JP4669702B2 - 粉末組成物及びこれを含有する粉末状化粧料 - Google Patents

粉末組成物及びこれを含有する粉末状化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、20℃で固形を呈する油粒子の表面をフッ素化合物処理粉体で被覆したことを特徴とする粉末組成物及び、該粉末組成物を含有する粉末状化粧料に関し、更に詳しくは、前記油粒子が肌上で塗擦の圧力や体温により溶融し、液化する粉末組成物に関するものである。また、塗擦時に均一に液化し、滑らかでしっとりとした使用感が良好で、輸送時等の耐衝撃性に優れた粉末状化粧料に関し、更には、化粧料がメーキャップ化粧料の場合には、メーキャップ効果の持続性(化粧持続性)に優れる粉末状化粧料に関するものである。
粉末状化粧料は、粉体を主骨格とし必要に応じて少量の油を添加した、連続相が空気で
ある化粧料であり、油っぽいべたつき感がなく、さらさらと滑らかな使用感を具現化でき
る化粧料剤型である。その反面、粉末状化粧料は、粉っぽい使用感やメーキャップ化粧料
としたときのメーキャップ効果の持続性に劣るという欠点を有していた。このため、粉末
状化粧料の滑らかな使用感を損なうことなく、粉っぽさを低減し、メーキャップ効果の持
続性を高めるために、種々の検討がなされてきた。具体的には、添加する油の量を高めれ
ば、粉っぽさを低減でき、しっとりした使用感を付与することができるが、その反面、油
と粉体が練り合わされ、連続相が油となる化粧料(いわゆる、油性化粧料)となってしま
い、粉末状態を維持するのが困難であった。
一方、油と粉体を混合し、圧縮成型する固形粉末状化粧料では、球状粉体等の崩壊剤を
用いることにより、ある程度までは油を多く配合することが可能であるが、マット等の小
道具により表面を擦り続けると、表面が硬くなり、小道具に化粧料が移ってこなくなる現
象(いわゆる、ケーキング現象)を生ずる場合があった。
このように、粉末状化粧料に油を多量に配合すると、油と粉体との組成が、油性化粧料
と固形粉末状化粧料の中間に位置する領域となり、良好な品質を確保することが困難であ
った。しかし、前記領域の化粧料は、良好な品質を具現化できると予測できるため、種々
の技術が開発されている。
具体的には、肌上で液化する固体油、粉体及び三次元架橋構造を有するオルガノポリシロキサンを併用することにより、粉末状メーキャップ化粧料を得る技術(例えば、特許文献1参照)、油を予め撥水撥油性粉体で粉末化したものに、水を添加し含水粉末化粧料を得る技術(例えば、特許文献2参照)、特定の表面張力を有する液体油を予め撥水撥油性粉体中に分散させて粉末状化粧料を得る技術(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。
特許第2985014号公報(第1頁−第8頁) 特許第3107891号公報(第1頁−第6頁) 特開2003−81733号公報(第1頁−第12頁)
しかしながら、前記特許文献1記載の技術では、粉砕した固形油をそのまま用いるので
、化粧料を輸送する際の振動等により、粉末が凝集する等、耐衝撃性が良好とならない場
合があった。また、前記特許文献2記載の技術では、水を必須に配合するため、塗擦時の
均一性が悪くなる場合があり、しっとりとした使用感も減じられる場合があった。そして
、前記文献3記載の技術では、油として固形油を用いた場合には、油を均一に分散するこ
とが困難であり、結果として、均一な化粧膜を得ることはできなかった。
このため、油と粉体との組成が、油性化粧料と固形粉末状化粧料の中間に位置する領域
において、塗擦時に均一に液化し、滑らかでしっとりとした使用感が良好で、耐衝撃性に
優れた粉末状化粧料の開発が望まれていた。
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、20℃で固形を呈する油粒子の表面をフッ素化合物処理粉体で被覆した粉末組成物が、塗擦時に均一に液化し、滑らかでしっとりとした使用感が良好で、耐衝撃性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれ、且つ20℃で固形を呈し、肌上で溶融、液化する油からなる、平均粒径10〜1000μmの油粒子と、フッ素化合物処理粉体とを、質量比で2:8〜8:2の割合で混合してなり、上記油粒子の表面が上記フッ素化合物処理粉体で被覆されている粉末組成物である。
また、本発明は、前記の油が、オレイル基とステアリル基を有するカカオ脂、アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサンから選ばれた、分子中に結晶部分と非結晶部分が共存する油である粉末組成物である。
