JP4662218B2 - ポリオレフィン用顆粒状複合添加剤及びその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、無機充填剤とフェノール系抗酸化剤及びポリプロピレンを必須成分として含有してなる多成分のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤(略して「顆粒状複合添加剤」ともいう。)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ポリオレフィンには、成形加工時の熱、酸化等に対する加工安定性及び成形加工後の成形体の光、熱、酸化等に対する保存安定性を付与する安定剤や成形体の強度、透明性や色調等を付与する改質剤、触媒失活剤等の各種添加剤が使用されている。
【0003】
通常これらの添加剤は、ポリオレフィンの成形加工時に粉末で使用されているが、粉末での使用は、浮遊粉塵による作業安全性に問題があり、また、比重、形状の異なる多品種の添加剤を任意の配合で、かつ均一に混合しなければならず、計量性及び操作性等に問題がある。
【0004】
上記の問題点を予め各種粉末状の添加剤を任意の割合で混合し、これを顆粒状に加工することにより改善することが提案されている。顆粒にすることにより浮遊粉塵を無くすこと、配合と均一混合の手間を低減することができ、いわゆるノンダスト、ワンパックの添加剤の実現が可能となる。
【0005】
現在、乾燥コンパクト化装置及びペレットミルによる粒化システムやワックス、パラフィン、ステラミド等のバインダーを使用する方法が検討されているが、上記粒化システムによる粒状物は機械的強度が小さく砕けやすいので浮遊粉塵及び均一混合の点で未だ不充分である。また、バインダーの使用はポリオレフィン中に不要な化合物が混入することとなるので問題になっている。
【0006】
また、特開平5−179056号、特開平6−91152号、特開平8−333477号に粒状の混合添加剤やその製法についての記載がある。これらは、粒状物の物性については、ほぼ満足できるものの、その機能については不充分であり添加剤のワンパック化において問題が残っている。
【0007】
低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン/プロピレンブロック又はランダム共重合体等のα−オレフィン重合体等のポリオレフィンには、成形加工時の酸化を押さえ、着色、物性低下を防ぐために抗酸化剤が使用される。また、ポリオレフィンには、強度等の物性を改善するために無機充填剤が配合される場合がある。無機充填剤は、その効果を最大限に奏するためにはポリオレフィン中に均一に分散する必要がある。無機充填剤配合系の複合添加剤を上記の方法で粒状化した場合には、粒状複合添加剤中の無機充填剤の分散性が低下し、その結果、これを使用した場合にポリオレフィン中の無機充填剤の分散性が不十分になる欠点があった。更には粒状複合添加剤の強度が不足する欠点があった。
【0008】
従って、本発明の目的は、添加剤のノンダスト、ワンパック化に対応した強度及び機能を有するポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を供給することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、特定成分の配合からなるポリオレフィン用顆粒状複合添加剤が上記問題点解決に有効であることを見出し本発明に到達した。
【0010】
即ち、本発明の第1は、無機充填剤30質量部、フェノール系抗酸化剤1〜30質量部、ポリプロピレン10〜90質量部、及び随意成分として一種類以上の他の添加剤成分0〜500質量部を含有してなるポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を提供するものである。
また、本発明の第2は、無機充填剤が粉末状シリカ及び/又はタルクである本発明の第1のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を提供するものである。
また本発明の第3は、フェノール系抗酸化剤がテトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタンである第1又は第2の発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を提供するものである。
また本発明の第4は、一種類以上の他の添加剤成分中に1〜30質量部のリン系抗酸化剤が含まれる第1〜3の発明のいずれかのポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を提供するものである。
また本発明の第5は、一種類以上の他の添加剤成分中に0.5〜10質量部のハイドロタルサイト化合物が含まれる第1〜4の発明のいずれかのポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を提供するものである。
また本発明の第6は、振とう機による粉化促進試験において、16メッシュのふるいを通過する粒子の質量比(粉化率)が1.0%以下である第1〜5の発明のいずれかのポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を提供するものである。
また本発明の第7は、構成成分原料を150℃〜270℃の温度で造粒することを特徴とした第1〜6の発明のいずれかのポリオレフィン用顆粒状複合添加剤の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る無機充填剤は、通常ポリオレフィンの強度改良剤及び添加剤の分散性を向上させて他の添加剤の効果を向上させる添加剤助剤として用いられるものであり、その形状、粒度分布、粒径、製造法等によって制限を受けることはなく周知一般のものを用いることができる。該無機充填剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、チタニア、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ベリリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アルミネート水和物、タルク、クレー、カオリン、マイカ、アスベスト、ベントナイト、セピオライト、珪酸カルシウム、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、チタン酸カリウム、炭化珪素、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられ、これらは一種類又は二種類以上混合で用いてもよい。これら無機充填剤の中では、ポリオレフィンに対し優れた添加効果を与えるので、シリカ及び/又はタルクが好ましく、粒径としては、0.5〜10μmのものが分散性に優れるのでより好ましい。
