JP4670773B2 - 平行二輪車 - Google Patents

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Description

本発明は、平行に配置された2つの車輪で走行する平行二輪車に関し、特に、段差の乗り上げを容易にする段差乗り上げ補助機構を備えた平行二輪車に関するものである。
従来の、この種の平行二輪車の第1の例としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、移動用具の部品として使用される車輪に関するものが記載されている。この特許文献1に記載された段差乗り越え車輪は、「キャスターに使用される車輪が段差に当たる前に該車輪より大きな半径を有する円板状、または不定形の外周を持つ脚部材が先に段差に当たって回転し、該車輪を地上より浮かせて段差を乗り上げてゆく段差乗り越え機構において、回転中心が車輪の支持枠と共有して支持された脚部材1個が2個の車輪の中間部に配設されて車輪の支持枠の中に一体化された」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献1に記載された段差乗り越え車輪によれば、「本発明の脚部材を中間部に一体化して装着する方法によってコンパクトになり、上述の問題点が解決できる。したがって、従来のキャスターとの互換性がある」(明細書の発明の効果の欄)等の効果が期待される。
従来の平行二輪車の第2の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2には、段差を安全かつ確実に乗り越えることができる車椅子に関するものが記載されている。この特許文献2に記載された車椅子は、「乗り手が座る座部を備えたフレームに各一対の前輪及び後輪が設けられた車椅子において、前記フレームの幅に相当する幅を備え、乗り手の足が載せられる上側の載置面及び乗り越えようとする段差の角部に当接する下側の当接面を備え、前記一対の前輪の間に配置されるとともに前記車椅子の進行方向に直交する実質的に水平な回動支軸を介して前記フレームに取り付けられ、前記当接面が前記車輪よりも前方に位置する定常位置と前記当接面が前記前輪の下側外周に交差する収納位置との間で回動自在とされたフットレストと、を備えた」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献2に記載された車椅子によれば、「フットレストが定常位置にある状態で車椅子が進行して当接面が段差の角に当接した後、乗り手が後輪を駆動すれば、付勢手段に抗してフットレストが収納位置に移動するので、前輪は段差上に乗り上げることができ、さらに乗り手が後輪を駆動して車椅子全体を段差上に進めることができる。」(明細書の段落[0021])等の効果が期待される。
また、従来の平行二輪車の第3の例としては、例えば、特許文献3に記載されているようなものもある。特許文献3には、前車輪に於いての段差乗り越えをスムースに行い、段差に当たった時の衝撃を和らげる自由車輪に関するものが記載されている。この特許文献3に記載された段差乗り越え車輪は、「自走行や運搬台車の自由車輪において、回転軸により偏心した位置に主車輪を設け主車輪の前方に補助車輪を左右に設ける。また、主車輪又は補助車輪が段差に当たった時の衝撃を和らげる為のクッション装置を保有する」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献3に記載された段差乗り越え車輪によれば、「前進する車輪が段差に来た時、先ず補助車輪が段差に当たり、自由車本体を段差と直交する位置にしてから乗り上がる。この時、主車輪(2)は重量を受けなく、補助車輪(3)が上がった位置から主車輪(2)が乗り上がる。又、段差に当たった時に衝撃を少なくする為にクッションを利用して乗り越える。従って、車椅子等で走行時に小さな段差から大きな段差を前進力のみでスムースに乗り越える事が出来る。」(明細書の段落[0006])等の効果が期待される。
特開2002−2206号公報 特開2005−296606号公報 実用新案登録第3105824号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された段差乗り越え車輪は、移動用具の部品として使用される車輪に関するものであり、3つ或いは4つの車輪を有する車椅子や荷物搬送用車両等の車両の段差乗り越えのための補助車輪として用いられている。また、特許文献2に記載された車椅子は、直径の小さな2つの前輪と直径の大きな2つの後輪を有する4輪車両(車椅子)に関し、特に、乗り越え動作時の荷重に十分に耐える段差乗り越え手段を有する車椅子が記載されている。更に、特許文献3には、車椅子や手押し車のスムースな段差乗り越えとクッションによる衝撃防止となる前輪自由車輪が記載されている。
