JP7286308B2 - 温熱具 - Google Patents

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本発明は、温熱具に関する。
目周りの指圧が可能な装置として、特許文献1には、ゴーグルフレームを構成するフロント部と、フロント部において顔側となる面に設けられた突起部と、を備える顔面指圧具が記載されている。
特開2012-90668号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の技術では、突起部によるツボ押し効果について、なお改善の余地がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、突起部によるツボ押しがより効果的となることが期待できる構造の器具に関する。
本発明は、目周りを覆うマスク本体部と、前記マスク本体部に設けられた発熱体と、を備える温熱具であって、
(1)前記発熱体の周縁に沿って並んで配置されている複数の突起部を備えているか、
又は、
(2)前記マスク本体部に対して貼り付け可能な複数の突起部を備え、前記マスク本体部は、前記複数の突起部の貼り付け予定位置が前記発熱体の周縁に沿った位置であることを示す標示部を有する温熱具に関する。
本発明によれば、発熱体による温熱効果と複数の突起部によるツボ押し効果との相乗効果が期待できるため、突起部によるツボ押しがより効果的となることが期待できる。
第1実施形態に係る温熱具の平面図であり、着用時に顔側となる面を示す。 第1実施形態に係る温熱具の斜視図である。 図1のA-A線に沿った断面図である。 図4(a)及び図4(b)は第1実施形態に係る温熱具の突起部ユニットを示す図であり、このうち図4(a)は斜視図、図4(b)は断面図である。 第1実施形態に係る温熱具の分解斜視図である。 図6(a)、図6(b)、図6(c)及び図6(d)の各々は、第1実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの変形例を示す平面図である。 第2実施形態に係る温熱具のマスク本体及び一対の耳掛け部を示す斜視図である。 第3実施形態に係る温熱具の平面図であり、着用時に顔側となる面を示す。 図8のA-A線に沿った断面図である。 第4実施形態に係る温熱具の平面図であり、着用時に顔側となる面を示す。 第5実施形態に係る温熱具の突起部ユニットを構成する基部シートの平面図である。 図12(a)及び図12(b)の各々は第5実施形態に係る温熱具の突起部ユニットを構成する貼付ユニット部の平面図である。 図13(a)は第5実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの一構成例を示す平面図であり、図13(b)は第5実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの他の構成例を示す平面図である。 図13(a)のA-A線に沿った断面図である。 図15(a)は第6実施形態に係る温熱具の突起部ユニットを示す平面図であり、図15(b)及び図15(c)の各々は第6実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの変形例を示す平面図である。 図16(a)、図16(b)及び図16(c)の各々は突起部の形状の変形例1を示す図であり、このうち図16(a)は斜視図、図16(b)は平面図、図16(c)は側面図である。 図17(a)、図17(b)及び図17(c)の各々は突起部の形状の変形例2を示す図であり、このうち図17(a)は斜視図、図17(b)は平面図、図17(c)は側面図である。 図18(a)、図18(b)及び図18(c)の各々は突起部の形状の変形例3を示す図であり、このうち図18(a)は斜視図、図18(b)は平面図、図18(c)は側面図である。 図19(a)、図19(b)及び図19(c)の各々は突起部の形状の変形例4を示す図であり、このうち図19(a)は斜視図、図19(b)は平面図、図19(c)は側面図である。 図20(a)は第7実施形態及び第8実施形態を説明するためのアイマスクの平面図であり、図20(b)及び図20(c)は第7実施形態を説明するための突起部の側面図である。 図21(a)は第9実施形態に係る温熱具の平面図であり、図21(b)は第9実施形態に係る温熱具の突起部の斜視図である。 図22(a)は第10実施形態に係る温熱具の平面図であり、図22(b)は第10実施形態に係る温熱具の突起部の斜視図である。 図23(a)は第11実施形態に係る温熱具の平面図であり、図23(b)は第11実施形態に係る温熱具の突起部の斜視図である。 図24(a)は実施例に係る温熱具と比較例に係る温熱具を用いた被験者の交感神経活動値の変化を示す図であり、図24(b)は実施例に係る温熱具と比較例に係る温熱具を用いた被験者の脳波(β波)の出現率を示す図である。 図25(a)は実施例に係る温熱具の使用途中でマッサージを行った場合の被験者の皮膚血流束の量を示す図であり、図25(b)は実施例に係る温熱具の使用開始時にマッサージを行った場合の被験者の皮膚血流束の量を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
本実施形態に係る温熱具の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
〔第1実施形態〕
先ず、図1から図5(b)を用いて第1実施形態を説明する。
図5(b)は図3のA-A線及びその延長線に相当する位置での断面を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る温熱具100は、目周りを覆うマスク本体部10と、マスク本体部10に設けられた発熱体20と、を備える温熱具100であって、発熱体20の周縁に沿って並んで配置されている複数の突起部52を備えている。
本実施形態に係る温熱具100によれば、使用者が温熱具100を着用した状態において、例えば、マスク本体部10を手で顔側に押し付けることで、突起部52によって目周りのツボ押し(マッサージ)を行うことができる。この際に、発熱体20による温熱効果と複数の突起部52によるツボ押し効果との相乗効果が期待できる。また、マスク本体部10を手で顔側に押し付ける際に、使用者が突起部52の位置を自らの好みの位置にずらして押し付けることも容易である。
本実施形態に係る温熱具100は、マスク本体部10及び突起部52の他に、マスク本体部10の横幅方向における両端部に対して各々の一端部が固定されていて耳に掛けられる一対の耳掛け部30を備える。更に、本実施形態に係る温熱具100は、マスク本体部10の内部に収容及び保持されている発熱体20(図3)を備えている。
マスク本体部10は、使用者が着用した状態において、使用者の両目を覆うものであり、例えば、図1等に示すように、左目を覆う左目覆い部10aと、右目を覆う右目覆い部10bと、を有している。左目覆い部10a及び右目覆い部10bの平面形状は特に限定されないが、例えば、それぞれ角丸の略正方形状に形成されている。また、左目覆い部10aと右目覆い部10bとは、互いにほぼ同一の形状及び寸法に形成されている。左目覆い部10aと右目覆い部10bとは、図3において、左右に並んで配置されている。マスク本体部10は、横長の形状に形成されている。マスク本体部10は、可撓性の(柔軟な)シート材により構成されている。
本実施形態の場合、横幅方向とは、図1に示すようにマスク本体部10を平坦にした状態において、左目覆い部10aと右目覆い部10bとの並び方向に一致する方向である。横幅方向は、一対の耳掛け部30を展開して温熱具100の全体を平坦にした状態において、一方の耳掛け部30から他方の耳掛け部30に向かう方向とも一致している。すなわち、横幅方向は、図1における左右方向である。
また、本明細書において、上側及び下側とは、直立した使用者が温熱具100を着用した状態で上側及び下側となる方向を意味する。上側及び下側は、図1における上側及び下側である。
図5に示すように、温熱具100は、例えば、後述する突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付けることにより構成されている。
図5に示すように、マスク本体部10の横幅方向における中央部の上縁部には、マスク本体部10の上縁から下方に延びる上側スリット14が形成されている。マスク本体部10の横幅方向における中央部の下縁部には、マスク本体部10の下縁から上方に延びる下側スリット15が形成されている。
上側スリット14及び下側スリット15は、左目覆い部10aと右目覆い部10bとの境界位置に配置されている。下側スリット15は、温熱具100の着用時に使用者の鼻と対応する位置に配置される。
本実施形態の場合、上側スリット14の長さ寸法(上下寸法)よりも下側スリット15の長さ寸法(上下寸法)の方が大きい。
図3に示すように、マスク本体部10は、温熱具100の着用時に顔側に位置する第1シート11と、着用時に顔とは反対側に位置する第2シート12と、を備えて構成されている。第1シート11及び第2シート12の各々は、単層のシートにより構成されていてもよいし、複数のシートの積層体であってもよい。
マスク本体部10を構成するシート材(第1シート11、第2シート12)の材料としては、例えば、不織布、織布、その他の編み物、ポリエチレンやウレタン等の樹脂フィルム、多孔質体、それらの任意の2種以上の組み合わせ等が挙げられる。
第1シート11と第2シート12とは、例えば、互いに同一の平面形状及び寸法に形成されているとともに、相互に重ね合わされ、且つ、接合部13において相互に接合されている。第1シート11と第2シート12とは、粘着又は接着により接合されていてもよいし、ヒートシールにより接合されていてもよい。
上記の上側スリット14は、第1シート11及び第2シート12の双方に形成されており、第1シート11の上側スリット14と第2シート12の上側スリット14とは、平面視において互いに重なっている。同様に、下側スリット15は、第1シート11及び第2シート12の双方に形成されており、第1シート11の下側スリット15と第2シート12の下側スリット15とは、平面視において互いに重なっている。
接合部13は、例えば、マスク本体部10の(第1シート11及び第2シート12の)周縁部の全周と、マスク本体部10の横幅方向における中央部の上端から下端に亘る範囲と、に配置されている。すなわち、接合部13は、左目覆い部10aの周縁部と、右目覆い部10bの周縁部と、に配置されている。
発熱体20は、例えば、左目覆い部10a及び右目覆い部10bの各々に配置されている。
左目覆い部10aにおいて周縁部を除く領域、すなわち、左目覆い部10aの中央部においては、第1シート11と第2シート12とが相互に非接合となっており、当該領域において、第1シート11と第2シート12との間隙は、発熱体20を収容する収容空間18(図3)を構成している。
同様に、右目覆い部10bにおいて周縁部を除く領域、すなわち、右目覆い部10bの中央部においては、第1シート11と第2シート12とが相互に非接合となっており、当該領域において、第1シート11と第2シート12との間隙は、発熱体20を収容する収容空間18を構成している。
発熱体20は、例えば図3に示すように、第1被覆シート21と、第2被覆シート22と、第1被覆シート21と第2被覆シート22との間に保持されているシート状の発熱部23と、を備えて構成されている。発熱体20の平面形状は、特に限定されないが、例えば、略正方形状に形成されている(図1参照)。
第1被覆シート21と第2被覆シート22とは、互いに同一の形状及び寸法に形成されている。第1被覆シート21と第2被覆シート22とは、それらの外形線が一致するように互いに重ね合わされており、且つ、それらの周縁部どうしが相互に接合されている。これにより、第1被覆シート21と第2被覆シート22とによって、発熱部23を内部に収容する収容体が構成されている。第1被覆シート21と第2被覆シート22との接合は、粘着又は接着によりなされていてもよいし、ヒートシールによりなされていてもよい。
第1被覆シート21と第2被覆シート22とのうち、第1被覆シート21は、第1シート11側、すなわち温熱具100の着用時に顔側となる方に配置されており、第2被覆シート22は、第2シート12側、すなわち着用時に顔側とは反対側となる方に配置されている。
発熱部23は、被酸化性金属を含んで構成されており、この被酸化性金属が酸素と接触することによる酸化反応で生じた熱を利用して、加熱された水蒸気を発生する部位である。発熱部23は、被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水を含んでいる。
発熱部23の平面形状は、例えば、略正方形状に形成されている。発熱部23は、第1被覆シート21と第2被覆シート22とにより構成される収容体の内部、すなわち第1被覆シート21と第2被覆シート22との間隙に保持されている。
発熱体20は、図3に示す接合部24において、マスク本体部10に対して接合されている。接合部24は、例えば、発熱体20の横幅方向における一部の領域に配置されている。より詳細には、接合部24は、例えば、各発熱体20において、マスク本体部10の幅方向における中心側の端縁に配置されている。接合部24は、各発熱体20と第2シート12の内面とを相互に接合している。
