JP6787266B2 - 空気吹出装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の装置は、前席ドア開口部の前側のAピラーから上側のルーフサイドレールに亘って設けられた複数の空気吹出口から前席ドア開口部の下側に向けて空気を吹き出し、前席ドア開口部にエアカーテンを形成するものである。この装置は、乗員の乗降動作に伴って前席ドア開口部が開放されたとき、そのエアカーテンにより、車外から車室内に花粉などのダスト類が侵入することを防ぐものである。
この特許文献1には、複数の空気吹出口に対して空気を供給するための空気供給源を、車両に搭載された空調装置が備える送風機より構成したものが記載されている。
また、特許文献1には、その空気供給源を、車両に搭載したコンプレッサと、そのコンプレッサが圧縮した空気を貯める空気タンクにより構成したものが記載されている。
上述した特許文献1に記載の装置のように、空気供給源を空調装置が備える送風機によって構成すると、その送風機と空気吹出口との距離が遠くなり、送風機と空気吹出口とを連通するダクトの通風抵抗が大きくなる。一方、蚊の飛翔速度は2.5m/s程度であることから、蚊の侵入を防ぐためには、花粉等のダスト類の侵入を防ぐよりも大きな風速および風量が必要となる。そのため、特許文献1に記載の装置では、ドア開口部からの蚊の侵入を防ぐために必要な風速および風量を得ることが困難である。
また、車両に複数人が乗車しており、そのうちの一部の人が降車する場合などでは、空調装置により車室内に空調風を送風する動作と、複数の空気吹出口からドア開口部に対して空気を吹き出す動作とを両立させる必要がある。しかし、特許文献1に記載の装置のように、空気供給源を空調装置が備える送風機によって構成すると、その2つの動作を両立させることが困難である。
さらに、上述した特許文献1に記載の装置のように、空気供給源をコンプレッサと空気タンクにより構成した場合、装置の体格が大型化すると共に、製造上のコストが高くなることが懸念される。
車室内から吸入した空気を送風する送風機(10、11、12)と、
Bピラーに沿って設けられ、送風機から送風される空気が流れるダクト(20)と、
ダクトを流れる空気を、前席ドア開口部または後席ドア開口部の外側へ所定の角度で吹き出し、車室内への異物の侵入を防ぐ空気流を発生させるように、前記ダクトの上下方向に多連または間欠的に並べて設けられる複数の吹出ノズル(40)と、
前席ドア開口部および後席ドア開口部とは別に、外気を車室内に導入するための吸気経路(80)として機能するフロントエアコンユニットが有する外気吸込み口(81)と、
送風機の作動とフロントエアコンユニットの作動を制御する制御装置(50)と、を備え、
車両前後方向において、Bピラーと送風機との距離は、Aピラーと送風機との距離より近く、Cピラーと送風機との距離より近くであり、
制御装置は、送風機の作動と連動して、フロントエアコンユニットを外気モードで作動し、フロントエアコンユニットにより車外から車室内に送風される風量を、送風機により車室内から車外に吹き出される風量より大きいものとする。
また、この空気吹出装置は、上述した特許文献1のように圧縮機や空気タンクを備えることが無いので、装置の体格を小型化すると共に、製造上のコストを低減することができる。
さらに、この空気吹出装置は、吹出ノズルが設けられるダクトをBピラーに沿って設けることで、複数の吹出ノズルから前席ドア開口部および後席ドア開口部の両方に空気を吹き出すことができる。
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1〜図4に示すように、本実施形態の空気吹出装置1は、車両に搭載され、乗員2の乗降時にドア開口部3、4に対して空気を吹き出すことで、ドア開口部3、4から車室内へ蚊などの異物が侵入することを低減するものである。
具体的には、図1の二点鎖線BL1で示した位置に送風機10が設けられたとき、車幅方向から見て、送風機10の後方の一部とBピラー6とが重なっているので、Bピラー6と送風機10との距離は0である。送風機10の前端とAピラー5との距離は矢印D1に示した距離である。したがって、図1の二点鎖線BL1で示した位置に送風機10が設けられたとき、送風機10は、車両前後方向において、Bピラー6と送風機10との距離が、Aピラー5と送風機10との距離より近いといえる。なお、この状態で、Bピラー6と送風機10との距離が、Cピラー7と送風機10との距離より近いことは明らかである。
ステップS10で制御装置50は、ドア開閉検出装置53から伝送される信号に基づき、車両に設けられた複数のドア100、101のうち、どの位置のドアが開いたか否かを判定する。制御装置50は、車両のいずれかのドア100、101が開いたことを検出すると、処理をステップS20に移行する。
続いてステップS30で制御装置50は、送風機10を作動させる。これにより、送風機10からドア100、101が開いたドア開口部3、4に対応する前席ドア側風路71または後席ドア側風路72に空気が流れ、そのドア開口部3、4に対応する吹出ノズル40から空気が吹き出される。
