JP4680326B1 - 警告音出力制御装置、警告音出力制御方法、警告音出力制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

警告音出力制御装置、警告音出力制御方法、警告音出力制御プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

警告音出力装置(100)は、電気自動車などの車両に搭載される。道路情報取得部(101)は、車両が走行している道路の車線数・道路の幅の情報を取得する。位置情報取得部(102)は、車両の走行位置情報を取得する。出力部(103)は、車線数情報と走行位置情報とに基づいて、車両の外部に警告音を出力する。出力部(103)は、たとえば、道路の車線数が片側1車線以下である場合や、道路の幅が所定値以下の場合に警告音を出力する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電気自動車などの車両に搭載される警告音出力制御装置、当該警告音出力制御装置における警告音出力制御方法、警告音出力制御プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した警告音出力制御装置、警告音出力制御方法、警告音出力制御プログラムおよび記録媒体に限られない。
従来、ガソリンに代わり電力を動力源とする電気自動車やハイブリット自動車、燃料電池車(以下、単に「電気自動車」という)の開発が進んでいる。電気自動車は、ガソリンエンジンによって駆動される従来の自動車と比較して駆動時に発生する音が小さく、周囲の歩行者などが電気自動車の接近に気づきにくいという特徴がある。
このような問題に対応するため、車両の外部に向けて警告(たとえば、疑似的なエンジン音など)を出力して、周囲の歩行者などに対して注意を促す技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照)。下記特許文献1では、自車両の周囲の人(歩行者など)や移動体(車両など)を、人センサおよび移動体検知センサからの出力に基づいて報知対象物として認識したときに、当該報知対象物と自車両との間の距離および報知対象物と自車両との間の相対速度に基づいて、自車両と報知対象物との間の距離が最短状態になるまでの所要時間を予測すると共に、この予測時間があらかじめ設定されたしきい値時間以下となったときに、自車両から見た報知対象物の方向に向けて点滅光による警報を発光ダイオードから出力する動作をおこなう。
また、たとえば、初めて通行する交差点でも一時停止位置を設定することができるよう、交差点と車両との距離に応じて運転者に対して警告をおこなう技術が知られている(たとえば、下記特許文献2参照)。
特開2006−209325号公報 特開2007−334548号公報
しかしながら、上述した特許文献1にかかる技術では、車両周辺の環境を考慮せずに警報を発生してしまうという問題点が一例として挙げられる。たとえば、住宅街に設けられた道路で不用意に警報を発生させると、近隣の住民との間で騒音トラブルが発生する可能性がある。一方で、住宅街に設けられた道路は片側1車線以下の細街路である場合がほとんどである。細街路では、走行する車両と歩行者との距離が短く、事故が発生しやすい。このため、歩行者に対して適切なタイミングで警告をおこなう必要がある。
また、上述した特許文献1にかかる技術では、センサを用いて歩行者を検知して警報を発生させるが、現段階ではセンサに対して十分な精度を期待できない可能性があるという問題点が一例として挙げられる。また、十分な精度を期待できるセンサを搭載しようとすると、装置が高額になってしまうという問題点が一例として挙げられる。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる警告音出力制御装置は、車両の外部に向けて警告音を出力するスピーカ部に、音声データを供給する警告音出力制御装置であって、前記車両が走行している道路の車線数情報を取得する道路情報取得手段と、前記車両の走行位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記車線数情報と前記走行位置情報とに基づいて、前記車両の外部に出力する警告音を制御する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の発明にかかる警告音出力制御方法は、車両の外部に向けて警告音を出力するスピーカ部に、音声データを供給する警告音出力制御装置における警告音出力制御方法であって、前記車両が走行している道路の車線数情報を取得する道路情報取得工程と、前記道路における前記車両の走行位置情報を取得する位置情報取得工程と、前記車線数情報と前記走行位置情報とに基づいて、前記車両の外部に出力する警告音を制御する出力工程と、を含んだことを特徴とする。
