以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄(「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」等:図示省略)が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。また、各々のリール110乃至112の左右両側には、それぞれ複数のライン表示LED(図示省略)が配置されており、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やMB(ミドルボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。
メダル投入ボタン130及び131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130(ONEベットボタンともいう)が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131(MAXベットボタンともいう)が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口を形成するブロックである。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入ブロック134のメダル投入口から実際のメダルを投入することもできる。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入ブロック134のメダル投入口に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタンユニット136に設けられたストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿210に排出するためのボタンである。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉102を開けることができる。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿210は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿210は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下、受皿ランプ210と呼ぶこともある。
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154及び受皿ランプ210は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプであり遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。灰皿部200は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、メダル受皿210の内側にネジ止めされている。リールパネル161は、図柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。
液晶表示装置(LCD)180は、遊技に関する各種の情報を表示することができる(例えば、ゲームを盛り上げるためのキャラクタ等を登場させたり、リーチ目等を表示させたり、スロットマシンの内部で異常が発生したときのエラーの内容を表示させたりする)。もちろん、液晶表示装置180のかわりに、複数のLEDを2次元に配置したドットマトリックス式表示装置等、他の表示手段を用いてもよい。また、液晶表示装置180の左右それぞれには開閉可能な扉を備えた扉装置183が設けられ、液晶表示装置180の演出に合わせて、扉を開閉させて、演出を行うようになっている。
<制御部>
次に、図2及び図3を参照して、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信された制御情報(以下、コマンドと略称)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
<主制御部>
まず、図2を参照して、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算ボタンセンサ324、メダル払い出しセンサ326、及び判定回路319の状態を検出し、各センサを監視している。
スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検知するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130及び131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するためのセンサである。精算ボタンセンサ324は、精算ボタン132の押下を検知するセンサであり、精算ボタン132が一回押されると、精算可能なメダルが払い出される。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検知するためのセンサである。メダル投入センサ320は、メダル投入ブロック134の内部の通路に2個設置されており、判定回路319を介して、メダルの通過有無を検出する。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370及び371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパーのモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。