JP4682781B2 - 多機能周辺装置および多機能周辺装置制御プログラム - Google Patents

多機能周辺装置および多機能周辺装置制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ファクシミリ、コピー、スキャンなどの複数の機能を備えた多機能周辺装置および多機能周辺装置制御プログラムに関する。
画像情報を通信回線を介して送信するファクシミリ送信機能および受信するファクシミリ受信機能や、記録媒体に記録された画像情報を読取り、別の記録媒体に記録するコピー機能や、記録媒体に記録された画像情報を読取って記憶手段に記憶するスキャン機能などの複数の機能を備えた多機能周辺装置が知られている。
特開2002−152446号公報(特許文献1)には、各ユーザ毎にメニュー表示データを予め記憶手段に記憶し、ユーザが識別情報(パスワード)を入力するとそのユーザに対応したメニューを表示し、そのユーザには、そのメニューに表示された機能だけの使用を許可する多機能周辺装置が開示されている。
特開2002−152446号公報
会社などのように多くの人がいる場所にこのような多機能周辺装置を設置した場合に、業務に関係のない私用などに使用する者がおり、本来の業務ではない経費が発生する。そこで、パスワードを入力することなどにより特定の者の認証を行い、許諾された者だけが使用することができるようにすることが行われていたが、場合によっては、全てのユーザに対してパスワードと使用を許可する機能についての設定を行わなければならず、装置の管理に負荷がかかるという問題があった。また、いかなる場合でもユーザが毎回パスワードを入力して認証を得る必要があり、操作が煩雑であるという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、認証を得ない場合における機能毎の使用可否を設定することができる多機能周辺装置およびその制御プログラムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、本発明の請求項1記載の多機能周辺装置は、複数の機能を有するものであって、ユーザ毎に個別に設定された識別情報を入力する入力手段と、前記識別情報が設定されたユーザに対応して前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを示す個別登録情報を記憶する個別情報記憶手段と、前記識別情報が設定されないユーザに対応して前記複数の機能の各機能について使用を許可しないことを示すパブリック登録情報を、工場出荷時予め記憶しているパブリック情報記憶手段と、ユーザを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたユーザに前記識別情報が設定されている場合、該選択されたユーザに設定された前記識別情報が前記入力手段に入力されることを条件として、前記選択されたユーザを認証する認証手段と、前記選択手段により選択されたユーザが前記認証手段により認証された場合には、そのユーザに対応して前記個別情報記憶手段に記憶された個別登録情報を機能制限テーブルに設定する第1設定手段と、前記選択手段により前記識別情報が設定されないユーザが選択された場合、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報を前記機能制限テーブルに設定する第2設定手段と、前記機能制限テーブルに設定された情報に基づいて、前記ユーザにより選択された機能の実行を許可するか否かを判断する判断手段とを備える。
請求項2記載の多機能周辺装置は、請求項1記載の多機能周辺装置において、前記入力手段に予め定められた管理者識別情報が、工場出荷時以降において入力されたか否かを判別する判別手段と、その判別手段により、予め定められた管理者識別情報が入力されたと判別された場合に、前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを示す前記個別登録情報を前記個別情報記憶手段に設定することを可能とし、あるいは、前記パブリック情報記憶手段に記憶された前記パブリック登録情報を、管理者からの入力に基づいて書き換えることを可能とする登録情報設定手段とを備えている。
請求項3記載の多機能周辺装置は、請求項2記載の多機能周辺装置において、前記パブリック情報記憶手段に記憶されるパブリック登録情報は、前記複数の機能のうち所定の機能については、前記登録情報設定手段により使用を許可するように設定することができないように構成されている。
請求項4記載の多機能周辺装置は、請求項2または3記載の多機能周辺装置において、前記判別手段により前記管理者識別情報が入力されたと判断される場合、前記個別登録情報に対応するユーザを表すユーザ情報および前記パブリック登録情報に対応するユーザを表すユーザ情報を表示するユーザ情報表示手段を備え、前記ユーザ情報表示手段は、前記パブリック情報記憶手段に記憶されている前記パブリック登録情報が、前記複数の機能のうち全ての機能について使用を許可しないように設定されている場合、前記ユーザ情報表示手段により表示されるユーザ情報の先頭に、前記パブリック登録情報に対応するユーザを表すユーザ情報を表示するものである。
請求項5記載の多機能周辺装置は、請求項2から4のいずれかに記載の多機能周辺装置において、前記登録情報設定手段は、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報を用いて、前記個別情報記憶手段に個別登録情報を設定するパブリック情報利用手段を備えている。
請求項6記載の多機能周辺装置は、請求項5記載の多機能周辺装置において、前記パブリック情報利用手段は、前記個別情報記憶手段に個別登録情報の設定を行う際に、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報において前記複数の機能のうち使用を許可するように設定されている機能については同様に使用を許可するように設定するものである。
請求項7記載の多機能周辺装置は、請求項5記載の多機能周辺装置において、表示手段を備え、前記パブリック情報利用手段は、前記個別情報記憶手段に個別登録情報の設定を行う際に、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報における設定内容を前記表示手段に表示するものである。
請求項記載の多機能周辺装置は、請求項1から7のいずれかに記載の多機能周辺装置において、前記複数の機能のいずれかを選択する操作子と前記複数の機能の各機能のパラメータを設定する操作子とを有する操作部と、前記操作部のいずれかの操作子の操作が行われない時間を計時する計時手段とを備え、前記入力手段に前記識別情報が入力され、その識別情報のユーザに対応する前記個別情報記憶手段に記憶された個別登録情報が、前記第1設定手段により前記機能制限テーブルに設定された後、前記計時手段により所定時間を計時した場合、前記第2設定手段は、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報を、前記機能制限テーブルに設定するものである。
請求項記載の多機能周辺装置制御プログラムは、複数の機能を有する多機能周辺装置により実行されるものであって、前記多機能周辺装置は、識別情報が設定されたユーザに対応して前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを示す個別登録情報を記憶する個別情報記憶手段と、識別情報が設定されないユーザに対応して前記複数の機能の各機能について使用を許可しないことを示すパブリック登録情報を、工場出荷時予め記憶しているパブリック情報記憶手段とを備えるものであり、前記多機能周辺装置に、ユーザを選択する選択ステップと、ユーザ毎に個別に設定された識別情報を入力する入力ステップと、前記選択ステップにより選択されたユーザに前記識別情報が設定されている場合、該選択されたユーザに設定された前記識別情報が前記入力ステップにより入力されることを条件として、前記選択されたユーザを認証する認証ステップと、前記選択ステップにより選択されたユーザが前記認証ステップにより認証された場合には、そのユーザに対応して前記個別情報記憶手段に記憶された個別登録情報を機能制限テーブルに設定する第1設定ステップと、前記選択ステップにより前記識別情報が設定されないユーザが選択された場合、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報を前記機能制限テーブルに設定する第2設定ステップと、前記機能制限テーブルに設定された情報に基づいて、前記ユーザにより選択された機能の実行を許可するか否かを判断する判断ステップとを実行させる。
請求項10記載の多機能周辺装置制御プログラムは、請求項に記載の多機能周辺装置制御プログラムにおいて、前記多機能周辺装置は、前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを予め設定したひな形情報を記憶するひな形情報記憶手段を備え、前記ひな形情報記憶手段に記憶されたひな形情報に基づいて、前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを示す個別登録情報を設定し、あるいは、前記パブリック情報記憶手段に記憶された前記パブリック登録情報を工場出荷時以降において書き換えるひな形情報利用ステップと、前記パブリック情報記憶手段に記憶された登録情報に基づいて、前記個別情報記憶手段に個別登録情報を設定するパブリック情報利用ステップとを前記多機能周辺装置に実行させる。
請求項1記載の多機能周辺装置によれば、前記識別情報が設定されたユーザに対応する個別登録情報に基づいて各機能について使用を許可するか否かを設定することができるとともに、ユーザを認証しないパブリックユーザに対応するパブリック情報により各機能について使用を許可するか否かを設定することができるという効果がある。したがって、多機能周辺装置を設置する場所により、個別およびパブリックユーザに対して適切な設定を行い、操作性を向上させることができる。