図8および図9は、送風機10から車両右側の前席ドア側風路71に空気が流れ、車両右側の前席側吹出ノズル群41からドア開口部3の外側に空気が吹き出されている状態を示している。
図10および図11は、送風機10から車両右側の後席ドア側風路72に空気が流れ、車両右側の後席側吹出ノズル群42からドア開口部4の外側に空気が吹き出されている状態を示している。
ステップS60で制御装置50は、送風機10を停止させる。これにより、吹出ノズル40から空気の吹き出しが停止する。
一方、ステップS70で制御装置50は、フロントエアコンユニットスイッチがオンになっていると判定すると、処理をステップS90に移行し、フロントエアコンユニット8を継続して作動させる。
(1)本実施形態では、送風機10は、車両前後方向において、Bピラー6と送風機10との距離が、Aピラー5と送風機10との距離より近く、Cピラー7と送風機10との距離より近い位置に設けられる。
これにより、吹出ノズル40と送風機10との距離が近くなり、その間を連通するダクト20が短くなるので、ダクト20の通気抵抗を低減することが可能である。そのため、吹出ノズル40から吹き出される風量が増加する。したがって、この空気吹出装置1は、前席ドア開口部3または後席ドア開口部4から車室内への蚊等の異物の侵入を低減するために必要な風速および風量を得ることができる。
さらに、この空気吹出装置1は、吹出ノズル40が設けられるダクト20をBピラー6に沿って設けることで、複数の吹出ノズル40から前席ドア開口部3および後席ドア開口部4の両方に空気を吹き出すことができる。
これにより、車両の座席に着座した乗員2の頭部と車両天井とのクリアランスを確保することができる。
これにより、車幅方向左右のBピラー6に沿って設けた複数の吹出ノズル40に対し、1台の送風機10により空気を送ることが可能である。また、車両の2列目以降の座席に着座した乗員2の前方視界を送風機10が塞ぐ範囲が小さくなるので、乗員2の前方視界に対して送風機10が及ぼす影響を低減することができる。
これにより、車室内の空気が吹出ノズル40から車外に吹き出されても、外気が吸気経路80を介して車室内に導入されるので、車室内が負圧になることが防がれる。したがって、吹出ノズル40から吹き出された空気が再び車室内に吸い込まれるといった循環流が生じることが防がれるので、蚊等の異物の侵入を防ぐことができる。
ところで、車両に吸気経路80を設けるために、車体に穴を開けると、車体の剛性が低下するおそれがある。これに対し、吸気経路80としてフロントエアコンユニット8が有する外気吸込み口81を使用すれば、車体に穴を開けることなく、車両に吸気経路80を設けることが可能である。
これにより、送風機10が作動して車室内の空気が吹出ノズル40から車外に吹き出されても、フロントエアコンユニット8が外気モードで作動して外気が車室内に導入されるので、車室内が負圧になることが防がれる。したがって、吹出ノズル40から吹き出された空気が再び車室内に吸い込まれるといった循環流が生じることが防がれるので、蚊等の異物の侵入を防ぐことができる。なお、一般に、フロントエアコンユニット8の外気導入経路にはフィルタが設けられているので、フロントエアコンユニット8から蚊等の異物が侵入することは防がれる。
これにより、車室内の空気が吹出ノズル40から車外に吹き出されたとき、車室内が負圧になることを確実に防ぐことが可能である。そのため、車室内に意図しないところから外気が入ることが防がれるので、蚊等の異物の侵入を防ぐことができる。
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して送風機10の取付位置などを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
以上説明した第2実施形態も、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1および第2実施形態に対して送風機10の取付位置などを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、空気吹出装置は、Aピラー、BピラーおよびCピラーを有する車両に搭載される。Aピラーは、前座席に対応する前席ドア開口部の前側に設けられるものである。Bピラーは、前から2列目の座席に対応する後席ドア開口部と前席ドア開口部との間に設けられるものである。Cピラーは、後席ドア開口部の後側に設けられるものである。空気吹出装置は、送風機、ダクトおよび複数の吹出ノズルを備える。送風機は、車室内から吸入した空気を送風する。ダクトは、Bピラーに沿って設けられ、送風機から送風される空気が流れる。複数の吹出ノズルは、ダクトを流れる空気を、前席ドア開口部または後席ドア開口部の外側へ所定の角度で吹き出し、車室内への異物の侵入を防ぐ空気流を発生させる。ここで、車両前後方向において、Bピラーと送風機との距離は、Aピラーと送風機との距離より近く、Cピラーと送風機との距離より近い。
