JP4677618B2 - 加温体 - Google Patents

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Description

本発明は、身体の顔面その他の肌に接触させて肌を適度な温度で加温する加温体に関する。
身体に装着して身体を暖める加温体として、酸素が与えられたときに発熱する発熱体を備えたものがある。また特許文献1には、発熱体から発せられる水蒸気を肌に与えることができる身体装着用の加温体が開示されている。
特許文献1に記載の加温体は、金属紛と水分および塩類を含む発熱体を有している。酸素と水蒸気を透過する透湿性外袋の内部に発熱体が収納されており、肌に向けられる側では、透湿性外袋と発熱体との間に、織布、不織布、紙、多孔性フィルム、穿孔を有する発泡プラスチックなどで形成された温度調節材が介在している。
加温体が密封袋から取り出されると、透湿性外袋と温度調節材を通して酸素が発熱体に与えられ、発熱体が金属紛の酸化反応によって発熱して発熱体内の水分が蒸発し、水蒸気となって温度調節材および透湿性外袋を通過して肌に与えられる。
また、以下の特許文献2にも同様の加温体が開示されている。特許文献2に記載の加温体は、ほぼ正方形の2つの発熱体の表面に、紙および不織布から成る温度調整材が重ねられ、さらにこれらが透湿性不織布の外袋内に収納されている。この加温体は、2つの発熱体の部分を両目に対向させながら顔面に当てがい、目の周囲に水蒸気を与えるというものである。
特開平11−342147号公報 特開2002−78728号公報
特許文献1および特許文献2に記載の加温体は、発熱体が、酸素と反応して酸化する金属紛を主体として構成されているため、発熱体の剛性がきわめて高く、発熱体自体を身体の凹凸形状に倣うように変形させるのは難しい。
特許文献1に記載の加温体は、長方形の透湿性外袋の内部のほぼ全域に長方形状の発熱体が配置されている構造であるため、加温体全体が変形しにくく、この加温体を身体の肌に当てたときに、その一部のみしか肌に接触させることができず、発熱体から発せられる熱および水蒸気を肌に十分に与えることが難しい。
また、特許文献1には、長方形状の透湿性外袋内に複数の矩形状の発熱体が間隔を空けて収納されたものが開示されている。同様に、特許文献2にも長方形の透湿性外袋の内部に、矩形状の発熱体が距離を空けて収納されているものが開示されている。このように発熱体を間隔を空けて配置すると、身体装着用加温体全体が変形しやすくなって、個々の発熱体が身体の肌の表面に当たりやすくなる。
しかしながら、個々の発熱体は金属粉を主体とし、それ自体の質量がかなり大きいため、隣り合う発熱体の間が単に不織布などによって連結されているものであると、発熱体どうしをしっかりと支持するのが難しく、身体に装着するときに加温体どうしが捩れるなどして平坦な状態を保ちにくい。すなわち、身体に装着するときに、加温体全体がその形状を維持しにくく、よって身体に装着しにくく、また装着の後も形状が変形しやすい。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、発熱体が間隔を空けて設けられているものにおいて、全体の形状を維持しやすく、肌の起伏になじませやすい加温体の提供を目的にしている。
本発明は、上下方向と、その上下方向に直交する幅方向とを有し、肌に接触させる第1表面シートと前記第1表面シートの反対側に位置する第2表面シートとの間に発熱体が介在しており、前記第1、第2表面シートの少なくとも一方が酸素透過性であり、前記発熱体が酸素を供給されると発熱するものであり、鼻を覆うように顔面の肌に接触させて使用する加温体を対象にしている。
かかる加温体において前記第1、第2表面シートと前記発熱体とを含む加熱部が複数形成されるとともに、隣り合う前記加熱部どうしの間にシート材料として少なくとも前記第1、第2表面シートを含み前記発熱体を含むことのない非加熱部が形成されており、前記加熱部では、前記第1表面シートと前記発熱体との間および前記第2表面シートと前記発熱体との間のいずれかに発泡樹脂シートが介在しており、前記非加熱部は、前記第1、第2表面シートの間に前記発泡樹脂シートが介在していて、各シートを加圧して熱溶着することによってこれらシートが互いに重なり合う方向から圧縮された状態にあり、かつ、前記加温体において特に折り曲げ容易な部位である薄肉シート部として形成され、薄肉シート部には、前記上下方向に延びる中心線に沿った中央変形部と、前記中心線の両側のそれぞれにおいて、上方に向かうにしたがって前記中心線に徐々に接近するように傾斜する側方変形部とが含まれ、前記加熱部には、前記中央変形部と前記側方変形部とのそれぞれの間に位置する内側加熱部が含まれていること、がこの発明の特徴である。
本発明の実施態様において、前記第1表面シートは水蒸気を透過可能で、前記発熱体は水蒸気を発生するものであり、前記第1表面シートと前記発熱体との間に、多数の貫通孔を有して前記水蒸気を透過可能な発泡樹脂シートを介在させることができる。
本発明の実施態様において、前記第2表面シートと前記発熱体との間に、前記水蒸気を透過しない発泡樹脂シートを介在させることもできる。