ただし、接合部24は発熱体20の全面に亘って配置されていても良い。また、発熱体20は、第2シート12の内面ではなく第1シート11の内面に対して接合部24において接合していても良いし、第1シート11の内面と第2シート12の内面との双方に対して接合部24において接合していても良い。
また、第1シート11の内面は、全面に亘って、発熱体20又は第2シート12に対して接合部24又は接合部13において接合していてもよい。同様に、第2シート12の内面は、全面に亘って、発熱体20又は第1シート11に対して接合部24又は接合部13において接合していてもよい。つまり、発熱体20の片面又は両面が、全面に亘って、第1シート11又は第2シート12に対して接合されていても良い。
ここで、第1被覆シート21と第2被覆シート22とのうちの少なくとも一方は通気性を有する材料により構成されている。本実施形態の場合、第1被覆シート21は第2被覆シート22と比べてより通気性が高い。なお、第2被覆シート22は通気性を有していてもよいし、通気性を実質的に有していなくてもよい。
また、第1被覆シート21は透湿性シートである。一方、第2被覆シート22は、透湿性シートであるか、又は非透湿性シートである。第2被覆シート22が透湿性シートである場合、該第2被覆シート22の通気性は、第1被覆シート21の通気性と同じか、第1被覆シート21の通気性よりも低くなっているか、第1被覆シート21の通気性よりも高くなっている。
また、第1シート11は通気性及び透湿性を有する材料により構成されている。第2シート12は、通気性を有していなくてもよいし、通気性を実質的に有していなくてもよい。また、第2シート12は透湿性を有していてもよいし、透湿性を実質的に有していなくてもよい。
一対の耳掛け部30の各々は、可撓性の(柔軟な)シート材である耳掛け部構成シート31により構成されている。耳掛け部構成シート31は、単層のシートにより構成されていてもよいし、複数のシートの積層体であってもよい。耳掛け部構成シート31としては、不織布等の繊維材料からなる繊維シートを用いることができる。
一対の耳掛け部30の各々の一端部が、固定部33においてマスク本体部10の横幅方向における両端部に対してそれぞれ固定されている。すなわち、一方の耳掛け部30の一端部が、固定部33において左目覆い部10aの左端部に対して固定されている。同様に、他方の耳掛け部30の一端部が、固定部33において右目覆い部10bの右端部に対して固定されている。より詳細には、例えば、図4に示すように、耳掛け部30は、第1シート11において顔側となる面に対して固定部33にて接合により固定されている。マスク本体部10に対する耳掛け部30の固定は、ヒートシールによってなされていてもよいし、粘着又は接着によりなされていてもよい。固定部33の平面形状は特に限定されない。固定部33は、例えば、上下に長尺に形成されている(上下に延在している)。
なお、以下の説明では、耳掛け部30において、マスク本体部10側(左目覆い部10a側又は右目覆い部10b側)を基端(基端側)、マスク本体部10から遠い側を先端(先端側)と称する場合がある。つまり、耳掛け部30における基端側の部位がマスク本体部10に対して固定部33にて固定されている。
耳掛け部30の平面形状は特に限定されないが、例えば、左目覆い部10a及び右目覆い部10bと同様の形状に形成されている。
例えば、温熱具100が折り畳まれた状態(展開される前の状態)(不図示)において、左目覆い部10a及び右目覆い部10bのそれぞれに対して、一方ずつの耳掛け部30が重なる。この状態では、左目覆い部10aの外形線と、当該左目覆い部10aに重なっている耳掛け部30の外形線と、が平面視において相互に一致し、且つ、右目覆い部10bの外形線と、当該右目覆い部10bに重なっている耳掛け部30の外形線と、が平面視において相互に一致するようになっている。
一対の耳掛け部30の各々は、当該耳掛け部30を耳に掛けるための耳掛け用開口32を有している。本実施形態の場合、耳掛け用開口32は、耳掛け部30の表裏を貫通している貫通孔である。ただし、本発明は、この例に限らず、耳掛け用開口32は、耳掛け部30に形成されたスリットであってもよい。耳掛け用開口32の形状は特に限定されないが、例えば、耳掛け用開口32は横幅方向に長尺に形成されている。
一対の耳掛け部30の各々は、耳掛け用開口32と連続する第1耳掛け用スリット34及び第2耳掛け用スリット35を有している。このうち第1耳掛け用スリット34は、耳掛け用開口32の下縁から下方に延びている。第2耳掛け用スリット35は、耳掛け用開口32の先端縁から先端側に延びている。例えば、第2耳掛け用スリット35よりも第1耳掛け用スリット34の方が長い。
なお、温熱具100は、使用前の状態では、軟質包装材により構成された包装袋(不図示)に封入されている。使用時に包装袋から温熱具100が取り出されることによって、発熱体20の発熱部23が空気中の酸素と接触し、該発熱部23が発熱するとともに水蒸気(蒸気温熱)を発生し、この水蒸気が第1被覆シート21及び第1シート11を介して外部に放出されるようになっている。
よって、使用者が温熱具100を着用することによって、この水蒸気が使用者の顔面に供給されるようになっている。これにより、蒸しタオルで使用者の顔面を温めるような具合になる。
このように、本実施形態に係る温熱具100は、蒸気温熱具である。
また、本実施形態に係る温熱具100は、複数の突起部52を有しており、発熱体20により顔面(目周り)を加温しながら、これら突起部52によるツボ押しが可能となっている。よって、発熱体20による温熱作用(本実施形態の場合、蒸気温熱作用)とツボ押しとの相乗効果が得られる。
なお、温熱具100における突起部ユニット50を除く部分(マスク本体部10及び一対の耳掛け部30)の構造は、上記の例に限らず、その他の一般的な蒸気温熱具の構造を適用することができる。
上記のように、温熱具100は、2つ以上の突起部52を備える突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付けることにより構成されている。換言すれば、温熱具100は、マスク本体部10に対して貼り付け可能な複数の突起部52のうち2つ以上の突起部52を含んで構成され、マスク本体部10に対して貼り付けられる突起部ユニット50を備える。
以下、突起部ユニット50について詳細に説明する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、突起部ユニット50は、基部51と、基部51に設けられている複数の突起部52と、基部51をマスク本体部10に対して貼り付けるための貼付部53(図4(b))と、を備える。基部51は、例えば、平坦に形成されている。
突起部ユニット50が突起部52だけでなく基部51を備えるため、突起部52がマスク本体部10に沈み込むことを抑制できるとともに、マスク本体部10に対する突起部52の姿勢を安定させることができる。よって、突起部52によってより十分な強さで安定的にツボ押しを行うことができる。
本実施形態の場合、突起部ユニット50は、それぞれ左右の目と対応する位置に配置される左右一対の開口54を有する。すなわち、基部51には、左右一対の開口54が形成されている。基部51は、例えば、横倒しの8の字のような形状に形成されている。図1及び図2に示すように、基部51は、左目覆い部10aの周縁部及び右目覆い部10bの周縁部に沿う形状に形成されており、左目覆い部10aの周縁部及び右目覆い部10bの周縁部に沿って設けられる。
使用者が温熱具100を着用した状態で、使用者の顔の前方から温熱具100を視たときに、開口54の内側に眼球が収まるように、開口54の寸法、形状及び配置が設定されている。
このため、発熱体20が発生する熱及び蒸気を、発熱体20の第1被覆シート21、マスク本体部10の第1シート11及び突起部ユニット50の開口54を介して、使用者の目周りに供給することができる。
図1に示すように、各開口54のほぼ全域と対応する領域に、各発熱体20が配置されている。各発熱体20は、各開口54よりも狭い領域に配置されていてもよいし、各開口54と同じ領域に配置されていてもよいし、各開口54よりも広い領域に配置されていてもよい。
貼付部53は、基部51の裏面、すなわち基部51からの突起部52の突出方向とは反対側の面に形成されている。貼付部53は、基部51の裏面の全域に形成されていても良いし、貼付部53の裏面の一部領域(例えば、点在する複数箇所)に形成されていても良い。
貼付部53は、例えば、粘着剤により構成された粘着層である。ただし、貼付部53は、不織布に対して貼り付け可能な面ファスナーであってもよい。
突起部ユニット50の横幅方向における中央部の上縁部には、突起部ユニット50の上縁から下方に延びる上側スリット55が形成されている。突起部ユニット50の横幅方向における中央部の下縁部には、マスク本体部10の下縁から上方に延びる切欠形状部56が形成されている。
上側スリット55及び切欠形状部56は、左目覆い部10aと右目覆い部10bとの境界位置に配置されている。
本実施形態の場合、上側スリット55の上下寸法よりも切欠形状部56の上下寸法の方が大きい。
図1に示すように、マスク本体部10の上側スリット14と突起部ユニット50の上側スリット55とが互いに重なっている。更に、マスク本体部10の下側スリット15が突起部ユニット50の切欠形状部56の横幅方向における中央に位置している。
ここで、切欠形状部56は、下側スリット15よりも広い。そして、図1に示すように、使用者の顔側となる方から温熱具100を視たときに、切欠形状部56内に、左目覆い部10aの下縁部の右端部と右目覆い部10bの下縁部の左端部とが位置するようになっている。
このため、温熱具100の着用時には、マスク本体部10を構成する第1シート11及び第2シート12が切欠形状部56を介して使用者の鼻に接触し、第1シート11及び第2シート12の弾性力が、基部51を鼻から遠ざける方向に作用する。よって、鼻に対する基部51の当りをソフトにしたり、或いは、鼻に対する基部51の接触を抑制したりすることができる。
基部51において、左目覆い部10aの周縁部に沿って設けられる部位には、複数(一例として7つ)の突起部52がL字状に並んで配置されている。同様に、基部51において、右目覆い部10bの周縁部に沿って設けられる部位には、複数の突起部52がL字状に並んで配置されている。このように、本実施形態の場合、複数の突起部52が、L字状に並んで配置されている。
より詳細には、突起部ユニット50の複数の突起部52には、左目覆い部10aに設けられた発熱体20の上縁20aに沿って左右に並んで配置される複数(一例として4つ)の突起部52と、当該発熱体20の側縁20cに沿って上下に並んで配置される複数(一例として3つ)の突起部52と、が含まれている。ここで、側縁20cは、発熱体20の左右一対の側縁のうち、マスク本体部10の横幅方向における端部側に位置する側縁である。
更に、突起部ユニット50の複数の突起部52には、右目覆い部10bに設けられた発熱体20の上縁に沿って左右に並んで配置される複数(一例として4つ)の突起部52と、当該発熱体20の側縁(マスク本体部10の横幅方向における端部側に位置する側縁)に沿って上下に並んで配置される複数(一例として3つ)の突起部52と、が含まれている。
突起部ユニット50がマスク本体部10に貼り付けられた状態では、発熱体20の上縁に沿って左右に並ぶ複数の突起部52によって、目周りのツボのうち目の上方のツボを好適に押圧することができる。また、発熱体20の側縁(マスク本体部10の横幅方向における端部側に位置する側縁)に沿って上下に並ぶ複数の突起部52によって、目周りのツボのうち目の側方のツボ(こめかみのツボなど)を好適に押圧することができる。
このように、複数の突起部52には、第1方向(例えば左右)に並ぶ2つ以上の突起部52と、第1方向に対して交差(例えば直交)する方向(例えば上下)に並ぶ2つ以上の突起部52と、が含まれている。
より詳細には、複数の突起部52は、発熱体20の角部を挟む2辺(例えば上縁と側縁)に沿って並んでいる。
本実施形態の場合、互いに隣り合う突起部52どうしの間に基部51の一部分が配置されている。このため、個々の突起部52によって十分に皮膚を押圧してツボ押しすることができる。
なお、本実施形態の場合、発熱体20の下縁20bに沿う位置には突起部52が配置されておらず、また、発熱体20の左右一対の側縁のうち、マスク本体部10の横幅方向における中央側に位置する側縁20dに沿う位置にも、突起部52が配置されていない。すなわち、複数の突起部52は、発熱体20の下縁20bを避けて配置されている。
図3に示すように、突起部52の突出方向における突起部ユニット50の寸法(図3に示す高さ寸法T1)が、発熱体20の配置領域におけるマスク本体部10の厚み寸法(図3に示す厚み寸法D)よりも大きい。このような構成により、突起部52によるツボ押しがより容易になる。
より好ましくは、突起部52の突出方向における突起部52の寸法(図3に示す高さ寸法T2)が、発熱体20の配置領域におけるマスク本体部10の厚み寸法(図3に示す厚み寸法D)よりも大きい。このような構成により、突起部52によるツボ押しがより一層容易になる。
本実施形態の場合、突起部52は、第1段部52aと、第1段部52aよりも当該突起部52の突出方向先端側に配置されていて当該突起部52の突出方向に当該突起部52を視たときの寸法が第1段部52aよりも小さい第2段部52bと、を含む複数段構造である。
