JP4669034B2 - 車両用空調の吹出口構造 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調節用の空調風を送風する吹出口部が設けられ、この吹出口部に設けられた複数のフィンの向きを変えて送風方向を調整可能な車両用空調の吹出口構造に関する。
車両用空調の吹出口構造は、空気調節用の空調風を車室内に送風するために空調ダクトに吹出口部が設けられ、吹出口部の内部に複数のフィンが所定間隔をおいて並列に設けられている。
前記複数のフィンは、上下方向(縦方向)に並列配置された複数の横向きフィンと、左右方向(横方向)に並列配置された複数の縦向きフィンとを備えている。
複数の横向きフィンの向きを上下方向に変えることで(揺動することで)、空調風の送風方向を上下方向に調整することが可能である。
また、複数の縦向きフィンの向きを左右方向に変えることで(揺動することで)、空調風の送風方向を左右方向に調整することが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3605577号公報
ところで、特許文献1の吹出口構造は吹出口部が矩形状筒体に形成され、吹出口部の内部に複数のフィンが設けられている。
このため、複数のフィンの向きを変えて送風方向を下向きに調整した場合、吹出口部の壁部に隣接するフィンで案内された空調風は、フィンに隣接する壁面で下向きと異なる方向に導かれることが考えられる。
このため、空調風の一部が干渉して所望の送風方向と異なる方向に流れてしまい、空調風の送風方向を良好に調整することが難しい。
本発明は、空調風の送風方向を良好に調整可能な車両用空調の吹出口構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、空気調節用の空調風を送風するために空調ダクトに吹出口部が設けられ、前記吹出口部の一方の壁部から前記一方の壁部に対向する他方の壁部まで複数のフィンが所定間隔をおいて並列に設けられ、前記複数のフィンの向きを変えることで、前記空調風の送風方向を調整可能な車両用空調の吹出口構造において、前記複数のフィンのうち前記一方の壁部または前記他方の壁部に隣接するフィンを外側フィン、前記外側フィンに隣接するフィンを隣接フィンとし、前記外側フィンは、前記外側フィンおよび前記隣接フィン間のフィン間流路を流れる空調風を規制する第1規制部と、前記外側フィンおよび外側フィンに隣接する壁部間の壁部間流路を流れる空調風を規制する第2規制部と、を備えた車両用空調の吹出口構造であって、前記壁部間流路の空調風を規制するために、前記一方の壁部または前記他方の壁部のいずれか一方のみに前記外側フィンに向けて突出された突出部が設けられ、前記外側フィンは、前記突出部の先端に前記第2規制部が近接した際に前記第1規制部が前記隣接フィンに近接するように、前記第1規制部および前記第2規制部が前記突出部の先端に対して離れる方向に傾斜状に形成され、前記突出部の先端に前記第2規制部が近接するように移動させたとき、前記第1規制部で前記フィン間流路を流れる空気風を規制し、かつ、前記第2規制部で前記壁部間流路を流れる空気風を規制可能としたことを特徴とする。
請求項は、前記外側フィンを揺動可能に支持する支持部が、前記第1規制部および前記第2規制部間に設けられたことを特徴とする。
請求項は、前記吹出口部は、その先端が車両用内装材の表面に沿って傾斜させた状態に形成され、前記複数のフィンは、前記吹出口部の先端側に横方向に所定間隔をおいて並列配置されるとともに前記表面の傾斜方向に沿って配置された複数の内装フィンと、前記複数の内装フィンの奥側に所定間隔をおいて並列配置されるとともに前記表面の傾斜方向に対して交差する方向に沿って配置された複数の奥フィンと、を備え、前記複数の奥フィンのうち前記吹出口部の壁部に隣接するフィンを前記外側フィンとしたことを特徴とする。
請求項は、前記吹出口部は、その先端が車両用内装材の表面に沿って傾斜させた状態に形成され、前記複数のフィンは、前記吹出口部の先端側に縦方向に所定間隔をおいて並列配置されるとともに前記表面の傾斜方向に沿って配置された複数の内装フィンと、前記複数の内装フィンの奥側に所定間隔をおいて並列配置されるとともに前記表面の傾斜方向に対して交差する方向に沿って配置された複数の奥フィンと、を備え、前記複数の奥フィンのうち前記吹出口部の壁部に隣接するフィンを前記外側フィンとしたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、複数のフィンのうち前記一方の壁部または前記他方の壁部に隣接するフィンを外側フィンとし、この外側フィンに第1規制部および第2規制部を備えた。