本発明の他の実施態様において、前記貫通孔は、前記発熱体に対向している前記発泡樹脂シートの内面での開口面積が小さく、前記第1表面シートに対向している前記発泡樹脂シートの外面での開口面積が大きい
本発明の他の実施態様において、前記非加熱部では、前記非加熱部を形成している各シートがエンボス加工されている。
本発明の他の実施態様において、前記非加熱部の曲げ剛さ(B値)が、0.3〜1.0mN・cm/cmの範囲にある。
本発明の他の実施態様において、前記非加熱部の曲げ回復特性(2HB値)が、0.4〜1.6mN・cm/cmの範囲内にある。
本発明に係る加温体は、非加熱部が圧縮状態にある発泡樹脂シートを含むことによって、適度な剛性と弾性復元力とを有する変形可能な部位となり得る。加熱部は、発泡樹脂シートを含むので、このシートが温度調節材や断熱材として機能する。
加熱部における発泡樹脂シートが貫通孔を有するものである場合には、発熱体で発生する水蒸気をその貫通孔を介して加温体使用者の肌に供給することができる。
第2表面シートと発熱体との間に水蒸気を透過しない発泡樹脂シートが介在している態様の加温体では、その第2表面シートに手を当てても、その手が熱くなることがない。
非加熱部を形成しているシートが、その非加熱部で熱溶着しているか、エンボス加工を施されている態様の加温体では、その非加熱部の剛性を適度に高めることが容易になる。
非加熱部の曲げ剛さ(B値)が0.3〜1.0mN・cm/cmである態様の加温体は、それを顔面に当てたときに、顔面の起伏になじみやすい。
非加熱部の曲げ回復特性(2HB値)が0.4〜1.6mN・cm/cmである態様の加温体は、非加熱部において極端に折れ曲がることがなく、扱いやすい。
本発明の実施の形態の加温体を肌側表面から示す正面図。 図1のII−II線の断面図。 図2の加温体の構成要素を示す分解断面図。 実施の形態の他の一例である加温体の構成要素を示す分解断面図。 図2の部分拡大断面図。 顔面に対して使用された状態の加温体の正面図。 顔面に対して使用された状態の加温体の側面図。
符号の説明
1 加温体
4 第1表面シート
5 第2表面シート
11 加熱部(右内側加熱部)
12 加熱部(左内側加熱部)
13 加熱部(右外側加熱部)
14 加熱部(左外側加熱部)
15 非加熱部(薄肉シート部)
16 非加熱部(中央変形部)
17 非加熱部(右側方変形部)
18 非加熱部(左側方変形部)
31 発熱体
32 発泡樹脂シート(温度制御層)
33 発泡樹脂シート(断熱層)
34 貫通孔
図1は本発明の実施の形態である加温体を第1表面シートが手前になるようにして示す加温体の正面図、図2は図1に示す加温体のII−II線での部分断面図、図3と図4は各実施態様の加温体の構造を示す分解断面図、図5は図2の一部を拡大した拡大部分断面図、図6と図7は、加温体を顔面に当てたときの状態を示す図である。
図1に示す加温体1は、顔に当てて、蒸しタオルのようにして使用するものの一例であって、手前に向けられている側が肌側表面2であり、これと反対の側が非肌側表面3である(図2を併せて参照)。この加温体1は、肌側表面2を肌に当てて使用するものである。そのため、肌側表面2と非肌側表面3とで、外部から見たときの色や色調のいずれかに違いをつけておくことが好ましい。例えば、肌側表面2を薄い水色、黄色、赤色など白色以外の色とし、非肌側表面3を白色にしておくと、使用者は着色されている側が肌側表面2であると認識しやすくなる。
この加温体1は、図6および図7に示すように、顔面の面積の半分近くを覆うことができるものであることが好ましい。中心線O−Oに沿う方向の長さ寸法は、少なくとも目の下から口までを覆えるように80mm以上で、さらに好ましくは100mm以上であるが、その最大値は例えば180mm以下である。また、中心線O−Oと直交する方向での幅寸法は、両頬を同時に覆うことができるように150mm以上で、好ましくは200mm以上であるが、その最大値は例えば320mm以下である。
図1において、この加温体1は、顔の上下方向に一致する上下方向と、その上下方向に直交する幅方向とを有し、幅方向の寸法を二等分して上下方向に延びる中心線O−Oに関して左右対称である。加温体1は、その上方に幅方向へ延びる上縁6を有し、その上縁6は、中心線O−Oを挟んで左右に均等に広がる領域に、上方に向かって凸曲線を画く凸部6aを有する。上縁6と対向する側の下縁7は、中心線O−Oを挟んで左右に均等に広がる領域に、上方に向かって凸曲線を画く凹部7aを有する。また、加温体1の右側縁8と左側縁9は、左右両側へ突出する凸曲線を画いている。
図1に示すように、加温体1は、肌側表面3に向って中心線O−Oの右側に右内側加熱部11が、中心線O−Oの左側に左内側加熱部12が形成されている。右内側加熱部11のさらに右側には、右外側加熱部13が形成され、左内側加熱部12のさらに左側には、左外側加熱部14が形成されている。
右内側加熱部11は、区画線21で囲まれた領域である。区画線21は、中心線O−Oと平行な内側直線部21aと、右側傾斜基準線L1と平行な外側直線部21bとを有し、さらに上方に向かって凸曲線を画く上部線部21cと下方へ向かって凸曲線を画く下部線部21dとを有している。左内側加熱部12は、区画線22で囲まれた領域である。この区画線22も、中心線O−Oと平行な内側直線部22a、左側傾斜基準線L2と平行な外側直線部22b、上部線部22cおよび下部線部22dを有している。
