JP7126440B2 - マスク - Google Patents

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Description

本発明は、マスクに関する。
近年、目および目元を覆うマスクの機能が多様化し、様々なマスクが開発されている。例えば、被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱を利用した発熱体を内部に収容したアイマスクタイプの温熱具が利用されている。アイマスクタイプの温熱具は、発熱体により着用者の目を温め、左右の耳に一対の耳掛け部をひっかけて使用され、軽量で簡便に用いられること等から、広く好まれている。
一方で、アイマスクに対する期待はますます高まっている。たとえば、特許文献1には、耳掛け部を耳にかけやすく、マスク本体を顔にフィットさせやすくする観点から、耳掛け部連結部の位置や開口部の形状、およびスリット等を特定したアイマスクタイプの温熱具が開示されている。
特開2008-295779号公報
しかしながら、近年、アイマスクタイプの温熱具の使用態様が多様化し、着用者が上体を起こして使用する態様だけではなく、仰臥位であったり、さらには側臥位で使用する態様も生じてきた。そのため、特許文献1に開示されるような従来のアイマスクタイプの温熱具においては、側臥位で使用した場合、マスクが横ずれし、マスクと着用者との間に隙間ができ、マスク本来が有する温め効果が十分に得られにくくなるという新たな課題が生じた。詳細には、温熱具内に収容される発熱体の剛性により、着用者の目元から鼻周辺の形状に沿ってマスクが密着することが難しく、着用者が横向きになった場合において、着用者とマスクとの間に隙間が発生しやすかった。
ここで、アイマスクタイプの温熱具の横ずれを抑制するために、特段の工夫をすることなく、たとえば、マスクの横幅方向の長さを縮めて着用者の顔にマスクを密着させようとした場合には、着用者の耳掛部が装着された部分や耳裏において耳掛部による応力が高くなり、圧迫感が生じる傾向があった。
そこで、本発明者は、従来よりもマスクの横幅方向の長さを縮めても、耳掛部が装着された部分や耳裏における圧迫感を低減しつつ、側臥位の場合でもマスクの位置ずれを抑制する観点から鋭意検討を行ったところ、マスクを着用した際、着用者の目尻からこめかみ、目尻から耳たぶにかけての範囲を押さえつけないようにしつつ、着用者の眉付近をしっかり押さえることで、かかるマスクの横ずれを効果的に抑制し、フィット感を向上させつつ、圧迫感を低減できることを知見した。そして、マスクにおいて、フィット感と圧迫感との良好なバランスを得つつ、側臥位においても、広い範囲を均一に温めるという課題を解決する観点から、さらに検討を進めた結果、マスクが特定の条件を満たすことが当該課題を解決する指針として有効なことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、両目を覆うマスク本体と、前記マスク本体に設けられた発熱体と、前記マスク本体の長手方向両端部にそれぞれ接合され、当該マスク本体により着用者の両目を覆うように保持する一対の耳掛け部と、を備え、以下の条件を満たす、マスクを提供する。
(条件)
(i)前記耳掛け部が耳掛け用の開口部を有し、当該開口部の最大長さをLa(mm)とし、一方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部から、他方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部までの長さをLb(mm)としたとき、(La×2+Lb)<285であり、
(ii)前記マスク本体を長手方向に4cm伸長したときの応力が70N未満であり、
(iii)以下の式(1)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が35%以上である。
応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)〕―〔10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1)
本発明によれば、フィット感と圧迫感との良好なバランスが得られるマスクを提供することができる。また、本発明のマスクは、従来よりも広い範囲を温め、また均一な温まり感が得られる。
実施形態に係る温熱具の耳掛け部を開いた状態を模式的に示した平面図である。 実施形態に係る温熱具の耳掛け部を開く前の状態を模式的に示した平面図である。 図1に示す温熱具の分解斜視図である。 実施形態に係る発熱体を模式的に示した平面図である。 実施形態に係る発熱体を模式的に示した断面図である。 温熱具の耳掛部の孔の変形例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、以下においては、本発明のマスクとして、いわゆるアイマスクタイプの温熱具である場合について説明する。
[温熱具]
まず、本実施形態に係る温熱具50の一例について、図1~図3に基づいて説明する。
本実施形態に係る温熱具50は、アイマスクタイプのものであり、マスク本体部51により着用者の両目を覆い、マスク本体部51に設けられた一対の発熱体100から、所定温度に加熱された水蒸気を目およびその周囲に付与するために用いられるものである。
図1に示すように、温熱具50は、マスク本体部51と、耳が挿入される孔54(54L、54R)がそれぞれ形成された一対の耳掛部52(52L、52R)とを有している。
温熱具50は、各耳掛部52を着用者の耳に掛けて、マスク本体部51で着用者の両目を覆うように装着される。この着用状態下、後述する発熱体100から発生した温熱蒸気が着用者の目に施されるように構成されている。
図2は、温熱具50の耳掛部52を開く前の状態を模式的に示した平面図である。同図において、一対の耳掛部52は、温熱具50の内方に向けて互いに折りたたまれ、マスク本体部51縦中央部において、互いに接合されている。接合された領域には、ミシン目またはハーフカット溝が設けられている。すなわち、一連に形成された一対の耳掛部52を2等分するようにミシン目またはハーフカット溝が設けられ、これを着用者が切り離することによって、耳掛部52Lと、耳掛部52Rとが得られるようになっている。その後、耳掛部52Lと、耳掛部52Rとを外方に向けて反転させることにより、図1の状態とすることができる。すなわち耳掛部52は、マスク本体部51の長手方向の両端部近傍それぞれから斜め下向きに展開される。図1に示すように、耳掛部52をマスク本体部51から外側に向かって開いたとき、耳掛部52は、平面視においてハの字形状となっている。また、耳掛部52をマスク本体部51から外側に向かって開いたとき、孔52がマスク本体部51の長手方向に対して下方に傾いて延びている。
