JP2002275326A - ポリオレフィン用顆粒状複合添加剤及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン用顆粒状複合添加剤及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 添加剤のノンダスト、ワンパック化に対応し
た強度及び機能を有するポリオレフィン用顆粒状複合添
加剤を供給すること 【解決手段】 無機充填剤30質量部、フェノール系抗
酸化剤1〜30質量部、ポリプロピレン10〜90質量
部、及び随意成分として一種類以上の他の添加剤成分0
〜500質量部を含有してなるポリオレフィン用顆粒状
複合添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機充填剤とフェ
ノール系抗酸化剤及びポリプロピレンを必須成分として
含有してなる多成分のポリオレフィン用顆粒状複合添加
剤(略して「顆粒状複合添加剤」ともいう。)及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
オレフィンには、成形加工時の熱、酸化等に対する加工
安定性及び成形加工後の成形体の光、熱、酸化等に対す
る保存安定性を付与する安定剤や成形体の強度、透明性
や色調等を付与する改質剤、触媒失活剤等の各種添加剤
が使用されている。
【0003】通常これらの添加剤は、ポリオレフィンの
成形加工時に粉末で使用されているが、粉末での使用
は、浮遊粉塵による作業安全性に問題があり、また、比
重、形状の異なる多品種の添加剤を任意の配合で、かつ
均一に混合しなければならず、計量性及び操作性等に問
題がある。
【0004】上記の問題点を予め各種粉末状の添加剤を
任意の割合で混合し、これを顆粒状に加工することによ
り改善することが提案されている。顆粒にすることによ
り浮遊粉塵を無くすこと、配合と均一混合の手間を低減
することができ、いわゆるノンダスト、ワンパックの添
加剤の実現が可能となる。
【0005】現在、乾燥コンパクト化装置及びペレット
ミルによる粒化システムやワックス、パラフィン、ステ
ラミド等のバインダーを使用する方法が検討されている
が、上記粒化システムによる粒状物は機械的強度が小さ
く砕けやすいので浮遊粉塵及び均一混合の点で未だ不充
分である。また、バインダーの使用はポリオレフィン中
に不要な化合物が混入することとなるので問題になって
いる。
【0006】また、特開平5−179056号、特開平
6−91152号、特開平8−333477号に粒状の
混合添加剤やその製法についての記載がある。これら
は、粒状物の物性については、ほぼ満足できるものの、
その機能については不充分であり添加剤のワンパック化
において問題が残っている。
【0007】低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1
−ブテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン/プ
ロピレンブロック又はランダム共重合体等のα−オレフ
ィン重合体等のポリオレフィンには、成形加工時の酸化
を押さえ、着色、物性低下を防ぐために抗酸化剤が使用
される。また、ポリオレフィンには、強度等の物性を改
善するために無機充填剤が配合される場合がある。無機
充填剤は、その効果を最大限に奏するためにはポリオレ
フィン中に均一に分散する必要がある。無機充填剤配合
系の複合添加剤を上記の方法で粒状化した場合には、粒
状複合添加剤中の無機充填剤の分散性が低下し、その結
果、これを使用した場合にポリオレフィン中の無機充填
剤の分散性が不十分になる欠点があった。更には粒状複
合添加剤の強度が不足する欠点があった。
【0008】従って、本発明の目的は、添加剤のノンダ
スト、ワンパック化に対応した強度及び機能を有するポ
リオレフィン用顆粒状複合添加剤を供給することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため検討を重ねた結果、特定成分の配合から
なるポリオレフィン用顆粒状複合添加剤が上記問題点解
決に有効であることを見出し本発明に到達した。
【0010】即ち、本発明の第1は、無機充填剤30質
量部、フェノール系抗酸化剤1〜30質量部、ポリプロ
ピレン10〜90質量部、及び随意成分として一種類以
上の他の添加剤成分0〜500質量部を含有してなるポ
リオレフィン用顆粒状複合添加剤を提供するものであ
る。また、本発明の第2は、無機充填剤が粉末状シリカ
及び/又はタルクである本発明の第1のポリオレフィン
用顆粒状複合添加剤を提供するものである。また本発明
の第3は、フェノール系抗酸化剤がテトラキス[3−
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニルオキシメチル]メタンである第1又は第2の
発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を提供するも
のである。また本発明の第4は、一種類以上の他の添加
剤成分中に1〜30質量部のリン系抗酸化剤が含まれる
第1〜3の発明のいずれかのポリオレフィン用顆粒状複
合添加剤を提供するものである。また本発明の第5は、
一種類以上の他の添加剤成分中に0.5〜10質量部の
ハイドロタルサイト化合物が含まれる第1〜4の発明の
いずれかのポリオレフィン用顆粒状複合添加剤を提供す
るものである。また本発明の第6は、振とう機による粉
化促進試験において、16メッシュのふるいを通過する
粒子の質量比(粉化率)が1.0%以下である第1〜5
の発明のいずれかのポリオレフィン用顆粒状複合添加剤
を提供するものである。また本発明の第7は、構成成分
原料を150℃〜270℃の温度で造粒することを特徴
とした第1〜6の発明のいずれかのポリオレフィン用顆
粒状複合添加剤の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る無機充填剤は、通常
ポリオレフィンの強度改良剤及び添加剤の分散性を向上
させて他の添加剤の効果を向上させる添加剤助剤として
用いられるものであり、その形状、粒度分布、粒径、製
造法等によって制限を受けることはなく周知一般のもの
を用いることができる。該無機充填剤としては、例え
ば、シリカ、珪藻土、アルミナ、チタニア、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ベリ
リウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水
酸化カルシウム、アルミネート水和物、タルク、クレ
ー、カオリン、マイカ、アスベスト、ベントナイト、セ
ピオライト、珪酸カルシウム、モンモリロナイト、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、チタ
ン酸カリウム、炭化珪素、ガラス繊維、炭素繊維等が挙
げられ、これらは一種類又は二種類以上混合で用いても
よい。これら無機充填剤の中では、ポリオレフィンに対
し優れた添加効果を与えるので、シリカ及び/又はタル
クが好ましく、粒径としては、0.5〜10μmのもの
が分散性に優れるのでより好ましい。
【0012】本発明に係るフェノール系抗酸化剤とは、
その分子構造中にフェノール骨格を含む公知の抗酸化剤
のことであり、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−ク
レゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシ
フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホ
スホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビ
ス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三
ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6
−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキ
シ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−
メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−
ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチ
リックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチ
リデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,
