JPH034267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、特殊指圧シートとクツシヨンを組合
せることにより、手軽に指圧治療を施して健康を
促進することのできるクツシヨンに関するもので
ある。

(ロ) 従来技術及びその問題点 従来から、民間治療法の１つとしてツボと称す
る人体の局所を指などで押圧して神経を刺激し、
血行を盛んにして治療する指圧療法が、偏頭痛、
血行障害、肩こり、疲労等の症状に対して効果的
であるとされており、人体の各局部の形状に応じ
た取扱い簡別な指圧器具が数多く開発されてい
る。

しかしながら、従来のいずれの指圧器具も、指
圧機能を有しているものの、使用時の異物感のた
めに愛用し難く、永続的な指圧療法を断念してし
まう欠点を有していたばかりでなく、人体の各局
部の形状に応じた形状を有しているため、人体の
各局部間での転用ができないという欠点を有して
いた。

(ハ) 本考案が解決しようとする問題点 本考案が解決しようとする問題点、即ち本考案
の目的は、従来技術の欠点を解消するものであつ
て、人体の如何なる局部にも適用できると共に、
使用時に異物感のないソフトな指圧効果を発揮す
ることができ、しかも通気性、耐久性、保形性の
良い安価な指圧クツシヨンを提供するものであ
る。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、前記(ハ)の如き目的を達成するために
次の如き構造を有するものである。即ち本考案
は、クツシヨン材料を充填した嚢体の胴部に伸縮
性布帛と弾性スポンジシートと非伸縮性裏当て布
帛とからなる通気性指圧シートを巻回すると共
に、該嚢体の両側端部に引き掛け紐の端部を夫々
連結してなることを特徴とするものである。

なお、本考案においては、嚢体に充填したクツ
シヨン材料として藁麦殻、詰綿、スポンジ等を用
いているが、本考案の指圧クツシヨンが有するク
ツシヨン機能を充分に発揮し得る材料であれば、
これら以外の材料であつても差支えない。

一方、本考案において採用した通気性指圧シー
トは、伸縮性表布帛と弾性スポンジシートと非伸
縮性裏当て布帛とを熱プレスして融着積層したシ
ート基体に、前記の伸縮性表布帛と弾性スポンジ
シートと非伸縮性裏当て布帛を単に積層した半球
状突出指圧部を多数散在配設してなるものであ
る。ここで、前記の伸縮性表布帛の素材としてポ
リアミド，ポリエステル，アクリル等の熱可塑性
マルチフイラメント糸を編成した編地を用い、弾
性スポンジシートの素材としてポリウレタン，ポ
リプロピレン、ポリエチレン等の肉厚の海綿体、
発泡体等を用い、非伸縮性裏当て布帛の素材とし
て綿の混紡糸、強撚糸等を平織した織地を用いる
が、本考案の指圧クツシヨンに有する機能を充分
に発揮し得る素材であれば、これら以外の素材で
あつても差支えない。また、シート基体に多数散
在配設する半球状突出指圧部の突出高さは、丈
高、丈低、若しくはそれらの混在したもの、いず
れであつても良く、更に、丈高、丈低の二種類の
半球状突出指圧部を混在配設した場合において
は、その配列形態としていかなる配列形態を採用
しても良い。加えて、前記の通気性指圧シートの
周辺端部を細幅織テープ等で被覆縫着すると耐久
性が一段と向上する。

(ホ) 本考案の作用 本考案は、上述した構成を有しているので、以
下の如き作用を有する。

ａ 指圧シートを構成する伸縮性表布帛、弾性ス
ポンジシート及び非伸縮性裏当て布帛はいずれ
も柔軟性を有するので、指圧シート自体が柔軟
性に富み、容易に嚢体に巻き付けることがで
き、人体における局部各所の曲線形態に馴染
み、異物感のない指圧作用を施すことができ
る。

ｂ 指圧シートの裏当て布帛が非伸縮性布帛であ
るため、指圧時に弾性スポンジシートが裏面に
膨出することなく、したがつて、指圧効果が減
殺されずに有効に作用する。

ｃ 指圧シートの表布帛として伸縮性布帛を積層
したため、伸縮性布帛は弾性スポンジシートに
有する弾性指圧機能を拘束することなく、使用
時のいかなる弾性変形に対しても追従し得る伸
縮作用を有する。

ｄ 指圧シートの素材として伸縮性布帛、弾性ス
ポンジシート、非伸縮性布帛を用いたため、い
ずれも通気性を有しているので、指圧シート全
体が通気作用を有する。

ｅ 引き掛け紐を嚢体の両側端部に付設したた
め、いかなる場所にも簡単に取付けられるの
で、使用時のいかなる姿勢であつても指圧効果
が有効に作用する。

(ヘ) 実施例 第１〜５図は、本考案の指圧クツシヨンの一実
施例を示したものであつて、第１図はその外観図
であり、第２〜３図は指圧クツシヨンに用いた通
気性指圧シートの斜視図であり、第４図及び第５
図は第２〜３図の突出指圧部を拡大した熱プレス
前、及び熱プレス後の断面図である。

