以下、本発明に係るアイマスク型の温熱具(以下、単に「温熱具」という。)の実施形態について図面を参照しつつ説明する。温熱具は、ユーザの顔に装着して使用され、左右の目及び各目の周囲に温熱を与えることで、目の疲れを癒したり、目の周囲の筋肉の凝りをほぐしたり、リラックス効果を付与することができる。なお、目の周囲とは、顔の上下方向では、上まぶたから下まぶたまでの範囲、好ましくは眉毛から鼻までの範囲を指し、顔の横方向では、目の端から目と耳との間までの範囲を指す。
図1~図5に示すように、本実施形態の温熱具1は、発熱材料3と、発熱材料3を収容した本体部2と、本体部2の左右の端部に設けられた一対の耳掛け部4L,4Rと、を備えている。温熱具1は、各耳掛け部4L,4Rを左右の耳の対応する側の耳に掛けることで、本体部2が左右の目及び各目の周囲を覆うようにして、顔に装着される。そして、温熱具1は、本体部2に収容された発熱材料3が発熱することで、本体部2と接触する左右の目及び各目の周囲に対して温熱を与える。温熱具1は、例えば使い捨てカイロと同様、発熱材料3に酸化反応に伴って生じる反応熱を熱源としたものを用いたものである。なお、本発明に係る温熱具1は、発熱材料3が酸化反応に伴って生じる反応熱を熱源としたものに限らず、例えば電子レンジ等でマイクロ波の照射を行うことで発熱材料3が熱を持つものであってもよい。
まず、発熱材料3は、空気との接触により発熱する粉状の材料を用いることができる。この種の発熱材料3としては、例えば、被酸化性金属、活性炭、カーボンブラック、保水剤(例えば木粉、バーミキュライト、けい藻土、パーライト、シリカゲル、アルミナ、吸水性樹脂等)、金属塩(例えば食塩等)及び水をそれぞれ適宜の含有量含んでいる組成物を挙げることができる。被酸化性金属は、酸化反応熱を発する金属であり、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、及びカルシウムから選ばれる1種又は2種以上の粉末や繊維が挙げられる。この中でも、取り扱い性、安全性、製造コスト、保存性及び安定性の点から鉄粉が好ましい。鉄粉としては、例えば、還元鉄粉、及びアトマイズ鉄粉から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。上述した組成物としては、従来から使い捨てカイロに用いられている公知の組成物を使用することができる。
なお、発熱材料3としては、空気との接触により発熱する材料以外を用いてもよい。例えば、電子レンジ等でマイクロ波の照射を受けることで発熱する材料(例えばフェライト等のセラミック粉末等)を発熱材料3として用いてもよい。
次に、本体部2は、温熱具1の顔への装着時に左右の目及び各目の周囲を覆う。本体部2は、扁平かつ平面視で横長に形成されており、左右の目及び各目の周囲を覆うに足るサイズに形成されている。本体部2は、平面視において、横方向に沿う上縁20及び下縁21と、縦方向に沿う左右の側縁22,23とを有しており、横方向の中央位置を縦方向に平行に延びる縦中心線24において左右対称形状を呈している。
なお、本開示において、「横方向」とは、本体部2において、温熱具1の顔への装着時に顔の左右方向(左右の耳を結ぶ方向)と平行となる方向を指し、「縦方向」とは、横方向と直交する方向であり、本体部2において、温熱具1の顔への装着時に顔の上下方向(おでこ、鼻、顎を結ぶ方向)と平行となる方向を指す。本実施形態では、本体部2の長手方向が横方向である。「内側」は、本体部2の横方向において縦中心線24側を指し、「外側」は、本体部2の横方向において縦中心線24とは反対側の左右の側縁22,23側を指す。「左右方向」は、ユーザが温熱具1を顔に装着して前に向いたときを基準に左右方向を定義する。これらの方向の定義は、温熱具1の使用態様を限定する趣旨ではない。
上縁20は、直線状又は凹凸のある曲線状を呈しているのに対して、下縁21は、温熱具1の顔への装着時に目の下に位置するので、鼻の形状に沿うように横方向中央部が凹状に括れた形状を呈している。また、下縁21は、凹状に括れた部分の下端から左右の端に向かって、横方向に対して斜め下向きに延びており、本体部2の下側の左右の角部25,26は下側に大きく膨らんでいる。これにより、本体部2の下側の左右の角部25,26は、温熱具1の顔への装着時に目の下の頬骨のあたりまでを覆う。本体部2の下側の左右の角部25,26は、本実施形態では丸みを帯びているが、必ずしも丸みを帯びている必要はない。左右の側縁22,23は、本実施形態では直線状を呈しているが、外側に向けて凸状に湾曲した曲線状を呈していてもよい。
本体部2は、袋状に形成されており、内部に発熱材料3を密封可能に収容する収容空間を有している。本体部2は、表裏面をなす同形状の2枚のシート材27A,27Bを備え、2枚のシート材27A,27Bの外周縁に沿った部分を全周にわたって接合することで、袋状に形成されている。2枚のシート材27A,27Bの接合は、本実施形態では熱溶着(ヒートシール)を用いているが、熱溶着以外に、例えば公知の接着剤を用いた圧着、超音波溶着などの公知の手段を用いてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
2枚のシート材27A,27Bの外周縁を接合した第1接合部28の幅寸法は、特に限定されるものではなく、適切な幅寸法とすればよい。また、第1接合部28の幅寸法は、本体部2の外周縁の全周にわたって略同じであってもよいし、本実施形態のように異なっていてもよい。本実施形態では、第1接合部28は、本体部2の上縁20及び下縁21に沿う横縁部分の幅寸法よりも、本体部2の左右の側縁22,23に沿う縦縁部分の幅寸法の方が広くなるよう形成されている。また、第1接合部28は、本体部2の左右の側縁22,23に沿う縦縁部分の幅寸法について上側及び下側に向かって広くなるよう形成されており、さらに、本体部2の下側の左右の角部25,26に当たる部分で幅寸法が最も広くなるよう形成されている。
