JP2003081733A - 粉末状組成物 - Google Patents

粉末状組成物

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JP2003081733A JP2002078689A JP2002078689A JP2003081733A JP 2003081733 A JP2003081733 A JP 2003081733A JP 2002078689 A JP2002078689 A JP 2002078689A JP 2002078689 A JP2002078689 A JP 2002078689A JP 2003081733 A JP2003081733 A JP 2003081733A
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文昭 松崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用時に塗擦すると液化して油分がしみだ
し、べたつき感がなくきわめて良好な使用感および皮膚
のかさつきを抑制することができるとともに、しかも油
分リッチな製剤でありながら容器へ付着しない優れた粉
末状組成物(粉末状化粧料、粉末状絵具、等)を提供す
る。 【解決手段】 (a)フッ素処理粉末と(b)表面張力
値(平均)2.0×10 -2N/m以上の油性成分を含有
し、かつ実質的に水を含まない、塗擦により液化する粉
末状組成物。(a)成分として金属処理した後にフッ素
処理した粉末を用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油滴状の油性成分
の表面をフッ素処理粉末で均一被覆した、粉末状形態で
ありながら使用時に塗擦すると液化するようなされてい
る粉末状組成物(ドライオイル)に関する。この粉末状
組成物は、化粧品分野では粉末状化粧料として用いら
れ、また、インク・印刷業界では粉末状油性絵具等とし
て用いられる。特に粉末状化粧料としては、べたつき感
がなく、皮膚のかさつきを抑制することができ、しかも
油分リッチな製剤でありながら容器へ油分や汚れ等の付
着を有効に防止し得る、新しいタイプの粉末状化粧料の
分野に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、化粧品業界においては、消費者の
安心安全嗜好が高まり、防腐剤などの添加物を含まない
化粧料が人気を集めている。それらの化粧品の1つとし
て、例えばバージンオリーブオイルやラベンダー油な
ど、油分そのものを直接肌に塗布するような製品も上市
されている。このような製品は、皮膚のかさつきを抑え
る効果が高い反面、通常べたつきやぬるつきが感じら
れ、使用感触の良好な製剤とはいえない。またこういっ
た油分リッチな製剤を収容した容器は、使用するうちに
容器外側に油分が付着し、それに伴い容器への汚れの付
着度合いが著しいという不具合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、防腐剤などの添加物を含む必要が
なく、油分リッチで肌のかさつきを抑える効果が高い製
剤でありながら、肌に塗布する際、べたつきのない使用
性に優れた化粧料であり、かつ、長期間連用しても収容
容器に油分が付着せず使い勝手が良好な粉末状化粧料等
に好適に適用される粉末状組成物を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(a)フッ素処理粉末と(b)表面張力値(平均)2.
0×10-2N/m以上の油性成分を含有し、かつ実質的
に水を含まない、塗擦により液化する粉末状組成物に関
する。
【0005】また本発明は、(a)成分が、粘土鉱物表
面をフッ素処理したフッ素処理粉末である、上記粉末状
組成物に関する。
【0006】また本発明は、(a)成分が、粘土鉱物表
面を金属水酸化物または金属塩の水和物、一部脱水物お
よび無水物の中から選ばれる少なくとも1種のゲルで表
面処理した後に、フッ素処理したフッ素処理粉末であ
る、上記粉末状化粧料に関する。
【0007】また本発明は、粘土鉱物がタルク、カオリ
ン、無水ケイ酸、サポナイト、セリサイト、マイカ、窒
化ホウ素の中から選ばれる1種または2種以上である、
上記粉末状組成物に関する。
【0008】また本発明は、(a)成分:(b)成分=
1:9〜4:1(質量比)である、上記粉末状組成物に
関する。
【0009】また本発明は、粉末状化粧料である、上記
粉末状組成物に関する。
【0010】また本発明は、粉末状絵具である、上記粉
末状組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0012】本発明に用いられる(a)成分としてのフ
ッ素処理粉末は、粉末表面にフッ素基を付与して撥水性
・撥油性をもたせるようにしたものや、粉末自身がフッ
素基を有して撥水性・撥油性をもつものなどを広く包含
する。具体的には、(i)フッ素基を有する分子で粉末
表面の一部〜全部を処理した処理粉末、(ii)フッ素基
を含む高分子粉末、等が例示されるが、これら例示に限
定されるものでない。
【0013】上記(i)において、フッ素基を有する分子
としては、特に限定されるものでないが、例えば、下記
一般式(I)で表されるペルフルオロアルキルリン酸エ
ステル・ジエタノールアミン塩、下記一般式(II)表さ
れるペルフルオロアルキルシラン、下記一般式(III)
で表されるペルフルオロアルキルエチルアクリレート等
のフッ素化合物が挙げられる。
【0014】
【化1】
【0015】(式中nは5〜20の整数を示し、mは1
または2を示す)