このような配置を取る事により、より一層着用時にマスク本体部51が顔にフィットしやすくなる。
図3は、図1に示す温熱具50の分解斜視図である。図3に示されるように、マスク本体部51は袋体53から構成され、袋体53の内部に一対の発熱体100が設けられている。
マスク本体部51は、長手方向Xとこれに直交する幅方向Yを有する横長の形状であり、ほぼ左右対称である。また、マスク本体部51は、可撓性の柔軟なシートにより構成されており、後述するように伸長性を有している。また、本体部51は伸縮性を有していても有していなくてもよいが、眉付近に温熱具50をしっかりと押さえつけ、フィット感をより一層強く感じさせる観点から、伸縮性がある方が好ましい。
マスク本体部51を構成する袋体53は、着用者の肌面に近い側に位置する第1袋体シート531と、着用者の肌面から遠い側に位置する第2袋体シート532とを有している。ここで、後述する発熱体100を挟み込むように、第1袋体シート531と第2袋体シート532とが設けられる。
第1袋体シート531および第2袋体シート532は同形であり、略長円形をしている。そして、第1袋体シート531および第2袋体シート532の外形がマスク本体部51の外形をなしている。第1袋体シート531および第2袋体シート532はそれらを重ね合わせ、それらの周縁部を少なくとも一部接合し、かつY方向の中央部をX方向に沿って接合することで、袋体53となる。第1袋体シート531および第2袋体シート532を接合するためには、たとえばホットメルト接着剤を用いることができる。なお、発熱体100は接着剤やヒートシール等により、袋体53に固定されていてもよい。
第1袋体シート531および第2袋体シート532としては、伸長性を有し、内部の発熱体100への空気の供給ができるものであればよく、たとえば、不織布をはじめとする繊維シートを使用できる。たとえば、ニードルパンチ不織布、エアスルー不織布およびスパンボンド不織布から選択される1種または2種以上を使用できる。
袋体53には、そのY方向に延びる2つの長辺の中央部の位置において、該長辺からX方向に沿って内方に切れ込んだ略V字形のノッチ部57(ノッチ部571、ノッチ部572)がそれぞれ形成されている。ノッチ部571、およびノッチ部572は、切れ込みの程度が異なっている。ノッチ部571は、温熱具50を装着したときに、着用者の眉間またはその近傍に位置する。ノッチ部572は、温熱具50を装着したときに、着用者の鼻梁に位置する。したがって、通常、ノッチ部571よりもノッチ部572の方が切れ込みの程度が大きくなっている。
さらに、図1に示すように、袋体53には、ノッチ部572に繋がるスリットが、袋体53中央部であって発熱体100を離隔する領域において、袋体53の下端から延在している。
温熱具50における耳掛部52は、使用前の状態では、図3に示すように、第1袋体シート531上に配置されている。使用前の状態、すなわち左右の耳掛部52が第1袋体シート531上に位置している状態においては、左右の耳掛部52によって形成される輪郭は、第1袋体シート531の輪郭とほぼ同じになっている。
耳掛部52は、温熱具50を着用者の顔に保持するための機能を有する。
耳掛部52は一対で用いられ、耳掛部52L、耳掛部52Rは、マスク本体部51の長手方向(X方向)の各端部にそれぞれ取り付けられている。より詳細には、耳掛部52において、マスク本体部51側を基端とし、マスク本体部51から遠い側を先端としたとき、耳掛部52の基端側の領域と、マスク本体部51の着用者側のシート(第1袋体シート531)とが接合されている。
また、耳掛部52L、および耳掛部52Rとはそれぞれマスク本体部51と重なり合う接合領域を有している。
耳掛部52は、横幅方向に伸長性を有することが好ましい。
耳掛部52は、単層のシートにより構成されていてもよいし、複数のシートの積層体であってもよい。耳掛部52としては、不織布等の繊維材料からなる繊維シートを用いることができる。耳掛部52は、上述した袋体53と同様の材料を用いたものであってもよいし、異なる材料を用いたものであってよい。
一対の耳掛部52の平面形状は特に限定されないが、マスク本体部51を縦中央線で二等分したときのマスク本体部51の右側の平面形状と左側の平面形状とそれぞれ同一の形状であることが好ましい。例えば、略正方形状が挙げられる。
孔54は、耳掛部52を着用者の耳にかけるための穴であり、耳掛部52を貫通している開口である。孔54は、耳掛部52のほぼ中央に設けられている。また、孔54は、マスク本体部51と耳掛部52とが接合した接合領域を除く領域に形成されている。
孔54の形状は、特に限定されないが、図1,2においては、横幅方向に長尺であり、耳掛部52の基端から先端に向かって広がる角丸略三角状(しずく状)となっている。また、孔54は、上下対称であっても対称でなくてもよい。すなわち、上下において曲率半径が同じでも異なっていてもよい。
また、孔54は耳掛け部52をマスク本体部51から外側に向かって開いた時、孔54がマスク本体部51の長手方向に対して下方に延びて傾いている。
[発熱体]
つぎに、温熱具50に備えられる発熱体100について説明する。本実施形態において、一対の発熱体100が温熱具50に配され、それぞれの発熱体100が着用者の目を覆うこととなる。
発熱体100の平面形状は、略正方形である。発熱体100の剛性は、マスク本体部51の剛性よりも大きく、発熱体100全体はマスク本体部51よりも伸縮しにくい。
図4は、本実施形態の発熱体100の一例を示す平面図である。また、図5は、図4のA-A断面図である。本実施形態の発熱体100は、発熱部10と、発熱部10を収容する収容体20とを備える。
発熱部10は、被酸化性金属、炭素成分、吸水剤、水および反応促進剤等を含む。