4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−3−メチルフ
ェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第
三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタ
ン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒ
ドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェ
ニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−
ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)
イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第
三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレー
ト、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼ
ン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イ
ソシアヌレート、テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメ
チル]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2
−アクロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベン
ジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオ
キシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチ
レングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙
げられる。その中でも特にテトラキス[3−(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル
オキシメチル]メタンがポリオレフィンに対して抗酸化
機能、効果の持続性に優れているので特に好ましく用い
られる。
【0013】本発明に係るポリプロピレンは、後記実施
例の電子顕微鏡写真及び組成分析に示すとおり顆粒状複
合添加剤に対し均一な組成を与える効果を有する。また
顆粒状複合添加剤のポリオレフィンに対する分散性を良
好にする効果を与えるものであり、結果として優れた添
加剤の使用効果を付与するものである。該ポリプロピレ
ンは、形状により特に限定されるものではないが、パウ
ダー状のものを用いると、顆粒状複合添加剤の組成の均
一性がより良好になるので好ましい。ポリプロピレンと
しては、プロピレンホモポリマーの他、プロピレンを除
く炭素数2〜10のα−オレフィンとプロピレンのラン
ダムもしくはブロック共重合体(プロピレン含量は90
質量%以上)又はこれらの混合物が挙げられ、メルトフ
ローインデックスは特に限定されない。
【0014】本発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加
剤において、上記の含有されるポリプロピレン添加剤の
配合は、無機充填剤30質量部に対して、10質量部以
下であると前記で説明した使用効果が得られず、また9
0質量部を超えると使用効果の向上が得られないばかり
でなく、添加剤含有量が少なくなり、計量性、搬送等工
程上の利便性が損なわれるので、10〜90質量部であ
り、15〜60質量部が好ましい。
【0015】本発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加
剤において、随意成分である他の添加剤成分とは、上記
の無機充填剤、フェノール系抗酸化剤以外の周知のポリ
オレフィンに添加使用される無機、有機の各種添加剤の
ことであり、特に制限されないが、例えば、以下に記載
するものが挙げられる。
【0016】リン系抗酸化剤としては、トリフェニルホ
スファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)
ホスファイト、トリス(2,5−ジ第三ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリ
ス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフ
ェニルアシッドホスファイト、2,2'−メチレンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイ
ト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチ
ルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファ
イト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘ
キシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリ
ラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイ
ト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルト
リチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)
・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスフィト、ビス
(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト、ビス(2,5−ジ第三ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステア
リルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C
12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデ
ンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレン
ビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデン
ジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’
−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノ
ール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,
1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラ
キス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジ
ホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テト
ラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジ
オキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミ
ン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2
−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチ
ルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
【0017】また、硫黄系抗酸化剤としては、チオジプ
ロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルス
テアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジ
プロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β
−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオール
のβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙
げられる。
【0018】また、ヒンダードアミン系光安定剤として
は以下の一般式(I)で表される化合物、塩化シアヌル
