以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る画像形成装置及びその制御方法について説明をする。
図1に示すカラー複写機100は、画像形成装置の一例を構成し、少なくとも、二色以上で構成されるカラー画像を連続して形成可能な装置である。カラー複写機100は機能実現ユニットの一例を構成する画像形成部60や定着装置17等を有し、これらが複写機本体101(以下で装置本体側ともいう)でカラー画像の像形成出力機能を分担する。画像形成部60は作像色毎にユニット化され、例えば、イエロー(Y)色用、マゼンタ(M)色用、シアン(C)色用、黒(BK)色用に対応して、4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを有している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、複写機本体101に装着されて像形成出力機能を実現するために交換が可能な構造に形成されている。
カラー複写機100は、複写機本体101と画像読取装置102から構成される。画像読取装置102は複写機本体101の上部に設置されており、自動原稿送り装置201及び原稿画像走査露光装置202から構成される。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された、例えば、色付きの原稿30は、図示しない搬送部により搬送される。
原稿30は、原稿画像走査露光装置202の光学系により、その片面又は両面の画像が走査露光され、カラー原稿画像を反映する入射光がラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたカラー用のアナログ画像信号は、画像読取装置102において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルのカラー用の画像データD12となる(図2参照)。
複写機本体101は、タンデム型のカラー画像形成装置を構成し、無終端状の中間転写ベルト6、二次転写ローラ7A、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K、定着装置17及び用紙搬送部20を備えている。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、画像形成部60(プリンタ)を構成する。
Y色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Yはユニット化され、Y色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y及びクリーニング部8Y等の部品を有して構成されている。この例では、中間転写ベルト6を基準にして、感光体ドラム1Yの周囲には、反時計回りに、クリーニング部8Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y及び現像器4Yが配置されている。
感光体ドラム1Yは、中間転写ベルト6に近接して回転自在に配置されている。感光体ドラム1YにはY色作像用の画像データDyに基づく静電潜像が書き込まれる。感光体ドラム1Yには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。感光体ドラム1Yの外周部位の所定の位置には、帯電器2Yが配置されている。帯電器2Yは感光体ドラム1Yを所定の電位で帯電する。
この例で、帯電器2Yと現像器4Yとの間にビーム光路を有して感光体ドラム1Yに対峙した位置には画像書き込み部3Yが配置されている。画像書き込み部3YはY色作像用の画像データDyに基づいて感光体ドラム1Yを露光する。
画像書き込み部3Yは、デバイスバッファ31(Buffer:BF)及び書き込みデバイス32(Writing Device:W.D)を有して構成される。デバイスバッファ31は、制御部15から画像書き込み部3Yへ供給される画像データDyを一時記憶する。デバイスバッファ31にはRAM等が使用される。
デバイスバッファ31には書き込みデバイス32が接続され、書き込みデバイス32は画像データDyに基づいてレーザービーム光を発生して感光体ドラム1Yを露光する。書き込みデバイス32には、レーザービーム光を多面鏡で走査するポリゴンミラー走査方式のレーザービーム書き込みユニットや、レーザーダイオード素子をライン状に配置して一括露光するLPH(LD Printer Head)書き込みユニットが使用される。
中間転写ベルト6と画像書き込み部3Yとの間であって、感光体ドラム1Yの外周部位の所定の位置には現像器4Yが配置される。現像器4Yには、反転現像を行うために、使用するトナー極性と同極性(本実施例においては負極性)の直流電圧に、交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。現像器4Yは現像バイアスの供給を受けて、感光体ドラム1Yに書き込まれた静電潜像をY色のトナー部材で現像する。
現像後のY色のトナー像は感光体ドラム1Yから中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。Y色のトナー像は、中間転写ベルト6上で他の色のトナー像と重ね合わされてカラートナー像となる。中間転写ベルト6と帯電器2Yとの間であって、感光体ドラム1Yの外周部位の所定の位置には、クリーニング部8Yが設けられる。クリーニング部8Yは、一次転写後の感光体ドラム1Yに残留したトナー部材をクリーニングする。
上述の感光体ドラム1Yの下方には中間転写ベルト6に沿って画像形成ユニット10M,10C,10Kが配置されている。M色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Mは、M色用の感光体ドラム1M、帯電器2M、画像書き込み部3M、現像器4M及びクリーニング部8Mを有して構成される。C色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Cは、C色用の感光体ドラム1C、帯電器2C、画像書き込み部3C、現像器4C及びクリーニング部8Cを有して構成される。
BK色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Kは、K色用の感光体ドラム1K、帯電器2K、画像書き込み部3K、現像器4K及びクリーニング部8Kを有して構成される。なお、画像形成ユニット10M,10C,10Kの内部構成及び機能については、上述の画像形成ユニット10Yにおいて、YをM,C,BKにそれぞれ読み替えて参照されたい。