このような3輪車両や4輪車両で段差を乗り越える場合には、全ての車輪が同時に段差に乗り上がることがないため、段差の上と下に位置する車輪で車両荷重を分配し、その荷重割合に応じた駆動力を駆動車輪に発生させることにより、段差の乗り越えを比較的容易に行うことができる。
ところが、平行に配置された2つの車輪で走行する平行二輪車の場合、段差を乗り越えるときには、全ての車輪が同時に段差に乗り上がることがあり、その場合には、車両の全荷重を乗り上げることができる駆動力が必要となる。そのため、段差乗り上げ時には、平地走行時に必要とされるトルクの3倍〜4倍もの大きなトルクが必要となり、大きな駆動力を発生する駆動源が必要になるという問題があった。
ここで、上述した特許文献1〜3に記載されているような段差乗り上げ補助機構を平行二輪車に適用することが考えられる。ところが、そのような段差乗り上げ補助機構を用いる場合には、段差乗り上げ過程において駆動輪が空中に浮き上がると、駆動輪が空転してしまうという問題がある。
また、特許文献3に記載された段差乗り上げ機構の場合、アームの先端と車輪取付金具との間にガススプリングが介在されているが、そのガススプリングは、補助車輪が段差に当たった時の衝撃を少なくするためにのみ用いられており、それ以外の役割はガススプリングに与えられていない。
解決しようとする問題点は、従来の平行二輪車には、段差の乗り上げが容易であって段差を有する路面を滑らかに走行するための段差乗り上げ補助機構は存在しなかった。その一方、平行二輪車以外の車椅子等の4輪車両等においては、幾つかの段差乗り上げ機構が存在したが、そのような段差乗り上げ機構をそのまま平行二輪車に適用しようとすると、段差の乗り上げ時に空中に浮き上がった駆動輪が空転してしまうという問題がある。
本発明の平行二輪車は、運転者が搭乗するステップベースと、そのステップベースを支持する車両本体と、同一軸心線上において互いに平行に配置されると共に車両本体に回転可能に支持された一対の車輪と、その一対の車輪を独立して回転駆動する一対の車輪駆動部と、一対の車輪の各車輪に対応して設けられると共に段差に衝突する速度に応じて段差への乗り上げ動作の依存度を変える一対の段差乗り上げ補助機構と、を備えて構成されている。一対の段差乗り上げ補助機構は、車輪の半径よりも大きな曲率半径を有する円弧支持面を具え且つ回動中心を車輪の回転中心よりも走行方向前側に配置した補助回動部材と、ステップベース又は車両本体に一端が回動可能に支持されると共に補助回動部材を走行方向と直交する方向に回動中心軸を向けて回動可能に支持するリンク部材と、段差に補助回動部材が衝突する速度に応じてリンク部材の他端を支持する力を変える支持力変更器と、をそれぞれ有する、ことを最も主要な特徴とする。
本発明の平行二輪車によれば、ステップベースと車両本体と一対の車輪と一対の車輪駆動部と一対の段差乗り上げ補助機構とを備え、一対の段差乗り上げ補助機構は、補助回動部材とリンク部材と支持力変更器をそれぞれ有するため、段差への突入時、車両速度が低速(所定の車速未満)であって車両を上方向へ持ち上げるのに十分な大きさの慣性力が無い場合には、支持力変更器の抵抗力を無くすか又は小さくして補助回動部材を後方へ逃がし、一対の車輪の駆動力で直接段差を乗り上げる。これに対し、段差への突入時、車両速度が高速(所定の車速以上)であって車両を上方向へ持ち上げるのに十分な大きさの慣性力が有る場合には、支持力変更器の抵抗力を大きくしてリンク部材を現状位置に保持し、補助回動部材を使って一対の車輪を段差に乗り上げる。
このように、段差への衝突時、車両速度の高低によって支持力変更器の特性を変化させ、車両速度が低速の場合には車輪の駆動力で直接段差に乗り上げ、車両速度が高速の場合には補助回動部材を利用して車輪を段差に乗り上げる。これにより、比較的小さな駆動トルクでありながら、段差への乗り上げを容易に、しかも滑らかに乗り上げることができる平行二輪車を提供することができる。
車輪の半径よりも大きな曲率半径を有する円弧支持面を具えた補助回動部材を、その回動中心を車輪の回転中心よりも走行方向前側に配置し、その補助回動部材を、ステップベース又は車両本体に一端が回動可能に支持されたリンク部材に回動可能に支持する。そして、リンク部材の他端を、段差に補助回動部材が衝突する速度に応じて支持力が変わる支持力変更器で支持する構成とすることにより、段差への乗り上げが容易であって、段差を有する路面の走行が容易な平行二輪車を、簡単な構成によって実現した。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1〜図7は、本発明の実施の形態の例を説明するものである。即ち、図1A及び1Bは本発明の平行二輪車の第1の実施の例を示す正面図及び側面図、図2A及び2Bは図1A及び1Bの要部を拡大した説明図、図3は図2A及び2Bに示すリンク部材と支持力変更器の連結関係を平面から見た説明図、図4A〜4Dは低速時における段差乗り上げを説明する図、図5A〜5Dは高速時における段差乗り上げを説明する図、図6は第1の実施の例に係る平行二輪車の制御装置の概略構成を示すブロック説明図、図7は制御装置による車輪空転防止のためのフローチャートである。