そして、第1規制部で、外側フィンおよび隣接フィン間のフィン間流路を流れる空調風を規制(制限)するようにした。また、第2規制部で、外側フィンおよび外側フィンに隣接する壁部間の壁部間流路を流れる空調風を規制(制限)するようにした。
第1規制部でフィン間流路の空調風を規制するとともに、第2規制部で壁部間流路の空調風を規制することで、空調風を吹出口部の中央側に集めて(集中させて)、中央側のフィンで空調風を所望の方向に送風することができる。
これにより、全ての空調風を所望の方向に向けて送風することが可能になり、所望の方向への風量を減らすことなく、空調風の送風方向を良好に調整することができる。
さらに、請求項に係る発明では、一方の壁部または他方の壁部のいずれか一方のみに外側フィンに向けて突出する突出部を設けた。そして、突出部の先端に対して第2規制部が近接した際に第1規制部が隣接フィンに近接するように形成した。
よって、第1規制部および第2規制部を突出部の先端に対して反対側(すなわち、離す方向)に傾斜させることができる。
これにより、非規制時において、突出部および外側フィン間を流れる空調風を良好に確保することができ、突出部による影響を小さく抑えてデザイン(設計)の自由度を高めることができる。
請求項に係る発明では、外側フィンを支持部で揺動可能に支持し、この支持部を第1規制部と第2規制部との間に設けた。
よって、外側フィンを支持部を中心にして揺動することで、第1規制部を隣接フィン側に移動するとともに、第2規制部を吹出口部の壁部側に移動することができる。
これにより、吹出口部の奥側の流路を流れる空調風を第1規制部で規制するとともに、吹出口部の室内側の流路を流れる空調風を第2規制部で規制することができる。
すなわち、吹出口部の流路を流れる空調風を第1、第2の規制部の両規制部で同時に規制することができる。
請求項および請求項に係る発明では、吹出口部の先端を車両用内装材の表面に沿って傾斜させた状態に設け、この表面の傾斜方向に沿って複数の内装フィンを配置した。
これにより、車両用内装材の表面の傾斜に沿わせて複数の内装フィンを配置することができ、複数の内装フィンを表面の意匠ラインに対して一様となるように(連続性を保つように)設けることができ、車両用内装材の意匠性を一層高めることができる。
さらに、複数の奥フィンのうち吹出口部の壁部に隣接するフィンを外側フィンとした。この外側フィンに第1規制部および第2規制部が設けられている。
よって、空調風を吹出口部の中央側に集めて(集中させて)、集めた空調風を中央側の奥フィンで所望方向に送風することができる。
これにより、全ての空調風を所望の方向に向けて送風することが可能になり、所望の方向への風量を減らすことなく、空調風の送風方向を良好に調整することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る車両用空調の吹出口構造(第1実施の形態)を備えた車両を示す斜視図である。
車両10は、車室12の前部に設けられたインストルメントパネル(車両用内装材)13と、インストルメントパネル13に設けられた車両用空調の吹出口構造15と、インストルメントパネル13から車室12側に突出されたステアリングホイール16とを備えている。
車両用空調の吹出口構造15は、インストルメントパネル13の中央部21に設けられた中央吹出口ユニット17と、インストルメントパネル13の左右の端部22にそれぞれ設けられた左右の吹出口ユニット18(右吹出口ユニット18のみを図示する)とを備えている。
中央吹出口ユニット17は、インストルメントパネル13の中央部21に設けられた中央吹出口部(吹出口部)24と、中央吹出口部24内に設けられた中央フィン部(複数のフィン)25と、中央吹出口部24に臨む中央空調ダクト(空調ダクト)26(図3参照)とを備えている。
右吹出口ユニット18は、インストルメントパネル13の右端部22に設けられた右吹出口部(吹出口部)27と、右吹出口部27内に設けられた右フィン部(複数のフィン)28と、右吹出口部27に臨むようにそれぞれ設けられた右空調ダクト(空調ダクト)29(図7参照)とを備えている。
図2は第1実施の形態に係る中央吹出口ユニットから複数の内装フィンを除去した状態を示す斜視図、図3は図1の3−3線断面図である。
中央吹出口部24は、車体後方に向けて上り勾配に設けられ、送風口となる先端38が中央部21の上面(表面)21aに開口されている。
この中央吹出口部24は、下方に設けられた下壁部(一方の壁部)31と、下壁部31に対向するように上方に設けられた上壁部(他方の壁部)32と、左側方に設けられた左側壁部33と、この左側壁部33に対向するように右側方に設けられた右壁部34とを備えている。
