JP7126440B2 - マスク - Google Patents
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Description
そこで、本発明者は、従来よりもマスクの横幅方向の長さを縮めても、耳掛部が装着された部分や耳裏における圧迫感を低減しつつ、側臥位の場合でもマスクの位置ずれを抑制する観点から鋭意検討を行ったところ、マスクを着用した際、着用者の目尻からこめかみ、目尻から耳たぶにかけての範囲を押さえつけないようにしつつ、着用者の眉付近をしっかり押さえることで、かかるマスクの横ずれを効果的に抑制し、フィット感を向上させつつ、圧迫感を低減できることを知見した。そして、マスクにおいて、フィット感と圧迫感との良好なバランスを得つつ、側臥位においても、広い範囲を均一に温めるという課題を解決する観点から、さらに検討を進めた結果、マスクが特定の条件を満たすことが当該課題を解決する指針として有効なことを見出し、本発明を完成した。
(条件)
(i)前記耳掛け部が耳掛け用の開口部を有し、当該開口部の最大長さをLa(mm)とし、一方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部から、他方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部までの長さをLb(mm)としたとき、(La×2+Lb)<285であり、
(ii)前記マスク本体を長手方向に4cm伸長したときの応力が70N未満であり、
(iii)以下の式(1)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が35%以上である。
応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)〕―〔10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1)
まず、本実施形態に係る温熱具50の一例について、図1~図3に基づいて説明する。
本実施形態に係る温熱具50は、アイマスクタイプのものであり、マスク本体部51により着用者の両目を覆い、マスク本体部51に設けられた一対の発熱体100から、所定温度に加熱された水蒸気を目およびその周囲に付与するために用いられるものである。
このような配置を取る事により、より一層着用時にマスク本体部51が顔にフィットしやすくなる。
さらに、図1に示すように、袋体53には、ノッチ部572に繋がるスリットが、袋体53中央部であって発熱体100を離隔する領域において、袋体53の下端から延在している。
耳掛部52は一対で用いられ、耳掛部52L、耳掛部52Rは、マスク本体部51の長手方向(X方向)の各端部にそれぞれ取り付けられている。より詳細には、耳掛部52において、マスク本体部51側を基端とし、マスク本体部51から遠い側を先端としたとき、耳掛部52の基端側の領域と、マスク本体部51の着用者側のシート(第1袋体シート531)とが接合されている。
また、耳掛部52L、および耳掛部52Rとはそれぞれマスク本体部51と重なり合う接合領域を有している。
耳掛部52は、単層のシートにより構成されていてもよいし、複数のシートの積層体であってもよい。耳掛部52としては、不織布等の繊維材料からなる繊維シートを用いることができる。耳掛部52は、上述した袋体53と同様の材料を用いたものであってもよいし、異なる材料を用いたものであってよい。
また、孔54は耳掛け部52をマスク本体部51から外側に向かって開いた時、孔54がマスク本体部51の長手方向に対して下方に延びて傾いている。
つぎに、温熱具50に備えられる発熱体100について説明する。本実施形態において、一対の発熱体100が温熱具50に配され、それぞれの発熱体100が着用者の目を覆うこととなる。
具体的には、発熱部10は、被酸化性金属の酸化反応によって発熱して温熱効果を付与するものであり、JIS S4100に準拠した測定において、発熱温度30℃以上70℃以下の性能を有するものを使用することができる。また、発熱部10は含まれる水が加熱されることにより、水蒸気を発生するという作用をもたらす。
このようなシート状の発熱体は、繊維と共に抄造する方法、塗工する方法、プレス等で圧密する方法など、任意の方法で得られる。
発熱部10の厚みを上記範囲とすることで、発熱効果を高めつつ、発熱体100を使用しやすいサイズにすることができる。また、発熱部10においては、適度な剛性を有するため、マスク装着時にフィット感をより強く感じる事ができる。
なお、この発熱部10の厚みは平均厚みを示す。
収容体20は、少なくとも一部が透気性であり、発熱部10を収容するものである。収容体20は、たとえば、図5に示すように2枚のシート(第1収容体シート201、第2収容体シート202)の周縁部203を貼り合せて構成することができる。
なお、第1収容体シート201は発熱部10よりも着用者の肌側に位置されるものであり、第2収容体シート202は発熱部10よりも着用者の肌から遠い側に位置されるものである。