また、請求項3の発明にかかる警告音出力制御プログラムは、請求項2に記載の警告音出力制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項4の発明にかかる記録媒体は、請求項3に記載の警告音出力制御プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
図1は、実施の形態にかかる警告音出力装置の機能的構成を示すブロック図である。 図2は、警告音出力装置による警告音出力処理の手順を示すフローチャートである。 図3は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図4は、疑似エンジン音出力装置による疑似エンジン音出力処理の手順を示すフローチャートである。 図5は、疑似エンジン音の出力タイミングを模式的に示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る警告音出力制御装置、警告音出力制御方法、警告音出力制御プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる警告音出力装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態にかかる警告音出力装置100は、図示しない車両に搭載されており、道路情報取得部101、位置情報取得部102、出力部103によって構成される。
道路情報取得部101は、車両が走行している道路の車線数情報を取得する。車線数情報とは、道路上に設けられている車線数を示す情報であり、たとえば、1車線(進行方向が異なる車両が走行する車線が区切られていない道路)、片側1車線(両側2車線)、片側2車線(両側4車線)・・のように表すことができる。また、道路情報取得部101は、車両が走行する車線の数の他に、車両が走行する領域と、他の移動体(歩行者など)が移動する領域とが分離されているかを示す情報を取得してもよい。道路情報取得部101は、たとえば、地図データ内に含まれる車線数情報を読み出したり、画像認識によって道路の車線数を判別したりして、車線数情報を取得する。
また、道路情報取得部101は、車両が走行する道路上の交差点の位置情報や、当該交差点における信号の有無に関する情報を取得してもよい。道路情報取得部101は、たとえば、地図データ内に含まれる交差点の位置や信号の有無の情報を読み出したり、画像認識によって交差点の位置や信号の有無を判別したりして、これらの情報を取得する。
また、道路情報取得部101は、車両が走行する道路の道路幅に関する情報を取得してもよい。道路情報取得部101は、たとえば、地図データ内に含まれる道路幅の情報を読み出したり、画像認識によって道路の幅を判別したりして、道路幅に関する情報を取得する。
さらに、道路情報取得部101は、車両が走行する道路の平均交通量に関する情報を取得してもよい。道路情報取得部101は、たとえば、地図データ内に含まれる平均交通量情報を読み出したり、リアルタイムに交通情報を配信する情報配信サーバなどから平均交通量情報を受信したりして、平均交通量に関する情報を取得する。
位置情報取得部102は、車両の走行位置情報を取得する。位置情報取得部102は、たとえば、GPS衛星から受信したGPS情報や車両の走行速度情報、加速度情報などを用いて、車両の走行位置を算出することによって車両の走行位置情報を取得する。また、位置情報取得部102は、車両に搭載されたナビゲーション装置などから走行位置情報を取得してもよい。位置情報取得部102は、道路上における車両の走行位置情報を取得する。道路上における車両の走行位置情報とは、たとえば、道路に設けられた複数の車線のうち、車両がいずれの車線を走行しているかを示す情報である。
出力部103は、道路情報取得部101によって取得された車線数情報と、位置情報取得部102によって取得された走行位置情報とに基づいて、車両の外部に警告音を出力する。具体的には、出力部103は、たとえば、道路の車線数が片側1車線以下である場合に警告音を発生させる。このような道路では、歩行者等と車両との距離が近く、接触事故などが起きやすいためである。また、出力部103は、道路の車線数が片側1車線以下であり、かつ、道路の幅が所定値以下の場合や、道路の車線数が片側1車線以下であり、かつ、平均交通量が所定量以下の場合にのみ警告音を出力するようにしてもよい。このように交通量が少ない道路は、一般的に道幅が狭く、上述のような接触事故などが起きやすいためである。
また、出力部103は、道路の車線数が片側1車線より多い場合、車線のうち最も外側に位置する車線を前記車両が走行している際に警告音を出力するようにしてもよい。片側に複数の車線がある道路では、最も外側の車線のさらに外側に2輪車が走行していたり、歩道が設けられている場合が多い。警告音を出力して2輪車や歩行者に車両の存在を報知することで、2輪車や歩行者との接触などの危険を回避することができる。