また、本発明は、前記油粒子が、融点15〜40℃のシリコーンワックスを含有することを特徴とする前記何れかの粉末組成物である。
更に、前記何れかの粉末組成物を配合することを特徴とする粉末状化粧料、塗擦により
肌上で液化することを特徴とする粉末状化粧料を提供するものである。また、化粧料がメ
ーキャップ化粧料であることを特徴とする前記何れかの粉末状化粧料を提供するものであ
る。
本発明の粉末組成物は、肌上で塗擦の圧力や体温により容易に溶融、液化するものである。また、本発明の粉末状化粧料は、塗擦時に均一に液化し、滑らかでしっとりとした使用感が良好で、耐衝撃性に優れている。更に、化粧料がメーキャップ化粧料の場合には、メーキャップ効果の持続性(化粧持続性)に優れるものである。
本発明の粉末組成物に用いられる油粒子は、20℃で固形を呈する油である。このような油粒子は、20℃で固形の単独油でも良いが、複数の油を混合し、その混合油として20℃で固形を呈する油であっても良い。そして、このような油粒子は、肌上で溶融、液化する組成が望ましい。
そして、前記油粒子は、油を粉砕、乾燥、分級等の通常公知の粉末化技術により、平均
粒径を10〜1000μmの範囲としたものが好ましく、100〜700μmがより好ま
しい。平均粒径がこの範囲であると、塗擦時に溶融し易く、粉末状化粧料に配合した場合
に、より滑らかな使用感を得ることができる。
前記油粒子として用いられる20℃で固形の油は、具体的には、例えば、アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
このような油は、市販品として、脱臭カカオバターCOB(旭電化工業株式会社製)、
ファーマゾールB−115(融点33.5〜35.5℃:日本油脂社製)、ウィテップゾ
ールH−15(融点39℃:ヒュルスA.G.社製)等のグリセリン脂肪酸エステル、ス
テアリルジメチコンであるDC2503(融点32℃:東レ・ダウコーニングシリコーン
社製)、SDM5055VP(融点30℃:旭化成ワッカーシリコーン社製)等のシリコ
ーンワックス等の市販品が挙げられる。
これら油の中でも、分子中に結晶部分と非結晶部分が共存する油が、肌上で瞬時に溶融
するため好ましい。このような油は、オレイル基とステアリル基を有するカカオ脂のよう
な油脂類や、シリコーン鎖と脂肪質を有するアルキル変性オルガノポリシロキサン、高級
脂肪酸変性オルガノポリシロサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリ
コーンワックス類が好ましい。更に、DSC(示差走査熱量測定)の吸熱・発熱ピークが
シャープなものが好ましい。
更に、前記油粒子は、融点が15〜40℃のシリコーンワックスを含有することにより
、肌上で溶融し易く、粉末状化粧料とした場合に、耐衝撃性が特に良好な粉末状化粧料を
得ることができる。
前記融点15〜40℃のシリコーンワックスは、アルキル変性オルガノポリシロキサン
、高級脂肪酸変性オルガノポリシロサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等
の中より、適宜一種又は二種以上を選択して用いることができる。
また、前記油粒子において、併用することが可能な油としては、通常化粧料に用いられる液体油であり、特に限定しない。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油等の油脂類、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル等のエステル類、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサ、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、融点が15℃未満の変性シリコーン等のシリコーン類、オクチルメトキシシンナメート等の紫外線吸収剤が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる
前記粉末組成物において、油を固形粒子化する方法としては、特に限定はされないが、
通常公知の機械的又は化学的粉砕方法が挙げられる。具体的には、機械的粉砕方法として
、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、ボールミル、ビーズミル、マイクロス(登録
商標)、オングミル(登録商標)、ハイブリダイザー(登録商標)、メカノヒュージョン