図1A,1Bに示すように、本発明の第1の実施の例を示す平行二輪車1は、運転者が搭乗するステップベースの一具体例を示す2つの分割ステップ2L,2Rと、その分割ステップ2L,2Rをそれぞれ水平状態にして固定支持する車両本体3と、その車両本体3に回転可能に支持された一対の車輪4L,4Rと、その一対の車輪4L,4Rを個別に回転駆動する車輪駆動部の一具体例を示す一対の車輪駆動ユニット5L,5Rと、車両本体3の略中央部に立設されたハンドルポスト6と、そのハンドルポスト6の上端に固定されたハンドル7と、一対の車輪4L,4Rに対応させてそれぞれ設けた一対の段差乗り上げ補助機構8L,8Rと、各車輪4L,4Rに対応して設けた一対の車輪カバー9L,9R等を備えて構成されている。
2つの分割ステップ2L,2Rは、運転者が片足ずつ乗せて搭乗するもので、人の足の大きさと同程度か又は少し大きく形成された偏平な一対の板体として形成されている。車両本体3は、1個の中空の筐体として構成されており、その内部には、後述する制御装置や姿勢検出ユニット等が収納されている。この車両本体3の幅方向である左右方向の両側には、一対のユニット取付部10L,10Rが設けられている。一対のユニット取付部10L,10Rには、それぞれ外向き状態で側方に突出する左右の車輪駆動ユニット5L,5Rが取り付けられている。
車輪駆動ユニット5L,5Rは、それぞれステップモータと、その駆動回路と、減速機等を備えて構成されている。そして、各車輪駆動ユニット5L,5Rの回転部に左右の車輪4L,4Rがそれぞれ取り付けられている。左右の車輪4L,4Rは、同一軸心線上に配置されていると共に、互いに平行となるように構成されている。一対の車輪駆動ユニット5L,5Rを個別に駆動することにより、左右の車輪4L,4Rが個別に回転駆動される。この際、左右の車輪4L,4Rの回転速度を一致させることによって直進走行が行われ、また、左右の車輪4L,4Rに回転速度の差を設けることにより、回転速度の低い側に旋回走行することができる。
車両本体3の上面の中央にはハンドルポスト6の下端が固定され、車両本体3と一体的に設けられている。ハンドルポスト6の上部は、走行方向の前側に少し傾斜した前傾状態で上方に延在されており、その上端に、コ字状に形成されたハンドル7の中間部が連結されている。ハンドル7の両端の突起部は、それぞれ上方へ突出するように設けられており、それぞれが把持部7a,7bとして構成されている。更に、ハンドル7の一方の把持部7aの上端には、一対の車輪駆動ユニット5L,5Rの駆動を制御することができる旋回操作リング11が回動可能に取り付けられている。
旋回操作リング11は、手動操作によって車両の旋回動作を制御するもので、旋回動作のためのアクセルリングをなしている。この旋回操作リング11を、運転者が旋回したいと思う方向へ回動することにより、その操作量に応じた信号が後述する制御装置に出力され、それに応じて制御装置が一対の車輪駆動ユニット5L,5Rの駆動を制御し、左右の車輪4L,4Rに回転差を生じさせて所望の速度で旋回走行を行うことができる。
また、車両本体3の上面でハンドルポスト6の基部には、一対の車輪駆動ユニット5L,5Rや制御装置その他の電子機器、電気装置等に電力を供給する電源の一具体例を示す図示しないバッテリーが収納された電源収納部12が設けられている。電源収納部12は、この実施例ではカートリッジ構造とされていて、多数のバッテリーを収納できるようになっている。しかしながら、電源としては、この実施例で示したバッテリーに限定されるものではなく、携帯が可能な蓄電池や燃料電池その他の電源を用いることができることは勿論である。この電源収納部12は、電源カバーによって覆われており、雨やホコリ等が入り込まないようにしている。
車両本体3に固定された一対の分割ステップ2L,2Rの下面には、左右の車輪4L,4Rに対応させて、左右の段差乗り上げ補助機構8L,8Rが設けられている。この段差乗り上げ補助機構8L,8Rは、各車輪4L,4Rの外側に配置してもよく、また、各車輪4L,4Rの内側に配置してもよい。この実施例では、各車輪4L,4Rのそれぞれ外側に段差乗り上げ補助機構8L,8Rを配置している。その理由は、段差乗り上げ補助機構8L,8Rを図面に記載する場合に、外側に配置した方が図面が明確になり、その説明が容易になるからである。これとは逆に、段差乗り上げ補助機構8L,8Rを車輪4L,4Rのそれぞれ外側に配置する場合には、車輪4L,4Rがガードの働きをなす。そのため、例えば、段差に斜め方向から突入した場合にも、段差乗り上げ補助機構8L,8Rに対して側方から荷重が加えられるのを防止することができる。
一対の段差乗り上げ補助機構8L,8Rは、左右対称の形状及び構造をなしている。そのため、ここでは左車輪4Lのための段差乗り上げ補助機構8Lを代表させて説明する。図2A,2B及び図3に示すように、段差乗り上げ補助機構8Lは、補助回動部材15及びリンク部材16と、支持力変更器の一具体例を示すダンパ17と、付勢部材の一具体例を示すコイルばね18等を有している。