感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに接触可能に配置された中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持される。中間転写ベルト6には、各々の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kで形成されたY色、M色、C色、K色の各トナー像が転写される(一次転写)。中間転写ベルト6の下方位置には二次転写ローラ7Aが設けられる。二次転写ローラ7Aは中間転写ベルト6上で重ね合わされたカラートナー像を所定の用紙Pに転写する(二次転写)。カラートナー像が転写された後の用紙Pを転写紙P’ともいう。
上述の二次転写ローラ7Aに隣接して定着装置17が配置される。定着装置17はユニット化され、用紙Pに二次転写されたカラー画像を定着する。定着装置17は、図示しない定着ローラ、加圧ローラ、加熱(IH)ヒータや、定着クリーニング部等の部品を有している。定着処理は、加熱ヒータによって加熱される定着ローラ及び加圧ローラの間に転写紙P’を通過させることで、当該転写紙P’が加熱・加圧される。カラー画像が定着された転写紙P’は、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に排出される。
この例で、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。クリーニング部8Aは、中間転写ベルト6の電荷を除電する除電部(図示せず)や中間転写ベルト6に残留するトナー等を除去するパッドを有している。このクリーニング部8Aによってベルト面がクリーニングされ、除電部で除電された後の中間転写ベルト6は、次の画像形成サイクルに入る。
上述の画像形成部60(画像形成系)の下方には用紙搬送部20が設けられ、画像形成部60へ用紙Pを(搬送)給紙する。用紙搬送部20は、例えば、3つの給紙トレイ20A,20B,20Cを備えている。この例で、用紙搬送部20から繰り出された用紙Pは、画像形成ユニット10Kの下方であって、中間転写ベルト6の下方(二次転写位置)に搬送される。用紙搬送部20から画像形成ユニット10Kの下方に至る用紙搬送路20Dには、搬送ローラ22A,22B,22C,23、ループローラ22D、レジストローラ28等が設けられる。
続いて、図2を参照して、カラー複写機100の制御系の構成例について説明する。図2に示すカラー複写機100は、装置本体側に制御部15、通信部19、用紙搬送部20、操作表示部48及び画像読取装置102を有し、ユニット側に、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K及び定着装置17を有している。制御部15は随時情報の書き込み読出し可能なワーク用のメモリ(Random Access Memory:以下RAM53という)、メモリ部54、中央処理ユニット(Central Processing Unit;以下CPU55という)を有している。
CPU55にはワークメモリ用のRAM53が接続される。RAM53には装置本体側の記憶部の一例を構成するメモリ部54が接続される。メモリ部54は、メモリ領域を有しており、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kのユニット情報Duを記憶する。このユニット情報Duには部品毎の使用回数情報が含まれる。例えば、使用回数情報には、画像形成ユニット10Yを構成するY色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y及びクリーニング部8Y等の部品を使用した回数の情報が含まれる。
この例では、メモリ部54のメモリ領域に各色の作像機能を実現する画像形成ユニット毎に、ユニット管理用の複数のメモリ領域が設けられている。例えば、Y色の作像機能を実現する画像形成ユニット10Yに、ユニット管理用の3つのメモリ領域(以下で本体メモリ領域#A,#B,#Cという)が設けられている。他のM,C,BK色の作像機能を実現する画像形成ユニット10M,10C,10Kについても同様に設けられる。
もちろん、メモリ部54には当該複写機全体を制御するためのシステムプログラムや、書き込み可否判別用のプログラムや、本体メモリ領域選択用のプログラム、画像書き込み部3Y等の書き込み制御をするための制御情報が格納される。メモリ部54には読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)や、EEPROMや、ハードディスク装置(HDD)等の不揮発メモリを含んでいる。例えば、電源がオンされると、電源オン情報を検出したCPU55は、メモリ部54のROM等からシステムプログラムを読み出してRAM53に展開し、システムを起動して、当該複写機全体を制御するようになされる。
制御部15には操作表示部48が接続される。操作表示部48は設定部の一例を構成し、メモリ部54のメモリ領域にユニット管理用の複数の本体メモリ領域#A,#B,#C等を設定するように操作される。操作表示部48は、図示しない操作部及び表示部から構成される。操作表示部48は、タッチパネルと液晶表示パネルから構成される。操作表示部48にはGUI(Graphic User Interface)方式の入力手段が使用される。
もちろん、操作表示部48は画像形成条件や給紙トレイ20A〜20Cを選択する際に操作される。例えば、用紙Pの種類(紙種)や紙サイズを選択したり、当該用紙Pが収納されている給紙トレイ20A〜20Cを選択する際に、操作表示部48が操作され、画像形成条件が設定される。操作表示部48で設定された画像形成条件や給紙トレイ選択情報等は、操作データD14となって制御部15に出力される。画像形成条件等は表示データD18に基づいて表示部に表示される。表示データD18は制御部15から操作表示部 48に出力される。
制御部15は、操作表示部48によって設定されたメモリ部54の複数の本体メモリ領域#A,#B,#Cを使用して、例えば、複写機本体101に対して交換が可能なY色用の画像形成ユニット10Yに関するユニット情報Duを処理する。
画像形成ユニット10Yは、ユニット側の制御部125及び通信部29を有している。制御部125は、RAM63、メモリ部64及びCPU65を有している。メモリ部64には、当該画像形成ユニット10Yを識別するための識別情報ID及び当該画像形成ユニット10Yを構成する部品の使用回数Nxを含む使用回数情報が格納される。
メモリ部64にはユニットメモリ領域が設定され、このユニットメモリ領域には、当該画像形成ユニット10Yを構成するY色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y及びクリーニング部8Y等の部品の使用回数Nxを含む使用回数情報が記述される。CPU65及びワークメモリ用のRAM63は第1の情報書き込み手段を構成し、所定のタイミングでユニット側のメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へユニット情報Duを書き込むように動作する。