縮合型、高分子量型が挙げられる。
【化1】 (式中、nは、1〜6の整数を表し、Aは、水素原子、
炭素数1〜18のn価の炭化水素基、n価のアシル基ま
たはn価のカルバモイル基を表し、Bは、酸素原子、−
NH−、炭素数1〜8のアルキル基R’を有する−N
R’−を表し、Xは、水素原子、オキシラジカル(・
O)、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜8の
アルキル基、ヒドロキシル基を表し、Zは、メチン、又
は炭素数1〜8のアルキル基R1を有する以下の基(II)
を表す。)
【0019】
【化2】
【0020】上記一般式(II)において、Aで表される
n価の炭素数1〜18の炭化水素基としては、メタン、
エタン、プロパン、ブタン、第二ブタン、第三ブタン、
イソブタン、ペンタン、イソペンタン、第三ペンタン、
ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、
第三ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、第三オク
タン、2−エチルヘキサン、ノナン、イソノナン、デカ
ン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカ
ン、ヘキサデカン、ペプタデカン、オクタデカンから誘
導される基(アルキル基、アルカンジ〜ヘキサイル基)
が挙げられる。
【0021】n価のアシル基とは、カルボン酸、n価カ
ルボン酸及びカルボキシル基がn個残存している多価カ
ルボン酸アルキルエステルから誘導される基のことであ
り、該アシル誘導体化合物としては、酢酸、安息香酸、
4−トリフルオロメチル安息香酸、サリチル酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸、シュウ酸、マロン酸、スクシン
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メ
チルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジ
ピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン
二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチル
デカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸、フタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリト酸、トリ
メシン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、プ
ロパン−1,2,3−トリカルボン酸モノ〜ジアルキル
エステル、ペンタン−1,3,5−トリカルボン酸、ペ
ンタン−1,3,5−トリカルボン酸モノ〜ジアルキル
エステル、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン
酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸モノ〜
トリアルキルエステル、ペンタン−1,2,3,4,5
−ペンタカルボン酸、ペンタン−1,2,3,4,5−
ペンタカルボン酸モノ〜テトラアルキルエステル、ヘキ
サン−1,2,3,4,5,6−ヘキサカルボン酸、ヘ
キサン−1,2,3,4,5,6−ヘキサカルボン酸モ
ノ〜ペンタアルキルエステル等が挙げられる。また、n
価のカルバモイル基は、イソシアネート化合物から誘導
されるモノアルキルカルバモイル基またはジアルキルカ
ルバモイルのことであり、モノアルキルカルバモイル基
を誘導するイソシアネート化合物としては、トリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシア
ネート、3、3’−ジメチルジフェニル−4、4’−ジ
イソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジ
イソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジ
イソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4
(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、リシンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,
6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタン
テトライソシアネート等が挙げられ、ジアルキルカルバ
モイルとしては、ジエチルカルバモイル、ジブチルカル
バモイル、ジヘキシルカルバモイル、ジオクチルカルバ
モイル等が挙げられる。これらのAで表される基はハロ
ゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ
基、シアノ基等で置換されていてもよい。
【0022】B中のR’で表される炭素数1〜8のアル
キル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、
アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘ
キシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、1−
エチルペンチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オ
クチル、2−エチルヘキシルが挙げられ、Xで表される
炭素数1〜18のアルコキシ基としては、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第二
ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、
アミルオキシ、イソアミルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘ
プチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオ
キシ、ノニルオキシ、イソノニルオキシ、デシルオキ
シ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシル
オキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ペ
プタデシルオキシ、オクタデシルオキシが挙げられ、炭
素数1〜8のアルキル基としては、R’と同様の基が挙
げられ、Z中のR1で表される炭素数1〜8のアルキル
基としては、R’と同様の基が挙げられる。
【0023】上記の一般式(I)で表されるヒンダード
アミン系光安定剤の更なる具体例としては、例えば、
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステア
レート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタク
リレート、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル
メタクリレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテ
トラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4
−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシ
ル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2
−(3,5−ジ第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)マロネート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2
−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキ
シ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチ
ル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカル
ボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。
【0024】塩化シアヌル縮合型としては、1,6−ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルア
ミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−
s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/
2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリ
アジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,
4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−
6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、
1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブ
チル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−
1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11
−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s
−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,
11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
ノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン等
が挙げられる。
【0025】また、高分子量型としては、1−(2−ヒ
ドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6
−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物等が挙げ
られる。
【0026】また、紫外線吸収剤系光安定剤としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス
(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の
2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6
−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロ
キシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベン
ゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2
−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエ
チル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2
−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシ
エチル)−5−第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾー
ル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイル
オキシエチル)−5−第三オクチルフェニル〕ベンゾト
リアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタク
リロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ
−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕
ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三
ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェ
ニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3
−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチ
ル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロ
キシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキ
シプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイル
オキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−
2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾー
ル、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイル
オキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2
−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;
2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,
6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−
ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジ
フェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,
4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2
−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アル
コキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,
6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−
トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリ
ロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4
−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−
(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,
6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−
トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3
−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−
トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,
6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニル
サリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,
4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエー
ト、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロ
キシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエー
ト、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−
2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ド
デシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−
α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル
−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニ
ル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金
属塩又は金属キレート、特にニッケル又はクロムの塩又
はキレート類が挙げられる。
【0027】また、結晶核剤としては、4−第三ブチル
安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム等のカ
ルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第三ブチルフェ
ニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン
ビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート、
リチウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブ
チルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシアルミニウム
ビス(2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチル
フェニル)ホスフェート)等の酸性リン酸エステル金属
塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジ
リデン)ソルビトールなどの多価アルコール誘導体、リ
チウムベンゾエート、ナトリウムベンゾエート、アルミ
ニウムベンゾエート等の芳香族カルボン酸金属塩等が挙
げられる。
【0028】また、脂肪族モノカルボン酸のアルカリ又
はアルカリ土類金属塩としては、ポリオレフィン樹脂に
対して、触媒失活剤、結晶化助剤として用いられるもの
であり、これを構成する脂肪族モノカルボン酸として
は、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、酪酸、オクチル酸、
デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸等が挙げられ、アルカリ金属としては、リ
チウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、アルカリ土
類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウムが挙げられる。
【0029】また、ハイドロタルサイト化合物として
は、下記式で表されるものが挙げられる。 MgX1ZnX2Al2(OH)2X1+2X2+4CO3・mH2O (式中、X1及びX2は各々下記式で表される条件を満
足する数を示し、mは0または任意の正数を示す。0≦
X2/X1<10、2≦X1+X2<20)
【0030】また、上記以外の添加剤としては、ノニオ
ン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界
面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防止剤、ハロ
ゲン系化合物、リン系化合物又は金属酸化物等の難燃
剤、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪
族エステル系、脂肪族アマイド系又は金属石けん系の滑
剤、結晶核剤、加工助剤、染料、顔料等の着色剤、有機
カルボン酸等が挙げられる。
【0031】このなかでも特にリン系抗酸化剤は、フェ
ノール系抗酸化剤と併用することで相乗効果が得られる
ので使用することが好ましく、また、ハイドロタルサイ
トは、触媒を失活させ、ポリオレフィンの熱安定性を改
善する効果が得られるので使用することが好ましい。
【0032】ポリオレフィンに使用される添加剤の好ま
しい使用量の範囲は、効果が発現する量から添加効果の
向上が見られなくなる範囲である。ポリオレフィン10
0質量部に対する各添加剤の使用量は、無機充填剤が
0.01〜15質量部、フェノール系抗酸化剤が0.0
1〜5質量部であり、必要に応じて用いられるその他の
添加剤については、使用する場合は、それぞれ0.00
1〜15質量部である。必要に応じて用いられるその他
の添加剤の中で、使用するのが好ましいものとして例示
したリン系抗酸化剤及びハイドロタルサイト化合物につ
いては、0.001〜5質量部である。
【0033】本発明のポリオレフィン用顆粒状複合添加
剤中の各構成成分原料の配合は、該ポリオレフィン用顆
粒状複合添加剤に必要な機械的強度を与えかつ上記のポ
リオレフィンに対する好ましい使用量に対応する範囲で
ある。これについては、無機充填剤30質量部に対し、
フェノール系抗酸化剤は1〜30質量部であり、好まし
くは5〜20質量部である。また、必要に応じて用いら
れるその他の添加剤については、10成分以上の使用
は、通常行われることはなくまた添加量が大きくなると
顆粒の機械的強度を損なうことになるので無機充填剤3
0質量部に対して、0〜500質量部であり、100質
量部以下が好ましい。また、前記の如く、リン系抗酸化
剤及び/又はハイドロタルサイト化合物を用いることが
好ましい。この場合のリン系抗酸化剤は、無機充填剤3
0質量部に対し1〜30質量部、ハイドロタルサイト化
合物は、0.5〜10質量部が好ましい範囲である。
【0034】上記より、本発明におけるポリオレフィン
用顆粒状複合添加剤の中の無機充填剤の割合は、4.6
2〜73.2質量%であるが、得られる顆粒の強度と機
能のバランスがよいので、5〜60質量%が好ましく、
10〜50質量%がより好ましい。
【0035】本発明に係る粉化促進試験による粉化率
は、顆粒状複合添加剤を振とう機を用いて振とうして、
16メッシュのふるいを通過する粒子の割合を質量比で
表したものである。16メッシュのふるいを通過する粒
子は、浮遊粉塵となり、作業安全性を低下させるもので
あるので、この値が1.0%以下であることが好まし
い。
【0036】本発明の上記のポリオレフィン用顆粒状複
合添加剤の製造方法とは、前記の粉末シリカ等の無機充
填剤とフェノール系抗酸化剤、ポリプロピレン及び必要
に応じて任意で含まれる他の添加剤を混合した混合物を
150℃〜270℃で造粒する方法である。造粒時の温
度が150℃より低いと得られる顆粒の機械的強度が不
足し、上記の粉化率が悪化し、270℃より大きいと流
動性が大きくなり造粒が困難になる。
【0037】また、成形方法及び成形装置等については
何ら限定されることなく、周知一般の方法、成形装置を
使用することができる。製造方法としては、ディスクペ
レッター法、押出法が一般的であり、製造された顆粒状
複合添加剤の強度が特に良好なので押出法がより好まし
い。
【0038】本発明に係るポリオレフィン用顆粒状複合
添加剤が添加使用されるポリオレフィンについて、その
種類は、何ら限定されることなく、周知一般のものを使
用することができる。例えば、低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ブテ
ン、プロピレン/エチレンブロック又はランダム共重合
体等のα−オレフィン重合体等が挙げられる。その中
で、著しい添加効果を得られることからポリプロピレ
ン、エチレン/プロピレンブロック又はランダム共重合
体が特に好ましい。
【0039】また、上記ポリオレフィンの用途として
は、バンパー、ダッシュボード、インパネ等自動車用樹
脂部品、冷蔵庫、洗濯機、掃除機等家電製品用樹脂部
品、食器、バケツ、入浴用品等の家庭用品、玩具等の雑
貨品、タンク類等の貯蔵、保存用容器等の成形品や、フ
ィルム、繊維等が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下、製造実施例、製造比較例、評価例、実
施例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。
しかしながら、本発明は以下の製造実施例、製造比較
例、評価例、実施例によって何ら制限を受けるものでは
ない。尚、試験試料及び比較試料の製造は、混練押出機
(株式会社池貝製PCM46型)、ダイス(孔径2.5
mm、孔数16)、ホットカット方式の装置を用いた。
ペレットのサイズは直径2.5mm、長さ5〜7mmで
ある。
【0041】(製造実施例1)試験試料A−1の製造 無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノー
ル系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;3
0質量部の配合により、シリンダー温度設定;末端部導
入部80℃、中央部140℃、末端部165℃、押出ス
クリュー回転数;60rpm、押出量17.0kg/H
rでペレットを製造した。
【0042】(製造実施例2)試験試料A−2の製造 上記製造実施例1と同じ配合により、シリンダー温度設
定;末端部導入部80℃中央部200℃、末端部165
℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量17.