下壁部31、上壁部32、左側壁部33および右壁部34で中央吹出口部24が上下方向に長手の略矩形の環状体(筒状体)に形成されている。
また、中央吹出口部24は、先端38が中央部21の上面21aに沿って上り勾配になるように傾斜させた状態に形成されている。
この先端38から空調装置(図示せず)の空調風を車室12内の中央に送風することができる。
ここで、中央吹出口部24の下壁部31は、図2に示すように、左側壁部33から右壁部34に向けて傾斜角θの下り勾配で形成されている。
このため、下壁部31と下外側奥フィン45a(後述する)との間隔が左側壁部33から右壁部34に向けて徐々に大きくなる。
そこで、下外側奥フィン45aと下壁部31との間隔を均等に確保するために、下壁部31に突出部36が設けられている。
突出部36は、下外側奥フィン45aに向けて上方に突出されている。
この突出部36については後で詳しく説明する。
中央フィン部25は、中央吹出口部24の奥側部位24a側に設けられた中央奥フィン部(複数の奥フィン)41と、中央吹出口部24の室内側部位24b側に設けられた中央内装フィン部(複数の内装フィン)42と、中央奥フィン部41および中央内装フィン部42の向きを調整する中央フィン操作部43とを備えている。
中央吹出口部24の奥側部位24a側に中央奥フィン部41が設けられ、室内側部位24b側に中央内装フィン部42が設けられることで、中央内装フィン部42に対して中央奥フィン部41が中央吹出口部24の奥側に配置されている。
中央奥フィン部41は、水平に延出された状態で横向きに配置された複数の奥フィン(フィン)45を備えている。
複数の奥フィン45は、中央吹出口部24の下壁部31から上壁部32まで上下方向(縦方向)に所定間隔をおいて並列に設けられ、左右の奥フィン支持部(支持部)46で上下方向に揺動自在に支持されている。
左右の奥フィン支持部46は、奥フィン45の左右の側部から同一平面上にそれぞれ突出されている。
さらに、複数の奥フィン45は、左右の奥フィン支持部46を軸にして上下方向に連動可能にそれぞれ連結されている。
ここで、複数の奥フィン45の構成の理解を容易にするために、以下、下壁部31に隣接する奥フィン45を下外側奥フィン(外側フィン)45a、上壁部32に隣接する奥フィン45を上外側奥フィン45bとして説明する。
下外側奥フィン45aは、左右の奥フィン支持部46の車体前方側部位で形成された第1規制部47と、左右の奥フィン支持部46の車体後方側部位で形成された第2規制部48とを備えている。
下外側奥フィン45aは、空調風の送風方向において略中央に折曲部49が設けられ、折曲部49で第1規制部47および第2規制部48が略く字状に折り曲げられ、折曲部49から左右の奥フィン支持部46が突出されている。
左右の奥フィン支持部46で下外側奥フィン45aが上下方向に揺動可能に支持されている。
なお、第1規制部47および第2規制部48については図4および図5で詳しく説明する。
上外側奥フィン45bは、左右の奥フィン支持部46の車体前方側部位を形成する上規制部50を備えている。
上規制部50は、左右の奥フィン支持部46から車体前方に向けて上り勾配に形成されている。
中央内装フィン部42は、上下方向に延出された状態で縦向きに配置された複数の内装フィン(フィン)51を備えている。
複数の内装フィン51は、中央吹出口部24の左側壁部33から右側壁部34まで左右方向(横方向)に所定間隔をおいて並列に設けられ(図1参照)、上下の内装フィン支持部52で左右方向に揺動自在に支持されている。
上下の内装フィン支持部52は、内装フィン51の上下の端部から同一平面上にそれぞれ突出されている。
さらに、複数の内装フィン51は、上下の内装フィン支持部52を軸にして左右方向に連動可能にそれぞれ連結されている。
複数の内装フィン51は、中央吹出口部24の先端38側に設けられている。前述したように、先端38は中央部21の上面21aに開口されている。
複数の内装フィン51は、車室12に対向する内装縁部51aを備えている。内装縁部51aは、車室12に向けて隆起するように略湾曲状に形成され、中央部21の上面21aの傾斜方向に沿って上り勾配に配置されている。
よって、中央部21の上面21aの傾斜に沿わせて複数の内装フィン51を配置することで、複数の内装フィン51を上面21aの意匠ラインに対して一様となるように(連続性を保つように)設けることができる。
これにより、中央部21の上面21a(すなわち、インストルメントパネル13)の意匠性を一層高めることができる。
中央フィン操作部43は、複数の内装フィン51のうち中央の内装フィン51に上下方向にスライド自在に設けられた操作ノブ54と、操作ノブ54に設けられた二股の係合部55と、係合部55に係合された係止ピン56と備えている。
