JP7419005B2 - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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本発明は油中水型乳化化粧料に関するものである。
油相を外相、水相を内相とした油中水型の乳化組成物は、油溶性の有効成分、例えばエモリエント油、油溶性の薬剤、紫外線吸収剤等を効率的に皮膚上に展開できることから皮膚外用剤に適した剤型であり、化粧品分野ではスキンケアクリーム等(例えば特許文献1)やファンデーション等のメーキャップ化粧料(例えば特許文献2)に広く活用されている。
上記特許文献1の油中水型乳化化粧料には、厚みをもった濃厚なコク感を与えるために固体粉末が配合されている。また特許文献2の化粧料においては、自然な外観を保つために微粒化ワックス粒子が配合されている。また、特許文献3には平均粒系40~4000nmの固形油粉末とシリコーン油を組み合わせることによって、油っぽいべたつき感や塗布時での収まりの悪さ(ずるずるといつまでも伸び広がる感触)を解消し、肌や睫等への付着性に優れる油中水型メーキャップ化粧料が記載されている。
ところで、ファンデーション等のメーキャップ化粧料には、シミ、そばかす等の肌の色むらや毛穴等の肌の凹凸を補正する効果を有する酸化チタン等の白色顔料や酸化鉄等の着色顔料が用いられている。しかし、酸化チタン等の白色顔料は、そのカバー力によって肌の補正効果は得られるが、仕上がりにツヤがなく、白く不自然な仕上がりとなることがある。
特許第5667383号公報 特開2007-197446号公報 特開2006-257038号公報
近年、厚塗り感が無く自然な仕上がりとなるナチュラルメイクに対する要求がさらに高まっているが、肌の色むらや凹凸を充分にカバーするためには、ファンデーション等の化粧料を重ね付けする必要があり、結果として厚塗り感を生じているのが現状であり、カバー力がありながら、ナチュラル感(自然さ)を実現することは、現実的には相反する要求であるため、非常に困難である。
本発明者が鋭意検討を行ったところ、固形油粉末と特定のシリコーンエラストマーとを組み合わせることにより、カバー力がありながらナチュラルに仕上がることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、カバー力とナチュラル感を両立した油中水型乳化化粧料を提供することを目的とするものである。
本発明の油中水型乳化化粧料は、揮発性油を含む油相に、
(A)固形油粉末と、
(B)乳化性シリコーンエラストマーと、
(C)酸化チタンと
を含む油中水型乳化化粧料であって、
(A)固形油粉末が油相に分散されているものである。
本発明の油中水型乳化化粧料は、(A)固形油粉末を分散する(D)分散剤をさらに含むことが好ましい。
揮発性油は炭化水素油または非環状シリコーンであることが好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料は、揮発性油を含む油相に、
(A)固形油粉末と、
(B)乳化性シリコーンエラストマーと、
(C)酸化チタンと
を含む油中水型乳化化粧料であって、
(A)固形油粉末が油相に分散されているので、カバー力とナチュラル感を両立したものとすることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料(以下、単に化粧料ともいう)は、揮発性油を含む油相に、
(A)固形油粉末と、
(B)乳化性シリコーンエラストマーと、
(C)酸化チタンと
を含む油中水型乳化化粧料であって、
(A)固形油粉末が油相に分散されているものである。
以下、各成分について詳細に説明する。なお、本明細書において、PEGはポリエチレングリコール、PPGはポリプロピレングリコールの略である。
(A)固形油粉末
本発明の化粧料は油相に固形油粉末を含む。固形油粉末を酸化チタンと配合すると、酸化チタンの白く不自然な仕上がりになるような隠ぺい感を抑え、透明性を向上することができる。また、固形油粉末を配合することにより塗布膜に厚みを持たせフィットするため、きめ落ちしない塗布膜となる。
固形油粉末は常温(25℃)で固形である油(ワックス)粉末であり、融点は40~200℃であることが好ましい。固形油粉末としては、例えば、鯨ロウ、サラシミツロウ、ミツロウ、還元ラノリン、硬質ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、高融点マイクロクリスタリンワックス、合成炭化水素ワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマーワックス、フィッシャトロプシュワックス等のワックスをジェットマイザー等の機械的に粉砕する方法、ワックスを揮発性溶媒に溶解し噴霧乾燥する方法等により粉末化して得られるものである。
固形油粉末は市販されており、例えば、(株)野田ワックス社製のカルナバパウダー、フロイント産業(株)社製のポリシングワックス、ラブリワックス、プレスパース社製のプレスエイド:PRESS-AID-SP(平均粒子径6~7.5μm)、PRESS-AID-XP(平均粒子径3μm)等、バレコ社製のポリワックス、シャムロックケミカルズ社製のシャムロックワックス等として入手可能である。
固形油粉末は、そのままでも化粧料に配合することができるが、必要に応じてフッ素化合物、シリコーンオイル、エステル油、植物性蛋白質等で表面処理を施したものを用いてもよい。