4kg/Hrでペレットを製造した。
【0043】(製造実施例3)試験試料A−3の製造 上記製造実施例1と同じ配合により、シリンダー温度設
定;末端部導入部80℃中央部250℃、末端部200
℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量19.
0kg/Hrでペレットを製造した。
【0044】(製造実施例4)試験試料Bの製造 無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノー
ル系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;3
0質量部、ハイドロタルサイト化合物:DHT−4A
(協和化学株式会社製)2質量部の配合により、シリン
ダー温度設定;導入部80℃、中央部140℃、末端部
165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量
17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0045】(製造実施例5)試験試料Cの製造 無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノー
ル系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;3
0質量部、リン系抗酸化剤:2,2'−メチレンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイ
ト;10質量部の配合により、シリンダー温度設定;導
入部80℃、中央部140℃、末端部165℃、押出ス
クリュー回転数;60rpm、押出量17.0kg/H
rでペレットを製造した。
【0046】(製造実施例6)試験試料Dの製造 無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノー
ル系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;3
0質量部、リン系抗酸化剤:2,2'−メチレンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイ
ト;10質量部、ハイドロタルサイト化合物:DHT−
4A(協和化学株式会社製)2質量部の配合により、シ
リンダー温度設定;導入部80℃、中央部140℃、末
端部165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押
出量17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0047】(製造実施例7)試験試料Eの製造 無機充填剤:非晶質シリカ粉末;30質量部、フェノー
ル系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;3
0質量部、リン系抗酸化剤:2,2'−メチレンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイ
ト;10質量部、ハイドロタルサイト化合物:DHT−
4A(協和化学株式会社製)2質量部、滑剤:ジグリセ
リンモノステアレート;5質量部の配合により、シリン
ダー温度設定;導入部80℃、中央部140℃、末端部
165℃、押出スクリュー回転数;60rpm、押出量
17.0kg/Hrでペレットを製造した。
【0048】(製造実施例8)試験試料Fの製造 無機充填剤:タルク;30質量部、フェノール系抗酸化
剤:テトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタ
ン;10質量部、ポリプロピレンパウダー;30質量
部、リン系抗酸化剤:、リン系抗酸化剤:2,2'−メ
チレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチル
ホスファイト;10質量部、ハイドロタルサイト化合
物:DHT−4A(協和化学株式会社製)2質量部、滑
剤:ジグリセリンモノステアレート;5質量部の配合に
より、シリンダー温度設定;導入部80℃、中央部14
0℃、末端部165℃、押出スクリュー回転数;60r
pm、押出量17.0kg/Hrでペレットを製造し
た。
【0049】(製造実施例9)試験試料Gの製造 無機充填剤:非晶質シリカ15質量部、タルク15質量
部、フェノール系抗酸化剤:テトラキス[3−(3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシメチル]メタン;10質量部、ポリプロピレン
パウダー;30質量部、リン系抗酸化剤:トリス(2,
4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト;10質量
部、ハイドロタルサイト化合物:DHT−4A(協和化
学株式会社製)2質量部、滑剤:ジグリセリンモノステ
アレート;2.5質量部、帯電防止剤;エレクトロスト
リッパーEA(株式会社花王製);2.5質量部の配合
により、シリンダー温度設定;末端部導入部100℃、
中央部180℃、末端部165℃、押出スクリュー回転
数;60rpm、押出量17.0kg/Hrでペレット
を製造した。
【0050】(製造比較例1)比較試料aの製造 上記の製造実施例1について、これからポリプロピレン
パウダーを除いた配合により、配合以外の同一の条件
で、比較試料aを製造した。
【0051】(製造比較例2)比較試料1、2の製造 上記の製造実施例7から無機充填剤を除いた配合により
比較試料1を、製造実施例8から無機充填剤を除いた配
合により比較試料2を製造した。
【0052】(評価例1)上記で得られた試験試料A−
1、比較試料aの破断面について電子顕微鏡及びEDS
(Energy Dispersive Spectroscopy)分析、EELS(El
ectron Energy Loss Spectroscopy)分析により均一性
を評価した。破断面の電子顕微鏡写真および組成分析ポ
