以下、本発明に係るパチンコ機の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、パチンコ機の一形態を示す正面図である。このパチンコ機1は、遊技領域の略中央部にいわゆるセンター役物として複数の図柄を変動表示あるいは停止表示させる可変表示装置2を備えた第1種のパチンコ機である。図示を省略する発射装置から遊技球が打ち出され、打ち出された遊技球が所定の入賞口へ入賞すると、その入賞に基づいて可変表示装置2に複数の図柄(数字や絵柄等)が所定時間変動表示される。所定時間経過後に抽選によって乱数の中から選択された図柄が停止表示され、その停止表示された図柄が予め定められた特定の組み合わせ図柄である場合、大入賞口3が所定時間連続して開放し遊技球の入賞し易い状態となって短時間で多くの賞球を得ることが可能となり、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)が発生する。
パチンコ機1は、外枠20を備え、外枠20の前面側には、外枠20に対して開閉可能に額縁状の内枠21が蝶着され、内枠21内、即ち、額縁の内側には、遊技盤が内枠21に対して着脱可能に取り付けられている。また、内枠21の前面側には、遊技盤の前面を覆うように、内枠21に対して開閉可能にガラス枠4が蝶着されている。ガラス枠4の中央部には、窓部が形成されており、その窓部を塞ぐように透明ガラスが装着されている。従って、ガラス枠4の奥側(ガラスの裏側)には、該ガラスを透して遊技者側から遊技盤が視認可能な状態であり、ガラス枠4の窓部の大きさに対応して、即ち、ガラスを透して遊技者が視認可能な遊技盤上の位置に遊技領域5が形成されている。また、ガラス枠4には、特定の遊技状態であること、例えば、大当り遊技状態であることを表示する複数の表示灯6、あるいは遊技のエラー状態である賞球払出しエラー等を表示する表示灯6'、及び、遊技状態に応じて所定の音楽あるいは音声を出力するスピーカ7、7'が設けられている。
遊技盤上には、発射装置から打出された遊技球を誘導する略円弧状の外レール8a及び内レール8bが設けられ、この二つのレール8aと8bによって囲まれた部分が遊技領域5を形成している。遊技球はこの遊技領域5を流下し、また遊技球が遊技領域5に設けられている入賞口に入賞する等の所定の条件を満たすと予め定められた賞球が払い出される。遊技領域5の略中央には可変表示装置2が設けられ、この可変表示装置2には、図柄の変動表示が行われる可変表示部9が設けられている。可変表示部9には、左表示部9a、中表示部9b、右表示部9cの3つの表示部が設けられ、それぞれの表示部には、複数の図柄が独立して変動表示、および停止表示される。
可変表示装置2の下側には始動入賞口10が設けられており、この始動入賞口10への遊技球の入賞に基づいて可変表示部9に図柄の変動表示動作が開始される。始動入賞口10の下側には、可変表示部9a〜9cに特定の図柄が停止表示したとき、例えば、「7」、「7」、「7」のように同じ図柄が3つ停止表示したとき(以下、大当たり状態ともいう)に所定時間継続して開放状態となる大入賞口3が設けられている。また、大入賞口3の内部にはV入賞ゾーンが設けられており、大入賞口3の開放中、いわゆるラウンド中に大入賞口3に入賞した遊技球がこのV入賞ゾーンを通過すると、そのラウンドが終了し閉状態となった大入賞口3が再度開放状態となる。このように大当たり状態の発生により、短時間で多くの賞球を得ることが可能となり、遊技者に有利な特別遊技状態が発生する。大入賞口3の左右両側には、一般入賞口11が設けられている。また、大入賞口3の下側には、遊技領域5を流下していずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球、いわゆる外れ球が排出されるアウト口12が設けられている。
遊技盤の前面を覆うガラス枠4の下方部には、球皿部13を備えた一体皿14が配設されている。この一体皿14の球皿部13には、図示を省略する遊技球の貯留タンクと連通し、貯留タンクの遊技球を球皿部13へ流出させる連通口15が形成されている。一体皿14は、図1において左辺部を支軸として内枠21に対して開閉可能な状態に取り付けられている。一体皿14の左側下部には灰皿16が設けられ、右側下部には遊技者の操作によって発射装置から発射される遊技球の発射強度、即ち、遊技球の飛距離を調整するための発射強度設定手段17が設けられている。発射強度設定手段17は、その操作部に設けられたスイッチ操作によって発射装置からの遊技球の発射状態を調整する設定手段であり、スイッチ操作に伴なってデジタルデータを出力している。そして、このデジタルデータによって遊技球の発射強度が決定され、遊技球は発射装置から発射されている。
図示は省略されているが、一体皿14の裏側には、電気的駆動源としてソレノイドを備えた、遊技球の発射装置が設けられている。遊技者による発射強度設定手段17の調整結果は、デジタルデータをD/A変換したDC電圧として出力され、この発射強度設定手段17から出力される電圧を基にしてソレノイドが励磁され、その励磁力によってソレノイドが遊技球を打ち出す。発射強度設定手段17から出力される電圧は、例えば、発射強度設定手段17の最小調整量から最大調整量に対応してDC電圧0V〜5Vまで変化する。この出力電圧に基づいて発射装置のソレノイドの励磁力が調整され、遊技球の発射強度(遊技球の到達距離)が調節できる。例えば、DC電圧が大きくなるに従ってソレノイドの励磁力が大きくなって遊技球をより遠くに到達させることができる。
尚、図1には第1種のパチンコ機の形態を示したが、この形態に限定されるものではなく、第2種あるいは第3種のパチンコ機の形態であってもよい。
ここで図2、図3に基づき発射強度設定手段17の構成について説明する。図2は、図1に示されている発射強度設定手段17を右側から見たときの斜視図である。発射強度設定手段17は、パチンコ機1に取り付けられている設定操作部30と、支軸31を介して回転可能に設定操作部30に取り付けられているアームレスト部32とから概略構成されている。通常時、即ち、非遊技時には、アームレスト部32は、支軸31内のバネにより起立した状態を保持している。
図3は、アームレスト部32を図3の状態から略90度回転させた状態を示す斜視図である。この形態では、発射装置から遊技球を発射させるために、アームレスト部32を回転させて図3に示すような状態にし、さらに設定操作部30に接触していること、例えば、設定操作部30上に遊技者が手を接触させていることが必要である。従って、図2に示されるようにアームレスト部32が起立した状態では遊技を開始すること、即ち発射装置から遊技球を発射させることはできない。遊技者は遊技球を発射させるに際して先ずアームレスト部32を回転させ、次に設定操作部30に手を置いて、設定操作部30に設けられているスイッチ33を操作し、遊技球を発射させると共に、遊技球の発射強度を調整する。設定操作部30にはタッチセンサが配設されており、このタッチセンサによって遊技者が設定操作部30に接触しているか否かを検出している。
また、遊技球を継続して発射させておくためにもアームレスト部32を回転させた状態にし、設定操作部30に接触している必要がある。アームレスト部32を回転させていない場合には、設定操作部30のスイッチ33を操作してもその操作は受け付けられず遊技球を発射させることはできない。また、アームレスト部32を回転させ設定操作部30に接触した状態で遊技球を発射させていても、設定操作部30から手を離した場合、即ち、設定操作部30に対して非接触状態になると、設定操作部30のスイッチ33の操作によって設定されていた遊技球の発射強度に関するデジタルデータは強制的にリセットされ、遊技球の発射強度はゼロになり、発射装置から遊技球は発射されなくなる。遊技球の発射に際しこのような条件付けをすることにより、アームレスト部32上に何か物を載せてアームレスト部32を回転させた状態に保持し、遊技者が席を離れて遊技を継続するという不正遊技を防止することができる。
図4(a)は、設定操作部30に設けられたスイッチ33の一形態を示している。
設定操作部30には、ワープスイッチ41が設けられている。ワープスイッチ41は、発射装置から発射される遊技球の発射強度を選択するための発射強度選択手段としてのスイッチである。この形態では、遊技者が遊技の際によく狙う遊技球の飛距離到達場所が予め設定されおり、ワープスイッチ41の押し操作により順次その設定された到達場所の1つが選択される。到達場所が選択されると、発射装置から発射された遊技球を選択された場所に到達させるために必要な、発射装置のソレノイドを励磁する電圧が発射強度設定手段17から出力され、その電圧によって発射装置のソレノイドが励磁されると共に、その励磁力による発射強度で遊技球が発射される。
遊技者がよく狙う到達場所としては、先ず、遊技終了時に一体皿14内に余った遊技球を一体皿14から抜くために狙う「ファール領域」がある。発射した遊技球を遊技領域5まで到達させずに、誘導レール内を逆戻りさせて一体皿14から遊技球を排出させるために狙う領域である。また、通常の遊技時に最もよく狙う場所の1つである、いわゆる「ぶっ込み領域」がある。図4(b)には遊技領域に植設された、いわゆる天釘とその近傍の釘の一形態を示すが、「ぶっ込み領域」とは、左側天釘とその左隣の釘との間で、矢印Lで示す領域のことをいう。また、通常の遊技時に最もよく狙う場所のもう1つである、「天釘中央」がある。「天釘中央」とは、図4(b)において、矢印Mで示す天釘のことをいう。また、第3種パチンコ機等のゲーム仕様として大当たり時に要求される、いわゆる「右打ち」がある。「右打ち」とは、遊技領域中の右側の領域を狙って遊技球を発射させることをいうが、ここでは狙う場所として図4(b)において、矢印Nで示す釘周辺の領域のことをいう。尚、遊技終了時もしくは電源投入直後で遊技者が全く操作を行なっていない状態では、発射装置から遊技球が打ち出されない「初期状態」になっている。