【0012】
本発明に係るフェノール系抗酸化剤とは、その分子構造中にフェノール骨格を含む公知の抗酸化剤のことであり、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。その中でも特にテトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタンがポリオレフィンに対して抗酸化機能、効果の持続性に優れているので特に好ましく用いられる。
【0013】
本発明に係るポリプロピレンは、後記実施例の電子顕微鏡写真及び組成分析に示すとおり顆粒状複合添加剤に対し均一な組成を与える効果を有する。また顆粒状複合添加剤のポリオレフィンに対する分散性を良好にする効果を与えるものであり、結果として優れた添加剤の使用効果を付与するものである。該ポリプロピレンは、形状により特に限定されるものではないが、パウダー状のものを用いると、顆粒状複合添加剤の組成の均一性がより良好になるので好ましい。ポリプロピレンとしては、プロピレンホモポリマーの他、プロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体(プロピレン含量は90質量%以上)又はこれらの混合物が挙げられ、メルトフローインデックスは特に限定されない。
【0014】
本発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤において、上記の含有されるポリプロピレン添加剤の配合は、無機充填剤30質量部に対して、10質量部以下であると前記で説明した使用効果が得られず、また90質量部を超えると使用効果の向上が得られないばかりでなく、添加剤含有量が少なくなり、計量性、搬送等工程上の利便性が損なわれるので、10〜90質量部であり、15〜60質量部が好ましい。
【0015】
本発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤において、随意成分である他の添加剤成分とは、上記の無機充填剤、フェノール系抗酸化剤以外の周知のポリオレフィンに添加使用される無機、有機の各種添加剤のことであり、特に制限されないが、例えば、以下に記載するものが挙げられる。
【0016】
リン系抗酸化剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスフィト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
【0017】
また、硫黄系抗酸化剤としては、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0018】
また、ヒンダードアミン系光安定剤としては以下の一般式(I)で表される化合物、塩化シアヌル縮合型、高分子量型が挙げられる。
【化1】
(式中、nは、1〜6の整数を表し、Aは、水素原子、炭素数1〜18のn価の炭化水素基、n価のアシル基またはn価のカルバモイル基を表し、Bは、酸素原子、−NH−、炭素数1〜8のアルキル基R’を有する−NR’−を表し、Xは、水素原子、オキシラジカル(・O)、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基を表し、Zは、メチン、又は炭素数1〜8のアルキル基R1を有する以下の基(II)を表す。)
【0019】
【化2】
【0020】
上記一般式(II)において、Aで表されるn価の炭素数1〜18の炭化水素基としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、第二ブタン、第三ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、第三ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、第三ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、第三オクタン、2−エチルヘキサン、ノナン、イソノナン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ペプタデカン、オクタデカンから誘導される基(アルキル基、アルカンジ〜ヘキサイル基)が挙げられる。
【0021】
n価のアシル基とは、カルボン酸、n価カルボン酸及びカルボキシル基がn個残存している多価カルボン酸アルキルエステルから誘導される基のことであり、該アシル誘導体化合物としては、酢酸、安息香酸、4−トリフルオロメチル安息香酸、サリチル酸、アクリル酸、メタクリル酸、シュウ酸、マロン酸、スクシン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリト酸、トリメシン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸モノ〜ジアルキルエステル、ペンタン−1,3,5−トリカルボン酸、ペンタン−1,3,5−トリカルボン酸モノ〜ジアルキルエステル、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸モノ〜トリアルキルエステル、ペンタン−1,2,3,4,5−ペンタカルボン酸、ペンタン−1,2,3,4,5−ペンタカルボン酸モノ〜テトラアルキルエステル、ヘキサン−1,2,3,4,5,6−ヘキサカルボン酸、ヘキサン−1,2,3,4,5,6−ヘキサカルボン酸モノ〜ペンタアルキルエステル等が挙げられる。また、n価のカルバモイル基は、イソシアネート化合物から誘導されるモノアルキルカルバモイル基またはジアルキルカルバモイルのことであり、モノアルキルカルバモイル基を誘導するイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3、3’−ジメチルジフェニル−4、4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート等が挙げられ、ジアルキルカルバモイルとしては、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル、ジヘキシルカルバモイル、ジオクチルカルバモイル等が挙げられる。これらのAで表される基はハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等で置換されていてもよい。
【0022】