具体的には、発熱部10は、被酸化性金属の酸化反応によって発熱して温熱効果を付与するものであり、JIS S4100に準拠した測定において、発熱温度30℃以上70℃以下の性能を有するものを使用することができる。また、発熱部10は含まれる水が加熱されることにより、水蒸気を発生するという作用をもたらす。
被酸化性金属は、酸化反応熱を発する金属であり、たとえば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、およびカルシウムからなる群から選ばれる1種または2種以上の金属の粉末や繊維が挙げられる。
炭素成分は、保水能、酸素供給能、および触媒能を有するものであり、たとえば、活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、および黒鉛からなる群から選ばれる1種または2種以上の材料を用いることができる。
発熱部10中には、水分を保持し、被酸化性金属の酸化反応を効率よく進行させるため、吸水剤を含ませることができる。吸水剤として、吸水性を有するポリマーや、吸水性を有する粉体を用いることができる。
本実施形態においては発熱部10がシート状である態様を示したが、この発熱部10は、粉体状であってもよいし、シート状であってもよい。しかしながら、使用感に優れる点から、シート状であることが好ましい。
このようなシート状の発熱体は、繊維と共に抄造する方法、塗工する方法、プレス等で圧密する方法など、任意の方法で得られる。
発熱部10の厚みは、適度な剛性を得る観点から、好ましくは0.2mm以上であり、より好ましくは0.4mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。また、発熱部10の厚みは、取扱い性を良好にする観点から、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である。
発熱部10の厚みを上記範囲とすることで、発熱効果を高めつつ、発熱体100を使用しやすいサイズにすることができる。また、発熱部10においては、適度な剛性を有するため、マスク装着時にフィット感をより強く感じる事ができる。
なお、この発熱部10の厚みは平均厚みを示す。
つづいて、発熱体100を構成する収容体20について説明する。
収容体20は、少なくとも一部が透気性であり、発熱部10を収容するものである。収容体20は、たとえば、図5に示すように2枚のシート(第1収容体シート201、第2収容体シート202)の周縁部203を貼り合せて構成することができる。
なお、第1収容体シート201は発熱部10よりも着用者の肌側に位置されるものであり、第2収容体シート202は発熱部10よりも着用者の肌から遠い側に位置されるものである。
温熱具50が水蒸気を目又は皮膚に供給する場合、水蒸気を効率的に人の目や皮膚に与える観点から、第1収容体シート201は、透気性に長けているシートであることが好ましく、一方、第2収容体シート202は、透気性に乏しいシートであることが好ましい。すなわち、第2収容体シート202の透気性は第1収容体シート201より透気性に乏しい事がより好ましく、非通気である事がより好ましい。
発熱部10が被酸化金属の酸化による発熱機能を有するものである場合、温熱具50によって水蒸気を効率的に目や皮膚に与えるために上述のように第1収容体シート201と第2収容体シートの透気性を調整すると、発熱部10においては、第1収容シート201側より空気を優先的に取り込み、発熱反応を進行させることとなる。そのため、フィット感と発熱反応のバランスを取り、適度に目又は皮膚を加温する観点から、第1収容シート201の通気度は、3,000~6,000秒/100mlが好ましく、4,000~6,000秒/100mlがより好ましい。
なお、「通気度」は、JIS P8117によって測定される値であり、一定の圧力のもとで100mlの空気が6.45cmの面積を通過する時間で定義される。
透気性シートとしては、樹脂製の多孔質シートや通気穴を有する樹脂製のシートを用いることができ、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン酢酸ビニル共重合体の1種または2種以上を使用することができる。
第2収容体シート202としては、実質的に酸素を透過しないものを用いることができ、たとえば、ポリエチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニリデン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスルフォンおよびポリアミドの1種または2種以上を使用することができる。
なお、本実施形態の温熱具50は、酸素により酸化される被酸化性金属を有するため、通常、酸素遮断袋に封入されて保管される。
本実施形態の温熱具50は、両目を覆うマスク本体部51と、マスク本体部51に設けられた発熱体100と、マスク本体部51の長手方向両端部にそれぞれ接合され、マスク本体部51により着用者の両目を覆うように保持する一対の耳掛部52(52L、52R)と、を備え、以下の条件を満たす。
(条件)
(i)耳掛部52が耳掛け用の孔54を有し、孔54の最大長さをLa(mm)とし、一方の孔54のLa(mm)におけるマスク本体部51側の端部から、他方の孔54のLa(mm)におけるマスク本体部51側の端部までの長さをLb(mm)としたとき、(La×2+Lb)<285であり、
(ii)マスク本体部51を長手方向に4cm伸長したときの応力(N)が70N未満であり、
(iii)以下の式(1)で表される、耳掛部52の当該La方向における応力変化率が35%以上である。
応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)〕―〔10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1)
条件(i)において、孔54の最大長さであるLa(mm)とは、温熱具50を使用する前の状態における耳掛部52において、負荷を与えないときの長さである。温熱具50においては、図1,2に示されるように、孔54はX方向両端が円弧状になっており、当該円弧の最も深い点同士を結んだ直線が、La(mm)となる。孔54LにおけるLaと、孔54RにおけるLaとが異なる場合、孔54のLaとは、両者の平均値とする。
なお、耳掛部52が、孔54に繋がるスリットを有している場合、当該スリットは、最大長さをLaには含まれない。