(登録商標)等が挙げられるが、粉砕時の温度を0℃以下にコントロールして粉砕する、
所謂、凍結粉砕することが好ましい。また、化学的粉砕方法としては、油をn−ヘキサン
、イソプロピルアルコール等の溶媒に溶解した溶液を噴霧乾燥する方法や、前記溶液から
相分離させる方法(所謂、コアセルベーション法)、前記溶液を水と乳化してマイクロエ
マルジョンとして凍結乾燥させる方法等が挙げられる。本発明の粉末組成物においては、
前記した粉砕方法の中でも、凍結粉砕又は噴霧乾燥を用いることにより、最適な粉末状油
を効率的に得ることができる。更に、該油粒子は、前記した粉砕、乾燥等の操作条件を調
整することにより、目的とする平均粒径の範囲とすることができるが、粉砕、乾燥等の操
作の後に、分級操作により目的とする平均粒径の範囲とすることもできる。
本発明の粉末組成物における前記油粒子の含有量は、特に限定されないが、20〜80
%が好ましく、25〜60%が特に好ましい。油粒子をこの範囲で含有すると、肌上で溶
融し易く、粉末化粧料とした場合に、滑らかでしっとりとした使用感が特に良好な粉末状
化粧料を得ることができる。
本発明の粉末組成物に用いられるフッ素化合物処理粉体は、粉体を通常公知の技術によ
りフッ素化合物処理を施したものである。このようなフッ素化合物処理粉体に用いられる
粉体は、通常化粧料に使用される粉体であればよく、球状、板状、針状等の形状、煙霧状
、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無
機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的
には、酸化チタン、低次酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄
、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム,水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ
酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲
母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベント
ナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸
化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウ
ダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート,ポリエチレンパ
ウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメ
チルシルセスキオキサンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、
N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉
体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム
被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が
挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
フッ素化合物処理粉体における、前記粉体を処理するフッ素化合物としては、例えば、
フッ素変性シリコーン、パーフルオロアルキルリン酸エステル及びこの塩,パーフルオロ
ポリエーテル,パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸エステル及びこの塩、パーフル
オロアルキルシラン、パーフルオロアルキルアクリレート等が挙げられ、これらを一種又
は二種以上用いることができる。
フッ素化合物処理粉体において、前記処理剤を前記粉体に処理する方法は通常公知の方
法が用いられ、特に限定されるものではないが、例えば、溶媒を使用する湿式法、気相法
、メカノケミカル法等が挙げられる。また、フッ素化合物処理粉体における前記処理剤と
前記粉体との処理比は、質量比として、0.1〜10:99.9〜90が好ましい。
本発明の粉末組成物における、20℃で固形を呈する油粒子とフッ素化合物処理粉体の比率は、質量比で2:8〜8:2が好ましい。フッ素化合物処理粉体をこの範囲で含有すると、前記油粒子をより効果的に被覆することができる。更に、フッ素化合物処理粉体の表面積が、油粒子の表面積と等量又は大きいことが好ましい。