より詳細には、本実施形態の場合、突起部52は、第1段部52aと第2段部52bとの2段構造である。ただし、本発明は、この例に限らず、突起部52は3段構造以上の段構造に形成されていてもよいし、1段構造であってもよい。
突起部52が複数段構造となっていることにより、例えば、一部の段(例えば第1段部52a)が押し潰された状態で、突起部52(主として第2段部52b)により心地よいツボ押しを行うことができる。また、突起部52の突出方向に当該突起部52を視たときに、第2段部52bの寸法が第1段部52aよりも小さいため、第2段部52bにより局部的に皮膚を押圧することができるため、より心地よいツボ押しが可能である。
より詳細には、第1段部52aは、例えば、半球状(ドーム状)の形状である。また、第2段部52bは、例えば、円錐状の形状である。ただし、第2段部52bの頂部は丸みを帯びている。また、第1段部52aと第2段部52bとは互いに同心に配置されている。
本実施形態の場合、突起部52(第1段部52a及び第2段部52b)の内部は、空洞になっている。
本実施形態の場合、第2段部52bの直径は、第1段部52aの直径の半分以下であり、より詳細には、第1段部52aの直径の半分未満であり、更に詳細には、第1段部52aの直径の1/4以下である。
ただし、第1段部52a及び第2段部52bの形状は、この例に限らない。
突起部52の高さ寸法T2、すなわち突起部52の突出方向における突起部52の寸法は、特に限定されないが、例えば、2mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上8mm以下であることがより好ましい。突起部52の高さ寸法T2が2mm以上10mm以下であることにより、突起部52によってツボ押しを十分に且つ適度に行うことができる。
突起部52の直径は、特に限定されないが、例えば、2mm以上20mm以下であることが好ましく、3mm以上15mm以下であることがより好ましい。突起部52の直径が2mm以上20mm以下であることにより、突起部52によってツボ押しを十分に且つ適度に行うことができる。
第1段部52aの高さ寸法は、特に限定されないが、例えば、2mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上8mm以下であることがより好ましい。
第2段部52bの高さ寸法は、特に限定されないが、例えば、1mm以上5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
第2段部52bの直径は、特に限定されないが、例えば、1mm以上5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
隣り合う突起部52間の距離は、突起部52の直径未満であることが好ましく、突起部52の直径の1/2以下であることが更に好ましい。隣り合う突起部52の中心間距離は、突起部52の直径の2倍未満であることが好ましく、突起部の直径の1.5倍以下であることが更に好ましい。
ここで、突起部ユニット50は、アタッチメント式突起部ユニットである。すなわち、アタッチメント式突起部ユニットは、目周りを覆う温熱具100のマスク本体部10に貼り付けて用いられるアタッチメント式突起部ユニットであって、基部51と、基部51に設けられている複数の突起部52と、基部51をマスク本体部10に対して貼り付けるための貼付部53と、を備える。
本実施形態の場合、突起部ユニット50は、1枚のシート50aにより構成されている。すなわち、シート50aは、基部51を構成する平坦部と、基部51を基準として一方の側に凸に湾曲している複数の凸部とを備えており、各凸部が突起部52を構成している。
なお、シート50aにおいて、突起部52を構成する部分の厚みと、基部51を構成する部分の厚みとは、互いに同等の厚みに設定されている。ただし、後述するように、シート50aはプレス成形により作製することができる。よって、シート50aの材料となるシートの伸びが、基部51における伸びよりも、突起部52における伸びの方が大きいことが想定される。このため、シート50aにおいて、突起部52を構成する部分の厚みは、基部51を構成する部分の厚みよりも若干薄いことが考えられる。
本実施形態の場合、シート50aは、例えば、1層の不織布シートにより構成されている。したがって、本実施形態の場合は、突起部52は不織布により構成されている。
この不織布シートの材料としては、合成繊維、天然繊維又はこれらの複合繊維が挙げられる。不織布シートの製法としては、スパンボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、エアレイド法、エアースルー法等が挙げられる。
不織布シートは、例えば、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている。
この不織布シートを構成する第1樹脂材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、レーヨン、ポリスチレン、アクリル、ビニロン、セルロース、アラミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンナフタレート又はポリエチレンテレフタレートであることが挙げられ、なかでもポリエチレンテレフタレート(PET)であることが好ましい。
不織布シートを構成する第2樹脂材料は、特に限定されないが、不織布シートを構成する第1樹脂材料よりも低融点の材料であることが好ましい。不織布シートを構成する第2樹脂材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル樹脂、又は低融点PET(共重合ポリエステル)であることが挙げられ、なかでもポリエチレン、又は、低融点のPETであることが好ましい。
なお、不織布シートを構成する繊維は、第1樹脂材料により構成された芯と、第2樹脂材料により構成された鞘と、を含む芯鞘構造となっていてもよい。
不織布シートにおける第1樹脂材料の含有量は、不織布シートにおける第2樹脂材料の含有量よりも多い。
好ましくは、不織布シートにおける第1樹脂材料の含有量は、60質量%以上95質量%以下である。また、不織布シートにおける第2樹脂材料の含有量は、5質量%以上40質量%以下である。
不織布シートにおける第1樹脂材料及び第2樹脂材料の含有量をこのように設定することにより、不織布シートの通気性を十分に確保しつつも、不織布シートの剛性を十分に確保することができる。
不織布シートの坪量は、15g/m以上500g/m以下、特に30g/m以上350g/m以下であることが好ましい。不織布シートの坪量が15g/m以上であることにより、シート50aの十分な強度を確保できる。不織布シートの坪量が500g/m以下であることにより、シート50aのより良好な通気性が得られ、突起部ユニット50の基部51や突起部52を介して容易に蒸気を顔側に放出させることが可能となる。
シート50aにおいて基部51を構成する平坦部の厚みは、0.03mm以上2.6mm以下、特に0.08mm以上1.25mm以下であることが好ましい。平坦部の厚みが0.03mm以上であることにより、シート50aの形態保持性が良好となる。平坦部の厚みが2.6mm以下であることにより、シート50aのより良好な通気性が得られ、突起部ユニット50の基部51や突起部52を介して容易に蒸気を顔側に放出させることが可能となる。
なお、本発明において、突起部52の材料は、不織布に限らず、樹脂、ゴム又は紙などであってもよい。
突起部52が樹脂により構成されている場合、突起部52に微細な穴を形成することで、突起部52に通気性を付与することができる。
また、異種材料の樹脂を用いた二色成形などにより突起部52が形成されていてもよい。この場合、例えば、突起部52において皮膚に接触する側の部分に相対的に柔らかい材料を用いることで、触感をソフトにしたり、逆に、皮膚に接触する側の部分に相対的に硬い材料を用いることで、より十分な刺激を付与できるようにしたりしてもよい。
突起部52を紙により構成する場合、例えば、パルプモールドのような抄造によって、通気性を有する突起部52を作製することができる。
突起部52の材料が、不織布、樹脂又は紙の場合は、突起部52の軽量性に優れる。
突起部52の材料が、不織布又は紙の場合は、突起部52に適度な(過度でない)硬さを付与することができる。
突起部52の材料が、不織布の場合は、成形条件や厚みを適宜設定することで、突起部52に適度な柔らかさを付与することができる。
突起部52の材料が、不織布の場合は、皮膚に対する触感が良好となる。
次に、突起部ユニット50を製造する方法の一例について説明する。
突起部ユニット50の製造方法は、例えば、全体が平坦な不織布シートをプレスすることにより当該不織布シートを基部51と突起部52とを有する形態に加工する工程を備えている。
ここで、プレスが行われる前の不織布シートは、例えば、第1樹脂材料により構成されている第1繊維と、第2樹脂材料により構成されていて第2繊維と、を含んで構成されている(第1繊維と第2繊維との混綿の場合)。ただし、不織布シートを構成する繊維は、第1樹脂材料により構成された芯と、第2樹脂材料により構成された鞘と、を含む芯鞘構造となっていてもよい。
不織布シートに対して熱プレスを行うことによって、不織布シートを基部51と突起部52とを有する形態に加工する。
ここで、熱プレスの温度は、第1樹脂材料の融点と第2樹脂材料の融点との中間の温度に設定する。すなわち、熱プレスの温度は、第1樹脂材料の融点未満の温度であって、且つ、第2樹脂材料の融点以上の温度とする。
これにより、第2樹脂材料が溶融する一方で、第1樹脂材料は溶融しないようにできるため、溶融した第2樹脂材料を介して、第1樹脂材料により構成された繊維(当該繊維は、芯鞘構造の芯の部分であってもよい)どうしが結着される。すなわち、溶融した第2樹脂材料が、第1樹脂材料により構成された繊維どうしを結着する結着部を構成する。
その結果、シート50aの通気性を確保しつつも、シート50aの剛性を十分に確保することができる。すなわち、基部51の通気性及び剛性を十分に確保することができるとともに、突起部52についても、当該突起部52の基端から先端に亘り、通気性を確保しつつも、全体を十分な剛性にすることができる。
ここで、熱プレスの温度は、第2樹脂材料が十分に溶融できる範囲内で、なるべく低温(例えば、第2樹脂材料の融点+30℃以下の温度、好ましくは第2樹脂材料の融点+20℃以下の温度)に設定することが好ましい。このようにすることによって、熱プレス後のシート50aが不織布の風合いを有するようにできて、突起部ユニット50の肌触りが良好になる。
次に、必要により不織布シートを裁断することにより、シート50aを所望の平面形状に加工する。
次に、シート50aの基部51の裏面に、粘着剤などにより貼付部53を形成する。
こうして、突起部ユニット50を製造することができる。
上記においては、シート50aが1層の不織布シートにより構成されている例を説明したが、本発明は、この例に限らず、シート50aは複数層構造となっていてもよい。
例えば、シート50aは、当該シート50aにおける一方の最外層を構成する第1不織布シートと、当該シート50aにおける他方の最外層を構成する第2不織布シートと、第1不織布シートと第2不織布シートとの間に位置する中間層を構成する通気シートと、を含んで構成されていてもよい。
第1不織布シート及び第2不織布シートの各々は、上記の不織布シートと同様のものである。
通気シートは、第2樹脂材料よりも高融点の第3樹脂材料を含んで構成されている。
通気シートの通気性は、特に限定されないが、例えば、通気シートの透湿度が100g/(m・24h)以上13000g/(m・24h)以下、特に200g/(m・24h)以上8000g/(m・24h)以下であることが好ましい。
通気シートの透湿度の測定は、例えば、JIS(Z0208) CaCl法で行うことができ、測定条件は、40℃、90%RHとすることができる。
通気シートは、その全面に亘り通気性を有していてもよく、部分的に通気性を有していてもよい。
通気シートは、坪量が10g/m以上200g/m以下、特に20g/m以上100g/m以下であることが好ましい。
通気シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体等の樹脂により構成されたシートに機械的に通気孔を形成したもの、これら樹脂と無機フィラーとの混合シートを延伸により界面剥離させ微細な通気孔を設けたもの、また、その結晶構造の界面剥離を利用し、微細な通気孔を形成したもの、発泡成形による連続気泡を利用し微細な通気孔を連通させたものなどが挙げられる。また、通気シートとしては、ポリオレフィン等の合成パルプ、木材パルプ、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維等から形成された不織布、織布、合成紙、紙等も挙げられる。通気シートは、複数枚を重ねて用いることもできる。
通気シートとしては、ポリプロピレンと炭酸カルシウムとの混合シートを延伸により界面剥離させることで、該混合シートに微細な通気孔を形成したものを好適に用いることができる。
より詳細には、通気シートとしては、例えば、ポリプロピレンと炭酸カルシウムとの混合シートを延伸することにより構成されたものを用いることができる。
シート50aが第1不織布シート、第2不織布シート及び通気シートの3層構造である場合は、第1不織布シート、第2不織布シート及び通気シートをこの順に積層した状態で熱プレスを行うことにより、突起部52を形成する。