右外側加熱部13は区画線23で囲まれた領域である。区画線23は、右側傾斜基準線L1と平行な直線部23aと曲線部23bとを有している。同様に、左外側加熱部14は、区画線24で囲まれた領域である。区画線24は、左側傾斜基準線L2と平行な直線部24aと、曲線部24bとを有している。
右内側加熱部11と左内側加熱部12は、中心線O−Oに関して左右対称である。また、右外側加熱部13と左外側加熱部14は、中心線O−Oに関して左右対称である。
加温体1は、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14以外の領域が、発熱体31(図2参照)を有しておらず、発熱および水蒸気の発生機能を持たない非加熱部として扱われる薄肉シート部15である。この薄肉シート部15では、加温体を構成しているもののうちで発熱体31を除く各構成部材が一緒に加圧され溶着されて一体化している。この薄肉シート部15は、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14に比べて曲げ剛性が低くなっており、且つ曲げに対する弾性回復性を有している。また、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14は、薄肉シート部15で囲まれている。
図1に示すように、右内側加熱部11と左内側加熱部12とに挟まれて中心線O−Oに沿って延びる部分には、非加熱部である薄肉シート部15によって中央変形部16が形成されている。また、右内側加熱部11と右外側加熱部13とに挟まれて右側傾斜基準線L1に沿って延びる部分には、非加熱部である薄肉シート部15によって右側方変形部17が形成されている。同様に、左内側加熱部12と左外側加熱部14とで挟まれて左側傾斜基準線L2に沿って延びる部分には、非加熱部である薄肉シート部15によって左側方変形部18が形成されている。
右側方変形部17の幅寸法および左側方変形部18の幅寸法は、中央変形部16の幅寸法よりも狭くなっている。右側傾斜基準線L1と左側傾斜基準線L2は、右側方変形部17と左側方変形部18との幅方向の中央部を通る直線であり、上方に向かうにしたがって中心線O−Oに徐々に接近するように傾斜しており、加温体1の外側で中心線O−Oと交差している。右側傾斜基準線L1と中心線O−Oとの成す角度θおよび左側傾斜基準線L2と中心線O−Oとの成す角度θは、共に10度以上で45度以下が好ましい。
右側傾斜基準線L1と上縁6との交点を上部変形基準点25aとし、左側傾斜基準線L2と上縁6との交点を上部変形基準点25bとし、上部変形基準点25a,25b間の横方向の間隔をW1とする。また、右側傾斜基準線L1と下縁7との交点を下部変形基準点26a、左側傾斜基準線L2と下縁7との交点を下部変形基準点26bとし、下部変形基準点26a,26b間の横方向の間隔をW2とする。間隔W1は間隔W2よりも短く、間隔W1は50〜120mmの範囲が好ましく、間隔W2は100〜220mmの範囲が好ましい。
図1に示すように、中央変形部16には、通気部27が形成されている。この実施の形態では、中央変形部16を形成する薄肉シート部15を、肌側表面2から非肌側表面3にかけて貫通するように切り取ることによって通気部27が形成されている。通気部27の横方向の開口幅寸法Aは、中央変形部16の幅寸法未満であればよい。例えば開口幅寸法Aの最大値は40mm程度にすることができ、さらに好ましくは30mm程度にすることができる。通気部27は、中央変形部16にスリットを入れることによって形成することもできる。そのときの開口幅寸法Aは、0mmである。
通気部27の上下方向の長さ寸法Bは、例えば20mm以上で100mm以下である。また通気部27は、上下方向へ間欠的に設けられていてもよいが、そのときの通気部27は、上下両端にあるものの間の寸法を20〜100mmにする。
図2および図3に示すように、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14の内部には、発熱体31が設けられている。この発熱体31は、鉄、アルミニウム、亜鉛などの酸化しやすい金属粉と水、および金属粉を酸化させるための塩類を含んでいる。塩類は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどである。さらに金属粉の酸化を促進させるために、活性炭、カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料を含んでもよい。さらには、水分を長時間保持できるように、バーミキュライト、珪酸カルシウム、シリカゲル、シリカなどの保湿剤を含んでもよい。
発熱体31は、それに酸素が与えられると、金属粉が酸化してそのときの酸化熱によって80℃程度またはそれ以上に上昇する。この酸化熱により、発熱体31内の水分が蒸発し水蒸気が発生する。
発熱体31は、各成分を混合し、それをローラで加圧してシート状にしたものであることが好ましい。また、発熱体31には、シートの形態を維持するために効果のある樹脂材料や接着剤、繊維などを含ませてもよい。