【0016】
【化2】
【0017】(式中aは1〜12の整数を示し、bは1
〜5の整数を示し、Xはハロゲン原子、アルキル基また
はアルコキシ基を示す)
【0018】
【化3】
【0019】(式中cは1〜12の整数を示し、dは5
〜20の整数を示し、Yはポリエチレングリコールやシ
リコーン鎖、アクリル基等を含むアルキル共重合体を示
す) また、ペルフルオロポリエーテルジアルキルリン酸およ
びその塩、ペルフルオロポリエーテルジルキル硫酸塩お
よびその塩、ペルフルオロポリエーテルジアルキルカル
ボン酸およびその塩等に代表されるペルフルオロポリエ
ーテル基を有するフッ素化合物も用いることができる。
ここで「ペルフルオロポリエーテル基」とは、ペルフル
オロアルキレンまたはペルフルオロアルキルと結合して
いる酸素原子が少なくとも2以上有する基を意味し、分
子量が300〜7000程度のものが撥油性・撥水性の
点から好ましい。
【0020】フッ素化処理の方法は、特に限定されるも
のでないが、例えば次のような方法が挙げられる。すな
わち、被処理粉末の水分散液に、フッ素化合物水溶液を
徐々に添加した後、塩酸水溶液を加えて酸性に調整し、
2時間程度熟成した後、濾過、乾燥、粉砕して、フッ素
処理粉末を得る。
【0021】なお、粉末表面にフッ素基を付与して撥水
性・撥油性をもたせるよう表面処理がされていれば、本
発明効果を損わない範囲において、その他の非フッ素
基、例えばアルキル基やシリコーン基、親水基をさらに
付加するような処理が施されていてもよい。
【0022】本発明では、上記フッ素処理を施す前に、
金属水酸化物または金属塩の水和物、一部脱水物および
無水物の中から選ばれる少なくとも1種のゲルで粉末表
面に処理を施しておいてもよい。このように金属処理し
た後に、フッ素処理することにより、フッ素化合物の被
覆形成を安定に、効率よく進行させ、撥水性・撥油性に
より優れたフッ素処理粉末を製造することができる。ま
た、金属処理後フッ素化処理した粉末を用いた場合、衝
撃安定性(耐衝撃性)が著しく高められる。また肌など
への密着性向上効果にも優れる。
【0023】上記金属水酸化物または金属塩は、マグネ
シウム、アルミニウム、ケイ素、チタン、亜鉛、ジルコ
ニウム、バリウムの中から選ばれる1種または2種以上
の金属の水酸化物または塩が好ましい。
【0024】粉末表面への金属処理は、例えば、粉末に
水を加えてスラリー状とし、ここに、上記各金属のイオ
ン性の強い水溶性化合物、例えば塩化アルミニウム、ア
ルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、ケイ酸ナトリ
ウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化バリ
ウム、塩化ジルコニウム、四塩化チタン、水溶性有機チ
タン、硫酸チタニル、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等の水溶液を
添加し、粉末表面にこれらの化合物を吸着させておく。
次いで酸またはアルカリ溶液を加えて、粉末表面に吸着
しているこれらの化合物を加水分解あるいは置換反応を
起こさせ、上記金属水酸化物または金属塩の水和物、一
部脱水物、無水物を生成させる。
【0025】次いで、上記の、表面を金属処理した粉末
に、フッ素化合物に水を加えてエマルジョン状態にした
ものを徐々に加え、酸または高温静置によってエマルジ
ョンを破壊することにより、上記金属水酸化物または金
属塩の水和物、一部脱水物、無水物によって被覆された
粉末をさらにフッ素化合物で被覆することができる。
【0026】粉末を被覆する上記金属水酸化物または金
属塩の水和物、一部脱水物、無水物は少ないほど好まし
く、粉末に対してこれらを生成させる金属化合物量とし
て1〜30質量%が好ましい。1質量%未満では金属処
理による効果を十分に奏することが難しく、一方、30
質量%超では嵩高くなり粉末本来の機能が阻害される傾
向がみられる。
【0027】フッ素処理に用いられるフッ素化合物もま
た粉末に対して1〜30質量%が好ましい。1質量%未
満ではフッ素化合物の被覆形成が不十分で撥水性・撥油
性を発現させるのが難しく、一方、30質量%超では嵩
高くなり粉末本来の機能が阻害される傾向がみられる。
【0028】被処理粉末としては、特に限定されるもの
でなく、種々の無機粉末や、ナイロン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、シリコーン等のプラスチック粉末等、
任意に用いることができる。中でも、特に粉末状化粧料
としては、使用性の向上(きしみ感のなさ、皮膚のかさ
つきのなさ、等)の点から、粘土鉱物粉末が好ましく用
いられる。粘土鉱物粉末は天然、合成のいずれのものも
任意に用いることができる。粘土鉱物粉末としては、タ
ルク(含水ケイ酸マグネシウム;3MgO・4SiO 2・H
2O)、カオリン(含水ケイ酸アルミニウム;Al2O3・2S
iO2・2H2O)、無水ケイ酸(SiO2)、サポナイト(含水
ケイ酸アルミニウムマグネシウム;SiO2,Al2O3,MgO、水
の混合物)、セリサイト(微結晶含水ケイ酸アルミニウ
ムカリウム;K2O・3Al2O3・6SiO2、2H2O)、マイカ
(含水ケイ酸アルミニウムカリウム;KAl2・AlSi3O
10(OH)2)、窒化ホウ素(BN)等が好ましく用いられ
る。これら粘土鉱物を用いることにより、粉末状形態を
維持しつつ、後述する(b)成分をより高配合すること
ができ、使用性(きしみ感のなさ、皮膚のかさつきのな
さ、等)のより一層の向上を図ることができる。
【0029】なお、被処理粉末成分として、例えば、粘