また、図6のように孔54の形状が、頂点をマスク本体部51側とする涙型になっている場合には、孔54のマスク本体部51側の頂点と、孔54のマスク本体部51とは反対側の頂部とを結んだ直線がLa(mm)となる。
さらに、耳掛部52の孔54が、耳を通すための開口面積を有さないスリット(例えばT字形状の切れ込み)である場合、スリットの最大長さが、La(mm)となる。
La(mm)の下限値は、耳掛部52を使用者の耳に掛けやすくするとともに圧迫感を低減する観点から、好ましくは25(mm)以上であり、より好ましくは35(mm)以上であり、さらに好ましくは45(mm)以上であり、ことさらに好ましくは50(mm)以上である。
一方、La(mm)の上限値は、耳掛部52が長すぎて耳に適切にかからなくなる違和感を抑制し、且つ温熱具50のフィット感を良好にする観点から、好ましくは90(mm)以下であり、より好ましくは80(mm)以下であり、さらに好ましくは70(mm)以下であり、ことさらに好ましくは65(mm)以下である。
また、一方の孔54LのLa(mm)におけるマスク本体部51側の端部から、他方の孔54RのLa(mm)におけるマスク本体部51側の端部までの長さLb(mm)は、一対の耳掛部52を展開して温熱具50全体を平坦にした状態において計測される長さである。図1に示されるように、温熱具50においてLbは、孔54Lと孔54Rの最短距離となる。言い換えると、孔54Lの基端側の円弧の頂点と、孔54Rの基端側の円弧の頂点との間の長さとなる。
なお、耳掛部52の孔54が、耳を通すための開口面積を有さないスリット(例えばT字形状の切れ込み)である場合、一方のスリットの基端側の端部と、他方のスリットの基端側の端部との間の長さとなる。
Lb(mm)の下限値は、使用者の両目を十分に覆う観点から、好ましくは110(mm)以上であり、より好ましくは120(mm)以上であり、さらに好ましくは130(mm)以上である。
一方、Lb(mm)の上限値は、温熱具50のフィット感を良好にする観点から、好ましくは230(mm)以下であり、より好ましくは200(mm)以下であり、さらに好ましくは180(mm)以下である。
また、マスク本体部51と耳掛部52とは、一体になったもの(連なった1枚のシート)であってもよい。
温熱具50は、条件(i)において、(La×2+Lb)<285を満たすものである。これにより、温熱具50を着用者に対し、適切にフィットさせやすくなる。(La×2+Lb)(mm)は、温熱具50を着用したときの、着用者の一方の耳裏から他方の耳裏までの長さに相当し、適切に制御されることで温熱具50のフィット感を良好にできることを意図する。(La×2+Lb)(mm)は、285より小さければよく、フィット感を向上させる観点から、好ましくは280以下である。一方、圧迫感を低減させる観点から、(La×2+Lb)(mm)は、好ましくは、250以上であり、260以上、265以上、270以上の順により好ましい。
条件(ii)において、マスク本体部51の長手方向とは、図1で示すX方向である。マスク本体部51を長手方向に4cm伸長したときの応力(N)は、着用者が温熱具50を着用する際に引っ張る方向において生じる応力であり、小さくなるほど、マスク本体部51が伸張し易くなり、圧迫感を低減できることを意図する。温熱具50において、マスク本体部51を長手方向に4cm伸長したときの応力(N)が70N未満であり、50N以下とするのが好ましく、45N以下とするのがより好ましく、35N以下とするのがさらに好ましく、30N以下とするのがよりさらに好ましい。これにより、マスク本体部51に伸張性をもたせ、耳掛部52が装着された部分や耳裏における圧迫感を低減させつつも、着用者の眉付近における圧力を高くしやすくできる。これにより、温熱具50の横ずれを効果的に抑制できる。その結果、目元を均一に温めることができ、さらに、より広い範囲に温まり感を感じる事ができるため、全身のリラックス感も得られやすくなる。
一方、当該応力の下限値は、特に限定されないが、温熱具50の取扱い性を良好にし、剛性や強度等を得る観点から、10N以上であることがこのましく、15N以上であることがより好ましく、20N以上であることがさらに好ましい。
なお、マスク本体部51の長手方向における伸度が4cm未満の場合、マスク本体部51を長手方向に2cm伸長したときの応力(N)を30N未満とするのが好ましく、26N以下とするのがより好ましく、24N以下とするのがさらに好ましい。
なお、マスク本体部51を長手方向に4cm伸長するとは、マスク本体部51内の発熱体100を除く領域を伸長させることを意図し、袋体53を長手方向に4cm伸長することと実質的に等しい。また、条件(i)を満たすことを前提としたマスク本体部51の約50%の伸長率に相当する。
また、本実施形態の温熱具50においては、マスク本体部51は縦中央部にノッチ部57を有するため、長手方向に伸長した際、ノッチ部57に負荷がかかり、マスク本体部51における応力を適切に測定できない場合が生じる。そのため、マスク本体部51を横方向に2分割し、2等分されたマスク本体部51の一方を用いて、測定を行うことが適切である。
また、条件(iii)において、耳掛部52のLa方向とは、図1で示すLaの長さ方向である。また、耳掛部52のLa方向とは、耳掛部52が伸長しやすい方向であることが好ましいが、X方向に平行である場合に限られない。
上記の式(1)で表される、応力変化率とは、耳掛部52のいずれか一方をLa方向に伸長させた後に、耳掛部52がもとの位置に戻ろうとする応力がどの程度であるかを意味する。すなわち、耳掛部52を100%伸長させた後10%戻すときに生じる応力が高いほど、耳掛部52の元の位置に戻ろうとする応力が高いことを意図し、当該応力変化率は低くなる。言い換えると、当該応力変化率が高いほど、いったん伸長した耳掛部52がもとの位置に戻ろうとする応力が低くなり、その結果、着用者の耳掛部52が装着された部分や耳裏への圧迫感を低減できるようになる。また、一方で、条件(i)、(ii)と組み合わせることで、良好なフィット感が得られるようになる。
なお、応力変化率が耳掛部52Lと、耳掛部52Rとで異なる場合は、当該応力変化率は両者の平均値とする。