本発明の粉末組成物において、油粒子の表面にフッ素化合物を被覆する製造方法は、特
に限定されないが、例えば、油を凍結粉砕し、直ちにフッ素化合物処理粉体と混合す方法
、油を溶媒に溶解し、その溶液を噴霧乾燥し、フッ素化合物処理粉体と混合する方法、フ
ッ素化合物処理粉体を攪拌しながら、加熱溶融した油を噴霧して混合する方法等が挙げら
れる。
本発明の粉末状組成物は、そのまま粉末状化粧料として用いることもできるが、本発明
の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に配合される成分として、フッ素化合物処理粉体
以外の粉体、多価アルコール、界面活性剤、保湿成分、水溶性高分子、酸化防止剤、防腐
剤、薬剤、香料等を添加、混合して粉末化粧料とすることも可能である。
本発明の粉末状化粧料における、前記粉末組成物の配合量は、50〜100%が好ましい。粉末組成物をこの範囲で配合すると、塗擦時により均一に液化し、滑らかでしっとりとした使用感がより良好で、耐衝撃性に優れた粉末状化粧料を得ることができる。
本発明の粉末状化粧料は、アイカラー、ファンデーション、頬紅、白粉、毛穴隠し、下
地、口紅等のメーキャップ化粧料、クレンジング、乳液、クリーム、ボディパウダー等の
スキンケア化粧料、日焼け止め化粧料等へ適用可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定
するものではない。
実施例1:粉末組成物
予め、ステアリルジメチコン(注1)を液体窒素で−120℃に冷却し、粉砕機(ピンミル)を用い、液体窒素で冷却しながら、平均粒径が250〜350μmになるまで粉砕し油粒子を得る。次いで、前記油粒子50質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、フッ素化合物処理酸化チタン(注2)10質量部、フッ素化合物処理微粒子酸化チタン(注2)2質量部、フッ素化合物処理タルク(注2)30質量部、フッ素化合物処理酸化鉄(注2)3質量部とを混合し、粉末組成物を得た。
※注1:SDM5055VP(融点30℃:旭化成ワッカーシリコーン社製)
※注2:パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩(アサヒガードAG
530:旭硝子社製)5%処理
実施例2:粉末組成物
予め、ステアリルジメチコン(注1)とスクワランを質量比7:3で混合し、加温溶解する。次に、この混合油を液体窒素で−120℃に冷却し、粉砕機(ピンミル)を用い、液体窒素で冷却しながら、平均粒径が250〜350μmになるまで粉砕し油粒子を得る。次いで、前記油粒子20質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、フッ素化合物処理酸化チタン(注2)10質量部、フッ素化合物処理微粒子酸化チタン(注2)2質量部、フッ素化合物処理タルク(注2)60質量部、フッ素化合物処理酸化鉄(注2)3質量部とを混合し、粉末組成物を得た。
実施例3:粉末組成物
予め、ステアリルジメチコン(注1)とオクチルメトキシケイ皮酸を質量比10:1で混合し、加温溶解する。次に、この混合油を液体窒素で−120℃に冷却し、粉砕機(ピンミル)を用い、液体窒素で冷却しながら、平均粒径が500〜600μmになるまで粉砕し油粒子を得る。次いで、前記油粒子80質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、フッ素化合物処理酸化チタン(注2)10質量部、フッ素化合物処理微粒子酸化チタン(注2)2質量部、フッ素化合物処理酸化鉄(注2)3質量部とを混合し、粉末組成物を得た。
実施例4:粉末組成物
予め、カカオバター(注3)とジメチルポリシロキサンを質量比3:1で混合し、加温溶解する。液体窒素で−120℃に冷却し、粉砕機(ピンミル)を用い、液体窒素で冷却しながら、平均粒径が150〜250μmになるまで粉砕し油粒子を得る。次いで、前記油粒子35質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、フッ素化合物処理酸化チタン(注2)10質量部、フッ素化合物処理微粒子酸化チタン(注2)2質量部、フッ素化合物処理タルク(注2)30質量部、フッ素化合物処理酸化鉄(注2)3質量部とを混合し、粉末組成物を得た。
※注3:脱臭カカオバターCOB(旭電化工業株式会社製)
実施例5:粉末組成物