土鉱物を酸化チタン等でコーティングした酸化チタンセ
リサイト等に例示される複合顔料も用いることができ
る。
【0030】被処理粉末の形状については、特に限定さ
れるものでなく、板状、球状、多孔質状等、任意の形状
のものを用いることができる。中でも、少ない粉末量で
油分を効率よく粉末状化することができるという点から
板状のものが好ましく用いられる。
【0031】また、上記(ii)に示す粉末自体がフッ素
基を含有する高分子粉末としては、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン粉末等が挙げられる。
【0032】なお、本発明粉末状組成物には、上記
(a)成分に加えて、本発明の効果を損わない範囲にお
いて、粉末成分として、フッ素処理を施していない粉末
や、薬剤等を粉末のまま配合してもよい。
【0033】(b)成分は、1種または2種以上の油性
成分からなるが、その表面張力値(平均)は2.0×1
-2N/m以上(対大気)であり、好ましくは2.1×
10 -2N/m以上である。(b)成分の表面張力値(平
均)が2.0×10-2N/m未満では、(b)成分が粉
末に容易に濡れるために、(b)成分を良好な粉末状形
態とすることができない。
【0034】なお、「(b)成分の表面張力値(平
均)」とは、液状をなす(b)成分全体としての表面張
力値をいう。(b)成分全体としての表面張力値が上記
範囲を満足する限りにおいて、(b)成分の構成成分と
しての各油性成分が表面張力値2.0×10-2N/m未
満のものであっても用いることができる。したがって
(b)成分には、固形、半固形、液状等、任意の性状の
油性成分を含み得る。また(b)成分は均一溶解系のみ
ならず、油分中に油分が分散する分散系も含む。
【0035】(b)成分としては、好ましくは、例えば
流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタ
ン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン等の
炭化水素油、液状ラノリン、ミリスチン酸イソプロピ
ル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、
ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイ
ン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸
セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸
イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−ヒド
ロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキ
シル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂
肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリ
コール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ
酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グ
リセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロール
プロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパ
ン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトー
ル、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソ
ステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エ
チルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテー
ト、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチル
ウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエス
テル、オレイン酸、アセトグリセライド、パルミチン酸
−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピ
ル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチル
ドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデ
シル、エチルラウレート、セパチン酸ジ−2−エチルヘ
キシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチ
ン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシル
デシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エ
チルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、
クエン酸トリエチル等の極性油分や、ステアリルアルコ
ール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、セト