温熱具50が水蒸気を目又は皮膚に供給する場合、水蒸気を効率的に人の目や皮膚に与える観点から、第1収容体シート201は、透気性に長けているシートであることが好ましく、一方、第2収容体シート202は、透気性に乏しいシートであることが好ましい。すなわち、第2収容体シート202の透気性は第1収容体シート201より透気性に乏しい事がより好ましく、非通気である事がより好ましい。
(条件)
(i)耳掛部52が耳掛け用の孔54を有し、孔54の最大長さをLa(mm)とし、一方の孔54のLa(mm)におけるマスク本体部51側の端部から、他方の孔54のLa(mm)におけるマスク本体部51側の端部までの長さをLb(mm)としたとき、(La×2+Lb)<285であり、
(ii)マスク本体部51を長手方向に4cm伸長したときの応力(N)が70N未満であり、
(iii)以下の式(1)で表される、耳掛部52の当該La方向における応力変化率が35%以上である。
応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)〕―〔10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1)
なお、耳掛部52が、孔54に繋がるスリットを有している場合、当該スリットは、最大長さをLaには含まれない。
また、図6のように孔54の形状が、頂点をマスク本体部51側とする涙型になっている場合には、孔54のマスク本体部51側の頂点と、孔54のマスク本体部51とは反対側の頂部とを結んだ直線がLa(mm)となる。
さらに、耳掛部52の孔54が、耳を通すための開口面積を有さないスリット(例えばT字形状の切れ込み)である場合、スリットの最大長さが、La(mm)となる。
La(mm)の下限値は、耳掛部52を使用者の耳に掛けやすくするとともに圧迫感を低減する観点から、好ましくは25(mm)以上であり、より好ましくは35(mm)以上であり、さらに好ましくは45(mm)以上であり、ことさらに好ましくは50(mm)以上である。
一方、La(mm)の上限値は、耳掛部52が長すぎて耳に適切にかからなくなる違和感を抑制し、且つ温熱具50のフィット感を良好にする観点から、好ましくは90(mm)以下であり、より好ましくは80(mm)以下であり、さらに好ましくは70(mm)以下であり、ことさらに好ましくは65(mm)以下である。
なお、耳掛部52の孔54が、耳を通すための開口面積を有さないスリット(例えばT字形状の切れ込み)である場合、一方のスリットの基端側の端部と、他方のスリットの基端側の端部との間の長さとなる。
Lb(mm)の下限値は、使用者の両目を十分に覆う観点から、好ましくは110(mm)以上であり、より好ましくは120(mm)以上であり、さらに好ましくは130(mm)以上である。
一方、Lb(mm)の上限値は、温熱具50のフィット感を良好にする観点から、好ましくは230(mm)以下であり、より好ましくは200(mm)以下であり、さらに好ましくは180(mm)以下である。
一方、当該応力の下限値は、特に限定されないが、温熱具50の取扱い性を良好にし、剛性や強度等を得る観点から、10N以上であることがこのましく、15N以上であることがより好ましく、20N以上であることがさらに好ましい。
なお、マスク本体部51の長手方向における伸度が4cm未満の場合、マスク本体部51を長手方向に2cm伸長したときの応力(N)を30N未満とするのが好ましく、26N以下とするのがより好ましく、24N以下とするのがさらに好ましい。
なお、マスク本体部51を長手方向に4cm伸長するとは、マスク本体部51内の発熱体100を除く領域を伸長させることを意図し、袋体53を長手方向に4cm伸長することと実質的に等しい。また、条件(i)を満たすことを前提としたマスク本体部51の約50%の伸長率に相当する。
また、本実施形態の温熱具50においては、マスク本体部51は縦中央部にノッチ部57を有するため、長手方向に伸長した際、ノッチ部57に負荷がかかり、マスク本体部51における応力を適切に測定できない場合が生じる。そのため、マスク本体部51を横方向に2分割し、2等分されたマスク本体部51の一方を用いて、測定を行うことが適切である。
上記の式(1)で表される、応力変化率とは、耳掛部52のいずれか一方をLa方向に伸長させた後に、耳掛部52がもとの位置に戻ろうとする応力がどの程度であるかを意味する。すなわち、耳掛部52を100%伸長させた後10%戻すときに生じる応力が高いほど、耳掛部52の元の位置に戻ろうとする応力が高いことを意図し、当該応力変化率は低くなる。言い換えると、当該応力変化率が高いほど、いったん伸長した耳掛部52がもとの位置に戻ろうとする応力が低くなり、その結果、着用者の耳掛部52が装着された部分や耳裏への圧迫感を低減できるようになる。また、一方で、条件(i)、(ii)と組み合わせることで、良好なフィット感が得られるようになる。
なお、応力変化率が耳掛部52Lと、耳掛部52Rとで異なる場合は、当該応力変化率は両者の平均値とする。