設定操作部30には、予め設定された到達場所(以下、プリセットポジションともいう)として、上記の場所が「レール内」42、「ぶっ込み」43、「天」44、「右打ち」45と表示されている。また、プリセットポジションとして表示されないが、発射装置から遊技球が打ち出されない「初期状態」がある。電源投入直後や遊技終了後の非遊技時には初期状態になっており、ワープスイッチ41を押し操作すると「初期状態」→「レール内」→「ぶっ込み」→「天」→「右打ち」→「天」→「ぶっ込み」→「レール内」→「ぶっ込み」の順で選択され、その後は「ぶっ込み」→「天」→「右打ち」→「天」→「ぶっ込み」→「レール内」→「ぶっ込み」とサイクリックに選択される。「初期状態」でアームレスト部32が回転され、遊技者が設定操作部30に手を置いてスイッチ33が受け付け状態になった後、ワープスイッチ41が押し操作されると、先ず最初にプリセットポジション「レール内」が選択され、遊技球を「レール内」に到達させるための予め設定されているデジタルデータが設定操作部30に設けられた制御回路内で読み出される。読み出されたデジタルデータはD/AコンバータによってDC電圧に変換され、この電圧により発射装置のソレノイドが励磁されると共に、その励磁力による発射強度で遊技球が発射される。読み出されるデジタルデータについては後述する。尚、この形態では、アームレスト部32が回転されてスイッチ33が受け付け状態になっても、ワープスイッチ41が押し操作されない限り発射装置から遊技球は発射されない。従って、ワープスイッチ41は、遊技球を発射開始させる遊技開始スイッチとしての機能も兼ね備えている。
スイッチ33が受け付け状態になった後、ワープスイッチ41が1度押し操作されると、上述のように遊技球はプリセットポジション「レール内」に到達する発射強度で発射されるが、さらにワープスイッチ41が押し操作されると、プリセットポジション「ぶっ込み」が選択され、遊技球を「ぶっ込み」領域に到達させるための予め設定されているデジタルデータが読み出され、上述の「レール内」の場合と同様に発射装置のソレノイドが励磁され遊技球が発射される。同様にして、さらにワープスイッチ41が押し操作されると、プリセットポジション「天」、プリセットポジション「右打ち」が順次選択され、遊技球をそれぞれの場所「天」、「右打ち」に到達させるための予め設定されているデジタルデータが読み出され、遊技球が発射される。
また、プリセットポジション「右打ち」が選択されている状態からさらにワープスイッチが押し操作されると、次は1つ戻ってプリセットポジション「天」が選択される。そして、さらにワープスイッチ41が押し操作されると、プリセットポジション「ぶっ込み」、プリセットポジション「レール内」が順次選択され、プリセットポジション「レール内」が選択されている状態からさらにワープスイッチが押し操作されると、次はプリセットポジション「ぶっ込み」が選択される。このようにワープスイッチ41を押し操作するだけで、ソレノイドを励磁し遊技球を発射させる電圧は、先に選択されていたプリセットポジションの電圧値から新たに選択されたプリセットポジションの電圧値に置き換えられ、その置き換えられた電圧によって遊技球は、予め定められた場所、即ち、新たに選択されたプリセットポジションに到達する発射強度で発射装置から発射される。従って、ハンドルの回転角度を遊技者が調整することによって目的の場所、例えば、上述の「ぶっ込み」、「天」、「右打ち」に遊技球を到達させる場合に比べて、遊技者の発射強度操作は遥かに容易なものとなり、遊技球を目的の場所に到達させるまでの無駄打ち球を減少させることができる。また、1つのワープスイッチ41の押し操作のみで複数のプリセットポジションを選択することができるので、設定操作部30に設けるスイッチの数を少なくすることができる。
また、ワープスイッチ41が押し操作されて次のプリセットポジションが選択された場合に、選択されてからそのプリセットポジションの発射強度で遊技球を発射するまでに所定の時間、例えば、2〜3秒の時間を持たせるようにしてもよい。これにより、あるプリセットポジションが選択されても、遊技球が発射されるまでの所定の時間の間にさらにワープスイッチ41を押し操作すれば、先に選択されたプリセットポジションの発射強度で遊技球を発射させることなく、新たに選択されたプリセットポジションの発射強度で遊技球を発射させることができるので、さらに無駄打ち球を防止することができる。
設定操作部30には、遊技球の飛距離の目安を表示するレベルメータ46が設けられている。レベルメータ46は、現在の遊技状態における遊技球の飛距離を、例えば、帯状に設けられた表示ランプによって遊技者に報知するためのものである。最小飛距離の遊技状態をレベルメータ46の左端の表示ランプの点灯によって報知し、遊技球の飛距離が大きくなるに従って点灯される表示ランプの数が増えて、点灯表示ランプの帯は右方向へ長くなって報知する。そして最大飛距離の遊技状態をレベルメータ46の左端から右端までの全ての表示ランプの点灯によって報知する。ここで、最小飛距離とは、発射された遊技球の飛距離が略ゼロのことをいい、最大飛距離とは、図1において遊技領域5の右上部分に設けられた返しゴム29の位置まで発射された遊技球が到達する飛距離のことをいう。図4(a)に示すレベルメータ46は、左端から矢印Eで示す位置までの表示ランプが点灯しており、ワープスイッチ41によってプリセットポジション「ぶっ込み」が選択され、発射装置から発射される遊技球がぶっ込み領域まで到達することを表わしている。ワープスイッチ41によってその他のプリセットポジション「レール内」、「天」、「右打ち」が選択されると、それぞれの飛距離を報知する予め定められた位置までの表示ランプが点灯する。また、このレベルメータ46による発射強度表示は、発射一時停止状態に設定されると、その設定されている期間中は、点滅制御に変化され、現在設定されている遊技球の飛距離が点滅表示によって遊技者に報知される。
設定操作部30には、発射装置から発射される遊技球の飛距離を調整するための発射強度調整手段としての飛距離調整スイッチ47、48が設けられている。飛距離調整スイッチは、飛距離の増加調整を行なうUP(アップ)調整スイッチ47と、飛距離の減少調整を行なうDOWN(ダウン)調整スイッチ48から構成されている。上述したようにワープスイッチ41によっていずれかのプリセットポジションが選択されると、その選択されたプリセットポジションの発射強度を調整開始点として遊技球の飛距離調整が行なわれる。例えば、ワープスイッチ41によってプリセットポジション「ぶっ込み」が選択されると、「ぶっ込み」領域に遊技球を発射させる発射強度を調整開始点として遊技球の飛距離調整、つまり発射装置のソレノイドを励磁するDC電圧の調整が行なわれる。飛距離調整スイッチ47、48による遊技球の飛距離調整範囲は、プリセットポジション「ぶっ込み」が選択された場合、その発射強度を調整開始点としてUP調整スイッチ47の操作により、発射された遊技球が最大飛距離に達するまで調整できる。また、DOWN調整スイッチ48の操作により、発射された遊技球が最小飛距離(略「00」)になるまで調整できる。
この発射強度の調整開始点および遊技球の飛距離調整範囲は、ワープスイッチ41によって他のプリセットポジション「レール内」、「天」、「右打ち」が選択された場合にも同様であり、選択されたそれぞれの「レール内」、「天」、「右打ち」に遊技球を発射させる発射強度を調整開始点として遊技球の飛距離調整、つまり発射装置のソレノイドを励磁するDC電圧が調整され、また、その発射強度を調整開始点としてUP調整スイッチ47の操作により、発射された遊技球が最大飛距離に達するまで、DOWN調整スイッチ48の操作により、発射された遊技球が最小飛距離になるまで調整できる。即ち、ワープスイッチ41によっていずれのプリセットポジションが選択された場合にも、UP調整スイッチ47とDOWN調整スイッチ48の操作により、選択された発射強度を調整開始点として最小飛距離から最大飛距離までの調整、つまり、遊技領域全範囲に遊技球を到達させる調整ができる。
UP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48の操作による発射強度の変化に対応して、レベルメータ46の遊技球の飛距離を表示する表示ランプの点灯位置も変化する。例えば、ワープスイッチ41によってプリセットポジション「ぶっ込み」が選択されると、図4(a)に示すように左端から矢印Eで示す位置までの表示ランプが点灯し、UP調整スイッチ47の操作に伴なって表示ランプの点灯位置が右方向へ延びて行き、最大飛距離の発射強度まで調整されると左端から右端までの全ての表示ランプが点灯した状態となる。また、DOWN調整スイッチ48の操作に伴なって表示ランプの点灯位置が左方向へ移動して行き、最小飛距離の発射強度まで調整されると左端の表示ランプのみが点灯した状態となりその旨を報知する。
尚、上記のようにUP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48の操作による発射強度の変化に対応し、レベルメータ46の遊技球の飛距離を表示する表示ランプの点灯位置が変化しても、現在、ワープスイッチ41により選択されているプリセットポジションを容易に認識できるように、プリセットポジションとして設定操作部30に表示されている「レール内」42、「ぶっ込み」43、「天」44、「右打ち」45部分に表示ランプを設け、選択されているプリセットポジションの表示ランプを点灯させるようにしてもよい。
上述したように、ソレノイドを励磁して遊技球を発射させるための電圧は、ワープスイッチ41を押し操作することにより、先に選択されていたプリセットポジションの電圧値から新たに選択されたプリセットポジションの電圧値に置き換えられ、遊技球はその置き換えられた電圧によって発射装置から発射される。このワープスイッチ41の押し操作に対するプリセットポジションの電圧値の置き換えは、UP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48の操作によって遊技球の発射強度、即ち、ソレノイドを励磁する電圧値が変化された場合にも同様に行なわれる。
例えば、ワープスイッチ41によってプリセットポジション「ぶっ込み」が選択されると、遊技球は、「ぶっ込み」領域に発射させる発射強度、つまり「ぶっ込み」領域に到達するソレノイド励磁電圧によって発射される。この状態からUP調整スイッチ47またはDOWN調整スイッチ48が操作されると、ソレノイドを励磁する電圧が変化し遊技球の発射強度は変化する。そして、このUP調整スイッチ47あるいはDOWN調整スイッチ48によって遊技球の発射強度が変化した状態においてワープスイッチ41が押し操作されると、上述したプリセットポジションの順である「レール内」→「ぶっ込み」→「天」→「右打ち」→「天」→「ぶっ込み」→「レール内」に従って、現在ワープスイッチによって選択されているプリセットポジション「ぶっ込み」の次のプリセットポジションである「天」が選択され、遊技球は、「天」に発射させる発射強度、つまり「天」に到達するソレノイド励磁電圧によって発射される。