ステアリルアルコール等の高級アルコール類、ホホバオ
イル、オリーブオイル、ナッツ油、ベニバナ油、大豆油
等の植物油等が挙げられる。これらの中でも、特に好ま
しくは、表面張力値が比較的大きい流動パラフィンや、
ホホバ油等の植物性油分である。
【0036】表面張力値の小さいジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチル
シクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロ
キサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状
シリコーン等のシリコーン油や、「フォンブリン」シリ
ーズ(AUSIMONT社製)に代表される炭化フッ素油も、
(b)成分全体としての表面張力値(平均)が2.0×
10-2N/m以上となる範囲において、少量であれば用
いることができる。これら表面張力値の小さいシリコー
ン油や炭化フッ素油を大量に配合した場合、表面張力値
が小さくなりすぎ、油性成分を十分に粉末状化できない
ことがある。表面張力値の測定はペンダントドロップ法
など公知の方法により行うことができる。
【0037】また、パーム硬化油、硬化ヒマシ油、ワセ
リン等の半固形状の油性成分や、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、カルナバロウ、キャン
デリアロウなどの固形油分も、(b)成分全体としての
表面張力値が上記範囲を満足する範囲において用いるこ
とができる。
【0038】特に粉末状化粧料の場合、(b)成分は、
肌上で溶解するように、融点が37℃程度以下の油性成
分が好ましいが、少量であればワックスやロウなどの固
形油分を配合することもできる。
【0039】なお、本発明効果を損わない範囲内で、ビ
タミンA等の油溶性ビタミンおよびその誘導体、ステロ
ール類、天然および合成の香料、紫外線吸収剤や水に難
溶性の物質を油性成分中に配合してもよい。
【0040】本発明において、(a)成分の配合量は、
組成物全量中に10〜80質量%程度が好ましく、特に
は20〜70質量%程度である。配合量が少なすぎると
(b)成分である油性成分を十分に粉末状化することが
できず、意図する粉末状形態を得ることができなくなる
おそれがあり、一方、配合量が多すぎると、使用時塗擦
しても液化が困難となり、官能上好ましくない。
【0041】また、(a)成分以外の粉末成分を含む場
合、全粉末成分に対する(a)成分の配合割合は50〜
100質量%が好ましい。
【0042】(b)成分の配合量は、本発明組成物に含
まれる他の必須成分、任意添加成分の総配合量の残量分
配合することができるが、本発明では、20〜90質量
%が好ましい。(b)成分の配合量が少なすぎると塗擦
したときに液化が困難で官能上好ましくなく、一方、配
合量が多すぎると粉末状化が難しくなる。本発明では特
に、(a)成分の粉末成分として粘土鉱物を用いた場
合、粉末状形態を維持しつつ、(b)成分をより高配合
することができ、特に粉末状化粧料の場合、きしみ感、
べたつき感、かさつき感を抑えた、優れた使用性を得る
ことができた。
【0043】本発明では、(a)成分:(b)成分=
1:9〜4:1(質量比)が好ましく、特には1:5〜
3:1である。
【0044】本発明の粉末状組成物には、特に粉末状化
粧料の場合、上記成分以外に、通常の化粧料に用いられ
る各種の任意成分、例えば、香料、各種粉末、油溶性薬
剤成分等を、本発明の効果を妨げない範囲で配合するこ
とができる。
【0045】本発明の粉末状組成物は、実質的に水を含
まず、特に粉末状化粧料として用いる場合、防腐剤等の
添加成分を配合しない製剤化が可能であり、近年の化粧
品業界における消費者の安心安全嗜好に対応した製品化
が可能である。
【0046】また本発明の粉末状組成物は、界面活性剤
を配合しない製剤化を行うことができる。ただし、粉末
状部分用メーク落しなど、化粧料の用途に応じて、界面
活性剤を適宜配合することも可能である。界面活性剤を
添加成分として配合した粉末状メーク落しは、メーク落
ち効果が高く、垂れ落ちることがなく使用勝手がよく、
また水での洗い流しも可能である。粉末状部分用メーク
落しに界面活性剤を用いる場合、界面活性剤の配合量は
(b)成分に対し0.1〜40質量%程度が好ましい。
界面活性剤を配合する場合、(b)成分中に他の油分と
ともに配合するのが好ましい。界面活性剤としてはノニ
オン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界
面活性剤のいずれも配合可能である。界面活性剤の種類
としては親水性、親油性のいずれでもかまわない。油相
に溶解しない性質の界面活性剤をエマルジョンや固形粉
末の形で油相中に分散し、配合することも可能である。
【0047】本発明の粉末状組成物は、(b)成分の周
囲に(a)成分が吸着し、(a)成分により(b)成分
を粉末状化したものであり、塗擦により力を加えると、
この吸着状態が破壊され、粉末状化されていた(b)成
分がにじみ出て液化するとともに(b)成分の使用感触
および有効性が発揮されるものである。
【0048】本発明の粉末状組成物は、(b)成分の周
囲に(a)成分が吸着し、(a)成分により(b)成分
を粉末状化するものであれば、特にその製造方法は限定
されるものでない。例えば(b)成分、あるいはここに
さらに任意添加成分を溶解したものに(a)成分を添
加、混合する、等の製造方法が挙げられるが、これら例
示に限定されるものではない。
【0049】なお、本発明組成物を粉末状絵具に適用し
た場合、例えば、油性成分として油性染料を用い、これ