これによれば、車両の座席に着座した乗員頭部と車両天井とのクリアランスを確保することができる。
これによれば、車幅方向左右のBピラーに設けた複数の吹出ノズルに対し、1台の送風機により空気を送ることが可能である。また、車両の2列目以降の座席に着座した乗員の前方視界を送風機が塞ぐ範囲が小さくなるので、乗員の前方視界に対して送風機が及ぼす影響を低減することができる。
これによれば、車両の前座席の下のデッドスペースを活用し、車室内空間を確保することが可能である。また、車両の前座席の下に送風機を設けることで、Bピラーに設置される吹出ノズルと送風機との距離が近くなる。そのため、吹出ノズルと送風機とを連通するダクトを短くし、ダクトの通気抵抗を低減することが可能である。したがって、この空気吹出装置は、吹出ノズルから吹き出される風速および風量を増加し、車室内への蚊等の異物の侵入を低減するために必要な風速および風量を得ることができる。
ところで、送風機が車室内の空気を吸入しダクトを介して吹出ノズルから車外に空気が吹き出されると、車室内が負圧になり、吹出ノズルから吹き出された空気が再び車室内に吸い込まれるといった循環流が生じることが考えられる。そして、その循環流とともに車室内に蚊等の異物が入るおそれがある。
そこで、この空気吹出装置は、車室内に外気を導入するための吸気経路を備えている。これにより、車室内の空気が吹出ノズルから車外に吹き出されても、外気が吸気経路を介して車室内に導入されるので、車室内が負圧になることが防がれる。したがって、吹出ノズルから吹き出された空気が再び車室内に吸い込まれるといった循環流が生じることが防がれるので、蚊等の異物の侵入を防ぐことができる。
ところで、車両に吸気経路を設けるために、車体に穴を開けると、車体の剛性が低下するおそれがある。そこで、この空気吹出装置は、フロントエアコンユニットが有する外気吸込み口を、吸気経路としている。これにより、車体に穴を開けることなく、車両に吸気経路を設けることが可能である。
これによれば、送風機が作動して車室内の空気が吹出ノズルから車外に吹き出されても、フロントエアコンユニットが外気モードで作動して外気が車室内に導入されるので、車室内が負圧になることが防がれる。したがって、吹出ノズルから吹き出された空気が再び車室内に吸い込まれるといった循環流が生じることが防がれるので、蚊等の異物の侵入を防ぐことができる。なお、一般に、フロントエアコンユニットの外気導入経路にはフィルタが設けられているので、フロントエアコンユニットから蚊等の異物が侵入することは防がれる。
これによれば、車室内の空気が吹出ノズルから車外に吹き出されたとき、車室内が負圧になることを確実に防ぐことが可能である。そのため、車室内に意図しないところから外気が入ることが防がれるので、蚊等の異物の侵入を防ぐことができる。
3 前席ドア開口部
4 後席ドア開口部
5 Aピラー
6 Bピラー
7 Cピラー
10、11、12 送風機
20 ダクト
40 吹出ノズル
Claims (4)
- 前座席に対応する前席ドア開口部(3)の前側に設けられるAピラー(5)、前から2列目の座席に対応する後席ドア開口部(4)と前記前席ドア開口部との間に設けられるBピラー(6)、および、前記後席ドア開口部の後側に設けられるCピラー(7)を有すると共に、フロントエアコンユニット(8)を備える車両に搭載される空気吹出装置であって、
車室内から吸入した空気を送風する送風機(10、11、12)と、
前記Bピラーに沿って設けられ、前記送風機から送風される空気が流れるダクト(20)と、
前記ダクトを流れる空気を、前記前席ドア開口部または前記後席ドア開口部の外側へ所定の角度で吹き出し、車室内への異物の侵入を防ぐ空気流を発生させるように、前記ダクトの上下方向に多連または間欠的に並べて設けられる複数の吹出ノズル(40)と、
前記前席ドア開口部および前記後席ドア開口部とは別に、外気を車室内に導入するための吸気経路(80)として機能する前記フロントエアコンユニットが有する外気吸込み口(81)と、
前記送風機の作動と前記フロントエアコンユニットの作動を制御する制御装置(50)と、を備え、
車両前後方向において、前記Bピラーと前記送風機との距離は、前記Aピラーと前記送風機との距離より近く、前記Cピラーと前記送風機との距離より近くであり、
前記制御装置は、前記送風機の作動と連動して、前記フロントエアコンユニットを外気モードで作動し、前記フロントエアコンユニットにより車外から車室内に送風される風量を、前記送風機により車室内から車外に吹き出される風量より大きいものとする、空気吹出装置。 - 前記送風機(10)は、車両の天井のうち、車両の座席に着座した乗員頭部の上部を避けた位置に設けられている、請求項1に記載の空気吹出装置。
- 前記送風機は、車両の天井のうち、車幅方向における中央部に設けられている、請求項1または2に記載の空気吹出装置。
- 前記送風機(11、12)は、車両の前座席(91、92)の下に設けられている、請求項1に記載の空気吹出装置。
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