固形油粉末は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の化粧料において、固形油粉末は粉末として油相に分散される。化粧料中における固形油粉末の平均粒子径は0.1~50μmの範囲が好ましく、より好ましくは5~40μm、さらには6~25μmの範囲が好ましい。平均粒子径が0.1μm以上であることで、酸化チタンの隠ぺい感をより抑制することができ、50μm以下であることで、付着性を良好なものとすることができる。
固形油粉末の配合量は、化粧料全量に対し0.5~25質量%が好ましく、特に好ましくは0.5~15質量%である。0.5質量%以上であることで、よりキメ落ちが軽減され、透明感のある仕上がりとすることができる。また、25質量%以下であることで、酸化チタンとのバランスをよりよいものとすることができる。
(B)乳化性シリコーンエラストマー
本発明の化粧料は油相に乳化性シリコーンエラストマーを含む。乳化性シリコーンエラストマーを配合することにより、酸化チタンと固形油粉末が均一に分散された塗布膜中の一部に、酸化チタンと固形油粉末が疎な部分を作り出すことができ、酸化チタンと固形油粉末が細かく離れて存在するので、塗布したときの透明性が向上し、カバー力があるのに、厚ぼったくならずナチュラルな仕上がりとすることができる。
乳化性シリコーンエラストマーは、シリコーン骨格にポリオキシアルキレン構造を導入したポリエーテル変性シリコーンが好ましく用いられる。例えば、シリコーン鎖をポリオキシアルキレン鎖で架橋した架橋物、シリコーン鎖に側鎖としてポリオキシアルキレン基を導入した側鎖型のポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
乳化性シリコーンエラストマーの具体例は、(ジメチコン/(PEG10/15))クロスポリマー、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型ポリエーテル変性シリコーンを含み、これらの一種または二種以上を混合して配合することもできる。
乳化性シリコーンエラストマーは、エラストマーと溶媒とからなるシリコーンゲルの状態で配合してもよい。このようなシリコーンゲルは市販品を使用することができ、例えば、KSG-210、KSG-710、KSG-360Z、KSG-310、KSG-810、KSG-820Z(以上、信越シリコーン社製)等が例示される。
乳化性シリコーンエラストマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
乳化性シリコーンエラストマーの配合量は、好ましくは0.1~30質量%、より好ましくは1~10質量%、さらには2~8質量%であることが好ましい。配合量が0.1質量%以上であることで、塗布したときの透明性をより上げることができ、厚ぼったくならずナチュラルな仕上がりとすることができる。また配合量が30質量%以下であることで、よりみずみずしさを保つことができる。
(C)酸化チタン
本発明の化粧料は油相に酸化チタンを含む。酸化チタンは、従来からファンデーション等のメーキャップ化粧料に配合されているものが使用できる。酸化チタンは、通常は平均粒子径が約5nm~約1μm程度の酸化チタンであり、本発明においては平均粒子径が好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上、さらに好ましくは200nm以上のものが好適である。
酸化チタンは表面を疎水化処理したものであってもよく、疎水化処理する際の疎水化処理剤の種類は制限されないが、例えば、脂肪酸、高級脂肪酸、高級アルコール、炭化水素、トリグリセライド、エステル、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素化合物等が挙げられる。具体的な疎水化処理剤としては、アルキル変性シリコーン、アルキルトリエトキシシラン、アルキルトリメトキシシラン、パーフルオロアルキルリン酸、(アクリル酸アルキル/ジメチルシリコーン)コポリマー、パルミチン酸デキストリン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、モノメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、高分子シリコーン、アクリロイルジメチルタウレートナトリウム/メタクリルアミドラウリル酸コポリマー等が挙げられる。
疎水化処理顔料級酸化チタンの市販品としては、OTS-2 SACHTLEBEN RC402(大東化成工業社製)、SA-チタン CR-50(三好化成株式会社製)等が挙げられる。疎水化処理微粒子酸化チタンの市販品としては、例えば「TTO-S-4」、「TTO-V-4」〔いずれも石原産業(株)製〕、「MT-100TV」〔テイカ(株)製〕等が市販品として挙げられる。
本発明の化粧料における(C)酸化チタンの配合量は0.1~20質量%であり、好ましくは1~18質量%、より好ましくは約2~15質量%である。配合量が0.1質量%以上であることで、シミやそばかすなどに対するより充分な隠蔽効果を得ることができ、20質量%以下であることで、よりのびがよく、粉っぽさのない自然な仕上がりとすることができる。
(D)分散剤
本発明の化粧料には、油相に固形油粉末を分散する分散剤をさらに含んでいてもよい。分散剤を含むことによって、粉末が均一に分散され、透明性が上がり、カバー力があるのに、厚ぼったくならずナチュラルな仕上がりとすることができる。