をフッ素処理粉末で均一に被覆することによって、該粉
末状形態の絵具を筆などで壁、紙等に塗擦するだけで簡
便にペイントすることができる等の利点がある。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお、配合量はすべて質量%で示す。
【0051】実施例に先立ち、本発明で用いた試験法お
よび評価法を説明する。
【0052】[使用性(きしみ感のなさ)]各実施例
品、比較例品の使用性(きしみ感のなさ)をパネル(5
0名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価
した。 (判定基準) 著効: きしまない 有効: わずかにきしむが、使用上問題のない程度であ
る やや有効: ややきしむ 無効: 著しくきしむ (評価) ◎: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が80%以上 ○: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が50%以上80%未満 △: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が30%以上50%未満 ×: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が30%未満
【0053】[使用性(べたつき感のなさ)]各実施例
品、比較例品の使用性(べたつき感のなさ)をパネル
(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、
評価した。 (判定基準) 著効: べたつかない 有効: わずかにべたつくが、使用上問題のない程度で
ある やや有効: ややべたつく 無効: 著しくべたつく (評価) ◎: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が80%以上 ○: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が50%以上80%未満 △: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が30%以上50%未満 ×: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が30%未満
【0054】[かさつき抑制効果]各実施例品、比較例
品のかさつき抑制効果をパネル(50名)の実使用試験
によって下記基準により判定、評価した。 (判定基準) 著効: 非常にかさつきが抑制された 有効: ややかさつきが抑制された やや有効: ややかさつきが抑制されたがあまり変化な
い 無効: かさつきが悪化した (評価) ◎: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が80%以上 ○: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が50%以上80%未満 △: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が30%以上50%未満 ×: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が30%未満
【0055】[容器への汚れ付着抑制効果]各実施例
品、比較例品について、1ヶ月間使用した際の容器への
汚れ付着度を、パネル(50名)の実使用試験によって
下記基準により判定、評価した。 (判定基準) 著効: 容器に油などの汚れは付着しなかった 有効: やや汚れが付着したが、使用上問題のない程度
である やや有効: やや汚れた 無効: 著しく汚れた (評価) ◎: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が80%以上 ○: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が50%以上80%未満 △: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が30%以上50%未満 ×: 著効、有効、およびやや有効の評価をした被験者
が30%未満
【0056】[油性成分の表面張力値]ペンダントドロ
ップ法にて測定した。
【0057】[衝撃安定性(耐衝撃性)]ガラス製20
mlサンプル管に、各実施例品を口元まで充填し、70
cmの高さからゴム板の上に10回落下させた後、中味
の状態を目視で観察し、下記基準により評価した。 (評価) ◎: 変化なし(粉末形状を保っていた) ○: 一部ペースト状物質が管内に付着していたが全体
として問題なし △: ペースト状物質の付着が目立つ ×: 全体がペースト状になっていた
【0058】(実施例1、比較例1、2)下記表1に示
す組成で粉末状化粧料を調製した。上記試験方法によ
り、実施例1、比較例1、2の使用性(きしみ感のな
さ、べたつき感のなさ)、かさつき抑制効果、容器への
汚れ付着抑制効果を評価した。なお、表1中、フッ素処
理タルク(*)は、「PF−5 JA46R」(大東化成
工業(株)製)を用いた。またペルフルオロポリメチル
イソプロピルエーテル(**)は「フォンブリンHC/O
4」(AUSIMONT社製)を用いた。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】(製法)(3)〜(9)を混合、溶解した
油相を(1)の粉末に加え、混合、撹拌し、容器に充填
した。なお、実施例1の(b)成分の表面張力値は2.