温熱具50において、応力変化率を35%以上とすることにより、耳掛部52の伸長に対する回復性が低くなり、耳掛部52が装着された部分や耳裏への圧迫感を低減しやすくなる。また、条件(i)、(ii)との相乗作用によるフィット感を向上させる観点から、応力変化率は、好ましくは40%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。一方、フィット感を保持する観点から、応力変化率は、好ましくは80%以下であり、より好ましくは75%以下であり、さらに好ましくは72%以下である。
なお、耳掛部52の当該応力変化率(%)は、耳掛部52を構成する材料や耳掛部52の外形、具体的には、例えば、外縁からのスリットの有無等によって、制御することができる。
50%応力変化率(%)={〔50%伸長時応力(N)〕―〔5%戻り伸長時応力(N)〕/50%伸長時応力(N)}×100 (2)
試料がマスク本体部51の場合、試料幅を80±10mmとし、当該試料を引張り試験器での初期長さを80±10mmに設定し、引張速度300mm/minにて、マスク本体部51の長手方向に4cm伸長させた際の引張強さを測定する。
試料が耳掛部52の場合、試料幅を80±10mmとし、当該試料を引張り試験器での初期長さを55±15mmに設定し、引張速度300mm/minにて、La方向に規定の長さ(100%伸長時応力であれば、初期長さの100%の長さ、50%伸長時応力であれば、初期長さの50%の長さ)伸長させた際の引張強さを測定する。
具体的には、実施例において後述する。
本実施形態における温熱具50において、上記の条件(i)~(iii)をすべて満たすことによって、温熱具50が着用者の眉付近において密着しやすくなり、フィット感を向上させることができるとともに、着用者の耳掛部52が装着された部分や耳裏にかかる負荷を低減し、圧迫感を抑制できる。その結果、側臥位になった場合でも、温熱具50の位置ずれを効果的に抑制でき、温熱具50による温熱効果を十分に得ることができるようになる。また、フィット感の向上に伴い、温熱具50全体において、より均一な温熱効果が得られるようになる。さらに、温熱具50によれば、目元の位置ずれが抑制されることで、より広い範囲に温まり感を感じる事ができ、全身のリラックス感も得られやすくなる。
なお、本実施形態の温熱具50において、Lcとは、図1に示すように、マスク本体部51の縦中央線のうち、スリットを除く部分の長さである。
Lc(mm)の下限値は、使用者の両目を十分に覆う観点から、好ましくは50(mm)以上であり、より好ましくは60(mm)以上であり、さらに好ましくは70(mm)以上である。
一方、Lc(mm)の上限値は、温熱具50のフィット感を良好にし、もたつき感を低減する観点から、好ましくは180(mm)以下であり、より好ましくは150(mm)以下であり、さらに好ましくは110(mm)以下であり、ことさらに好ましくは100(mm)以下である。
一方、耳掛部52におけるLa方向における100%伸長時応力(N)の上限値は、特に限定されないが、使用時において耳掛部52を伸長しやすくし、且つ耳掛部52を耳にかけやすくする観点、つまり圧迫感を低減する観点から、15以下が好ましく、10以下がより好ましい。
上記の実施形態においては、マスクの機能として酸化還元反応による発熱体100について説明したが、これに限られず、他の方法によって加温してもよく、また、保温、保湿、保冷、急冷、遮光、芳香、抗菌、押圧および防塵機能等を更に有してもよい。具体的なマスクとしては、温熱具50のような蒸気温熱機能を有するマスクの他、例えば、(1)更に遮光性の部材を用い、光を遮る目的の安眠マスク、(2)保温機能を有する部材を用い、電子レンジなどの加熱器でマスクを温めてから目を温めることのできるマスク、(3)保冷剤、冷感剤などの冷却部材と、発熱機能を組み合わせ、発熱による加温と共に目を冷やすこともできるマスク、(4)香り成分を有する部材を発熱体と共に用い、リラックス効果を与えるマスク、(5)ビーズや球体を備え、目に圧迫感を与えて指圧効果を奏するマスク、(6)電気などで振動させることによりマッサージ効果を奏するマスク、などに変更することが可能である。
<1>両目を覆うマスク本体と、前記マスク本体に設けられた発熱体と、前記マスク本体の長手方向両端部にそれぞれ接合され、当該マスク本体により着用者の両目を覆うように保持する一対の耳掛け部と、を備え、以下の条件を満たす、マスク。
(条件)
(i)前記耳掛け部が耳掛け用の開口部を有し、当該開口部の最大長さをLa(mm)とし、一方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部から、他方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部までの長さをLb(mm)としたとき、(La×2+Lb)<285であり、
(ii)前記マスク本体を長手方向に4cm伸長したときの応力が70N未満であり、
(iii)以下の式(1)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が35%以上である。