シート50aが第1不織布シート、第2不織布シート及び通気シートの3層構造である場合も、熱プレスの温度は、第1樹脂材料の融点と第2樹脂材料の融点との中間の温度に設定する。また、熱プレスの温度は、第2樹脂材料が十分に溶融できる範囲内で、なるべく低温(例えば、第2樹脂材料の融点+30℃以下の温度、好ましくは第2樹脂材料の融点+10℃以下の温度)に設定することが好ましい。
更に、シート50aが第1不織布シート、第2不織布シート及び通気シートの3層構造である場合の熱プレスの温度は、通気シートが含む第3樹脂材料の融点よりも低い温度であって、通気シートの延伸温度よりも低い温度に設定することが好ましい。これにより、熱プレス後においても通気シートの通気孔を維持させ、該通気シートの通気性を確保することができる。
次に、温熱具100を使用する方法の例を説明する。
本実施形態の場合、突起部52を含む突起部ユニット50が予めマスク本体部10に貼り付けられている。すなわち、突起部ユニット50の貼付部53を介して基部51が第1シート11に貼り付けられることによって、予め突起部52がマスク本体部10に設けられている。
温熱具100の着用時には、マスク本体部10の第1シート11を顔側にして、つまり突起部ユニット50の突起部52を顔側にして、左目覆い部10a及び右目覆い部10bをそれぞれ左右の目周りにあてがい、一対の耳掛け部30をそれぞれ左右の耳に引っ掛ける。
ここで、このように使用者が温熱具100を着用した状態で、複数の突起部52のうちの少なくとも1つが使用者の目周りのツボを押せる位置に配置されるように、温熱具100は構成されている。すなわち、複数の突起部52のうちの少なくとも1つが、目の周囲近傍に配置される。
より詳細には、発熱体20の上縁20aに沿って並ぶ複数の突起部52のうちの少なくとも1つが、目の上方のツボを押せる位置に配置される。また、発熱体20の側縁20cに沿って並ぶ複数の突起部52のうちの少なくとも1つが、目の側方のツボ(こめかみのツボなど)を押せる位置に配置される。
本実施形態の場合、発熱体20の上縁20aに沿って並ぶ複数の突起部52が目の上方のツボを押せる位置に配置され、発熱体20の側縁20cに沿って並ぶ複数の突起部52が目の側方のツボを押せる位置に配置される。
使用者が温熱具100を着用した状態で、マスク本体部10を手で顔側に押し付けることで、突起部52によって目周りのツボ押しを行うことができる。
また、発熱体20の周縁に沿った配置された突起部52によってツボ押しを行うことによって、発熱体20による温熱作用(本実施形態の場合、蒸気温熱作用)とツボ押しとの相乗効果を一層高めることができる。
ここで、一対の耳掛け部30及びマスク本体部10がそれぞれ柔軟な不織布シートにより構成されているため、突起部52の位置の微調整を容易に行うことができる。よって、使用者は、突起部52の位置を、突起部52が心地よく感じる位置に調整して、突起部52によるツボ押しを行うことができる。
以上のような第1実施形態に係る温熱具100によれば、使用者が温熱具100を着用した状態において、例えば、マスク本体部10を手で顔側に押し付けることで、突起部52によって目周りのツボ押しを行うことができる。この際に、発熱体20による温熱効果と複数の突起部52によるツボ押し効果との相乗効果が期待できる。
温熱具100の使用方法としては、例えば、温熱具100の使用中において、発熱体20の発熱開始後、所定時間(一例として10分間)の経過後に、突起部52を目周りの皮膚に押圧することでマッサージを行うことが挙げられる。マッサージを行う時間の長さは特に限定されないが、一例として、3分間程度のマッサージを行うことができる。
或いは、温熱具100の使用方法としては、例えば、温熱具100の使用開始段階の所定時間(一例として、3分間)の間において、突起部52を目周りの皮膚に押圧することでマッサージを行うことが挙げられる。
なお、上記の第1実施形態では、発熱体20は、蒸気を放出しない発熱性のものであってもよい。したがって、温熱具100は、蒸気温熱具ではなく、単なる温熱具であってもよい。
また、上記の第1実施形態では、突起部ユニット50を構成するシート50aが不織布シートにより構成されている例を説明したが、シート50aは、樹脂シート又はゴムシートであってもよい。また、上記の第1実施形態では、シート50aが通気性及び透湿性を有する例を説明したが、シート50aは通気性と透湿性との一方又は両方を有していなくてもよい(非通気性又は非透湿性を有していてもよい)。
また、上記の第1実施形態では、複数の突起部52が突起部ユニット50の形態でまとめてマスク本体部10に貼り付けられている例を説明したが、個々の突起部52が個別にマスク本体部10に設けられて、発熱体20の周縁に沿って並んで配置されていてもよい。
また、上記の第1実施形態では、突起部52の内部が空洞である例を説明したが、突起部52の内部が空洞でなくてもよい(突起部52が中実構造となっていてもよい)。
また、上記の第1実施形態では、温熱具100が一対の耳掛け部30を用いて使用者が着用するタイプである例を説明した。ただし、本発明は、この例に限らず、温熱具100は、バンド(不図示)を用いて頭部に装着して用いるタイプであってもよい。また、温熱具100は、使用者が仰向けで寝た状態で目周りにマスク本体部10を載せて更に当該マスク本体部10の上にアイピローなどのおもりを載せて使用するタイプであってもよい。
<第1実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの変形例>
次に、図6(a)から図6(d)を用いて突起部ユニット50の変形例を説明する。上述した第1実施形態に係る突起部ユニット50の代わりに(又は、上述した第1実施形態に係る突起部ユニット50に加えて)、以下に説明する各変形例の突起部ユニット50がマスク本体部10に貼り付けられていてもよい。なお、図6(a)から図6(d)の各々においては突起部52の形状を単なる円で示しているが、突起部52の形状は第1実施形態と同様であってもよい。
<第1実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの変形例1>
図6(a)に示すように、本変形例の場合、突起部ユニット50が備える複数の突起部52がI字状に並んで配置されている。すなわち、複数の突起部52が一直線上に並んで配置されている。
<第1実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの変形例2>
図6(b)に示すように、本変形例の場合、突起部ユニット50が備える複数の突起部52がT字状に並んで配置されている。すなわち、突起部ユニット50が備える複数の突起部52が備える複数の突起部52には、第1方向に並ぶ複数の突起部52と、第1方向に対して交差(例えば直交)する方向に並ぶ複数の突起部52と、が含まれている。
<第1実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの変形例3>
図6(c)に示すように、本変形例の場合、突起部ユニット50が備える複数の突起部52が十字状に並んで配置されている。すなわち、突起部ユニット50が備える複数の突起部52が備える複数の突起部52には、第1方向に並ぶ複数の突起部52と、第1方向に対して交差(例えば直交)する方向に並ぶ複数の突起部52と、が含まれている。
<第1実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの変形例4>
図6(d)に示すように、本変形例の場合、突起部ユニット50が備える複数の突起部52が弧状に並んで配置されている。本変形例の場合、突起部ユニット50の複数の突起部52が、眉の上縁に沿って配置(又は眉に沿って配置)されるようにしたり、又は、目の下縁に沿って頬骨の上縁に配置(又は下瞼に配置)されるようにすることができ、目周りのツボのうち目の上方又は下方のツボを突起部52によって好適に押圧することが可能となる。
例えば、複数の突起部52には、発熱体20の上縁20a(図3)に沿って上に凸の弧状に並ぶ3つ以上の突起部52が含まれている。
なお、温熱具100は、図6(a)から図6(d)を用いて説明したような変形例に係る突起部ユニット50のうち、同一の形状の突起部ユニット50を複数備えていたり、又は、互いに異なる形状の突起部ユニット50を複数備えていたりしてもよい。
すなわち、温熱具100は、複数の突起部ユニット50を備えていてもよい。また、複数の突起部ユニット50には、複数の突起部52の並び方が互いに異なる複数種類の突起部ユニット50が含まれていてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、図7等を用いて第2実施形態を説明する。
本実施形態に係る温熱具(全体図示略)は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
上記の第1実施形態では、突起部52が(突起部ユニット50が)予めマスク本体部10に貼り付けられている例を説明したのに対し、本実施形態では、当初は突起部52が(突起部ユニット50が)マスク本体部10に貼り付けられておらず、使用者が突起部52を(突起部ユニット50を)マスク本体部10に貼り付けて温熱具100を着用する例を説明する。
本実施形態に係る温熱具は、目周りを覆うマスク本体部10と、マスク本体部10に設けられた発熱体20(図1等参照)と、を備える温熱具であって、マスク本体部10に対して貼り付け可能な複数の突起部52(図4(a)、図4(b)及び図5等)を備え、マスク本体部10は、複数の突起部52の貼り付け予定位置が発熱体20の周縁に沿った位置であることを示す標示部19(図7)を有する。
より詳細には、標示部19は、突起部ユニット50(図4(a)、図4(b))の貼り付け位置を示すものである。標示部19は、例えば、マスク本体部10の第1シート11における外面に印刷された囲み枠などである。この囲み枠は、例えば、突起部ユニット50と対応する形状に形成されている。すなわち、囲み枠の形状は、例えば、突起部ユニット50の外形線及び開口54の内周と対応する形状となっている。なお、この囲み枠の形成領域には、模様(網掛け模様)などが印刷されていてもよい。
本実施形態の場合、標示部19の少なくとも一部分は、発熱体20の角部を挟む2辺(例えば、上縁及び側縁)に沿って延在している。
本実施形態によれば、マスク本体部10が複数の突起部52の貼り付け位置を示す標示部19を有しているので、使用者は、マスク本体部10に対して複数の突起部52を貼り付ける位置を容易に認識できる。また、標示部19の位置を目安にして複数の突起部52をマスク本体部10に対して位置合わせして、複数の突起部52を容易にマスク本体部10に貼り付けることができる。
標示部19を目安にして突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付けた状態では、複数の突起部52が発熱体20の周縁に沿って並んで配置される。換言すれば、標示部19は、複数の突起部52の貼り付け予定位置が発熱体20の周縁に沿った位置であることを示している。
なお、突起部ユニット50の上縁及び下縁は、マスク本体部10の上縁及び下縁に沿った形状となっている。このため、突起部ユニット50をマスク本体部10に対して容易に位置合わせして、突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付けることができる。
本実施形態の場合も、使用者が温熱具100を着用した状態において、例えば、マスク本体部10を手で顔側に押し付けることで、突起部52によって目周りのツボ押しを行うことができる。この際に、発熱体20による温熱効果と複数の突起部52によるツボ押し効果との相乗効果が期待できる。
また、使用者が好みに応じて突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付けて、図1及び図2の状態の温熱具100を使用することができる。すなわち、突起部ユニット50の使用の有無などを使用者が選択することができる。なお、突起部ユニット50の形状によっては、マスク本体部10に対する突起部ユニット50の貼り付け位置を使用者が好みに合わせて調節することもできる。
ここで、複数の突起部52がユニット化されて構成された突起部ユニット50をマスク本体部10に対して貼り付けることができるため、複数の突起部52をまとめてマスク本体部10に装着することができる。つまり、マスク本体部10に対する複数の突起部52の装着が容易となる(突起部52の装着性が良好となる)。
また、温熱具100の製造者は、突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付ける工程を省略することができる。
本実施形態の場合、マスク本体部10と突起部ユニット50とが同梱されていることが好ましい。すなわち、例えば、店舗での温熱具100の販売時や、その他の流通時や、保管時において、マスク本体部10と突起部ユニット50とが同梱された状態となっている。一例として、マスク本体部10と突起部ユニット50とは、共通の包装箱に収容されている。なお、マスク本体部10と突起部ユニット50とは、共通の包装袋に収容されていても良いし、別個の包装袋に収容されていてもよい。
なお、突起部ユニット50の形状が図6(a)から図6(d)を用いて説明したような変形例の形状である場合にも、同様に、マスク本体部10に標示部が形成されていてもよい。これらの場合の標示部も、囲み枠とすることができ、囲み枠の形状は、突起部ユニット50と対応する形状とすることができる。