イントを図1〜2に示す。また結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】上記表1より、本発明のポリオレフィン用
顆粒状複合添加剤は、ポリプロピレン配合の効果によ
り、均一組成を有することが確認できる。
【0055】(評価例2)強度(粉化率、硬度)の評価 上記で得たいくつかの試験試料及び比較試料について粉
化率(500mlポリ容器に16メッシュのふるいを通
過しない試料を100g入れ、振幅40mm、振とう速
度300サイクル/分で4時間振とうした後、16メッ
シュのふるいを通過した質量%)、強度(木屋式硬度
計)の評価を行った。結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】上記表2より、本発明のポリオレフィン用
顆粒状複合添加剤は粉化率が0.5%以下、硬度が20
N以上であり、良好な機械的強度を有し、ノンダスト化
に適したものであることが確認できる。
【0058】(評価例3)表3〜4に記載の配合よる組
成物をヘンシェルミキサーで5分間混合し、250℃、
25rpmの条件で押出加工してペレットを製造した。
これを250℃で射出成形して得た厚さ4mmの試験片
について、曲げ弾性率(ASTM D−790)を評価
した。また、この組成物を280℃で繰り返し押出加工
してペレットを作製し、得られた1回目と5回目のペレ
ットを250℃で射出成形して厚さ2mmの試験片を作
製し、その色調(黄色度)をハンター比色計で測定し
(表中Y1、Y5)着色防止性を評価した。Y1は初期
着色防止性を表し、Y5/Y1は着色防止効果持続性を
表す。これらの値が小さいほど着色防止性に優れる。
尚、比較例1〜2は、ポリプロピレンに配合する試料を
表3に示すものに変え、全体の組成としては、実施例1
と成分及び配合について実質上同一であり、比較例3
は、実施例1から無機充填剤を除いた組成である。ま
た、同様に比較例5〜6は、実施例2と成分及び配合に
ついて実質上同一であり、比較例7は、実施例2から無
機充填剤を除いた組成である。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】上記表3〜4より、本発明の顆粒状複合添
加剤がポリオレフィンに対して、各添加剤を個別に加え
た場合と同様もしくはそれ以上に添加効果の向上を与え
ることが確認できる。しかも添加剤のワンパック化によ
り、浮遊粉塵を無くし、配合と均一混合の手間を低減す
ることができた。
【0062】
【発明の効果】本発明により、添加剤のノンダスト、ワ
ンパック化に対応した強度及び機能を有するポリオレフ
ィン用顆粒状複合添加剤を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験試料A−1の破断面 ポイント及びは、組成分析を行った箇所を示す。
【図2】試験試料aの破断面 ポイント及びは、組成分析を行った箇所を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 孝 埼玉県浦和市白幡5丁目2番13号 旭電化 工業株式会社内 (72)発明者 大 直子 埼玉県浦和市白幡5丁目2番13号 旭電化 工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB121 BB141 BB151 BP001 DA016 DE076 DE086 DE136 DE146 DE186 DE236 DE288 DG026 DG046 DG056 DJ006 DJ016 DJ026 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 EJ017 EJ027 EJ037 EU197 EV047 EW067 FA046 FD016 FD018 FD040 FD050 FD077 FD200 GT00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機充填剤30質量部、フェノール系抗
    酸化剤1〜30質量部、ポリプロピレン10〜90質量
    部、及び随意成分として一種類以上の他の添加剤成分0
    〜500質量部を含有してなるポリオレフィン用顆粒状
    複合添加剤。
  2. 【請求項2】 無機充填剤が粉末状シリカ及び/又はタ
    ルクである請求項1に記載のポリオレフィン用顆粒状複
    合添加剤。
  3. 【請求項3】 フェノール系抗酸化剤がテトラキス[3
    −(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
    プロピオニルオキシメチル]メタンである請求項1又は
    2に記載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤。
  4. 【請求項4】 一種類以上の他の添加剤成分中に1〜3
    0質量部のリン系抗酸化剤が含まれる請求項1〜3のい
    ずれかに記載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤。
  5. 【請求項5】 一種類以上の他の添加剤成分中に0.5
    〜10質量部のハイドロタルサイト化合物が含まれる請
    求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン用顆粒状
    複合添加剤。
  6. 【請求項6】 振とう機による粉化促進試験において、
    16メッシュのふるいを通過する粒子の質量比(粉化
    率)が1.0%以下である請求項1〜5のいずれかに記
    載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤。
  7. 【請求項7】 構成成分原料を150℃〜270℃の温
    度で造粒することを特徴とした請求項1〜6のいずれか
    に記載のポリオレフィン用顆粒状複合添加剤の製造方
    法。
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