7×10-2N/mであった。
【0061】表1の結果より明らかなように、実施例1
の粉末状化粧料は、かさつき抑制効果があり、かつ、き
しみ感、べたつき感がなく、きわめて良好な使用性を示
し、また容器への汚れもみられなかった。
【0062】(実施例2、比較例3)下記表2に示す組
成を用いて、粉末状化の可否について目視により評価し
た。なお、表2中、フッ素処理セリサイト(*)は、ペル
フルオロアルキルリン酸エステルと、ブチルアクリレー
ト/ペルフルオロアルキルエチルアクリレート/メルカ
プトプロピルジメチコンコポリマーと、ペルフルオロア
ルキルエチルアクリレート/HEMAコポリマーをセリ
サイト表面に処理した、「NFPセリサイト」(ダイキ
ン工業(株)製)を用いた。また、ジメチルシリコン
(**)は「シリコンKF96A−6」(東レシリコーン
(株)製)を用いた。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】(製法)(2)〜(6)を混合、溶解し、
これを(1)に加え、混合、撹拌し、容器に充填した。
【0065】表2の結果より明らかなように、比較例3
では油分の表面張力値が低く、粉末状化できなかった。
【0066】(実施例3、比較例4)下記表3に示す組
成を用いて、粉末状化の可否について目視により評価し
た。なお、表3中、フッ素処理酸化チタン(*)は、ペル
フルオロアルキルリン酸エステルとアクリレート/ジメ
チコンコポリマーを酸化チタン表面に処理した「FSA
−52 チタン CR−50」(大東化成工業(株)
製)を用いた。また、ジメチルシリコーンオイル処理無
水ケイ酸(**)は「アエロジルR202」(日本アエロジ
ル(株)製;表面積100m2/g)を用いた。結果を
表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】(製法)(3)〜(5)を均一混合した。
次いで、これを(1)または(2)に混合、攪拌し、容
器に充填した。
【0069】表3の結果より明らかなように、比較例4
のように、フッ素処理していない粉末は、油分を粉末状
化できなかった。また、油分の表面張力にあまり影響し
ない範囲で、油分に溶解する保湿剤等の成分を加えるこ
ともできる。なお、実施例3の(b)成分の表面張力値
は3.3×10-2N/mであった。
【0070】(実施例4、5)下記表4に示す組成で粉
末状化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例
4、5の使用性(きしみ感のなさ)、使用性(べたつき
感のなさ)、かさつき抑制効果、容器への汚れ付着抑制
効果を評価した。なお、表4中、フッ素処理タルク(*)
は「ノバテック NFP タルク」(ダイキン工業(株)
製)を、フッ素処理マイカ(**)は「PF−5マイカ M
JV」(大東化成工業(株)製)を、それぞれ用いた。
結果を表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】(製法)(3)〜(5)を混合、溶解し、
これを(1)〜(2)に加え、混合、撹拌し、容器に充
填した。
【0073】表4の結果より明らかなように、フッ素処
理した粘土鉱物粉末を用いた粉末状化粧料では、きしみ
感、べたつき感がなく、かさつき抑制効果に優れ、か
つ、容器への汚れ付着抑制効果にも優れていた。また、
油性成分を高配合することができた。
【0074】(実施例6)下記表5に示す組成で粉末状
組成物を調製した。上記試験方法により、実施例6の使
用性(べたつき感のなさ)、容器への汚れ付着抑制効果
を評価した。なお、表5中、フッ素処理微粒子酸化チタ
(*)は「ノバテック NFP TiO2」(ダイキン工業
(株)製)を用いた。結果を表5に示す。
【0075】
【表5】
【0076】(製法)(2)〜(3)を混合、溶解し、
これを(1)に加え、混合、撹拌し、容器に充填した。
【0077】表5に示すように、被処理粉末成分として
非粘土鉱物を用いた場合、べたつき感のなさ、容器への
汚れ付着抑制効果を得ることができたが、油性成分の配
合量は、被処理粉末成分として粘土鉱物を用いた場合ほ
ど高配合できなかった。
【0078】 (実施例7: 保湿パウダー) (配 合 成 分) (質量%) フッ素処理セリサイト 36.5 (「PF-5 エイトハ゜ール300S-Al」;大東化成工業(株)製) ビーズワックス 0.5 ワセリン 1 スクワラン 40 テトラオクタン酸ペンタエリスリチル 22 (評価)上記組成の保湿パウダーを調製した。該パウダ
ーの油性成分の表面張力値は2.6×10-2N/mであ
った。該パウダーを用いて、上記試験試験方法により、
使用性(きしみ感のなさ)、使用性(べたつき感のな
さ)、かさつき抑制効果、容器への汚れ付着抑制効果を
評価したところ、使用性(きしみ感のなさ):◎、使用
性(べたつき感のなさ):◎、かさつき抑制効果:◎、
容器への汚れ付着抑制効果:◎であった。
【0079】 (実施例8: 化粧下地) (配 合 成 分) (質量%) フッ素処理セリサイト 37 (「PF-5 エイトハ゜ール300S-Al」;大東化成工業(株)製) 花びら状酸化亜鉛 3 流動パラフィン 59 オクチルメトキシシンナメート 1 (評価)上記組成の化粧下地を調製した。該化粧下地の