予め、グリセリン脂肪酸エステル(注4)とスクワランを質量比6:4で混合し、加温溶解する。液体窒素で−120℃に冷却し、粉砕機(ピンミル)を用い、液体窒素で冷却しながら、平均粒径が350〜450μmになるまで粉砕し油粒子を得る。次いで、前記油粒子50質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、フッ素化合物処理酸化チタン(注2)10質量部、フッ素化合物処理微粒子酸化チタン(注2)2質量部、フッ素化合物処理タルク(注2)30質量部、フッ素化合物処理酸化鉄(注2)3質量部とを混合し、粉末組成物を得た。
※注4:ファーマゾールB−115(融点33.5〜35.5℃:日本油脂社製)
比較例1:粉末組成物
予め、ステアリルジメチコン(注1)を液体窒素で−120℃に冷却し、粉砕機(ピン
ミル)を用い、液体窒素で冷却しながら、平均粒径が250〜350μmになるまで粉砕
し油粒子を得る。次いで、前記油粒子50質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)
にて、酸化チタン10質量部、微粒子酸化チタン2質量部、タルク30質量部、酸化鉄3
質量部とを混合し、粉末組成物を得た。
比較例2:粉末組成物
予め、セチルジメチコン(注5)を液体窒素で−180℃に冷却し、粉砕機(ピンミル)を用い、液体窒素で冷却しながら粉砕し、次いで、前記油粒子50質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、フッ素化合物処理酸化チタン(注2)10質量部、フッ素化合物処理微粒子酸化チタン(注2)2質量部、フッ素化合物処理タルク(注2)30質量部、フッ素化合物処理酸化鉄(注2)3質量部とを混合し、粉末組成物を得た。
※注5:ABILWAX 9840(融点10℃以下:ゴールドシュミット社製)
実施例6:粉末状ファンデーション
実施例1で得られた粉末組成物95質量部、ポリメチルメタクリル酸(注6)5質量部
を添加し、均一分散して、粉末状ファンデーションを得た。
※注6:マツモトマイクロスフェアM305(松本油脂製薬社製)
実施例7:粉末状ファンデーション
実施例2で得られた粉末組成物95質量部、ポリメチルメタクリル酸(注6)5質量部
と混合し、均一分散して、粉末状ファンデーションを得た。
実施例8:粉末状ファンデーション
実施例3で得られた粉末状組成物95質量部、ポリメチルメタクリル酸(注6)5質量
部と混合し、均一分散して、粉末状ファンデーションを得た。
実施例9:粉末状ファンデーション
実施例4で得られた粉末組成物80質量部、シリコーン粉末(注7)20質量部と混合
し、均一分散して、粉末状ファンデーションを得た。
※注7:KSP−100(信越化学工業社製)
実施例10:粉末状ファンデーション
実施例5で得られた粉末組成物95質量部、ポリメチルメタクリル酸(注6)5質量部
を添加し、均一分散して、粉末状ファンデーションを得た。
比較例3:粉末状ファンデーション
比較例1で得られた粉末組成物5質量部、ポリメチルメタクリル酸(注6)5質量部を
添加し、均一分散して、粉末状ファンデーションを得た。
比較例4:粉末状ファンデーション
比較例2で得られた粉末組成物5質量部、ポリメチルメタクリル酸(注6)5質量部を
添加し、均一分散して、粉末状ファンデーションを得た。
前記実施例6〜10及び比較例3〜4の粉末状ファンデーションについて、(イ)塗擦
時の液状化状態、(ロ)滑らかな使用感、(ハ)しっとりとした使用感、(ニ)化粧膜の
均一性、(ホ)メーキャップ効果の持続性、(ヘ)耐衝撃性について、下記評価方法及び
判定基準により評価、判定し、結果を表1に示した。
〔評価方法<1>:項目(イ)〜(ホ)〕
化粧品評価専門パネル20名に、前記実施例及び比較例の粉末状ファンデーションを使
用してもらい、(イ)塗擦時の液状化状態、(ロ)滑らかな使用感、(ハ)しっとりとし
た使用感、(ニ)化粧膜の均一性、(ホ)メーキャップ効果の持続性について、各自が以
下の評価基準に従って5段階評価し液状洗顔料毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平
均点を以下の判定基準に従って判定した。尚、(ホ)については、ファンデーション塗布
し、通常生活を6時間した後に評価してもらった。
評価基準:
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
〔評価方法<2>:項目(ヘ)〕
前記実施例及び比較例の粉末状ファンデーションを容量30mlで高さ5cmの円柱状
の蓋付き容器に、10g入れて蓋をする。これを70cmの高さから、タイル上に1回落
下させ、その時の粉末の状態変化を目視観察し、以下の基準により判定した。