請求項2記載の多機能周辺装置によれば、請求項1記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、特定の識別情報を知っている者のみが個別登録情報およびパブリック登録情報の設定を行えるので、私用などにより使用されることを極力防止するとともに、ユーザに対応した設定や、ユーザを認証しない場合の機能をそれぞれ多機能周辺装置を設置する場所に応じて設定することができるという効果がある。例えば、ユーザの認証を行わない場合の機能を最小限の機能に設定すれば、ユーザはパスワードなどの入力をすることなく、その最小限の機能を使用することができる。このため、全てのユーザに対してパスワードと使用を許可する機能についての設定を行う必要がなくなり、装置を管理する際の負荷が軽減される。
請求項3記載の多機能周辺装置によれば、請求項2記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、パブリック情報記憶手段に記憶されるパブリック登録情報は、複数の機能のうち所定の機能について、登録情報設定手段により使用を許可するように設定することができないものである。よって、管理者などによってパブリックユーザに各機能の使用を許可する場合に、許可しないほうがよい機能を誤って許可することを防止することができるという効果がある。
請求項5記載の多機能周辺装置によれば、請求項2から4のいずれかに記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、登録情報設定手段は、パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報を用いて、個別情報記憶手段に個別登録情報を設定するパブリック情報利用手段を備えている。よって、パブリック情報記憶手段に記憶された登録情報に基づいて、ユーザに対応した設定を行うことができ、ユーザに対する設定操作が容易になるという効果がある。
請求項6記載の多機能周辺装置によれば、請求項5記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、パブリック情報利用手段は、個別情報記憶手段に個別登録情報の設定を行う際に、パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報において複数の機能のうち使用を許可するように設定されている機能については同様に使用を許可するように設定するものである。パブリック情報記憶手段に記憶されている登録情報は、最小限の機能の使用を許可するものであり、ユーザに対応して許可される機能は、パブリックユーザに対して許可される機能を含み、それより多いのが普通であるのでユーザに対して行う設定操作が容易であるという効果がある。
請求項7記載の多機能周辺装置によれば、請求項5記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、表示手段を備え、パブリック情報利用手段は、個別情報記憶手段に個別登録情報の設定を行う際に、パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報における設定内容を表示手段に表示するものである。よって、ユーザに対応して登録情報を設定する際に、パブリックユーザに対して設定された登録情報を参照し、関連付けて設定することができるという効果がある。
請求項記載の多機能周辺装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の多機能周辺装置の奏する効果に加え、ユーザが認証されてそのユーザに対応する機能の使用が許可された場合であっても、操作子が所定時間操作されない時は、パブリックユーザに対応する設定に戻されるので、パブリックユーザに許可していない機能を解放することを防止することができるという効果がある。
請求項記載の多機能周辺装置制御プログラムによれば、多機能周辺装置において実行されることにより、ユーザに対応する個別登録情報に基づいて各機能について使用を許可するか否かを設定することができるとともに、ユーザを認証しないパブリックユーザに対応するパブリック情報により各機能について使用を許可するか否かを設定することができるという効果がある。したがって、多機能周辺装置を設置する場所により、個別およびパブリックユーザに対して適切な設定を行い、操作性を向上させることができる。
請求項10記載の多機能周辺装置制御プログラムによれば、請求項記載の多機能周辺装置制御プログラムの奏する効果に加え、ユーザに対応して多数の機能について使用を許可するか否かを設定する場合に、ひな形情報記憶手段またはパブリック情報記憶手段に記憶された登録情報を利用することができるので、簡単な操作で容易に登録情報を設定することができるという効果がある。また、例えば、ユーザの認証を行わない場合の機能を最小限の機能に設定すれば、ユーザはパスワードなどの入力をすることなく、その最小限の機能を使用することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態における多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と略す)1を含む通信システムの構成を示すブロック図である。この通信システムは、図1に示すように、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するMFP1と、そのMFP1とデータ通信可能に接続されたサーバ2やパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)3とから構成される。また、図1に示すように、この通信システムにおいて、MFP1は、電話回線網100に接続されている。
MFP1は、この電話回線網100を介してファクシミリ通信を実現するファクシミリ機能や、電話回線網100を介して音声通話を実現する音声通話機能を備えている。MFP1は、他に、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能などの各種の機能を1台に備えている。また、このMFP1は、受信したファックスデータをLANを介してパーソナルコンピュータ3へ転送するPCファックスの機能を備えている。
図1に示すように、MFP1は、MFP1全体の動作を制御するCPU12と、そのCPU12により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するROM14と、CPU12により実行される各種処理に必要なデータやプログラム等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM16と、各種設定を記憶し書き換え可能で不揮発性のフラッシュメモリ18と、スキャナ部22と、プリンタ部24と、モデム26と、回線制御部28と、MFP1の本体部から取り外し可能であり、音声通話機能において送話及び受話するために使用される送受話器32と、MFP1で各種機能を実行させるための複数の操作入力キー(ボタンやスイッチなど)から構成される操作部34と、MFP1における各種情報を表示する液晶ディスプレイ(以下、「LCD(Liquid Crystal Display)」と称する)であるLCD36と、スピーカ及びそのスピーカを駆動する駆動回路から構成されるスピーカ部38と、サーバ2やPC3とを接続するLAN200(Local Area Network)に接続するためのLANインターフェイス部(以下、「LANI/F」と称する)であるLANI/F40とを備えている。
このうち、CPU12と、ROM14と、RAM16と、スキャナ部22と、プリンタ部24と、モデム26と、回線制御部28と、操作部34と、LCD36と、スピーカ部38と、LANI/F40とは、バスライン46を介して互いに接続されている。なお、回線制御部28と、モデム26又は送受話器32とは、伝送経路によって接続されている。
ここで、スキャナ部22は、CPU12からの指示に基づいて、所定の読取位置(非図示)にセットされた原稿から画像の読み取りを行うと共に、この画像のイメージデータを生成するものである。このスキャナ部22により読み取られたイメージデータは、MFP1が、MFP1におけるファクシミリ機能を機能させるファクシミリモード(以下、「FAXモード」と称する)に設定されている場合には、そのイメージデータが、モデム26、回線制御部28及び電話回線網100を介して、電話番号等により指定された相手側装置へ送信される。
また、MFP1が、MFP1におけるコピー機能を機能させるコピーモード(以下、「COPYモード」と称する)に設定されている場合には、このスキャナ部22によって生成されたイメージデータは、プリンタ部24により記録紙に印刷される。さらに、MFP1が、MFP1におけるスキャナ機能を機能させるスキャナモード(以下、「SCANモード」と称する)に設定されている場合には、このスキャナ部22によって生成されたイメージデータは、RAM16における所定の記憶領域に格納される。
プリンタ部24は、CPU12からの指示に基づいて、所定の給紙位置(非図示)にセットされた記録紙への印刷を行うためのインクジェット方式のプリンタで構成され、記録紙を搬送する記録紙搬送用モータ(非図示)と、記録紙へインクを吐出する印字ヘッド(非図示)と、その印字ヘッドを搭載したキャリッジ(非図示)を移動させるキャリッジモータ(非図示)とを備えている。
MFP1がFAXモードに設定され、且つ、電話回線網100、回線制御部28及びモデム26を介して相手側装置から受信したファクシミリデータを印字するように設定されている場合には、受信したファクシミリデータに基づいて生成されたイメージデータは、このプリンタ部24によって記録紙に印刷される。
また、MFP1がCOPYモードに設定されている場合には、スキャナ部22によって生成されたイメージデータは、このプリンタ部24により記録紙に印刷される。
モデム26は、CPU12からの指示に基づいて、スキャナ部22で生成されたイメージデータを変調して、回線制御部28を介して電話回線網100に伝送可能な画像信号を生成したり、電話回線100から回線制御部28を介して入力された画像信号をイメージデータに復調するものである。