本体部2は、第1接合部28の他、一対の第2接合部29L,29Rにおいても2枚のシート材27A,27Bが接合されている。一対の第2接合部29L,29Rは、本体部2において、温熱具1の顔への装着時に左右の目に対応する位置に配置されている。一方の第2接合部29Lは温熱具1の顔への装着時に左目に当たってこれを覆い、他方の第2接合部29Rは温熱具1の顔への装着時に右目に当たってこれを覆い、それぞれが本体部2の中で目被覆部をなしている。
一対の第2接合部29L,29R(目被覆部)は、本実施形態では発熱材料3が収容されていない部分である。一対の第2接合部29L,29R(目被覆部)は、本体部2の中で目の周囲を覆う部分(周囲被覆部)と区切られており、隣接する周囲被覆部に収容された発熱材料3が一対の第2接合部29L,29R(目被覆部)に移動することが規制されている。一対の第2接合部29L,29R(目被覆部)は、横長の長円形状(楕円形状を含む)を呈しているが、目を覆うことができればその形状は特に限定されるものではなく、例えば横長の長方形状や菱形形状などを呈していてもよい。
本体部2は、一対の第2接合部29L,29R(目被覆部)に発熱材料3が収容されていないため、温熱具1の顔への装着時に左右の目を発熱材料3の発熱に伴う高温の熱で温めすぎないよう設計されている。左右の目(眼球)を高温の熱で温めすぎると、熱により角膜の蛋白質の変性が生じるおそれがある。そのため、本実施形態では、温熱具1の顔への装着時に左右の目(眼球)が温まりすぎるのを防止している。
本体部2の目被覆部は、周囲被覆部よりも発熱材料3の充填率が低ければ、発熱材料3が収容されていてもよいが、温熱具1の顔への装着時に左右の目(眼球)を温めすぎないとの観点からは、発熱材料3が収容されていないことが好ましい。なお、本開示における「充填率」とは、目被覆部及び周囲被覆部において、充填し得る最大の発熱材料3の重さに対する、実際に充填された発熱材料3の重さの比を意味する。
また、本体部2は、温熱具1の顔への装着時に左右の目(眼球)を温めすぎないとの観点からは、温熱具1の顔への装着時に左右の目に当たる目被覆部を貫通孔としてもよい。ただし、目被覆部を貫通孔とすると、温熱具1を就寝時のアイマスクとして使用した場合に、本体部2により外部の光を遮ることができないため、アイマスクの効果が失われる。さらに、温熱具1の顔への装着時に左右の目に程よい温熱を与えることができないうえ、貫通孔から発熱材料3から発生する熱が外部に逃げるため、目の周囲にも効果的に温熱を与えることができないおそれがある。よって、本実施形態の温熱具1のように、本体部2の目被覆部が第2接合部29L,29Rであることで、目被覆部が貫通孔である場合に比べて、アイマスクの効果を奏するうえ、温熱具1の顔への装着時に左右の目に程よい温熱を与えることができ、かつ、目の周囲に与える温熱の温度が下がりすぎるのを抑制することができる点で有利である。
本体部2を構成する2枚のシート材27A,27Bは、温熱具1の顔への装着時に顔の表面形状に沿うように可撓性を有している。2枚のシート材27A,27Bの素材は、特に限定されるものではないが、強度や発熱材料3の発熱に対する耐久性などを考慮すると樹脂フィルムを用いることが好ましい。
上述した樹脂フィルムに用いられる樹脂は、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどを例示することができる。その中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレートを好ましく例示することができる。これらの樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
また、2枚のシート材27A,27Bは、温熱具1の肌触りを良好にする観点から、樹脂フィルムの発熱材料3と向かい合う側とは反対側に通気性を有する織布又は不織布を積層させた積層体により構成することが好ましい。
上述した織布又は不織布の繊維素材としては、例えば、コットン、麻、絹、紙などの天然繊維;レーヨン、アセテートなどの半合成繊維;ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの合成繊維;これらの繊維の混合繊維などを例示することができる。その中でも、肌触りを良好とする観点から、繊維素材としてはナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを好ましく例示することができ、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートをより好ましく例示することができる。これらの繊維素材は単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。織布又は不織布の目付は、発熱材料3の本体部2の外側への漏出を防止できる程度の目付であれば特に制限されないが、例えば20g/m2以上90g/m2以下程度であることが好ましい。
2枚のシート材27A,27Bのうち、温熱具1の顔への装着時に顔と向かい合う側とは反対側の第1シート材27Aは、通気性を有している。第1シート材27Aを構成する樹脂フィルムは、通気性を確保するために、例えば多孔質の樹脂フィルム、又は針で複数の穿孔(不図示)が形成された樹脂フィルムが用いられ、複数の小孔を通して空気が本体部2の内外を連通する。複数の小孔は、樹脂フィルムの全域に形成されていてもよいし、一部の領域に形成されていてもよい。各小孔の大きさは、発熱材料3が小孔を通って本体部2の外側に漏出するのを抑制できる大きさであれは特に制限されず、一例として、0.1μm以上30μm以下が例示される。各小孔の形状及び数も特に制限されず、各小孔の大きさ、形状、数は、本体部2の通気度に応じた使用時の発熱材料3の発熱温度を考慮して、適宜設定される。
