に電磁マグネット23を備えた吊上げ部材21が設けられている。
【0023】
前記搬送台41の図1,図2の下方位置にはY軸方向へ延伸した複数組の平行なガイドレール51,53が敷設されていて、この各ガイドレール51,53にはそれぞれ複数の製品パレット55がY軸方向へ移動可能に設けられている。なお、符号57は操作ボックスであり、後述する吸着装置である電磁マグネット23の吸引力を制御する制御装置59が組込まれている。
【0024】
上記構成により、切断機1にて切断された製品WG をX軸搬送バイス49にてクランプして製品受渡しテーブル43上に置く。製品受渡しテーブル43上に置かれた製品WG は、Z軸搬送バイス50に設けた吊上げ部材21に装着された電磁マグネット23にて吸着される。この状態においてZ軸搬送バイス50を左側に移動して、製品パレット55の適当な位置の上で停止し、この位置で電磁マグネット23を下降せしめることにより、製品WG が下降して製品パレット55の上にて消磁せしめることで製品WG は電磁マグネット23からときはなされて製品パレット55上に乗せられて搬出されることになる。
【0025】
次に、この実施の形態の例の主要部であるワーク2枚取り防止について詳細に説明する。
【0026】
前記吊上げ部材21に装着された吸引装置である電磁マグネット23の吸引力および重量検出センサであるロードセル37にて検出されたワーク重量値によって制御する制御装置59が前記操作ボックス57に組込まれている。
【0027】
この制御装置59は、図5を参照するに、中央処理装置であるCPU61を備えており、そのCPU61にはワークWの情報(例えば給材ヤード位置情報、ワークWの断面寸法、および長さ等)を入力する入力装置63と表示装置65が接続されていると共に、また、CPU61には電磁マグネット23の電流を検出するための電流検出装置67とロードセル37が接続されている。さらに、CPU61にはメモリ69,演算処理装置71および比較装置73が接続されている。これ等の情報をもとにメモリ71より演算処理装置73にてワークの形状前入力値によって重量G0 を演算する。そしてこ演算処理装置73にて演算された重量G0 とロードセル37の検出重量G1 とが比較装置75で比較されるものである。
【0028】
上述したごとき構成により、その作用としては、例えば、自動運転時の給材側の情報として入力装置63から給材ヤード3の位置情報、ワークWの断面寸法、およびワークWの長さを入力しておく、ワークWを吊上げるには複数台の電磁マグネット23を備えた吊上げ部材21にて行なわれる。
【0029】
すなわち、給材ヤード3の位置情報をもとに吊上げ装置9は所望の位置にある給材ヤード3A〜3Dへ移動する。そして、各吊上げ部材21の位置はワークWの長さ情報に基づいて最適位置へ移動位置決めされ、各吊上げ部材21に設けた電磁マグネット23を下降せしめ、電磁マグネット23がワークWに接触すると電磁マグネット23が作動し、ワークWを吸着する。
【0030】
この際、ワークWであるフラットバーの断面寸法(幅×厚さ)と長さの情報に基づいて重量を割り出し、2枚取り防止のため電磁マグネット23の吸引力を例えば電流で制御する。
【0031】
また、所定の上昇量(わずかな上昇量)だけ吊上げ部材21を上昇せしめ、2枚取りが行なわれていないかを確認するため、吊上げ部材21に内蔵された電磁マグネット23に連動するロードセル37の値を総合して吊上げ重量を演算する。もし、過積載の場合には、2枚取りの可能性があるため、いったん吊上げ部材21を下降し、吸着しているワークWであるフラットバーを給材ヤード3上に置き、電磁マグネット23の吸引力を切った後に、電磁マグネット23の吸引力を制御して再トライを行なう。
【0032】
上述した動作を図6に示すフローチャートを参照しつつ更に詳細に説明する。
【0033】
ステップS1にてワークWの長さ、形状を入力装置63から入力し、ステップS2にてワークWの重量G0 を演算処理装置71で演算する。そして、ステップS3にて電磁マグネット23の吸引力を電流制御にて設定する(I=I0 )。
【0034】