出力部103は、たとえば、道路上の交差点と車両との距離が所定距離以下となった際に警告音を出力する。このとき、たとえば、交差点に信号がない場合に警告音を出力するようにしてもよい。このように、交差点付近で警告音を出力するのは、交差する道路に歩行者や自転車など(以下、「歩行者等」という)が通行している可能性や、車両が走行する道路を通行する歩行者等が交差点での安全を確認するために交差点付近で車道側に移動してくる可能性があるためである。出力部103によって警告音を出力し、車両の存在を報知することで、歩行者等との衝突などの危険を回避することができる。
なお、出力部103で出力する警告音とは、たとえば、車両の擬似的なエンジン音やクラクション音、電子的な発信音などとすることができる。また、警告音の出力音量や周波数、出力周期などを、交差点との距離に応じて変化させてもよい。
つぎに、警告音出力装置100による警告音出力処理について説明する。図2は、警告音出力装置による警告音出力処理の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、警告音出力装置100は、まず、道路情報取得部101によって、車両が走行している道路の車線数情報を取得する(ステップS201)。つぎに、警告音出力装置100は、位置情報取得部102によって、車両の走行位置情報を取得する(ステップS202)。
つづいて、警告音出力装置100は、車両と交差点との距離が所定距離以下であるか否かを判断する(ステップS203)。車両と交差点との距離が所定距離以下でない場合は(ステップS203:No)、ステップS201に戻り、以降の処理をくり返す。一方、車両と交差点との距離が所定距離以下である場合(ステップS203:Yes)、警告音出力装置100は、車両が走行する道路の車線数が片側1車線以下であるか否かを判断する(ステップS204)。
車線数が片側1車線以下の場合は(ステップS204:Yes)、ステップS206に移行する。一方、車線数が片側1車線以下ではない場合(ステップS204:No)、警告音出力装置100は、車両が複数車線のうち最も外側の車線を走行しているか否かを判断する(ステップS205)。
車両が複数車線のうち最も外側の車線を走行している場合(ステップS205:Yes)、警告音出力装置100は、出力部103によって警告音を出力して(ステップS206)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、車両が複数車線のうち最も外側の車線を走行していない場合は(ステップS205:No)、警告音を出力せず、そのまま本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、警告音出力装置100は、車両が走行している道路の車線数情報および車両の走行位置情報に基づいて車両の外部に警告音を出力する。具体的には、たとえば、車両が走行する道路の車線数が片側1車線以下である場合に警告音を出力する。片側1車線以下の比較的道幅が狭い道路では、車両と歩行者等との距離が短く、接触などの危険性が高い。このような道路で警告音を出力することにより、車両と歩行者等との接触や衝突などの危険性を低減することができる。
一方、警告音出力装置100は、所定の条件に合致する場合(たとえば、車両が走行する道路が片側1車線以下である場合や、交差点との距離が所定距離以下になった場合など)にのみ警告音を出力するので、常時警告音を出力する場合と比較して、警告音が騒音となってしまう可能性を低減することができる。また、警告音出力装置100において、道路の幅や交通量に基づいて警告音の出力の有無を判断するようにすれば、警告音の出力頻度をさらに低減することができる。
また、警告音出力装置100は、車両が走行する道路の車線数が片側1車線より多い場合、車両が最も外側に位置する車線を走行している際に警告音を出力する。片側に複数の車線がある道路では、最も外側の車線のさらに外側に2輪車が走行していたり、歩道が設けられている場合が多い。このような場所で警告音を出力して2輪車や歩行者に車両の存在を報知することで、2輪車や歩行者との接触などの危険を回避することができる。
また、警告音出力装置100は、車両と交差点との距離が所定距離以下になった際に警告音を出力する。交差点では、交差する道路から他の移動体が飛び出してきたり、同じ道路を移動する他の移動体が車線側に移動する可能性が高く、接触や衝突などの危険性が高い。警告音出力装置100によって、交差点付近で警告音を出力することにより、交差点における接触や衝突などの危険性を低減することができる。
また、警告音出力装置100において、交差点に信号がない場合にのみ警告音を出力することとすれば、警告音が騒音となり得る箇所での警告音の出力頻度をさらに低減できるとともに、接触や衝突などの危険性が特に高い、信号がない交差点における安全性を向上させることができる。