なお、温熱具1は、左右の目及び各目の周囲を温める目的で使用する場合には、その発熱温度が20℃環境下で30℃以上70℃以下、好ましくは35℃以上60℃以下(測温方法は、日本工業規格S4100に準拠)に設定されるように、設計することが好ましい。
2枚のシート材27A,27Bのうち、温熱具1の顔への装着時に顔と向かい合う側の第2シート材27Bは、第1シート材27Aと同程度の通気度の通気性を有していてもよいし、第1シート材27Aよりも通気に対する抵抗が大きい難通気性を有していてもよいし、空気を実質的に通さない非通気性であってもよい。第2シート材27Bを構成する樹脂フィルムは、非通気性である場合には、多孔質フィルムでもなく、また穿孔(不図示)も形成されていない非通気性の樹脂フィルムが用いられる。
2枚のシート材27A,27Bの厚みは、特に制限されるものではないが、0.1mm以上2.0mm以下程度であることが好ましい。これにより、本体部2を柔らかくかつ顔にフィットしやすくできる一方で、本体部2に一定の強度を保持することができる。
なお、2枚のシート材27A,27Bは、必ずしも樹脂フィルムと織布又は不織布との積層体で構成する必要はなく、単独の樹脂フィルムで構成されていてもよいし、単独の織布又は不織布で構成されていてもよい。
次に、一対の耳掛け部4L,4Rは、温熱具1の顔への装着時に左右の耳に掛けられる。一対の耳掛部4L,4Rは、一方の耳掛け部4Lが本体部2の左側の端部に設けられ、他方の耳掛け部4Rが本体部2の右側の端部に設けられている。
一対の耳掛け部4L,4Rは、1枚のシート材からなり、伸縮性を有している。この伸縮性としては、本体部2の横方向外側、つまりは、温熱具1を装着する際に本体部2から離間して耳に向かう方向の伸長度が、本体部2の縦方向、つまりは、前記本体部2から離間する方向と直交する方向の伸長度よりも高いことが好ましい。一対の耳掛け部4L,4Rが伸縮性を有していると、温熱具1の顔への装着の際に一対の耳掛け部4L,4Rを耳に掛けるのを容易にすることができる。なお、一対の耳掛け部4L,4Rは必ずしも伸縮性を有している必要はなく、伸長するが収縮の弱い又は収縮しない性質であってもよいし、伸長も収縮もしない性質であってもよい。
一対の耳掛け部4L,4Rの素材は、特に限定されるものではないが、織布、不織布、樹脂フィルム等を挙げることができ、一対の耳掛け部4L,4Rはこれらを単独で用いてもよいし、これらのうちの複数を組み合わせた積層体を用いてもよい。織布又は不織布の繊維素材としては、例えば、コットン、麻、絹、紙などの天然繊維;レーヨン、アセテートなどの半合成繊維;ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタレートなどの合成繊維;これらの繊維の混合繊維などを例示することができる。これらの繊維素材は単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。樹脂フィルムに用いられる樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル共重合体などを例示することができる。これらの樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
一対の耳掛け部4L,4Rは、図1(B)に示す温熱具1を顔へ装着する前の閉じた状態では、本体部2上に重ねられている。一対の耳掛け部4L,4Rは、それぞれ本体部2の縦中心線24を境界とした左半部及び右半部と同じ外形を呈しており、一対の耳掛け部4L,4Rの上縁及び下縁は、本体部2の上縁20及び下縁21上に位置(重複)し、一対の耳掛け部4L,4Rの一方側の側縁は、本体部2の左右の側縁22,23上に位置(重複)し、一対の耳掛け部4L,4Rの他方側の側縁は、本体部2の縦中心線24上に位置(重複)する。
一対の耳掛け部4L,4Rは、本体部2の横方向の対応する端部にその一部がそれぞれ接合されることにより、本体部2の横方向の各端部にそれぞれ取り付けられる。一対の耳掛け部4L,4Rは、図1(B)に示す閉じた状態においてそれぞれ外側の端部(基端部)が、本体部2の温熱具1の顔への装着時に顔と向かい合う側の面(第2シート材27Bの表面)に接合されている。本体部2と一対の耳掛け部4L,4Rとの接合は、本実施形態では熱溶着(ヒートシール)を用いているが、熱溶着以外に、例えば公知の接着剤を用いた圧着、超音波溶着などの公知の手段を用いてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
一対の耳掛け部4L,4Rは、図1(B)に示す本体部2上に重ねられた状態から、図3、図5及び図13(A)に示すように、本体部2との各接合部5で折り返して展開することで、耳に取り付け可能な状態となる。
各接合部5は、図1(B)及び図5に示すように、本体部2の左右の端部において、所定の横幅をもって本体部2の縦方向に沿って延びている。本実施形態では、各接合部5は、本体部2の左右の側縁22,23から所定の横幅をもって本体部2の縦方向に沿って延びている。そのため、各接合部5の本体部2の横方向における外側の輪郭線50は、本体部2の左右の側縁22,23上に位置(重複)している。
