JPH034271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、特殊な通気性指圧シートを枕に巻回
することによつて、就寝時を利用して手軽に指圧
を施して快眠を促進することができる枕に関する
ものである。

(ロ) 従来技術及びその問題点 従来から、民間治療法の１つとしてツボと称す
る人体の局所を指などで押圧して神経を刺激し、
血行を盛んにして治療する指圧療法が、偏頭痛、
血行障害、肩こり、疲労等の症状に対して効果的
であるとされており、人体の各局部の形状に応じ
た取扱い簡便な指圧器具が数多く開発されてい
る。しかしながら、いずれの指圧器具も、手、
足、腰、背部等の局部的治療効果を得るにとどま
り、頭部、頚部に指圧作用を施して快眠を促進せ
しめるものではなかつた。

(ハ) 本考案が解決しようとする問題点 本考案が解決しようとする問題点、即ち本考案
の目的は、従来技術の欠点を解消するものであつ
て、人間活動の停止・休息のための就眠時に、頭
部及び頚部を指圧して指圧療法効果を得ることが
できるばかりでなく、異物感のないソフトな指圧
作用によつて深い眠りを誘発して快眠を促進し且
つ通気を良好にして発汗による蒸れを防止した衛
生的な指圧枕を提供するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、前記(ハ)の如き目的を達成するために
次の如き構造を有するものである。即ち、本考案
は、伸縮性表布帛と弾性スポンジシートと非伸縮
性裏当て布帛を熱プレスして融着積層したシート
基体に、前記の伸縮性表布帛と弾性スポンジシー
トと非伸縮性裏当て布帛を単に積層した半球状突
出指圧部を多数散在配設してなる通気性指圧シー
トを、枕本体に巻回したことを特徴とするもので
ある。

なお、本考案においては、伸縮性表布帛の素材
としてポリアミド，ポリエステル，アクリル等の
熱可塑性マルチフイラメント糸を編成した編地を
用い、弾性スポンジシートの素材としてポリウレ
タン，ポリプロピレン，ポリエチレン等の肉厚の
海綿体・発泡体等を用い、非伸縮性裏当て布帛の
素材として綿の混紡糸，強撚糸等を平織した織地
を用いるが、本考案の指圧枕に有する機能を充分
に発揮し得る素材であれば、これら以外の素材で
あつても差支えない。また、シート基体に多数散
在配設する半球状突出指圧部の突出高さは、丈
高・丈低・またはそれらの混在したもの、いずれ
であつても良く、更に、丈高・丈低の二種類の半
球状突出指圧部を混在配設した場合においては、
その配列形態としていかなる配列形態を採用して
も良い。更に、本考案の指圧枕に用いた指圧シー
トの周辺端部を細巾織テープ等で被覆縫着すると
耐久性が一段と向上する。

(ホ) 本考案の作用 本考案は、上述した構成を有しているので、以
下の如き作用を有する。

ａ 指圧シートを構成する伸縮性表布帛、弾性ス
ポンジシート及び非伸縮性裏当て布帛がいずれ
も柔軟性を有するので、指圧シート自体が柔軟
性に富み、容易に枕本体に巻き付けることがで
きるので、異物感なく頭部と頚部を指圧するこ
とができ、また、頭部から頚部への曲線に馴染
み、ムラのない指圧作用を施すことができる。

ｂ 指圧シートの表布帛として伸縮性布帛を積層
したため、伸縮性表布帛は半球状突出指圧部内
の弾性スポンジシートに有する弾性指圧機能を
拘束することなく、いかなる弾性変形に対して
も追従し得る伸縮作用を有する。

ｃ 指圧シートの裏当て布帛が非伸縮性布帛であ
るため、指圧時に弾性スポンジシートが裏綿に
膨出することなく、したがつて、指圧効果が減
殺されずに有効に作用する。

ｄ 指圧シートの素材として伸縮性布帛、弾性ス
ポンジシート、非伸縮性布帛を用いたため、い
ずれも通気性を有しているので、指圧シート全
体が通気作用を有する。

(ヘ) 実施例 〔実施例 １〕 第１〜５図は、本考案の指圧枕の一実施例を示
したものであつて、第１図はその斜視図であり、
第２〜３図は指圧枕に用いた通気性指圧シートの
斜視図であり、第４図及び第５図は第２〜３図に
示す突出指圧部を拡大した熱プレス前、及び熱プ
レス後の断面図である。