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、実施の形態にかかる警告音出力装置100を、車両に搭載された疑似エンジン音出力装置300として本発明を適用した場合の一例について説明する。本実施例にかかる疑似エンジン音出力装置300は、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車のように、エンジンの駆動音を発生させない車両に搭載されているものとする。
(疑似エンジン音出力装置300のハードウェア構成)
図3は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。実施例にかかる疑似エンジン音出力装置300は、CPU301、ROM302、RAM303、各種データを記録/再生する記録再生部304、各種データを記録する記録部305、音声I/F306、スピーカ307、映像I/F308、カメラ309、通信I/F310、GPSユニット311を備えている。各構成部301〜311は、バス320によってそれぞれ接続されている。
CPU301は、疑似エンジン音出力装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、位置検出プログラム、エンジン音制御プログラムなどの各種プログラムソフトを記録している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、疑似エンジン音出力装置300の全体の制御を司る。
記録再生部304は、CPU301の制御に従って記録部305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。記録部305は、記録再生部304の制御で書き込まれたデータを記録する。記録再生部304としては、たとえば、磁気ディスクドライブや光ディスクドライブ、記録部305としては、たとえば、HD(ハードディスク)、FD(フレキシブルディスク)、フラッシュメモリ、MO、SSD(Solid State Disk)、メモリカードなどを用いることができる。
記録部305に記録される情報の一例としては、たとえば地図データ(地図データベース)が挙げられる。地図データは、エンジン音制御プログラムによるエンジン音発生処理に用いられる。地図データは、少なくとも道路の形状をあらわす道路形状データを含んでいる。道路形状データには、交通条件データが含まれている。交通条件データとは、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、車線数、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報である。この他、地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データを含んでいてもよい。
音声I/F306は、音声出力用のスピーカ307に接続される。音声I/F306は、再生が指示された音声データをD/A変換して、スピーカ307から音声として出力させる。なお、スピーカ307は、疑似エンジン音出力装置300から着脱可能であってもよいし、疑似エンジン音出力装置300の本体から離れた場所にあってもよい。
映像I/F308は、カメラ309に接続される。映像I/F308は、具体的には、たとえば、カメラ309によって撮影された画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリなどによって構成される。
カメラ309は、疑似エンジン音出力装置300が搭載された車両の外部の映像を撮影する。カメラ309で撮影する映像は静止画あるいは動画のどちらでもよい。カメラ309によって撮影された映像は、映像I/F308を介して記録部305などに記録される。
通信I/F310は、無線を介してネットワークに接続され、ネットワークを介したデータの送受信を可能とする。通信I/F310を用いることにより、疑似エンジン音出力装置300は、ネットワークを介して道路の渋滞情報や交通量情報など、リアルタイムに変化する情報を取得することが可能となる。また、通信I/F310を用いて地図データを受信するようにしてもよい。通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。
GPSユニット311は、GPS衛星からの電波を受信し、疑似エンジン音出力装置300が搭載された車両の現在地点を示す情報を出力する。また、GPSユニット311は、速度センサ、加速度センサ、角速度センサなどの各種センサを備える。GPSユニット311の出力情報は、CPU301による疑似エンジン音出力装置300の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