各接合部5の本体部2の横方向における内側の輪郭線51は、本体部2の縦方向に平行に延びているが、中途で内側に曲がって本体部2の下縁21に達している。そのため、各接合部5は、下端側においてその一部(突出部分52)が内側に突き出ている。具体的に本実施形態では、各接合部5の内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に下側へ延びた後、内側に向かって直角(本体部2の横方向に平行)に折れ曲がって、更に下側に延びている。そのため、本実施形態では、各接合部5の内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Cと、第3部分51Cと連続しかつ内側に曲がる箇所51Dから本体部2の横方向内側に曲がる第1部分51Aと、第1部分51Aと連続しかつ本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分51Bとからなり、各接合部5は下側の端部を含む一部(突出部分52)が内側に突き出ている。第1部分51Aは、第3部分51Cと直交しており、本体部2の横方向に平行に延びている。第3部分51Cは、本体部2と各耳掛け部4L,4Rとの接合強度を確保する観点から、本体部2の左右の側縁22,23からの距離が3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。なお、第3部分51Cは、必ずしも本体部2の縦方向に平行である必要はなく、多少内側又は外側に傾斜していてもよい。
各接合部5の内側の輪郭線51は、一対の耳掛け部4L,4Rの閉じた状態からの展開方向を決める。本実施形態では、各接合部5の内側の輪郭線51は、上端側よりも下端側が内側に突き出ている。そのため、図3及び図5に示すように、一対の耳掛け部4L,4Rは、図1(B)に示す閉じた状態から各接合部5で折り返して展開させた際に、本体部2の横方向に対して斜め下向きに延びる形で展開する。耳は目よりも位置が若干低いため、一対の耳掛け部4L,4Rが斜め下向きに展開することにより、温熱具1をユーザの顔に違和感なく装着することができる。
また、各接合部5の内側の輪郭線51は、上端側よりも下端側が内側に突き出ているため、図6に示すように、一対の耳掛け部4L,4Rを展開させるために一対の耳掛け部4L,4Rを外側に引っ張った際、本体部2は各接合部5を介して左右の端部の下側の領域(本体部2の下側の左右の角部25,26あたり)が強く引っ張られる。このとき、各接合部5の内側の輪郭線51が中途で内側に曲がって本体部2の下縁21に達しているので、本体部2は各接合部5を介して内側の輪郭線51の曲がりに起因して左右の端部の特に下側の領域(本体部2の下側の左右の角部25,26あたり)がユーザの顔側(図6では図の手前側)に曲がるように変形する。これにより、本体部2の下側の左右の角部25,26が温熱具1の顔への装着時に目の下の頬骨のあたりに覆い被さり、顔から浮き上がることなく顔にフィットする。よって、本体部2は顔との密着性が向上する。このように、本実施形態では、各接合部5の内側の輪郭線51に中途で内側に曲がる箇所51Dを設けることで、本体部2の左右の端部の下側の領域(本体部2の下側の左右の角部25,26あたり)をユーザの顔の表面形状に沿って容易に曲げて変形させることが可能になっている。なお、本体部2は、左右の端部の上側の領域(本体部2の上側の左右の角部あたり)も各接合部5を介して内側の輪郭線51の曲がりに起因してユーザの顔側(図6では図の手前側)に曲がるように変形する。よって、本体部2は、左右の端部の上側の領域(本体部2の上側の左右の角部あたり)についても顔から浮き上がることなく顔にフィットし、顔との密着性が向上する。
一対の耳掛け部4L,4Rには、図1(B)及び図3に示すように、開口40が形成されている。開口40は、一対の耳掛け部4L,4Rをユーザの耳に掛ける際に耳を入れる部分である。開口40は、横長に形成されており、これにより、開口40に耳を容易に挿入できる。また、開口40は、基端側から先端側に向かって、つまりは、温熱具1を装着する際に本体部2から離間して耳に向かう方向に向かって上下幅(長手方向と直交する方向の長さ)が次第に広がるように形成されている。これにより、開口40に耳を容易に挿入できるうえ、一対の耳掛け部4L,4Rの耳に対するフィット性を向上することができる。なお、開口40の形状や大きさは、開口40に耳を挿入可能であれば、特に限定されるものではない。
次に、上述した温熱具1の使用方法について説明する。温熱具1は、発熱材料3が空気の存在下で発熱するため、使用前においては空気との接触を防ぐ必要があり、空気を通さない気密性を有する包装袋(不図示)に収納されている。使用に際し、包装袋を開封して温熱具1を取り出す。そして、一対の耳掛け部4L,4Rを閉じた状態から展開し、本体部2の各第2接合部29L,29R(目被覆部)がユーザの左右の目に当たるように、本体部2をユーザの顔に接触させ、一対の耳掛け部4L,4Rを外側に引っ張りながら耳に掛ける。これにより、発熱材料3から発せられる熱により、左右の目及び各目の周囲に温熱が与えられる。
温熱具1を顔へ装着した際、本体部2の下縁21の横方向中央部が凹状に湾曲して大きく括れているため、本体部2は横方向中央位置の縦中心線24で容易に二つに折れて、顔の形状に沿って変形する。よって、本体部2がユーザの顔にフィット性よく密着する。