回線制御部28は、電話回線網100からの各種信号の入力と、電話回線網100への信号の出力を行うと共に、CPU12からの指示に基づいて、電話回線網100との間で入出力する信号の伝送先及び伝送元となる伝送経路を設定する。この「伝送経路」としては、操作部34により画像を送信する(ファクシミリデータを送信する)ための操作が行われる際、又は、電話回線網100から画像信号を受信した(ファクシミリデータを受信した)際に、モデム26へ向かう経路が設定される。そして、この経路を画像信号が伝達可能な状態となる。一方で、この設定された伝送経路は、モデム26による画像信号の出力が終了した際、又は、電話回線100からの画像信号の入力が終了した際に解除され、この経路を画像信号が伝送されない状態となる。
また、送受話器32をMFP1の本体部から取り外す操作(オフフック操作)が行われた際に、回線制御部28から送受話器32へ向かう経路が上述した伝送経路として設定され、この経路を音声信号が伝送可能な状態となる。こうして設定された伝送経路は、送受話器32をMFP1の本体部に戻す操作(オンフック操作)が行われた際に解除され、この経路を音声信号が伝送されない状態となる。
RAM16は、システム用メモリ16aと、コピー機能用メモリ16bと、ファクシミリ機能用メモリ16cと、スキャナ機能用メモリ16dと、テンポラリメモリ16eとを備えている。システム用メモリ16aは、MFP1が各種機能を実行する際に使用されるメモリ領域であり、MFP1が有する複数の機能のうちユーザに対応して使用の許可をするか否かを記憶する機能制限テーブル16a1を備えている。この機能制限テーブル16a1には、その時点で複数の機能のうち、どの機能の使用が許可され、どの機能の使用が許可されていないかの情報が格納され、ユーザが、FAXモード、COPYモード、SCANモードなどのいずれかの機能をキー操作により選択した場合、この機能制限テーブル16a1が参照されて、ユーザに使用を許可するか否かの判定が行われる。そして、ユーザが変更されたり、あるいはロック状態がオンからオフに変更されるなどの使用環境が変更されると適宜、機能制限テーブル16a1の内容が書き換えられていくものである。
コピー機能用メモリ16bは、コピーモードが選択された場合にスキャナ部22によって生成されたイメージデータを記憶する領域であり、ファクシミリ用メモリ16cは、送信するファクシミリデータや受信したファクシミリデータを記憶する領域であり、スキャナ機能用メモリ16dは、スキャナモードが選択された場合に、スキャナ部22によって生成されたイメージデータを記憶する領域であり、テンポラリメモリ16eは、上記の各モードに割り当てられたメモリの領域が不足する場合や、一時的に記憶する必要がある場合に使用される領域である。これらの各領域の大きさは、必要に応じて設定されるものである。
フラッシュメモリ18は、機能設定テーブル51(図3参照)を記憶する機能設定テーブルメモリ18aと、ロックフラグを記憶するロックフラグメモリ18bと、MFP1の使用についてユーザに課金を行う場合の使用状態を記憶する1ジョブ課金情報メモリ18cおよび累積課金情報メモリ18dとを備えている。
機能設定テーブル51は、個別登録されていないパブリックユーザにMFP1が有する複数の機能の各機能の使用を許可するか否かを設定するパブリック登録情報と、ユーザ毎に複数の機能の各機能の使用を許可するか否かを設定する個別登録情報と、各機能の使用を許可するか否かを設定する際に利用され、MFP1が有する複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを予め設定したひな形情報とを記憶する。
パブリック登録情報は、パスワードを有さないパブリックユーザに対し、MFP1が有する複数の機能の各機能について、使用を許諾するか否かを設定する情報であり、MFP1がメーカから供給された時点(以下、「工場出荷時」と称する)では、全ての機能の使用を許可しないように設定されている。これにより、管理者などによりパブリックユーザに対する登録情報を設定していない場合には、パブリックユーザに全ての機能の使用を許可しないので、私用などにより経費が発生することを防止することができる。
特定の者である管理者が、パスワードを設定し、そのパスワードが入力された場合に、パブリック登録情報を書き換えることができる。パブリック登録情報を書き換える場合には、ひな形情報を読み出し、そのひな形情報をそのままパブリック登録情報として登録することもできるし、その後、いくつかの機能については変更することもできる。
個別登録情報は、パスワードを有するユーザに対し、MFP1の各機能について、使用を許諾するか否かを設定する情報であり、パブリック登録情報と同様に特定の者である管理者が、パスワードを入力して認証を受けた後、各ユーザの個別登録情報を書き換えることができる。
個別登録情報を書き換える場合には、パブリック登録情報を読み出し、そのパブリック登録情報をそのまま個別登録情報として登録することもできるし、パブリック個別登録情報と同様に、ひな形情報を読み出し、そのひな形情報をそのまま個別登録情報として登録することもできる。また、その後、いくつかの機能については変更することもできる。なお、パブリック登録情報および個別登録情報およびひな形情報により構成される機能設定テーブル51については、図3を参照して後述する。
ロックフラグメモリ18bは、MFP1が有する全機能の使用を制限しないロックオフ状態と、ユーザに応じて機能を制限するロックオン状態とのいずれの状態であるかを示すロックフラグを記憶し、このロックフラグは、ユーザの識別を行わず全機能の使用を制限しないロックオフ状態の場合には、0が、ユーザ毎に機能を制限するロックオン状態の場合は、1が設定される。このロックフラグの変更は、管理者(MFP1を管理する責任者であり、通常組織等において、管理能力を有すると認められたものが指名される)のパスワードが入力された場合にのみ行われる。なお、このロックフラグは、工場出荷時には、0に設定されている。
1ジョブ課金情報メモリ18cは、1ジョブ毎の課金を算出するために1ジョブ毎の使用状態をユーザ毎に記憶するものである。ここで、1ジョブとは、1ユーザが使用を開始してから使用を終了するまでに実行された処理である。例えば、ユーザ1がファクシミリを送信し、続いてコピーを実行し、次にユーザ2が使用を開始した場合は、ユーザ1の1ジョブ課金情報は、ファクシミリ送信とコピーとである。このように、1ジョブ毎に1ジョブ課金情報がメモリに記憶されるので、1ジョブ毎に使用料金を徴収する場合に、この1ジョブ課金情報メモリ18cを参照することにより使用料金を算出することができる。
累積課金情報メモリ18dは、1ジョブ毎ではなく、累積の使用状態を記憶するもので、ユーザ毎に実行された機能を順次追加して記憶する。例えば、1ヶ月毎に使用料金を徴収する場合には、月の最終日に使用量を算出し、その累積課金情報を削除する。翌月からは使用される毎に使用状況が追加記憶されるので、その月の最終日には、各ユーザ毎の累積された使用量から使用料金を算出することができる。
次に、図2を参照して、MFP1における操作パネル部分について説明する。図2は、MFP1における操作パネル部分の平面図である。図2に示すように、この操作パネル部分は、操作部34を構成する各種操作入力キー34a〜34gと、LCD36とから構成されている。
電源ボタン34aは、MFP1が電源遮断の状態で押下すると、MFP1に電源が投入され、MFP1に電源が投入されている状態において、電源ボタン34aが押下されると、MFP1は電源遮断される。
操作入力キー34bは、MFP1で実行させる機能又は設定値などを、LCD36に表示される選択肢の中から設定させるための十字キー及びセットキーである。この操作入力キー34bの上下左右の端部を押下することにより、LCD36に表示されるカーソルが上下左右に移動されたり、機能を選択表示させることができる。そして、カーソルが所望の機能又は設定値に対応する選択肢に配置された場合に、操作入力キー34bの中央部を押下する(以下、セット操作すると称する)ことにより、カーソルが配置されていた機能又は設定値が選択または設定される。
操作入力キー34cは、モード選択キー(以下、「モード選択キー34c」と称する)であり、MFP1においてコピー機能を機能させるCOPYモードキー34c1と、MFP1においてファクシミリ機能を機能させるFAXモードキー34c2と、MFP1においてスキャナ機能を機能させるSCANモードキー34c3とを備えている。
ロックオフ状態に設定されている場合には、これらのモード選択キー34c(34c1〜34c3)のいずれかが押下されると、MFP1は、押下されたモード選択キー34c(34c1〜34c3)に応じた機能が実行される。一方ロックオン状態に設定されている場合には、これらのモード選択キー34c(34c1〜34c3)のいずれかが押下されると、機能制限テーブル16a1が参照され、機能制限テーブル16a1にその機能の使用を許可するように記憶されている場合は、その機能が実行され、使用を許可しないように記憶されている場合は、その機能の使用を許可しないことをユーザに知らせる音をスピーカ部38から鳴動させるとともに、LCD36にその旨の表示を行う。
操作入力キー34dは、テンキーであり、MFP1がファックスモードである場合において、ファクシミリデータを送信する相手側装置の電話番号の入力や設定値の入力や、管理者や登録ユーザによるパスワードの入力等に用いられるものである。
また、操作入力キー34eは、メニューの表示を指示するメニューボタンや、各種モードにおける特定の機能(例えば、FAXモードにおけるオンフックダイヤル機能)を実行指示するものである。また、操作入力キー34fは、ストップボタンであり、各種機能を実行している場合に、停止を指示するものであり、操作入力キー34gは、スタートボタンであり、FAXモードやCOPYモードにおいて、それらの機能の実行の開始を指示するものである。