係止ピン56は、複数の奥フィン45のうち中央の奥フィン45の前端部に設けられている。
操作ノブ54を左右方向に揺動させることで、複数の内装フィン51が上下の内装フィン支持部52を軸にして左右方向に揺動可能である。
複数の内装フィン51の向きを変えることで、空調風の送風方向を左右方向に調整可能である。
操作ノブ54を中央の内装フィン51に沿って上下方向にスライド移動させることで、複数の奥フィン45が左右の奥フィン支持部46を軸にして上下方向に揺動可能である。
複数の奥フィン45の向きを変えることで、空調風の送風方向を上下方向に調整可能である。
図4は図3の4部拡大図である。
突出部36は、下壁部31から下外側奥フィン45aに向けて断面先細状に上方に突出された隆起部である。
突出部36は、図2に示すように、下壁部31から上端(先端)36aまでの高さ寸法が左側壁部33から右壁部34に向けて徐々に大きくなるように形成されている。
よって、突出部36の上端36aが、下外側奥フィン45aに沿って水平に延出されている。
これにより、下外側奥フィン45aと下壁部31(すなわち、突出部36の上端36a)との間隔が均等に確保されている。
第1規制部47は、突出部36の上端36aに対して反対側(離れる側)に傾斜するように形成されている。
この第1規制部47は、隣接奥フィン(隣接フィン)45cとの間のフィン間流路61を流れる空調風を規制(制限)する部位である。
隣接奥フィン45cは、複数の奥フィン45のうち、下外側奥フィン45aの上方に所定間隔をおいて隣接されたフィンである。
第2規制部48は、突出部36の上端36aに対して反対側(離れる側)に傾斜するように車体前方に向けて上り勾配で形成されている。
この第2規制部48は、突出部36との間の壁部間流路62を流れる空調風を規制(制限)する部位である。
下壁部31は、下外側奥フィン45aの下方に所定間隔をおいて隣接された壁部である。
このように、第1規制部47および第2規制部48をそれぞれ突出部36の上端36aに対して反対側(離れる方向)に傾斜させた。
よって、突出部36の上端36aに対して第2規制部48が近接した際に第1規制部47が隣接奥フィン45cに近接するように形成されている。
これにより、非規制時において、突出部36および下外側奥フィン45a間を流れる空調風を良好に確保することができ、突出部36による影響を小さく抑えてデザイン(設計)の自由度を高めることができる。
さらに、下外側奥フィン45aを左右の奥フィン支持部46で揺動可能に支持し、この左右の奥フィン支持部46を第1規制部47と第2規制部48との間に設けた。
よって、下外側奥フィン45aを左右の奥フィン支持部46を中心にして揺動することで、第1規制部47を隣接奥フィン45c側に移動するとともに、第2規制部48を突出部36側に移動することができる。
これにより、第1規制部47でフィン間流路61を流れる空調風を規制するとともに、第2規制部48で壁部間流路62を流れる空調風を規制することができる。
すなわち、第1、第2の規制部47,48の両規制部でフィン間流路61や壁部間流路62を流れる空調風を同時に規制することができる。
図5は図4の中央奥フィン部を中央フィン操作部で下向きに調整した状態を示す断面図である。
操作ノブ54を矢印の如く下方向にスライド移動させることで、中央奥フィン部41が下向きに調整されている。
複数の奥フィン45(下外側奥フィン45aも含む)が、左右の奥フィン支持部46を軸にして空調風の送風方向に向けて下り勾配に配置されている。
この状態において、下外側奥フィン45aのうち第1規制部47の先端(前端)47aが隣接奥フィン45cに近接されて、フィン間流路61が閉塞される。
よって、フィン間流路61を流れる空調風を規制することができる。
さらに、下壁部31に突出部36を設けることで、下外側奥フィン45aと突出部36の上端36aとの間隔が均等に確保されている。
よって、下外側奥フィン45aを下向きに調整することで、下外側奥フィン45aのうち第2規制部48の先端(後端)48aが突出部36の上端36aに近接されて、壁部間流路62が閉塞される。
このように、下壁部31に突出部36を設けることで、壁部間流路62を流れる空調風を規制することができる。
つぎに、車両用空調の吹出口構造15で空調風の送風方向を調整する例を図6に基づいて説明する。
図6(a),(b)は第1実施の形態に係る車両用空調の吹出口構造で車室内に空調風を送風する例を説明する図である。
(a)において、操作ノブ54を調整することで、複数の奥フィン45(下外側奥フィン45aも含む)が、空調風の送風方向に沿って配置される。