図1に示した警告音出力装置100の各構成部は、図3におけるROM302、RAM303、記録部305などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、各部を制御することによってその機能を実現する。
(疑似エンジン音出力装置300による疑似エンジン音発生処理)
つぎに、疑似エンジン音出力装置300による疑似エンジン音発生処理について説明する。上述のように、疑似エンジン音出力装置300は、電気自動車などのエンジンの駆動音を発生させない車両に搭載されている。このような車両は、騒音の原因になりにくいという利点がある反面、周囲を通行する歩行者などが車両の接近に気づきにくく、危険な場合があるという問題点がある。このため、疑似エンジン音は、車両の周囲に擬似的なエンジン音(以下、「疑似エンジン音」という)を出力して、周囲を通行する歩行者などに車両の接近を報知する。
ここで、疑似エンジン音の出力を常時おこなうとすると、走行時に騒音の原因になりにくいという電気自動車の利点を損なうこととなる。そこで、疑似エンジン音出力装置300は、車両が走行している道路の車線数や道路種別、車両が走行している位置などを考慮して疑似エンジン音の出力をおこなう。これにより、必要最小限の場所でのみ疑似エンジン音を出力して、騒音が少ないという電気自動車の利点を生かしつつ、周囲を通行する歩行者等に対する危険を回避することができる。
図4は、疑似エンジン音出力装置による疑似エンジン音出力処理の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、疑似エンジン音出力装置300は、まず、自装置が搭載された車両が走行を開始するまで待機する(ステップS401:Noのループ)。車両が走行を開始すると(ステップS401:Yes)、疑似エンジン音出力装置300は、GPSユニット311からの出力情報などを用いて、車両の位置情報を取得する(ステップS402)。
つぎに、疑似エンジン音出力装置300は、車両が走行する道路の道路種別情報を取得する(ステップS403)。疑似エンジン音出力装置300は、たとえば、ステップS402で算出した位置情報に基づいて、現在位置に対応する地図データを参照し、道路種別情報を読み出す。道路種別情報とは、自動車専用道路、歩行者専用道路、高速道路、有料道路、一般道路など、当該道路の種類を示す情報である。
疑似エンジン音出力装置300は、道路種別情報に基づいて、車両が走行している道路が自動車専用道路であるか否かを判断し(ステップS404)、自動車専用道路である場合は(ステップS404:Yes)、ステップS413に移行する。これは、自動車専用道路においては、周囲を走行するのは自動車のみであり、疑似エンジン音の出力をおこなっても実益がないためである。
一方、車両が走行している道路が自動車専用道路ではない場合(ステップS404:No)、疑似エンジン音出力装置300は、車両の進行方向に位置する交差点の位置情報を取得して(ステップS405)、車両の現在位置と交差点との距離が所定距離以下か否かを判断する(ステップS406)。交差点の位置情報は、たとえば、記録部305に記録された地図データから読み出したり、カメラ309によって撮影した画像を画像解析することによって算出する。
車両と交差点との距離が所定距離以下ではない場合(ステップS406:No)、すなわち、交差点との距離が十分ある場合、疑似エンジン音出力装置300は、ステップS402に戻り、以降の処理をくり返す。
一方、車両と交差点との距離が所定距離以下の場合(ステップS406:Yes)、疑似エンジン音出力装置300は、車両が走行している道路が片側1車線以下の道路であるか否かを判断する(ステップS407)。片側1車線の道路とは、対向する進行方向に対してそれぞれ車線が1つずつ設けられた道路である。また、これより車線数が少ない道路としては、対向する進行方向に対して車線の区別がない1車線道路や1車線の一方通行などがある。
車両が走行している道路が片側1車線以下の道路である場合(ステップS407:Yes)、疑似エンジン音出力装置300は、当該道路が細街路であるか否かを判断する(ステップS408)。ここで、細街路とは、道幅が狭く交通が比較的困難な道路である。細街路は、住宅街の中などにある場合が多く、車両が走行する場合に周囲の歩行者等との接触に十分注意する必要がある。
道路が細街路であるか否かの判断は、たとえば、地図データから道路幅情報を読み出したり、画像認識によって道路の幅を算出して、所定幅以下である場合に細街路であると判断する。また、たとえば、地図データに含まれる道路の平均交通量情報を読み出したり、通信I/F310を介して道路の平均交通量情報を受信して、平均交通量が所定数以下である場合に細街路であると判断してもよい。なお、平均交通量は時間帯ごとに変化する可能性が高いため、車両が走行する時間帯の平均交通量情報を用いて細街路であるか否かを判断してもよい。さらに、地図データの道路種別情報に細街路であるか否かの情報がある場合には、当該情報を用いてもよい。