LCD36は、MFP1における各種情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)である。このLCD36では、上記したような機能設定時における機能又は設定値等を設定させるための設定表示の他に、例えば、MFP1における動作待機時において、現在の設定状況等が待機情報として表示される。
次に、図3を参照して機能設定テーブルメモリ18aに記憶されるパブリック登録情報、個別登録情報およびひな形情報について説明する。図3は、パブリックユーザおよび登録ユーザに対応して登録される登録情報とひな形情報とを示す機能設定テーブル51である。
この機能設定テーブル51の第1行は、ユーザに対応する設定項目を示し、第2行51aは、パブリックユーザ、第2行51b〜は、登録ユーザ、末行51cは、ひな形にそれぞれ対応している。また、この機能設定テーブル51の第1列は、ユーザまたはひな形のいずれかを示し、第2列51dは、ユーザ名、第3列51eは、パスワード、第4から8列51fは、各機能を示している。
この各機能とは、第4列に示すファクシミリ送信機能、第5列に示すファクシミリ受信記録機能、第6列に示すコピー機能、第7列に示すスキャナ機能、第8列に示すプリンタ機能である。ファクシミリ送信機能は、MFP1が有するファクシミリ送信機能の使用をユーザに許可するか否かを示す項目である。ファクシミリ受信記録機能は、受信したファクシミリは、全てMFP1のRAMに記憶されて記録媒体には、印刷を行わないものとし、ユーザのうち使用を許可された者が、受信内容をLCD36に表示して確認し、出力してもよいと判断した場合に、記録媒体に印刷したり、LAN200を経由して受信者のPCなどに送信することができる機能である。
コピー機能およびスキャナ機能は、MFP1が有するコピー機能およびスキャナ機能の使用を許諾するか否かを示す項目である。プリンタ機能は、LAN200を経由してPCなどから画像情報を受信し、印刷する機能であり、画像情報を受信する際に送信するPCのアドレスを識別することによりユーザを識別し、プリンタ機能の使用を許可するか否かを示す項目である。なお、パブリックユーザとひな形情報については、ユーザ名およびパスワードは存在しない。
この機能設定テーブル51において、各ユーザおよび、ひな形情報について、各機能の使用を許可する(Enable)場合は、1を、使用を許可しない(Disable場合は、0を記憶するものである。例えば、図3に示す機能設定テーブル51において、パブリックユーザには、コピー機能だけの使用が許可され、他の機能はすべて使用が許可されないように設定され、ユーザ2については、全ての機能の使用が許可されるように設定されている。
次に、図4を参照して、MFP1においてユーザによる操作に応じ、LCD36に表示される表示画面について説明する。
まず、ユーザによる操作を待機する待機状態において、操作入力キー34eの一つであるメニューボタンが操作され、ロックオフ状態に設定されている場合は、図4(a)に示す設定項目を選択するためのメニュー画面が表示される。ロックオン状態に設定されている場合については、後述する。
このメニュー画面では、第1の設定項目として、「Lock On→Off」と表示され、ロック状態をロックオフ状態からロックオン状態に変更するものであり、第2の設定項目は、「Set Password」と表示され、管理者のパスワードを設定するものであり、第3の設定項目は、「Setup User」と表示され、ユーザについてパスワードや、使用を許可または制限する機能を設定するものである。
操作入力キー34bの上下の端部を押下することにより、LCD36に表示されるカーソルが上下に移動され、カーソルが所望の設定項目に対応する選択肢に配置された場合にセット操作することより選択が実行される。なお、図4に示す各図において、太線で項目を囲んでいる場合は、その項目にカーソルが表示されている例を示している。
「Set Password」が選択された場合は、図4(b)に示す管理者のパスワードを設定するためのパスワード設定画面、図4(c)が表示され、パスワードを入力してセット操作する。さらに再度確認のためのパスワード設定画面図4(d)が表示され、同様にパスワードを入力してセット操作すると、先に入力したパスワードと一致するか否かが照合され、一致すれば、管理者のパスワードが設定される。一致しない場合は、再度、パスワード設定画面、図4(c)が表示され、再度パスワードを入力する。
「Setup User」が選択された場合は、図示しないが、管理者のパスワードを入力するパスワード入力画面が表示され、パスワードが一致した場合は、図4(e)に示すパブリックユーザ(Public)と登録ユーザ(User1)のいずれかを選択するユーザ選択画面が表示される。パスワードが一致しない場合は、図4(a)に示す選択画面に戻る。なお、図4(e)では、「Public」と、登録されているユーザのうち最初のユーザであるユーザ番号1を示す「User1」との2者が表示されているが、カーソルを上方または下方に移動すると、ユーザ番号が2、3〜10を示す「User2」「User3」〜「User10」が表示され、いずれかを選択することができる。なお、本実施例では、ユーザ番号が1〜10までを例としているが、これに限定されるものではなく増減可能である。
いずれかのユーザ番号にカーソルを合わせてセット操作すると、そのユーザ番号にユーザ名が登録されていない場合は、図4(f)に示すユーザ名登録画面が表示される。このユーザ名登録画面において、図4(g)に示すようにユーザ名(SUSAN)を入力し、セット操作すると、登録ユーザとしてユーザ名が登録される。
すでにそのユーザ番号にユーザ名が登録されている場合は、そのユーザ名が表示され、そのユーザ名を削除ボタン(図示なし)などを操作して削除し、セット操作するとそのユーザの登録が消去される。ユーザの登録が消去された場合は、図4(a)に示す選択画面に戻る。
ユーザ名が新たに登録された場合は、その登録されたユーザ名に対応するパスワードを設定するパスワード設定画面、図4(h)が表示される。このパスワード設定画面においてパスワードを入力し、セット操作するとユーザ名に対応してパスワードが登録される。すでにパスワードが登録されている場合は、図4(i)に示すようにパスワードが表示され、パスワードを再度入力してセット操作することにより、パスワードを変更することができる。パスワードの設定が終わると、図4(j)に示す機能設定画面が表示される。なお、図4(e)に示すユーザ選択画面において、パブリックユーザが選択された場合は、直接この図4(j)に示す機能設定画面が表示される。
この機能設定画面では、ユーザ(パブリックユーザを含む)に対応して、ファクシミリ送信、ファクシミリ受信、コピー、スキャン、プリントの各機能について使用を許可するか否かを設定ものである。図4(j)の例では、ファクシミリ送信(Fax Tx)機能については、使用を許可する(Enable)ように操作が行われた状態を表示している。十字キーの上下端を押下すると使用を許可する表示である「Enable」と使用を許可しない表示である「Disable」とが切り替え表示され、セット操作することにより登録が実行される。ファクシミリ送信について登録が実行されると次に、ファクシミリ受信、コピー・・・のように順次登録することができる。
図4(a)に示す設定項目を選択するための画面において、第1の設定項目である「Lock On→Off」が選択された場合は、図4(k)に示すように管理者のパスワードを入力する画面が表示される。パスワードを入力し、セット操作を行うことによりパスワードが入力される。管理者のパスワードが正しく入力された場合は、「Accepted」と2秒間表示され、ロックオン状態に設定され、待機状態に戻る。一方、パスワードが正しく入力されなかった場合は、パスワードが正しくないことを示す「Wrong Password」と2秒間表示し、待機状態に戻る。
操作入力キー34eの一つであるメニューボタンが操作され、ロックオン状態に設定されている場合は、図4(l)に示す設定項目を選択するためのメニュー画面が表示される。第1の設定項目としては、「Lock On→Off」と表示され、ロックオフ状態からロックオン状態に変更するものであり、第2の設定項目は、「User Change」と表示され、ユーザを変更設定するものである。
操作入力キー34bの上下の端部を押下することにより、カーソルが上下に移動され、カーソルが所望の設定項目に対応する選択肢に配置された場合にセット操作することより選択が実行される。
「Lock On→Off」が選択された場合は、図4(m)に示す管理者のパスワードを設定するためのパスワード設定画面が表示され、パスワードを入力してセット操作する。パスワードを入力し、セット操作を行うことによりパスワードが入力される。管理者のパスワードが正しく入力された場合は、「Accepted」と2秒間表示し、ロックフラグを0にするとともに、機能制限テーブル16a1に全ての機能の使用を許可するように記憶することによってロックオフ状態に設定し、待機状態へ戻る。一方、パスワードが正しく入力されなかった場合は、パスワードが正しくないことを示す「Wrong Password」と2秒間表示し、待機状態に戻る。
第2の設定項目である「User Change」が選択された場合は、図4(n)に示すユーザ選択画面が表示され、登録されているユーザ名が表示される。カーソルを上下に移動することにより順次ユーザ名が表示され、セット操作を行うとカーソルが示す位置のユーザ名が選択され、図4(o)に示すように選択されたユーザ名(この例では、Fukuhara)が表示されるとともに、ユーザのパスワードを入力する画面が表示される。ユーザが、パスワードを入力しセット操作を行うことによりパスワードが入力され、そのパスワードが、そのユーザ名に対応する正しいパスワードであれば、そのユーザ名に対応する機能が機能設定テーブル51の登録内容に基づいて設定されて待機状態に戻る。一方、パスワードが正しく入力されなかった場合は、パスワードが正しくないことを示す「Wrong Password」と2秒間表示し、待機状態に戻る。なお、このユーザ選択画面によりユーザの一つとして、パブリックユーザを選択することが可能であり、パブリックユーザを選択した場合は、パスワードの入力なしで、パブリックユーザに対応する機能が機能設定テーブル51の登録内容に基づいて設定されて待機状態に戻る。