続いて、ステップS4にてワークWの吊上げ時に総てのロードセル37の値を総合して実際の重量G1 を検出する。そして、この検出された重量G1 と前記算出されたワークWの重量G0 とをステップS5にて比較して、G1 ≦G0 の場合、すなわちワークWを1枚取りした場合は、ステップS6である搬入動作に入り一連の搬出作業を終了する。
【0035】
もし、G1 >G0 の場合、すなわちワークWが2枚取りされた場合は、ステップS7にてI=I0 −I1 となるように調整した後、ステップS4の手前に戻り、G1 ≦G0 となるように再トライを行なう。
【0036】
上述したごとき構成と作用により、ワークWの2枚取りを検知できると共に、簡単な調整により確実にワークWを1枚取りして搬送することができるのでラインの自動化を達成することができる。
【0037】
また、給材ヤード3、残材ヤード5にワークWを積重できるので、素材の本数、残材の本数が飛躍的に向上し、長時間連続運転が可能になる。
【0038】
なお、この発明は前述した発明の実施の形態の例に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0039】
【発明の効果】
以上のごとき実施の形態の例の説明により理解されるように、請求項1によるこの発明によれば、切断機の素材あるいは加工後の製品、残材を搬送するのに吸引装置である電磁マグネットを備えた吊上げ部材にて搬送する。その際、ワークの2枚取りを防ぐため、予めワークの重量を算出し、このワーク重量と、吊上げ部材に内蔵された重量検知センサであるロードセルにて検知した値とを比較する。そして、ワーク重量よりもロードセルの値が大となった場合は、ワークを2枚取りしたことがわかり、吸引装置である電磁マグネットの吸引力を制御して再トライを行う。
【0040】
而して、フラットバーの如き棒状のワークの2枚取りを検知することができると共に、吊上げ装置の電磁マグネットの吸着力の制御により、このようなワークを確実に一枚取りして切断機に搬送することができる。また、フラットバーの如き棒状のワークを給材ヤードや残材ヤードに積重できるので、素材の本数および残材の本数が飛躍的に増加し、切断機の長時間連続運転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切断機とワーク搬入,搬出装置を示した平面図である。
【図2】図1における側面図である。
【図3】図1における右側より見た拡大正面図である。
【図4】図2におけるIV矢視部の拡大側面図である。
【図5】この発明の制御装置を示す回路説明図である。
【図6】この発明のフローチャートである。
【符号の説明】
1 切断機
9 吊上げ装置
21 吊上げ部材
23 電磁マグネット(吸引装置)
37 ロードセル(重量検出センサ)
59 制御装置
73 演算処理装置
75 比較装置
Claims (1)
- 平板状の棒材からなるワークを切断機へ搬入する給材テーブルと、前記切断機による前記ワークの切断加工後に生じる残材を搬出する残材テーブルを並列に設けてなる送材装置を前記切断機のワーク搬入側に設けると共に、該残材テーブルと前記送材テーブルとを前記切断機の送材中心に対して選択的に位置決め自在に設けた切断機において、前記送材装置の両側に前記ワークを積重する複数の給材ヤードと前記残材を積重する複数の残材ヤードとをそれぞれ設け、前記給材ヤードに積重された前記ワークを吸着保持する電磁マグネットからなる吸着装置を備えた複数の吊上げ装置を前記複数の給材ヤードと前記複数の残材ヤード間の上方をY軸方向へ移動位置決め自在に設けると共に、前記電磁マグネットを上下動自在に、かつ前記ワークに沿ったX軸方向へ移動位置決め自在に設け、前記吸着装置に前記ワークの重量を検出するロードセルからなる重量検出センサを設け、該吸着された前記ワークの断面形状および長さ等の情報に基づき該ワークの重量を算出する演算処理装置と、該演算処理装置で求めた前記ワーク重量と前記重量検出センサで検出された検出値とを比較する比較装置を備えた制御装置とを設け、前記ワークの2枚取りを防止するように前記電磁マグネットの吸引力を制御することを特徴とする切断機におけるワーク搬入出装置。
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