例えば、水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタと、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜16383までの値をインクリメントするカウンタとを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図3を参照して、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の図柄を左右両側より照明するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、扉・液晶画面制御部490からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信したデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171、及び受け皿ランプ210を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払出口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410から扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置180及び扉装置183を制御する制御部である。
<図柄配列>
図4は、各リール110乃至112に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール110乃至112には、複数種類の図柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。図柄表示窓113には、21コマの内の3コマ分が表示される。
図4の左端に示した番号0乃至20は、リール上のどの位置のコマに各図柄が配置されているか、すなわち、リール上の図柄配置位置を示す番号である。この番号と図柄とは1対1で対応しており、例えば、左リール110の番号0のコマにはブランク図柄、中リール111の番号1のコマにはリプレイ図柄、右リール112の番号2のコマには赤セブン図柄が、それぞれ配置されている。ここで、ブランク図柄は、入賞に関係ない図柄で、役の組合せで使用されない図柄である。
<入賞役>
次に、本実施形態におけるスロットマシン100の入賞役について説明する。図5乃至図8は、遊技状態ごとの各入賞役の図柄組合せ、入賞時のメダル払出枚数、及び抽選データを示している。尚、本実施形態において、「入賞役」とは、メダルの配当がある役(スイカ、ベル、チェリー)の他、メダルの配当がない作動役(BB(ビッグボーナス)1〜4、MB(ミドルボーナス)1〜2、リプレイ(再遊技)1〜2も含む意味である。従って、本実施形態における「入賞」には、作動役の図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に表示された場合も含み、例えば、再遊技(リプレイ)入賞、BB入賞とした場合には、リプレイの図柄組合せ、BBの図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に表示されることを意味する。
本実施形態の遊技状態は、図5乃至図8に示すように、通常遊技状態、再遊技高確率状態、BB(ビッグボーナス)遊技状態、及びMB(ミドルボーナス)遊技状態の4種類が設定されており、遊技状態ごとに抽選データが備えられている。ここで、抽選データとは、全乱数値(65536)に対して各入賞役に割り当てられた乱数値幅を表すデータであり、各入賞役に割り当てられた乱数値幅を全乱数値で除すると、各入賞役に内部当選する確率となる。例えば、図5によれば、通常遊技状態において、BB1に内部当選する確率は14/65536であり、リプレイ1に内部当選する確率は8423/65536である。また、本実施形態の特徴としては、図5及び図6に示すように、通常遊技状態及び再遊技高確率状態においては、同時当選役の抽選データを多数備えている。例えば、具体的には、通常遊技状態においては、リプレイ1に当選する抽選データ(乱数幅8423)、リプレイ2に当選する抽選データ(乱数幅165)の他、リプレイ1及びリプレイ2に同時に当選する抽選データ(乱数幅165)を備えている。また、この他、ボーナス役(BB、MB)とリプレイ、ボーナス役(BB)と小役(スイカ、チェリー)の同時当選役も備えている。図5乃至図8に示す抽選データは、ROM312に入賞役抽選テーブルとして記憶されており、後述する内部抽選処理において、参照される。そして、内部抽選処理の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合に、内部当選した入賞役に対応する図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に停止する可能性がある。
なお、各入賞役の内部当選確率は、一般に所定の出玉率の範囲内になるように設定されており、遊技店の営業に合わせて設定1から設定6までの6段階に設定できるようになっている。本実施形態では、任意の1段階(設定6)についてのみ図5乃至図8に例示し、他の設定に関しては省略している。
図5に示すように、通常遊技状態で、白セブン−白セブン−白セブン、赤セブン−赤セブン−赤セブン、白セブン−白セブン−赤セブン、又は赤セブン−赤セブン−白セブンの図柄組合せが、有効化された入賞ライン114のいずれかに揃うと、それぞれBB1〜BB4(BB1〜BB4をまとめてBBと称する)に入賞する。BBに入賞すると、図7に示すBB遊技状態に移行し、次回の遊技からBB遊技が開始される。BB遊技状態においては、確実にベル又はチェリーのいずれかに入賞し、メダル15枚が払い出されるので、BB遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。尚、BB遊技状態は、BB中に獲得したメダルの枚数が所定数に達した時点(例えば、345枚を越えた時点)で終了する。