道路が細街路である場合(ステップS408:Yes)、疑似エンジン音出力装置300は、ステップS410に移行する。一方、道路が細街路でない場合(ステップS408:No)、疑似エンジン音出力装置300は、ステップS413に移行する。
また、ステップS407において、車両が走行している道路が片側1車線以下の道路ではない場合(ステップS407:No)、すなわち片側に複数の車線がある場合、疑似エンジン音出力装置300は、車両が走行している車線が複数の車線のうち最も外側の車線であるか(最外車線を走行しているか)否かを判断する(ステップS409)。これは、片側に複数の車線がある道路では、最も外側の車線のさらに外側に2輪車が走行していたり、歩道が設けられている場合が多く、接触などの危険性があるためである。
なお、車両が最外車線を走行している場合、疑似エンジン音出力装置300は、交差点の有無にかかわらず常時エンジン音を出力するようにしてもよい。片側に複数の車線がある道路は比較的大きな道路であり、細街路と比較して周囲に対する騒音の影響が低い。一方、このような道路では、車両や2輪車などが比較的高速で走行している可能性が高く、走行中の接触は大きな事故につながる可能性がある。車両が最外車線を走行している場合に常時エンジン音を出力することによって、このような走行中の事故を未然に防ぐことができる。
車両が最外車線を走行している場合(ステップS409:Yes)、および車両が走行している道路が細街路である場合(ステップS408:Yes)、疑似エンジン音出力装置300は、車両の周囲に対して疑似エンジン音を出力する(ステップS410)。疑似エンジン音出力装置300は、交差点を通過するまで(ステップS411:No)、ステップS410に戻り、疑似エンジン音の出力を継続する。そして、交差点を通過すると(ステップS411:Yes)、疑似エンジン音の出力を停止する(ステップS412)。
一方、車両が最外車線を走行していない場合(ステップS409:No)、および車両が走行している道路が細街路ではない場合(ステップS408:No)、疑似エンジン音出力装置300は、疑似エンジン音の出力をおこなわず、ステップS413に移行する。
車両が走行を終了するまで(ステップS413:No)、疑似エンジン音出力装置300は、ステップS402に戻り、以降の処理をくり返す。そして、車両が走行を終了すると(ステップS413:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
図5は、疑似エンジン音の出力タイミングを模式的に示す説明図である。車両Cは道路Rを走行しており、車両Cの進行方向前方には交差点Pが位置する。車両Cは、交差点Pとの距離が所定距離(たとえば、距離D0)以下になった場合に疑似エンジン音の出力を開始する。図5においては、車両Cが位置M1に位置する場合は、交差点Pとの距離が距離D0より長い距離D1であるため、疑似エンジン音の出力はおこなわない。一方、車両Cが位置M2に位置する場合は、交差点Pとの距離が距離D0以下の距離D2であるため、疑似エンジン音の出力をおこなう。
なお、距離D0は、一律に定める他、たとえば、車両Cの走行速度や走行時の時刻、天候、道路Rの幅などを考慮して決定してもよい。具体的には、たとえば、走行速度が速いほど距離D0の長さを長くしたり、早朝や夜など車両Cの周囲が暗い時間帯や悪天時(降雨雪時、強風時など)などに距離D0の長さを長くしたりする。また、道路Rの幅が狭いほど距離D0の長さを長くしてもよい。
また、疑似エンジン音の出力をおこなうか否かについても、たとえば、車両Cの走行速度や走行時の時刻、天候、道路Rの幅などを考慮して決定してもよい。具体的には、たとえば、車両Cの走行速度が所定速度以上の場合は疑似エンジン音の出力をおこない、所定速度未満の場合は疑似エンジン音の出力をおこなわないようにしたり、早朝や夜など車両Cの周囲が暗い時間帯や悪天時などには疑似エンジン音の出力をおこない、これ以外の場合は疑似エンジン音の出力をおこなわないようにしたりしてもよい。
また、車両Cと交差点Pとの距離が距離D0以下になってから、車両Cが交差点Pを通過するまでの間、疑似エンジン音の出力音量や出力形態を変化させてもよい。たとえば、車両Cと交差点Pとの距離が縮まるほど出力音量を大きくしたり、出力音の周波数を高くしたり、音の発生間隔を短くしたりする。これにより、周囲の歩行者等に車両Cの存在をより確実に報知することができる。