この例で、第1の情報書き込み手段を構成するRAM63及びCPU65が装置本体側のメモリ部54へユニット情報Duを書き込むタイミングは、装置本体側へ電源が供給された時又はユニットが装着された時である。これは装置本体側で、画像形成ユニット10Y等の電源供給時又はユニット装着時に、その部品毎に使用回数情報等を認識するためである。
このように画像形成ユニット10Yを構成すると、ユニット側のRAM63及びCPU65によって、電源供給時又はユニット装着時に、ユニット側のメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へユニット情報Duを書き込むことができる。
また、CPU65は、画像形成ユニット10Yを構成するY色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y又はクリーニング部8Y等の部品毎の使用回数情報がリセットされているか否かを判別し、判別結果に基づいてRAM63の情報書き込み制御を実行する。CPU65は、使用回数情報がリセットされている場合は、装置本体側のメモリ部54へ当該部品毎の使用回数情報を書き込むようにRAM63を書き込み制御する。
このようにRAM63を書き込み制御すると、何らかの原因でユニット情報Duの書き込みが不可となっている場合であっても、Y色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y又はクリーニング部8Y等毎の使用回数情報を装置本体側のメモリ部54へ書き込むことができる。
上述の制御部125には通信部29が接続される。通信部29は装置本体側の通信部19と接続され、装置本体側のメモリ部54へユニット情報Duを書き込む際にCPU65の制御を受けて通信処理する。他のM,C,BK色用の画像形成ユニット10M,10C,10Kについても同様にユニット情報Duを処理するようになされる。
一方、装置本体側のCPU55は、第2の情報書き込み手段の一例を構成し、所定のタイミングで装置本体側のメモリ部54からユニット側のメモリ部64にユニット情報Duを書き込むように動作する。例えば、CPU55がユニット側のメモリ部64へユニット情報Duを書き込むタイミングは、装置本体側への電源遮断時、所定枚数のプリント時、ユニット交換の動作開始時、又は、部品寿命の到達時である。これは画像形成ユニット10Y側で、装置本体側における電源遮断時、所定枚数のプリント時、ユニット交換の動作開始時、又は、部品寿命の到達時の部品毎に使用回数情報等を認識するためである。
このように装置本体側には第2の情報書き込み手段を構成するCPU55が設けられるので、装置本体側への電源遮断時、所定枚数のプリント時、ユニット交換の動作開始時、又は、部品寿命の到達時に装置本体側のメモリ部54からユニット側のメモリ部54にユニット情報Duを書き込むことができるようになる。しかも、装置本体側のメモリ部54からユニット側のメモリ部64への情報書き込みが正常に行われなかった場合であっても、その復帰時に、画像形成ユニット10Yを構成するY色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y又はクリーニング部8Y等の寿命を確実に管理することができる。
また、制御部15はソフトウエアによって実現される判別手段を有し、判別手段はRAM53及びCPU55によって、識別情報IDと使用回数情報に基づいてユニット側のメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へのユニット情報Duの書き込み可否を判別する。この例では、電源供給時又はユニット装着時に、RAM53及びCPU55によって具現化される判別機能によって得られた判別結果に対応して、かつ、識別情報IDに基づいてユニット側のメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へユニット情報Duを書き込むことができるようになる。
更に、制御部15はソフトウエアによって実現されるメモリ選択手段を有する。メモリ選択手段はRAM53及びCPU55によって構成され、交換可能な画像形成ユニット10Yの識別情報IDに対応付けてメモリ部54に設定された複数の本体メモリ領域#A,#B,#C等を選択する。この本体メモリ領域#A,#B,#C等の選択機能によって、電源供給時又はユニット装着時に、ユニット側のメモリ部64から装置本体側のメモリ部54で選択されたメモリ領域へユニット情報Duを書き込むこと、及び、装置本体側への電源遮断時、所定枚数のプリント時、ユニット交換の動作開始時、又は、部品寿命の到達時に、装置本体側のメモリ部54で選択された本体メモリ領域#A等からユニット側のメモリ部64にユニット情報Duを書き込むことができるようになる。
この例で、メモリ部54に記憶されるユニット情報Duには、当該画像形成ユニット10Y等の交換日付のユニット情報Duが含まれる。これを前提にして、CPU55は、メモリ部54に設定された複数の本体メモリ領域#A,#B,#C等が全て使用されているか否かを判別すると共に、本体メモリ領域#A,#B,#Cの全てに存在しない画像形成ユニット10Y等の識別情報IDが読み込まれたか否かを判別し、判別結果に基づいて交換日付の最も古い画像形成ユニット10Yのユニット情報Duを格納していたメモリ領域を選択するようにメモリ選択制御を実行する。
このメモリ選択制御によって、本体メモリ領域#A,#B,#Cの全てに存在しない新たな画像形成ユニット10Yの識別情報IDが読み込まれた場合に、交換日付の最も古い画像形成ユニット10Yのユニット情報Duを格納していた本体メモリ領域、例えば、#Aを選択するように制御するので、装置本体側のメモリ部54で限られた本体メモリ領域#A,#B,#Cを有効に活用できるようになる。
上述の制御部15には通信部19が接続される。通信部19はユニット側の通信部29と接続され、ユニット側のメモリ部64へユニット情報Duを書き込む際にCPU55の制御を受けて通信処理する。他のM,C,BK色用の画像形成ユニット10M,10C,10Kに対しても同様にユニット情報Duを処理するようになされる。
なお、制御部15には画像読取装置102が接続される。画像読取装置102は、図1に示した原稿30から画像を読み取って得たカラー用のデジタルの画像データD12(R,G,Bの各色成分データ)を制御部15に出力する。制御部15は、画像読取装置102から入力した画像データD12をY色作像用の画像データDy,M色作像用の画像データDm,C色の画像データDc,K色作像用の画像データDkに色変換処理をする。色変換処理後のY,M,C,K色作像用の画像データDy,Dm,Dc,Dkは、メモリ部54、又は、図1に示したY色作像用のデバイスバッファ31や、他のM,C,K色作像用のデバイスバッファ31に記憶される。
制御部15には用紙搬送部20が接続される。用紙搬送部20は、用紙搬送信号S20に基づいてモータ回転制御を実行し、当該給紙トレイ20A、20B又は20Cから繰り出した用紙Pを画像形成部60に搬送するように動作する。用紙搬送信号S20は、制御部15から用紙搬送部20に供給される。