また、通常遊技状態で、白セブン−白セブン−BAR又は赤セブン−赤セブン−BARの図柄組合せが、有効化された入賞ライン114のいずれかに揃うと、それぞれMB1〜MB2(MB1〜MB2をまとめてMBと称する)に入賞する。MBに入賞すると、図8に示すMB遊技状態に移行し、次回の遊技からMB遊技が開始される。MB遊技状態は、中リール111及び右リール112が停止操作後1コマ以内で停止するようにリール制御されており、MB中に獲得したメダルの枚数が所定数に達した時点(例えば、119枚を越えた時点)で終了する。また、MB遊技状態においても、確実にベル又はチェリーのいずれかに入賞し、メダル15枚が払い出されるので、MB遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。
また、通常遊技状態で、リプレイ−リプレイ−リプレイ、又はリプレイ−リプレイ−ベルの図柄組合せが、有効化された入賞ライン114のいずれかに揃うと、それぞれリプレイ1〜リプレイ2(リプレイ1〜リプレイ2をまとめてリプレイ又は再遊技と称する)の入賞となり、次回の遊技がメダルの投入なしで行うことができる。
また、通常遊技状態で、スイカ−スイカ−スイカ、ベル−ベル−ベル、又はチェリー−ANY−ANYの図柄組合せが、有効化された入賞ライン114のいずれかに揃うと、それぞれベル、スイカ、又はチェリーの入賞となり、5枚、8枚又は2枚のメダルが払い出される。なお、「ANY」はどの図柄でもよいことを示している。
図6に示すように、再遊技高確率状態は、通常遊技状態と比べて、再遊技の当選確率が高く設定されている遊技状態である。詳しくは、リプレイ1、リプレイ2及びリプレイ1&リプレイ2の抽選データの乱数幅が異なっており、他の各入賞役の抽選データは通常遊技状態と同一に設定されている。このように再遊技高確率状態は、メダルの目減りが少ないため、遊技者にとって有利な遊技状態である。本実施形態では、ボーナス(BB及びMB)に内部当選することを契機として、再遊技高確率状態に移行し、ボーナスに入賞することによって、再遊技高確率状態を終了する。
図7及び図8に示すBB遊技状態及びMB遊技状態においては、ベル−ベル−ベル又はチェリー−ANY−ANYの図柄組合せが、図柄表示窓113の水平入賞ライン114に揃うと、それぞれベル又はチェリーに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。なお、BB遊技状態及びMB遊技状態において、遊技に投入可能なメダルは1枚のみである。
<遊技の基本的制御>
図9は、遊技の基本的制御を示した主制御部メイン処理のフローチャートである。この処理は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
ステップS100では、メダル投入に関する投入処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、メダル投入の規定枚数を設定する。なお、ステップS100の投入処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS200では、遊技のスタート操作受付に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行う。
ステップS300では、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS400では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
ステップS500では、取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブル(具体的には、遊技状態ごとに設けられた図5乃至図8の抽選データ)を用いて、各入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する内部抽選処理を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグをONに設定する。入賞役としては、例えば、BB1、リプレイ1、ハズレ等を挙げることができる。尚、副制御部400には、内部抽選の情報が含まれる抽選結果コマンドを送信する。
上述したように、各入賞役には、メダルのベット数及び設定値(1〜6)毎に内部抽選の当選確率が設定されており、入賞役抽選テーブルはこれに従って構成されている。入賞役抽選テーブルの乱数値の範囲(例えば、0〜65535)は予めいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている(例えば、0〜13はBB1、14〜32はBB2、…、20181〜63535ははずれなど)。そして、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。この方式は他の抽選処理(演出抽選など)でも採用される。
ステップS600では、全リール110乃至112の回転を開始させるリール回転開始処理を行う。
ステップS700では、演出用投入ボタン受付処理を行う。演出用投入ボタン受付処理は、後述する小役告知演出を実行する際に、演出用投入ボタンを用いて、告知対象の小役を選択する処理である。ステップS700の演出用投入ボタン受付処理に関しては、詳しくは後述する。ここで、演出用投入ボタンとは、本実施形態では、メダル投入ボタン、すなわちベットボタン(具体的には、ONEベットボタン130、MAXベットボタン131)を意味し、スタートレバー135操作後にベットボタンを再度演出用に用いるので、このように称する。
ステップS800では、ストップボタン137乃至139の受付が可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかを停止させる。リールの停止制御は、ストップボタンの操作タイミングに基づき、ステップS500の内部抽選結果に応じて実行され、例えば、ROM312に内部抽選結果に応じた複数種類のリール停止制御テーブルを格納しておき、これを参照することで停止制御を行う。尚、副制御部400には、ストップボタンの操作検知に基づき、停止対象のリールに関する情報(停止操作されたリールの種類(例えば左、中、右など)を示す情報、いずれの図柄位置で停止しているかを示す停止位置情報など)を含むリール停止コマンドを送信する。