図3における発熱体31はシート状のもので、このようなシート状の発熱体31を使用するときには、粉末状の発熱体31を使用するときのように発熱体31を被覆シート45,46(図4参照)で包む必要がない。シート状の発熱体31の表面には温度制御層32を直接重ね、その温度制御層32には第1表面シート4を直接重ねることができる。この構成の加温体1であると、発熱体31の表面全域に酸素を速やかに与えることができる。そのようにして酸素が与えられた発熱体31は、短時間のうちに発熱し、速やかに水蒸気を発生する。発熱体31から肌へ向かって移動する水蒸気は、その移動が被覆シート45,46によって妨害されることがなく、速やかに温度制御層32と第1表面シート4とを通過して肌に供給されるため、多くの水蒸気を肌に供給できるようになる。
図2と図3に示す実施の形態の加温体1では、第1表面シート4と発熱体31との間に温度制御層32が挟まれている。また、第2表面シート5と発熱体31との間に断熱層33が挟まれている。
この加温体1における第1表面シート4、第2表面シート5、温度制御層32、および断熱層33は、加温体1の全体の形状および面積と同じ形状および面積を有している。そして、加温体1は、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14以外の領域で、第1表面シート4、第2表面シート5、温度制御層32、および断熱層33が密着して薄肉シート部15を形成している。その薄肉シート部15では、図5に示すように、多数のエンボス部35が形成されており、主にこのエンボス部35において薄肉シート部15における各構成要素が加圧加熱されて溶着し、一体化している。
図1に示すように、エンボス部35は細かなクロスパターンで形成されており、このエンボス部35は、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14以外の薄肉シート部15の全域に形成されている。なお、エンボス部35のパターン形状は任意であり、ドット状や波形の曲線状などであってもよい。
薄肉シート部15の曲げ剛さ(B値)は、0.3〜1.0mN・cm/cmの範囲であることが好ましい。曲げ剛さ(B値)は、値が小さいほど曲げ剛性が低く、値が大きくなると曲げにくくなる。曲げ剛さ(B値)が前記数値範囲であると、この薄肉シート部15によって形成されている中央変形部16は、それに通気部27が設けられていないか、または設けられていても開口面積が小さなものである場合には、その中央変形部16が適度な曲げ剛さを有し、質量の大きい右内側加熱部11と左内側加熱部12とを簡単にねじれることがないようにしっかり支持して連結することができる。同様に、右側方変形部17によって右内側加熱部11と右外側加熱部13をしっかり支えることができ、左側方変形部18によって左内側加熱部12と左外側加熱部14を互いにしっかり支えることができる。
また、薄肉シート部15の曲げ回復特性(2HB値)が、0.4〜1.6mN・cm/cmの範囲内であることが好ましい。曲げ回復特性(2HB値)は、その値が小さいほど、曲げたときの弾性回復性が良好になる。曲げ回復特性(2HB値)が前記数値範囲であると、この薄肉シート部15によって形成されている中央変形部16が、それに通気部27が設けられていないか、または設けられていても開口面積が小さいものである場合には、適度な曲げ回復性を発揮し、質量の大きい右内側加熱部11と左内側加熱部12とをしっかり支持することができる。同様に、右側方変形部17によって右内側加熱部11と右外側加熱部13をしっかり支えることができ、左側方変形部18によって左内側加熱部12と左外側加熱部14を互いにしっかり支えることができる。なお、中央変形部16は、それに通気部27が形成されていること等によって曲げ剛さや曲げ回復特性の値が低くて、曲がり易いものである場合には、図1の加温体を中心線O−Oに沿って二つに折り重ねることが容易になるというメリットがある。
第1表面シート4には、多毛シートを使用することができる。この多毛シートは、酸素および水蒸気を透過可能な基材シート41の外面41a(図3参照)、すなわち加温体使用者の肌と向かい合う表面から、多数本の短繊維42がほぼ一様な高さで突出しているものである。この多毛シートには、織布または不織布からなる基材シート41に、多数本の短繊維42を埋め込んだり、または多数本の短繊維42をそれら織布や不織布を構成する繊維に絡ませたものを使用することができるが、好ましくは植毛シートを使用する。
植毛シートは、基材シート41の外面41aに、多数本の短繊維42を接着剤で接着固定することにより形成される。短繊維42を接着して植毛する方法として、静電植毛法を採用することができる。この静電植毛法では、短繊維42の表面に珪酸ソーダなどの導電性物質を塗工し、あるいは短繊維42に導電性物質を練り込んで、短繊維42を導電処理する。次に、基材シート41と短繊維42とに互いに電位差を有する電荷を与え、すなわち基材シート41と短繊維42との間に電圧を与えることにより、帯電した短繊維42が基材シート41の外面41aでほぼ垂直な姿勢をとり、接着剤によって外面41aに固定される。