油性成分の表面張力値は3.0×10-2N/mであっ
た。該化粧下地を用いて、上記試験試験方法により、使
用性(きしみ感のなさ)、使用性(べたつき感のな
さ)、かさつき抑制効果、容器への汚れ付着抑制効果を
評価したところ、使用性(きしみ感のなさ):◎、使用
性(べたつき感のなさ):◎、かさつき抑制効果:◎、
容器への汚れ付着抑制効果:◎であった。
【0080】(実施例9)下記表6に示すフッ素処理粉
末、金属処理・フッ素処理粉末を用いて、下記方法によ
り撥油性、最大配合油分量を測定した。
【0081】[撥油性]各粉末をペレット状にし、その
上から流動パラフィンを滴下した際の接触角を測定し
た。接触角が大きいほど撥油性に優れる。
【0082】[最大配合油性成分量]各粉末1gに対し
て、粉末状形態を維持し得る最大配合油性成分量(ここ
では流動パラフィンを使用)を測定した。
【0083】なお、表6中、フッ素処理タルク(*1)
「PF−5 タルクJA−46R」を、アルミナ処理フ
ッ素処理タルク(*2)は「PF−5 タルクJA−46R
−AL」を、フッ素処理セリサイト(*3)は「PF−5
セリサイトFSA」を、アルミナ処理フッ素処理セリサ
イト(*4)は「PF−5 エイトパール300S−AL」
を、それぞれ用いた。また、亜鉛処理フッ素化処理セリ
サイト(*5)、マグネシウム処理フッ素処理セリサイト
(*6)、バリウムフッ素処理セリサイト(*7)、ジルコニウ
ム処理フッ素処理セリサイト(*8)は、それぞれ、ZnS
4、MgCl2・6H2O、BaCl2・6H2O、Zr
OCl2・8H2Oを用いてセリサイト表面を金属処理し
た後に、フッ化処理を行った粉末を用いた。結果を表6
に示す。
【0084】
【表6】
【0085】表6の結果から明らかなように、金属処理
を施すことによって撥油性が顕著に向上し、また、粉末
に内包することができる油分量が大きく増加することが
わかる。
【0086】(実施例10〜13)下記表7に示す組成
で粉末状組成物を調製した。上記試験方法により、実施
例10〜13の使用性(きしみ感のなさ、べたつき感の
なさ)、かさつき抑制効果、耐衝撃性を評価した。な
お、表7中、フッ素処理セリサイト(*)は「PF−5セ
リサイトFSA」(大東化成工業(株)製)を、アルミ
ナ処理フッ素処理セリサイト(**)は「PF−5 エイト
パール 300S−AL」を、それぞれ用いた。結果を
表7に示す。
【0087】
【表7】
【0088】(製法)(3)〜(4)を混合、溶解し、
これを(1)または(2)に加え、混合、撹拌し、容器
に充填した。
【0089】表7から明らかなように、本発明粉末状組
成物は、使用性(きしみ感のなさ、べたつき感のな
さ)、かさつき抑制効果等とともに、優れた衝撃安定性
(耐衝撃性)効果を有する。特に金属処理を行ったフッ
素化処理粉末を用いると、内包油分量を多量配合した場
合であっても極めて優れた衝撃安定性が得られる。
【0090】 (実施例14:アイシャドウ) (配 合 成 分) (質量%) アルミナ処理フッ素処理セリサイト 10 (「PF-5 エイトハ゜ール300S-Al」;大東化成工業(株)製) アルミナ処理フッ素処理マイカ 30 フッ素処理タルク 5 フッ素処理ポリエチレン 3 フッ素処理酸化チタン 3 黄酸化鉄 0.8 ベンガラ 0.5 赤酸化鉄 0.7 パール剤 8 流動パラフィン 38 オクチルメトキシシンナメート 1 (評価)上記組成の化粧下地を調製した。該化粧下地の
油性成分の表面張力値は3.0×10-2N/mであっ
た。該化粧下地を用いて、上記試験試験方法により、使
用性(きしみ感のなさ)、使用性(べたつき感のな
さ)、かさつき抑制効果、容器への汚れ付着抑制効果、
衝撃安定性(耐衝撃性)を評価したところ、使用性(き
しみ感のなさ):○、使用性(べたつき感のなさ):
◎、かさつき抑制効果:○、容器への汚れ付着抑制効
果:◎、衝撃安定性(耐衝撃性):◎であった。さら
に、肌への密着力も優れていた。
【0091】 (実施例15:粉末状香水) (配 合 成 分) (質量%) アルミナ処理フッ素処理マイカ 30 アルミナ処理フッ素処理セリサイト 15 フッ素処理PMMA粉末 4 疎水化でんぷん 1 スクワラン 45 香料 5 (評価)上記組成の粉末状香水を調製した。該粉末状香
水の油性成分の表面張力値は2.5×10-2N/mであ
った。上記粉末状香水は、アルコールフリーでありなが
らべたつかず、かつ手に取ってピンポイントで香料を塗
布できる特徴を有していた。
【0092】 (実施例16:粉末状サンスクリーン) (配 合 成 分) (質量%) アルミナ処理フッ素処理酸化チタン 10 アルミナ処理フッ素処理マイカ 10 アルミナ処理フッ素処理セリサイト 20 フッ素処理酸化亜鉛 10 フッ素処理シリコーン樹脂 3 オクタン酸セチル 17 オクチルメトキシシンナメート 30 上記組成の粉末状サンスクリーンを調製した。該粉末状
サンスクリーンの油性成分の表面張力値は2.5×10
-2N/mであった。該粉末状サンスクリーンを用いて、