空調装置(図示せず)から空調風が送り出され、送り出された空調風が中央空調ダクト26を経て中央吹出口部24に矢印の如く送風される。
中央吹出口部24に送風された空調風は、中央奥フィン部41に矢印の如く導かれる。中央奥フィン部41に導かれた空調風は、複数の奥フィン45間の流路60(フィン間流路61や壁部間流路62も含む)を経て中央内装フィン部42に矢印の如く送風される。
中央内装フィン部42に送風された空調風は、複数の内装フィン51を経て中央吹出口部24の先端38から車室12の中央に矢印の如く送風される。
(b)において、操作ノブ54を下方向にスライド移動させることで、中央奥フィン部41が下向きに調整される。
複数の奥フィン45(下外側奥フィン45aも含む)が、左右の奥フィン支持部46を軸に揺動して空調風の送風方向に向けて下り勾配に配置される。
よって、フィン間流路61を流れる空調風が規制されるとともに、壁部間流路62を流れる空調風が規制される。
さらに、上外側奥フィン45bの上規制部50が上壁部32に近接され、上規制部50および上壁部32間の流路60を流れる空調風が規制される。
この状態において、空調装置(図示せず)から空調風が送り出され、送り出された空調風が中央空調ダクト26を経て中央吹出口部24に矢印の如く送風される。
中央吹出口部24に送風された空調風は、中央奥フィン部41に矢印の如く導かれる。中央奥フィン部41に導かれた空調風は、複数の奥フィン45間の流路60のうち中央側の流路60aに集められて(集中されて)、中央側の奥フィン45で空調風を下向きに送風することができる。
よって、下向きに送風する空調風を下壁部31から離すことができるので、空調風の一部が下壁部31に案内されて異なる方向に導かれることを防ぐことができる。
これにより、下壁部31の形状によらず、中央吹出口部24に導かれた全ての空調風を車室12内の下方に向けて送風することが可能になり、空調風の風量を減らすことなく、空調風を下方に向けて良好に送風することができる。
図7は図1の7−7線断面図である。
右吹出口部27は、略水平に設けられ、送風口となる先端39が右端部22の上面(表面)22aに開口されている。
この右吹出口部27は、下方に設けられた下壁部(一方の壁部)71と、下壁部71に対向するように上方に設けられた上壁部(他方の壁部)72と、左側方に設けられた左側壁部(図示せず)と、この左側壁部に対向するように左方に設けられた右壁部74とを備えている。
下壁部71、上壁部72、左側壁部および右壁部74で右吹出口部27が略矩形の環状体(筒状体)に上下方向が長手となるよう形成されている。
また、右吹出口部27は、先端39が右端部22の上面22aに沿って上り勾配になるように傾斜させた状態に形成されている。
この先端39から空調装置(図示せず)の空調風を車室12内の右側に送風することができる。
ここで、右吹出口部27の下壁部71は、図1に示すように、左側壁部から右壁部74に向けて水平に形成されている。
よって、下壁部71と下外側奥フィン81a(後述する)との間隔が均等に確保されている。
これにより、下壁部71に、図2に示す突出部36を設ける必要がない。
右フィン部28は、右吹出口部27の奥側部位27a側に設けられた右奥フィン部(複数の奥フィン)76と、右吹出口部27の車室側部位27b側に設けられた右内装フィン部(複数の内装フィン)77と、右奥フィン部76および右内装フィン部77の向きを調整する右フィン操作部78とを備えている。
右吹出口部27の奥側部位27a側に右奥フィン部76が設けられ、室内側部位27b側に右内装フィン部77が設けられることで、右内装フィン部77に対して右奥フィン部76が右吹出口部27の奥側に配置されている。
右奥フィン部76は、水平に延出された状態で横向きに配置された複数の奥フィン(フィン)81を備えている。
複数の奥フィン81は、右吹出口部27の下壁部71から上壁部72まで上下方向(縦方向)に所定間隔をおいて並列に設けられ、左右の奥フィン支持部(支持部)82で上下方向に揺動自在に支持されている。
左右の奥フィン支持部82は、奥フィン81の左右の側部から同一平面上にそれぞれ突出されている。
さらに、複数の奥フィン81は、左右の奥フィン支持部82を軸にして上下方向に連動可能にそれぞれ連結されている。
ここで、複数の奥フィン81の構成の理解を容易にするために、以下、下壁部71に隣接する奥フィン81を下外側奥フィン(外側フィン)81a、上壁部72に隣接する奥フィン81を上外側奥フィン81bとして説明する。
下外側奥フィン81aは、前端部が上向き傾斜状に折り曲げられた第1規制部84と、後端部が下向き傾斜状に折り曲げられた第2規制部85とを備えている。
