JPH0565212A

JPH0565212A - 含水粉末化粧料

Info

Publication number: JPH0565212A
Application number: JP4675292A
Authority: JP
Inventors: Yoichiro Tanaka; 洋一郎田中; Yoshinori Ide; 美紀井出
Original assignee: Kose Corp
Current assignee: Kose Corp
Priority date: 1991-03-11
Filing date: 1992-03-04
Publication date: 1993-03-19
Anticipated expiration: 2015-11-13
Also published as: JP3107891B2

Abstract

(57)【要約】【構成】次の成分（ａ）〜（ｄ）（ａ）表面積８０ｍ²／ｇ以上の疎水化シリカ 0.1〜７重量％（ｂ）フッ素化合物被覆処理化粧料用粉体１〜49.4重量％（ｃ）油性成分 0.5〜３０重量％（ｄ）水５０〜９０重量％を含有し、塗擦により液化する含水粉末化粧料。【効果】本発明の含水粉末化粧料は、粉末形態の化粧
料でありながら、使用時これを塗擦すると液化してリキ
ッド型の性能を生じ、良好な化粧効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は含水粉末化粧料、更に詳
細には、粉末形態の化粧料でありながら、使用時これを
塗擦すると液化してリキッド型の特性が生じ、良好な仕
上りを得ることができる含水粉末化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】粉末メークアップ化粧料は、使用性がよ
いことから、多くの人に好まれて使用されているが、乾
性肌の人や、普通肌の人でも冬場使用する場合、仕上り
が粉っぽい、塗膜につや及びはりがない、自然でナチュ
ラルな仕上りが得られない、水々しさや清涼感が得られ
ないという欠点があった。一方、粉末メークアップ化粧
料に水を配合して冷却効果を得ることを特徴としたもの
がある（特開昭58-39609号）が、これは密着感、付着
性、粉っぽさ、つっぱり感等の使用感の点で満足できる
ものではなかった。他方、Ｏ／Ｗリキッド型化粧料は、
粉末化粧料の上記欠点を克服するものであるが、その反
面、水、汗、皮脂に弱く、化粧くずれし易い、べたつき
がある等の欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、粉
末型及びＯ／Ｗリキッド型の両化粧料の有する利点を併
有する化粧料を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者らは、鋭意研究を行った結果、特定の疎水化シリ
カにより水を粉末化し、さらに撥水・撥油処理した化粧
料用粉体により油性成分を粉末化することによって、粉
末形態の化粧料でありながら、使用時これを塗擦すると
水が連続相となって液化する、全く新しい形態の、いわ
ゆるウォーター・イン・パウダー型化粧料が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。

【０００５】すなわち、本発明は、次の成分（ａ）〜
（ｄ）、（ａ）表面積８０ｍ²／ｇ以上の疎水化シリカ 0.1〜７重量％（ｂ）フッ素化合物被覆処理化粧料用粉体１〜49.4重量％（ｃ）油性成分 0.5〜３０重量％（ｄ）水５０〜９０重量％を含有し、塗擦により液化する含水粉末化粧料を提供す
るものである。

【０００６】本発明において、（ａ）成分の疎水化シリ
カとは、微粒子シリカの表面がオルガノシラン系化合物
やシリコーン化合物等で覆われているもので、例えばト
リメチルシロキシル化シリカ（キャボット社製、キャボ
ジルTS-530、表面積３２５ｍ ²／ｇ）、ジメチルシロキ
シル化シリカ（デグッサ社製、エロジールR-972 、表面
積１１０±２０ｍ²／ｇ）、オクチルシロキシル化シリ
カ（デグッサ社製、エロジールR-805 、表面積１５０±
２５ｍ²／ｇ）、シリコーンオイル処理シリカ（デグッ
サ社製、エロジールR-202 、表面積１００±２０ｍ²／
ｇ）等が挙げられる。これら疎水化シリカは表面積が８
０ｍ²／ｇ以上であることが必要であり、表面積がこれ
より少ないと、疎水化シリカの粒径が大きくなり、水滴
の表面に多量に配向することができず、水を安定に粉末
化することができなくなる。

【０００７】本発明の（ｂ）成分のフッ素化合物の被覆
処理を施す化粧料用粉体としては、化粧料に一般に使用
されているタルク、マイカ、カオリン、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグ
ネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、
ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョ
ウ、タール色素、天然色素、雲母チタン、酸化鉄雲母チ
タン、オキシ塩化ビスマス、ナイロンパウダー、シルク
パウダーなどが挙げられる。