ワープスイッチ41が押し操作されることによって、UP調整スイッチ47またはDOWN調整スイッチ48により調整されていた発射強度、即ち、ソレノイドを励磁する電圧値が、それまでワープスイッチ41によって選択されていたプリセットポジションの次のプリセットポジションのソレノイドを励磁する電圧値に変換されて、遊技球の発射が継続される。尚、ワープスイッチ41が選択されたとき等に行なわれるソレノイド励磁電圧値の変換については、UP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48の操作によってデジタルデータを増加あるいは減少させ、そのデジタルデータをD/Aコンバータでアナログ電圧に変換して調整しているが、この調整内容については後述する。
設定操作部30には、遊技を停止させるため、及び遊技の停止を解除するための発射停止スイッチ(STOPスイッチ)49が設けられている。発射停止スイッチ49を操作することにより、発射装置の発射駆動を停止あるいは開始させ、遊技球の発射を停止あるいは開始させることができる。発射停止スイッチ49の操作は、設定操作部30のスイッチ33の操作の有無に拘わらず受け付けられるように設定されている。即ち、設定操作部30のスイッチ33の操作が行なわれ、遊技球が所定の発射強度で発射されている状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動は停止され、その停止した状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射停止状態は解除され発射装置の発射駆動が開始される。
また、設定操作部30のスイッチ33が操作受け付け可能状態となっているにも拘わらず遊技球の発射強度が未だ調整されず遊技球が発射されていない状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動は停止され、その停止した状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射停止状態は解除され発射装置の発射駆動が開始される。さらに、設定操作部30のスイッチ33の操作が行なわれた後に、設定操作部30に対して遊技者の手が非接触状態となり、設定されてあった発射強度デジタルデータが強制的にリセットされ発射強度がゼロになった状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動は停止され、その停止した状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射停止状態は解除され発射装置の発射駆動が開始される。しかし実際は、発射強度がゼロの状態にあるときは、発射駆動を行なっても発射装置から遊技球が発射されることはないが、発射停止スイッチ49が操作されると発射装置の発射駆動の停止と開始状態は切り替わっている。
設定操作部30のスイッチ33のうち、発射停止スイッチ49を除いたワープスイッチ41、飛距離調整UPスイッチ47、飛距離調整DOWNスイッチ48のキートップ部分も人体の接触が検出できる構造になっている。スイッチの構造は、スイッチを2重構造のメンブレンスイッチとし、キートップ部分に軽く触れる(フェザータッチ)と人体接触を検出し、さらに強く押し込むとスイッチ機能(ワープスイッチ41ではプリセットポジションの選択、飛距離調整UPスイッチ47では発射強度の増加調整、飛距離調整DOWNスイッチ48では発射強度の減少調整)を作動させるための操作であることを検出する。もしくは、キートップを導電体(金属、導電プラスチック等)で構成し静電式タッチスイッチの検出プレートとすることで、キートップに触れると人体接触の検出が行なわれ、スイッチを押し込むと上記と同様にスイッチ機能を作動させるための操作であることを検出することができる。このようにすることで、遊技者が操作を行っているときは確実に人体の接触を検出することができるようにし、例えば、設定操作部30のスイッチ周辺部分に触れないで、スイッチ部分に直接触れるような行為を行なった場合でも、人体接触を検出することができる。以降、「遊技者が設定操作部30に接触する」とは、「遊技者が設定操作部30内のスイッチ周辺部と発射停止スイッチ49を除いたスイッチに接触する」ことをいう。
発射装置の発射駆動の停止状態は、前記のように発射停止スイッチ49を操作することによって解除することができる他、発射装置の発射駆動が停止状態となった後に、遊技者が設定操作部30から手を離して非接触状態になった場合、再度、遊技者が設定操作部30に接触することによっても停止状態を解除することができる。即ち、発射停止スイッチ49を操作して発射装置の発射駆動が停止状態になった後に、例えば、遊技者が小休止をするために遊技していたパチンコ機の席を離れ、設定操作部30に対して非接触状態になっても、その後、席に戻って再び遊技を開始するために設定操作部30に接触することで発射装置の発射駆動の停止状態を解除することができる。
発射停止スイッチ49は、通常はスイッチの接点が開いていて(OFF状態で)、押し操作している期間はスイッチが閉じる(ON状態になる)、いわゆるモーメンタリースイッチ構造を有しているものを使用する。また、その他、人体の接触を検出するタッチスイッチを使用することもできる。尚、スナップスイッチ、ロッカースイッチ等のように、接点状態が操作状態によってON/OFFのいずれか一方の状態に固定され、且つ、その状態が操作者に目視確認できる構造のものは発射停止スイッチとしては不適当である。本実施の形態では、遊技者が発射停止スイッチを用いて発射一時停止状態に設定した後、遊技者が一旦、発射強度操作部から非接触状態になり、その後、再度発射強度操作部に対して接触状態になると、一時停止状態以前の発射強度を再取得して遊技球の発射を再現(発射一時停止状態の解除)できる制御、もしくは、遊技者が一旦、発射強度操作部から非接触状態になり、発射一時停止状態に設定したまま遊技を終了すると、予め定められた時間の経過に伴なって発射一時停止状態が強制的に初期化される(電源投入後の何も操作されていない状態になる)制御が行なわれている(詳しくは後述する)。
このため、スナップスイッチ等のようにスイッチのON/OFF状態が機械的に固定されるスイッチを使用した場合、発射停止スイッチによって発射一時停止状態に設定されると、上述のように、遊技者が再度発射強度操作部に接触して発射一時停止状態が解除される制御が行なわれても、もしくは、予め定められた時間が経過して発射一時停止状態が強制的に初期化される制御が行なわれても、発射停止スイッチの状態は機械的に固定されているため、再度、発射一時停止状態に戻ってしまうという不都合な制御状態が生じてしまう。また、制御上このような不都合を回避できたとしても、スナップスイッチ等のようにスイッチのON/OFF状態が目視上も認識できるスイッチを使用した場合、発射停止スイッチによって発射一時停止状態に設定された後、上述のように、遊技者が再度発射強度操作部に接触して発射一時停止状態が解除される制御が行なわれても、もしくは、予め定められた時間が経過して発射一時停止状態が強制的に初期化される制御が行なわれても、目視上は発射停止スイッチの状態は発射一時停止側に設定されたままであるため、遊技者の発射停止スイッチの操作に混乱を生じさせてしまう。
設定操作部30のスイッチ33が操作され、遊技球が所定の発射強度で発射されている状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動が停止されると共に、発射停止スイッチ49が操作された時点の発射装置から発射されていた遊技球の発射強度が一時的に保持される。発射強度は、設定操作部30内部の制御回路のプリセット付きUP/DOWNカウンター95にデジタルデータとして書き込まれ保持される。この発射強度のデジタルデータは、遊技者が発射停止スイッチ49を操作した後に設定操作部30に対して接触したままの状態であっても、あるいは非接触状態となっても継続して保持される。そして、設定操作部30に対して接触したままの状態のときは、次に発射停止スイッチ49が操作されて新しい発射強度のデジタルデータに更新されるまでプリセット付きUP/DOWNカウンター95に保持され、非接触状態になったときは、予め定められている所定の時間だけ保持される。
前記発射停止スイッチ49が操作され発射装置の発射駆動が停止された後に遊技者が設定操作部30に対して接触したままの状態で、再度、発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動の停止が解除され(発射駆動が開始され)ると共に、プリセット付きUP/DOWNカウンター95に保持されていた発射強度のデジタルデータが読み出され、その発射強度で遊技球が発射装置から発射される。即ち、遊技者は、発射停止スイッチ49の操作によって一旦、遊技球の発射を停止させたとしても、設定操作部30に接触したまま再度、発射停止スイッチ49を操作することにより、発射を停止させた時点の遊技球の発射強度で遊技を再開することができる。
また、前記発射停止スイッチ49が操作され発射装置の発射駆動が停止された後に、遊技者が設定操作部30に対して非接触状態となり、その後、再度、遊技者が設定操作部30に接触した場合にも、発射装置の発射駆動の停止が解除され(発射駆動が開始され)ると共に、プリセット付きUP/DOWNカウンター95に保持されていた発射強度のデジタルデータによって遊技球が発射装置から発射される。即ち、遊技者は、発射停止スイッチ49の操作によって一旦、遊技球の発射を停止させ、その後さらに設定操作部30から手を離して非接触状態になっても、再度、設定操作部30に接触することにより、発射を停止させた時点の遊技球の発射強度で遊技を再開することができる。
但し、遊技を一時停止状態に設定した後、設定操作部30に対して非接触状態で居られる時間は予め設定されており、その設定された時間を経過した場合には、プリセット付きUP/DOWNカウンター95に保持されていた発射強度のデジタルデータは強制的にリセットされ、再度、遊技者が設定操作部30に接触したとしても、発射駆動の停止は解除されるものの、発射を停止させた時点の遊技球の発射強度で遊技を再開することはできない。設定された時間の測定は、タイマーカウンタのカウントにより行なわれ、発射停止スイッチ49の操作で発射装置の発射駆動が停止された後に、遊技者が設定操作部30に対して非接触状態となった時点からカウント開始される。
このように遊技者の意思によって発射停止スイッチ49を操作することにより容易に遊技球の発射を停止させ遊技を一時停止させることができると共に、遊技を停止させた時点の遊技球の発射強度で遊技を再開させることができる。従って、遊技中に図柄始動記憶メモリの記憶状態が最大数に達し、図柄変動のメモリ消化を図る場合、あるいは、画像演出が工夫されている図柄変動を遊技者がじっくり鑑賞しようとする場合等にも容易に対応することができる。また、電話、トイレ、コーヒー等の小休止のためにパチンコ機から離れる場合にも、発射停止スイッチ49の操作により容易に遊技を一時停止させることができ、その後パチンコ機に戻って設定操作部30に接触するだけで発射停止スイッチ49を操作する直前の発射強度で遊技球を発射させることができるので、再度の発射強度の調整をすることがなく、発射強度調整時の無駄球を無くすことができる。