ステップS900では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選中の入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、通常遊技状態で有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定し、ベルに対応するフラグはリセットされる。ここで、ボーナス役(BB及びMB)に内部当選して、当該遊技で内部当選したボーナス役に入賞しなかった場合には、ボーナス役に対応するフラグ(以下、ボーナスフラグという)はリセットされない。すなわち、ボーナスフラグは、当該遊技だけでなく、次遊技以降もフラグの持ち越しが可能であり、ボーナスに当選したにも関わらず、その遊技においてボーナスに入賞しなかった場合、入賞するまで次遊技以降も、それらに当選したものとして取り扱うことができる。尚、副制御部400には、入賞判定結果の情報が含まれる判定結果コマンドを送信する。
ステップS1000では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS1100では遊技状態更新処理を実行する。この遊技状態更新処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BBやMBのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するBB遊技やMB遊技を開始できるように準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるように準備する。なお、副制御部400には、遊技状態を示す状態コマンドを送信する。
以上により1ゲームが終了し、以降これを繰り返すことにより遊技が進行することとなる。
<投入処理>
図10は、図9のステップS100の投入処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS110では、演出用停止ボタン受付処理を行う。演出用停止ボタン受付処理とは、遊技開始前に演出用停止ボタンを用いて、演出の変更設定を行う処理である。ここで、演出用停止ボタンとは、本実施形態では、ストップボタン(具体的には、ストップボタン137〜139)を意味し、ストップボタンをリール停止としての機能の他、演出を選択する機能に用いるので、このように称する。図11を参照して、ステップS110の演出用停止ボタン受付処理を説明する。図11は、ステップS110の演出用停止ボタン受付処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS111では、メダル投入枚数が0であるか否かを判定する。メダル投入枚数が0であるとき、すなわち、前回の遊技で再遊技に入賞したときには(リプレイ作動中)、前回の遊技で設定されたベット数が自動的に設定されるので、前回の遊技に再遊技に入賞しなかったときは、ステップS112に進み、メダル投入枚数が0でないときは、演出用停止ボタン受付処理を終了する。
ステップS112では、現在がボーナス遊技中(詳しくは、BB遊技状態又はMB遊技状態)であるか否かを判定する。現在がボーナス遊技中でないときは、ステップS113に進み、現在がボーナス遊技中であるときは、演出用停止ボタン受付処理を終了する。
ステップS113では、ストップボタンを受け付けたか否かを判定する。ストップボタンを受け付けたときは、ステップS114に進み、ストップボタンを受け付けなかったときは、演出用停止ボタン受付処理を終了する。
ステップS114では、特定のストップボタンを受け付けたか否かを判定する。本実施形態においては、特定のストップボタンの受付とは、左リール110に対応するストップボタン137と右リール112に対応するストップボタン139の同時操作を意味するが、勿論、ストップボタンのこれ以外の組合せによる同時操作であってもよい。特定のストップボタンを受け付けたときは、ステップS115に進み、特定のストップボタンを受け付けなかったときは、演出用停止ボタン受付処理を終了する。
ステップS115では、演出用停止ボタンの操作を受け付けたことを示す演出用停止ボタン受付情報を設定する。すなわち、メダル投入枚数が0であって、ボーナス遊技中でなく、ストップボタンの操作を受け付け、かつ、受け付けたストップボタンが特定のストップボタンである場合には、演出用停止ボタン受付情報を設定する。
図10に戻り、ステップS120では、リプレイ作動中であるか否かを判定する。リプレイ作動中であるときは、前回の遊技で設定されたベット数が自動的に設定されるので、ステップS130に進み、リプレイ作動中でないときは、ステップS122に進む。
ステップS122では、メダルをメダル投入口に投入したか否かを判定するメダルセレクタ処理を行う。
ステップS124では、メダルをメダル投入口に投入し、メダルセレクタがメダルを受け付けたときは、ステップS130に進み、メダルセレクタがメダルを受け付けなかったときは、ステップS126に進む。
ステップS126では、精算ボタン132の受付があったか否かを判定する精算受付処理を行う。
ステップS128では、ベットボタン(ONEベットボタン130、MAXベットボタン131)の受付があったか否かを判定するベットボタン処理を行う。
ステップS130では、当該遊技に対して投入されたメダルの枚数を設定する。