分散剤としては、イオン性分散剤(イオン性界面活性剤)や親油性界面活性剤が好ましい。
イオン性界面活性剤としては、アシルメチルタウリン塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩などのアニオン界面活性剤、トリメチルアルキル塩酸塩などのカチオン界面活性剤、ベタイン、イミダゾリウムベタイン、オバゾリンなどの両性界面活性剤などが挙げられる。
親油性界面活性剤としては、そのHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)が3~8のものが好ましく、例えば、脂肪酸グリセリルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、セチルジメチコンコポリオール(HLB=5.0)、ステアリン酸プロピレングリコール(HLB=6.0)等が挙げられる。中でも、脂肪酸グリセリルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ジイソステアリン酸ジグリセリル(HLB=3.7)、セスキイソステアリン酸ソルビタンが好ましい。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
分散剤の配合量としては化粧料全量に対し5質量%以下が好適である。5質量%以下であることで、油中水型のエマルションの安定性を確保することができる。
(揮発性油)
揮発性油は炭化水素油、エステル油、ワックス類、シリコーン油から適宜選択できる。中でも、炭化水素油または非環状シリコーンであることで、より良好な使用感、詳細には伸びの軽さを維持しながらフィット感を実現することができる。
(揮発性炭化水素油)
揮発性炭化水素油としては、例えばイソドデカン、軽質イソパラフィン、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、スクワラン等が挙げられる。
(非環状シリコーン)
非環状シリコーンとしては、低分子量直鎖ジメチコン(0.65cs、1cs、1.5cs、2cs)や低分子量分岐状シリコーンであるメチルトリメチコン(TMF-1.5等)、低分子量アルキル変性シリコーン等を挙げることができる。中でも、伸びの軽さを維持しながらフィット感を実現するという観点からは、揮発性直鎖状シリコーンや低分子量分岐鎖状シリコーンが好ましく、例えば、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルトリシロキサン、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)等の低分子量メチルポリシロキサン(1cS、1.5cS、2cS等)およびメチルトリメチコン(TMF-1.5)等の分岐鎖状シリコーンが挙げられる。
非環状シリコーンは、揮発性油全量に対し10質量%以上配合することが好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらには90質量%以上であることが望ましい。揮発性油中の非環状シリコーンの配合量が10質量%以上であることで、より、塗布時に柔らかく、べたつきを抑制することができる。
揮発性油は、揮発性炭化水素油、非環状シリコーンをそれぞれ単独で用いても、揮発性炭化水素油と非環状シリコーンを併用してもよい。
揮発性油全体の配合量は、化粧料全量に対し、5~50質量%であり、好ましくは7~40質量%、さらに好ましくは10~35質量%である。揮発性油の配合量が5質量%以上であることで、より表面速乾性を良好なものとすることができ、50質量%以下であることで、必要な粘度をより確保することができる。
本発明の化粧料には、上記必須成分の他に、通常用いられる水性成分や油性成分、例えば、他の粉末成分((A)固形油粉末および(C)酸化チタンは除く)、不揮発性油分、アルコール類、多価アルコール、色素、pH調整剤、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、安定化剤、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料等が挙げられる。
他の粉末成分としては、例えば、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、酸化セリウム、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、ベントナイト、クレー、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、含フッ素金雲母、合成タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、チッ化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、カラミン、炭酸マグネシウム、およびこれらの複合体等の着色顔料、白色顔料、シリカ、セルロース、パール剤、体質顔料を含む無機粉末、有機樹脂粉末等が挙げられ、これらは表面処理したものでもよい。
特に化粧もち、経時でのナチュラル感を維持できるといった観点から酸化亜鉛を併用することが好ましい。
本発明の化粧料は、油中水型乳化化粧料の常法に従って製造することができるが、固形油粉末は加温することなく、固形油粉末が油相に分散するように製造する。即ち、通常は、油相成分を必要に応じて加熱するが、本発明の化粧料の場合には、加熱することなく油相成分を調整し、水相成分を攪拌乳化させることによって製造することができる。