図1に戻って、ガラス枠4の右上部には、発射停止スイッチ49の操作状態を報知する表示灯からなる報知手段22が設けられている。発射停止スイッチ49が操作され発射装置の発射駆動が停止されて遊技球の発射が停止状態となっている発射一時停止期間中は、LED等からなる表示灯22が点灯または点滅されて、他の遊技者やパチンコホールの従業員にその旨が報知される。また、発射一時停止状態であることを遊技者に対してより確実に報知するために、前記表示灯22による報知とは別に、設定操作部30に設けられているレベルメータ46の表示ランプが点滅表示されて報知される。遊技者は、遊技球を発射させている遊技中に、そのときの遊技球の発射強度を保持しながら一時的に遊技球の発射を停止させたい場合には、設定操作部30に接触したままの状態で発射停止スイッチ49を操作することにより、遊技者の意思で発射装置の発射駆動を停止させ遊技球の発射を停止させることができ、その操作状態は表示灯22の点灯または点滅により外部に報知される。また、前記表示灯22による報知とは別に、設定操作部30に設けられているレベルメータ46の表示ランプの点灯表示(設定されている発射強度のレベルを示すために点灯されている表示ランプの点灯表示)が点滅表示に変化され、遊技者に対して確実に報知される。この発射駆動が停止された状態は、遊技者の意思により再度、発射停止スイッチ49を操作することによって解除することができる。発射駆動の停止解除に伴なって表示灯22の点灯または点滅表示は停止され、消灯表示される。
また、その後もそのパチンコ機で遊技を継続する意思はあるが、一旦、遊技を中止してパチンコ機から離れたい場合(トイレ休憩、電話等の用事がある場合)には、遊技者の意思で発射停止スイッチ49を操作することにより発射装置の発射駆動を停止させると共に、表示灯22を点灯または点滅させて休息期間であることを外部に報知することができる。この発射駆動が停止した状態は、遊技者の意思によって再度、発射停止スイッチ49を操作することにより、あるいはパチンコ機を離れることによって設定操作部30から非接触状態になった後に、再度、設定操作部30に手を載せる等して接触することにより解除することができる。発射駆動の停止解除に伴なって表示灯22の点灯または点滅表示は停止され、消灯表示される。
また、発射停止スイッチ49の操作に対応した発射停止スイッチ49の操作状態を報知する信号、即ち、遊技球の発射状況を報知する信号がパチンコ機から出力されている。この出力信号はホール管理コンピュータに入力されており、ホール側はこの信号をモニタすることにより各パチンコ機の遊技球の発射状況をリアルタイムに把握することができ、遊技者の単発打ち、変則打ち等の遊技を識別して不正遊技を防止することができる。
図5は、設定操作部30の他の一形態を示すものである。この形態は、図4に示す形態のUP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48に対応するものとして、ロータリーエンコーダ61を設けている。ロータリーエンコーダ61を左右に回転させることにより、または上下に回転させることにより、遊技球の発射強度、即ち、ソレノイドを励磁する電圧値を変化させることができ、遊技領域全範囲に遊技球を到達させる調整を行なうことができる。その他の機能については、図4に示すUP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48と同様である。
図6、図7、および図8は、図1に示すパチンコ機1の制御手段による遊技球発射駆動の制御ブロック図である。以下、この制御手段による制御内容をブロック図に基づいて説明する。
パチンコ機1は、図2から図5に基づいて上述したように、発射強度設定手段17の設定操作部30を操作することにより遊技球の発射強度をデジタルデータによって設定するようにしたものである。
図6(a)に示される、モーメンタリー構造を有した発射停止スイッチ49が操作されると、その操作が検出される。この検出信号により発射装置の発射駆動の停止および停止解除(発射駆動の開始)が制御されている。発射停止スイッチ49の操作に伴なって発生した信号は、積分回路から構成されるノイズ、チャタリング除去回路70に入力されノイズ及びチャタリングが除去される。また、信号は波形整形されると共に、この形態では後段の回路動作の都合上、論理反転されてノイズ、チャタリング除去回路70から出力される。
尚、モーメンタリー構造を有する発射停止スイッチ49(図6の破線で囲まれたX部分)に替えて、タッチスイッチからなる発射停止スイッチ49を使用してもよい。この場合、破線で囲まれるX部分には、図6(b)に示される構成が設けられる。発射停止スイッチ(タッチスイッチ)49が操作されると、その操作がタッチ検出IC69によって検出される。検出に伴ないタッチ検出IC69から検出信号が出力され、この信号により発射装置の発射駆動の停止および停止解除(発射駆動の開始)が制御されている。発射停止スイッチ49の操作に伴なって発生した信号は、上記モーメンタリー構造を有する発射停止スイッチ49の場合と同様に、積分回路から構成されるノイズ、チャタリング除去回路70に入力される。
ノイズ、チャタリング除去回路70から出力された信号は、トグルタイプのフリップフロップ71に入力される。トグルタイプのフリップフロップ71は、状態の変化、この形態では入力信号のロー(Low)状態からハイ(High)状態への立ち上がりを同期として、その出力(QおよびQの反転出力Q')の状態が切り替わるように構成されており、切り替わった出力の状態は次の入力信号の切り替わり(立ち上がり)まで維持される。即ち、遊技者により発射停止スイッチ49が操作されると、フリップフロップ71の出力はロー状態からハイ状態またはハイ状態からロー状態に切り替わり、その切り替わった出力状態は次に発射停止スイッチ49が操作されるまで原則として維持される。そして、このフリップフロップ71の出力信号を使用することにより、一度の発射停止スイッチ49の操作により発射装置の発射駆動の停止と開始とが交互に切り替えられ、遊技者が発射停止スイッチ49の操作の後に発射停止スイッチ49から手を離しても、切り替えられた発射駆動の停止状態または開始状態は、遊技者が次に発射停止スイッチ49を操作するまで、原則として電子的に保持(ラッチ)される。
ところで、フリップフロップ71にはパチンコ機1の電源投入時に電源回路からリセット信号(パワーオンリセット信号)72が入力される。パワーオンリセット信号72が入力されるとフリップフロップ71の出力は、出力Qがロー状態、出力Q'がハイ状態の初期状態にセットされる。また、フリップフロップ71には、遊技者が設定操作部30に対して非接触状態(設定操作部から手を離した状態)から設定操作部30に接触した状態(設定操作部に手を触れた状態)に変化したときにも、タッチオン開始検出信号としてリセット信号73が入力されている。
リセット信号73は、設定操作部30に内蔵されたタッチセンサ74によって設定操作部30に対する遊技者の接触が検出されると発生される。遊技者が設定操作部30に接触しその接触がタッチセンサ74によって検出されると、その検出信号は積分回路から構成されるノイズ、チャタリング除去回路75に入力され、ノイズ及びチャタリングが除去される。また、検出信号は波形整形されると共に、この形態では後段の回路動作の都合上、論理反転されてノイズ、チャタリング除去回路75から出力されている。ノイズ、チャタリング除去回路75から出力される信号の切り替わりエッジを同期として、即ち、設定操作部30へのタッチオン開始を同期としてワンショットパルスが生成され、このパルス信号がリセット信号73としてフリップフロップ71に入力される。
パワーオンリセット信号72とリセット信号73は、オア(OR)回路76に入力され、そのオア回路76の出力がフリップフロップ71のリセット端子に入力されている。従って、フリップフロップ71は、いずれかのリセット信号72または73が発生されたときに初期状態にセットされる。つまり、フリップフロップ71はパチンコ機1の電源が立ち上がる度に、あるいは設定操作部30が遊技者によって新たにタッチされる度に毎回、初期状態にセットされる。
発射停止スイッチ49の操作は常時受け付けられるように設定されている。即ち、遊技者が設定操作部30にタッチしているか否かに拘わらず受け付けられるように設定されている。そして、フリップフロップ71にはこの発射停止スイッチ49の操作に伴なって発生する信号が入力されているため、フリップフロップ71の出力も遊技者が設定操作部30にタッチしているか否かの状態に拘わらず切り替わることになる。
フリップフロップ71の出力Qと点滅変調用クロック77は、アンド(AND)回路78に入力され、アンド回路78の出力はドライバー79を介して発射停止スイッチ49の操作状態を報知する表示灯22に接続されている。点滅変調用クロック77は、表示灯22の点滅周期を決定するクロックであり、例えば、500msec毎に切り替わるロー(Low)信号とハイ(High)信号から形成されている。従って、発射停止スイッチ49が操作されて発射装置の発射駆動が停止されフリップフロップ71の出力Qがハイ状態になっている期間中、即ち、発射装置からの遊技球の発射が一時停止されている期間中は、点滅変調用クロック77の周期によって表示灯22が点滅表示され、その旨が報知される。
発射装置の発射駆動の停止解除、即ち、遊技球の発射一時停止の解除は、再度、発射停止スイッチ49を操作することにより行うことができる他、遊技者が再度、設定操作部30にタッチすることによっても行うことができる。それまで設定操作部30に遊技者が接触していなかった状態において、設定操作部30への遊技者の接触がタッチセンサ74によって検出されると、リセット信号73がフリップフロップ71に入力されフリップフロップ71は初期状態にセットされる。フリップフロップ71が初期状態にセットされると、フリップフロップ71の出力Qと出力Q'の状態は、発射停止スイッチ49の操作により発射停止が解除されたときの出力Qと出力Q'の状態と同じになる。即ち、遊技者が設定操作部30にタッチすることによりフリップフロップ71をリセットすることができ、パチンコ機が発射一時停止状態になっている場合にはその発射一時停止を解除することができる。