上述の制御部15には定着装置17が接続される。定着装置17は、用紙Pに二次転写されたカラー画像を制御部15から出力される定着制御信号S17に基づいて定着処理する。これにより、カラー複写機100を構成する。
ここで、図3を参照してユニット情報Duの内容例について説明する。図3に示すユニット情報Duによれば、識別情報IDや、交換日付情報D1、ユニット使用回数情報D2、部品#1使用回数情報D3、部品#2使用回数情報D4、部品#3使用回数情報D5等が項分け記述される。識別情報IDは機能実現ユニットを識別するための固体識別番号である。例えば、画像形成ユニット10Y(常備品)を識別するための製造コード(Y0001)や、その予備品を構成する画像形成ユニット10Yの製造コード(Y0002,Y0003)等である。
交換日付情報D1は当該機能実現ユニットを交換した日時等のデータである。例えば、常備品の画像形成ユニット10Yを予備品の画像形成ユニット10Yに交換した日時(平成21年12月08日)等のデータである。ユニット使用回数情報D2は、当該機能実現ユニットを使用した回数等のデータである。例えば、常備品の画像形成ユニット10Yを使用した回数(1000回)等のデータである。部品#1使用回数情報D3は当該機能実現ユニットの部品#1を使用した回数等のデータである。例えば、常備品の画像形成ユニット10Yの感光体ドラム1Yを使用した回数(1000回)等のデータである。
部品#2使用回数情報D4は当該機能実現ユニットの部品#2を使用した回数等のデータである。例えば、常備品の画像形成ユニット10Yの帯電器2Yを使用した回数(1000回)等のデータである。部品#3使用回数情報D5は、当該機能実現ユニットの部品#3を使用した回数等のデータである。例えば、常備品の画像形成ユニット10Yの画像書き込み部3Yを使用した回数(1000回)等のデータである。これらの識別情報IDや、交換日付情報D1、ユニット使用回数情報D2、部品#1使用回数情報D3、部品#2使用回数情報D4、部品#3使用回数情報D5等がユニット情報Duを構成し、当該ユニット情報Duが装置本体側のメモリ部54や、ユニット側のメモリ部64に記憶される。
続いて、図4を参照して、装置本体側の本体メモリ領域の使用例について説明する。図4において、装置本体側については、図2に示した制御部15からメモリ部54のみを取り出し、ユニット側については、常備品や予備品としての画像形成ユニット10Yの各々の制御部125からメモリ部64のみを取り出したものである。
メモリ部54にはY色用の画像形成ユニット10Yを1つの常備品と、2つの予備品とで合計3つの画像形成ユニット10Yに対して、ユニット管理用の3つの本体メモリ領域#A,#B,#Cが設けられている。この例で常備品としての画像形成ユニット10Yは、工場出荷時等において、元々装置本体側に装着されているものである。予備品としての画像形成ユニット10Yは、工場出荷時にスペア品として付随され、又は、工場出荷後に新たに取得して備えられたユニットである。
この例では、常備品の画像形成ユニット10YをユニットUaとし、2つの予備品の画像形成ユニット10YをそれぞれユニットUb,Ucという。ユニットUa〜Ucの各々がユニットメモリ領域を有している。以下で、装置本体側に装着されるユニットをUxとする。
続いて、図5〜図11を参照して、装置本体側の本体メモリ領域の設定及び更新例について説明する。この実施形態では、図5に示すように装置本体側のユニット管理用のメモリ領域が3つの本体メモリ領域#A,#B,#Cに分割されていて、3つの交換可能なユニットUx=Ua〜Uc(=画像形成ユニット10Y)を使用して、それぞれの画像形成ユニット10Yを構成するY色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y又はクリーニング部8Y等の寿命を確実に管理できるようにした。
例えば、工場出荷時において、常備品となるユニットUx=Uaのユニットメモリ領域を図5に示すユニット管理用の本体メモリ領域#Aに設定する場合である。この場合、ユニット管理用の本体メモリ領域#A〜#Cの初期の状態は、いずれも空き状態である。なお、ユニット管理用のメモリ領域を分割する数は3つに限られることはない。
この例では、ユニットUx=Uaを装置本体側に装着し、電源を供給すると、図2に示した制御部15がユニットUx=Uaから識別情報IDと使用回数情報を入力し、識別情報ID及び使用回数情報と各々の比較基準情報とを比較参照して、ユニットUx=Uaのメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へのユニット情報Duの書き込み可否を判別する。識別情報IDがID判別用の比較基準情報と一致し、使用回数情報が使用回数判別用の比較基準情報を満足していると判別された場合は、メモリ部54の本体メモリ領域#Aに対応してユニットUx=Uaのユニットメモリ領域を設定するようになされる。
この設定により、ユニットUx=Uaは本体メモリ領域#Aを使用して情報処理を実行できるようになる。例えば、ユニットUx=Uaのユニットメモリ領域に書き込まれたユニット情報Duを装置本体側の本体メモリ領域#Aに転送して当該ユニット情報Duを保存するようになる。なお、他の本体メモリ領域#B,#Cは現時点でいずれも空き状態である。
また、図6に示す実施形態によれば、装置本体側からユニットUx=Uaを取り外して、予備品のユニットUx=Ubを装着し、ユニットUx=Ubのユニットメモリ領域を本体メモリ領域#Bに設定する場合である。この場合、ユニット管理用の本体メモリ領域#Aは、既にユニットUx=Uaに設定されている。他の本体メモリ領域#B,#Cは、いずれも空き状態である。
この例では、ユニットUx=Uaを装置本体側から取り外し、装置本体側にユニットUx=Ubを装着し、電源を供給すると、図2に示した制御部15がユニットUx=Ubから識別情報IDと使用回数情報を入力し、識別情報ID及び使用回数情報と各々の比較基準情報とを比較参照して、ユニットUx=Ubのメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へのユニット情報Duの書き込み可否を判別する。識別情報IDが上述のように一致し、及び、使用回数情報が上述の比較基準情報を満足していると判別された場合は、メモリ部54の本体メモリ領域#Bに対応してユニットUx=Ubのユニットメモリ領域を設定するようになされる。
この設定により、ユニットUx=Ubは本体メモリ領域#Bを使用して情報処理を実行できるようになる。例えば、ユニットUx=Ubのユニットメモリ領域に書き込まれたユニット情報Duを装置本体側の本体メモリ領域#Bに転送して当該ユニット情報Duを保存するようになる。なお、他の本体メモリ領域#Cは現時点で空き状態である。
更に、図7に示す実施形態によれば、装置本体側からユニットUx=Ubを取り外して予備品のユニットUx=Ucを装着し、ユニットUx=Ucのユニットメモリ領域を本体メモリ領域#Cに設定する場合である。この場合、ユニット管理用の本体メモリ領域#A、#Bは、既にユニットUx=Ua、Ubに対して設定されている。他の本体メモリ領域#Cは空き状態である。