【０００８】また、これらの化粧料用粉体に撥水・撥油
性を付与する目的で使用されるフッ素化合物としては、
次の一般式（１）又は（２）で表わされるパーフルオロ
アルキルリン酸エステル・ジエタノールアミン塩（以
下、ＦＡＥＰと総称する）が挙げられ、例えば旭硝子
（株）製のアサヒガードAG530 等がある。

【０００９】

【化２】

【００１０】ＦＡＥＰ処理粉体以外でも、撥水性を付与
する目的でシリコーン処理、高融点ワックス処理等の油
剤処理や、金属石ケン処理等のさまざまな表面処理が施
されたものがあるが、これらの処理粉体では撥油性が付
与されず、油性成分と混合した際に濡れを示し、更に疎
水化シリカをも濡らしてしまうため、水を粉末化する機
能も失なわれてしまう。無理に水を粉末化しようとする
と、疎水化シリカの量が多量に必要となり、水は粉末化
できるものの、使用時の液化がスムーズに起こらず官能
上好ましくない。しかし、これらで処理された粉体や未
処理の粉体は、本発明の効果を損わない範囲で、ＦＡＥ
Ｐ処理化粧料用粉体と混合して使用することができる。

【００１１】化粧料用粉体のＦＡＥＰ処理は、例えば、
化粧料用粉体に水を加えてスラリー状態とし、一方ＦＡ
ＥＰに水を加えて攪拌し、0.1 〜５重量％のエマルショ
ン状態にしたものを徐々に注加して混合した後、常温又
は高温静置などによってエマルションを破壊し、粉体粒
子の表面をＦＡＥＰの連続相で被覆させることによって
行われる。そしてこれを洗浄、濾過、乾燥すれば撥水・
撥油性の化粧料用粉体が得られる。

【００１２】本発明の（ｃ）成分の油性成分としては、
通常化粧料に用いられる固型、半固型、液体の各種植物
油、動物油、鉱物油及び合成油が使用できる。具体的に
は、例えばオリーブ油、ホホバ油、ミンク油、モクロウ
等の油脂類；ミツロウ、キャンデリラロウ等のロウ類；
流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセ
リン等の炭化水素類；ステアリン酸、オレイン酸等の脂
肪酸；セタノール等の高級アルコール類；ミリスチン酸
イソプロピル等のエステル類；ラノリン脂肪酸イソプロ
ピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体；メチル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシ
リコーン化合物等が挙げられ、またこれらは高粘性のも
のの方が好ましく、有機性ベントナイト、デンプン脂肪
酸エステル、３次元架橋構造を有するジメチルポリシロ
キサン重合物等のいわゆる油性ゲル化剤と呼ばれている
ものの併用はより好ましい。これら油性成分は１種又は
２種以上の組合せで使用される。

【００１３】本発明における（ａ）〜（ｄ）成分の全組
成に対する配合割合は次のとおりである。（ａ）成分の配合量は0.1 〜７重量％（以下、単に％で
示す）、好ましくは２〜４％であり、これより少ないと
充分に水を粉末化できず、意図する粉末形態を得ること
ができなくなる。また、これより多くなると多量の水を
粉末化することができるようにはなるが、使用時塗擦し
ても液化せずリキッド的な感触を有さない。（ｂ）成分の配合量は１〜49.4％、好ましくは５〜３０
％であり、これより少ないと塗膜に化粧効果を付与する
ことができなくなり、またこれより多くなると、使用時
にリキッド的な感触が得られなくなる。（ｃ）成分の配合量は0.5 〜３０％、好ましくは２〜１
５％であり、0.5 ％より少ないと、肌に塗布した際、疎
水化シリカが汗や皮脂を吸収し、肌あれ、粉っぽさ、つ
っぱり感の原因となる。また３０％を超えると疎水化シ
リカが濡れ、疎水化シリカと油性成分が連続体となり、
水を粉末化する機能を有さなくなる。従って、（ｃ）成
分の油性成分は（ａ）及び（ｂ）の粉体の総量１００重
量部に対し２０〜３０重量部が好ましい。（ｄ）成分の水の配合量は、（ａ）及び（ｂ）成分の組
成比及び配合量によって異なるが、５０〜９０％、好ま
しくは７０〜９０％であり、５０％より少ないと使用時
のリキッド的な感触が得られず、また９０％を超えると
これを粉末化できなくなり、官能上好ましくない。