突起部ユニット50の形状が、図6(a)に示す形状の場合、標示部の少なくとも一部分又は全体が、I字状に形成されている。
突起部ユニット50の形状が、図6(b)に示す形状の場合、標示部の少なくとも一部分又は全体が、T字状に形成されている。
突起部ユニット50の形状が、図6(c)に示す形状の場合、標示部の少なくとも一部分又は全体が、十字状に形成されている。
突起部ユニット50の形状が、図6(d)に示す形状の場合、標示部の少なくとも一部分又は全体が、弧状に形成されている。例えば、標示部の少なくとも一部分が、発熱体20の上縁に沿って弧状に延在している。
標示部は、発熱体20の下縁を避けて配置されていてもよい。
また、複数の突起部ユニット50、又は、複数種類の突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付けるための標示部がマスク本体部10に形成されていてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、図8及び図9を用いて第3実施形態を説明する。
本実施形態に係る温熱具100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
本実施形態の場合、図8及び図9に示すように、複数の突起部52が発熱体20の周縁部と重ねて配置されている。これにより、発熱体20による温熱効果(本実施形態の場合、蒸気温熱効果)と複数の突起部52によるツボ押し効果との相乗効果が更に高まることが期待できる。
突起部52の材料として、上述したような不織布シートを用いることによって、発熱体20から放出される蒸気を、突起部52を介して顔面に供給することも可能である。
温熱具100が備える複数の突起部52のうち、一部の突起部52のみが発熱体20の周縁部と重なっていてもよいし、すべての突起部52が発熱体20の周縁部と重なっていてもよい。
また、発熱体20の周縁部と重なっている突起部52について、当該突起部52の全体が発熱体20の周縁部と重なっていても良いし、当該突起部52の一部分のみが発熱体20の周縁部と重なっていてもよい。
また、本実施形態の場合も、第2実施形態と同様に、マスク本体部10に標示部が形成されていて、使用者が突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付けて温熱具100を使用するようになっていてもよい。この場合、標示部の少なくとも一部分が発熱体20の周縁部と重ねて配置されている。
〔第4実施形態〕
次に、図10を用いて第4実施形態を説明する。
本実施形態に係る温熱具(全体図示略)は、以下に説明する点で、上記の第3実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では、上記の第3実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。なお、図10においては、一対の耳掛け部30の図示を省略している。
本実施形態の場合、複数の突起部52には、発熱体20の上縁20aに沿って上に凸の弧状に並ぶ3つ以上の突起部52が含まれている。
このため、複数の突起部52が眉の上縁に沿って配置(又は眉に沿って配置)されるようにでき、目の上方のツボを複数の突起部52によって好適に押圧することが可能となる。
本実施形態の場合も、第2実施形態と同様に、マスク本体部10に標示部が形成されていてもよい。すなわち、使用者が突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付けて温熱具100を使用するようになっていてもよい。
〔第5実施形態〕
次に、図11から図14を用いて第5実施形態を説明する。
図12(a)、図12(b)、図13(a)及び図13(b)においては突起部52の形状を単なる円で示しているが、突起部52の形状は、例えば、図14に示すように、第1実施形態と同様の形状となっている。
本実施形態に係る温熱具(全体図示略)は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る温熱具100又は上記の第2実施形態に係る温熱具と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る温熱具100又は上記の第2実施形態に係る温熱具と同様に構成されている。
上記の各実施形態では、突起部ユニット50が単体のシート50aにより構成されている例を説明した。これに対し、本実施形態の場合、突起部ユニット50(図13(a)、図14)は、マスク本体部10に対して貼り付けられて土台となる基部シート60(基部)(図11)と、基部シート60に対して貼り付けられる貼付ユニット部57(図12(a)、図12(b))と、を備えて構成されている。
基部シート60は、上記の第1実施形態における突起部ユニット50の基部51と同様の構造のものである。基部シート60は、平坦に形成されている。図11に示すように、一例として、基部シート60の平面形状は、上記の第1実施形態における突起部ユニット50の全体の平面形状と同様の形状に設定されている。図14に示すように、基部シート60の裏面には、当該基部シート60をマスク本体部10に対して貼り付けるための貼付部53が形成されている。
図13(a)に示すように、突起部ユニット50は、例えば、2つの貼付ユニット部57を備えて構成されている。
貼付ユニット部57は、基部51と、基部51に設けられている複数の突起部52と、基部51を基部シート60に対して貼り付けるための貼付部58(図14)と、を備える。基部51は、例えば、平坦に形成されている。貼付ユニット部57は、第1実施形態における突起部ユニット50と同様の構造のものである。貼付部58は、貼付部53と同様に、例えば、粘着剤により構成されている。
図12(a)及び図12(b)に示すように、各貼付ユニット部57は、L字状に並んで配置された複数(一例として7つ)の突起部52を備えている。また、貼付ユニット部57自体の全体形状も、例えば、複数の突起部52の並び方向に沿ったL字状に形成されている。
一方の貼付ユニット部57(図12(a))と他方の貼付ユニット部57(図12(b))とは、互いに左右対称に形成されている。
例えば、図13(a)及び図13(b)に示すように、一方の貼付ユニット部57は、基部シート60の左半部に設けることができ、他方の貼付ユニット部57は、基部シート60の右半部に設けることができる。
図13(a)の例では、貼付ユニット部57の複数の突起部52は、温熱具の着用時に目の側方及び目の上方に配置される。
図13(b)の例では、貼付ユニット部57の複数の突起部52は、温熱具の着用時に目の側方及び目の下方に配置される。
貼付ユニット部57を使用者が基部シート60に貼り付ける場合には、基部シート60に対して貼付ユニット部57を貼り付ける位置を、使用者の好みに応じて選択することができる。この場合において、基部シート60は予めマスク本体部10に貼り付けられていてもよいし、マスク本体部10に対する基部シート60の貼り付けも使用者が行うようになっていてもよい。
〔第6実施形態〕
次に、図15(a)を用いて第6実施形態を説明する。
本実施形態に係る温熱具(全体図示略)は、以下に説明する点で、上記の第2実施形態に係る温熱具と相違しており、その他の点では、上記の第2実施形態に係る温熱具と同様に構成されている。
本実施形態の場合も、マスク本体部10には、複数の突起部52の貼り付け予定位置が発熱体20の周縁に沿った位置であることを示す標示部(不図示)が形成されている。そして、マスク本体部10に対する突起部ユニット50の貼り付けは、使用者が行うようになっている。
本実施形態の場合、突起部ユニット50は、基部51において、複数の突起部52のうち互いに隣り合う突起部52どうしの間の部位に形成された、易破断部(例えばミシン目59)を備えている。
このため、突起部ユニット50をミシン目59に沿って破断することにより、突起部ユニット50を分割してマスク本体部10に貼り付けることができる。すなわち、使用者の好みに応じて、マスク本体部10に貼り付けられる突起部52の数を変更したり、マスク本体部10に貼り付けられる突起部52の並び方を変更したりすることができる。なお、突起部ユニット50を複数に分割して得られた個々の個片を、それぞれマスク本体部10に貼り付けて用いることもできる。
標示部の形状は、例えば、易破断部において突起部ユニット50が破断される前の、当初の突起部ユニット50の全体形状と対応する形状となっている。このため、使用者は、突起部ユニット50を易破断部において破断した後、標示部が示す枠内の好みの位置に突起部52を貼り付けて、温熱具を使用することができる。
易破断部によって、突起部52を1つずつ分割できるようになっていても良いし、複数個単位で突起部52を分割できるようになっていてもよい。
より詳細には、本実施形態の場合、突起部ユニット50は、L字状に並んで配置された複数(一例として7つ)の突起部52を備えている。また、突起部ユニット50自体の全体形状も、例えば、複数の突起部52の並び方向に沿ったL字状に形成されている。
例えば、L字形状の角をまたぐ2つの突起部52どうしの間にはミシン目59が形成されておらず、他の隣り合う突起部52どうしの間にはそれぞれミシン目59が形成されている。ただし、L字形状の角をまたぐ2つの突起部52どうしの間にもミシン目59が形成されていてもよい。
図示は省略するが、本実施形態の場合、温熱具100は、図15(a)に示す突起部ユニット50とは左右対称の形状のもう1つの突起部ユニット50を備えている。
また、基部51を構成するシートの伸展性にもよるが、ミシン目59を間に挟んで隣り合う突起部52を互いに遠ざかる方向に引っ張ることによって、ミシン目59を伸展させて、これら突起部52どうしの距離を引き伸ばした状態で、突起部ユニット50をマスク本体部10に貼り付けることもできる。これにより、複数の突起部52どうしの距離を使用者の好みに応じて調節することができる。
この場合、突起部ユニット50は、基部51において、複数の突起部52のうち互いに隣り合う突起部52どうしの間の部位に形成された、易伸展部(例えばミシン目59)を備えている、といえる。
ミシン目59が易伸展部として機能する場合は、標示部の形状は、例えば、易破断部において突起部ユニット50が破断される前の、当初の突起部ユニット50の全体形状よりも大きい形状となっている。より詳細には、標示部の形状は、例えば、突起部ユニット50を最大限伸展させたときの形状と対応する形状となっている。
本実施形態の場合も、第5実施形態と同様に、突起部ユニット50が基部シートと貼付ユニット部とを備えて構成されていてもよい。この場合、貼付ユニット部が、互いに隣り合う突起部52どうしの間に形成されたミシン目59(易破断部又は易伸展部)を備える構造となる。
<第6実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの変形例1>
図15(b)に示すように、易破断部又は易伸展部としてのミシン目59を有する突起部ユニット50は、直線状に並ぶ複数の突起部52を備えていてもよい。
<第6実施形態に係る温熱具の突起部ユニットの変形例2>
図15(c)に示すように、易破断部又は易伸展部としてのミシン目59を有する突起部ユニット50は、マトリクス状に並ぶ複数の突起部52を備えていてもよい。
<突起部の形状の変形例>
以下、図16(a)から図19(c)を用いて、突起部52の形状の変形例について説明する。
<突起部の形状の変形例1>
本変形例に係る突起部52は、図16(a)、図16(b)及び図16(c)に示すように、第1段部52aと第2段部52bとの間に配置された環状の凹部52cを備えている。また、第1段部52aの頂部は、例えば、環状の平坦部52dとなっている。
第1段部52a、凹部52c及び第2段部52bは互いに同心に配置されている。
本変形例の場合も、上記の第1実施形態の場合と同様に、例えば、第1段部52aが押し潰された状態で、突起部52(主として第2段部52b)により心地よいツボ押しを行うことができる。
また、本変形例の場合は、第2段部52bにより皮膚を押圧してツボ押しする際に、凹部52cが弾性変形することにより、第2段部52bにより十分な弾性力を伴ってツボ押しすることができる。
<突起部の形状の変形例2>
上記においては、個々の突起部52が第1段部52aと第2段部52bとを有する例を説明したが、本変形例の場合、図17(a)、図17(b)及び図17(c)に示すように、複数の突起部52に共通の共通段部71が基部51から突出して形成されており、各突起部52は、共通段部71から更に突出して形成されている。
共通段部71は、複数の突起部52の並び方向において長尺な帯状に延在しており、例えば、当該並び方向に亘ってほぼ一定の高さ寸法に形成されている。
なお、共通段部71及び突起部52の内部は、例えば、空洞となっている。共通段部71において、隣り合う突起部52どうしの間に位置する部分は、例えば、他部よりも括れた形状の括れ部71aとなっている。
各突起部52の形状は、例えば、第1実施形態における突起部52の第2段部52bと同様に、頂部が丸みを帯びた円錐状の形状となっている。
本変形例の場合は、複数の突起部52が共通段部71上に形成されているため、複数の突起部52どうしの一体性が向上する。よって、複数の突起部52により一度に十分な押圧強度でツボ押しを行うことができる。