応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)〕―〔10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1)
<2>前記マスク本体の長手方向中央における短手方向の長さをLc(mm)としたとき、
Lc/(La×2+Lb)が、0.2以上0.4以下である、<1>に記載のマスク。
<3>前記耳掛け部の前記La方向における100%伸長時応力(N)が2以上である、<1>または<2>に記載のマスク。
<4>前記耳掛け部は不織布である、<1>乃至<3>のいずれかに記載のマスク。
<5>前記マスク本体を長手方向に4cm伸長したときの応力が10N以上、70N未満である、<1>乃至<4>のいずれかに記載のマスク。
<6>前記マスク本体を長手方向2cm伸長したときの応力が30N未満である、<1>乃至<5>のいずれかに記載のマスク。
<7>上記の式(1)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が、好ましくは35%以上80%以下であり、より好ましくは40%以上80%以下であり、さらに好ましくは50%以上75%以下である、<1>乃至<6>のいずれかに記載のマスク。
<8>以下の式(2)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が、好ましくは35%以上60%以下であり、より好ましくは40%以上60%以下であり、更に好ましくは45%以上50%以下である、<1>乃至<7>のいずれかに記載のマスク。
応力変化率(%)={〔50%伸長時応力(N)〕―〔5%戻り伸長時応力(N)〕/50%伸長時応力(N)}×100 (2)
<9>前記耳掛部は、前記マスク本体の長手方向の両端部近傍それぞれから斜め下向きに展開される、<1>乃至<8>のいずれかに記載のマスク。
<10>前記耳掛部をマスク本体から外側に向かって開いたとき、前記耳掛部は、平面視においてハの字形状となっている、<1>乃至<9>のいずれかに記載のマスク。
<11>前記耳掛部をマスク本体から外側に向かって開いたとき、前記開口部がマスク本体の長手方向に対して下方に傾いて延びている、<1>乃至<10>のいずれかに記載のマスク。
<12>前記発熱体がシート状である、<1>乃至<11>のいずれかに記載のマスク。
<13>前記発熱体は、被酸化性金属の酸化反応により水蒸気を発生する発熱体である、<1>乃至<12>のいずれかに記載のマスク。
<14>前記発熱体が、発熱部と、当該発熱部を内部に収容する収容体と、を備える、<13>に記載のマスク。
<15>前記発熱部が被酸化性金属、炭素成分、吸水剤、および水を含むものである<14>に記載のマスク。
<16>前記発熱部の厚みが、好ましくは0.2mm以上であり、より好ましくは0.4mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上であり、一方、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である、<14>または<15>に記載のマスク。
<17>前記収容体が、第1収容体シートと、第2収容体シートと、からなり、前記第1収容体シートの通気度が3000~6000秒/100mlであり、かつ、前記第2収容体シートが非通気である、<14>乃至<16>いずれかに記載のマスク。
<18>前記発熱体が一対であり、各々により両目が覆われるように配置されている、<1>乃至<17>のいずれかに記載のマスク。
<19><1>乃至<18>いずれかに記載のマスクにより両目が覆われるように使用する、マスクの使用方法。
以下の手順に従い、表2に示す構成のアイマスクタイプの温熱具を作製した。
表1で示す組成比で、材料を用意し、次の手順で調製した。キサンタンガムを水に溶解し、次いでリン酸3カリウム、水酸化カリウムを溶解して水溶液を用意した。一方で、鉄粉、活性炭をプレ混合した粉体を用意し、上記水溶液に、プレ混合粉体を入れ、ディスクタービン型攪拌羽根で150rpm、10分間攪拌してスラリー状の発熱粉体水分散物を得た。なお、塩化ナトリウムは後述する第1吸水シートの表面に該発熱粉体水分散物を塗布後、塗工面上に散布した。
第1吸水シートとして、木材パルプ製の紙(坪量20g/m2、伊野紙株式会社製)と吸水性ポリマー(球状、平均粒子径300μm、アクアリックCA、株式会社日本触媒製、坪量70g/m2)と木材パルプ製の紙(坪量30g/m2、伊野紙株式会社製)を積層して一体化したポリマーシート(最大吸水量の10~45質量%の水を吸収した状態での通気度2秒/100ml)を用い、第2吸水シートとして、ポリエチレンラミネート紙(ニットク株式会社製)木材パルプ製の紙(坪量50g/m2、伊野紙株式会社製)を用いた。
第1吸水シートとして用いるポリマーシートを用意し、前述のとおりに調製した発熱粉体水分散物を25cm2(5cm×5cm)の第1吸水シートの表面に厚み略3mm(塗工量1.7g)で塗工し、塗工面上に、食塩(日本薬局方塩化ナトリウム:富田製薬株式会社製)を0.089g散布し、塗工面を第2吸水シート25cm2(5cm×5cm)で被覆することで、発熱部を作製した。