加えて、一対の耳掛け部4L,4Rは、本体部2との接合部5において、内側の輪郭線51が中途で内側に曲がって本体部2の下縁21に達しているので、図6に示すように、一対の耳掛け部4L,4Rを耳に掛けるために本体部2に対して横方向外側に引っ張った際に、本体部2の左右の端部の下側の領域(本体部2の下側の左右の角部25,26あたり)が強く引っ張られ、本体部2の縦方向に湾曲してユーザの顔側(図6では図の手前側)に曲がるように変形する。本体部2の下側の左右の角部25,26は、温熱具1の顔への装着時に目の下の頬骨のあたりに当たるが、頬骨が出っ張っていても、その表面形状に沿って曲がることで、頬骨のあたりに覆い被さり、顔から浮き上がることなく顔にフィットする。よって、本体部2をユーザの顔にさらにフィット性よく密着させることができ、発熱材料3から発生した熱が外部に逃げることを抑制することができる。
以上のように、本実施形態の温熱具1によれば、本体部2をユーザの顔に良好にフィットさせることができるので、発熱材料3による温熱効果を効果的に引き出すことができ、ユーザの目や目の周囲に温熱を効果的に与えることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
一変形例として、上記実施形態においては、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5において、内側の輪郭線51が中途で内側に曲がることで形成された内側に突き出る部分52(以下、「突出部分52」という。)は、断続することなく続く一続きに形成されているが、図7に示すように、各接合部5の突出部分52は、必ずしも一続きに形成されている必要はなく、途中で途切れる断続的に形成されていてもよく、各接合部5の突出部分52は、本体部2の横方向に間隔をあけて設けられた離間部54を少なくとも1つ含んでいてもよい。なお、図7では、温熱具1の左半部の図示を省略しているが、右半部と同様の構成である。
図7(A)では、各接合部5の突出部分52は、各接合部5の下端で内側に一続きに曲がる屈曲部53と、該屈曲部53から本体部2の横方向に間隔をあけて設けられた2つの離間部54とで構成されている。また、図7(B)では、各接合部5の突出部分52は、各接合部5の下端において、本体部2の横方向に間隔をあけて設けられた3つの離間部54で構成されている。
なお、本開示において、接合部5の輪郭線とは、接合部5の全体的な外形の周りを形作る線を指し、図7の変形例においても、各接合部5の内側の輪郭線51は、上記実施形態(図1(B)等を参照)と同様、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に下側へ延びた後、内側に向かって直角(本体部2の横方向に平行)に折れ曲がって、更に下側に延びている。内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Cと、第3部分51Cと連続しかつ内側に曲がる箇所51Dから本体部2の横方向に平行に延びる第1部分51Aと、第1部分51Aと連続しかつ本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分51Bとで構成されている。内側の輪郭線51の第1部分51Aは、内側に曲がる箇所51Dから、図7(A)の変形例では屈曲部53及び2つの離間部54の上縁を繋ぐ線で表現され、図7(B)の変形例では3つの離間部54の上縁を繋ぐ線で表現される。なお、図7では、輪郭線51を見易くするために、接合部5の内側の輪郭線の実際の位置とは少しずれた位置に輪郭線51を図示している。
離間部54は、所定の横幅を有し、かつ本体部2の下縁21側において本体部2の縦方向に平行に延びている。離間部54は、本体部2の上縁20まで達しない長さ、好ましくは、本体部2の縦方向中央まで達しない長さに形成されている。なお、離間部54は、本体部2の下縁21より延びていてもよいし、本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に所定距離だけ離れた位置より延びていてもよい。また、離間部54は、本体部2の縦方向に沿っていれば、必ずしも縦方向に平行に延びている必要はなく、多少内側又は外側に傾斜して延びていてもよい。また、離間部54を複数設ける場合、複数の離間部54の上端及び下端の位置は、本体部2の横方向においてそれぞれ全て同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。
図7の変形例においても、一対の耳掛け部4L,4Rは、本体部2との接合部5において、内側の輪郭線51が中途で内側に曲がって本体部2の下縁21に達しているので、一対の耳掛け部4L,4Rを耳に掛けるために本体部2に対して横方向外側に引っ張った際に、本体部2の左右の端部の下側の領域(本体部2の下側の左右の角部25,26あたり)が強く引っ張られ、ユーザの顔側に曲がるように変形する。本体部2の下側の左右の角部25,26は、温熱具1の顔への装着時に目の下の頬骨のあたりに当たるが、頬骨が出っ張っていても、その表面形状に沿って曲がることで、頬骨のあたりに覆い被さり、顔から浮き上がることなく顔にフィットする。よって、本体部2をユーザの顔にさらにフィット性よく密着させることができ、発熱材料3から発生した熱が外部に逃げることを抑制することができる。
加えて、各接合部5において、内側の輪郭線51の第1部分51Aと第2部分51Bとが交差する角55は、一対の耳掛け部4L,4Rを耳に掛けるために本体部2に対して横方向外側に引っ張った際に、最も負荷がかかる部分であり、該角55に過度の負荷がかかると該角55で耳掛け部4L,4Rが切れるおそれがある。このとき、上記実施形態(図1(B)等を参照)のように、各接合部5の突出部分52の上縁が本体部2の横方向に平行に連続して延びていると、耳掛け部4L,4Rの切れが角55を起点にして突出部分52の上縁に沿って内側に折れ曲がる箇所51Dまで連続して広がるおそれがある。これに対して、図7の変形例では、各接合部5の突出部分52の上縁が本体部2の横方向に平行に断続的に延びているため、角55で耳掛け部4L,4Rの切れが生じても、突出部分52の上縁がない位置にて耳掛け部4L,4Rの連続的な切れが一旦止まり、耳掛け部4L,4Rの切れが各接合部5の内側に折れ曲がる箇所51Dまで連続して広がることを防止することができる。