基材シート41は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP),ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(Ny)などの合成樹脂の少なくとも一種で形成された繊維、またはレーヨン繊維や天然繊維(例えばパルプ)などで形成された不織布であり、その不織布は、例えばスパンボンド法、ポイントボンド法、スパンレース法、スルーエア法などで形成される。
短繊維42は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP),ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(Ny)などの合成樹脂の少なくとも一種で形成された繊維、またはレーヨン繊維などである。短繊維42の繊度は0.11〜3.3dtex程度の細いものが好ましく、基材シート41の外面41aからの短繊維42の突出寸法は0.3mm以上で5mm以下が好ましく、さらには0.5mm以上で2mm以下であることが好ましい。また、基材シート41の外面41aの1cmあたりの短繊維42の本数は、100本〜1万本程度であるが、この範囲に限られるものではない。基材シート41からの短繊維42の突出寸法が前記範囲内であると、第1表面シート4が肌に接触したときに、基材シート41と肌との間に適度な空隙を形成しやすくなる。
温度制御層32は、内部に独立した気泡が散在している発泡樹脂シートで形成されており、そのシートには、例えば発泡倍率が10〜50倍程度の発泡ポリエチレン樹脂シートまたは発泡ポリウレタン樹脂シートなどがある。温度制御層32には、酸素と水蒸気とが通過可能な多数の貫通孔34が形成されている。この貫通孔34は、発熱体31と向かい合っている内面32bにおける開口径D2よりも、第1表面シート4と向かい合っている外面32aでの開口径D1の方が大きくなるように作られている。
温度制御層32は、発熱体31から発生した水蒸気の温度を少なくとも10℃以上低下させ、好ましくは20℃以上低下させる厚み寸法を有しており、その厚み寸法は例えば1〜5mmの範囲にある。温度制御層32の内面32bでの貫通孔34の開口径D2は、0.1〜2mmの範囲であり、好ましくは0.1〜1mmの範囲である。内面32bでの貫通孔34の開口面積率は、5〜30%程度である。
第2表面シート5は、水蒸気を透過させない非通気性シートであるか、または、第1表面シート4よりも水蒸気の透過率が低いものである。図3,4の第2表面シート5は、エアーレイド法、スパンボンド法、ポイントボンド法などで形成された不織布5aの内面に、ポリエチレン樹脂などで形成された非通気性樹脂フィルム5bがラミネートされている。
断熱層33は、貫通孔を有していない発泡ポリエチレン樹脂シートまたは発泡ウレタン樹脂シートであり、内部に独立した気泡が散在している。この断熱層33は、水蒸気を透過させない非通気性のものであるが、温度制御層32よりも水蒸気の透過率が低いものにすることもできる。断熱層33の厚み寸法は、0.5〜4mm程度であり、好ましくは0.5〜2mm程度である。この断熱層33の断熱効果により、発熱体31が発熱しても加温体1の非肌側表面3が高温になるのを防止できる。それゆえ、加温体1を使用中に、非肌側表面3を手で支えても、手が異常に熱くなることはない。
図4は、実施の形態の一例である加温体1Aの層構造を示している。この加温体1Aでは、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14に設けられている発熱体31Aが、シート状に成形されておらず、互いに独立している金属粉等の粉体を単に集合させたものであって、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14において、発熱体31Aが被覆シート45,46で包まれている。被覆シート45,46は、金属粉等の粉体を通過させることなく、酸素および水蒸気を透過させることができるものであり、不織布や織布、通気性の紙、通気性の樹脂フィルムなどで形成されている。
このように形成される加温体1は、酸素を透過させない非通気性の樹脂フィルムなどで形成された密封袋に封入されて使用者に供給される。
その密封袋を開封して加温体1を取り出すと、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14内に設けられた発熱体31に大気中の酸素が供給されて、金属粉が酸化反応し、そのときの酸化熱により発熱体31に含まれている水分が蒸発する。その水蒸気は、温度制御層32および第1表面シート4を透過して第1表面シート4の外へ出て肌に供給されるが、第1表面シート4の反対側にある非通気性樹脂フィルム5bで形成されている第2表面シート5では透過を阻止されて外に出ることがない。
図6および図7に示すように、加温体1は、肌側表面2が人体の肌に接するようにして使用される。発熱体31は、金属粉の酸化熱により80℃前後あるいはそれ以上の温度となるが、この発熱体31を覆っている温度制御層32は、内部に多数の独立気泡が形成された発泡樹脂シートであるため、発熱体31の熱が直接に肌に伝わることがなく、肌の温度が異常に高くなるのを防止できる。