収容体における第1収容体シートを、炭酸カルシウムを含む多孔質の延伸ポリエチレン透湿性フィルム(JIS P8117による通気度3,500秒)から構成した。第2収容体シートは、ポリエチレン製の非透湿フィルムから構成した。該第2収容体シートの一面に吸水紙(坪量35g/m2)を積層して、上述のシート状発熱部の1枚を間にして、第1収容体シートと第2収容体シートとを、吸水紙が外方を向くように重ね、周縁部においてシートどうしを接合し、矩形の発熱体を得た。
第1袋体シートは、ポリプロピレン製不織布(ニードルパンチ法、坪量80g/m2)、第2袋体シートは、ポリエチレンテレフタレート製不織布(エアスルー法、坪量30g/m2)を用い、図3に示すように、両袋体シートの間に、上記で得られた発熱体を2個挟み、周縁部および縦中心線近傍において第1袋体シート、第2袋体シートどうしを接合し、マスク本体を作成した。さらに、第1袋体シートの外側面に、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量40g/m2)を用いて耳掛け部を取り付け、図1に示すようなアイマスクタイプの温熱具を得た。なお、以上の各操作は、酸素が存在しない雰囲気下で行った。また、開口部の外端部近傍からマスク本体の縦方向下向きに延びる下向きスリット(1.2cm)を設けた。
得られた温熱具におけるLa(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)は、表2に示す通りであった。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製した以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、耳掛け部を、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量50g/m2)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製した以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製した以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、耳掛け部を、ポリウレタン製不織布(スパンボンド法、坪量30g/m2)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、耳掛け部を、ポリウレタン製不織布(スパンボンド法、坪量60g/m2)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポリプロピレン製不織布(スパンボンド法、坪量30g/m2)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量50g/m2)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
耳掛け部において、スリットを形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製した以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポリエチレンテレフタレート製不織布(ニードルパンチ法、坪量90g/m2)とし、耳掛け部を、ポリプロピレン製不織布(SMS法、40g/m2、細繊維)とし、耳掛け部において、スリットを形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポチエチレンテレフタレート製不織布(ニードルパンチ法、坪量90g/m2)とし、耳掛け部を、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量40g/m2、中央にフィルム層)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポリエチレンテレフタレート製不織布(ニードルパンチ法、坪量90g/m2)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、耳掛け部を、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量40g/m2、細繊維)とし、耳掛け部において、スリットを形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
・マスク本体の伸張性
まず、温熱具から一対の耳掛部を剥離し、マスク本体を縦中央線で二等分にした。次に、二等分されたマスク本体の一方を用い、以下の装置を用いて、マスク本体の長手方向両端部をチャックにより挟み、応力を加えて、300mm/分の速さで、長手方向に4cm伸長したときの荷重(N)を測定した。なお、マスク本体を挟む際は、発熱体を除くようにした。また、試料幅は80±10mmであり、チャック間隔は80±10mmとなるよう調整した。