ステップS132では、演出用停止ボタン受付情報が設定されているか否かを判定する。演出用停止ボタン受付情報は、上述したステップS110で所定の条件下のもとで特定のストップボタンが操作されたときに設定されるものである。演出用停止ボタン受付情報が設定されているときは、ステップS134に進み、設定された演出用停止ボタン受付情報をクリアし、次いで、ステップS136に進み、演出用停止ボタン受付コマンドを副制御部400に送信する。副制御部400では、演出用停止ボタン受付コマンドを受信すると、演出の設定変更(例えば、演出中に登場するアイテムの変更や演出モードの変更など)を行う。一方、演出用停止ボタン受付情報が設定されていないときは、ステップS138に進む。
ステップS138では、精算ボタン132の受付があったか否かを判定する。ステップS126の精算受付処理において精算ボタン132の受付があったときには、ステップS140に進み、メダルの精算処理を行い、精算ボタン132の受付がなかったときには、ステップS142に進む。
ステップS142では、メダル投入受付情報があったか否かを判定する。メダル投入受付情報があった、すなわち、当該遊技に対してメダルが投入されているときは、ステップS144に進み、メダル投入コマンドを副制御部400に送信し、当該遊技に対してメダルが投入されなかったときには、投入処理を終了する。
<演出用投入ボタン受付処理>
図12は、図9のステップS700の演出用投入ボタン受付処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS702では、第3停止リール(3番目に停止させるリール)の停止受付待ち中であるか否かを判定する。本実施形態では、リール回転後、第2停止リール(2番目に停止させるリール)の停止操作までの間に演出用投入ボタン(ベットボタン)の操作を受け付けるようにしているので、この判断をするものである。第3停止リールの停止受付待ち中でないとき、すなわち、第2停止リールの停止操作までの間は、ステップS704に進み、第3停止リールの停止受付待ち中、すなわち第2停止リールの停止操作後のときは、演出用投入ボタン受付処理を終了する。
ステップS704では、演出用投入ボタン(ベットボタン)の受付があったか否かを判定する。演出用投入ボタン(ベットボタン)の受付があったとき、すなわち、リール回転後、第2停止リールの停止操作までの間に演出用投入ボタン(ベットボタン)の操作を受け付けたときは、ステップS706に進み、演出用投入ボタンを受け付けたことを示す演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部400に送信する。一方、演出用投入ボタン(ベットボタン)の受付がなかったときは、演出用投入ボタン受付処理を終了する。
なお、本実施形態では、リール回転後、第2停止リールの停止操作までの間を演出用投入ボタンを受け付ける期間としたが、これに限定されず、広くは、リール回転後、リール停止までの間に演出用投入ボタンを受け付ければよく、例えば、第1停止リールの停止操作までの間を演出用投入ボタンを受け付ける期間としてもよい。
<副制御部の処理>
図13は、スロットマシン100の副制御部400の割込処理及びメイン処理を示すフローチャートである。
まず、図13(a)を参照して、副制御部400の割込処理について説明する。副制御部400のCPU410は同図の処理を所定周期で行う。
ステップS2100では、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判定する。主制御部300からコマンドを受信したときは、ステップS2200に進み、主制御部300からコマンドを受信しないときは、割込処理を終了する。
ステップS2200では、受信したコマンドをRAM413の所定のエリア(コマンド格納エリアという)に上書きせずに順次格納する。
次に、図13(b)を参照して、副制御部400のメイン処理について説明する。副制御部400のCPU410は、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
ステップS2300では、格納したコマンドを取得して、ステップS2400では、取得したコマンドに応じて演出処理を実行する。演出処理に関しては、詳しくは、後述する。
<演出処理>
図14は、図13(b)のステップS2400の演出処理を詳しく示すフローチャートである。本実施形態の演出処理は、液晶表示装置180を介して、内部当選した小役を告知する小役告知演出を行うことを特徴としている。
図15は、本実施形態の小役告知演出の画像例を示している。図15(a)に示すように、小役告知演出を開始すると、液晶表示装置180の画面上に、複数の当選可能な入賞役(小役)がそれぞれ所定の大きさの図形(例えば、楕円)M1〜M6(以下、M1〜M6をMと総称する)となって表示される。この複数の小役の各図形は、射的をする場合の的をイメージしたものである。次いで、図15(b)に示すように、所定の大きさの図形SC(例えば、円)が液晶表示装置180の画面上に表示され、画面上を移動する。この移動可能な図形SCは、射的をする場合のスコープ(照準器)をイメージしたものである。すなわち、本実施形態の小役告知演出は、射的を模した演出となっており、移動するスコープSCが的Mに重なっているときに、ベットボタンを操作すると(銃の引き金を引いたイメージ)、当該的Mが消えたり、消えなかったりするものである(銃の弾によって的が倒れたり、倒れなかったりするイメージ)。
ここで、本実施形態では、小役の的Mが消滅した場合には、当該小役に内部当選していないことを示唆するので、遊技者は自らが知りたい小役の情報を選別して、知ることができるようになっている。例えば、遊技者がベルに関する情報(ベルに内部当選しているか否かに関する情報)を知りたいときは、スコープSCがベルの的M6に重なったときにベットボタンを操作することで、ベルの的M6が表示され続けたり、消滅したりするので、ベルに関する情報を知ることができるものである。このように本実施形態の小役告知演出は、遊技者がベットボタンを操作することで告知対象の小役を選択すると、選択した小役に応じて演出態様を変化させて、選択した小役の内部当選に関する情報を告知するようになっている。なお、小役告知演出を実行する場合には、予め定められた数ゲームに亘って、連続的に小役告知演出を実行するようになっている。