また、発熱体31から発生する水蒸気の温度は80℃前後あるいはそれ以上になることがあるが、この水蒸気は、温度制御層32の貫通孔34を通過し、さらに第1表面シート4を透過する間に冷却されて、例えば基材シート41の外面41aにおいて60℃またはそれ以下の温度になり得る。図3に示すように、温度制御層32には、発熱体31と向かい合う内面32bでの開口径D2および開口面積率が小さく、肌と向かい合う外面32aでの開口径D1および開口面積率が大きくなっている。D1/D2は、例えば1.2〜5の範囲にある。発熱体31から発生する水蒸気は、各貫通孔34に分散して供給され、貫通孔34の内側では径方向に拡散する間に温度の低下が進む。また、温度制御層32の外面32aでは貫通孔34の開口径D1が広げられているため、水蒸気は第1表面シート4に沿って広く拡散する傾向にある。
加温体1の肌側表面2では、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14が肌側に向かって薄肉シート部15よりも隆起しているため、加温体1を顔面などに当てると、薄肉シート部15は肌に接触しにくく、隆起している加熱部11,12,13および14が肌に接触する。このように加熱部11,12,13および14が肌に密着しやすいため、水蒸気を肌に無駄なく供給できるようになる。これら加熱部11,12,13,14の肌側表面2を形成する第1表面シート4は、基材シート41の外面41aから多数本の短繊維42が突出している多毛シートである。第1表面シート4が多数本の短繊維42を介して肌に当たることにより、肌が接触したときの感触がソフトなものとなる。
また、短繊維42が存在することにより、基材シート41の外面41aと肌との間にわずかな距離の空間が形成される。よって、基材シート41を通過する水蒸気の温度が例えば50℃またはそれ以上であっても、水蒸気がその空間を介して肌に供給されるため肌への刺激を抑制でき、肌が高い温度を感じるのを防止できるようになる。また基材シート41と肌との間にある水蒸気は、その空間の中で拡散する傾向にあり、この拡散によっても肌に与える熱の刺激を抑制できる。水蒸気が拡散することで、肌の表面にまんべんなく水蒸気を供給することができ、肌への加湿効果を高めることができる。
特に、第1表面シート4が静電植毛法で形成されたものであると、多数本の短繊維42が、基材シート41の外面41aからほぼ垂直姿勢で突出するので、第1表面シート4を肌に当てたときに、短繊維42を介して、基材シート41と肌との間に空隙を形成しやすくなる。また、短繊維42を基材シート41に固着している接着剤としてウレタン系のホットメルト型接着剤を用いていると、この接着剤が耐熱性に優れているため、水蒸気の温度によって短繊維42が脱落しにくくなる。
このように、第1表面シート4に設けられた多数本の短繊維42が、水蒸気の温度を低下させ、また水蒸気を拡散させる機能を発揮できるので、水蒸気の温度を下げるために特に厚い温度制御層32を必要とするということがない。そのため、発熱体31から発生する水蒸気を、肌に多く供給することができる。
また、図5に示すように、右内側加熱部11は、その周囲が区画線21により区画されている。この区画線21の外側には、薄肉シート部15が形成されている。すなわち、区画線21は、その位置よりも内側において、第1表面シート4、第2表面シート5、温度制御層32および断熱層33が薄肉シート部15を形成するときのような加圧を受けていないことを示す境界線を意味している。
右内側加熱部11ではまた、区画線21の内側の幅寸法Waを有する内側周縁領域で、発泡樹脂シートで形成された温度制御層32と断熱層33とが互いに密着して存在し、発熱体31が区画線21に接近することを阻むように形成されている。幅寸法Waは、例えば0.3〜5mmの範囲である。幅寸法Waの領域を設けると、発熱体31を形成する金属粉が酸化して赤茶色の酸化物を形成したときに、その酸化物の色が区画線21の部分に滲み出るのを防止できる。
例えば、幅寸法Waの領域に温度制御層32と断熱層33とが存在していないと、金属粉の酸化物(錆びの層)が、水に溶解して加圧されて繊維密度が高くなっている区画線21の方に導かれ、右内側加熱部11の周囲が区画線21に沿って赤茶色を帯び、使用者がその色を直接に見ることになって、不安感、不快感を覚えることがある。しかし、図5に示す実施の形態では、区画線21の内側で互いに密着している温度制御層32と断熱層33とが、酸化物を溶解して着色した水分が区画線21に向かって流れることを防止することができる。したがって、区画線21は、赤茶色になりにくい。
図5の断面構造で得られる効果は、左内側加熱部12の区画線22、右外側加熱部13の区画線23、および左外側加熱部14の区画線24においても同様に得ることができる。
図6は、顔面に当てた加温体1の正面図、図7はその側面図である。