上述したように発射停止スイッチ49は遊技者が設定操作部30にタッチしているか否かに拘わらず受け付けられるよう設定されているので、例えば、遊技者が設定操作部30にタッチしているときに発射停止スイッチ49の操作によって発射一時停止状態がセットされた場合には、一旦、遊技者が設定操作部30から手を離した後に、再度、設定操作部30にタッチすることにより発射一時停止を解除することができ、また、遊技者が設定操作部30にタッチしていないときに発射停止スイッチ49の操作によって発射一時停止状態がセットされた場合には、単に遊技者が設定操作部30にタッチすることにより発射一時停止を解除することができる。
フリップフロップ71の出力Q'と、ノイズ、チャタリング除去回路75の出力信号は、アンド回路80に入力されている。フリップフロップ71の出力Q'は、発射停止スイッチ49の操作状態が発射停止解除状態に切り替わったとき、あるいは電源が投入されてパワーオンリセット信号72が入力されたとき、あるいは設定操作部30に遊技者がタッチしてリセット信号73が入力されたときにハイ状態となる。また、チャタリング除去回路75の出力信号は、遊技者が設定操作部30にタッチしたときにハイ状態になる。そして、アンド回路80の出力は、フリップフロップ71の出力Q'とノイズ、チャタリング除去回路75の出力がハイ状態になったときにハイ状態になる。アンド回路80の出力端子は、発射装置を制御する発射制御回路81に接続されると共に、ドライバー82と、リレーあるいはフォトカプラ83と、外部情報端子板84を介してホール管理コンピュータ85に接続されている。
アンド回路80から出力される信号は、発射許可信号86として発射制御回路81に入力されている。発射許可信号86は、ハイ状態のときに遊技球の発射許可を意味し、ロー状態のときに遊技球の発射禁止を意味する信号である。ハイ状態の発射許可信号86が入力されると発射制御回路81は発射装置の発射駆動を開始する制御を行い、ロー状態の発射許可信号86が入力されると発射制御回路81は発射装置の発射駆動を停止する制御を行う。発射制御回路81には、後述するD/Aコンバータ96から出力された電圧が入力されており、この電圧に基づいて発射装置のソレノイドの励磁力が制御され、その励磁力による発射強度で遊技球が発射される。
また、アンド回路80から出力される信号は、パチンコ機が稼動中であるか否かを表わす発射状態信号87としてホール管理コンピュータ85に送信されている。発射状態信号87は、ハイ状態のときにパチンコ機が稼動状態であることを意味し、ロー状態のときにパチンコ機が稼動停止状態であることを意味する信号である。
タッチセンサ74のタッチ検出信号は、ノイズ、チャタリング除去回路75を経由して、アンド回路80に入力される他、インバータ回路90に入力されている。インバータ回路90によりその信号の論理は反転される。インバータ回路90の出力信号は、遊技者が設定操作部30から手を離すことによって、即ち、設定操作部30に対して非接触状態になることによってロー状態からハイ状態に切り替わる。インバータ回路90の出力信号は後述する図7のアンド回路110に入力されている。
図7(a)は、発射装置から発射される遊技球の発射強度をデジタルデータの変化によって処理するデジタル式強度設定ブロックである。デジタル式強度設定ブロックは、強度設定スイッチ47、48の操作によって調整される遊技球の発射強度データを処理するための処理ブロック(強度設定スイッチ処理ブロック)91と、発射停止スイッチ49を操作した後に遊技者が設定操作部30に対して非接触状態となる遊技の一時停止時間を測定するための処理ブロック(タイマーブロック)100から構成されている。
強度設定スイッチであるUP/DOWNスイッチ47、48が押し操作されると、遊技球の発射強度を調整するためのクロックパルスであるUPスイッチパルスとDOWNスイッチパルスがそれぞれ発生する。このクロックパルスは、ノイズ、チャタリング除去回路92において、ノイズ及びチャタリングの除去処理がされた後に、クロック制御部93に入力される。クロック制御部93にはカウンタ用のクロック94が入力されており、ノイズ、チャタリング除去回路92から入力されたクロックパルスがUPスイッチ47の操作によるものである場合には、カウンタUP用のクロック94がプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のUP端子に入力され、ノイズ、チャタリング除去回路92から入力されたクロックパルスがDOWNスイッチ48の操作によるものである場合には、カウンタDOWN用のクロック94がプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のDOWN端子に入力される。
このプリセット付きUP/DOWNカウンタ95に入力されたクロック94によって、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値は増加あるいは減少するが、そのカウンタ値の増減の開始点はその時に設定されているプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値となる。即ち、図4に示すワープスイッチ41によっていずれかのプリセットポジションが選択された後のUP/DOWNスイッチ47、48の調整では、選択されたプリセットポジションに対応するプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値が増減の開始点となる。また、ワープスイッチ41によってプリセットポジションが選択された後にUP/DOWNスイッチ47、48によって既にカウンタ値が調整されている場合には、その調整された後のプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値が増減の開始点となる。
例えば、8ビットのD/Aコンバータを用いる場合、UP/DOWNスイッチ47、48の調整によってプリセット付き8ビットUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値は、上記のカウンタ値を開始点としてカウンタ出力値の最小値「0」〜最大値「255」まで変化する。即ち、例えば、ワープスイッチ41によってプリセットポジション「レール内」が選択された場合には、「レール内」に対応するプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値「60」を増減の開始点として、最小値「0」〜最大値「255」まで変化し、同様に「ぶっ込み」が選択された場合にはカウンタ値「120」を開始点、「天」が選択された場合にはカウンタ値「127」を開始点、「右打ち」が選択された場合にはカウンタ値「250」を開始点として最小値「0」〜最大値「255」まで変化する。
8ビットのプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値は、UP/DOWNスイッチ47、48の操作により最小値「0」〜最大値「255」まで変化するが、最小値「0」まで達したときはさらにDOWNスイッチ48が操作されても、また最大値「255」まで達したときはさらにUPスイッチ47が操作されても変化せずに最小値「0」および最大値「255」を維持する。即ち、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値が最小値「0」または最大値「255」まで達すると、そのことが最大・最小値検出部97により検出され、クロック制御93に伝達される。カウンタ値の最小値「0」に達したことが最大・最小値検出部97によって検出されると、クロック制御部93は、プリセット付きUP/DOWNカウンター95のDOWN端子に入力されるカウンタDOWNクロックの伝達を停止し、UP端子に入力されるカウンタUPクロックのみを伝達する。
カウンタ値の最大値「255」に達したことが最大・最小値検出部97によって検出されると、クロック制御部93は、プリセット付きUP/DOWNカウンター95のUP端子に入力されるカウンタUPクロックの伝達を停止し、DOWN端子に入力されるカウンタDOWNクロックのみを伝達する。このような処理により、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のキャリー/ボロー処理が禁止される。UP時は「0」→「1」→「2」…→…「253」→「254」→「255」、「255」(その後UPクロックを加えても「255」で飽和し続ける)、DOWN時は「255」→「254」→「253」…→…「2」→「1」→「0」、「0」(その後DOWNクロックを加えても「0」で飽和し続ける)のように処理される。カウンタDOWNクロックの停止、およびカウンタUPクロックの停止により、UP/DOWNカウンタ95のカウンタの最小値「0」および最大値「255」は維持される。
プリセット付きUP/DOWNカウンタ95から出力されたカウント値は、D/Aコンバータ96に入力される。D/Aコンバータ96には最大基準電圧と最小基準電圧が与えられており、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウント値をN、最大基準電圧をVmax、最小基準電圧をVminとすると、D/Aコンバータ96から出力される電圧Voutは、次式によって求められる。
Vout=Vmin+(Vmax−Vmin)*N/256
D/Aコンバータ96から出力された電圧は、図6に示す発射制御回路81に入力される。そして、この電圧に基づいて発射装置のソレノイドの励磁力が制御され、その励磁力による発射強度で遊技球が発射される。
図6の説明で上述したように、インバータ回路90の出力信号はアンド回路110に入力されている。また、アンド回路110には図6に示すフリップフロップ71の出力Q'が入力されている。従って、アンド回路110の出力は、インバータ回路90の出力信号がハイ状態になり、さらにフリップフロップ71の出力Q'がハイ状態になったとき、即ち、遊技者が設定操作部30に対して非接触状態になり、さらに発射停止スイッチ49の操作により発射装置の発射駆動の停止が解除されている状態になったときにハイ状態になる。さらに具体的には、遊技者が遊技を行っている途中で発射停止スイッチ49を操作せずに(一時停止状態にしないで)設定操作部30から手を離してしまったとき、アンド回路110の出力はハイ状態になる。アンド回路110の出力の立ち上がり時を同期として、即ち、設定操作部30からのタッチオフの開始を同期として、ワンショットパルス111が生成され、このパルス信号がリセット信号(RST2)としてオア回路112に入力される。