<突起部の形状の変形例3>
上記の変形例2においては、個々の突起部52が略円錐状である例を説明したが、本変形例の場合は、図18(a)、図18(b)及び図18(c)に示すように、各突起部52は、当該突起部52の突出方向に視たときの形状が一方向に長尺な山型形状となっている。
なお、本変形例の場合も、複数の突起部52に共通の共通段部71が基部51から突出して形成されており、各突起部52は、共通段部71から更に突出して形成されている。共通段部71は、複数の突起部52の並び方向において長尺な帯状に延在しており、例えば、当該並び方向に亘ってほぼ一定の高さ寸法に形成されている。共通段部71は、例えば、半割筒状に形成されている。
なお、各突起部52の長手方向は、共通段部71の延在方向に対して交差(例えば直交)する方向となっている。
<突起部の形状の変形例4>
本変形例の場合は、図19(a)、図19(b)及び図19(c)に示すように、上記の変形例3の場合と比べて更に、各突起部52が共通段部71の延在する方向に対して交差する方向(例えば直交する方向)に長い形状に形成されている。例えば、各突起部52の長手方向における両端部(裾部は、基部51に達している。つまり、各突起部52は、共通段部71を横断している。共通段部71を半割の竹に見立てると、各突起部52は、竹の節のような形状に形成されている。
〔第7実施形態〕
次に、図20(a)、図20(b)及び図20(c)を用いて第7実施形態を説明する。
本実施形態に係る温熱具100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
図20(a)に示すように、本実施形態の場合も、突起部ユニット50がマスク本体部10に貼り付けられている。また、複数の突起部52の配置は、例えば、図20(a)に示すように、図1に示す配置と同様である。
本実施形態の場合、各突起部52の形状は、例えば、図16(a)、図16(b)及び図16(c)に示すものと同様である。ただし、各突起部52の形状は、その他の形状でもよい。
本実施形態の場合、温熱具100は、高さ寸法(突起部52の突出方向における寸法)が互いに異なる複数の突起部52を備えている。したがって、突起部ユニット50は、高さ寸法が互いに異なる複数の突起部52を備えている。
より詳細には、例えば、図20(a)に示すように、左目覆い部10aに設けられた発熱体20の上縁20aに沿って左右に並んで配置されている複数(例えば4つ)の突起部52のうち、マスク本体部10の横幅方向における中央寄りに配置されている3つの突起部52は、相対的に高さ寸法が大きい(突出方向における寸法が大きい)第1突起部521である。
また、左目覆い部10aに設けられた発熱体20の上縁20aに沿って左右に並んで配置されている複数(例えば4つ)の突起部52のうち、上記第1突起部521を除いた残り1つの突起部52は、相対的に高さ寸法が小さい(突出方向における寸法が第1突起部521よりも小さい)第2突起部522である。
また、左目覆い部10aに設けられた発熱体20の側縁20c(マスク本体部10の横幅方向における端部寄りの側縁)に沿って上下に並んで配置されている複数(例えば3つ)の突起部52のうち、例えば、上側の2つの突起部52は第2突起部522であり、最も下に位置する1つの突起部52は、第2突起部522と高さ寸法が等しい第2突起部523である。
また、右目覆い部10bには、左目覆い部10aとは左右対称に、複数の突起部52が配置されている。
図20(b)に示すように、第1突起部521の形状は、例えば、図16(c)に示す突起部52と同じである。
一方、図20(c)に示すように、第2突起部522、523は、第1突起部521を全体的に高さ方向(突出方向)において縮めたような形状となっている。
このため、第1突起部521の第1段部52aの側周面の傾斜角度や第2段部52bの側周面の傾斜角度よりも、第2突起部522、523の第1段部52aの側周面の傾斜角度や第2段部52bの側周面の傾斜角度の方が緩くなっている。
このように、本実施形態の場合、複数の突起部52がマスク本体部10に設けられており、複数の突起部52には、第1突起部521と、突出方向における寸法が第1突起部521よりも小さい第2突起部522、523と、が含まれている。
なお、第1突起部521の第2段部52bの側周面の傾斜角度と第2突起部522、523の第2段部52bの側周面の傾斜角度とが互いに等しい一方で、第1突起部521の第1段部52aの側周面の傾斜角度よりも第2突起部522、523の第1段部52aの側周面の傾斜角度が緩くなっていることによって、突出方向において第2突起部522、523の寸法が第1突起部521の寸法よりも小さくなっていてもよい。また、第1突起部521の第1段部52aの側周面の傾斜角度と第2突起部522、523の第1段部52aの側周面の傾斜角度とが互いに等しい一方で、第1突起部521の第2段部52bの側周面の傾斜角度よりも第2突起部522、523の第2段部52bの側周面の傾斜角度が緩くなっていることによって、突出方向において第2突起部522、523の寸法が第1突起部521の寸法よりも小さくなっていてもよい。
また、第1突起部521は、マスク本体部10の横幅方向における中央寄りの位置に配置されており、第2突起部522、523は、マスク本体部10の横幅方向における端部寄りの位置に配置されている。
第1突起部521の突出方向における第1突起部521の寸法は、特に限定されないが、例えば、2mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上8mm以下であることがより好ましい。
第2突起部522、523の突出方向における第2突起部522、523の寸法は、特に限定されないが、例えば、1mm以上8mm以下であることが好ましく、2mm以上6mm以下であることがより好ましい。
突出方向における寸法が相対的に大きい第1突起部521は、使用者の顔の表面に対してしっかり当てることができ、第1突起部521によって心地よいマッサージ効果を得ることができる。
その一方で、突出方向における寸法が相対的に小さい第2突起部522、523は、使用者の顔の表面に対するフィット性が良好であり、使用者は第2突起部522、523による鍼灸効果を実感することができる。
このように、本実施形態によれば、突出方向における寸法が互いに異なる突起部52により、それぞれ異なる効果を得ることができる。
なお、第7実施形態では、温熱具100が備える突起部52の高さ寸法が2種類である例を説明したが、温熱具100が備える突起部52の高さ寸法が3種類以上であってもよい。
また、図20(a)に示す複数の突起部52のなかでは、発熱体20の側縁20cに沿って上下に並ぶ複数の突起部52のうち、最も下に位置する第2突起部523は、最も必要性が低いと考えられ、温熱具100は第2突起部523を有していない構造であってもよい。
〔第8実施形態〕
引き続き図20(a)を用いて第8実施形態に係る温熱具100を説明する。本実施形態に係る温熱具100は、以下に説明する点で、上記の第7実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では、上記の第7実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
本実施形態の場合、第1突起部521の形状と第2突起部522、523の形状とが互いに等しい。ただし、第2突起部522、523は、第1突起部521と比べて、突出方向の荷重に対して潰れやすい。
すなわち、本実施形態の場合、複数の突起部52がマスク本体部10に設けられており、複数の突起部52には、第1突起部521と、突出方向の荷重に対して第1突起部521よりも潰れやすい第2突起部522、523と、が含まれている。
また、第1突起部521は、マスク本体部10の横幅方向における中央寄りの位置に配置されており、第2突起部522、523は、マスク本体部10の横幅方向における端部寄りの位置に配置されている。
第2突起部522、523が第1突起部521と比べて突出方向の荷重に対して潰れやすい構造を実現する手法としては、第2突起部522、523を構成する不織布シートの坪量を第1突起部521を構成する不織布シートの坪量よりも小さくすること、第2突起部522、523を構成する不織布シートと第1突起部521を構成する不織布シートとで材料を異ならせること、又は、第2突起部522、523を加工するプレス温度を第1突起部521を加工するプレス温度よりも低くすること、などが挙げられる。
突出方向の荷重に対して第1突起部521よりも潰れやすい第2突起部522、523は、使用者の顔の表面に対するフィット性が良好であり、使用者は第2突起部522、523による鍼灸効果を実感することができる。
なお、本実施形態において、突出方向の荷重に対する突起部52の潰れやすさが2種類(第1突起部521と、第2突起部522、523との2種類)である例を説明したが、突出方向の荷重に対する突起部52の潰れやすさが3種類以上であってもよい。
また、本実施形態においても、第7実施形態と同様に、温熱具100は、高さ寸法が互いに異なる複数の突起部52を備えていてもよく、例えば、第1突起部521の高さ寸法よりも第2突起部522、523の高さ寸法を小さくしてもよい。
また、本実施形態においても、温熱具100は第2突起部523を有していなくてもよい。
〔第9実施形態〕
次に、図21(a)及び図21(b)を用いて第9実施形態を説明する。
本実施形態に係る温熱具100は、突起部ユニット50の構成が第1実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では第1実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
本実施形態の場合も、突起部52は、第1段部52aと第2段部52bとを備えて構成されている。第1段部52aは、本実施形態の場合も、半球状(ドーム状)である。また、本実施形態の場合、第2段部52bも、半球状(ドーム状)である。
本実施形態の場合、第2段部52bの直径は、例えば、第1段部52aの直径の半分よりも大きい。
本実施形態の場合、突起部ユニット50の基部51は、発熱体20の上縁20aに沿って横幅方向に直線状に延在している。より詳細には、突起部ユニット50は、例えば、発熱体20の上縁20aよりも上側に配置されている。ただし、突起部ユニット50は、例えば、発熱体20の上部と重なっていてもよい。
〔第10実施形態〕
次に、図22(a)及び図22(b)を用いて第10実施形態を説明する。
本実施形態に係る温熱具100は、突起部52の形状が第9実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では第9実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
本実施形態の場合も、突起部52は、第1段部52aと第2段部52bとを備えて構成されている。
図22(a)に示すように、本実施形態の場合、第1段部52aにおいて第2段部52bの周囲に位置する部分の径方向における寸法は、周方向において周期的に増減を繰り返している。
より詳細には、本実施形態の場合、突起部52は、5弁花を模した形状である。第1段部52aは、5弁花の花びらを模した形状となっている。第2段部52bは、第9実施形態と同様に半球状(ドーム状)である。このため、第1段部52aにおいて第2段部52bの周囲に位置する部分の径方向における寸法は、周方向において72度の角度間隔ごとに増減を繰り返している。
本実施形態の場合、第2段部52bの直径は、例えば、第1段部52aの直径の半分よりも小さい。
〔第11実施形態〕
次に、図23(a)及び図23(b)を用いて第11実施形態を説明する。
本実施形態に係る温熱具100は、突起部52の形状が第9実施形態及び第10実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では第9実施形態及び第10実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
本実施形態の場合、突起部52は一段構造となっており、山型形状に形成されている。より詳細には、突起部52の下部は円錐台状に形成されており、当該下部の上側に連接されている突起部52の上部は半球状(ドーム状)に形成されている。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
例えば、温熱具100は、互いに面積が異なる複数の突起部52を備えていてもよい。互いに同一の平面形状の突起部52どうしを比較した場合、より面積が大きい突起部52の方が、使用者の顔の表面に対するフィット性が良好となる。
また、各実施形態及び各変形例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に組み合わせることができる。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
<1>目周りを覆うマスク本体部と、前記マスク本体部に設けられた発熱体と、を備える温熱具であって、(1)前記発熱体の周縁に沿って並んで配置されている複数の突起部を備えているか、又は、(2)前記マスク本体部に対して貼り付け可能な複数の突起部を備え、前記マスク本体部は、前記複数の突起部の貼り付け予定位置が前記発熱体の周縁に沿った位置であることを示す標示部を有する温熱具。