次に、図5〜7を参照して、MFP1のCPU12実行される処理について説明する。図5および図6は、メイン処理を示すフローチャートであり、MFP1の電源が投入された場合に、起動される処理である。まず、初期設定を行う(S1)。この初期設定では、フラッシュメモリ18に記憶されているロックフラグを参照し、ロックオン状態であれば、機能設定テーブルメモリ18aに記憶されているパブリックユーザの機能設定をRAM16の機能制限テーブル16a1に読み込むなどの処理を行い、ロックオフ状態であれば、全機能の使用を許可する設定などの処理を行い、ユーザによる操作を待機する待機状態に移行する。
待機状態において、操作が行われたか否かを判断し(S2)、操作が行われ場合は(S2:Yes)、その操作がメニュー画面の表示を指示するものであるか否かを判断する(S3)。
メニュー画面の表示を指示する操作であった場合は(S3:Yes)、設定されているロック状態がロックオン状態であるかをフラッシュメモリ6のロックフラグメモリ18bに記憶されたロックフラグを参照することにより判断する。すなわち、ロックフラグが0であれば、ロックオフ状態であり、ロックフラグが1であれば、ロックオン状態である。
ロック状態がロックオン状態である場合は(S4:Yes)、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替えと、登録ユーザの変更とのいずれかの処理を選択する図4(l)に示すメニュー画面を表示する(S5)。次に、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替えを選択したか否かを判断し(S6)、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替えが選択された場合は(S6:Yes)、管理者のパスワードを入力する図4(m)に示す画面を表示する。管理者のパスワードが正しく入力された場合は、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替え処理を行う。具体的には、ロックフラグメモリ18bに記憶されたロックフラグを1から0に変更し、MFP1のすべての機能の使用を許可するようにRAM16のシステム用メモリ16aに記憶された機能制限テーブル16a1を設定する(S7)。正しくないパスワード入力された場合は、前述の通りパスワードが正しくないことを示す「Wrong Password」と2秒間表示し、待機状態に戻る。なお、図5に示すフローチャートでは、フローチャートが煩雑になるのを防ぐため、正しくないパスワードが入力された場合の処理を省略している。
S6の判断処理で、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替えが選択されていないと判断した場合は(S6:No)、次にユーザの切り替えが選択されたか否かを判断する(S8)。ユーザの切り替えが選択された場合は(S8:Yes)、ユーザ切り替え処理を実行する(S9)。このユーザ切り替え処理では、まずユーザのユーザ名を表示する図4(n)に示す画面を表示し、ユーザがいずれかのユーザを選択する。ユーザが選択されると、図4(o)に示すパスワードの入力画面を表示し、パスワードが入力されると機能設定テーブル51に登録されているパスワードと一致するかの確認を行い、正しくパスワードが入力された場合は、そのユーザに対応して機能設定テーブルメモリ18aに記憶されている個別登録情報に基づいて、各機能の使用を許可する否かをRAM16のシステム用メモリ16aに記憶された機能制限テーブル16a1に設定する。また、ユーザの一つとして、パブリックユーザを選択することができ、パブリックユーザが選択された場合は、パスワードの入力をユーザに要求せずに、機能設定テーブルメモリ18aに記憶されているパブリック登録情報に基づいて、各機能の使用を許可する否かをRAM16のシステム用メモリ16aに記憶された機能制限テーブル16a1に設定する。
このことにより、ユーザに対応して各機能について使用を許可するか否かを示す個別登録情報に基づいて各機能について使用を許可するか否かが設定されるとともに、ユーザを認証しないパブリックユーザについて各機能について使用を許可するか否かを示すパブリック情報によりを各機能について使用を許可するか否かが設定される。
S7の処理においてロックオフ状態への切り替え処理が終了した場合、S9のユーザの切り替え処理が終了した場合およびS8の判断処理で、ユーザ切り替えが選択されなかった場合(S8:No)は、S2の処理へ戻る。なお、S4の判断処理で、ロック状態がロックオン状態ではない場合(S4)は、図6に示すフローチャートの処理に進む。
S3の判断処理において、検出された操作が、メニュー画面の表示を指示するものではなく、MFP1の機能を選択するものである場合は(S3:No)、ロック状態がロックオン状態であるか否かを判断する(S11)。ロックオン状態ではない場合は(S11:No)、選択された機能を実行し(S13)、ロックオン状態である場合は(S11:Yes)、選択された機能の使用が許可されているか否かを判断する(S12)。この判断は、RAM16のシステム用メモリ16aに記憶されたMFP1の各機能の使用を許可するか否かを示す機能制限テーブル16a1を参照することにより判断される。
選択された機能の使用が許可されている場合は(S12:Yes)、その選択された機能を実行し(S13)、選択された機能の使用が許可されていない場合は(S12:No)、使用を拒否することを示す音をスピーカ部38から鳴動させる(S14)とともに、LCDにその旨を表示する。S13の処理およびS14の処理を終了した場合は、S2の処理に戻る。
一方、S2の判断処理において、いずれの操作子も操作されない場合は(S2:No)、その操作が行われない時間が所定時間以上経過したか否か判断する(S15)。これは、前回S2の判定がYesと判断されてからの時間をCPU12が計時しており、その計時結果に基づき判断される。操作が行われない時間が所定時間以上経過した場合は(S15:Yes)、ロック状態がロックオン状態か否かを判断し(S16)、ロックオン状態である場合は(S16:Yes)、機能制限テーブル16a1に設定されている機能設定が登録ユーザのものである登録ユーザ設定であるか否かを判断する(S17)。登録ユーザ設定である場合には(S17:Yes)、機能設定テーブルメモリ18aに記憶されたパブリック登録情報に基づいて、機能制限テーブル16a1を設定する(S18)。S15の判断処理で、操作が行われない時間が所定時間以上経過してはいない場合(S15:No)、S16の判断処理で、ロック状態がロックオン状態かロックオフ状態である場合(S16:No)およびS17の判断処理で、機能制限テーブル16a1に設定されている機能設定が登録ユーザのものではない場合(S17:No)は、S2の処理に戻る。
以上の処理により、登録ユーザが、MFP1の使用を終了した後、ユーザをパブリックユーザに戻す操作を行わなかった場合でも、所定時間が経過した後に、パブリックユーザの設定に戻されるので、登録ユーザではない一般ユーザが、許可されていない機能を使用することを防止することができる。
図6は、図5に示すフローチャートのS4の判断処理において、ロック状態がロックオフ状態である場合に実行される処理を示すフローチャートである。まず、管理者のパスワードが設定されているか否かを判断する(S21)。管理者のパスワードがすでに設定されている場合は(S21:Yes)、図4(a)に示す設定項目を選択するためのメニュー画面が表示される。第1の設定項目としては、「Lock Off→On」と表示され、ロックオン状態からロックオフ状態に変更するものであり、第2の設定項目は、「Set Password」と表示され、管理者のパスワードを設定するものであり、第3の設定項目は、「Setup User」と表示され、個別登録情報またはパブリック登録情報を設定するユーザ設定を行うものである。操作入力キー34bの上下の端部を押下することにより、カーソルが上下に移動され、カーソルが所望の設定項目に対応する選択肢に配置された場合にセット操作することより選択が実行される。
S22のメニュー表示の次に、ロックオフ状態からロックオン状態への切り替える項目が選択された否かを判断し(S23)、ロックオフ状態からロックオン状態への切り替えが選択された場合は(S23:Yes)、図4(k)に示す管理者のパスワードを入力する画面を表示する。管理者のパスワードが正しく入力された場合は、ロックオフ状態からロックオン状態への切り替え処理を行う(S24)。具体的には、ロックフラグメモリ18bに記憶されたロックフラグを0から1変更し、パブリック情報記憶手段に記憶されているパブリック登録情報に基づいて、機能制限テーブル16a1を設定する。
S23の判断処理でロックオフ状態からロックオン状態への切り替えが選択されたのではない場合は(S23:No)、管理者のパスワードを設定する項目が選択されたか否かを判断する(S25)。管理者のパスワードを設定する項目が選択された場合は(S25:Yes)、管理者パスワードを設定する処理を行う(S26)。詳細には、図4(b)に示す画面を表示し、古いパスワードの入力を要求し、正しく古いパスワードが入力された場合は、図4(c)に示す画面を表示し、新しいパスワードの入力を要求する。
新しいパスワードが入力されると、図4(d)に示すパスワード確認画面が表示され、再度新しいパスワードの入力を要求する。再度入力されたパスワードが、先に入力されたパスワードと一致した場合は、新しいパスワードへの変更が登録される。なお、S21の判断処理で、管理者のパスワードがまだ設定されていない場合は(S21:No)、S26の管理者パスワード設定処理において、図4(c)に示すパスワード入力画面を表示し、新しいパスワードの入力を要求する。新しいパスワードが入力されると、図4(d)に示すパスワード確認画面が表示され、再度新しいパスワードの入力を要求する。再度入力されたパスワードが、先に入力されたパスワードと一致した場合は、新しいパスワードへの変更が登録される。