この例では、ユニットUx=Ubを装置本体側から取り外し、装置本体側にユニットUx=Ucを装着し、電源を供給すると、図2に示した制御部15がユニットUx=Ucから識別情報IDと使用回数情報を入力し、識別情報ID及び使用回数情報と各々の比較基準情報とを比較参照して、ユニットUx=Ucのメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へのユニット情報Duの書き込み可否を判別する。上述の識別情報IDが一致し、及び、使用回数情報が比較基準情報を満足していると判別された場合は、メモリ部54の本体メモリ領域#Cに対応してユニットUx=Ucのユニットメモリ領域を設定するようになされる。
この設定により、ユニットUx=Ucは本体メモリ領域#Cを使用して情報処理を実行できるようになる。例えば、ユニットUx=Ucのユニットメモリ領域に書き込まれたユニット情報Duを装置本体側の本体メモリ領域#Cに転送して当該ユニット情報Duを保存するようになる。なお、現時点で本体メモリ領域##A〜#Cは全て設定済み状態である。
更に、図8に示す実施形態によれば、装置本体側からユニットUx=Ucを取り外して常備品のユニットUx=Uaを装着し、ユニットUx=Uaのユニットメモリ領域を本体メモリ領域#Aで更新する場合である。この場合、ユニット管理用の本体メモリ領域#A〜#Cは、既にユニットUx=Ua,Ub,Ucに対して設定されている。
この例では、ユニットUx=Ucを装置本体側から取り外し、装置本体側にユニットUx=Uaを装着し、電源を供給すると、図2に示した制御部15がユニットUx=Uaから識別情報IDと使用回数情報を入力し、識別情報ID及び使用回数情報と各々の比較基準情報とを比較参照して、ユニットUx=Uaのメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へのユニット情報Duの書き込み可否を判別する。使用回数情報には、画像形成ユニット10Yを構成するY色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y又はクリーニング部8Y等の部品の使用回数情報が含まれる。
制御部15は、部品の使用回数情報と部品の使用回数判定用の比較基準情報とを比較し、部品の使用回数Nxが比較基準回数を越えたか否かを判別する。部品の使用回数Nxが比較基準回数を越えていない場合は、ユニットUx=Uaのユニットメモリ領域からメモリ部54の本体メモリ領域#Aに対する書き込み許可を更新する。
この更新により、ユニットUx=Uaは本体メモリ領域#Aを継続使用して情報処理を実行できるようになる。例えば、ユニットUx=Uaのユニットメモリ領域に書き込まれたユニット情報Duを装置本体側の本体メモリ領域#Aに転送して当該ユニット情報Duを更新保存する。これにより、部品の使用回数情報に応じてユニットUx=Uaの本体メモリ領域#Aの使用を更新できるようになる。
なお、部品の使用回数Nxが比較基準回数を越えている場合は、ユニットUx=Uaのユニットメモリ領域からメモリ部54の本体メモリ領域#Aに対する書き込み許可が拒否される。この更新拒否により、ユニットUx=Uaは本体メモリ領域#Aを継続して使用できなくなる。当該ユニットUx=Uaは寿命を迎えたので、操作表示部48等に「当該ユニットUx=Uaは寿命です。交換してください。」等の文字情報を表示するようになされる。
更に、図9に示す実施形態によれば、装置本体側からユニットUx=Uaを取り外して予備品のユニットUx=Ubを装着し、ユニットUx=Ubのユニットメモリ領域を本体メモリ領域#Bで更新する場合である。この場合、ユニット管理用の本体メモリ領域#A〜#Cは、既にユニットUx=Ua,Ub,Ucに対して設定されている。
この例では、ユニットUx=Uaを装置本体側から取り外し、装置本体側にユニットUx=Ubを装着し、電源を供給すると、図2に示した制御部15がユニットUx=Ubから識別情報IDと使用回数情報を入力し、識別情報ID及び使用回数情報と各々の比較基準情報とを比較参照して、ユニットUx=Uaのメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へのユニット情報Duの書き込み可否を判別する。
この例でも、制御部15は、画像形成ユニット10Yを構成するY色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y又はクリーニング部8Y等の部品の使用回数情報と部品の使用回数判定用の比較基準情報とを比較し、部品の使用回数Nxが比較基準回数を越えたか否かを判別する。部品の使用回数Nxが比較基準回数を越えていない場合は、ユニットUx=Ubのユニットメモリ領域からメモリ部54の本体メモリ領域#Bに対する書き込み許可を更新する。
この更新により、ユニットUx=Ubは本体メモリ領域#Bを継続使用して情報処理を実行できるようになる。例えば、ユニットUx=Ubのユニットメモリ領域に書き込まれたユニット情報Duを装置本体側の本体メモリ領域#Bに転送して当該ユニット情報Duを更新保存する。これにより、ユニットUx=Ubの本体メモリ領域#Bの使用を部品の使用回数情報に応じて更新できるようになる。
なお、部品の使用回数Nxが比較基準回数を越えている場合は、ユニットUx=Ubのユニットメモリ領域からメモリ部54の本体メモリ領域#Bに対する書き込み許可が拒否される。この更新拒否により、ユニットUx=Ubは本体メモリ領域#Bを継続して使用できなくなる。当該ユニットUx=Ubは寿命を迎えたので、操作表示部48等に「当該ユニットUx=Ubは寿命です。交換してください。」等の文字情報を表示するようになされる。
更に、図10に示す実施形態によれば、装置本体側からユニットUx=Uaを取り外して新たな識別情報IDを有するユニットUx=Udを装着し、ユニットUx=Udのユニットメモリ領域を本体メモリ領域#Cを#Dに変更して設定する場合である。この場合、ユニット管理用の本体メモリ領域#A及び#Bが、既にユニットUx=Ua,Ubに対して設定されている。本体メモリ領域#Cが空き状態である。
これを前提にして、ユニットUx=Uaを装置本体側から取り外し、装置本体側にユニットUx=Udを装着し、電源を供給すると、図2に示した制御部15がユニットUx=Udから識別情報IDと使用回数情報を入力し、識別情報ID及び使用回数情報と各々の比較基準情報とを比較参照して、ユニットUx=Udのメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へのユニット情報Duの書き込み可否を判別する。上述の識別情報IDがユニットUx=Ua〜Ucの識別情報IDのいずれにも一致しない場合である。
この場合、制御部15は、メモリ部54に設定された複数の本体メモリ領域#A,#B,#C等が全て使用されているか否かを判別すると共に、本体メモリ領域#A,#B,#Cの全てに存在しない画像形成ユニット10Y等の識別情報IDが読み込まれたか否かを判別し、この判別結果に基づいて本体メモリ領域#A,#B又は#Cのいずれかを選択するようにメモリ選択制御を実行する。