温熱具50において、応力変化率を35%以上とすることにより、耳掛部52の伸長に対する回復性が低くなり、耳掛部52が装着された部分や耳裏への圧迫感を低減しやすくなる。また、条件(i)、(ii)との相乗作用によるフィット感を向上させる観点から、応力変化率は、好ましくは40%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。一方、フィット感を保持する観点から、応力変化率は、好ましくは80%以下であり、より好ましくは75%以下であり、さらに好ましくは72%以下である。
なお、耳掛部52の当該応力変化率(%)は、耳掛部52を構成する材料や耳掛部52の外形、具体的には、例えば、外縁からのスリットの有無等によって、制御することができる。
また、耳掛部52のLa方向における伸度が100%未満の場合、以下の式(2)で表わされる50%応力変化率を35%以上とすることにより、耳掛部が装着された部分や耳裏への圧迫感を低減しやすくなる。同様の観点から、50%応力変化率は、好ましくは40%以上であり、より好ましくは45%以上である。一方、フィット感を保持する観点から、応力変化率は、好ましくは60%以下であり、より好ましくは50%以下である。
50%応力変化率(%)={〔50%伸長時応力(N)〕―〔5%戻り伸長時応力(N)〕/50%伸長時応力(N)}×100 (2)
なお、本実施形態において、マスク本体部51および耳掛部52における伸長時の応力(N)は、JIS L1913を参考にした方法により測定することができる。
試料がマスク本体部51の場合、試料幅を80±10mmとし、当該試料を引張り試験器での初期長さを80±10mmに設定し、引張速度300mm/minにて、マスク本体部51の長手方向に4cm伸長させた際の引張強さを測定する。
試料が耳掛部52の場合、試料幅を80±10mmとし、当該試料を引張り試験器での初期長さを55±15mmに設定し、引張速度300mm/minにて、La方向に規定の長さ(100%伸長時応力であれば、初期長さの100%の長さ、50%伸長時応力であれば、初期長さの50%の長さ)伸長させた際の引張強さを測定する。
具体的には、実施例において後述する。
また、耳掛部52における10%戻り伸長時の応力(N)は、JIS L1913を参考に、試料幅を80±10mmとし、当該試料を引張り試験器での初期長さを55±15mmに設定し、引張速度300mm/minにて、La方向に初期長さの100%の長さ伸長させ、その後、初期長さ10%に相当する長さを戻した際の引張強さを測定する。同様に、5%戻り伸長時の応力(N)は上述の10%戻り伸長時の応力と同じ測定条件下、La方向に初期長さの50%の長さ伸長させ、その後初期長さの5%に相当する長さを戻した際の引っ張り強さを測定する。
ここで、アイマスクタイプの温熱具50においては、わずかな隙間であっても温熱効果への影響が顕著になる傾向あり、また、場合によっては、隙間から短時間に多量の酸素が入り込むことで、過剰な発熱が発生することもある。そのため、より高水準でのフィット感が求められる。一方で、フィット感と圧迫感とは、いわゆるトレードオフの関係にあるため、着用者にかかる負荷のバランスを温熱具50全体において適切に制御することが重要となる。
本実施形態における温熱具50において、上記の条件(i)~(iii)をすべて満たすことによって、温熱具50が着用者の眉付近において密着しやすくなり、フィット感を向上させることができるとともに、着用者の耳掛部52が装着された部分や耳裏にかかる負荷を低減し、圧迫感を抑制できる。その結果、側臥位になった場合でも、温熱具50の位置ずれを効果的に抑制でき、温熱具50による温熱効果を十分に得ることができるようになる。また、フィット感の向上に伴い、温熱具50全体において、より均一な温熱効果が得られるようになる。さらに、温熱具50によれば、目元の位置ずれが抑制されることで、より広い範囲に温まり感を感じる事ができ、全身のリラックス感も得られやすくなる。
またさらに、温熱具50は、以下の構成を備えることにより、より効果的にフィット感と圧迫感とのバランスを向上しつつ、良好な温熱効果を得ることができる。
温熱具50において、マスク本体部51の長手方向中央における短手方向の長さをLc(mm)としたとき、Lc/(La×2+Lb)が、0.2以上0.4以下であることが好ましい。すなわち、温熱具50の縦方向と横幅方向の長さを制御することで、温熱具50を着用者の眉付近においてフィットさせやすくできる。
なお、本実施形態の温熱具50において、Lcとは、図1に示すように、マスク本体部51の縦中央線のうち、スリットを除く部分の長さである。
Lc(mm)の下限値は、使用者の両目を十分に覆う観点から、好ましくは50(mm)以上であり、より好ましくは60(mm)以上であり、さらに好ましくは70(mm)以上である。
一方、Lc(mm)の上限値は、温熱具50のフィット感を良好にし、もたつき感を低減する観点から、好ましくは180(mm)以下であり、より好ましくは150(mm)以下であり、さらに好ましくは110(mm)以下であり、ことさらに好ましくは100(mm)以下である。
温熱具50において、耳掛部52におけるLa方向における100%伸長時応力(N)が2以上であることが好ましく、3以上がより好ましく、3.5以上がさらに好ましい。これにより、使用時において耳掛部52を伸長しやすくし、耳掛部52を耳にかけやすくするとともに、耳掛部52が装着された部分や耳裏への圧迫感を抑制しやすくなる。
一方、耳掛部52におけるLa方向における100%伸長時応力(N)の上限値は、特に限定されないが、使用時において耳掛部52を伸長しやすくし、且つ耳掛部52を耳にかけやすくする観点、つまり圧迫感を低減する観点から、15以下が好ましく、10以下がより好ましい。
以上、図面を参照ながら本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のマスク、或いは用途等を開示する。本発明のマスクは、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更可能である。