加温体1は、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14が発熱体31を有しており、その部分は厚さが厚くて剛性が高く、曲がりにくくなっている。ただし、右内側加熱部11と左内側加熱部12の間の中央変形部16は、中心線O−Oを介して折れ曲がりやすくなっており、さらに右内側加熱部11と右外側加熱部13との間の右側方変形部17および、左内側加熱部12と左外側加熱部14との間の左側方変形部18も曲がりやすくなっている。
したがって、右内側加熱部11、左内側加熱部12、右外側加熱部13および左外側加熱部14のそれぞれは、起伏の覆い顔面に対して、互いに拘束されることなく、独立して接触することが可能である。
また、中央変形部16と右側変形部17および左側変形部18を形成している薄肉シート部15は、発泡樹脂シートで形成された温度制御層32と同じく発泡樹脂シートで形成された断熱層33が融着されて、曲げ剛さが適度でまた曲げによる弾性回復性を発揮できるようになっている。よって、密封袋から取り出したときに、金属粉を主体とする各加熱部11,12,13,14を、中央変形部16と右側変形部17および左側変形部18がしっかり支えることができ、加温体1が過度にねじれて、顔面に密着しにくくなるということがない。
図6に示すように、加温体1をその中心線O−Oが鼻筋と口の中央部に一致するように顔に当てると、比較的幅の広い中央変形部16の部分で加温体1が、鼻筋の部分から左右に折れ曲がる。さらに、上部変形基準点25aと上部変形基準点25bとが、目の下に位置する頬骨の上部付近に位置し、下部変形基準点26aと下部変形基準点26bとが、顎の下方の左右両側部(口よりもやや下方の左右両側部)に位置するようであると、そのときの加温体1は、右側傾斜基準線L1と左側傾斜基準線L2の部分から、顔面の起伏に倣うように折れ曲がるようになる。
また、右内側加熱部11と左内側加熱部12とが、鼻の左右両側で頬部に密着可能になる。右内側加熱部11と左内側加熱部12とが、共に上縁6に近づくにしたがって幅寸法が徐々に小さくなる形状であることは、これら両部11,12が鼻の左右両側で頬部に密着することを特に容易にしている。
さらに、右外側加熱部13と左外側加熱部14とは、頬の左右両側部から耳の近くにかけて密着できるようになる。
この加温体1の上縁6では、中心線O−Oの部分に凸部6aが形成されている。この凸部6aが鼻筋に当たることにより、水蒸気を、鼻の両側部に供給することができる。
また、中央変形部16で上下に細長く延びている通気部27は、鼻孔の近傍にまで延びており、さらに好ましくは口の前方にまで延びている。そのような加温体1は、これを顔に当てたときに、呼吸しやすく、着用者は息苦しさを感じることがない。
なお、図示例では、加温体1が顔面に当てて使用するのに適した形状のものであるとして説明したが、本発明に係る加温体は、顔面以外の身体の適宜の箇所に当てて使用することができるものである。
また、本発明の加温体は、第1表面シート4が水蒸気を透過しないものであってもよい。また、第1表面シート4と発熱体31との間、または第2表面シート5と発熱体31との間の、いずれか一方にのみ発泡樹脂シートが介在しているものであってもよい。
実験例と比較実験例
この発明の実験例として、各種の薄肉シート部15を製造し、そのものの曲げ剛さ(B値)と曲げ回復特性(2HB値)とを測定して、比較実験例のものの測定結果と比較した。
(1)実験例
(実験例1)
第1表面シート4の基材シート41として、低融点ポリプロピレン繊維で形成された目付けが23g/mのポイントボンド不織布を使用した。第2表面シート5を構成する不織布5aとして、パルプ繊維で形成され目付けが45g/mのエアレイド不織布を使用し、非通気性フィルム5bとして、目付けが19g/mのポリエチレン樹脂フィルムを用いた。
温度制御層32として、発泡倍率が30倍の発泡ポリエチレンシートで、厚みが3mm、内面32aでの貫通孔34の開口率が20%のものを使用した。断熱層33は、発泡倍率が30倍の発泡ポリエチレンシートで、厚みが1mmであり、貫通孔が形成されていないものを使用した。
前記各シートを重ねてエンボス加工により熱溶着して、この発明で使用する薄肉シート部15の例となる試料を製造した。
(実験例2)
温度制御層32として、発泡倍率が30倍の発泡ポリエチレンシートで、厚みが1mm、内面32aでの貫通孔34の開孔率が10%のものを使用した。その他は実施例1と同じものにして、薄肉シート部15の例となる試料を製造した。
(実験例3)
実験例2の薄肉シート部15から、断熱層33を除いた状態のものを製造し、これを薄肉シート部15とした。
(実験例4)
温度制御層32として、発泡倍率が30倍の発泡ポリエチレンシートで、厚みが2mm、内面32aでの貫通孔34の開孔率が10%のものを使用し、断熱層33がない状態の薄肉シート部15を製造した。
(実験例5)
実験例1の薄肉シート部15から断熱層33を除いたものを製造し、これを薄肉シート部15とした。
(2)比較実験例
(比較実験例1)
実験例1の薄肉シート部15から温度制御層と断熱層の発泡樹脂シートを除いたものを製造し、これを比較実験例1の薄肉シート部とした。
(比較実験例2)
実験例1の温度制御層として発泡倍率が30倍、内面32aでの開口率が10%、厚みが5mmの発泡ポリエチレンシートを使用し、実験例1の薄肉シート部に代えてこのポリエチレンシートを含む薄肉シート部を製造した。