この下外側奥フィン81aを揺動可能に支持する左右の奥フィン支持部82は、下外側奥フィン81aの車体前後方向において略中央部に設けられている。
なお、第1規制部84および第2規制部85については図8、図9で詳しく説明する。
上外側奥フィン81bは、左右の奥フィン支持部82の車体前方側部位を形成する上規制部86を備えている。
上規制部86は、左右の奥フィン支持部82から車体前方に向けて上り勾配に形成されている。
右内装フィン部77は、上下方向に延出された状態で縦向きに配置された複数の内装フィン(フィン)88を備えている。
複数の内装フィン88は、右吹出口部27の左側壁部から右側壁部74まで左右方向(横方向)に所定間隔をおいて並列に設けられ(図1参照)、上下の内装フィン支持部89で左右方向に揺動自在に支持されている。
上下の内装フィン支持部89は、内装フィン88の上下の端部から同一平面上にそれぞれ突出されている。
さらに、複数の内装フィン88は、上下の内装フィン支持部89を軸にして左右方向に連動可能にそれぞれ連結されている。
複数の内装フィン88は、右吹出口部27の先端39側に設けられている。前述したように、先端39は右端部22の上面22aに開口されている。
複数の内装フィン88は、車室12に対向する内装縁部88aを備えている。内装縁部88aは、車室12に向けて隆起するように略湾曲状に形成され、右端部22の上面22aaの傾斜方向に沿って上り勾配に配置されている。
よって、右端部22の上面22aの傾斜に沿わせて複数の内装フィン88を配置することで、複数の内装フィン88を上面22aの意匠ラインに対して一様となるように(連続性を保つように)設けることができる。
これにより、右端部22の上面22a(すなわち、インストルメントパネル13)の意匠性を一層高めることができる。
右フィン操作部78は、複数の内装フィン88のうち中央の内装フィン88に上下方向にスライド自在に設けられた操作ノブ91と、操作ノブ91に設けられた二股の係合部92と、係合部92に係合された係止ピン93と備えている。
係止ピン93は、複数の奥フィン81のうち中央の奥フィン81の前端部に設けられている。
操作ノブ91を左右方向に揺動させることで、複数の内装フィン88が上下の内装フィン支持部89を軸にして左右方向に揺動可能である。
複数の内装フィン88の向きを変えることで、空調風の送風方向を左右方向に調整可能である。
操作ノブ91を中央の内装フィン88に沿って上下方向にスライド移動させることで、複数の奥フィン81が左右の奥フィン支持部82を軸にして上下方向に揺動可能である。
複数の奥フィン81の向きを変えることで、空調風の送風方向を上下方向に調整可能である。
図8は図7の8部拡大図である。
第1規制部84は、下壁部71に対して反対側(離れる側)に傾斜するように上り勾配で形成されている。
この第1規制部84は、隣接奥フィン(隣接フィン)81cとの間のフィン間流路95を流れる空調風を規制(制御)する部位である。
隣接奥フィン81cは、複数の奥フィン81のうち、下外側奥フィン81aの上方に所定間隔をおいて隣接されたフィンである。
第2規制部85は、下壁部71に向けて傾斜するように車体前方に向けて下り勾配に形成されている。
この第2規制部85は、下壁部71との間の壁部間流路96を規制する部位である。
下壁部71は、下外側奥フィン81aの下方に所定間隔をおいて隣接された壁部である。
ここで、下外側奥フィン81aを左右の奥フィン支持部82で揺動可能に支持し、この左右の奥フィン支持部82を第1規制部84と第2規制部85との間に設けた。
よって、下外側奥フィン81aを左右の奥フィン支持部82を中心にして揺動することで、第1規制部84を隣接奥フィン81c側に移動するとともに、第2規制部85を下壁部71側に移動することができる。
これにより、第1規制部84でフィン間流路95を流れる空調風を規制するとともに、第2規制部85で壁部間流路96を流れる空調風を規制することができる。
すなわち、第1、第2の規制部84,85の両規制部でフィン間流路95や壁部間流路96を流れる空調風を同時に規制することができる。
図9は図8の右奥フィン部を下向きに調整した状態を示す断面図である。
操作ノブ91(図7参照)を下方向にスライド移動させることで、右奥フィン部76が下向きに調整されている。
右奥フィン部76が下向きに調整されることで、複数の奥フィン81(下外側奥フィン81aも含む)が左右の奥フィン支持部82を軸にして空調風の送風方向に向けて下り勾配に配置されている。
この状態において、下外側奥フィン81aのうち第1規制部84の先端(前端)84aが隣接奥フィン81cに近接されて、フィン間流路95が閉塞される。