以下、図14を参照して、本実施形態の演出処理について説明する。
ステップS2402では、演出用停止ボタン受付コマンドを受信したか否かを判定する。演出用停止ボタン受付コマンドを受信したときは、ステップS2404に進み、演出用停止ボタン受付コマンドを受信しなかったときは、ステップS2410に進む。
ステップS2404では、現在、小役告知演出が継続中であるか否かを判定する。小役告知演出が継続中であるときは、ステップS2406に進み、小役告知演出の中で演出を切り替えるための演出切替情報を設定し、ステップS2420に進む。一方、小役告知演出が継続中ないときは、演出モードを切り替える処理を行う。このように本実施形態においては、新たなスイッチ類を設けることなく、既存のボタンを操作する(具体的には、ストップボタン137とストップボタン139による同時操作)ことによって、演出モードを簡単に切り替えることができる(例えば、出現するキャラクタが切り替わる)。
ステップS2410では、抽選結果コマンドを受信したか否かを判定する。抽選結果コマンドを受信したときは、ステップS2412に進み、抽選結果コマンドを受信しなかったときは、ステップS2418に進む。
ステップS2412では、現在、小役告知演出が継続中であるか否かを判定する。小役告知演出が継続中であるときは、新たに演出を決定する必要はないので、ステップS2420に進み、小役告知演出が継続中でないときは、ステップS2414に進み、受信した抽選結果コマンドに応じた演出抽選処理によって、演出を決定する。
ステップS2416では、決定された演出が小役告知演出であるか否かを判定する。決定された演出が小役告知演出であるときは、ステップS2420に進み、小役告知演出を実行する。小役告知演出に関しては、詳しくは後述する。一方、決定された演出が小役告知演出でないときは、ステップS2418に進む。
ステップS2418では、受信したコマンド、又は決定した演出に応じて、その他の演出処理を実行する。
<小役告知演出処理>
図16は、図14のステップS2420の小役告知演出処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS2421では、演出切替情報の設定があるか否かを判定する。演出切替情報の設定がないときは、ステップS2422に進み、小役告知演出処理を開始する。具体的には、図15(a)に示すような画像を液晶表示装置180に表示する。一方、演出切替情報の設定があるとき、すなわち、小役告知演出処理が継続中に、特定のストップボタンの操作があったときは、ステップS2423に進み、小役告知演出中のアイテムを変更する処理を行う。例えば、具体的には、上述した射的を模した演出においてキャラクタが携行する銃の種類を変更するなどのアイテムを変更する。
ステップS2424では、ベットボタンを操作できる規定回数を設定する。例えば、規定回数を3に設定したときには、一遊技中にベットボタンを3回まで操作することができる(小役を的にした射的を3回まで行うことができる)。
ステップS2425では、照準合わせ演出を実行する。具体的には、図15(b)に示すような画像を液晶表示装置180に表示して、スコープSCを移動させる。
ステップS2426では、演出用投入ボタン受付コマンドを受信したか否かを判定する。演出用投入ボタン受付コマンドを受信したときには、遊技者が小役告知演出においてベットボタンを操作したので、ステップS2427に進み、演出用投入ボタン受付コマンドを受信しなかったときは、ステップS2430に進む。
ステップS2427では、小役の的MとスコープSCに重なりがあるか否かを判定する。小役の的MとスコープSCに重なりがあるときは、当該小役を告知対象に選択したものと判断して、ステップS2428に進み、告知対象の消去抽選処理を行う。告知対象の消去抽選処理とは、当該遊技において内部当選した入賞役、及び選択された的Mに応じた抽選処理により的Mを消去するか否かを決定するものである。ここで、内部当選した役が選択した的に含まれているとき(例えば、BB1に内部当選して、ボーナスの的M5を選択したとき)は、抽選処理において当選することはない、すなわち、選択した的Mは消去されることはない。一方、選択した的Mが内部当選していない役であるときは、所定の確率により当選する、すなわち、選択された的Mは所定の確率をもって消去されるようになっている。図17は、告知対象の消去抽選処理において参照される抽選テーブルの一例を示すものである。一方、小役の的MとスコープSCに重なりがないときは、ステップS2425に戻る。
ステップS2429では、告知対象の消去抽選に当選したか否かを判定する。告知対象の消去抽選に当選したときは、ステップS2432に進み、告知対象の的を消去する。告知対象の消去抽選に当選なかったときは、ステップS2433に進む。
ステップS2430では、リール停止コマンドを受信したか否かを判定する。リール停止コマンドを受信したときは、ステップS2431に進み、停止図柄位置に応じた告知対象の的Mを消去し、ステップS2433に進む。これは、停止表示されたリールの図柄により、入賞する可能性がなくなった小役の的Mを自動的に消去するものである。一方、リール停止コマンドを受信しなかったときは、ステップS2433に進む。
ステップS2433では、規定回数分の演出用投入コマンドを受信したか否かを判定する。規定回数の演出用投入コマンドを受信したときは、当該遊技における小役告知演出処理(ベットボタン操作)は終了したので、ステップS2435に進む。規定回数分の演出用投入コマンドを受信しなかったときは、ステップS2434に進み、当該遊技において所定時間が経過したか否かを判定する。これは、当該遊技において規定回数分の演出用投入ボタンを操作しなくても、当該遊技において所定の時間(例えば、30秒など)が経過したときは、当該遊技における小役告知演出処理(ベットボタン操作)は終了したものとみなすので、この判断を行うものである。所定時間が経過したときは、ステップS2435に進み、所定時間が経過していないときは、ステップS2425に戻る。