他の変形例として、上記実施形態においては、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5において、内側の輪郭線51が中途で内側に直角(本体部2の横方向に平行)に折れ曲がっているが、図8及び図9に示すように、内側の輪郭線51は中途で内側に曲がっていれば、必ずしも直角(本体部2の横方向に平行)に折れ曲がっている必要はない。なお、図8及び図9では、温熱具1の左半部の図示を省略しているが、右半部と同様の構成である。
例えば図8(A)の変形例では、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5は、内側の輪郭線51が中途で内側に向かって凸となるように湾曲して本体部2の下縁21に達している。これにより、各接合部5は、下側の端部を含む一部(突出部分52)が内側に突き出ている。図8(A)の変形例では、各接合部5の内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Cと、第3部分51Cと連続しかつ内側に曲がる箇所51Dから本体部2の横方向内側に凸状に湾曲しながら本体部2の下縁21に達する第1部分51Aとで構成されるが、第1部分51Aと連続しかつ本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分を更に備えていてもよい。
また、図8(B)の変形例では、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5は、内側の輪郭線51が中途で内側に向かって凹となるように湾曲して本体部2の下縁21に達している。これにより、各接合部5は、下側の端部を含む一部(突出部分52)が内側に突き出ている。図8(B)の変形例では、各接合部5の内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Cと、第3部分51Cと連続しかつ内側に曲がる箇所51Dから本体部2の横方向内側に凹状に湾曲する第1部分51Aと、第1部分51Aと連続しかつ本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分51Bとで構成されるが、第2部分51Bがなく、第1部分51Aが湾曲しながら本体部2の下縁21に達してもよい。
また、図9(A)の変形例では、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5は、内側の輪郭線51が中途で内側に向かって本体部2の横方向に対し斜め下方に折れ曲がって本体部2の下縁21に達している。これにより、各接合部5は、下側の端部を含む一部(突出部分52)が内側に突き出ている。図9(A)の変形例では、各接合部5の内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Cと、第3部分51Cと連続しかつ内側に曲がる箇所51Dから本体部2の横方向内側に斜め下方に折れ曲がる第1部分51Aと、第1部分51Aと連続しかつ本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分51Bとで構成されるが、第2部分51Bがなく、第1部分51Aが斜め下方に折れ曲がりながら本体部2の下縁21に達してもよい。
また、図9(B)の変形例では、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5は、内側の輪郭線51が中途で内側に向かって複数の段差を有する階段状に折れ曲がって本体部2の下縁21に達している。これにより、各接合部5は、下側の端部を含む一部(突出部分52)が内側に突き出ている。図9(B)の変形例では、各接合部5の内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Cと、第3部分51Cと連続しかつ内側に曲がる箇所51Dから本体部2の横方向内側に階段状に折れ曲がる第1部分51Aと、第1部分51Aと連続しかつ本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分51Bとで構成されている。
また、図9(C)の変形例のように、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5は、内側の輪郭線51が中途で内側に向かって本体部2の横方向に対し斜め下方に折れ曲がりながら本体部2の下縁21に達しているが、各接合部5は、その一部が分岐しており、分岐する部分52が内側に突き出ていてもよい。図9(C)の変形例では、各接合部5の内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Cと、第3部分51Cと連続しかつ内側に曲がる箇所51Dから本体部2の横方向内側に斜め下方に折れ曲がる第1部分51Aと、第1部分51Aと連続しかつ本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分51Bとで構成されるが、第2部分51Bがなく、第1部分51Aが斜め下方に折れ曲がりながら本体部2の下縁21に達してもよい。