第１図に示す如き指圧枕は、第２図若しくは第
３図に示す如き通気性指圧シート１を枕本体２に
巻回してなるものである。

ここで、第２図、若しくは第３図に示す如き本
考案の指圧枕に用いた通気性指圧シート１につい
て詳述する。第２図、若しくは第３図に示す如き
通気性指圧シート１は、第４図に示す如きポリア
ミドマルチフイラメント糸を編成した伸縮性表布
帛３、ポリウレタンの海綿体からなる弾性スポン
ジシート４、綿糸を平織した非伸縮性裏当て布帛
５を順に積層した後、加熱板・加熱ロール等の公
知の熱プレス手段によつて、第５図に示す如き弾
性スポンジシート４の表裏両面を加圧・融着させ
て偏平なシート基体６を形成すると同時に、弾性
スポンジシート４の一部を加圧・融着させること
なく内包する多数の半球状突出指圧部７を前記シ
ート基体４に散在形成してなるものである。した
がつて、シート基体６は、伸縮性表布帛３と弾性
スポンジシート４の表面が強固に融着保持されて
いると共に、弾性スポンジシート４の裏面と非伸
縮性裏当て布帛５が強固に融着保持されている。
一方、半球状突出指圧部７は、弾性スポンジシー
ト４が封入されてその弾性機能による指圧効果を
発揮する。

なお、第２図に示す通気性指圧シート１は、丈
高・丈低の半球状突出指圧部７をシート基体６に
交互に散在して配列したものである。

また、第３図に示す通気性指圧シート１は、丈
高・丈低の半球状突出指圧部７と、指圧治療時に
生ずる指圧シートのズレを防止するために前記の
半球状突出指圧部２の間を連結配置した畝部８と
を、シート基体６に多角形模様に配列したもので
ある。

〔実施例 ２〕 第６図は、本考案の指圧枕の他の実施例を示し
たものである。

第６図に示す如き指圧枕は、第２図、若しくは
第３図に示す如き通気性指圧シート１を枕袋９に
収納された複数の嚢体１０，１０…の少くとも頭
部、頚部を支承する１つに巻回し、該通気性指圧
シート１が位置する枕袋部分を通気性表皮を有す
る窓部１１に形成したものである。なお、枕袋９
にはフアスナーで開閉される収納口１２が形成さ
れている。

(ト) 本考案の効果 本考案は、上述した構成及び作用を有している
ので、次の如き効果を奏する。

半球状突出指圧部が指圧すべき人体の頭部及
び頚部の形状に応じた弾性指圧機能を発揮する
ため、使用時に異物感を呈することなく、永続
的に愛用することができると共に、張り、腰等
の風合とソフトな指圧感覚の両者を有している
ので、繊細な指圧治療が要求される老人、病人
用の指圧枕として用いることができる。

指圧シートの素材として伸縮性表布帛、弾性
スポンジシート、非伸縮性裏当て布帛を用いて
いるため、指圧シート全体に通気性があるの
で、就眠時に人体の頭部、頚部に生じる発汗の
蒸れを防止して衛生的な指圧治療を施すことが
できると共に、保冷効果を高めて快眠を促進す
ることができる。

半球状突出指圧部以外のシート基体に積層さ
れた伸縮性表布帛・弾性スポンジシート、非伸
縮性裏当て布帛が強固に融着保持されていると
共に裏当て布帛として非伸縮性布帛が用いられ
ているため、指圧シート全体の保形性、耐久性
が優れている。

以上のように、本考案の指圧枕は、人間活動の
停止・休息のための就眠時に、頭部及び頚部を指
圧して指圧治療効果を得ることができるばかりで
なく、異物感のないソフトな指圧作用によつて深
い眠りを誘発して快眠を促進すると共に通気を良
好にして発汗による蒸れを防止して衛生的であ
り、その実用的効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の指圧枕に関するものであつ
て、第１図はその一実施例を示した斜視図であ
り、第２〜３図は指圧枕に用いた通気性指圧シー
トの斜視図であり、第４図及び第５図は第２〜３
図に示す突出指圧部を拡大した熱プレス前、及び
熱プレス後の断面図であり、第６図は本考案の他
の実施例を示すものである。 １……通気性指圧シート、２……枕本体、３…
…伸縮性表布帛、４……弾性スポンジシート、５
……非伸縮性裏当て布帛、６……シート基体、７
……半球状突出指圧部、８……畝部、９……枕
袋、１０……嚢体、１１……窓部、１２……収納
口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 伸縮性表布帛と弾性スポンジシートと非伸縮
   性裏当て布帛を熱プレスして融着積層したシー
   ト基体に、前記の伸縮性表布帛と弾性スポンジ
   シートと非伸縮性裏当て布帛を単に積層した半
   球状突出指圧部を多数散在配設してなる通気性
   指圧シートを、枕本体に巻回したことを特徴と
   する指圧枕。 (2) 伸縮性表布帛が、熱可塑性マルチフイラメン
   ト糸を編成してなる編地である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の指圧枕。 (3) 非伸縮性裏当て布帛が、綿糸を平織してなる
   織地である実用新案登録請求の範囲第１項また
   は第２項記載の指圧枕。 (4) 弾性スポンジシートが、ポリウレタンからな
   る実用新案登録請求の範囲第１項ないし第３項
   のいずれか記載の指圧枕。