さらに、交差点Pにおける信号機の有無を考慮して疑似エンジン音の出力をおこなってもよい。具体的には、たとえば、交差点Pに信号機がない場合には疑似エンジン音の出力をおこない、信号機がある場合には疑似エンジン音の出力をおこなわないようにする。信号機のない交差点では、交差する道路からの飛び出しなどの危険性が高いためである。
なお、本実施例では、疑似エンジン音を出力することによって車両の存在を報知するものとしたが、これに限らず、たとえばクラクション音やその他の電子的な発信音を出力することによって車両の存在を報知してもよい。
以上説明したように、疑似エンジン音出力装置300は、車両が走行している道路の車線数情報および車両の走行位置情報に基づいて車両の外部に疑似エンジン音を出力する。具体的には、たとえば、車両が走行する道路の車線数が片側1車線以下である場合に疑似エンジン音を出力する。片側1車線以下の比較的道幅が狭い道路では、車両と歩行者等との距離が短く、接触などの危険性が高い。このような道路で疑似エンジン音を出力することにより、車両と歩行者等との接触や衝突などの危険性を低減することができる。
一方、疑似エンジン音出力装置300は、所定の条件に合致する場合(たとえば、車両が走行する道路が片側1車線以下である場合や、交差点との距離が所定距離以下になった場合など)にのみ疑似エンジン音を出力する。このため、常時疑似エンジン音を出力する場合と比較して、疑似エンジン音が騒音となってしまう可能性を低減することができ、騒音が少ないという電気自動車の利点を損なうことなく、安全性を向上させることができる。また、疑似エンジン音出力装置300において、道路の幅や交通量に基づいて細街路であるか否かを判断し、疑似エンジン音の出力制御するようにすれば、疑似エンジン音の出力頻度をさらに低減することができる。
また、疑似エンジン音出力装置300は、車両が走行する道路の車線数が片側1車線より多い場合、車両が最も外側に位置する車線を走行している際に疑似エンジン音を出力する。片側に複数の車線がある道路では、最も外側の車線のさらに外側に2輪車が走行していたり、歩道が設けられている場合が多い。このような場所で疑似エンジン音を出力して2輪車や歩行者に車両の存在を報知することで、2輪車や歩行者との接触などの危険を回避することができる。
また、疑似エンジン音出力装置300は、車両と交差点との距離が所定距離以下になった際に疑似エンジン音を出力する。交差点では、交差する道路から他の移動体が飛び出してきたり、同じ道路を移動する他の移動体が車線側に移動する可能性が高く、接触や衝突などの危険性が高い。疑似エンジン音出力装置300によって、交差点付近で疑似エンジン音を出力することにより、交差点における接触や衝突などの危険性を低減することができる。
また、疑似エンジン音出力装置300において、交差点に信号がない場合にのみ疑似エンジン音を出力することとすれば、疑似エンジン音が騒音となり得る箇所での疑似エンジン音の出力頻度をさらに低減できるとともに、接触や衝突などの危険性が特に高い、信号がない交差点における安全性を向上させることができる。
なお、本実施の形態で説明した警告音発生方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
100 警告音出力装置
101 道路情報取得部
102 位置情報取得部
103 出力部

Claims (4)

  1. 車両の外部に向けて警告音を出力するスピーカ部に、音声データを供給する警告音出力制御装置であって、
    前記車両が走行している道路の車線数情報を取得する道路情報取得手段と、
    前記車両の走行位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    前記車線数情報と前記走行位置情報とに基づいて、前記車両の外部に出力する警告音を制御する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする警告音出力制御装置。
  2. 車両の外部に向けて警告音を出力するスピーカ部に、音声データを供給する警告音出力制御装置における警告音出力制御方法であって、
    前記車両が走行している道路の車線数情報を取得する道路情報取得工程と、
    前記道路における前記車両の走行位置情報を取得する位置情報取得工程と、
    前記車線数情報と前記走行位置情報とに基づいて、前記車両の外部に出力する警告音を制御する出力工程と、
    を含んだことを特徴とする警告音出力制御方法。
  3. 請求項2に記載の警告音出力制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする警告音出力制御プログラム。
  4. 請求項3に記載の警告音出力制御プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
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