よって、フィン間流路95を流れる空調風を規制することができる。
さらに、下外側奥フィン81aのうち第2規制部85の先端(後端)85aが下壁部71に近接されて、壁部間流路96が閉塞されている。
よって、壁部間流路96を流れる空調風を規制することができる。
この状態において、空調装置(図示せず)から右吹出口部27に送風された空調風は、右奥フィン部76に矢印の如く導かれる。右奥フィン部76に導かれた空調風は、複数の奥フィン81間の流路98のうち中央側の流路98a(図7も参照)に集められて(集中されて)、中央側の奥フィン81で空調風を矢印の如く下向きに送風することができる。
よって、下向きに送風する空調風を下壁部71から離すことができるので、空調風の一部が下壁部71に案内されて異なる方向に導かれることを防ぐことができる。
これにより、右吹出口部27に導かれた全ての空調風を車室12内の下方に向けて送風することが可能になり、空調風の風量を減らすことなく、空調風を下方に向けて良好に送風することができる。
第1実施の形態の車両用空調の吹出口構造15では、インストルメントパネル13の上面に中央吹出口ユニット17および左右の吹出口ユニット18を設けた例について説明したが、吹出口ユニットを設ける部位は適宜選択することが可能である。
図10は本発明に係る車両用空調の吹出口構造(第2実施の形態)を取り付ける部位を示す側面図である。
車両用空調の吹出口構造110は、インストルメントパネル13の下部23に設けられた下吹出口ユニット102と、ルーフライニング(車両用内装材)103に設けられたルーフ吹出口ユニット104と、左右のピラーガーニッシュ(車両用内装材)106に設けられたピラー吹出口ユニット107と、ドライバシートおよびパッセンジャシート間のコンソールボックス(車両用内装材)112に設けられたコンソール吹出口ユニット113とを備えている。
ルーフ吹出口ユニット104、ピラー吹出口ユニット107およびコンソール吹出口ユニット113は、第1実施の形態の中央吹出口ユニット17や左右の吹出口ユニット18と同様に構成され、もしくは吹出口ユニット17,18に対して吹出口部の軸心を軸に90度回転した態様で構成されている。
回転した態様の吹出口ユニットは、複数の奥フィン45,81が左右方向に所定間隔をおいて並列に設けられ、左右方向に揺動自在に支持されるとともに、複数の内装フィン51,88が上下方向に所定間隔をおいて並列に設けられ、上下方向に揺動自在に支持される構成となる。
なお、回転した態様の吹出口ユニットは、第1実施の形態の吹出口ユニットにおいて「上」「下」と「左」「右」とを読み替えることで具体的構成を明らかにできるため各構成についての説明を省略する。
これらの吹出口ユニット104,107,113においても、ルーフライニング103、ピラーガーニッシュ106、コンソール112の意匠ラインに対して一様となるように(連続性を保つように)設けることができ、意匠性を一層高めることができる。
さらに、空調風の一部が壁部に案内されて異なる方向に導かれることを防ぐことで、吹出口部に導かれた全ての空調風を車室12内の所望の方向に向けて送風することが可能になり、空調風の風量を減らすことなく、空調風を下方に向けて良好に送風することができる。
加えて、第1実施の形態の中央吹出口ユニット17や左右の吹出口ユニット18と同様の効果を得ることが可能である。
なお、前記実施の形態で示したインストルメントパネル13、車両用空調の吹出口構造15,110、中央吹出口部24、中央フィン部25、中央空調ダクト26、右吹出口部27、右フィン部28、右空調ダクト29、突出部36、奥フィン45,81、下外側奥フィン45a,81a、隣接奥フィン45c,81c、左右の奥フィン支持部46,82、第1規制部47,84、第2規制部48,85、内装フィン51,88、ルーフライニング103、ピラーガーニッシュ106およびコンソール112などは例示した形状に限定するものではなく適宜変更が可能である。
例えば、内装フィン51,88は固定フィンであってもよい。
本発明は、空調風を送風する吹出口部に複数のフィンが設けられ、複数のフィンの向きを変えて送風方向を調整する車両用空調の吹出口構造を備えた自動車への適用に好適である。
本発明に係る車両用空調の吹出口構造(第1実施の形態)を備えた車両を示す斜視図である。 第1実施の形態に係る中央吹出口ユニットから複数の内装フィンを除去した状態を示す斜視図である。 図1の3−3線断面図である。 図3の4部拡大図である。 図4の中央奥フィン部を中央フィン操作部で下向きに調整した状態を示す断面図である。 第1実施の形態に係る車両用空調の吹出口構造で車室内に空調風を送風する例を説明する図である。 図1の7−7線断面図である。 図7の8部拡大図である。 図8の右奥フィン部を下向きに調整した状態を示す断面図である。 本発明に係る車両用空調の吹出口構造(第2実施の形態)を取り付ける部位を示す側面図である。