補助回動部材15は、扇形に形成された板状の部材からなり、扇の要部分には軸穴が形成されていて、その軸穴を回転中心として回動される。この補助回動部材15の軸穴と反対側は円弧状に湾曲した円弧部15aとして形成されている。この補助回動部材15は、路面上の段差に衝突されることを前提とするものであるため、強度が大きくて比較的質量の大きな材料、例えば、鋳鉄やアルミニウム合金等の金属によって形成されている。この補助回動部材15の円弧部15aには、段差に接触する円弧状支持面を有する接触部21が設けられている。この接触部21の円弧状支持面の曲率半径Qは、車輪4Lの半径Rよりも大きく設定されている(Q>R)。この接触部21は、補助回動部材15が段差に衝突する際の衝撃力を吸収して衝撃を和らげるためのもので、例えば、硬質ゴム等の緩衝材によって形成されている。
このような構成を有する補助回動部材15は、支持軸22によってリンク部材16に回動自在に支持されている。リンク部材16は、車両本体3又は分割ステップ2L(2R)に対して補助回動部材15を、回動及び高さ位置変更可能に支持するためのものである。そのため、リンク部材16の長手方向の一側には、分割ステップ2Lに回動自在に支持するための第1の軸受部16aが設けられている。このリンク部材16の長手方向の中途部に、補助回動部材15を支持するための第2の軸受部16bが設けられている。そして、リンク部材16の長手方向の他側に、ダンパ17と連結するための第3の軸受部16cが設けられている。
図3に示すように、リンク部材16の第1の軸受部16aと第2の軸受部16bは、それぞれがコ字状に形成された2つの軸受片を有する継ぎ手のような部分からなり、互いの開口側を外側に向けて背中合わせのような状態で連結されている。そして、第2の軸受部16bの一方の軸受片を第1の軸受部16aと反対側に延在させると共にくの字状に折り曲げて、その先部に第3の軸受部16cが形成されている。第1の軸受部16aの2つの軸受片間には、分割ステップ2Lの下面に設けた第1の軸受凸部22が係合されている。第1の軸受凸部22には軸受穴が設けられていると共に、これに対応する軸受穴が第1の軸受部16aの2つの軸受片に設けられている。これらの軸受穴には回動軸23が貫通されており、この回動軸23によってリンク部材16の一側が分割ステップ2Lに回動自在に支持されている。
補助回動部材15は、支持軸24によってリンク部材16の第2の軸受部16bに回動自在に支持されている。即ち、第2の軸受部16bに補助回動部材15の扇の要部分が介在されており、第2の軸受部16bの2つの軸受片に設けた軸受穴と補助回動部材15の軸受穴を支持軸24が貫通している。支持軸24は、例えば、補助回動部材15の軸受穴に圧入すると共に両端を補助回動部材15の両面から突出させ、第2の軸受部16bの2つの軸受片で両端支持するように構成する。
補助回動部材15の一方の側面部には、コイルばね18の一端を係止するばね受け孔が設けられている。このばね受け孔に一端が係止されたコイルばね18は、引っ張り方向に付勢力を発生する引っ張りばねである。このコイルばね18の他端は、リンク部材16の第1の軸受部16aに設けたばね受け孔に係止されている。このコイルばね18のばね力により、補助回動部材15は、常に車両前側である走行方向の前方に付勢されている。そして、第2の軸受部16bの基部によって補助回動部材15の車両前側(走行方向前方)への回動が阻止されている。
この補助回動部材15の回動角を検出するための回動角検出器38L(38R)が、支持軸23の同軸上に設けられている。回動角検出器38L(38R)は、支持軸23に固定された軸部と、その軸部との間の相対的な回転変位量を検出する検出部とによって構成される。この回動角検出器38L(38R)としては、例えば、ポテンショメータやバリコン構造のセンサ等を適用することができる。この回動角検出器38L(38R)では、軸部と検出部との間に生じる回転変位量に応じて抵抗値が変化することを利用して、補助回動部材15が段差に衝突することにより生じる補助回動部材15の回動角を検出することができる。
ダンパ17は、内部にオイルや水等の液状媒体が充填されたシリンダ25と、このシリンダ25内に摺動可能に保持されたピストンに一端が連結され且つ他端がシリンダ25の一方の端面を貫通して外部に突出されたピストンロッド26等を有している。シリンダ25の他方の端面部は、分割ステップ2Lの下面に設けた第2の軸受凸部27に支持ピン28によって回動可能に支持されている。そして、ピストンロッド26の先端は、車両の斜め方向へ延在されたリンク部材16の第3の軸受部16cに連結ピン29によって回動可能に連結されている。