タイマーブロック100は、発射停止スイッチ49を操作した後に遊技者が設定操作部30に対して非接触状態となる遊技の一時停止時間を測定するための処理ブロック、即ち、遊技者の休息時間の制限を行なうブロックである。タイマーブロック100は、時間の測定の基準となるクロック101と、クロック101をカウントするカウンタ102と、カウンタ102によってカウントされた値が予め設定されている時間に対応したカウント値か否かデコードするデコーダ103と、予め設定されている時間、即ち、許容される休息時間を選択するためのセレクタ104と、デコーダ103によってカウンタ102のカウント値が設定された時間に達したときにパルス(TU:タイムアップパルス)を生成するワンショットパルス出力回路105から構成されている。セレクタ104には外部に設けられた、例えば、遊技者の操作できないパチンコ機の裏面側に設けられた選択スイッチが接続(図において*1と表示)されており、この選択スイッチの設定により休息時間として遊技を一時停止することができる時間を予めパチンコホール側で決定できるようになっている。時間は2ビットの入力スイッチで設定することができ、例えば、15分、30分、45分、60分の4通りを選択できるようになっている。
図6に示すフリップフロップ71の出力Q'とノイズ、チャタリング除去回路75の出力信号はオア回路113に入力されている。そして、オア回路113の出力信号はタイマーブロック100のカウンタ102のリセット端子に入力されている。カウンタ102はリセット端子の入力がハイ状態のときリセットされている。オア回路113の出力はフリップフロップ71の出力Q'がハイ状態のとき、あるいはノイズ、チャタリング除去回路75の出力がハイ状態のときにハイ状態となる。フリップフロップ71の出力Q'は、発射装置の発射駆動の停止が解除され遊技球の発射が許可されている期間にハイ状態となり、ノイズ、チャタリング除去回路75の出力は、遊技者が設定操作部30に接触している期間にハイ状態となる。即ち、カウンタ102は、フリップフロップ71の出力Q'とノイズ、チャタリング除去回路75の出力が共にローとなった状態、つまり発射停止スイッチ49の操作により発射装置の発射駆動が停止され、且つ遊技者が設定操作部30から手を離した状態でリセットが解除され、クロック101のカウントを開始する。そして、それ以外の状態ではリセットされている。
ワンショットパルス出力回路105から出力されたタイムアップパルスは、オア回路112に入力されている。また、オア回路112には上述したようにリセット信号(RST2)が入力されている。そして、オア回路112の出力信号は、リセット信号(RST3)としてプリセット付きUP/DOWNカウンタ95に入力されている。リセット信号(RST3)の入力によりプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値は「ゼロ」にリセットされる。即ち、オア回路112の出力からは、発射停止スイッチ49の操作により発射装置の発射駆動が停止され、且つ遊技者が設定操作部30から手を離した状態で予め定められた休息時間が経過し、ワンショットパルス出力回路105からタイムアップパルスが出力されたとき、または遊技者が遊技を行っている途中で発射停止スイッチ49を操作せずに(一時停止状態にしないで)設定操作部30から手を離し、リセット信号(RST2)としてのワンショットパルス111が生成されたときリセット信号(RST3)が出力され、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値はリセットされる。
リセット信号(RST3)がプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のリセット端子に入力されると、それまで設定されていたプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウント値が最小値の「ゼロ」にリセットされる。これによりD/Aコンバータ96に入力されるデジタルデータも「00」になると共に、出力されるアナルログDC電圧値も最小基準電圧Vminとなる。このD/Aコンバータ96の出力電圧値は、発射強度信号として発射制御回路81に入力され、発射装置から発射される遊技球の発射強度は最小になる。
UP/DOWNカウンターとは、本来、内部回路が複数のフリップフロップから構成されているので、外部からリセット入力されてデータが初期化される、もしくは更にクロックが入力されて次のデータに更新されるまで、前回のデータが保持されている。この性質を利用すると、本実施の形態のように一回の一時停止時における発射強度のデータの記憶および呼出しを行うためには、新たにRAM等の特別な記憶装置(メモリー)を別途追加することなくUP/DOWNカウンターのみで保存/呼出作業を行うことができる。
また、ワンショットパルス出力回路105から出力されたタイムアップパルスは、オア回路76に入力されている。タイムアップパルスが入力されると、オア回路76の出力からはリセット信号(RST1)が出力され、そのリセット信号はフリップフロップ71のリセット端子に入力される。リセット信号が入力されるとフリップフロップ71はリセットされ、出力Q'はハイ状態になり、出力Qはロー状態になる。即ち、遊技者が発射停止スイッチ49を操作して発射装置の発射駆動を停止させた後、設定操作部30から手を離した非接触状態のまま予め定められた休息時間が経過すると、発射装置の発射駆動の停止された一時停止状態が解除されると共に、一時停止期間中であることを表示していた表示灯22の点滅表示は停止される。遊技者は自分の意思で発射停止スイッチ49を操作し遊技を一時停止する状態に設定した後、予め許容されている時間(休息時間として許されている期間)が経過するまで設定操作部30から手を離した状態でいたことになる。これによりホール側は、そのパチンコ機にまだ遊技球が残されていたとしても遊技者が席を離れている場合には、その遊技者はそこで遊技を継続する意思が無いものと判断して残されていた遊技球を片付けてそのパチンコ機を次の遊技者のために提供することが可能となる。
図6のブロック図によると、発射停止スイッチの操作処理と発射強度の設定処理は独立しているので、遊技者が発射停止に設定した状態であっても、発射強度の調整は可能である。しかし実際には、発射強度調整を行なう場合、設定操作部30の発射強度設定手段としてのスイッチ41、47、48に遊技者が触れなくてはならず、その時、人体の再接触が検出され、発射一時停止状態は解除されて、遊技球の再発射が行なわれる。発射強度のデジタルデータは、次に遊技者が発射強度設定手段としてのスイッチ41、47、48を操作してデータを更新するまで、あるいは、発射一時停止状態に設定した後、設定操作部30に接触しないまま予め設定されている休息時間を経過するまで、その操作直前のデータが保持されている。一時停止状態に設定された後、遊技者が発射強度を調整する場合には、必ず設定操作部30に設けられた発射強度設定手段としてのスイッチ41、47、48に接触しなければならない。その接触によって、設定されている一時停止状態は解除され、発射一時停止状態に設定される直前の発射強度が再取得され、その発射強度で遊技球の再発射が行なわれる。従って、一時停止状態に設定された後、遊技者が発射強度を調整する場合には、一時停止状態は解除されて発射駆動が開始されている状態で、発射一時停止状態に設定される直前の発射強度を開始点として調整することになる。よって、発射一時停止状態に設定された時に、発射強度の調整を受け付けないような構成にする必要は特にない。
但し、発射一時停止状態において発射強度設定手段としてのスイッチ41、47、48の操作を受け付けないような構成としたい場合には、図7(a)および図8の破線部分Yに、図7(b)に示す破線部分Yの構成を追加すればよい。即ち、オア回路114を追加し、そのオア回路114に最大・最小値検出部97からの信号とフリップフロップ71の出力Q信号とを入力し両者の論理和をとり、オア回路114の出力信号をクロック制御部93に入力すればよい。このような構成により、最大・最小値検出部97によって最大値を検出したときはUPクロックを停止させ、最小値を検出したときはDOWNクロックを停止させる制御を行なうことに加えて、発射一時停止状態に設定されるとフリップフロップ71の出力Qがハイ状態になるので、発射一時停止状態に設定されているときはUPクロック、DOWNクロックのいずれのクロックもプリセット付きUP/DOWNカウンタ95へ伝達されないように制御することができる。
図8は、図7に示すデジタル式強度設定ブロックにおいて、発射強度スイッチ47、48に替え図5に示すロータリーエンコーダー61を設けたものであり、ロータリーエンコーダー61の操作によって調整されるロータリーエンコーダー処理ブロック91'を示している。
ロータリーエンコーダ61はインクリメンタル方式で、回転操作するとA、B相の2相のクロックを発生する。これらA、B2相のクロックは、ノイズチャタリング除去回路92を経由してロータリーエンコーダクロック処理ブロック98に入力される。ロータリーエンコーダ61を右に回転操作すると、ロータリーエンコーダクロック処理ブロック98のUP/DOWN制御出力信号がハイ状態(「H」)になり、A、B各相のクロックの切り替わり毎にクロックが生成される(4逓倍されたクロックが発生する)。そして、ロータリーエンコーダ61を左に回転操作すると、UP/DOWN制御信号がロー状態(「L」)になり、A、B各相のクロックのレベルの切り替わり毎にクロックが生成される(4逓倍されたクロックが発生する)。これらのクロックはノイズ、チャタリング除去回路92に入力されるが、その処理は図7のノイズ、チャタリング除去回路92の処理と同様である。
次に、このロータリーエンコーダクロック処理ブロック98によって生成されたクロックとUP/DOWN制御信号はクロック制御部93'に入力される。クロック制御部93'は、UP/DOWN制御信号が「H」の場合は、生成されたクロックをUP/DOWNカウンタ95'のUP端子に入力し、UP/DOWN制御信号が「L」の場合は、生成されたクロックをUP/DOWNカウンタ95'のDOWN端子に入力する。このUP/DOWNカウンタ95'に入力されたUP/DOWNクロックによって、UP/DOWNカウンタの値は増加または減少するが、その処理の内容は図7のプリセット付きUP/DOWNカウンタ95の処理と同様である。また、D/Aコンバータ96、最大・最小値検出部97による処理の内容も図7で説明したそれらの処理と同様である。
図9は、図6から図8に示される制御ブロックのタイムチャートを表わしている。