<2>前記複数の突起部には、第1方向に並ぶ2つ以上の突起部と、前記第1方向に対して交差する方向に並ぶ2つ以上の突起部と、が含まれている<1>に記載の温熱具。
<3>前記複数の突起部は、前記発熱体の角部を挟む2辺に沿って並んでいるか、又は、前記標示部の少なくとも一部分は、前記発熱体の角部を挟む2辺に沿って延在している<1>又は<2>に記載の温熱具。
<4>前記複数の突起部は、前記発熱体の下縁を避けて配置されているか、又は、前記標示部は、前記発熱体の下縁を避けて配置されている<1>から<3>のいずれか一項に記載の温熱具。
<5>前記複数の突起部には、前記発熱体の上縁に沿って上に凸の弧状に並ぶ3つ以上の突起部が含まれているか、又は、前記標示部の少なくとも一部分が、前記発熱体の上縁に沿って弧状に延在している<1>から<4>のいずれか一項に記載の温熱具。
<6>前記複数の突起部が、I字状、L字状、T字状、十字状又は弧状に並んでいるか、又は、前記標示部の少なくとも一部分が、I字状、L字状、T字状、十字状又は弧状に形成されている<1>から<5>のいずれか一項に記載の温熱具。
<7>前記複数の突起部が前記発熱体の周縁部と重ねて配置されているか、又は、前記標示部の少なくとも一部分が前記発熱体の周縁部と重ねて配置されている<1>から<5>のいずれか一項に記載の温熱具。
<8>前記マスク本体部に対して貼り付け可能な複数の突起部のうち2つ以上の突起部を含んで構成され、前記マスク本体部に対して貼り付けられる突起部ユニットを備える<1>から<7>のいずれか一項に記載の温熱具。
<9>前記突起部ユニットは、基部と、前記基部に設けられている前記2つ以上の突起部と、前記基部を前記マスク本体部に対して貼り付けるための貼付部と、を備える<8>に記載の温熱具。
<10>前記基部において、前記2つ以上の突起部のうち互いに隣り合う突起部どうしの間の部位に形成された、易破断部を備えている<9>に記載の温熱具。
<11>前記基部において、前記2つ以上の突起部のうち互いに隣り合う突起部どうしの間の部位に形成された、易伸展部を備えている<9>又は<10>に記載の温熱具。
<12>前記突起部は、第1段部と、前記第1段部よりも当該突起部の突出方向先端側に配置されていて当該突起部の突出方向に当該突起部を視たときの寸法が前記第1段部よりも小さい第2段部と、を含む複数段構造である<1>から<11>のいずれか一項に記載の温熱具。
<13>前記複数の突起部が前記マスク本体部に設けられており、使用者が当該温熱具を着用した状態で、前記複数の突起部のうちの少なくとも1つが前記使用者の目周りのツボを押せる位置に配置される<1>から<12>のいずれか一項に記載の温熱具。
<14>前記複数の突起部が前記マスク本体部に設けられており、前記複数の突起部には、第1突起部と、突出方向における寸法が前記第1突起部よりも小さい第2突起部と、が含まれている<1>から<13>のいずれか一項に記載の温熱具。
<15>前記複数の突起部が前記マスク本体部に設けられており、前記複数の突起部には、第1突起部と、突出方向の荷重に対して前記第1突起部よりも潰れやすい第2突起部と、が含まれている<1>から<14>のいずれか一項に記載の温熱具。
<16>前記第1突起部は、前記マスク本体部の横幅方向における中央寄りの位置に配置されており、前記第2突起部は、前記マスク本体部の横幅方向における端部寄りの位置に配置されている<14>又は<15>に記載の温熱具。
更に、上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
<17>前記標示部は、前記マスク本体部の外面に印刷された囲み枠である<1>から<16>のいずれか一項に記載の温熱具。
<18>前記標示部は、前記マスク本体部の外面に印刷された囲み枠であり、前記囲み枠は、前記突起部ユニットと対応する形状に形成されている<8>から<11>のいずれか一項に記載の温熱具。
<20>前記突起部ユニットは、前記マスク本体部に対して貼り付けられて土台となる基部シートと、前記基部シートに対して貼り付けられる貼付ユニット部と、を備えて構成され、前記貼付ユニット部は、基部と、前記基部に設けられている複数の前記突起部と、前記基部を前記基部シートに対して貼り付けるための貼付部と、を備えている<8>又は<18>に記載の温熱具。
<21>前記マスク本体部の横幅方向における両端部に対して各々の一端部が固定されていて耳に掛けられる一対の耳掛け部を備える<1>から<20>のいずれか一項に記載の温熱具。
<22>前記マスク本体部は、左目を覆う左目覆い部と、右目を覆う右目覆い部と、を有し、前記基部は、左右の目と対応する位置に配置される左右一対の開口を有し、前記左目覆い部の周縁部及び前記右目覆い部の周縁部に沿う形状に形成されている<9>から<11>のいずれか一項に記載の温熱具。
<23>前記左目覆い部と前記右目覆い部とにそれぞれ発熱体が設けられている<22>に記載の温熱具。
<24>前記左目覆い部に設けられた前記発熱体の上縁に沿って左右に並んで配置される複数の突起部と、前記右目覆い部に設けられた前記発熱体の上縁に沿って左右に並んで配置される複数の突起部と、を備える<23>に記載の温熱具。
<25>前記左目覆い部に設けられた前記発熱体の側縁に沿って上下に並んで配置される複数の突起部と、前記右目覆い部に設けられた前記発熱体の側縁に沿って上下に並んで配置される複数の突起部と、を備える<23>又は<24>に記載の温熱具。
<26>前記発熱体の左右一対の側縁のうち、前記マスク本体部の横幅方向における端部側に位置する側縁に沿って複数の突起部が配置される<25>に記載の温熱具。
<27>互いに隣り合う前記突起部どうしの間に前記基部の一部分が配置されている<9>から<11>又は<22>から<26>のいずれか一項に記載の温熱具。
<28>前記第1段部は、半球状(ドーム状)の形状である<12>に記載の温熱具。
<29>前記第2段部は、円錐状の形状である<12>又は<28>に記載の温熱具。
<30>前記第2段部の頂部は丸みを帯びている<12>、<28>又は<29>に記載の温熱具。
<31>前記第1段部と前記第2段部とは互いに同心に配置されている<12>又は<28>から<30>のいずれか一項に記載の温熱具。
<32>前記第1段部の高さ寸法は、2mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上8mm以下であることがより好ましい<12>又は<28>から<31>のいずれか一項に記載の温熱具。
<33>前記第2段部の高さ寸法は、1mm以上5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい<12>又は<28>から<32>のいずれか一項に記載の温熱具。
<34>前記複数の突起部に共通の共通段部が前記基部から突出して形成されており、各突起部は、前記共通段部から更に突出して形成されている<9>又は<22>から<27>のいずれか一項に記載の温熱具。
<35>前記共通段部は、前記複数の突起部の並び方向において長尺な帯状に延在している<34>に記載の温熱具。
<36>前記共通段部は、前記複数の突起部の並び方向に亘って一定の高さ寸法に形成されている<34>又は<35>に記載の温熱具。
<37>前記共通段部において、隣り合う前記突起部どうしの間に位置する部分は、他部よりも括れた形状の括れ部となっている<34>から<36>のいずれか一項に記載の温熱具。
<38>前記共通段部は半割筒状に形成されている<34>から<37>のいずれか一項に記載の温熱具。
<39>前記突起部の高さ寸法は、2mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上8mm以下であることがより好ましい<1>から<38>のいずれか一項に記載の温熱具。
<40>前記突起部の直径は、2mm以上20mm以下であることが好ましく、3mm以上15mm以下であることがより好ましい<1>から<39>のいずれか一項に記載の温熱具。
<41>隣り合う前記突起部間の距離は、前記突起部の直径未満であることが好ましく、前記突起部の直径の1/2以下であることが更に好ましい<1>から<40>のいずれか一項に記載の温熱具。
<42>隣り合う前記突起部の中心間距離は、前記突起部の直径の2倍未満であることが好ましく、前記突起部の直径の1.5倍以下であることが更に好ましい<1>から<41>のいずれか一項に記載の温熱具。
<43>互いに異なる形状の複数の前記突起部ユニットを備えている<8>から<11>、<18>又は<20>のいずれか一項に記載の温熱具。
<44>前記複数の突起部ユニットには、前記複数の突起部の並び方が互いに異なる複数種類の突起部ユニットが含まれている<43>に温熱具。
<47>互いに面積が異なる複数の前記突起部を備えている<1>から<44>のいずれか一項に記載の温熱具。
<48>前記突起部の材料は、不織布であってもよいし、樹脂、ゴム又は紙である上記いずれか一項に記載の温熱具。
<49>前記突起部が樹脂により構成されており、前記突起部に微細な穴が形成されており、前記突起部が通気性を有する上記いずれか一項に記載の温熱具。
<50>前記突起部が異種材料の樹脂を用いた二色成形により形成されている上記いずれか一項に記載の温熱具。
<51>前記突起部において皮膚に接触する側の部分に相対的に柔らかい材料が用いられていていてもよいし、逆に、前記突起部において皮膚に接触する側の部分に相対的に硬い材料が用いられていてもよい<50>に記載の温熱具。
<52>前記突起部が、抄造により形成された紙により構成されており、通気性を有する上記いずれか一項に記載の温熱具。
以下、実施例及び比較例を説明する。
Figure 0007286308000001
表1に示す実施例1、比較例1及び比較例2の各々は、8人の被験者に対する実験の結果を示している。表1に示す実施例1は図21(a)に示す温熱具(左右の目周りとそれぞれ対応して4つずつの突起部を有する)を使用した結果を示している。表1に示す比較例1は、発熱体を有していない点で図21(a)に示す温熱具と相違していてその他の点では図21(a)に示す温熱具と同様に構成されている温熱具(不図示)を用いて(蒸気温熱は付与せずに)突起部によりツボに対する刺激のみを行った結果を示している。表1に示す比較例2は、突起部を含む突起部ユニットを備えていない点で図21(a)に示す温熱具と相違する温熱具(不図示)を使用した結果を示している。
表1には、大きく分けて「心理相関(心理面などの影響)」、「目相関(目に対する影響)」、「効果(その他の影響)」について、被験者の主観による評価結果が示されている。
表1に示すように、比較例1では、「心理相関」として、精神的な圧迫から解放されたかのような感じ(精神圧迫解放)、疼痛が緩和されたかのような感じ(疼痛緩和)、及び、(ツボ押しによる)痛感を、それぞれ2人、1人、2人の被験者が実感した。比較例1では、「目相関」として、目がはっきり見えるかのような感じ(晴眼)、眼精疲労が軽減されたかのような感じ(眼精疲労軽減)、眼の圧迫感から解放されたかのような感じ(眼精圧迫解放)、視力が回復したかのような感じ(視力回復)、及び、目がすっきりする感じ(すっきり)を、それぞれ1人、1人、2人、1人、1人の被験者が実感した。比較例1では、「効果」として、血液循環が良化したかのような感じ(血液循環)、プロフェッショナル、及び、中医的な治療を受けたかのような感じ(中医)を、それぞれ2人、1人、1人の被験者が実感した。
表1に示すように、比較例2では、「心理相関」として、リラックスした感じ(リラックス)、快適さ(快適)、安眠の助けになること(安眠誘導)、精神的な圧迫から解放されたかのような感じ(精神圧迫解放)、和らげられたかのような感じ(和らぐ)、及び、休息が得られた感じ(休息)を、それぞれ8人、5人、3人、2人、1人、1人の被験者が実感した。比較例2では、「効果」として、温かさ(温暖)を1人の被験者が実感した。
表1に示すように、実施例1では、「心理相関」として、リラックスした感じ(リラックス)、快適さ(快適)、安眠の助けになること(安眠誘導)、精神的な圧迫から解放されたかのような感じ(精神圧迫解放)、(ツボ押しによる)痛感、精力的になったような感じ(精力的)、及び、無我の境地になったかのような感じ(無我の境地)を、それぞれ4人、1人、1人、3人、1人、3人、1人の被験者が実感した。実施例1では、「目相関」として、目がはっきり見えるような感じ(晴眼)、及び、眼精疲労が改善したかのような感じ(眼精疲労改善)を、それぞれ3人、2人の被験者が実感した。実施例1では、「効果」として、血液循環が促進されたような感じ(血液循環促進)、プロフェッショナル、温かさ(温暖)、治療効果が得られたかのような感じ(治療効果)、及び、相乗効果を、それぞれ4人、1人、1人、1人、1人の被験者が実感した。
これらの結果から、実施例1によれば、比較例1、2と比べて、より様々な種類の効果を使用者が一度に実感できることが分かる。特に、実施例1によれば、比較例1及び比較例2では得られなかった、「精力的になったような感じ」を、半数近くの被験者が実感できた。
図24(a)は、左から順に、比較例3(突起無し)、実施例2(山型)、及び、実施例3(花型)について、交感神経活動値の測定結果を示す。比較例3、実施例2及び実施例3の被験者は、40代から50代の6人の女性である。図24(a)には6人の被験者の平均値を示す。