例えば、本体メモリ領域#Cに設定を予定しているユニットUx=Ucの代わりにユニットUx=Udが装着された場合である。この場合、ユニットUx=Ucのユニットメモリ領域による書き込みが許可されていた本体メモリ領域#Cが本体メモリ領域#Dに変更される。
このメモリ選択制御によって、本体メモリ領域#A,#B,#Cの全てに存在しない新たな画像形成ユニット10Yの識別情報IDが読み込まれた場合であっても、ユニットUx=Ucに予定されていた本体メモリ領域#Cを選択して本体メモリ領域#Dに変更するように制御するので、装置本体側のメモリ部54で限られた本体メモリ領域#A,#B,#Cを有効に活用できるようになる。
更に、図11に示す実施形態によれば、装置本体側からユニットUx=Uaを取り外して新たな識別情報IDを有するユニットUx=Udを装着し、ユニットUx=Udのユニットメモリ領域を本体メモリ領域#A,#B又は#Cに設定する場合である。ユニットUx=Udは装置本体に設定(登録)されていない識別情報IDを有している。この場合、ユニット管理用の本体メモリ領域#A〜#Cは、既にユニットUx=Ua,Ub,Ucに対して設定されている。メモリ部54に記憶されるユニット情報Duには、当該画像形成ユニット10Y等の交換日付のユニット情報Duが含まれている。
これを前提にして、ユニットUx=Uaを装置本体側から取り外し、装置本体側にユニットUx=Udを装着し、電源を供給すると、図2に示した制御部15がユニットUx=Udから識別情報IDと使用回数情報を入力し、識別情報ID及び使用回数情報と各々の比較基準情報とを比較参照して、ユニットUx=Udのメモリ部64から装置本体側のメモリ部54へのユニット情報Duの書き込み可否を判別する。上述の識別情報IDがユニットUx=Ua〜Ucの識別情報IDのいずれにも一致しない場合である。
この場合、制御部15は、メモリ部54に設定された複数の本体メモリ領域#A,#B,#C等が全て使用されているか否かを判別すると共に、本体メモリ領域#A,#B,#Cの全てに存在しない画像形成ユニット10Y等の識別情報IDが読み込まれたか否かを判別し、この判別結果に基づいて交換日付の最も古い画像形成ユニット10Yのユニット情報Duを格納していた本体メモリ領域#A,#B又は#Cのいずれかを選択するようにメモリ選択制御を実行する。
例えば、本体メモリ領域#Aに設定されているユニットUx=Uaが、他のユニットUx=Ub,Ucに比べて、交換日付の最も古い画像形成ユニット10Yのユニット情報Duを格納している場合である。この場合、ユニットUx=Uaのユニットメモリ領域による書き込みが許可されていた本体メモリ領域#Aが選択される。なお、本体メモリ領域#B及び#Cはそのままである。
このメモリ選択制御によって、本体メモリ領域#A,#B,#Cの全てに存在しない新たな画像形成ユニット10Yの識別情報IDが読み込まれた場合、交換日付の最も古い画像形成ユニット10Yのユニット情報Duを格納していた本体メモリ領域#Aを選択するように制御する。ユニットUx=Udは本体メモリ領域#Aから変更された本体メモリ領域#Dを使用して情報処理を実行できるようになる。これにより、装置本体側のメモリ部54で限られた本体メモリ領域#A,#B,#Cを有効に活用できるようになる。
続いて、図12〜図14を参照して、本発明に係る画像形成装置の制御方法について、カラー複写機100の制御例について説明をする。この実施形態では、複写機本体101に装着されて像形成出力機能を分担する画像形成ユニット10Y等を交換して使用可能なカラー複写機100が、制御部15のメモリ部54に、ユニット管理用の3つの本体メモリ領域#A,#B,#Cを設定し、ここに設定された3つの本体メモリ領域#A,#B,#Cを使用して、複写機本体101に対して交換が可能な3つのY色用の画像形成ユニット10Y(以下ユニットUx=Ua,Ub,Ucという)を制御する共に、ユニットUx=Ua〜Uc毎にユニット情報Duを書き込み処理する場合を前提とする。
この例では、装置本体側に装着されているユニットをUxとしたとき、ユニットUx=Uaが常備品で、ユニットUx=Ub,Ucが予備品である場合を想定する。工場出荷時等の初期状態で、ユニットUx=Uaが装置本体側に装着されている場合を前提とする。なお、上述の3つのユニットUx=Ua,Ub,Ucの例外として、新たな識別情報IDのユニットUx=Udが装着される場合の制御例についても例を挙げる。
これらを制御条件にして、図12に示すステップST1で図2に示したCPU55は、電源ONを待機する。通常、カラー複写機100は、必要最低限の時計機能等が動作しており、他の機能はスリーピング状態にある。例えば、電源が供給されると、電源オン情報がCPU55によって検出される。
電源が供給されると、ステップST2で、CPU55はユニット管理用の3つの本体メモリ領域#A,#B,#Cをメモリ部54に設定する。この例では、本体メモリ領域#Aは、ユニットUx=Uaに割り当てられ、本体メモリ領域#BはユニットUx=Ubに割り当てられ、本体メモリ領域#CはユニットUx=Ucに割り当てられる。
次に、ステップST3で装置本体側にユニットUxが装着されているか否かに対応して制御を分岐する。ユニットUxが装置本体側に装着されていない場合は、ステップST4でCPU55は、ユニットUxを装置本体側に装着するように操作表示部48を制御する。操作表示部48は、制御部15から表示データD18を入力し、表示データD18に基づいて「装置本体側にユニットUxを装着して下さい。」等の文字情報を表示する。この文字情報は装置本体側にユニット装着を促すためである。
装置本体側にユニットUxが装着されている場合は、ステップST5でCPU55は、当該ユニットUxからユニット情報Duを読み込む。このとき、ユニットUxのCPU65はメモリ部64からユニット情報Duを読み出し、通信部29及び、装置本体側の通信部19を介して制御部15にユニット情報Duを転送する。ユニットUxから読み込まれたユニット情報Duには、識別情報ID及び使用回数情報が含まれる。ユニットUxがユニットUaである場合は、識別情報IDは当該ユニットUaを示すものとなり、ユニットUaが工場出荷時等の初期状態である場合は、部品の使用回数Nxも、ゼロである。
次に、ステップST6でCPU55は、当該ユニットUxの交換指示の有無に対応して制御を分岐する。この例で、CPU55は装置本体側に装着されているユニットUxの識別情報IDが本体メモリ領域#Aの書き込み許可が既になされている初期状態のユニットUaの識別情報IDと異なるか否かを判別する。例えば、CPU55は、ユニットUxから読み出された識別情報IDとID判別用の比較基準情報とを比較して、識別情報IDがID判別用の比較基準情報と一致している(Ux=Ua)か否か(Ux≠Ua)かを判別する。