図9において、STOP(A)は図6の制御ブロックにおける発射停止スイッチ49の操作により発生する信号を表わしており、発射停止スイッチ49が操作されている期間中はロー状態(「L」)になる。STOP(B)は同じく制御ブロックにおけるフリップフロップ71の入力信号を表わしており、STOP(A)の論理を反転した信号である。TCH(C)は同じく制御ブロックにおけるタッチセンサ74による検出信号を表わしており、遊技者が設定操作部30にタッチしている期間中はロー状態(「L」)になる。TCH(D)は同じく制御ブロックにおけるノイズ、チャタリング除去回路75の出力信号を表わしており、TCH(C)の論理を反転した信号である。
T−FFのQ(E)は同じく制御ブロックにおけるフリップフロップ71の出力信号を表わしており、フリップフロップ71のリセット状態で「L」になり、発射停止スイッチ49が操作される毎に「H」と「L」に順次切り替わる。T−FFのQ'(F)は同じく制御ブロックにおけるフリップフロップ71の出力信号を表わしており、T−FFのQ(E)の信号の論理を反転した信号である。RST1(G)は同じく制御ブロックにおけるオア回路76の出力信号を表わしており、フリップフロップ71のリセット信号として使用される。RST3は図7の制御ブロックにおけるオア回路112の出力信号を表わしており、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のリセット信号として使用される。タイマー動作信号は、図7の制御ブロックにおけるタイマブロック100の動作状態を表わしており、予め定められた許容休息時間をカウンタ102によって測定しているか否かを表わしている。
発射状態信号(H)は図6の制御ブロックにおけるアンド回路80の出力信号を表わしており、パチンコ機が稼動中であるか否かをホール管理コンピュータ85に報知するための信号である。表示灯点滅信号(I)は同じく制御ブロックにおけるアンド回路78の出力信号を表わしており、表示灯22を点滅表示させるための信号である。発射許可信号(J)は同じく制御ブロックにおけるアンド回路80の出力信号を表わしており、発射制御回路81に入力され発射装置の発射駆動の作動を制御する信号として使用される。発射強度信号は、発射強度の調整中、定常発射中、保持中の期間を模擬的に表わしている。
以下、所定の条件のタイミングで発射停止スイッチ49が操作されたときの各信号の変化とパチンコ機の動作について説明する。尚、発射停止スイッチ49の操作は、図9において「スイッチを押す」と表示するものとし、発射停止スイッチ49の操作がされてから次に発射停止スイッチ49が操作される間の説明をする都合上、「1回目」、「2回目」、…、「5回目」と表示する。
パチンコ機に電源が投入されると、図示を省略するパワーオンリセット信号72がフリップフロップ71に入力されるため、フリップフロップ71は初期化され、その出力信号であるT−FFのQ(E)は「L」に、T−FFのQ'(F)は「H」に設定される。また、電源投入直後は、遊技者が未だ設定操作部30にタッチしていないものとする(「タッチOFF中」と表示)。この初期状態では、T−FFのQ'(F)は「H」であるが、タッチOFF中のためTCH(D)が「L」であり、発射許可信号(J)は「L」となって発射装置の発射駆動は停止されている。(以上、図9において矢印で示される<1>の期間参照)
遊技者が設定操作部30にタッチすると、タッチセンサ74によってそのタッチされた状態が検出され、TCH(C)は「L」に、そしてTCH(D)は「H」(「タッチON中」と表示)に切り替わる。また、TCH(D)の切り替わりを同期としてリセットパルス73が生成され、オア回路76の出力にリセット信号(RST1(G))が発生してフリップフロップ71が初期化される。フリップフロップ71の初期化によりT−FFのQ(E)は「L」に、T−FFのQ'(F)は「H」に設定されるが、図9ではT−FFのQ(E)は「L」に、T−FFのQ'(F)は「H」に設定されていたためそれまでの状態を維持する。タッチON中となってTCH(D)が「H」に切り替わるため、アンド回路80の出力信号である発射許可信号(J)は「H」に切り替わる。これにより発射制御回路81によって発射装置の発射駆動が開始されるので、設定操作部30の発射強度選択手段としてのスイッチ41、47、48が操作されて遊技球の発射強度が調整されると、遊技球が設定された発射強度で発射装置から発射される。同様にアンド回路80の出力信号である発射状態信号(H)も「H」に切り替わり、パチンコ機が稼動中であることをホール管理コンピュータ85に報知する。(以上、図9において矢印で示される<2>の期間参照)
遊技者が設定操作部30にタッチしている状態で、発射停止スイッチ49が操作される(スイッチを押す(1回目))と、フリップフロップ71に正パルス(STOP(B))が入力され、このパルスの立ち上がりを同期としてフリップフロップ71の出力信号であるT−FFのQ(E)は「H」に、そしてT−FFのQ'(F)は「L」に切り替わる(ストップモードに切り替わる)。T−FFのQ'(F)が「L」になるとアンド回路80の出力は「L」に切り替わるため、発射許可信号(J)は「L」になり、発射装置の発射駆動が停止される。従って、遊技者が設定操作部30にタッチしていても、さらには設定操作部30を操作して発射強度を調整し遊技球を発射させていても、その遊技球の発射は停止される。このとき、調整されていた遊技球の発射強度デジタルデータは、設定操作部30に設けられているプリセット付きUP/DOWNカウンタ95で保持される。
同様にアンド回路80の出力信号である発射状態信号(H)も「L」になり、パチンコ機が非稼動中であることをホール管理コンピュータ85に報知する。また、フリップフロップ71の出力信号であるT−FFのQ(E)が「H」になると、アンド回路78の出力は点滅変調用クロック77の周期で「H」と「L」に切り替わる。アンド回路78の出力信号である表示灯点滅信号(I)は表示灯22に入力され、表示灯22は点滅変調用クロック77の周期で点滅し、そのパチンコ機が一時停止期間中であることを報知する。(以上、図9において矢印で示される<3>の期間参照)
上記、図9の矢印で示される<3>の状態において発射停止スイッチ49が操作される(スイッチを押す(2回目))と、フリップフロップ71に正パルス(STOP(B))が入力され、このパルスの立ち上がりを同期としてT−FFのQ(E)は「L」に、T−FFのQ'(F)は「H」に切り替わる。タッチON中でありTCH(D)が「H」であるため、T−FFのQ'(F)が「H」になるとアンド回路80の出力は「H」に切り替わる。従って、アンド回路80の出力信号である発射許可信号(J)は「H」になり、発射装置の発射駆動の停止が解除される。そして、スイッチを押す(1回目)によって記憶手段に保持されていた発射強度デジタルデータが読み出され、D/Aコンバータ96によりアナログ値に変換された後に発射制御回路81に送られて、その発射強度で遊技球は発射装置から発射開始される。尚、発射停止スイッチ49の操作により発射駆動が停止され遊技の一時停止状態となっている期間中であっても、発射強度の調整は受け付けられる調整可能状態になっている。しかし遊技者が発射強度を調整するためにスイッチ41、47、48に接触すると一時停止状態は解除されることになる。
このように発射停止スイッチ49の操作(スイッチを押す(1回目))によって停止させた遊技球の発射を、再度、発射停止スイッチ49を操作することによりその停止を解除して遊技球を再発射させることができる。また、一度、発射停止スイッチ49が操作されると、次に発射停止スイッチ49が操作されるまでは、T−FFのQ(E)、T−FFのQ'(F)の状態は原則として維持される。従って、発射停止スイッチ49を継続して操作している必要はなく、発射停止スイッチ49を操作した後に発射停止スイッチ49から手を離しても発射装置の発射駆動の停止状態は、次の発射停止スイッチ49の操作まで維持され続ける(図9の1回目のスイッチを押してから2回目のスイッチが押されるまでの<3>の期間のT−FFのQ'(F)状態)。但し、例外として、フリップフロップ71にリセットパルスが入力されたときは、T−FFのQ'(F)状態が切り替わるが、その制御については後述する。
2回目のスイッチが押されると、同様にアンド回路80の出力信号である発射状態信号(H)も「H」になり、パチンコ機の稼動中であることがホール管理コンピュータ85に報知される。また、フリップフロップ71の出力信号であるT−FFのQ(E)が「L」になると、アンド回路78の出力は「L」に切り替わる。アンド回路78の出力信号である表示灯点滅信号(I)は表示灯22に入力され、表示灯22の点滅表示は停止され、パチンコ機の一時停止期間が解除されたことを報知する。(以上、図9において矢印で示される<4>の期間参照)
上記、図9の矢印で示される<4>の状態において設定操作部30から遊技者が手を離すと(タッチOFFになると)、TCH(C)は「H」に、そしてTCH(D)は「L」に切り替わる。TCH(D)が「L」になるため、アンド回路80の出力は「L」に切り替わり、発射許可信号(J)が「L」となって発射装置の発射駆動は停止される。同様にアンド回路80の出力信号である発射状態信号(H)も「L」になり、パチンコ機が非稼動中であることがホール管理コンピュータ85に報知される。また、発射停止スイッチ49の操作がされることなく、つまり遊技の一時停止状態に設定されることなく設定操作部30から手が離されるため、設定操作部30のスイッチ41、47、48により設定された発射強度は、RST3(UP/DOWNカウンタのリセット信号)がUP/DOWNカウンタ95に入力されることによって強度「ゼロ」の状態になる。(以上、図9において矢印で示される<5>の期間参照)
上記、図9の矢印で示される<5>の状態において発射停止スイッチ49が操作される(スイッチを押す(3回目))と、フリップフロップ71に正パルス(STOP(B))が入力され、このパルスの立ち上がりを同期としてT−FFのQ(E)は「H」に、そしてT−FFのQ'(F)は「L」に切り替わる(ストップモードに切り替わる)。タッチOFF中でありTCH(D)が「L」であるため、T−FFのQ'(F)の切り替わりに拘わらずアンド回路80の出力は「L」になるが、T−FFのQ(E)の「H」への切り替わりにより表示灯点滅信号(I)は点滅変調用クロック77の周期で変化し、表示灯22が点滅表示する。即ち、タッチOFF中に発射停止スイッチ49が操作され、その操作によるT−FFのQ(E)の変化が「L」から「H」で、T−FFのQ'(F)の変化が「H」から「L」である場合には、発射装置の発射駆動の停止状態は変化することなく(発射許可信号(J)の「L」状態は変化することなく)、また遊技球の発射強度は最小値ゼロのままで変化することなく、遊技の一時停止期間中であることを表示する表示灯22が点滅表示される。