【００１４】本発明の含水粉末化粧料には、上記必須成
分以外にも、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、美容成分などを本発明の効果を妨げない範囲で配合
してもよい。また、水に溶解可能なアルコール類、グリ
コール、グリセリン等の多価アルコール類、水溶性高分
子等を本発明の効果を妨げない範囲で配合することがで
きる。

【００１５】本発明の含水粉末化粧料は、（ａ）成分と
（ｄ）成分を混合処理して粉末化したものと、（ｂ）成
分と（ｃ）成分を混合処理して粉末化したものを混合す
るか、又は（ｂ）成分と（ｃ）成分を混合処理して粉末
化したものに、（ａ）成分を混合し、次いでこれに
（ｄ）成分を混合して粉末化することにより製造され
る。上記操作において、水の表面に疎水化シリカが付着
して含水粉末となり、また油はフッ素化合物被覆処理化
粧料用粉体中に包含され含油粉末となる。そして、これ
らの含水粉末と含油粉末の存在により本発明の含水粉末
化粧料が得られる。

【００１６】

【実施例】以下、実施例を挙げて説明するが、本発明は
これらによって何ら制限されるものではない。

【００１７】実施例１〜３、比較例１〜３（粉白粉）（処方）

【００１８】

【表１】

【００１９】（製法）（Ａ）No. １〜４を混合粉砕する。（Ｂ）No. ６〜９を加熱溶解後（Ａ）と混合攪拌する。（Ｃ）No. ５とNo. １０を混合攪拌する。（Ｄ）（Ｂ）と（Ｃ）を混合し、容器に充填し、粉白粉
とする。

【００２０】実施例４、比較例４（アイシャドウ）（処方）

【００２１】

【表２】

【００２２】（製法）実施例１に準ずる。

【００２３】実施例５、比較例５及び６（ほほ紅）（処方）

【００２４】

【表３】

【００２５】（製法）（Ａ）No. １〜１０を混合粉砕する。（Ｂ）No. １３，１４を加熱溶解後（Ａ）と混合攪拌す
る。（Ｃ）（Ｂ）にNo. １１と１２を混合する。（Ｄ）（Ｃ）にNo. １５、１６を混合攪拌し、容器に充
填し、ほほ紅とする。

【００２６】実施例６〜８、比較例７及び８（パウダー
ファンデーション）（処方）

【００２７】

【表４】

【００２８】（製法）実施例５に準ずる。

【００２９】実施例９（エモリエントパウダー）（処方）

【００３０】

【表５】

【００３１】（製法）実施例１に準ずる。

【００３２】試験例１実施例１〜９及び比較例１〜８で得た化粧料について専
門の女性パネル２０名による使用テストを行った。その
結果を表６に示す。

【００３３】

【表６】

【００３４】

【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の含水粉末化
粧料は、粉末でありながら、使用時塗擦によって液化
し、リキッド状態で肌に塗膜を作るので、自然なつや、
はり及び密着感を与え、均一な化粧膜を形成し、化粧く
ずれが少ない、という優れた特性を有する全く新しいタ
イプの化粧料である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】次の成分（ａ）〜（ｄ）、（ａ）表面積８０ｍ²／ｇ以上の疎水化シリカ 0.1〜７重量％（ｂ）フッ素化合物被覆処理化粧料用粉体１〜49.4重量％（ｃ）油性成分 0.5〜３０重量％（ｄ）水５０〜９０重量％を含有し、塗擦により液化することを特徴とする含水粉
末化粧料。
【請求項２】フッ素化合物が次の一般式（１）又は
（２）、【化１】で表わされるパーフルオロアルキルリン酸エステル・ジ
エタノールアミン塩群の少なくとも１つである請求項１
記載の含水粉末化粧料。
【請求項３】（ａ）成分と（ｄ）成分を混合処理して
粉末化したものと、（ｂ）成分と（ｃ）成分を混合処理
して粉末化したものを混合して得られる請求項１記載の
含水粉末化粧料。
【請求項４】（ｂ）成分と（ｃ）成分を混合処理して
粉末化したものに、（ａ）成分を混合し、次いでこれに
（ｄ）成分を混合して粉末化して得られる請求項１記載
の含水粉末化粧料。