本発明の化粧料は、ファンデーション等のメーキャップ化粧料に特に適したものである。従って、本発明の化粧料は、リキッドファンデーション、化粧下地、BBクリーム、CCクリーム、クッションファンデーション等の形態で提供することが可能である。
クッションファンデーションとする場合の含浸体としては、樹脂、パルプ、綿等の単一
又は混合素材からなる不織布、樹脂加工した繊維体、スポンジなどの発泡体、連続機構を
備えた多孔質体などが挙げられる。また素材としては、NBR(アクリロニトリルブタジ
エンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NR(天然ゴム)、ウレタン、ナイロ
ン、ポリオレフィン、ポリエステル、EVA(エチレン酢酸ビニル)、PVA(ポリビニ
ルアルコール)、シリコーンエラストマー等の例が挙げられるが、内容物を含むことので
きる含浸体であればこれらの素材に限られるものではない。中でも、ポリエステル繊維を
用いて成形した繊維体であって、硬度を40~60(F硬度計測定値)、密度を0.006
~0.1g/cmとしたものを用いることが好ましい。例えば、チューブ型容器、ディスペンサー容器、ジャー容器等に収容した形態、あるいは、水不溶性スポンジ、発泡フォーム担体等に含浸させたクッションタイプファンデーションの形態で提供することが可能である。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
下記表1に掲げた組成を有する油中水型乳化化粧料について、常法により調製した。なお、比較例1は固形油粉末の合成ワックスを加温して液状としたのちに調製した。
得られた化粧料の使用感について、以下の評価基準で判定した。処方とともに結果を表1に示す。なお、配合量は、すべて質量%である。
表中の原料の製品名等の詳細は下記のとおりである。
揮発性ジメチコン:シリコーンKF-96L-2CS(信越化学工業社製)
フェニル変性シリコーン:シリコーンKF56(信越化学工業社製)
セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン:シリコーンKF6048(信越化学工業社製)
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン:シリコーンKF6028(信越化学工業社製)
(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー:KSG-360Z(信越シリコーン社製)
(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー:KSG-710(信越シリコーン社製)
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(ジメチコン20~30%分散):KSG-16(信越シリコーン社製)
ジイソステアリン酸ジグリセリル:WOGEL-18DV(松本製薬工業社製)
セスキイソステアリン酸ソルビタン:エステモール182V(日清オイリオ株式会社製)
合成ワックス:PRESS-AID SP(プレスパース社製)
<使用感>
各例の化粧料について、専門パネラー10名により使用してもらい、使用感(伸ばしやすさ、フィット感、仕上がりの自然さ、肌のキメの目立たなさ、毛穴の目立たなさ)について、アンケートの結果から次の基準で評価した。
(評価基準)
A:10名中、8~10名が非常に感じられると回答
B:10名中、5~7名が非常に感じられると回答
C:10名中、4名以下が非常に感じられると回答
表1に示すように、本発明の油中水型乳化化粧料は、肌に伸ばしやすく、フィット感が良好で、仕上がりが自然で透明感があるにもかかわらず、肌のキメや毛穴が目立たず、ナチュラル感とカバー力を兼ね備えたものであった。
一方、比較例1は実施例1と同じ処方であるが、固形油粉末を粉末ではなく、加温して用いているため、肌にやや伸ばしにくく、良好なフィット感が得られず、仕上がりはやや不自然となり、キメおよび毛穴のカバーは得られにくかった。比較例2は固形油粉末を含まないものであるが、この場合には肌に伸ばしやすいものの、比較例1と同様にフィット感が得られず、キメおよび毛穴が目立つ傾向であった。比較例3は乳化性シリコーンエラストマーを含まないものであるが、この場合には仕上がりに自然さがない上、キメおよび毛穴も目立つ傾向であった。比較例4は非乳化性エラストマーを用いたものであるが、この場合も仕上がりに自然さがない上、毛穴はカバーされていたものの、キメが目立つ結果となった。
以上のことから明らかなように、固形油粉末が粉末として油相に分散されていると、固形油粉末が入っていても、肌に伸ばしやすく、フィット感が良好で、また、固形油粉末と乳化性シリコーンエラストマーとを組み合わせることによって、仕上がりが自然で、透明感がありながら、肌のキメや毛穴が目立たず、ナチュラル感とカバー力を兼ね備えたものとすることができる。
下記に油中水型乳化化粧料の処方例を示す。
処方例1:リキッドファンデーション
配合成分 (質量%)
揮発性ジメチコン(1.5cS) 22.625
水添ポリイソブテン 4
フェニル変性シリコーン 3
ピバリン酸イソデシル 2
オクチルメトキシシンナメート 4
セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン 3
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.5