実施例2は、2段の山型突起部(山型突起部の形状は図21(a)及び図21(b)を参照)が図1のように左右の目周りとそれぞれ対応して7つずつ配置された温熱具(不図示)を用いた場合を示し、実施例3は花型突起部(花型突起部の形状は図22(a)及び図22(b)を参照)が図1のように左右の目周りとそれぞれ対応して7つずつ配置された温熱具(不図示)を用いた場合を示し、比較例3は突起部を含む突起部ユニットを備えていない点で実施例2及び実施例3の温熱具と相違する温熱具(不図示)を用いた場合を示す。
比較例3、実施例2及び実施例3の各々について、左、中、及び、右の3本ずつの棒グラフが示されている。比較例3(突起無し)、実施例2(山型)及び実施例3(花型)の各々について、左、中、及び、右の3本ずつの棒グラフのうちの左の棒グラフは、単に温熱具を装着して使用した場合の結果を示す。比較例3(突起無し)、実施例2(山型)及び実施例3(花型)の各々について、左、中、及び、右の3本ずつの棒グラフのうちの中の棒グラフは、温熱具を装着してマッサージを行った場合の結果を示す。比較例3でのマッサージは、温熱具の外側から温熱具を介して手で行い。実施例2及び実施例3でのマッサージは、温熱具の突起部を皮膚に押し付けるようにして温熱具の外側から手で行った。比較例3(突起無し)、実施例2(山型)及び実施例3(花型)の各々について、左、中、及び、右の3本ずつの棒グラフのうちの右の棒グラフは、温熱具の使用及びマッサージをした後に休憩した後で測定した結果を示す。
比較例3、実施例2及び実施例3の各々について、左の棒グラフの値を基準値(=1)とし、中の棒グラフ及び右の棒グラフは、基準値に対する相対値で示されている。図24(a)において、棒グラフの縦軸の値が大きいほど、交感神経活動値が高いことを示す。
図24(a)に示される結果から、実施例2(山型)及び実施例3(花型)では、比較例3(突起無し)と比べて、使用後の休憩後の交感神経活動値(基準値に対する相対値)が高くなったことが分かる。特に、実施例3(花型)の結果がより良好であったことが分かる。
図24(b)は、左から順に、比較例4(突起無し)、実施例4(山型)、及び、実施例5(花型)について、脳波(β波)の出現率の測定結果を示す。比較例4、実施例4及び実施例5でも、被験者は40代から50代の6人の女性である。図24(b)には6人の被験者の平均値を示す。
実施例4で用いた温熱具は実施例2と同じ(山型の突起部を有する温熱具)であり、実施例5で用いた温熱具は実施例3と同じ(花型の突起部を有する温熱具)であり、比較例4で用いた温熱具は比較例3と同じである。
比較例4、実施例4及び実施例5の各々について、左、中、及び、右の3本ずつの棒グラフが示されている。比較例4(突起無し)、実施例4(山型)及び実施例5(花型)の各々について、左、中、及び、右の3本ずつの棒グラフのうちの左の棒グラフは、温熱具の使用前に予め休憩した後での測定結果を示す。比較例4(突起無し)、実施例4(山型)及び実施例5(花型)の各々について、左、中、及び、右の3本ずつの棒グラフのうちの中の棒グラフは、温熱具を装着してマッサージを行った後での測定結果を示す。比較例4でのマッサージは、温熱具の外側から温熱具を介して手で行い。実施例4及び実施例5でのマッサージは、温熱具の突起部を皮膚に押し付けるようにして温熱具の外側から手で行った。比較例4(突起無し)、実施例4(山型)及び実施例5(花型)の各々について、左、中、及び、右の3本ずつの棒グラフのうちの右の棒グラフは、温熱具の使用及びマッサージをした後に休憩した後で測定した結果を示す。
比較例4、実施例4及び実施例5の各々について、左の棒グラフの値を基準値(=1)とし、中の棒グラフ及び右の棒グラフは、基準値に対する相対値で示されている。図24(b)において、棒グラフの縦軸の値が大きいほど、脳波(β波)の出現率が高いことを示す。
図24(b)に示される結果から、実施例4(山型)及び実施例5(花型)では、比較例4(突起無し)と比べて、マッサージを行った後での脳波(β波)の出現率、並びに、温熱具の使用及びマッサージをした後に休憩した後での脳波(β波)の出現率が高くなったことが分かる。特に、実施例5(花型)の結果がより良好であったことが分かる。
図25(a)は実施例6による皮膚血流束の測定結果を示し、図25(b)は実施例7による皮膚血流束の測定結果を示す。実施例6及び実施例7の被験者は、40代から50代の4人の女性である。図25(a)には4人の被験者の平均値を示す。
実施例6及び実施例7の各々で用いた温熱具は実施例3と同じような花型の突起部4つを有し、且つ突起部が図21(a)のように配置されている温熱具である。
実施例6では、各被験者は、先ず、10分間の休憩をし、次に、温熱具を10分間使用し、次に、引き続き温熱具を使用しながら3分間のマッサージを行い、次に、マッサージを止めて引き続き温熱具を7分間使用し、最後に、温熱具を外して10分間の休憩を行った。
実施例7では、各被験者は、先ず、10分間の休憩をし、次に、温熱具を使用開始するとともに3分間のマッサージを行い、次に、マッサージを止めて引き続き温熱具を17分間使用し、最後に、温熱具を外して10分間の休憩を行った。
つまり、実施例6では、温熱具を使用する途中段階でのみマッサージを行ったのに対し、実施例7では、温熱具の使用開始段階にのみマッサージを行った。
図25(a)には、こめかみにおける測定結果(左側の4本の棒グラフ)と、眉間における測定結果(右側の4本の棒グラフ)とが示されている。
「こめかみ」の測定値と「眉間」の測定値の各々において、一番左側の棒グラフは、温熱具の使用前、すなわち最初の10分間の休憩を終えたタイミングでの測定値を示す。左から2番目の棒グラフは、蒸気温熱のみを付与した段階、すなわち温熱具を10分間使用したタイミングでの測定値を示す。左から3番目の棒グラフは、マッサージ後、すなわち3分間のマッサージを終えたタイミングでの測定値を示す。左から4番目の棒グラフは、最後の休憩を終えたタイミングでの測定値を示す。
「こめかみ」の測定値と「眉間」の測定値の各々について、一番左側の棒グラフの値を基準値(=1)とし、その他の3本の棒グラフは、基準値に対する相対値で示されている。図25(a)において、棒グラフの縦軸の値が大きいほど、皮膚血流束が多いことを示す。
図25(a)に示すように、実施例6では、こめかみ及び眉間の各々において、温熱具を10分間使用したタイミングでは使用前と比べて皮膚血流束が増大し、マッサージ後や最後の休憩後には更に皮膚血流束が増大した。
図25(b)には、こめかみにおける測定結果(左側の3本の棒グラフ)と、眉間における測定結果(右側の3本の棒グラフ)とが示されている。
「こめかみ」の測定値と「眉間」の測定値の各々において、左の棒グラフは、温熱具の使用前、すなわち最初の10分間の休憩を終えたタイミングでの測定値を示す。中の棒グラフは、マッサージ後、すなわち3分間のマッサージを終えたタイミングでの測定値を示す。右の棒グラフは、最後の休憩を終えたタイミングでの測定値を示す。
「こめかみ」の測定値と「眉間」の測定値の各々について、左の棒グラフの値を基準値(=1)とし、中及び右の棒グラフは、基準値に対する相対値で示されている。図25(b)においても、棒グラフの縦軸の値が大きいほど、皮膚血流束が多いことを示す。
図25(b)に示すように、実施例7では、こめかみ及び眉間の各々において、マッサージ後や最後の休憩後には使用前と比べて皮膚血流束が増大した。
図25(a)と図25(b)の比較から、温熱具の使用中に同じ時間の長さのマッサージを行うならば、使用開始段階で行うよりも、途中段階で行う方が、皮膚血流束を増大させる効果が高いことが分かった。つまり、皮膚温がさほど上昇していない段階でマッサージを行うよりも、皮膚温が十分に上昇した段階でマッサージを行う方が、皮膚血流束を増大させる効果が高いと考えられる。
その一方で、被験者にヒアリングしたところ、温熱具の使用開始段階でマッサージを行う方が、途中でマッサージをよりも、楽(面倒でない)という結果が得られた。温熱具の使用開始段階でマッサージを行った場合でも、図25(b)に示すように、特に眉間では皮膚血流束の増大作用が確認できた。
10 マスク本体部
10a 左目覆い部
10b 右目覆い部
11 第1シート
12 第2シート
13 接合部
14 上側スリット
15 下側スリット
18 収容空間
19 標示部
20 発熱体
20a 上縁
20b 下縁
20c 側縁
20d 側縁
21 第1被覆シート
22 第2被覆シート
23 発熱部
24 接合部
30 耳掛け部
31 耳掛け部構成シート
32 耳掛け用開口
33 固定部
34 第1耳掛け用スリット
35 第2耳掛け用スリット
50 突起部ユニット
50a シート
51 基部
52 突起部
52a 第1段部
52b 第2段部
52c 凹部
52d 平坦部
521 第1突起部
522、523 第2突起部
53 貼付部
54 開口
55 上側スリット
56 切欠形状部
57 貼付ユニット部
58 貼付部
59 ミシン目(易破断部、易伸展部)
60 基部シート(基部)
71 共通段部
71a 括れ部
100 温熱具

Claims (15)

  1. 目周りを覆うマスク本体部と、前記マスク本体部に設けられた発熱体と、を備える温熱具であって、
    (1)前記発熱体の周縁に沿って並んで配置されている複数の突起部を備えているか、
    又は、
    (2)前記マスク本体部に対して貼り付け可能な複数の突起部を備え、前記マスク本体部は、前記複数の突起部の貼り付け予定位置が前記発熱体の周縁に沿った位置であることを示す標示部を有し、
    前記突起部は、第1段部と、前記第1段部よりも当該突起部の突出方向先端側に配置されていて当該突起部の突出方向に当該突起部を視たときの寸法が前記第1段部よりも小さい第2段部と、前記第1段部と前記第2段部との間に配置された環状の凹部と、を含む複数段構造であり、
    前記第1段部、前記凹部及び前記第2段部は互いに同心に配置されている温熱具。
  2. 前記複数の突起部には、第1方向に並ぶ2つ以上の突起部と、前記第1方向に対して交差する方向に並ぶ2つ以上の突起部と、が含まれている請求項1に記載の温熱具。
  3. 前記複数の突起部は、前記発熱体の角部を挟む2辺に沿って並んでいるか、
    又は、
    前記標示部の少なくとも一部分は、前記発熱体の角部を挟む2辺に沿って延在している請求項1又は2に記載の温熱具。
  4. 前記複数の突起部は、前記発熱体の下縁を避けて配置されているか、
    又は、
    前記標示部は、前記発熱体の下縁を避けて配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の温熱具。
  5. 前記複数の突起部には、前記発熱体の上縁に沿って上に凸の弧状に並ぶ3つ以上の突起部が含まれているか、
    又は、
    前記標示部の少なくとも一部分が、前記発熱体の上縁に沿って弧状に延在している請求項1から4のいずれか一項に記載の温熱具。
  6. 前記複数の突起部が、I字状、L字状、T字状、十字状又は弧状に並んでいるか、
    又は、
    前記標示部の少なくとも一部分が、I字状、L字状、T字状、十字状又は弧状に形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の温熱具。
  7. 前記複数の突起部が前記発熱体の周縁部と重ねて配置されているか、
    又は、
    前記標示部の少なくとも一部分が前記発熱体の周縁部と重ねて配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の温熱具。
  8. 前記マスク本体部に対して貼り付け可能な複数の突起部のうち2つ以上の突起部を含んで構成され、前記マスク本体部に対して貼り付けられる突起部ユニットを備える請求項1から7のいずれか一項に記載の温熱具。
  9. 前記突起部ユニットは、
    基部と、
    前記基部に設けられている前記2つ以上の突起部と、
    前記基部を前記マスク本体部に対して貼り付けるための貼付部と、
    を備える請求項8に記載の温熱具。
  10. 前記基部において、前記2つ以上の突起部のうち互いに隣り合う突起部どうしの間の部位に形成された、易破断部を備えている請求項9に記載の温熱具。
  11. 前記基部において、前記2つ以上の突起部のうち互いに隣り合う突起部どうしの間の部位に形成された、易伸展部を備えている請求項9又は10に記載の温熱具。
  12. 前記複数の突起部が前記マスク本体部に設けられており、
    使用者が当該温熱具を着用した状態で、前記複数の突起部のうちの少なくとも1つが前記使用者の目周りのツボを押せる位置に配置される請求項1から1のいずれか一項に記載の温熱具。
  13. 前記複数の突起部が前記マスク本体部に設けられており、
    前記複数の突起部には、第1突起部と、突出方向における寸法が前記第1突起部よりも小さい第2突起部と、が含まれている請求項1から1のいずれか一項に記載の温熱具。
  14. 前記複数の突起部が前記マスク本体部に設けられており、
    前記複数の突起部には、第1突起部と、突出方向の荷重に対して前記第1突起部よりも潰れやすい第2突起部と、が含まれている請求項1から1のいずれか一項に記載の温熱具。
  15. 前記第1突起部は、前記マスク本体部の横幅方向における中央寄りの位置に配置されており、
    前記第2突起部は、前記マスク本体部の横幅方向における端部寄りの位置に配置されている請求項1又は1に記載の温熱具。
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