B中のR’で表される炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、1−エチルペンチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシルが挙げられ、Xで表される炭素数1〜18のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、イソノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ペプタデシルオキシ、オクタデシルオキシが挙げられ、炭素数1〜8のアルキル基としては、R’と同様の基が挙げられ、Z中のR1で表される炭素数1〜8のアルキル基としては、R’と同様の基が挙げられる。
【0023】
上記の一般式(I)で表されるヒンダードアミン系光安定剤の更なる具体例としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジルメタクリレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。
【0024】
塩化シアヌル縮合型としては、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン等が挙げられる。
【0025】
また、高分子量型としては、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物等が挙げられる。
【0026】
また、紫外線吸収剤系光安定剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩又は金属キレート、特にニッケル又はクロムの塩又はキレート類が挙げられる。
【0027】
また、結晶核剤としては、4−第三ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム等のカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシアルミニウムビス(2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート)等の酸性リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトールなどの多価アルコール誘導体、リチウムベンゾエート、ナトリウムベンゾエート、アルミニウムベンゾエート等の芳香族カルボン酸金属塩等が挙げられる。
【0028】
また、脂肪族モノカルボン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ポリオレフィン樹脂に対して、触媒失活剤、結晶化助剤として用いられるものであり、これを構成する脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、酪酸、オクチル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられる。
【0029】
また、ハイドロタルサイト化合物としては、下記式で表されるものが挙げられる。
MgX1ZnX2Al2(OH)2X1+2X2+4CO3・mH2O
(式中、X1及びX2は各々下記式で表される条件を満足する数を示し、mは0または任意の正数を示す。0≦X2/X1<10、2≦X1+X2<20)
【0030】
また、上記以外の添加剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防止剤、ハロゲン系化合物、リン系化合物又は金属酸化物等の難燃剤、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族エステル系、脂肪族アマイド系又は金属石けん系の滑剤、結晶核剤、加工助剤、染料、顔料等の着色剤、有機カルボン酸等が挙げられる。
【0031】
このなかでも特にリン系抗酸化剤は、フェノール系抗酸化剤と併用することで相乗効果が得られるので使用することが好ましく、また、ハイドロタルサイトは、触媒を失活させ、ポリオレフィンの熱安定性を改善する効果が得られるので使用することが好ましい。
【0032】
ポリオレフィンに使用される添加剤の好ましい使用量の範囲は、効果が発現する量から添加効果の向上が見られなくなる範囲である。ポリオレフィン100質量部に対する各添加剤の使用量は、無機充填剤が0.01〜15質量部、フェノール系抗酸化剤が0.01〜5質量部であり、必要に応じて用いられるその他の添加剤については、使用する場合は、それぞれ0.001〜15質量部である。必要に応じて用いられるその他の添加剤の中で、使用するのが好ましいものとして例示したリン系抗酸化剤及びハイドロタルサイト化合物については、0.001〜5質量部である。
【0033】
本発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤中の各構成成分原料の配合は、該ポリオレフィン用顆粒状複合添加剤に必要な機械的強度を与えかつ上記のポリオレフィンに対する好ましい使用量に対応する範囲である。これについては、無機充填剤30質量部に対し、フェノール系抗酸化剤は1〜30質量部であり、好ましくは5〜20質量部である。また、必要に応じて用いられるその他の添加剤については、10成分以上の使用は、通常行われることはなくまた添加量が大きくなると顆粒の機械的強度を損なうことになるので無機充填剤30質量部に対して、0〜500質量部であり、100質量部以下が好ましい。また、前記の如く、リン系抗酸化剤及び/又はハイドロタルサイト化合物を用いることが好ましい。この場合のリン系抗酸化剤は、無機充填剤30質量部に対し1〜30質量部、ハイドロタルサイト化合物は、0.5〜10質量部が好ましい範囲である。
【0034】
上記より、本発明におけるポリオレフィン用顆粒状複合添加剤の中の無機充填剤の割合は、4.62〜73.2質量%であるが、得られる顆粒の強度と機能のバランスがよいので、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
【0035】
本発明に係る粉化促進試験による粉化率は、顆粒状複合添加剤を振とう機を用いて振とうして、16メッシュのふるいを通過する粒子の割合を質量比で表したものである。16メッシュのふるいを通過する粒子は、浮遊粉塵となり、作業安全性を低下させるものであるので、この値が1.0%以下であることが好ましい。
【0036】