ステップS2435では、小役告知演出が終了したか否かを判定する。上述したように、小役告知演出は、予め定められた数ゲームに亘って行なわれるため、当該数ゲームが経過したか否かを判定するものである。小役告知演出が終了したときは、ステップS2436に進み、小役告知演出の終了設定を行い、小役告知演出が終了していないときは、ステップS2437進み、小役告知演出の継続設定を行う。
図18は、本実施形態の小役告知演出でチェリー、スイカ及びベルの的(領域表示)を順次消去した例を示している。すなわち、まずスコープSCがチェリーの領域に重なったときにベットボタンを操作して、チェリーの領域表示を消去し(図18(a)参照)、次いで、スコープSCがリプレイの領域に重なったときにベットボタンを操作したが、リプレイの領域表示は消去されず(図18(a)〜(b)参照)、次いで、スコープSCがスイカの領域に重なったときにベットボタンを操作して、スイカの領域表示を消去し(図18(b)参照)、次いで、スコープSCがベルの領域に重なったときにベットボタンを操作して、ベルの領域表示を消去した例である(図18(c)参照)。この結果、残った小役の領域表示は、ボーナス又はリプレイとなったので、遊技者は内部当選した小役を絞り込むことができ、ボーナス又はリプレイに内部当選していることを把握することができる。
また、図19は、本実施形態の小役告知演出でいずれの小役の的(領域表示)も消去されなかった例である。すなわち、まずスコープSCがリプレイの領域に重なったときにベットボタンを操作したが、リプレイの領域表示は消去されず(図19(a)参照)、次いで、スコープSCがスイカの領域に重なったときにベットボタンを操作したが、スイカの領域表示は消去されず(図19(b)参照)、その後、ベットボタンの操作をしなかった例である。この結果、すべての小役の領域表示がされているので、遊技者は内部当選した小役を絞り込むことができない(図19(c)参照)。
なお、液晶表示装置180の画面上に表示される小役の領域表示は、図18及び図19に示すように、各小役が重なり合いを持たない集合として領域を表示する他、図20に示すように、各小役が重なり合いを持つような集合として領域を表示するようにしてもよい。特に、本実施形態においては、同時当選役を多数有しているので、各小役が重なり合いを持つような集合として領域を表示するのは有効である。
図20は、各小役が重なり合いを持つような集合として領域表示される場合の小役告知演出で、スイカを消去した例を示している。図20に示す小役告知演出においては、ボーナスとスイカの重なった領域(以下、共通領域という)は、ボーナス及びスイカに同時に当選したことを示している(図20(a)参照)。そして、スコープSCがスイカの領域(詳しくは、ボーナスを除くスイカだけの領域)に重なったときにベットボタンを操作して、スイカの領域表示を消去し(図20(b)参照)、次いで、スコープSCがボーナスの領域(詳しくは、スイカを除くボーナスだけの領域)に重なったときにベットボタンを操作したが、ボーナスの領域表示は消去されず(図20(b)参照)、次いで、スコープSCが共通領域に重なったときにベットボタンを操作したが、共通領域の領域表示は消去されなかった例である(図20(b)参照)。この結果、残った小役の領域表示は、ボーナス、又はボーナスとスイカの同時当選となったので、遊技者は内部当選した小役を絞り込むことができ、ボーナスに内部当選、又はボーナスとスイカの同時に内部当選していることを把握することができる。
以上、本実施形態のスロットマシン100の小役告知演出によれば、射的を模した的(小役)の消去に関する演出を行うことにより、遊技者が選択した小役に関する当選情報を知ることができるので、内部当選した役に関する情報を報知するにあたり、遊技者に面白みを感じさせることができる。
すなわち、本実施形態によれば、遊技者の意思によって、必要な小役の情報を選別し、選別した小役の情報を告知するので、目押し操作の指標とすることができる。また、射的を模した的の消去状況により、内部当選する小役が絞られるので、興趣を高めることができる。さらには、本実施形態の小役告知演出は、リール回転後、リール停止までの間に行われるので、遊技進行に支障をきたさずに遊技者に有益な情報を与えることができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。例えば、上記実施形態の小役告知演出おいては、複数の小役に対応させてそれぞれの的を表示させたが、各的の大きさに意味を持たせるようにしてもよい。例えば、各小役の内部当選する確率を各的の大きさの大小に反映させるようにしてもよい(的が大きいときは、当選する確率が高い)。
また、上記実施形態においては、的が消去された場合には、対応する小役に当選している可能性がない旨を意味するようにしたが、これとは反対の意味を持たせるようにしてもよい(的が消去された場合には、対応する小役に当選している可能性がある)。
また、上記実施形態では、ベットボタンを用いて、内部当選に関する情報の選択を行うようにしたが、内部当選に関する情報の選択を行うボタンは、ベットボタンに限定されるものではなく、他のボタンやスイッチであってもよい(既存のボタンやスイッチであってもよいし、新規のボタンやスイッチであってもよい)。
さらには、上記実施形態においてはメダルを用いるスロットマシンに対して本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いるパチンコ遊技機や遊技球を用いたスロットマシン(パチロット若しくはパロットなどと呼ばれることがある)にも適用できるものである。
<パチンコ>
以下、上述した小役告知演出の演出態様をパチンコ遊技機の図柄消去演出に適用する一例について説明する。例えば、図21に示すように、表示装置(可変表示装置)10及びチャンスボタン20を備えたパチンコ遊技機100Aにより、図柄消去演出を行なってもよい。