判定基準:
[観察結果] :[判 定]
変化無し : ◎
極僅かな凝集があるが、全体として流動性がある : ○
粉体の凝集があり、全体として流動性が失われている : △
粉体の大部分が凝集していて、全体として流動性がない : ×
表1の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例6〜10の粉末状ファン
デーションは、(イ)塗擦時の液状化状態、(ロ)滑らかな使用感、(ハ)しっとりとし
た使用感、(ニ)化粧膜の均一性、(ホ)メーキャップ効果の持続性、(ヘ)耐衝撃性の
全ての項目に優れた粉末状化粧料であった。一方、成分(b)の代わりに未処理粉体を用
いた比較例3の粉末状ファンデーションは、成分(a)の油粒子が成分(b)により、被
覆されていないため、塗擦時の液状化状態と耐衝撃性が劣っていた。また、成分(a)の
油粒子が20℃で固形を呈さない比較例4の粉末状ファンデーションは、塗擦時の液化状
態は良好であったが、メーキャップ効果の持続性と耐衝撃性が劣っていた。
実施例11:粉末状アイカラー
予め、ステアリルジメチコン(注8)と部分架橋型オルガノポリシロキサン(注9)を
質量比40:1で溶解混合後、−60℃に冷却し、粉砕機(ジェットマイザー)を用い、
冷却しながら、平均粒径が200〜300μmになるまで粉砕し油粒子を得る。次いで、
前記油粒子41質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、フッ素化合物処理雲
母(注2)27.9質量部、フッ素化合物処理ガラスパール(注2)30質量部、グリセ
リン 1質量部、パラオキシ安息香酸メチル 0.1質量部と混合し、均一分散して、粉
末状アイカラーを得た。
※注8:DC2503(融点32℃:東レ・ダウコーニングシリコーン社製)
※注9:KSG−43(信越化学工業社製)
本発明の実施品である実施例11の粉末状アイカラーは、(イ)塗擦時の液状化状態、
(ロ)滑らかな使用感、(ハ)しっとりとした使用感、(ニ)化粧膜の均一性、(ホ)メ
ーキャップ効果の持続性、(ヘ)耐衝撃性の全ての項目に優れた粉末状化粧料であった。
実施例12:粉末状リップクリーム
予め、トリイソオクタン酸グリセリルとC24−28のアルキルジメチコン(注10)
を質量比で9:1の割合で混合しイソプロピルアルコール中に加温溶解し、フッ素樹脂シ
ート表面に噴霧乾燥し、平均粒径が500〜700μmになるまで分級し油粒子を得る。
次いで、前記油粒子65質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて、フッ素化合
物処理ポリメチルメタクリル酸(注2)25質量部、フッ素化合物処理タルク(注2)9
.85質量部、酸化亜鉛 0.05質量部、パラオキシ安息香酸メチル 0.1質量部と
混合し、均一分散して、粉末状リップクリームを得た。
※注10:ABILWAX9810P(ゴールドシュミット社製)
本発明の実施品である実施例12の粉末状リップクリームは、(イ)塗擦時の液状化状
態、(ロ)滑らかな使用感、(ハ)しっとりとした使用感、(ニ)化粧膜の均一性、(ホ
)メーキャップ効果の持続性、(ヘ)耐衝撃性の全ての項目に優れた粉末状化粧料であっ
た。
本発明の粉末組成物は、化粧料用原料として利用可能である。
以 上

Claims (5)

  1. アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれ、且つ20℃で固形を呈し、肌上で溶融、液化する油からなる、平均粒径10〜1000μmの油粒子と、フッ素化合物処理粉体とを、質量比で2:8〜8:2の割合で混合してなり、上記油粒子の表面が上記フッ素化合物処理粉体で被覆されている粉末組成物。
  2. 油が、オレイル基とステアリル基を有するカカオ脂、アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサンから選ばれた、分子中に結晶部分と非結晶部分が共存する油である請求項1記載の粉末組成物。
  3. 油粒子が、融点15〜40℃のシリコーンワックスを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の粉末組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の粉末組成物を配合してなる粉末状化粧料。
  5. メーキャップ化粧料である請求項記載の粉末状化粧料。
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