S25の判断処理において、管理者のパスワードを設定する項目が選択されない場合は(S25:No)、ユーザ設定が選択されたか否かを判断する(S27)。ユーザ設定が選択された場合は(S27:Yes)、ユーザ設定処理を行う(S28)。このユーザ設定処理については、図7に示すフローチャートを参照して説明する。S24、S26、S28の処理を終了した場合および、S27の判断処理でユーザ設定が選択されない場合は、図5に示すフローチャートのS2の処理(待機状態)に戻る。
次に、図7に示すフローチャートを参照して図6に示すフローチャートのS28の処理である登録処理について説明する。図7は、登録処理を示すフローチャートである。この登録処理では、まず、パブリック登録情報においていずれかの機能が使用を許可するように設定されているか否かを判断する(S41)。なお、工場出荷時は、このパブリック登録情報には、MFP1のすべての機能の使用を許可しないように設定されている。例えば、工場出荷時のままでパブリック登録情報においていずれの機能も使用を許可しないように設定されている場合は(S41:No)、図4(e)に示すように、ユーザ(User1)より上段である先頭位置に、パブリックユーザを選択する項目を表示する(S43)。管理者により図4(e)に示す画面において「Public」が選択され、パブリック登録情報としていずれかの機能が使用を許可するように設定されている場合は(S41:Yes)、図示しないが、ユーザ(User10)より下段に、パブリックユーザを選択する項目を表示する(S42)。このことにより、管理者は、「Public」の表示位置の違いに基づいてパブリック登録情報にいずれかの機能が使用を許可するように設定されているか否かを認識することができる。このことにより、パブリック登録情報の設定が必要である場合に、設定されていないことが分かれば、パブリック登録情報の設定を行うことができる。また、パブリック登録情報が設定されている場合には、パブリック情報を利用して個別登録情報の設定を行うことができる。
このように表示された選択画面において、管理者は、登録設定を行うユーザまたはパブリックユーザを選択し、その選択された項目を入力する(S44)。
次に、その選択された項目が、パブリックユーザであるか否かを判断する(S45)。選択された項目が、パブリックユーザである場合は(S45:Yes)、パブリック登録情報を登録する際に、ひな形情報メモリ18cに記憶されたひな形情報を利用するか否かを管理者に選択させる画面(図示なし)を表示し、管理者がひな形情報を利用するか否かのいずれを選択したかを判断する(S46)。
管理者が、ひな形情報を利用すると判断した場合は(S46:Yes)、ひな形情報メモリ18cに記憶されたひな形情報を読み出し、一時RAMに記憶する(S52)。次に、読み出したひな形情報の各機能について、変更設定を行うか否かを管理者に選択させる画面(図示なし)を表示し、管理者が各機能について変更設定を行うか否かのいずれを選択したかを判断する(S53)。各機能について変更設定を行うと選択した場合は(S53:Yes)およびS46の判断処理で、管理者がひな形情報を利用しない場合(S46:No)は、FAX受信機能を許可するか否か(S48)、コピー機能を許可するか否か(S49)、スキャナ機能を許可するか否か(S50)およびプリント機能を許可するか否か(S51)の設定を入力する。
この設定の入力は、図4(j)に示すように、設定する機能を表示し、使用を許可することを示す「Enable」または、使用を許可しない「Disable」のいずれかを選択することにより行われる。ひな形情報を使用する場合には、RAMに記憶されたひな形情報に記憶されている状態がまず表示され、変更する必要がなければ、セット操作を行うだけで、その機能についての設定が完了し、変更する必要があれば、カーソルを移動することにより、表示を変更してセット操作を行う。なお、パブリック登録情報を設定する場合には、FAX送信についての設定ができないようになされている。このことにより、複数の機能のうち所定の機能について、登録情報設定手段により使用を許可するように設定することができない。よって、管理者などによってパブリックユーザに各機能の使用を許可する場合に、許可しないほうがよい機能を誤って許可することを防止することができる。
S53の判断処理において、ひな形情報の各機能について、変更設定を行わない場合(S53:No)およびS51の処理において全ての機能についての設定登録が完了すると、機能設定テーブルメモリ18aに書き込まれる。ひな形情報は、上述の通り、多数の機能について使用を許可するか否かを示す情報を登録しているので、パブリック登録情報を設定する際、一度の操作で登録を行うことができる。よって、多数の機能それぞれについて設定することなく、簡単な操作で容易に登録情報を設定することができる。
S45の判断処理において、選択された項目が、パブリックユーザではない場合(S45:No)は、ユーザに対応する登録設定を行う。まず、図4(f)に示すユーザ名の設定画面を表示し、ユーザ名を入力する(S61)。ユーザ名がすでに登録されている場合の処理については、すでに説明した通りであり、このフローチャートでは、煩雑になるので詳細は、省略している。
次に、図4(h)に示すユーザ名に対応するパスワードの設定画面を表示し、パスワードを入力する(S62)。次に、ユーザに対する個別登録情報を設定する際に、機能設定テーブルメモリ18aに記憶したパブリック登録情報を利用するか否かを管理者に選択させる画面(図示なし)を表示し、管理者がパブリック登録情報の利用を行うか否かのいずれを選択したかを判断する(S63)。
パブリック登録情報の利用を行う場合は(S63:Yes)、機能設定テーブルメモリ18aが記憶しているパブリック登録情報を読み出し、一時RAMに記憶する。パブリック登録情報の利用を行わない場合は(S63:No)、ひな形情報メモリ18cに記憶されたひな形情報を利用するか否かを管理者に選択させる画面(図示なし)を表示し、管理者がひな形情報を利用するか否かのいずれを選択したかを判断する(S65)。
ひな形情報を利用すると判断した場合は(S65:Yes)、ひな形情報メモリ18cに記憶されたひな形情報を読み出し、一時RAMに記憶する(S66)。
次に、RAMに記憶したパブリック登録情報またはひな形情報の各機能について変更設定を行うか否かを管理者に選択させる画面(図示なし)を表示し、管理者が各機能について変更設定を行うか否かのいずれを選択したかを判断する(S67)。
各機能について変更設定を行うと選択した場合は(S67:Yes)およびS65の判断処理で、管理者がひな形情報を利用しない場合(S65:No)は、FAX送信機能を許可するか否か(S68)、FAX受信機能を許可するか否か(S69)、コピー機能を許可するか否か(S70)、スキャナ機能を許可するか否か(S71)およびプリント機能を許可するか否か(S72)の設定を入力する。S67の判断処理において、各機能について変更設定を行うことを選択しない場合は(S67:No)、S55の処理へ進む。
これらの設定については、パブリック登録情報を設定する場合と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、登録ユーザについては、FAX送信機能を含め、全ての機能について、使用を許可するか否かを設定することができる。このように個別登録情報を設定する際には、ひな形情報またはパブリック登録情報を利用することができるので、多数の機能それぞれについて設定することなく、簡単な操作で容易に登録情報を設定することができる。
また、パブリック登録情報は、最小限の機能の使用を許可するものであり、ユーザに対応して許可される機能は、パブリックユーザに対して許可される機能を含み、それより多いのが普通であるので、パブリック登録情報を利用すると、ユーザに対して行う個別登録情報の設定操作を容易に行うことができる。
以上のようにして、個別登録情報が設定されると、機能設定テーブルメモリ18aに記憶される。パブリック登録情報または個別登録情報が機能設定テーブルメモリ18aまたは機能設定テーブルメモリ18aに記憶されると、設定処理を終了するか否かを管理者に選択させる画面(図示なし)が表示され、管理者が設定処理を終了するか否かのいずれを選択したかを判断し(S55)、設定処理を終了せずに継続する場合は(S55:No)は、S44の処理へ進み、設定を終了するように選択された場合は(S55:Yes)、この登録処理を終了する。
以上のように、上記実施形態では、パスワードを有するユーザ毎に多機能周辺装置1の複数の機能の各機能の使用を許可するか否かを示す個別登録情報と、パスワードを有さないパブリックユーザに対して複数の機能の各機能の使用を許可するか否かを示すパブリック登録情報とを記憶しているので、登録ユーザに対する機能の制限と、パブリックユーザに対する機能の制限を行うことができる。これにより、全てのユーザに対してパスワードと使用を許可する機能についての設定を行う必要がなくなり、装置の管理が行いやすくなる。例えば、部門内において、管理する立場の人には、機能毎の設定を行う登録ユーザを設定しておき、それ以外の人は、パブリックユーザとしてコピー機能のみといった限られた機能だけを許可するように構成できる。
また、管理者は、正しいパスワードを入力した場合に限り、個別登録情報またはパブリック登録情報を変更することができるので、使用できる機能を管理者以外の者が任意に変更することを防止し、私用などによる無駄な経費の発生を抑制することができる。
次に、図8および図9を参照して、ユーザ毎に、多機能周辺装置1が有する機能を使用した場合に課金を行うための課金情報を記録する処理について、説明する。図8は、フラッシュメモリ18の1ジョブ課金情報メモリ18cに記憶される1ジョブ課金情報と、累積課金情報メモリ18dに記憶される累積課金情報とを示すテーブルである。図8では、ユーザ1とユーザ2の二人について、記載しているが、更に多くの登録ユーザについて記憶するようにしてもよい。
1ジョブ課金情報として記録される項目は、コピー機能を使用した場合は、コピー枚数と、そのコピーの解像度と、カラーかモノクロ(B/W)かとが記録され、プリント機能を使用した場合は、プリント枚数と、プリント解像度と、そのプリントがカラーかモノクロ(B/W)かとが記録される。