上記の実施形態においては、マスクの機能として酸化還元反応による発熱体100について説明したが、これに限られず、他の方法によって加温してもよく、また、保温、保湿、保冷、急冷、遮光、芳香、抗菌、押圧および防塵機能等を更に有してもよい。具体的なマスクとしては、温熱具50のような蒸気温熱機能を有するマスクの他、例えば、(1)更に遮光性の部材を用い、光を遮る目的の安眠マスク、(2)保温機能を有する部材を用い、電子レンジなどの加熱器でマスクを温めてから目を温めることのできるマスク、(3)保冷剤、冷感剤などの冷却部材と、発熱機能を組み合わせ、発熱による加温と共に目を冷やすこともできるマスク、(4)香り成分を有する部材を発熱体と共に用い、リラックス効果を与えるマスク、(5)ビーズや球体を備え、目に圧迫感を与えて指圧効果を奏するマスク、(6)電気などで振動させることによりマッサージ効果を奏するマスク、などに変更することが可能である。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
<1>両目を覆うマスク本体と、前記マスク本体に設けられた発熱体と、前記マスク本体の長手方向両端部にそれぞれ接合され、当該マスク本体により着用者の両目を覆うように保持する一対の耳掛け部と、を備え、以下の条件を満たす、マスク。
(条件)
(i)前記耳掛け部が耳掛け用の開口部を有し、当該開口部の最大長さをLa(mm)とし、一方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部から、他方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部までの長さをLb(mm)としたとき、(La×2+Lb)<285であり、
(ii)前記マスク本体を長手方向に4cm伸長したときの応力が70N未満であり、
(iii)以下の式(1)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が35%以上である。
応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)〕―〔10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1)
<2>前記マスク本体の長手方向中央における短手方向の長さをLc(mm)としたとき、
Lc/(La×2+Lb)が、0.2以上0.4以下である、<1>に記載のマスク。
<3>前記耳掛け部の前記La方向における100%伸長時応力(N)が2以上である、<1>または<2>に記載のマスク。
<4>前記耳掛け部は不織布である、<1>乃至<3>のいずれかに記載のマスク。
<5>前記マスク本体を長手方向に4cm伸長したときの応力が10N以上、70N未満である、<1>乃至<4>のいずれかに記載のマスク。
<6>前記マスク本体を長手方向2cm伸長したときの応力が30N未満である、<1>乃至<5>のいずれかに記載のマスク。
<7>上記の式(1)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が、好ましくは35%以上80%以下であり、より好ましくは40%以上80%以下であり、さらに好ましくは50%以上75%以下である、<1>乃至<6>のいずれかに記載のマスク。
<8>以下の式(2)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が、好ましくは35%以上60%以下であり、より好ましくは40%以上60%以下であり、更に好ましくは45%以上50%以下である、<1>乃至<7>のいずれかに記載のマスク。
応力変化率(%)={〔50%伸長時応力(N)〕―〔5%戻り伸長時応力(N)〕/50%伸長時応力(N)}×100 (2)
<9>前記耳掛部は、前記マスク本体の長手方向の両端部近傍それぞれから斜め下向きに展開される、<1>乃至<8>のいずれかに記載のマスク。
<10>前記耳掛部をマスク本体から外側に向かって開いたとき、前記耳掛部は、平面視においてハの字形状となっている、<1>乃至<9>のいずれかに記載のマスク。
<11>前記耳掛部をマスク本体から外側に向かって開いたとき、前記開口部がマスク本体の長手方向に対して下方に傾いて延びている、<1>乃至<10>のいずれかに記載のマスク。
<12>前記発熱体がシート状である、<1>乃至<11>のいずれかに記載のマスク。
<13>前記発熱体は、被酸化性金属の酸化反応により水蒸気を発生する発熱体である、<1>乃至<12>のいずれかに記載のマスク。
<14>前記発熱体が、発熱部と、当該発熱部を内部に収容する収容体と、を備える、<13>に記載のマスク。
<15>前記発熱部が被酸化性金属、炭素成分、吸水剤、および水を含むものである<14>に記載のマスク。
<16>前記発熱部の厚みが、好ましくは0.2mm以上であり、より好ましくは0.4mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上であり、一方、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である、<14>または<15>に記載のマスク。
<17>前記収容体が、第1収容体シートと、第2収容体シートと、からなり、前記第1収容体シートの通気度が3000~6000秒/100mlであり、かつ、前記第2収容体シートが非通気である、<14>乃至<16>いずれかに記載のマスク。
<18>前記発熱体が一対であり、各々により両目が覆われるように配置されている、<1>乃至<17>のいずれかに記載のマスク。
<19><1>乃至<18>いずれかに記載のマスクにより両目が覆われるように使用する、マスクの使用方法。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
<実施例1>
以下の手順に従い、表2に示す構成のアイマスクタイプの温熱具を作製した。
〔発熱粉体水分散物の調製〕
表1で示す組成比で、材料を用意し、次の手順で調製した。キサンタンガムを水に溶解し、次いでリン酸3カリウム、水酸化カリウムを溶解して水溶液を用意した。一方で、鉄粉、活性炭をプレ混合した粉体を用意し、上記水溶液に、プレ混合粉体を入れ、ディスクタービン型攪拌羽根で150rpm、10分間攪拌してスラリー状の発熱粉体水分散物を得た。なお、塩化ナトリウムは後述する第1吸水シートの表面に該発熱粉体水分散物を塗布後、塗工面上に散布した。
Figure 0007126440000001
〔発熱部の作製〕