(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー 5
ジイソステアリン酸ジグリセリル 1
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
合成ワックス 5
シリコーン処理顔料級酸化チタン 12
疎水化処理赤酸化鉄 0.81
疎水化処理黄酸化鉄 2.00
疎水化処理黒酸化鉄 0.09
疎水化処理マイカ 3
疎水化処理酸化亜鉛 5
シリコーン処理微粒子酸化チタン 3
水 15.775
グリセリン 3
エタノール 3.5
防腐剤 0.7
処方例2:リキッドファンデーション
配合成分 (質量%)
揮発性ジメチコン(2cS) 20.625
水添ポリイソブテン 4
フェニル変性シリコーン 3
ピバリン酸イソデシル 2
オクチルメトキシシンナメート 4
セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン 3
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.5
(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー

ジイソステアリン酸ジグリセリル 1
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
ジステアリルジモニウムクロリド 0.05
パルミチン酸 0.15
合成ワックス 5
シリコーン処理顔料級酸化チタン 14
疎水化処理赤酸化鉄 0.81
疎水化処理黄酸化鉄 2.00
疎水化処理黒酸化鉄 0.09
疎水化処理マイカ 3
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 2
シリコーン処理微粒子酸化チタン 5
水 16.575
グリセリン 3
エタノール 3.5
防腐剤 0.7
処方例3:リキッドファンデーション
配合成分 (質量%)
揮発性ジメチコン(1.5cS) 21.625
水添ポリイソブテン 4
フェニル変性シリコーン 3
ピバリン酸イソデシル 2
オクチルメトキシシンナメート 4
ミリスチン酸イソプロピル 5
PEG-10ジメチコン 1.0
ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.5
(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー 5
ジイソステアリン酸ジグリセリル 1
ジステアルジモニウムヘクトライト 1
合成ワックス 1
シリコーン処理顔料級酸化チタン 9
疎水化処理赤酸化鉄 0.40
疎水化処理黄酸化鉄 1.00
疎水化処理黒酸化鉄 0.01
疎水化処理マイカ 3
疎水化処理酸化亜鉛 1
シリコーン処理微粒子酸化チタン 5
ナイロンー12 1
メタクリル酸メチルクロスポリマー 1
水 22.265
グリセリン 3
エタノール 3.5
防腐剤 0.7
処方例4:BBクリーム
配合成分 (質量%)
揮発性ジメチコン(2cS) 23.625
水添ポリイソブテン 4
フェニル変性シリコーン 3
ピバリン酸イソデシル 2
オクチルメトキシシンナメート 4
ミリスチン酸イソプロピル 5
PEG-10ジメチコン 1.5
(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー 5
ジイソステアリン酸ジグリセリル 1
ジステアルジモニウムヘクトライト 1
合成ワックス 1
シリコーン処理顔料級酸化チタン 4
疎水化処理赤酸化鉄 0.20
疎水化処理黄酸化鉄 0.50
疎水化処理マイカ 3
疎水化処理酸化亜鉛 1
シリコーン処理微粒子酸化チタン 5
水 27.975
グリセリン 3
エタノール 3.5
防腐剤 0.7
処方例5:化粧下地
配合成分 (質量%)
揮発性ジメチコン(1.5cS) 23.625
水添ポリイソブテン 4
フェニル変性シリコーン 3
ピバリン酸イソデシル 2
オクチルメトキシシンナメート 5
ミリスチン酸イソプロピル 5
PEG-10ジメチコン 1.5
(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー

ジイソステアリン酸ジグリセリル 1
ジステアルジモニウムヘクトライト 1
合成ワックス 1
シリコーン処理顔料級酸化チタン 2
疎水化処理マイカ 3
疎水化処理酸化亜鉛 1
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 2
シリコーン処理微粒子酸化チタン 5
水 27.675
グリセリン 3
エタノール 3.5
防腐剤 0.7

Claims (2)

  1. 揮発性油を含む油相に、
    (A)固形油粉末と、
    (B)乳化性シリコーンエラストマーと、
    (C)酸化チタンと
    を含む油中水型乳化化粧料であって、
    前記揮発性油が炭化水素油または粘度が2cs以下の非環状シリコーンであり、かつ
    前記(A)固形油粉末が前記油相に分散されている、液状またはクリーム状の油中水型乳化化粧料。
  2. 前記(A)固形油粉末を分散する(D)分散剤をさらに含む請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
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