同様に、FAX送信機能が使用された場合は、FAX送信枚数と、使用通信時間と、そのFAX画像がカラーかモノクロ(B/W)かとが記録され、FAX受信機能が使用された場合は、FAX受信枚数と、使用通信時間と、そのFAX画像がカラーかモノクロ(B/W)かとが記録され、スキャン機能が使用された場合は、スキャン枚数が記憶される。
累積課金情報として記録される項目は、コピー機能を使用した場合は、コピー総枚数と、その内訳である解像度がTextであってカラーで印刷された総枚数と、解像度がPhotoであってカラーで印刷された総枚数と、解像度がTextであってモノクロ(B/W)で印刷された総枚数と、解像度がPhotoであってモノクロ(B/W)で印刷された総枚数とが記録される。
プリント機能を使用した場合は、総プリント枚数と、その内訳である解像度が600であってカラーで印刷された総枚数と、解像度が1200であってカラーで印刷された総枚数と、解像度が600であってモノクロ(B/W)で印刷された総枚数と、解像度が1200であってモノクロ(B/W)で印刷された総枚数とが記録される。
FAX送信機能が使用された場合は、FAX送信総枚数と、その内訳であるカラーFAX総枚数とモノクロ(B/W)FAX総枚数および総通信時間とが記録され、FAX受信機能が使用された場合は、FAX受信総枚数と、その内訳であるカラーFAX総枚数とモノクロ(B/W)FAX総枚数および総通信時間とが記録され、スキャン機能が使用された場合は、スキャン枚数が記憶される。
次に、図9を参照して、MFP1において、ユーザにより操作が行われた場合の課金処理について説明する。図9は、課金処理を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートは、図5に示すメイン処理に課金処理を加えたものであり、同一部分には、同じステップ番号を付して、そのステップについての詳細な説明を省略する。
この図9に示す処理は、MFP1の電源が投入された場合に起動される処理を示すものであり、まず、初期設定を行い(S1)、1ジョブ課金情報メモリ18cに記憶されている全ユーザの1ジョブ課金情報の削除を行う(S81)。このことにより、前回使用された時に記憶された1ジョブ課金情報を削除することができる。
次に、待機状態において、操作が行われたか否かを判断し(S2)、操作が行われ場合は(S2:Yes)、その操作がメニュー画面の表示を指示するものであるか否かを判断する(S3)。メニュー画面の表示を指示する操作であった場合は(S3:Yes)、設定されているロック状態がロックオン状態であるかを判断する。
ロック状態がロックオン状態である場合は(S4:Yes)、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替えと、登録ユーザの変更とのいずれかの処理を選択するメニュー画面を表示する(S5)。次に、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替えを選択したか否かを判断し(S6)、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替えが選択された場合は(S6:Yes)、管理者のパスワードを入力する画面を表示する。管理者のパスワードが正しく入力された場合は、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替え処理を行う(S7)。
S6の判断処理で、ロックオン状態からロックオフ状態への切り替えが選択されていないと判断した場合は(S6:No)、次に登録ユーザの切り替えが選択されたか否かを判断する(S8)。登録ユーザの切り替えが選択された場合は(S8:Yes)、ユーザ切り替え処理を実行し(S9)、現在ユーザ(切替え前のユーザ)の課金情報の削除を行う(S82)。なお、登録ユーザに対して1ジョブ毎に課金を行う場合には、ユーザ切り替えを行う前に、管理者は、現在のユーザについて、1ジョブ課金情報メモリ18cを参照して、使用料金を算出し、その使用料金を徴収したものとしている。
S7の処理においてロックオフ状態への切り替え処理が終了した場合、S9のユーザの切り替え処理が終了した場合およびS8の判断処理で、ユーザ切り替えが選択されなかった場合(S8:No)は、S2の処理へ戻る。なお、S4の判断処理で、ロック状態がロックオン状態ではない場合(S4)は、図6に示すフローチャートの処理に進む。
S3の判断処理において、検出された操作が、メニュー画面の表示を指示するものではなく、MFP1の機能を選択するものである場合は(S3:No)、ロック状態がロックオン状態であるか否かを判断する(S11)。ロックオン状態ではない場合は(S11:No)、選択された機能を実行し(S13)、ロックオン状態である場合は(S11:Yes)、選択された機能の使用が許可されているか否かを判断する(S12)。この判断は、RAM16のシステム用メモリ16aに記憶されたMFP1の各機能の使用を許可するか否かを示す機能制限テーブル16a1を参照することにより判断される。
選択された機能の使用が許可されている場合は(S12:Yes)、その選択された機能を実行し(S13)、実行された処理に応じた1ジョブ課金情報と、累積課金情報とを作成し、1ジョブ課金情報メモリ18cと、累積課金情報メモリ18dとにそれぞれユーザ名に対応して記憶する(S83)。
S12の判断処理において、選択された機能の使用が許可されていない場合は(S12:No)、拒否音をスピーカ部38から鳴動させる(S14)。S13の処理およびS14の処理を終了した場合は、S2の処理に戻る。
一方、S2の判断処理において、いずれの操作子も操作されない場合は(S2:No)、その操作が行われない時間が所定時間以上か否か判断する(S15)。操作が行われない時間が所定時間以上である場合は(S15:Yes)、ロック状態がロックオン状態か否かを判断し(S16)、ロックオン状態である場合は(S16:Yes)、機能制限テーブル16a1に設定されている機能設定が登録ユーザのものである登録ユーザ設定であるか否かを判断する(S17)。
登録ユーザ設定である場合には(S17:Yes)、機能設定テーブルメモリ18aに記憶されたパブリック登録情報に基づいて、機能制限テーブル16a1を設定し(S18)、現在ユーザの課金情報の削除を行う(S84)。この課金情報の削除の処理は、S82の処理と同様に、現在の登録ユーザの使用が終了し、1ジョブの課金を終了したとするものである。
次に、図10を参照して、RAM16のメモリの領域を分割する処理について説明する。図10は、RAM16の全領域を、使用用途別に分割して使用する分割態様を示す模式図である。上記の通り、パブリックユーザや登録ユーザ毎に、使用できない機能が設定されるので、使用されない機能については、メモリ領域を割り当てる必要がない。
例えば、図10(a)は、コピー機能と、FAX機能と、スキャナ機能との使用が許可された場合のメモリ領域の分割の態様であり、システム用と、FAX機能用と、スキャナ機能用と、テンポラリメモリとが割り当てられる。
図10(b)は、ある登録ユーザが使用するなどにより、コピー機能の使用が許可されない場合の分割の態様を示し、コピー機能用の領域が割り当てられず、FAX機能用とスキャナ機能用の領域は、図10(a)と同じ大きさの領域が割り当てられ、テンポラリエリアにコピー機能用の領域が加算されて拡大された場合を示すものである。
図10(c)は、図10(b)と同様にコピー機能の使用が許可されない場合の分割の態様を示し、コピー機能用の領域が割り当てられず、FAX機能用とスキャナ機能用の領域にそれぞれコピー機能用の領域の半分が加算され、テンポラリエリアの大きさは変わらない場合を示すものである。
以上、図10を参照して説明したように、MFP1が有する複数の機能の各機能について、ユーザに使用を許可するか否かを設定することができる場合には、使用を許可しない機能については、RAM16の領域を割り当てず、使用を許可する機能だけについて領域を割り当てるようにし、メモリエリアを効率的に利用する。
なお、請求項1記載の選択手段、入力手段、認証手段、第1設定手段、第2設定手段、および、請求項10記載の選択ステップ、入力ステップ、認証ステップ、第1設置得ステップ、第2設定ステップは、図5に記載のフローチャートのS9の処理が該当し、請求項1記載の判断手段は、図5に記載のフローチャートのS12の処理が該当し、請求項2記載の判別手段は、図6に記載のフローチャートのS25の処理が該当し、登録情報設定手段は、図6に記載のフローチャートのS28の処理が該当し、請求項4記載のユーザ情報表示手段は図7に記載のS42,S43の処理が該当し、請求項11記載のひな形情報利用ステップは、図7に記載のフローチャートのS52およびS66の処理が該当し、請求項5記載のパブリック情報利用手段および請求項11記載のパブリック情報利用ステップは、図7に記載のフローチャートのS64の処理が該当し、請求項記載の計時手段は、図5に記載のフローチャートのS15の処理が該当し、請求項9記載の第2設定手段は、図5に記載のフローチャートのS18の処理が該当する。