上記試験試験方法により、使用性(きしみ感のなさ)、
使用性(べたつき感のなさ)、かさつき抑制効果、容器
への汚れ付着抑制効果、衝撃安定性(耐衝撃性)を評価
したところ、使用性(きしみ感のなさ):◎、使用性
(べたつき感のなさ):◎、かさつき抑制効果:◎、容
器への汚れ付着抑制効果:◎、衝撃安定性(耐衝撃
性):◎であった。さらに、肌への密着力も優れてい
た。
【0093】 (実施例17:粉末状部分用メーク落し) (配 合 成 分) (質量%) アルミナ処理フッ素処理セリサイト 40 テトラオクタン酸ペンタエリスリチル 25 オクタン酸セチル 20 メチルフェニルポリシロキサン 5 イソノナン酸イソノニル 2 ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール 2 モノステアリン酸ポリエチレングリコール 1 上記組成の粉末状部分メーク落しを調製した。該粉末状
部分メーク落しの油性成分の表面張力値は2.3×10
-2N/mであった。該粉末状部分メーク落しは、オイル
クレンジング基剤を粉末中に内包した製剤であるため、
メーク落ち効果が高く、かつ従来のオイルクレンジング
のように垂れ落ちることなく手に取ってピンポイントで
塗布することができる特長を有していた。また界面活性
剤を含有しているため、水での洗い流しも可能であっ
た。
【0094】 (実施例18: 粉末状絵具) (配 合 成 分) (質量%) フッ素処理セリサイト 25 酸化鉄(赤) 25 流動パラフィン 50 (評価)上記組成の粉末状絵具を調製した。該絵具の油
性成分の表面張力値は2.95×10-2N/mであっ
た。該絵具を用いて、紙に塗擦したところ、ペイントす
ることができた。
【0095】
【発明の効果】本発明の粉末状組成物は、粉末状形態で
ありながら、使用時塗擦によって液化し、使用中にべた
つきを感じさせず、皮膚のかさつきを抑制することがで
き、しかも油分リッチな製剤でありながら容器へ油分や
汚れ等の付着を有効に防止することができ、また衝撃安
定性にも優れ、新しいタイプの粉末状組成物として広く
利用が可能である。本発明の粉末状組成物は特に、粉末
状化粧料、粉末状絵具等として好適に適用される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/46 A61K 7/46 7/48 7/48 (72)発明者 金丸 哲也 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 松崎 文昭 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 (72)発明者 梁木 利男 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 Fターム(参考) 4C083 AA122 AB172 AB212 AB232 AB242 AB431 AB432 AB441 AC012 AC022 AC172 AC342 AC352 AC402 AC442 AC472 AC482 AD022 AD152 AD242 AD622 AD662 BB21 CC02 CC03 CC11 CC14 CC19 DD17 EE06 EE17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)フッ素処理粉末と(b)表面張力
    値(平均)2.0×10-2N/m以上の油性成分を含有
    し、かつ実質的に水を含まない、塗擦により液化する粉
    末状組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分が、粘土鉱物表面をフッ素処
    理したフッ素処理粉末である、請求項1記載の粉末状組
    成物。
  3. 【請求項3】 (a)成分が、粘土鉱物表面を金属水酸
    化物または金属塩の水和物、一部脱水物および無水物の
    中から選ばれる少なくとも1種のゲルで表面処理した後
    に、フッ素処理したフッ素処理粉末である、請求項1記
    載の粉末状化粧料。
  4. 【請求項4】 粘土鉱物がタルク、カオリン、無水ケイ
    酸、サポナイト、セリサイト、マイカ、窒化ホウ素の中
    から選ばれる1種または2種以上である、請求項2また
    は3記載の粉末状組成物。
  5. 【請求項5】 (a)成分:(b)成分=1:9〜4:
    1(質量比)である、請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の粉末状組成物。
  6. 【請求項6】 粉末状化粧料である、請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の粉末状組成物。
  7. 【請求項7】 粉末状絵具である、請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の粉末状組成物。
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