詳しくは、パチンコ遊技機100Aは、液晶ディスプレイなどで構成され、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置10を備えており、始動入賞口(図示せず)に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置10は、図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようになっている。すなわち、遊技球が始動入賞口に入球すると、抽選を行い、この抽選結果が当りであるか否かを判定する。そして、この抽選で大当たりに当選すると、可変表示装置10により、特定の図柄による組合せ(大当たり図柄;例えば、777など)が表示され、大当たり状態に移行する。大当たり状態では、大入賞口(図示せず)が、例えば、所定の時間又は所定の回数、開放され続けるので、遊技球は入球しやすい状態となり、遊技者にとって有利な状態が実現されるようになっている。
ここで、図22を参照して、パチンコ遊技機100Aの制御部の回路構成について説明する。図22は、遊技の基本的制御を行う主制御部500を中心とした回路構成を示す図である。
主制御部500は、プログラムに従ってパチンコ遊技機を制御する基本回路510と、各種スイッチ502(例えば、図示しないゲートに入った入賞球を検出するゲートスイッチ、始動入賞口に入った入賞球を検出する始動口スイッチ、入賞球をカウントするカウントスイッチ、各入賞口に設けられ、入賞球を検出する入賞口スイッチおよびRAMに記憶されたデータをクリアするクリアスイッチなど)からの信号を基本回路510に与えるスイッチ回路503と、ソレノイド504(例えば、図示しない始動入賞口を開閉するソレノイド、大当たり状態において開状態とされる大入賞口を開閉するソレノイドなど)を基本回路510からの指令に従って駆動するソレノイド回路505とを備えている。
また、主制御部500は、基本回路510から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置10における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路507を備えている。
基本回路510は、詳しくは、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM511、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM512、プログラムに従って制御動作を行うCPU513、およびI/Oポート514とを含む。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御部550上の回路によって制御される駆動モータ552で駆動される。そして、駆動モータ552の駆動力は、操作ノブ(打球ハンドル)551の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御部550上の回路によって、打球ハンドル551の操作量に応じた速度で遊技球が発射されるように制御される。
なお、演出制御部530は、遊技盤に設けられている各種ランプ531(例えば、各種装飾ランプなど)の表示制御や、各種表示器532(例えば、図柄を可変表示する可変表示装置10など)の表示制御を行うとともに、スピーカ533を介した音出力制御を行うようになっている。
払出制御部520は、各種センサ(例えば、図示しない満タンスイッチ、検出する球切れスイッチ、単発発射スイッチおよび払出カウントスイッチなど)からの検出信号を入力する。払出制御部520は、球切れスイッチからの検出信号が球切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチからの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。入賞があると、主制御部500から、払出指令信号(払出制御コマンド)として、賞球の払出要求を行うためのREQ信号(賞球リクエスト信号)および払い出すべき賞球個数を示す払出個数信号が出力される。払出制御部520は、REQ信号および払出個数信号を入力すると、払出個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置521を駆動する制御を行う。
以上のような構成のパチンコ遊技機100Aにおける図柄消去演出とは、次のような演出である。まず、図柄が変動表示する前に、変動表示する複数の図柄を的として表示装置10の画面上に表示するとともに、画面上を移動する所定の図形をスコープとして表示する。次に、スコープが図柄上に重なっているときにチャンスボタン20を操作すると、表示された図柄を消去する、又は消去しない演出を行う。この結果、図柄消去演出では、図柄の消去状況により、上述した大当たりの状態を示唆できるようになっている(例えば、7だけが残れば大当たりなど)。
図柄消去演出の画像推移の一例を図23に示す。所定の条件が成立して図柄消去演出が開始されると、まず、その旨を示すとともにチャンスボタン20の操作を促す画像を表示する(図23(a)参照)。次いで、複数の図柄を画面上に表示するとともに、スコープSCを表示し、スコープSCを画面上で移動させる(図23(b)参照)。そして、スコープSCが所定の図柄に重なったときに、遊技者がチャンスボタン20を操作すると、スコープSCと重なった図柄が消去される(図23(b)参照)。数回のチャンスボタン20の操作により、最終的に残った図柄(例えば、7と6)を表示し(図23(c)参照)、残った図柄だけで上述した図柄の変動表示を行う(図23(d)参照)。
以上から、パチンコ遊技機100Aによれば、図柄消去演出の残った図柄から、遊技者に有利な状態が実現するか否かを推測することができるので、遊技者に面白みを感じさせる告知演出を提供することができる。