図8及び図9の変形例においても、一対の耳掛け部4L,4Rは、本体部2との接合部5において、内側の輪郭線51が中途で内側に曲がって本体部2の下縁21に達しているので、一対の耳掛け部4L,4Rを耳に掛けるために本体部2に対して横方向外側に引っ張った際に、本体部2の左右の端部の下側の領域(本体部2の下側の左右の角部25,26あたり)が強く引っ張られ、ユーザの顔側に曲がるように変形する。本体部2の下側の左右の角部25,26は、温熱具1の顔への装着時に目の下の頬骨のあたりに当たるが、頬骨が出っ張っていても、その表面形状に沿って曲がることで、頬骨のあたりに覆い被さり、顔から浮き上がることなく顔にフィットする。よって、本体部2をユーザの顔にさらにフィット性よく密着させることができ、発熱材料3から発生した熱が外部に逃げることを抑制することができる。
加えて、図8及び図9の変形例においても、一対の耳掛け部4L,4Rを耳に掛けるために本体部2に対して横方向外側に引っ張った際に、各接合部5は、内側の輪郭線51の所定箇所56で最も負荷がかかり、該箇所56に過度の負荷がかかると該箇所56で耳掛け部4L,4Rが切れるおそれがある。これに対して、図8及び図9の変形例では、各接合部5の内側の輪郭線51の内側に曲がる部分は、本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる部分を除いて、本体部2の横方向に平行な仮想線57と交差しており、各接合部5の突出部分52の上縁は本体部2の横方向に平行に延びていない。そのため、各接合部5において、内側の輪郭線51の所定箇所56で耳掛け部4L,4Rの切れが生じても、耳掛け部4L,4Rの切れは該箇所56から本体部2の横方向に平行には広がらず、該箇所56の外側では突出部分52の上縁が上方に位置するので、突出部分52の上縁が壁になって、耳掛け部4L,4Rの切れが各接合部5の内側に折れ曲がる箇所51Dまで広がるのが抑制される。よって、耳掛け部4L,4Rの切れが、切れの発生した箇所56を起点にして各接合部5の内側に折れ曲がる箇所51Dまで連続して広がることを防止することができる。
なお、上述した耳掛け部4L,4Rの切れが各接合部5の内側に折れ曲がる箇所51Dまで連続的に広がるのを効果的に抑制するためには、図9(B)に示すような各接合部5の内側の輪郭線51の第1部分51Aが階段状に折れ曲がることが好ましい。また、一対の耳掛け部4L,4Rを耳に掛けるために本体部2に対して横方向外側に引っ張った際に、上述した各接合部5の内側の輪郭線51の所定箇所56にかかる負荷を効果的に軽減するためには、図8(A)に示すような各接合部5の内側の輪郭線51の第1部分51Aが凸状に湾曲していることが好ましい。
図8及び図9の変形例においても、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5について、突出部分52は、必ずしも一続きに形成されている必要はなく、図10に示すように、途中で途切れる断続的に形成されていてもよい。図10において、各接合部5の突出部分52は、本体部2の横方向に間隔をあけて設けられた離間部54を少なくとも1つ含んでいる。図10(A)(B)では、各接合部5の突出部分52は、各接合部5の下端において、本体部2の横方向に間隔をあけて設けられた3つの離間部54で構成されている。図10(C)では、各接合部5はその一部が内側に分岐しており、該分岐部分が突出部分52をなしており、突出部分52は、本体部2の縦方向に位置ずれしかつ本体部2の横方向に間隔をあけて設けられた3つの離間部54で構成されている。なお、図10では、温熱具1の左半部の図示を省略しているが、右半部と同様の構成である。
図10の変形例においても、接合部5の輪郭線とは、接合部5の全体的な外形の周りを形作る線を指し、図10(A)では、各接合部5の内側の輪郭線51は、中途で内側に向かって本体部2の横方向に対し斜め下方に折れ曲がって本体部2の下縁21に達しており、内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Cと、第3部分51Cと連続しかつ内側に曲がる箇所51Dから本体部2の横方向内側に斜め下方に折れ曲がる第1部分51Aと、第1部分51Aと連続しかつ本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分51Bとで構成されている。内側の輪郭線51の第1部分51Aは、内側に曲がる箇所51Dから、3つの離間部54の上縁を繋ぐ線で表現される。図10(A)において、内側の輪郭線51は、第2部分51Bがなく、第1部分51Aが斜め下方に折れ曲がりながら本体部2の下縁21に達してもよい。
図10(B)(C)の変形例では、各接合部5の内側の輪郭線51は、中途で内側に向かって複数の段差を有する階段状に折れ曲がって本体部2の下縁21に達しており、内側の輪郭線51は、本体部2の上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Cと、第3部分51Cと連続しかつ内側に曲がる箇所51Dから本体部2の横方向内側に階段状に折れ曲がる第1部分51Aと、第1部分51Aと連続しかつ本体部2の下縁21から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分51Bとで構成される。内側の輪郭線51の第1部分51Aは、内側に曲がる箇所51Dから、3つの離間部54の上縁及び内側の側縁の上部を繋ぐ線で表現される。なお、図10においても、輪郭線51を見易くするために、接合部5の内側の輪郭線の実際の位置とは少しずれた位置に輪郭線51を図示している。