第1吸水シートとして、木材パルプ製の紙(坪量20g/m、伊野紙株式会社製)と吸水性ポリマー(球状、平均粒子径300μm、アクアリックCA、株式会社日本触媒製、坪量70g/m)と木材パルプ製の紙(坪量30g/m、伊野紙株式会社製)を積層して一体化したポリマーシート(最大吸水量の10~45質量%の水を吸収した状態での通気度2秒/100ml)を用い、第2吸水シートとして、ポリエチレンラミネート紙(ニットク株式会社製)木材パルプ製の紙(坪量50g/m、伊野紙株式会社製)を用いた。
第1吸水シートとして用いるポリマーシートを用意し、前述のとおりに調製した発熱粉体水分散物を25cm(5cm×5cm)の第1吸水シートの表面に厚み略3mm(塗工量1.7g)で塗工し、塗工面上に、食塩(日本薬局方塩化ナトリウム:富田製薬株式会社製)を0.089g散布し、塗工面を第2吸水シート25cm(5cm×5cm)で被覆することで、発熱部を作製した。
〔発熱体の作製〕
収容体における第1収容体シートを、炭酸カルシウムを含む多孔質の延伸ポリエチレン透湿性フィルム(JIS P8117による通気度3,500秒)から構成した。第2収容体シートは、ポリエチレン製の非透湿フィルムから構成した。該第2収容体シートの一面に吸水紙(坪量35g/m)を積層して、上述のシート状発熱部の1枚を間にして、第1収容体シートと第2収容体シートとを、吸水紙が外方を向くように重ね、周縁部においてシートどうしを接合し、矩形の発熱体を得た。
〔温熱具の作製〕
第1袋体シートは、ポリプロピレン製不織布(ニードルパンチ法、坪量80g/m)、第2袋体シートは、ポリエチレンテレフタレート製不織布(エアスルー法、坪量30g/m)を用い、図3に示すように、両袋体シートの間に、上記で得られた発熱体を2個挟み、周縁部および縦中心線近傍において第1袋体シート、第2袋体シートどうしを接合し、マスク本体を作成した。さらに、第1袋体シートの外側面に、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量40g/m)を用いて耳掛け部を取り付け、図1に示すようなアイマスクタイプの温熱具を得た。なお、以上の各操作は、酸素が存在しない雰囲気下で行った。また、開口部の外端部近傍からマスク本体の縦方向下向きに延びる下向きスリット(1.2cm)を設けた。
得られた温熱具におけるLa(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)は、表2に示す通りであった。
<実施例2>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製した以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<実施例3>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、耳掛け部を、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量50g/m)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<実施例4>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製した以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<実施例5>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製した以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<実施例6>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、耳掛け部を、ポリウレタン製不織布(スパンボンド法、坪量30g/m)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<実施例7>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、耳掛け部を、ポリウレタン製不織布(スパンボンド法、坪量60g/m)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<実施例8>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポリプロピレン製不織布(スパンボンド法、坪量30g/m)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<実施例9>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量50g/m)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<実施例10>
耳掛け部において、スリットを形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<比較例1>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製した以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<比較例2>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポリエチレンテレフタレート製不織布(ニードルパンチ法、坪量90g/m)とし、耳掛け部を、ポリプロピレン製不織布(SMS法、40g/m、細繊維)とし、耳掛け部において、スリットを形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<比較例3>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポチエチレンテレフタレート製不織布(ニードルパンチ法、坪量90g/m)とし、耳掛け部を、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量40g/m、中央にフィルム層)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<比較例4>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、マスク本体の第1袋体シートを、ポリエチレンテレフタレート製不織布(ニードルパンチ法、坪量90g/m)とした以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