また、発射停止スイッチ49の操作に伴ないタイマーブロック100のカウンタ102が動作し時間のカウントを開始する。表示灯22を点滅表示させることにより、遊技者は、継続して遊技を行なう意思があり、パチンコ機を仮押さえしていることを他の遊技者およびパチンコホールの従業員に報知することができ、また、席を離れて小休止することができる。但し、小休止することができる時間は予め定められており、前記カウンタ102のカウント時間が予め定められた時間に達したか否かタイマーブロック100で判別されている。(以上、図9において矢印で示される<6>の期間参照)
上記、図9の矢印で示される<6>の状態において遊技者が設定操作部30にタッチすると、タッチセンサ74によってそのタッチされた状態が検出され、TCH(C)は「L」に、そしてTCH(D)は「H」(「タッチON中」と表示)に切り替わる。また、TCH(D)の切り替わりを同期としてリセットパルス73が生成され、オア回路76の出力にリセット信号(RST1(G))が発生してフリップフロップ71が初期化される。フリップフロップ71の初期化によりT−FFのQ(E)は「L」に、T−FFのQ'(F)は「H」に設定される。T−FFのQ(E)が「L」になることにより表示灯点滅信号(I)は「L」になり、表示灯22の点滅表示は停止する。また、TCH(D)の「H」、またはT−FFのQ'(F)の「H」により、カウンタ102はリセット状態となりカウンタ102による時間のカウントは中止されると共に、カウンタ値は初期化される。即ち、タッチOFF中に発射停止スイッチ49が操作されストップモードになって表示灯22が点滅表示している状態において、遊技者が設定操作部30にタッチすることにより、ストップモードを解除して表示灯22の点滅表示を停止させることができる。
また、TCH(D)が「H」になり、T−FFのQ'(F)が「H」になることによりアンド回路80の出力信号である発射許可信号(J)および発射状態信号(H)の状態は「H」に切り替わる。発射許可信号(J)が「H」に切り替わることにより、発射装置の発射駆動の停止が解除され、発射状態信号(H)が「H」に切り替わることにより、パチンコ機が稼動中であることがホール管理コンピュータ85に認識される。
具体的には、遊技者は、パチンコ機の仮押え状態(遊技の一時停止状態)であることを報知するために発射停止スイッチ49を操作して表示灯22を点滅表示させ、一旦、席を離れ所用を済ませた後、席に戻って遊技を開始しようとする場合、設定操作部30にタッチするだけで表示灯22の点滅表示を停止させることができ、設定操作部30のスイッチ41、47、48を操作して発射強度を設定するだけで発射装置からの遊技球の発射を開始することができる。(以上、図9において矢印で示される<7>の期間参照)
図9において矢印で示される<8>の期間は、上記、図9の矢印で示される<7>の状態において発射停止スイッチ49が操作された(スイッチを押す(4回目))ときの状態を示しているが、これは上述した「スイッチを押す(1回目)」と同じ状態を表わしているので説明は省略する。
図9の矢印で示される<8>の状態、即ち、矢印で示される<3>の状態において遊技者が設定操作部30から手を離すと(タッチOFFになると)、TCH(C)は「H」に、そしてTCH(D)は「L」に切り替わる。T−FFのQ(E)が「H」、Q'(F)が「L」の状態は変化せず、表示灯22は継続して点滅変調用クロック77の周期で点滅し、そのパチンコ機が一時停止期間中であることを報知する。矢印で示される<7>の状態で調整され、「スイッチを押す(4回目)」の時にプリセット付きUP/DOWNカウンタ95に保持された遊技球の発射強度デジタルデータは、遊技者が設定操作部30から手を離してもプリセット付きUP/DOWNカウンタ95に保持され続ける。また、設定操作部30から遊技者が手を離したことに伴ない、タイマーブロック100のカウンタ102が動作し時間のカウントが開始され、設定操作部30から遊技者が手を離している時間が測定される。
即ち、遊技を行なっている途中で発射停止スイッチ49が操作されて遊技が一時停止された場合、遊技者が設定操作部30から手を離しても、表示灯22の点滅表示によって遊技の一時停止期間中であることが報知されると共に、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95はリセットされないので、保持されている発射強度デジタルデータは継続してプリセット付きUP/DOWNカウンタ95に保持され続ける。遊技者は表示灯22の点滅表示によってその後も遊技を継続する意思があることを周りに報知し、遊技を一時停止してパチンコ機の席に居ながら、あるいはパチンコ機の席を離れ休息を取ることができる。但し、許容される遊技の一時停止期間は予め定められており、カウンタ102による時間のカウントにより許容時間が経過したか否か測定される。(以上、図9において矢印で示される<9>の期間参照)
上記、図9の矢印で示される<9>の状態において遊技者が設定操作部30にタッチすると、タッチセンサ74によってそのタッチされた状態が検出され、TCH(C)は「L」に、そしてTCH(D)は「H」(「タッチON中」と表示)に切り替わる。また、TCH(D)の切り替わりを同期としてリセットパルス73が生成され、オア回路76の出力にリセット信号(RST1(G))が発生してフリップフロップ71が初期化される。フリップフロップ71の初期化によりT−FFのQ(E)は「L」に、T−FFのQ'(F)は「H」に設定される。T−FFのQ(E)が「L」になることにより表示灯点滅信号(I)は「L」になり、表示灯22の点滅表示は停止する。即ち、遊技中に発射停止スイッチ49が操作されストップモードになって表示灯22が点滅表示し、その後、遊技者が設定操作部30からタッチOFFとなった状態において、再度、遊技者が設定操作部30にタッチすることにより、ストップモードを解除して表示灯22の点滅表示を停止させることができる。
TCH(D)の「H」、またはT−FFのQ'(F)の「H」により、カウンタ102はリセット状態となりカウンタ102による時間のカウントは中止されると共に、カウンタ値は初期化される。また、TCH(D)が「H」になり、T−FFのQ'(F)が「H」になることによりアンド回路80の出力信号である発射許可信号(J)および発射状態信号(H)の状態は「H」に切り替わる。発射許可信号(J)が「H」に切り替わることにより、発射装置の発射駆動の停止が解除され、また発射状態信号(H)が「H」に切り替わることにより、パチンコ機が稼動中であることがホール管理コンピュータ85に認識される。さらに、スイッチを押す(4回目)とプリセット付きUP/DOWNカウンタ95に保持されていた発射強度デジタルデータが、D/Aコンバータ96によりアナログ値に変換された後に発射制御回路81に送られる。これにより、遊技球は、発射停止スイッチ49の操作によりストップモードになった直前の発射強度で発射装置から発射開始される。
具体的には、遊技者は、遊技中に発射停止スイッチ49を操作し、遊技装置の発射駆動を停止させると共に、表示灯22を点滅表示して遊技が一時停止状態であることを報知し、その後一旦、席を離れ、再度、席に戻って遊技を開始しようとする場合、設定操作部30にタッチするだけで表示灯22の点滅表示を停止させ、発射装置の発射駆動の停止を解除し、発射停止スイッチ49操作時に遊技していた発射強度と同じ発射強度で遊技球を発射開始することができる。(以上、図9において矢印で示される<10>の期間参照)
上記、図9の矢印で示される<10>の状態において発射停止スイッチ49が操作された(スイッチを押す(5回目))状態は、上記、図9の矢印で示される<7>の状態において発射停止スイッチ49が操作された(スイッチを押す(4回目))ときの状態と同じであり、また、図9の矢印で示される<11>の状態において遊技者が設定操作部30から手を離した(タッチOFFになった)状態は、上記、図9の矢印で示される<8>の状態において遊技者が設定操作部30から手を離した(タッチOFFになった)状態と同じであるので説明は省略する。
図9の矢印で示される<12>の状態において、タイマーブロック100のカウンタ102の時間のカウントが、予め設定された許容される一時停止期間に達する(図9においてタイムアップと表示)と、ワンショットパルス出力回路105からタイムアップパルスが出力される。タイムアップパルスは、オア回路112に入力されている。タイムアップパルス、オア回路112からRST3信号として出力され、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95に入力される。これにより、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値は「ゼロ」にリセットされる。よって、D/Aコンバータに入力されるデジタルデータも「0」になり発射強度は最小になる(図9において初期化と表示)。
また、タイムアップパルスは、オア回路76に入力されている。タイムアップパルスは、オア回路76からRST1(G)信号として出力され、フリップフロップ71に入力される。これによりフリップフロップ71はリセットされ、出力Q'は「H」になり、出力Qは「L」になる。出力Qが「L」になると表示灯点滅信号(I)は「L」になり、表示灯22の点滅表示は停止される。尚、出力Q'は「H」となるが、TCH(D)が「L」のままであるため、発射状態信号(H)および発射許可信号(J)は「L」状態を維持する。
具体的には、遊技者が遊技中に発射停止スイッチ49を操作して発射装置の発射駆動を停止させた後、設定操作部30から手を離し遊技を一時停止させたままパチンコ機から離れて休息を取り、その状態のまま予め定められた許容休息時間が経過すると、発射装置の発射駆動が停止されていた一時停止状態が解除されると共に、一時停止期間中であることを報知していた表示灯22の点滅表示が停止される。遊技者は自分の意思で発射停止スイッチ49を操作して遊技を一時停止する状態に設定した後、予め許容されている時間(休息時間として許されている期間)が経過するまで設定操作部30から手を離した状態でいたことになる。これによりホール側は、そのパチンコ機にまだ遊技球が残されていたとしても遊技者が席を離れている場合には、その遊技者はそこで遊技を継続する意思が無いものと判断して残されていた遊技球を片付けてそのパチンコ機を次の遊技者のために提供することが可能となる。また、記憶手段に保持されていた発射強度デジタルデータは初期化されるため、この後に、遊技者が遊技を再開しようとして設定操作部30にタッチしたとしても、新たに設定操作部30のスイッチ41、47、48を操作して発射強度を調整しなければ、発射強度はゼロとなっており遊技球は発射装置から発射されない。(以上、図9において矢印で示される<13>の期間参照)