このダンパ17は、補助回動部材15が段差に衝突するときの速度に応じて、リンク部材16の第3の軸受部16cを支持する力を変えるものである。即ち、ダンパ17は、補助回動部材15の接触部21が段差に衝突するときの速度が所定速度以上である場合には、シリンダ25内の液状媒体の粘性によってピストンをロックする。これにより、ダンパ17の全体を固定して、リンク部材16を現状位置に保持する。その結果、段差乗り上げ時における段差乗り上げ補助機構8L,8Rに対する依存度が高くなり、段差乗り上げ補助機構8L,8Rを用いた段差乗り上げ動作が実行される。
これに対して、補助回動部材15の接触部21が段差に衝突するときの速度が所定速度未満である場合には、シリンダ25内の液状媒体の粘性抵抗は極めて小さいため、シリンダ25内のピストンはフリーな状態となり、シリンダ25内を容易に移動することができる。即ち、ダンパ17がリンク部材16を保持する力を小さくし、ダンパ17の縮退動作を可能として、リンク部材16の回動を許容する。その結果、段差乗り上げ時における段差乗り上げ補助機構8L,8Rに対する依存度が低くなり、段差乗り上げ補助機構8L,8Rを用いることなく、車輪4L,4Rの駆動力のみによる段差乗り上げ動作が実行される。
即ち、補助回動部材15の段差への衝突力に応じて、ピストンロッド26がシリンダ25内に入り込む。これにより、リンク部材16が回動軸23を回動中心として車両後方へ回動されると共に、その回動量に応じて補助回動部材15が持ち上げられる。しかしながら、この場合には、補助回動部材15の接触部21が段差に接触するが、段差からの反力はリンク部材16によって上方へ受け流され、車両に付加される大部分の荷重が2つの車輪4L,4Rに付加された状態のままとなる。そのため、2つの車輪4L,4Rによる走行が続行され、2つの車輪4L,4Rが段差に衝突して、当該車輪4L,4Rの駆動力による段差乗り上げが行われる。
このダンパ17による補助回動部材15の保持特性を、図4Dと図5Dに示す。図4D及び図5Dは、補助回動部材15が段差に衝突するときの速度Sと、そのときに補助回動部材15が受ける抗力Fとの関係をグラフに表したものである。そのうち、図4Dは、車両が所定速度以上の高速で段差に衝突したときのダンパ17による補助回動部材15の保持荷重の変化を示している。この場合、衝突速度S1が所定速度以上の高速であるときには、保持荷重は極めて大きな値となり、ダンパ17が略ロックされた状態になる。これに対して、図5Dは、車両が所定速度未満の低速で段差に衝突したときのダンパ17による補助回動部材15の保持荷重の変化を示している。この場合、衝突速度S2が所定速度未満の低速であるときには、保持荷重は極めて小さな値となり、ダンパ17が略フリーとなったような状態になる。
ここで、補助回動部材15が段差に衝突するときの所定速度以上とは、図4Dに示す衝突速度S1を超える速度を言うものとする。また、補助回動部材15が段差に衝突するときの所定速度未満とは、図5Dに示す衝突速度S2を超えない速度を言うものとする。
このような構成を有する段差乗り上げ補助機構8L,8Rの外側には、盾となってこれらを保護する車輪カバー9L,9Rが設けられている。図1A,1Bにおいて二点鎖線で示すように、各車輪カバー9L,9Rは、それぞれの上端縁が分割ステップ2L,2Rの外縁に固定されていて、下方に展開された部分で段差乗り上げ補助機構8L,8Rの側面を覆うようにしている。このとき、車輪カバー9L,9Rの下方には車輪4L,4Rの下部と補助回動部材15の下部(主に接触部21)が露出される。
また、車両本体3の内部には、一対の車輪駆動ユニット5L,5R等を個別に駆動する左車輪駆動回路31L及び右車輪駆動回路31Rと、車両本体3やハンドル7(或いはハンドルポスト6)等の姿勢を検出してそれらの検出信号を出力する姿勢検出ユニット32と、一対の車輪駆動ユニット5L,5R等を駆動制御するための制御信号を出力する制御装置40等が収納されている。
図6に示すように、姿勢検出ユニット32は、車両本体3のピッチ角を検出するピッチ角検出器33と、車両本体3のロール角を検出するロール角検出器34と、車両本体3のヨー角を検出するヨー角検出器35と、3軸方向(例えば、X軸=走行方向,Y軸=走行方向と水平方向で直交する方向、及びZ軸=走行方向と垂直方向で直交する方向)の加速度を検出する加速度検出器等を備えて構成されている。ピッチ角検出器33とロール角検出器34とヨー角検出器35としては、例えば、ジャイロセンサを適用することができる。
ジャイロセンサは、車両本体3のピッチ軸(一対の車輪4L,4Rの車軸に相当する軸)と、ロール軸(車両本体3の中心を通り、車両の走行方向と平行をなす軸)と、ヨー軸(車両本体3の中心を通り、車両が走行する路面と垂直をなす軸)の少なくともいずれか1つの軸に関する角速度を検出するものである。また、姿勢検出ユニット32の加速度検出器は、車両本体3を3軸(X軸、Y軸及びZ軸)で現したときの少なくともいずれか1つの軸に関する加速度を検出するものである。なお、ピッチ角とは、ピッチ軸を回動中心として車両本体3が前後方向へ回動する角度を言う。また、ロール角とは、ロール軸を回動中心として車両本体3が左右方向へ回動する角度を言う。更に、ヨー角とは、ヨー軸を回動中心として車両本体3が水平方向へ回動する角度を言う。