この例では、初期状態でユニットUx=Uaとなっているので、CPU55はユニットUx=Uaと判別し、ユニット交換が無いと判断する。当該ユニットUxの交換指示が無いと判断した場合は、ステップST7でCPU55は、ユニット情報Duから使用回数情報を取得して、本体メモリ領域#Aが未使用か否かに対応して制御を分岐する。ここで本体メモリ領域#Aに書き込まれる部品の使用回数をNxとして、CPU55はNx=0か、又はNx≠0かを判断する。部品の使用回数Nxは、使用回数情報から得られる。Nx=0と判断した場合は、ステップST8に移行して、CPU55は、本体メモリ領域#AをユニットUx=Uaのユニットメモリ領域に設定する。この例では、工場出荷時、初期状態のユニットUaの部品の使用回数Nxは”0”であるので、未使用の本体メモリ領域#AをユニットUx=Uaのユニットメモリ領域に設定する。この設定により、ユニットUaは本体メモリ領域#Aを使用して情報処理を実行できるようになる(図5参照)。その後、図15に示すステップST28に移行する。
また、部品の使用回数Nxに関して、Nx≠0と判断した場合は、ステップST9に移行して、使用回数情報及び比較基準情報を入力し、CPU55はNx≦Nrか否かに対応して制御を分岐する。ここにNrは、部品の使用回数判定用の比較基準値である。比較基準値Nrは比較基準情報から得られる。部品の使用回数Nxに関して、部品の使用回数Nxが部品の比較基準値Nr以下である場合(以下でNx≦Nrという)は、ステップST10でCPU55が本体メモリ領域#AをユニットUx=Uaのユニットメモリ領域としてそのまま継続して使用する。また、部品の使用回数Nxが部品の比較基準値Nrを越える場合(以下Nx>Nrという)は、ステップST28に移行する。
ここで、メンテナンス等により、ユニットUaに代えてユニットUbを装着した場合、上述のステップST6で、CPU55は、ユニットUxがユニットUaから、他のユニットUb,Uc又は新たなユニットUd等へ交換が有ったものと判断する。この例では、装置本体側に装着されたユニットUxがユニットUaではなく、ユニットUb,Uc又はこれ以外のユニットUd等である場合、これらのユニットUb,Uc又はこれ以外のユニットUd等の識別情報IDが本体メモリ領域#Aの書き込み許可が既になされているユニットUaの識別情報IDと異なる。このため、CPU55によって、ユニット交換が有ると判断される。この判断によって、図13に示すステップST11に移行して、CPU55は、ユニットUx=Ubが装着されたか、又は、ユニットUx=Ub以外のユニットUc等が装着されたかに対応して制御を分岐する。例えば、ユニットUxの識別情報IDが本体メモリ領域#Bへの書き込み許可がなされたユニットUbの識別情報IDと一致するか否かに対応して制御を分岐する。
ユニットUx=Ubが装着された場合、すなわち、ユニットUxの識別情報IDが本体メモリ領域#Bへの書き込み許可がなされているユニットUbの識別情報IDと一致する場合は、ステップST12でCPU55は、本体メモリ領域#A以外の未使用の本体メモリ領域#Bが有るか否かに対応して制御を分岐する。部品の使用回数Nxに関して、Nx=0の本体メモリ領域#B又は#Cが有る場合は、ステップST13に移行して、CPU55は本体メモリ領域#BをユニットUx=Ubのユニットメモリ領域に設定する.
この設定により、ユニットUbは本体メモリ領域#Bを使用して情報処理を実行できるようになる(図6参照)。その後、図15に示すステップST28に移行する。
部品の使用回数Nxに関して、Nx≠0の場合は、ステップST14でCPU55はユニットUbの部品の使用回数Nxがリセットされているか否かに対応して制御を分岐する。ユニットUbの部品の使用回数Nxがリセットされている場合は、ステップST15でCPU55は、本体メモリ領域#Bをリセット後のユニットUbのユニットメモリ領域に更新する。その後、ステップST28に移行する。
上述のステップST14でユニットUbの部品の使用回数Nxがリセットされていない場合は、ステップST15で部品の使用回数Nxに関して、Nx≦Nrか否かに対応して制御を分岐する。部品の使用回数Nxに関して、Nx≦Nrの場合は、ステップST17でCPU55は本体メモリ領域#BをユニットUx=Ubのユニットメモリ領域としてそのまま継続して使用する。Nx>Nrの場合はステップST28に移行する。
また、ステップST11でユニットUx=Ub以外のユニットUc等が装置本体側に装着された場合は、図14に示すステップST18に移行して、CPU55は、ユニットUx=Ucが装着されたか、又は、ユニットUx=Uc以外のユニットUd等が装着されたかに対応して制御を分岐する。例えば、当該識別情報IDが本体メモリ領域#B又は#Cへの書き込みを許可された識別情報IDと一致しているか否かを判別する。
ユニットUx=Ucが装着された場合、すなわち、ユニットUxの識別情報IDが本体メモリ領域#Cへの書き込み許可がなされているユニットUcの識別情報IDと一致する場合は、ステップST19でCPU55は、本体メモリ領域#Cが未使用か否かに対応して制御を分岐する。ここで本体メモリ領域#Cに書き込まれる部品の使用回数をNxとして、CPU55はNx=0か、又はNx≠0かを判断する。Nx=0と判断した場合は、ステップST20に移行して、CPU55は、本体メモリ領域#CをユニットUx=Ucのユニットメモリ領域に設定する。この設定により、ユニットUcは本体メモリ領域#Cを使用して情報処理を実行できるようになる(図7参照)。その後、図15に示すステップST28に移行する。
部品の使用回数Nxに関して、Nx=0の場合は、ステップST20に移行して、CPU55は、本体メモリ領域#CをユニットUx=Ucのユニットメモリ領域に設定する。その後、図15に示すステップST28に移行する。部品の使用回数Nxに関して、Nx≠0の場合は、ステップST21でCPU55はユニットUcの部品の使用回数Nxがリセットされているか否かに対応して制御を分岐する。ユニットUcの部品の使用回数Nxがリセットされている場合は、ステップST22でCPU55は、本体メモリ領域#Cをリセット後のユニットUcのユニットメモリ領域として更新する。その後、図15に示すステップST28に移行する。
上述のステップST21でユニットUcの部品の使用回数Nxがリセットされていない場合は、ステップST23でCPU55は部品の使用回数Nxに関して、Nx≦Nrか否かに対応して制御を分岐する。部品の使用回数Nxに関して、Nx≦Nrの場合は、ステップST24でCPU55は本体メモリ領域#CをユニットUx=Ucのユニットメモリ領域としてそのまま継続して使用する。Nx>Nrの場合はステップST28に移行する。
また、ステップST18でユニットUx=Ua,Ub,Uc以外のユニットUdが装着された場合、すなわち、ユニットUxの識別情報IDが本体メモリ領域#Bへの書き込みを許可されたユニットUbの識別情報IDや、本体メモリ領域#Cへの書き込みを許可されたユニットUcの識別情報IDといずれも一致していない場合は、ステップST25に移行して、CPU55は、未使用の本体メモリ領域#A,#B又は#Cが有るか否かに対応して制御を分岐する。