装置名:「テンシロン万能試験機」
製造元:「株式会社オリエンテック」
まず、温熱具から一対の耳掛部を剥離した。マスク本体と耳掛部が一体になったもの(連なった1枚のシート)の場合、孔54Lの基端側の円弧の頂点から5mm内側を切り落とす。次に、一方の耳掛け部を用い、以下の装置を用いて、耳掛部のLa方向両端部をチャックにより挟み、応力を加えて、300mm/分の速さで、La方向に100%伸長させ、その後、初期長さ10%に相当する長さを戻した際の引張強さを測定した。また、試料幅は80±10mmであり、チャック間隔は55±15mmとなるよう調整した。
装置名:「テンシロン万能試験機」
製造元:「株式会社オリエンテック」
得られた測定結果から、以下の式(1)より、耳掛部のLa方向における応力変化率(%)を算出した。
応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)〕―〔10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1)
熟練したパネリスト10名で各温熱具を30分間着用し、以下の基準で評価し、10名の平均値を算出した。
[フィット感]
5:良好なフィット感がある
4:やや良好なフィット感がある
3:フィット感がある
2:わずかにフィット感がある
1:フィット感がほとんどない
[圧迫感のなさ]
5:圧迫感がまったくない
4:圧迫感がほとんどない
3:圧迫感がない
2:圧迫感がややある
1:圧迫感がある
[目の周りの温まり感(仰臥位)]
5:目の周りの温まり感が十分ある
4:目の周りの温まり感がやや十分ある
3:目の周りの温まり感がある
2:目の周りの温まり感がやや足りない
1:目の周りの温まり感が足りない
[目の周りの温まり感(側臥位)]
5:目の周りの温まり感が十分ある
4:目の周りの温まり感がやや十分ある
3:目の周りの温まり感がある
2:目の周りの温まり感がやや足りない
1:目の周りの温まり感がない
[リラックス感]
5:リラックス感が十分ある
4:リラックス感がやや十分ある
3:リラックス感がある
2:リラックス感がやや足りない
1:リラックス感がない
38℃以上となる面積を画像解析により計算したところ、実施例2では31.8cm2であったのに対し、比較例1では10.6cm2であった。
20 収容体
50 温熱具
51 マスク本体部
52 耳掛部
52L 耳掛部
52R 耳掛部
53 袋体
54 孔
54L 孔
54R 孔
57 ノッチ部
100 発熱体
201 第1収容体シート
202 第2収容体シート
203 周縁部
531 第1袋体シート
532 第2袋体シート
571 ノッチ部
572 ノッチ部
X 長手方向
Y 幅方向
Claims (6)
- 両目を覆うマスク本体と、前記マスク本体に設けられた発熱体と、前記マスク本体の長手方向両端部にそれぞれ接合され、当該マスク本体により着用者の両目を覆うように保持する一対の耳掛け部と、を備え、以下の条件を満たす、マスク。
(条件)
(i)前記耳掛け部が耳掛け用の開口部を有し、当該開口部の最大長さをLa(mm)とし、一方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部から、他方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部までの長さをLb(mm)としたとき、(La×2+Lb)<285であり、
(ii)前記マスク本体を長手方向に4cm伸長したときの応力が70N未満であり、
(iii)以下の式(1)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が40%以上75%以下である。
応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)―10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1) - 前記マスク本体の長手方向中央における短手方向の長さをLc(mm)としたとき、
Lc/(La×2+Lb)が、0.2以上0.4以下である、請求項1に記載のマスク。 - 前記耳掛け部の前記La方向における100%伸長時応力(N)が2以上である、請求項1または2に記載のマスク。
- 前記耳掛け部は不織布である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマスク。
- 前記発熱体は、被酸化性金属の酸化反応により水蒸気を発生する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマスク。
- 前記発熱体が一対であり、各々により両目が覆われるように配置されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマスク。
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