以上実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、多機能周辺装置1における操作パネルを操作することにより、個別登録情報およびパブリック登録情報を設定するようにしたが、LAN200を介して接続されたサーバ2やPC3において個別登録情報およびパブリック登録情報を設定し、多機能周辺装置1に転送するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、パブリック登録情報や個別登録情報を設定する際に、他の登録情報を参照することができるようには記載していないが、大画面に、パブリック登録情報や、個別登録情報や、ひな形情報を一度に表示し、いずれかの設定を変更することができるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ひな形情報メモリ18cには、一つのひな形情報を記憶するものとしたが、複数のひな形情報を記憶し、いずれかのひな形情報を選択し、その選択したひな形情報に基づいて個別登録情報またはパブリック登録情報を設定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、登録ユーザや管理者を認証する場合に、操作パネルにおいてパスワードを入力し、そのパスワードに基づいてユーザまたは管理者の認証を行うものとしたが、ユーザの指紋や、手の平の静脈や、顔を判定することにより認証を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、パブリック情報を設定する際に、ひな形情報を利用することができるものとしたが、ひな形情報を利用するか否かを判断する場合に、ひな形情報をLCD36に表示するようにしてもよい。同様に、個別登録情報を設定する際に、パブリック登録情報やひな形情報を利用することができるものとしたが、パブリック登録情報やひな形情報を利用するか否かを判断する場合に、パブリック登録情報やひな形情報をLCD36に表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、個別登録情報やパブリック登録情報を設定する際に、一つの機能について表示し、その機能について使用を許可するか否かを設定するものとしたが、大きい表示画面において、複数の機能について同時に設定を行うことができるようにすると、より設定操作の操作性を向上させることができる。
本発明の実施形態における多機能周辺装置を含む通信システムの電気的構成 を示すブロック図である。 多機能周辺装置における操作パネル部分の平面図である。 個別登録情報およびパブリック登録情報を示すテーブルである。 多機能周辺装置におけるLCDで表示される設定処理における表示を模式的 に示す図である。 メイン処理を示すフローチャートである。 メイン処理においてロックオフ状態の場合に実行される処理を示すフローチ ャ−トである。 設定処理を示すフローチャートである。 1ジョブ課金情報および累積課金情報を示すテーブルである。 課金処理を示すフローチャートである。 RAMの領域配分を模式的に示す図である。
1 多機能周辺装置(MFP)
12 CPU
16 RAM
18
フラッシュメモリ
18a 機能設定テーブルメモリ
(パブリック情報記憶手段、個別情報記憶手段、ひな形情報記憶手段)34 操作部(入力手段)
36 LCD(表示手段)

Claims (10)

  1. 複数の機能を有する多機能周辺装置において、
    ユーザ毎に個別に設定された識別情報を入力する入力手段と、
    前記識別情報が設定されたユーザに対応して前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを示す個別登録情報を記憶する個別情報記憶手段と、
    前記識別情報が設定されないユーザに対応して前記複数の機能の各機能について使用を許可しないことを示すパブリック登録情報を、工場出荷時予め記憶しているパブリック情報記憶手段と、
    ユーザを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択されたユーザに前記識別情報が設定されている場合、該選択されたユーザに設定された前記識別情報が前記入力手段に入力されることを条件として、前記選択されたユーザを認証する認証手段と、
    前記選択手段により選択されたユーザが前記認証手段により認証された場合には、そのユーザに対応して前記個別情報記憶手段に記憶された個別登録情報を機能制限テーブルに設定する第1設定手段と、
    前記選択手段により前記識別情報が設定されないユーザが選択された場合、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報を前記機能制限テーブルに設定する第2設定手段と、
    前記機能制限テーブルに設定された情報に基づいて、前記ユーザにより選択された機能の実行を許可するか否かを判断する判断手段とを備える多機能周辺装置。
  2. 前記入力手段に予め定められた管理者識別情報が、工場出荷時以降において入力されたか否かを判別する判別手段と、
    その判別手段により、予め定められた管理者識別情報が入力されたと判別された場合に、前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを示す前記個別登録情報を前記個別情報記憶手段に設定することを可能とし、あるいは、前記パブリック情報記憶手段に記憶された前記パブリック登録情報を、管理者からの入力に基づいて書き換えることを可能とする登録情報設定手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の多機能周辺装置。
  3. 前記パブリック情報記憶手段に記憶されるパブリック登録情報は、前記複数の機能のうち所定の機能については、前記登録情報設定手段により使用を許可するように設定することができないように構成されていることを特徴とする請求項2記載の多機能周辺装置。
  4. 前記判別手段により前記管理者識別情報が入力されたと判断される場合、前記個別登録情報に対応するユーザを表すユーザ情報および前記パブリック登録情報に対応するユーザを表すユーザ情報を表示するユーザ情報表示手段を備え、
    前記ユーザ情報表示手段は、前記パブリック情報記憶手段に記憶されている前記パブリック登録情報が、前記複数の機能のうち全ての機能について使用を許可しないように設定されている場合、前記ユーザ情報表示手段により表示されるユーザ情報の先頭に、前記パブリック登録情報に対応するユーザを表すユーザ情報を表示するものである請求項2または3に記載の多機能周辺装置。
  5. 前記登録情報設定手段は、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報を用いて、前記個別情報記憶手段に個別登録情報を設定するパブリック情報利用手段を備えていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の多機能周辺装置。
  6. 前記パブリック情報利用手段は、前記個別情報記憶手段に個別登録情報の設定を行う際に、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報において前記複数の機能のうち使用を許可するように設定されている機能については同様に使用を許可するように設定するものであることを特徴とする請求項5記載の多機能周辺装置。
  7. 表示手段を備え、
    前記パブリック情報利用手段は、前記個別情報記憶手段に個別登録情報の設定を行う際に、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報における設定内容を前記表示手段に表示するものであることを特徴とする請求項5記載の多機能周辺装置。
  8. 前記複数の機能のいずれかを選択する操作子と前記複数の機能の各機能のパラメータを設定する操作子とを有する操作部と、
    前記操作部のいずれかの操作子の操作が行われない時間を計時する計時手段とを備え、
    前記入力手段に前記識別情報が入力され、その識別情報のユーザに対応する前記個別情報記憶手段に記憶された個別登録情報が、前記第1設定手段により前記機能制限テーブルに設定された後、前記計時手段により所定時間を計時した場合、前記第2設定手段は、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報を、前記機能制限テーブルに設定するものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の多機能周辺装置。
  9. 複数の機能を有する多機能周辺装置により実行される多機能周辺装置制御プログラムにおいて、
    前記多機能周辺装置は、識別情報が設定されたユーザに対応して前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを示す個別登録情報を記憶する個別情報記憶手段と、識別情報が設定されないユーザに対応して前記複数の機能の各機能について使用を許可しないことを示すパブリック登録情報を、工場出荷時予め記憶しているパブリック情報記憶手段とを備えるものであり、
    前記多機能周辺装置に、
    ユーザを選択する選択ステップと、
    ユーザ毎に個別に設定された識別情報を入力する入力ステップと、
    前記選択ステップにより選択されたユーザに前記識別情報が設定されている場合、該選択されたユーザに設定された前記識別情報が前記入力ステップにより入力されることを条件として、前記選択されたユーザを認証する認証ステップと、
    前記選択ステップにより選択されたユーザが前記認証ステップにより認証された場合には、そのユーザに対応して前記個別情報記憶手段に記憶された個別登録情報を機能制限テーブルに設定する第1設定ステップと、
    前記選択ステップにより前記識別情報が設定されないユーザが選択された場合、前記パブリック情報記憶手段に記憶されたパブリック登録情報を前記機能制限テーブルに設定する第2設定ステップと、
    前記機能制限テーブルに設定された情報に基づいて、前記ユーザにより選択された機能の実行を許可するか否かを判断する判断ステップとを実行させる多機能周辺装置制御プログラム。
  10. 前記多機能周辺装置は、前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを予め設定したひな形情報を記憶するひな形情報記憶手段を備え、
    前記ひな形情報記憶手段に記憶されたひな形情報に基づいて、前記複数の機能の各機能について使用を許可するか否かを示す個別登録情報を設定し、あるいは、前記パブリック情報記憶手段に記憶された前記パブリック登録情報を工場出荷時以降において書き換えるひな形情報利用ステップと、
    前記パブリック情報記憶手段に記憶された登録情報に基づいて、前記個別情報記憶手段に個別登録情報を設定するパブリック情報利用ステップとを前記多機能周辺装置に実行させることを特徴とする請求項記載の多機能周辺装置制御プログラム。
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