<比較例5>
La(mm)、Lb(mm)、およびLc(mm)が、表2に示す通りになるように温熱具を作製し、耳掛け部を、ポリプロピレン製不織布(SMS法、坪量40g/m、細繊維)とし、耳掛け部において、スリットを形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、温熱具を得た。
以上のようにして得られた各温熱具を用いて、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
(評価)
・マスク本体の伸張性
まず、温熱具から一対の耳掛部を剥離し、マスク本体を縦中央線で二等分にした。次に、二等分されたマスク本体の一方を用い、以下の装置を用いて、マスク本体の長手方向両端部をチャックにより挟み、応力を加えて、300mm/分の速さで、長手方向に4cm伸長したときの荷重(N)を測定した。なお、マスク本体を挟む際は、発熱体を除くようにした。また、試料幅は80±10mmであり、チャック間隔は80±10mmとなるよう調整した。
装置名:「テンシロン万能試験機」
製造元:「株式会社オリエンテック」
・耳掛部の伸長性
まず、温熱具から一対の耳掛部を剥離した。マスク本体と耳掛部が一体になったもの(連なった1枚のシート)の場合、孔54Lの基端側の円弧の頂点から5mm内側を切り落とす。次に、一方の耳掛け部を用い、以下の装置を用いて、耳掛部のLa方向両端部をチャックにより挟み、応力を加えて、300mm/分の速さで、La方向に100%伸長させ、その後、初期長さ10%に相当する長さを戻した際の引張強さを測定した。また、試料幅は80±10mmであり、チャック間隔は55±15mmとなるよう調整した。
装置名:「テンシロン万能試験機」
製造元:「株式会社オリエンテック」
得られた測定結果から、以下の式(1)より、耳掛部のLa方向における応力変化率(%)を算出した。
応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)〕―〔10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1)
・官能評価
熟練したパネリスト10名で各温熱具を30分間着用し、以下の基準で評価し、10名の平均値を算出した。
[フィット感]
5:良好なフィット感がある
4:やや良好なフィット感がある
3:フィット感がある
2:わずかにフィット感がある
1:フィット感がほとんどない
[圧迫感のなさ]
5:圧迫感がまったくない
4:圧迫感がほとんどない
3:圧迫感がない
2:圧迫感がややある
1:圧迫感がある
[目の周りの温まり感(仰臥位)]
5:目の周りの温まり感が十分ある
4:目の周りの温まり感がやや十分ある
3:目の周りの温まり感がある
2:目の周りの温まり感がやや足りない
1:目の周りの温まり感が足りない
[目の周りの温まり感(側臥位)]
5:目の周りの温まり感が十分ある
4:目の周りの温まり感がやや十分ある
3:目の周りの温まり感がある
2:目の周りの温まり感がやや足りない
1:目の周りの温まり感がない
[リラックス感]
5:リラックス感が十分ある
4:リラックス感がやや十分ある
3:リラックス感がある
2:リラックス感がやや足りない
1:リラックス感がない
Figure 0007126440000002
実施例2と比較例1で作成した温熱具を室温環境下(20℃、55%)にて側臥位で10分装着した。その後の温熱具を外してすぐの顔の皮膚温度をサーモスタットを用いて測定した。
38℃以上となる面積を画像解析により計算したところ、実施例2では31.8cmであったのに対し、比較例1では10.6cmであった。
10 発熱部
20 収容体
50 温熱具
51 マスク本体部
52 耳掛部
52L 耳掛部
52R 耳掛部
53 袋体
54 孔
54L 孔
54R 孔
57 ノッチ部
100 発熱体
201 第1収容体シート
202 第2収容体シート
203 周縁部
531 第1袋体シート
532 第2袋体シート
571 ノッチ部
572 ノッチ部
X 長手方向
Y 幅方向

Claims (6)

  1. 両目を覆うマスク本体と、前記マスク本体に設けられた発熱体と、前記マスク本体の長手方向両端部にそれぞれ接合され、当該マスク本体により着用者の両目を覆うように保持する一対の耳掛け部と、を備え、以下の条件を満たす、マスク。
    (条件)
    (i)前記耳掛け部が耳掛け用の開口部を有し、当該開口部の最大長さをLa(mm)とし、一方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部から、他方の当該開口部のLa(mm)における前記マスク本体側の端部までの長さをLb(mm)としたとき、(La×2+Lb)<285であり、
    (ii)前記マスク本体を長手方向に4cm伸長したときの応力が70N未満であり、
    (iii)以下の式(1)で表される、前記耳掛け部の前記La方向における応力変化率が40%以上75%以下である。
    応力変化率(%)={〔100%伸長時応力(N)―10%戻り伸長時応力(N)〕/100%伸長時応力(N)}×100 (1)
  2. 前記マスク本体の長手方向中央における短手方向の長さをLc(mm)としたとき、
    Lc/(La×2+Lb)が、0.2以上0.4以下である、請求項1に記載のマスク。
  3. 前記耳掛け部の前記La方向における100%伸長時応力(N)が2以上である、請求項1または2に記載のマスク。
  4. 前記耳掛け部は不織布である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマスク。
  5. 前記発熱体は、被酸化性金属の酸化反応により水蒸気を発生する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマスク。
  6. 前記発熱体が一対であり、各々により両目が覆われるように配置されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマスク。
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