本発明の上記のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤の製造方法とは、前記の粉末シリカ等の無機充填剤とフェノール系抗酸化剤、ポリプロピレン及び必要に応じて任意で含まれる他の添加剤を混合した混合物を150℃〜270℃で造粒する方法である。造粒時の温度が150℃より低いと得られる顆粒の機械的強度が不足し、上記の粉化率が悪化し、270℃より大きいと流動性が大きくなり造粒が困難になる。
【0037】
また、成形方法及び成形装置等については何ら限定されることなく、周知一般の方法、成形装置を使用することができる。製造方法としては、ディスクペレッター法、押出法が一般的であり、製造された顆粒状複合添加剤の強度が特に良好なので押出法がより好ましい。
【0038】
本発明に係るポリオレフィン用顆粒状複合添加剤が添加使用されるポリオレフィンについて、その種類は、何ら限定されることなく、周知一般のものを使用することができる。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、プロピレン/エチレンブロック又はランダム共重合体等のα−オレフィン重合体等が挙げられる。その中で、著しい添加効果を得られることからポリプロピレン、エチレン/プロピレンブロック又はランダム共重合体が特に好ましい。
【0039】
また、上記ポリオレフィンの用途としては、バンパー、ダッシュボード、インパネ等自動車用樹脂部品、冷蔵庫、洗濯機、掃除機等家電製品用樹脂部品、食器、バケツ、入浴用品等の家庭用品、玩具等の雑貨品、タンク類等の貯蔵、保存用容器等の成形品や、フィルム、繊維等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、製造実施例、製造比較例、評価例、実施例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の製造実施例、製造比較例、評価例、実施例によって何ら制限を受けるものではない。
尚、試験試料及び比較試料の製造は、混練押出機(株式会社池貝製PCM46型)、ダイス(孔径2.5mm、孔数16)、ホットカット方式の装置を用いた。ペレットのサイズは直径2.5mm、長さ5〜7mmである。
【0041】
(製造実施例1)試験試料A−1の製造
無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノール系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;30質量部の配合により、シリンダー温度設定;末端部導入部80℃、中央部140℃、末端部165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0042】
(製造実施例2)試験試料A−2の製造
上記製造実施例1と同じ配合により、シリンダー温度設定;末端部導入部80℃
中央部200℃、末端部165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量17.4kg/Hrでペレットを製造した。
【0043】
(製造実施例3)試験試料A−3の製造
上記製造実施例1と同じ配合により、シリンダー温度設定;末端部導入部80℃
中央部250℃、末端部200℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量19.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0044】
(製造実施例4)試験試料Bの製造
無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノール系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;30質量部、ハイドロタルサイト化合物:DHT−4A(協和化学株式会社製)2質量部の配合により、シリンダー温度設定;導入部80℃、中央部140℃、末端部165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0045】
(製造実施例5)試験試料Cの製造
無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノール系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;30質量部、リン系抗酸化剤:2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト;10質量部の配合により、シリンダー温度設定;導入部80℃、中央部140℃、末端部165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0046】
(製造実施例6)試験試料Dの製造
無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノール系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;30質量部、リン系抗酸化剤:2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト;10質量部、ハイドロタルサイト化合物:DHT−4A(協和化学株式会社製)2質量部の配合により、シリンダー温度設定;導入部80℃、中央部140℃、末端部165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0047】
(製造実施例7)試験試料Eの製造
無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノール系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;30質量部、リン系抗酸化剤:2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト;10質量部、ハイドロタルサイト化合物:DHT−4A(協和化学株式会社製)2質量部、滑剤:ジグリセリンモノステアレート;5質量部の配合により、シリンダー温度設定;導入部80℃、中央部140℃、末端部165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0048】
(製造実施例8)試験試料Fの製造
無機充填剤:タルク;30質量部、フェノール系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;30質量部、リン系抗酸化剤:、リン系抗酸化剤:2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト;10質量部、ハイドロタルサイト化合物:DHT−4A(協和化学株式会社製)2質量部、滑剤:ジグリセリンモノステアレート;5質量部の配合により、シリンダー温度設定;導入部80℃、中央部140℃、末端部165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0049】