図10の変形例においても、図8及び図9の変形例と同様の効果を奏する。そのうえ、図10の変形例では、各接合部5の突出部分52の上縁が断続しているため、耳掛け部4L,4Rの切れが生じても、各離間部54にて耳掛け部4L,4Rの切れが一旦止まり、耳掛け部4L,4Rの切れが各接合部5の内側に折れ曲がる箇所51Dまで連続して広がることを防止することができる。
他の変形例として、上記実施形態においては、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5は、内側の輪郭線51が中途で内側に曲がって本体部2の下縁21に達することで、下端側の一部(突出部分52)が内側に突き出ているが、図11及び図12に示すように、内側の輪郭線51が中途で内側に曲がって本体部2の上縁20に達することで、上端側の更なる一部(突出部分58)が内側に突き出ていてもよい。なお、図11及び図12では、温熱具1の左半部の図示を省略しているが、右半部と同様の構成である。
例えば図11(A)の変形例では、各接合部5の内側の輪郭線51は、本体部2の縦方向に平行に延びる第3部分51Gと、第3部分51Gの下端ないしは上端と連続しかつ内側に曲がる箇所51D,51Hからそれぞれ本体部2の横方向内側に曲がる第1部分51A,51Eと、第1部分51A,51Eと連続しかつ本体部2の下縁21ないしは上縁20から本体部2の縦方向に平行に延びる第2部分51B,51Fとで構成されている。第1部分51A,51Eは、第3部分51Gと直交しており、本体部2の横方向に平行に延びている。図11(A)の変形例においては、第1部分51A,51Eは、第3部分51Gに対して内側に直角(本体部2の横方向に平行)に折れ曲がっているが、複数の段差を有する階段状に折れ曲がっていてもよいし、本体部2の横方向に対し斜め下方ないしは上方に折れ曲がっていてもよし、凸又は凹となるように湾曲していてもよい。なお、第3部分51Gは、必ずしも本体部2の縦方向に平行である必要はなく、多少内側又は外側に傾斜していてもよい。
また、図11(B)の変形例に示すように、各接合部5の内側の輪郭線51は、第2部分51B,51Fがなく、第1部分51A,51E及び第3部分51Gだけで構成されていて、第1部分51A,51Eが本体部2の下縁21ないしは上縁20に達していてもよい。図11(B)の変形例においては、第1部分51A,51Eは、内側に凸となるように湾曲していているが、内側に凹となるように湾曲していてもよいし、本体部2の横方向に対し斜め下方ないしは上方に折れ曲がっていてもよい。なお、図11(A)(B)の変形例においては、図示は省略するが、図9(C)の変形例と同様に、各接合部5は、その下端側及び上端側においてその一部が内側に分岐しており、該分岐部分が突出部分52,58をなしていてもよい。
また、図12(A)(B)の変形例に示すように、各接合部5の内側の輪郭線51は、第2部分51B,51Fに加えて第3部分51Gがなく、第1部分51A,51Eだけで構成されていてもよい。図12(A)(B)の変形例では、各接合部5の内側の輪郭線51において内側に曲がる箇所51Dは1箇所であり、該箇所51Dから第1部分51Aが内側に曲がって本体部2の下縁21に達し、該箇所51Dから第1部分51Eが内側に曲がって本体部2の上縁20に達している。図12(A)の変形例においては、第1部分51A,51Eは、内側に向かって本体部2の横方向に対し斜め下方ないしは上方に折れ曲がっており、図12(B)の変形例においては、第1部分51A,51Eは、内側に凹となるように湾曲していているが、第1部分51A,51Eは、内側に凸となるように湾曲していてもよい。
他の変形例として、上記実施形態においては、一対の耳掛け部4L,4Rの各接合部5は、本体部2の横方向における外側の輪郭線50が本体部2の左右の側縁22,23と重複しているが、図12(C)に示すように、各接合部5の外側の輪郭線50は本体部2の左右の側縁22,23と重複していなくてもよい。なお、図12(C)に示す形状の接合部5に限らず、上記実施形態及び変形例のいずれの形状の接合部5について、外側の輪郭線50を本体部2の左右の側縁22,23と重複しないように形成することができる。ただし、外側の輪郭線50を本体部2の左右の側縁22,23と重複するように接合部5を形成する方が、一対の耳掛け部4L,4Rを本体部2に剥がれ難く強固に固定することができるので好ましい。
他の変形例として、上記実施形態においては、図3、図5及び図13(A)に示すように、一対の耳掛け部4L,4Rは、各接合部5で折り返して展開することで、耳に取り付け可能な状態となるが、図13(B)に示すように、一対の耳掛け部4L,4Rを、通常状態で本体部2の横方向に展開する形で、その端部を本体部2の左右の端部に接合してもよい。
他の変形例として、上記実施形態においては、図1に示すように、左右の第2接合部29L,29Rは別れているが、左右の第2接合部29L,29Rは本体部2の左右方向で繋がっていてもよい。
他の変形例として、上記実施形態においては、図1に示すように、本体部2において発熱材料3を収容する収容領域が左右の目被覆部29L,29Rの間で繋がっているが、図14に示すように、左右の目被覆部29L,29Rの間に縦中心線24に沿って本体部2の縦方向に平行に延びる第3接合部30を設けてもよい。第3接合部30は、第1接合部28及び第2接合部29L,29Rと同様、本体部2を構成する2枚のシート材27A,27Bを、熱溶着(ヒートシール)、公知の接着剤を用いた圧着、超音波溶着などの公知の手段、又はこれらの組み合わせにより接合した部分である。
他の変形例として、上記実施形態においては、図1に示すように、本体部2の目被覆部に第2接合部29L,29Rが設けられることで、目被覆部は発熱材料3が収容されておらず、その周りの周囲被覆部と区切られているが、目被覆部を周囲被覆部と区切らず、目被覆部にも発熱材料が収容されていてもよい。