制御装置40は、姿勢検出ユニット32からの検出信号と、操作リングの旋回状態検出器37からの検出信号と、左右の補助回動部材の回動角検出器38L、38Rからの検出信号等の入力情報に基づいて所定の演算処理を実行し、必要な制御信号を左右の車輪駆動回路31L、31Rに出力して左右の車輪駆動ユニット5L,5Rを駆動制御する。この制御装置40は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路41と、プログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する記憶装置42等を備えて構成されている。制御装置40には、バッテリーを有する電源44と左右の車輪駆動回路31L,31Rが接続されていて、それらは非常停止スイッチ45を介して互いに接続されている。
左右の車輪駆動回路31L,31Rは、左右の車輪4L,4Rの回転速度や回転方向等を個別に制御するもので、これらに左右の車輪駆動ユニット5L,5Rが個別に接続されている。各車輪駆動ユニット5L,5Rには、それぞれが有する駆動モータの回転角度を検出する角度検出器が設けられている。これら角度検出器からの各車輪4L,4Rの状態に関する検出信号も、それぞれ制御装置40に供給されている。
この左右の車輪4L,4Rを駆動制御するため制御装置40には、前述したように左右の補助回動部材15,15の傾斜角度である回動角を検出する左右の回動角検出器24L,24Rからの検出信号と、旋回操作リング11の回動操作量を検出する旋回状態検出器37からの検出信号と、車両本体3のピッチ角とロール角とヨー角及び加速度等を検出する姿勢検出ユニット32からの検出信号とがそれぞれ供給されている。これらの検出信号に基づき制御装置40が所定の演算処理を実行し、左右の車輪4L,4Rの回転数や回転方向を制御して、平行二輪車1の直進走行や旋回走行を安定性よく制御する。
図7は、段差乗り上げ時における駆動車輪4L,4Rの空転を防止するためのフローチャートを示す図である。図7に示す制御プログラムは、例えば、割り込み処理によって実行される。なお、左右の車輪4L,4Rに対応して設けた左右の段差乗り上げ補助機構8L、8Rは、同一のものを左右対称に配置したものであり、その内容に違いが無く共通であるため、左右の区別を省略して説明する。
ステップS1の初期状態では、車輪駆動ユニット5L,5Rのモータの角速度を検出すると共に、段差乗り上げ補助機構8L,8Rの補助回動部材15の初期取付角度(初期位置)を検出する。この場合、モータの角速度はモータ角度検出器からの検出信号によって検出され、モータ角速度Mvel_0=ω_0である。また、補助回動部材15の初期状態の取付角度は回動角検出器24L,24Rによって検出され、補助回動部材角Rpos_0=θr_0である。ここで、補助回動部材15の取付角度は、図2Aにおいて、反時計方向の回転をプラスとする。
次に、ステップS2に移行して、走行時に所定のサンプリング間隔Δtによってモータの状態(モータ角速度ω_n)と補助回動部材15の状態(補助回動部材角θr_n)に関する情報を取得し、制御装置40の記憶装置42に記憶する。このとき、モータ角速度Mvel_n=ω_n、補助回動部材角Rpos_n=θr_nである。
次に、ステップS3に移行して、補助回動部材15の取付角度が初期取付角度から変化していないか否かを判定する。この判定は、補助回動部材15の現在の取付角度Rpos_nと初期の取付角度Rpos_0とを比較し、補助回動部材15の取付角度が初期状態と異なっているかどうか、即ち、路面上の段差に接触部21が接触して補助回動部材15が回動を始めたかどうかを検出する。この場合に、補助回動部材15の接触部21が段差に接触すると、車輪4L,4Rに懸かる重量(車両自体の重量+搭乗者の重量)が補助回動部材15側に移行し始めるため、車輪4L,4Rに浮き上がり状態が発生し始めるときを判断することができる。この判定において、補助回動部材15の取付角度が初期状態と同じであるときには、ステップS2に戻る。一方、補助回動部材15の取付角度が初期状態と異なっているときには、ステップS4に移行する。
ステップS4では、段差乗り上げ補助機構8L,8Rを利用して段差への乗り上げ動作を実行するため、車輪4L,4Rの回転規制を行う。この車輪回転規制は、補助回動部材15が段差に当たることによって補助回動部材15の取付角度に変化が生じ(Rpos_0<Rpos_n)、車輪4L,4Rが浮き上がり状態となるため、その車輪4L,4Rの駆動力を減少側に制御するものである。このステップS4では、まず、補助回動部材15の取付角度Rpos_nを検出し、その検出値を数式(1)に代入して、回転規制すべきモータ角速度Mvel_nを算出する。
〔数1〕
Mvel_n=Mvel_n×(1−(--1/km)×Rpos_n))