比較実験例1の薄肉シート部に温度制御層として発泡倍率が30倍、厚みが3mmの発泡ポリプロピレンシートを使用し、薄肉シート部とした。
(3)評価
実験例および比較実験例それぞれの薄肉シート部について評価した結果は、次のとおりである。
(1)曲げ剛さ(B値)と弾性回復特性(2HB値)の測定
カトーテック株式会社製の自働化大型純曲げ試験機(KES−FB2−L)を使用する。各実験例薄肉シート部用シートを120mm×120mmに切断し、長手方向の両端部をチャックで保持してチャック間の試料長さを40mmとする。そして、前記サンプルを曲率変化速度が0.1cm−1/secで、曲率がプラス側に0.5cm−1でマイナス側に0.5cm−1となる範囲で正逆両方向へ湾曲させ、それぞれの方向への曲げに要した曲げモーメントのヒステリシス線図(横軸が曲率半径、縦軸が曲げに要した曲げモーメント)を得る。
曲率が0.1〜0.5cm−1の範囲で試料の表側が外に向くように曲げるときの前記ヒステリシス線図を直線に近似したときのこの直線の勾配が曲げ剛さ(B値:mN・cm/cm)である。また、曲率が0.2cm−1のときの曲げモーメントのヒステリシス量を曲げ回復特性(2HB値:mN・cm/cm)とする。その測定結果を以下の表1に示す。
Figure 0004677618
(2)屈曲角度の測定
図1の加温体であって、右内側加熱部の発熱体重量が9g、右外側加熱部の発熱体重量が11g、これら両発熱部の間の右側方変形部である薄肉シート部の幅が7mm、右外側加熱部における肌側表面の面積が45.4cmの加温体を作った。右内側加熱部を肌側表面が下になるようにして水平な板の上に載せるとともにその板の直線状エッジに薄肉シート部を一致させる一方、右外側加熱部をその板の外に出し、右外側加熱部が薄肉シート部を基点にして垂れ下がったときに、エッジを通る垂線と右外側加熱部との間の角度を薄肉シート部の屈曲角度として測定した。薄肉シート部には、実験例1−5および比較実験例1,2のそれぞれに対応する構造のものを使用した。測定結果は、表2のとおりであった。加温体が顔面に当てて使用するものである場合、この測定方法による屈曲角度は、25〜75°であることが好ましい。
Figure 0004677618
良好な屈曲角度に対応する曲げ剛さ(B値)と曲げ回復特性(2HB値)とは、それぞれ0.3〜1.0mN・cm/cmと0.4〜1.6mN・cm/cmであった。

Claims (7)

  1. 上下方向と、その上下方向に直交する幅方向とを有し、肌に接触させる第1表面シートと前記第1表面シートの反対側に位置する第2表面シートとの間に発熱体が介在しており、前記第1、第2表面シートの少なくとも一方が酸素透過性であり、前記発熱体が酸素を供給されると発熱するものであり、鼻を覆うように顔面の肌に接触させて使用する加温体であって、
    前記第1、第2表面シートと前記発熱体とを含む加熱部が複数形成されるとともに、隣り合う前記加熱部どうしの間にシート材料として少なくとも前記第1、第2表面シートを含み前記発熱体を含むことのない非加熱部が形成されており、
    前記加熱部では、前記第1表面シートと前記発熱体との間および前記第2表面シートと前記発熱体との間のいずれかに発泡樹脂シートが介在しており、
    前記非加熱部は、前記第1、第2表面シートの間に前記発泡樹脂シートが介在していて、各シートを加圧して熱溶着することによってこれらシートが互いに重なり合う方向から圧縮された状態にあり、かつ、前記加温体において特に折り曲げ容易な部位である薄肉シート部として形成され
    薄肉シート部には、前記上下方向に延びる中心線に沿った中央変形部と、前記中心線の両側のそれぞれにおいて、上方に向かうにしたがって前記中心線に徐々に接近するように傾斜する側方変形部とが含まれ、
    前記加熱部には、前記中央変形部と前記側方変形部とのそれぞれの間に位置する内側加熱部が含まれていることを特徴とする前記加温体。
  2. 前記第1表面シートは水蒸気を透過可能で、前記発熱体は水蒸気を発生するものであり、前記第1表面シートと前記発熱体との間に、多数の貫通孔を有して前記水蒸気を透過可能な前記発泡樹脂シートが介在している請求項1記載の加温体。
  3. 前記第2表面シートと前記発熱体との間に、前記水蒸気を透過しない前記発泡樹脂シートが介在している請求項2記載の加温体。
  4. 前記貫通孔は、前記発熱体に対向している前記発泡樹脂シートの内面での開口面積が小さく、前記第1表面シートに対向している前記発泡樹脂シートの外面での開口面積が大きい請求項2記載の加温体
  5. 前記非加熱部では、前記非加熱部を形成している各シートがエンボス加工されている請求項1ないし4のいずれかに記載の加温体。
  6. 前記非加熱部の曲げ剛さ(B値)が、0.3〜1.0mN・cm2/cmの範囲にある請求項1ないし5のいずれかに記載の加温体。
  7. 前記非加熱部の曲げ回復特性(2HB値)が、0.4〜1.6mN・cm/cmの範囲内にある請求項1ないし6のいずれかに記載の加温体。
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