符号の説明
10…車両、12…車室、13…インストルメントパネル(車両用内装材)、15,110…車両用空調の吹出口構造、21a,22a…上面(表面)、24…中央吹出口部(吹出口部)、25…中央フィン部(複数のフィン)、26…中央空調ダクト(空調ダクト)、27…右吹出口部(吹出口部)、28…右フィン部(複数のフィン)、29…右空調ダクト(空調ダクト)、31,71…下壁部(一方の壁部)、32,72…上壁部(他方の壁部)、36…突出部、36a…上端(先端)、38…中央吹出口部の先端、39…右吹出口部の先端、45,81…奥フィン(フィン)、45a,81a…下外側奥フィン(外側フィン)、45c,81c…隣接奥フィン(隣接フィン)、46,82…左右の奥フィン支持部(支持部)、47,84…第1規制部、48,85…第2規制部、51,88…内装フィン(フィン)、61,95…フィン間流路、62,96…壁部間流路、103…ルーフライニング(車両用内装材)、106…ピラーガーニッシュ(車両用内装材)、112…コンソール(車両用内装材)。

Claims (4)

  1. 空気調節用の空調風を送風するために空調ダクトに吹出口部が設けられ、前記吹出口部の一方の壁部から前記一方の壁部に対向する他方の壁部まで複数のフィンが所定間隔をおいて並列に設けられ、前記複数のフィンの向きを変えることで、前記空調風の送風方向を調整可能な車両用空調の吹出口構造において
    前記複数のフィンのうち前記一方の壁部または前記他方の壁部に隣接するフィンを外側フィン、前記外側フィンに隣接するフィンを隣接フィンとし、
    前記外側フィンは、
    前記外側フィンおよび前記隣接フィン間のフィン間流路を流れる空調風を規制する第1規制部と、
    前記外側フィンおよび外側フィンに隣接する壁部間の壁部間流路を流れる空調風を規制する第2規制部と、
    を備えた車両用空調の吹出口構造であって、
    前記壁部間流路の空調風を規制するために、前記一方の壁部または前記他方の壁部のいずれか一方のみに前記外側フィンに向けて突出された突出部が設けられ、
    前記外側フィンは、前記突出部の先端に前記第2規制部が近接した際に前記第1規制部が前記隣接フィンに近接するように、前記第1規制部および前記第2規制部が前記突出部の先端に対して離れる方向に傾斜状に形成され、
    前記突出部の先端に前記第2規制部が近接するように移動させたとき、前記第1規制部で前記フィン間流路を流れる空気風を規制し、かつ、前記第2規制部で前記壁部間流路を流れる空気風を規制可能としたことを特徴とする車両用空調の吹出口構造。
  2. 前記外側フィンを揺動可能に支持する支持部が、前記第1規制部および前記第2規制部間に設けられたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調の吹出口構造。
  3. 前記吹出口部は、
    その先端が車両用内装材の表面に沿って傾斜させた状態に形成され、
    前記複数のフィンは、
    前記吹出口部の先端側に横方向に所定間隔をおいて並列配置されるとともに前記表面の傾斜方向に沿って配置された複数の内装フィンと、
    前記複数の内装フィンの奥側に所定間隔をおいて並列配置されるとともに前記表面の傾斜方向に対して交差する方向に沿って配置された複数の奥フィンと、を備え、
    前記複数の奥フィンのうち前記吹出口部の壁部に隣接するフィンを前記外側フィンとしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用空調の吹出口構造。
  4. 前記吹出口部は、
    その先端が車両用内装材の表面に沿って傾斜させた状態に形成され、
    前記複数のフィンは、
    前記吹出口部の先端側に縦方向に所定間隔をおいて並列配置されるとともに前記表面の傾斜方向に沿って配置された複数の内装フィンと、
    前記複数の内装フィンの奥側に所定間隔をおいて並列配置されるとともに前記表面の傾斜方向に対して交差する方向に沿って配置された複数の奥フィンと、を備え、
    前記複数の奥フィンのうち前記吹出口部の壁部に隣接するフィンを前記外側フィンとしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用空調の吹出口構造。
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