ここで、数式1中のkmは、車輪4L,4Rの回転速度が段差衝突時の速度以下となるように予め決定された係数である。このような係数kmの逆数を取付角度Rpos_nに掛け合わせ、その掛け算値を1から引いた値に、それまでのモータ角速度Mvel_nを掛け合わせる。これを新たなモータ角速度Mvel_nに置き換えることにより、段差衝突時の速度以下の新たなモータ角速度Mvel_nに規制して、車輪4L,4Rを駆動制御する。その後、ステップ2に戻り、ステップ2からステップ4までの処理を繰り返す。
このような構成を有する平行二輪車1は、例えば、次のようにして走行することができる。図4A〜4Cは、乗り越え可能な所定速度以上で段差STに突入した場合(高速走行状態)の説明図である。補助回動部材15の接触部21が段差STに衝突すると、図4Dに示すように、ダンパ17が大きな抗力を発生し、ピストンロッド26がロックされたような状態になる。これにより、ダンパ17が現在位置に保持され、同様に、リンク部材16が現在位置でその姿勢を維持するように保持される。そのため、段差STから補助回動部材15に入力される衝突による外力が、分割ステップ2L,2Rを含む三角形の一辺をなすように保持されるリンク部材16によって受け持たれる。
そのため、図4Aに示すように、段差STへの衝突による外力によって補助回動部材15が、リンク部材16に設けた支持軸24を回動中心として反時計方向に回動する。この補助回動部材15の回動により、図4Bに示すように、車輪4L,4Rが持ち上げられると共に、その持ち上げられた状態のままで車輪4L,4Rが段差STに接触する。その結果、図4Cに示すように、車輪4L,4Rの回転力が段差STに伝達され、その回転力によって車輪4L,4Rが段差STの上に完全に乗り上がる。車輪4L,4Rが段差STの上に乗り上がると、補助回動部材15の接触部21が段差STから離れ、段差STによる補助回動部材15を支持する力が解除される。そのため、補助回動部材15は、コイルばね18のばね力により当初の走行方向前方に付勢された状態に復帰する。
この段差乗り上げの際、車輪4L,4Rは一時的に浮き上がった状態になるが、このときには前述したような車輪空転防止プログラムが実行され、車輪4L,4Rが、段差衝突時の速度以下となるよう減速側に制御される。そのため、車輪4L,4Rの空転を防止して、車輪4L,4Rが高速で空回りするのを防ぐことができる。このようにして、補助回動部材15が段差STに対して所定速度以上の衝突速度S1で衝突する場合には、段差乗り上げ補助機構8L,8Rが働くことになり、比較的小さな車輪駆動力であっても、段差STを容易に乗り越えることができる。
これに対して、図5A〜5Cは、乗り越え可能な所定速度未満で段差STに突入した場合(低速走行状態若しくは停止から走行を開始した状態)の説明図である。この場合に、図5Aに示すように、補助回動部材15の接触部21が段差STに衝突すると、図5Dに示すように、衝突速度が遅いためにダンパ17の抗力が小さくなり、リンク部材16を保持するだけの十分に大きな抗力がダンパ17には発生しない。そのため、図5Bに示すように、ピストンロッド26が後退してシリンダ25内に入り込み、ダンパ17の全長が短くなる。これにより、リンク部材16が、回動軸23を回動中心として図5Aにおいて反時計方向に回動され、補助回動部材15を支持する支持軸24が持ち上げられる。その結果、支持軸24を回動中心とした補助回動部材15の接触部21における円弧面両側の高さ方向の差が無くなり、大きな抵抗力を生ずることなく後方へ回動される。
そのため、低速走行の場合には、段差乗り上げ補助機構8L,8Rが働くことなく、車輪4L,4Rがそのまま駆動力を路面に伝達して走行し、その段差STに車輪4L,4Rが衝突する。その結果、車輪駆動ユニット5L、5Rによって回転駆動される車輪4L,4Rの回転力により、そのまま車輪4L,4Rが段差STに乗り上がる。そして、車輪4L,4Rが段差STの上に乗り上がると、補助回動部材15の接触部21が段差STから離れ、段差STによる補助回動部材15の支持力が解除される。これにより、補助回動部材15が、コイルばね18のばね力によって当初の走行方向前方に付勢された状態に復帰する。
かくして、低速若しくは停止状態からの段差乗り上げ時には、車輪4L,4Rの駆動力のみによって段差STへの乗り上がりが実行される。これに対し、段差STへの衝突速度が所定速度以上ある場合には、段差乗り上げ補助機構8L,8Rを使い、少ない衝突衝撃の下に比較的小さな駆動力で段差STに容易に乗り上がることができる。
以上説明したように、平行に配置された2輪で走行する平行二輪車において段差を乗り上げる場合、一般的には、全ての車輪で同時に段差を乗り上げるため、平行二輪車の重量と搭乗者の重量を加えた全ての荷重を乗り上げられるだけの駆動力が動力源において必要であり、平地走行時に必要な駆動トルクに比べて3倍〜4倍もの大きな駆動トルクが必要となる。これに対して、本願発明の平行二輪車によれば、段差乗り上げ時だけに必要とされる大きな駆動トルクを、段差乗り上げ補助機構8L,8Rによって小さくすることができ、駆動モータを含めた装置全体の小型化と低消費エネルギ化を図ることができる。