第１図に示す如き指圧クツシヨンは、藁麦殻か
らなるクツシヨン材料を充填した嚢体１の胴部
に、第２図若しくは第３図に示す如き通気性指圧
シート２を巻回すると共に、該嚢体１の両側端部
に引き掛け紐３の端部を縫着、接着等の公知の固
着手段によつて夫々連結して構成するものであ
る。

ここで、第２図、若しくは第３図に示す如き、
本考案の指圧クツシヨンに用いた通気性指圧シー
ト２について詳述する。第２図、若しくは第３図
に示す如き通気性指圧シート２は、第４図に示す
如きポリアミドマルチフイラメント糸を編成した
伸縮性表布帛４、ポリウレタンの海綿体からなる
弾性スポンジシート５、綿糸を平織した非伸縮性
裏当て布帛６を順に積層した後、加熱板、加熱ロ
ール等の公知の熱プレス手段によつて、第５図に
示す如き弾性スポンジシート５の表裏両面を加
圧・融着させて偏平なシート基体７を形成すると
同時に、弾性スポンジシート５の一部を加圧・融
着させることなく内包する多数の半球状突出指圧
部８を前記シート基体７に散在形成してなるもの
である。したがつて、シート基体７は、伸縮性表
布帛４と弾性スポンジシート５の表面が強固に融
着保持されていると共に、弾性スポンジシート５
の裏面と非伸縮性裏当て布帛６が強固に融着保持
されている。一方、半球状突出指圧部８は、弾性
スポンジシート５が封入されてその弾性機能によ
る指圧効果を発揮する。なお、第２図に示す通気
性指圧シート２は、丈高、丈低の半球状突出指圧
部８をシート基体７に交互に散在して配列したも
のである。また、第３図に示す通気性指圧シート
２は、丈高、丈低の半球状突出指圧部８と、指圧
治療時に生ずる指圧シートのズレを防止するため
に前記の半球状突出指圧部２の間を連結配置した
畝部９とを、多角形模様に配列したものである。

(ト) 本考案の効果 本考案は、上述した構成及び作用を有している
ので、次の如き効果を奏する。

クツシヨン性を有する嚢体に通気性指圧シー
トを巻回したことによつて、従来の指圧器具に
感じられたような異物感がないので、永続的に
愛用することができるばかりでなく、従来用い
られている安楽クツシヨンの如く、手軽に頭
部、頚部、背中部、脚部等のいたる所に転用し
て指圧治療を施すことができるので便利であ
る。

指圧シートの素材として伸縮性表布帛・弾性
スポンジシート、非伸縮性裏当て布帛を用いて
いるため、指圧シート全体に通気性があるの
で、使用時に人体の局部に生じる発汗の蒸れを
防止して衛生的な指圧治療を施すことができる
ばかりでなく、ソフトタツチの指圧作用が得ら
れるので、繊細な指圧治療が要求される老人、
病人用の指圧クツシヨンとして用いることがで
きる。

引き掛け紐を付設したことによつて、例え
ば、自転車や椅子の背凭れ等のいかなる場所に
も簡単に取付けられるので、いかなる場所、及
び使用時の姿勢であつても手軽に指圧治療する
ことができる。

以上のように、本考案の指圧クツシヨンは、人
体のいかなる局部にも手軽に適用できると共に、
使用時に異物感のないソフトな指圧効果を発揮す
ることができ、しかも通気性、耐久性、保形性に
優れており、その実用的効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の指圧クツシヨンに関するもの
であつて、第１図はその一実施例を示した外観図
であり、第２〜３図は本考案の指圧クツシヨンに
用いた通気性指圧シートの斜視図であり、第４図
及び第５図は第２〜３図の突出指圧部を拡大した
熱プレス前、及び熱プレス後の断面図である。 １……嚢体、２……通気性指圧シート、３……
引き掛け紐、４……伸縮性表布帛、５……弾性ス
ポンジシート、６……非伸縮性裏当て布帛、７…
…シート基体、８……半球状突出指圧部、９……
畝部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クツシヨン材料を充填した嚢体の胴部に伸縮性
   表布帛と弾性スポンジシートと非伸縮性裏当て布
   帛とを熱プレスして融着積層したシート基体に前
   記の伸縮性表布帛と弾性スポンジシートと非伸縮
   性裏当て布帛を単に積層した半球状突出指圧部を
   多数散在配設してなる通気性指圧シートを巻回す
   ると共に、該嚢体の両側端部に引き掛け紐の端部
   を夫々連結してなることを特徴とする指圧クツシ
   ヨン。