部品の使用回数Nxに関して、未使用(Nx=0)の本体メモリ領域#B又は#Cが有る場合は、ステップST26に移行して、CPU55は、本体メモリ領域#B又は#CのいずれかをユニットUdのユニットメモリ領域に変更する。なお、部品の使用回数Nxに関して、未使用(Nx=0)の本体メモリ領域#B又は#Cが無い場合は、ステップST27に移行して、CPU55は、交換時の最も古い本体メモリ領域#A,#B又は#CをユニットUdのユニットメモリ領域に変更する。
その後、図15に示すステップST28でCPU55はユニット情報Duを本体メモリ領域#A,#B又は#Cに書き込む。このユニット情報Duには、ユニットUxの識別情報IDやその部品の使用回数Nxが含まれる。例えば、ユニットUx=Uaが装置本体側に装着されている場合は、ユニットUaのユニットメモリ領域に書き込まれたユニット情報Duを本体メモリ領域#Aに転送して当該ユニット情報Duが保存される。
ユニットUx=Ubが装置本体側に装着されている場合は、ユニットUbのユニットメモリ領域に書き込まれたユニット情報Duを本体メモリ領域#Bに転送して当該ユニット情報Duが保存される。ユニットUx=Ucが装置本体側に装着されている場合は、ユニットUcのユニットメモリ領域に書き込まれたユニット情報Duを本体メモリ領域#Cに転送して当該ユニット情報Duが保存される。なお、新たなユニットUdについては、本体メモリ領域#B又は#C、又は、本体メモリ領域#Aから変更された本体メモリ領域#D等に転送して当該ユニット情報Duが保存される。
そして、ステップST29で、CPU55はプリントが所定枚数に到達したか否かに対応して制御を分岐する。プリントが所定枚数に到達した場合は、ステップST33に移行する。プリントが所定枚数に到達していない場合は、ステップST30に移行してCPU55は、ユニット交換が開始された否かに対応して制御を分岐する。ユニット交換が開始された場合は、ステップST33に移行する。ユニット交換が開始されない場合は、ステップST31に移行して、CPU55は、部品がその寿命に到達したか否かに対応して制御を分岐する。部品がその寿命に到達していない場合は、ステップST33に移行する。部品がその寿命に到達した場合は、ステップST32に移行して、CPU55は、ユニット交換を促すように操作表示部48を表示制御する。例えば、操作表示部48は「ユニット交換時期が到来しました。ユニット交換をお奨めします。」等の文字情報が表示される。
そして、ステップST33でCPU55は電源OFF情報を検出する。電源OFF情報を検出した場合は、ステップST34に移行して、CPU55はユニットメモリ領域の記述内容を本体メモリ領域に書き込む。例えば、ユニットUaのCPU65はメモリ部64からユニット情報Duを読み出し、通信部29及び、装置本体側の通信部19を介して制御部15のCPU55にユニット情報Duを転送する。CPU55は、ユニットUaからユニット情報Duを読み込んで、装置本体側の本体メモリ領域#Aに書き込む。
又は、同様に転送されてくるユニットUbからユニット情報Duを読み込んで、装置本体側の本体メモリ領域#Bに書き込む。又は、同様に転送されてくるユニットUcからユニット情報Duを読み込んで、装置本体側の本体メモリ領域#Cに書き込む。又は、同様に転送されてくるユニットUdからユニット情報Duを読み込んで、装置本体側の本体メモリ領域#A,#B,#C等から変更された本体メモリ領域#Dへ書き込む。これにより、ユニット管理に係る情報処理を終了する。
このように、実施形態としてのカラー複写機100によれば、操作表示部48が操作され、メモリ部54には3つのユニット管理用の本体メモリ領域#A,#B,#Cが設定され、当該本体メモリ領域#A,#B,#Cには、3つの画像形成ユニット10Y毎にユニット情報Duが記憶される。これを前提にして、制御部15のCPU55が操作表示部48によって設定されたメモリ部54の3つの本体メモリ領域#A,#B,#Cを使用して、常備品を構成する画像形成ユニット10Y等に対して交換が可能な2つの予備品を構成する他の画像形成ユニット10Yを制御し、画像形成ユニット10Y毎にユニット情報Duを処理するようになる。
この制御及び処理によって、メモリ部54に設けられたユニット管理用の3つの本体メモリ領域#A,#B,#C及び、Y色用の画像形成ユニット10Y等に対して交換が可能な二以上の他の画像形成ユニット10Yを円滑かつ確実に管理できるようになる。他のM,C,BK色用の画像形成ユニット10M,10C,10Kについても、同様に制御することで、円滑かつ確実にユニット管理を実行できるようになる。
これにより、ユーザは、各色、例えば、Y色に付き3つの画像形成ユニット10Y(ユニットUa,Ub,Uc等)を適宜交換して使用可能となり、Y色の画像形成ユニット10Y(ユニットUa)等に対し、例えば、当該画像形成ユニット10Yの部品毎の使用回数情報に対応して、他の2つの画像形成ユニット10Y(Ub,Uc)を適宜交換して使用できるので、画像形成ユニット10Yを構成する部品交換時の複写機本体101のダウンタイムを削減できるようになる。他のM,C,BK色用の画像形成ユニット10M,10C,10Kについても部品交換時の複写機本体101のダウンタイムを削減できるようになる。
しかも、メモリ部54の限られたメモリ領域を使用した、古い画像形成ユニット10Yから新しい画像形成ユニット10Yヘの交換を円滑かつ確実に実行できるようになる。また、画像形成ユニット10Y等のユニット管理用の本体メモリ領域#A,#B,#Cヘの書き込みが、電源の瞬断等により正常に行われなかった場合、その復帰時にも、画像形成ユニット10Y等を構成する、Y色用の感光体ドラム1Y、帯電器2Y、画像書き込み部3Y、現像器4Y及びクリーニング部8Y等の部品の寿命を確実に管理することができる。従って、複写機本体101のメモリ部54の限られた本体メモリ領域#A,#B,#Cで、新しい画像形成ユニット10Yヘの交換を確実に管理できるようになった。
上述した実施形態では、部品の使用回数Nxに関して、Nx≦Nrか否かに対応して制御を分岐する場合について説明したが、これに限られることはなく、画像形成ユニット10Y等へのユニット情報Duの書き込み時に、複写機本体101のメモリ部54に記述されている部品の使用回数Nx(カウント値)と、ユニットUxのメモリ部64に記述されている部品の使用回数Nx(カウント値)を比較し、当該比較結果に基づいてユニット情報Duの書き込みを制御してもよい。
例えば、ユニット情報Duを比較して部品の使用回数Nxの差分を見出し、その差分が基準値を越えるか否かを判別し、当該差分が基準値を越える場合は、ユニット情報Duの書き込みを拒否するようにしてもよい。このように制御しても、常備品を構成するY色用の画像形成ユニット10Y(ユニットUa)に対して交換が可能な二以上の予備品を構成する画像形成ユニット10Y(ユニットUb,Uc)が本来の寿命を越えて使用されることを防止することができる。