また、本願発明の平行二輪車によれば、乗り心地の見地においても、段差衝突時、駆動車輪より高い位置に配置された補助回動部材により見かけ上、段差が低くなる。しかも、補助回動部材の大きな車輪径(円弧状支持面の曲率半径)で段差に乗り上げることになるので、より滑らかに段差乗り上げが可能となる。このことは、平行二輪車の走破性能としても、駆動車輪の車輪径で決まってくる段差よりも高い段差の乗り上げを可能とすることができる。
以上説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、例えば、前記実施例においては、車両本体として略直方体からなる筐体を適用した例について説明したが、二枚の板体を平行に配置して平行リンク式の車両本体として構成することができる。更に、ハンドルの把持部をコ字状に形成した例について説明したが、把持部は一文字であってもよく、また、把持部を楕円形や円形として形成したり、その他のハンドル形状を適用できることは勿論である。また、前記実施例では、段差乗り上げ補助機構をステップベースに取り付けた例について説明したが、段差乗り上げ補助機構を車両本体に取り付けることもできる。このように、本願発明は、その要旨を変更しない範囲で各種の変更実施が可能である。
本発明の平行二輪車の第1の実施の例を示すもので、図1Aは正面図、図1Bは側面図である。 図1A,1Bに示す平行二輪車の要部を拡大したもので、図2Aは図1Aの要部拡大図、図2Bは図1Bの要部拡大図である。 図1A,1Bに示す平行二輪車の段差乗り上げ補助機構に係るリンク部材とダンパの平面図である。 図1A,1Bに示す平行二輪車に係る段差乗り上げ補助機構の高速走行時における動作等を説明するもので、図4Aは段差乗り上げ前の状態、図4Bは段差乗り上げ時の状態、図4Cは段差乗り上げ後の状態、図4Dはダンパによる補助回動部材の保持荷重を示す、それぞれ説明図である。 図1A,1Bに示す平行二輪車に係る段差乗り上げ補助機構の低速走行時における動作等を説明するもので、図5Aは段差乗り上げ前の状態、図5Bは段差乗り上げ時の状態、図5Cは段差乗り上げ後の状態、図5Dはダンパによる補助回動部材の保持荷重を示す、それぞれ説明図である。 本発明の平行二輪車の第1の実施の例に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。 図6に示す制御装置による車輪空転防止制御を行うための割り込み処理によるフローチャートである。
符号の説明
1‥平行二輪車、 2L,2R‥分割ステップ(ステップベース)、 3‥車両本体、 4L,4R‥車輪、 5L,5R‥車輪駆動ユニット(車輪駆動部)、 7‥ハンドル、 8L,8R‥段差乗り上げ補助機構、 15‥補助回動部材、 16‥リンク部材、 17‥ダンパ(支持力変更器)、 18‥コイルばね(付勢部材)、 21‥接触部(円弧状支持面)、 23‥回動軸、 24‥支持軸、 29‥連結ピン、 31L,31R‥車輪駆動回路、 32‥姿勢検出ユニット、 37‥旋回状態検出器、 38L,38R‥回動角検出器、 40‥制御装置、 ST‥段差

Claims (4)

  1. 運転者が搭乗するステップベースと、
    前記ステップベースを支持する車両本体と、
    同一軸心線上において互いに平行に配置されると共に前記車両本体に回転可能に支持された一対の車輪と、
    前記一対の車輪を独立して回転駆動する一対の車輪駆動部と、
    前記一対の車輪の各車輪に対応して設けられると共に段差に衝突する速度に応じて当該段差への乗り上げ動作の依存度を変える一対の段差乗り上げ補助機構と、を備え、
    前記一対の段差乗り上げ補助機構は、車輪の半径よりも大きな曲率半径を有する円弧支持面を具え且つ回動中心を前記車輪の回転中心よりも車両前側に配置した補助回動部材と、前記ステップベース又は前記車両本体に一端が回動可能に支持されると共に前記補助回動部材を前記走行方向と直交する方向に回動中心軸を向けて回動可能に支持するリンク部材と、前記段差に前記補助回動部材が衝突する速度に応じて前記リンク部材の他端を支持する力を変える支持力変更器と、をそれぞれ有することを特徴とする平行二輪車。
  2. 前記支持力変更器は、前記補助回動部材が前記段差に衝突する速度が所定速度以上の場合には前記リンク部材を現状位置に保持し、前記衝突する速度が所定速度未満の場合には前記リンク部材を保持する力を小さくしてリンク部材の回動を許容するダンパであることを特徴とする請求項1記載の平行二輪車。
  3. 前記補助回動部材を前記走行方向の前側に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の平行二輪車。
  4. 前記補助回動部材の回動角度を検出して角度検出信号を出力する回動角検出器を設けたことを特徴とする請求項1記載の平行二輪車。
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