(製造実施例9)試験試料Gの製造
無機充填剤:非晶質シリカ15質量部、タルク15質量部、フェノール系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;30質量部、リン系抗酸化剤:トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト;10質量部、ハイドロタルサイト化合物:DHT−4A(協和化学株式会社製)2質量部、滑剤:ジグリセリンモノステアレート;2.5質量部、帯電防止剤;エレクトロストリッパーEA(株式会社花王製);2.5質量部の配合により、シリンダー温度設定;末端部導入部100℃、中央部180℃、末端部165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0050】
(製造比較例1)比較試料aの製造
上記の製造実施例1について、これからポリプロピレンパウダーを除いた配合により、配合以外の同一の条件で、比較試料aを製造した。
【0051】
(製造比較例2)比較試料1、2の製造
上記の製造実施例7から無機充填剤を除いた配合により比較試料1を、製造実施例8から無機充填剤を除いた配合により比較試料2を製造した。
【0052】
(評価例1)
上記で得られた試験試料A−1、比較試料aの破断面について電子顕微鏡及びEDS(Energy Dispersive Spectroscopy)分析、EELS(Electron Energy Loss Spectroscopy)分析により均一性を評価した。破断面の電子顕微鏡写真および組成分析ポイントを図1〜2に示す。また結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
上記表1より、本発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤は、ポリプロピレン配合の効果により、均一組成を有することが確認できる。
【0055】
(評価例2)強度(粉化率、硬度)の評価
上記で得たいくつかの試験試料及び比較試料について粉化率(500mlポリ容器に16メッシュのふるいを通過しない試料を100g入れ、振幅40mm、振とう速度300サイクル/分で4時間振とうした後、16メッシュのふるいを通過した質量%)、強度(木屋式硬度計)の評価を行った。結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
上記表2より、本発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤は粉化率が0.5%以下、硬度が20N以上であり、良好な機械的強度を有し、ノンダスト化に適したものであることが確認できる。
【0058】
(評価例3)
表3〜4に記載の配合よる組成物をヘンシェルミキサーで5分間混合し、250℃、25rpmの条件で押出加工してペレットを製造した。これを250℃で射出成形して得た厚さ4mmの試験片について、曲げ弾性率(ASTM D−790)を評価した。また、この組成物を280℃で繰り返し押出加工してペレットを作製し、得られた1回目と5回目のペレットを250℃で射出成形して厚さ2mmの試験片を作製し、その色調(黄色度)をハンター比色計で測定し(表中Y1、Y5)着色防止性を評価した。Y1は初期着色防止性を表し、Y5/Y1は着色防止効果持続性を表す。これらの値が小さいほど着色防止性に優れる。尚、比較例1〜2は、ポリプロピレンに配合する試料を表3に示すものに変え、全体の組成としては、実施例1と成分及び配合について実質上同一であり、比較例3は、実施例1から無機充填剤を除いた組成である。また、同様に比較例5〜6は、実施例2と成分及び配合について実質上同一であり、比較例7は、実施例2から無機充填剤を除いた組成である。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
上記表3〜4より、本発明の顆粒状複合添加剤がポリオレフィンに対して、各添加剤を個別に加えた場合と同様もしくはそれ以上に添加効果の向上を与えることが確認できる。しかも添加剤のワンパック化により、浮遊粉塵を無くし、配合と均一混合の手間を低減することができた。
【0062】
【発明の効果】
本発明により、添加剤のノンダスト、ワンパック化に対応した強度及び機能を有するポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験試料A−1の破断面
ポイント▲1▼及び▲2▼は、組成分析を行った箇所を示す。
【図2】試験試料aの破断面
ポイント▲3▼及び▲4▼は、組成分析を行った箇所を示す。
Claims (7)
- 無機充填剤30質量部、フェノール系抗酸化剤1〜30質量部、ポリプロピレン10〜90質量部、及び随意成分として一種類以上の他の添加剤成分0〜500質量部を含有してなるポリオレフィン用顆粒状複合添加剤。
- 無機充填剤が粉末状シリカ及び/又はタルクである請求項1に記載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤。
- フェノール系抗酸化剤がテトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタンである請求項1又は2に記載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤。
- 一種類以上の他の添加剤成分中に1〜30質量部のリン系抗酸化剤が含まれる請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤。
- 一種類以上の他の添加剤成分中に0.5〜10質量部のハイドロタルサイト化合物が含まれる請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤。
- 振とう機による粉化促進試験において、16メッシュのふるいを通過する粒子の質量比(粉化率)が1.0%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤。
- 構成成分原料を150℃〜270℃の温度で造粒することを特徴とした請求項1〜6のいずれかに記載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤の製造方法。
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